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サーバー室のとなりから発信です
明治22年高等小学読本の太陽系
明治22年初版巻6、第35課の「太陽系」をとりあげる。120年以上前の記述だけに興味がわく。惑星を遊星とよんでいるが、水星から海王星までで冥王星は載っていない。100年以上も後に冥王星が惑星から外されることを予期していたわけではないだろうが。
また、はやぶさ2がめざす小惑星も小遊星として112個あると書かれている。現在小惑星は軌道が確定し番号が付けられたものだけでも30万を超え、それ以外を含めると60万近い数になるという。火星と木星の間にあるだけに、大きなものしか当時は確認できなかったのだろう。
遊星の周りを回る衛星、この呼び方は衛星で今と変わらない。地球に月、木星に4個、土星に8個などと載っている。天文学の進歩を実感できる35課である。
中学2年生情報モラル授業続く
小学校6年生と中学校2年生の市内全学級でITアドバーザー(T1)が学級担任(T2)と協力して行う授業が続いているが、この12月は特に中学校で多数展開されている。昨年から始まった情報モラル授業だが、全校全学級展開は手慣れたとはいえITさんにも大仕事である。
インターネット等に関する情報トラブルが起こらないように、5日(土)には各中学校から代表2名が参加し、沼南庁舎で研修会も開かれた。新聞各紙に記事も紹介された。その研修結果を持ち帰って学校で生かせるといい。
明治22年の高等小学読本「泳気鐘」
ずっと明治22年発行の高等小学読本から連載しているが、今回は巻4第26課「泳気鐘」である。泳気鐘というものをご存じだろうか。写真のような釣鐘状の物の中に人間が入り、海の底に沈めて、海底の物品を拾うための水中歩行器械である。
四角形も近頃多いと書いてある。内部には人が座る椅子がある。鉄製で上部はガラスで採光をとり、皮製の二つの長い管で地上とつなぎ、新鮮な空気の取り入れと汚れた空気の排除に使用する。
「いかなる物体も同時に同所を占有できない」という自然の法則を確かめるコップを使った実験も紹介されている。
大津一小でICT活用授業公開
24日、ICTを活用した二学期の授業公開が大津一小で行われた。当日は4、5校時に国語と算数の授業が公開された。大津一小の研究は昨年度から行われ、ICTを使った場合とそうでない場合の違いを明らかにする目的で進められている。
4校時の国語は4年生「興味をもったことをしょうかいしよう」で、NHKの放送や11班ごとに各2台のタブレットPCから情報を得て、読みたくなるような本の紹介をするキャッチコピー作りに挑戦した。3名の班員は各自が書いたキャッチコピーをピラミッドチャートに貼り付け、3段階で最もいいものを選んでいった。
5校時は6年生の算数「順序よく整理して調べよう」で4つの乗り物に乗る順番が全部で何通りあるかを予想し、各自がタブレット画面を操作したり、ノートに書いたりして求め、その結果を学習支援ソフトを使って大型電子情報ボードで代表児童の考えを取り上げたり、比較するなど情報を共有した。二つの授業ともPC教室ではなく普通教室で行われ、タブレットPCが役立った。
第2回情報化推進委員会
授業は6年生算数「順序よく調べよう」で、4つの乗り物に乗る順序を、PC教室から外して教室に持ち込んだ一人1台のタブレットで考えさせることが中心だった。この結果を授業支援ソフトを使って見比べ、生徒全員が共有して話し合った。
協議では、今年度で一段落した市内小中学校の機器の更新だが、これから先の計画が話題となった。
明治22年の高等小学読本「勉強」
高等小学読本巻4第3課「勉強」、原文はカタカナ表記だが、ひらがなで書き出しから紹介すると。
「汝等は、此後、学校を退きて、他の業務に従事すとも、決して読書を廃すべからず、又学校にて、既に十分、知識を得たるにより、更に勉強せざるも可なりと思うべからず。これまで、汝等の学びし所は、ただ教育の端緒なり、決してこれにて完全せりというにあらず、これなお家屋の基礎の如し、その上に宏大な家屋を建築するは、汝等、将来の勉強にあるなり」
何とも含蓄ある内容ではないだろうか。長々と教員がしゃべるよりもこの短い文章の説得力は大きい気がする。学校を卒業してからは「読書」を先生の代わりに学べというのである。怠けずに時間を見つけて学ぶこと、どんな職業についてもいえる。最後に「勉むべき時にはよく勉め、遊ぶべき時にはよく遊ぶことが業務を全うする最良法」と結んでいる。
明治22年の高等小学読本「駱駝」
今回は前回の「火の話」の次巻3第19課「駱駝」を取り上げる。挿絵と本文で生徒はラクダについて相当の知識を興味深く身につけるだろう。珍しい動物をぐっと身近に感じるに違いない。
確かに牛や馬は世界中にいるが、駱駝は熱帯地方の砂漠にしかいない。その砂漠で生きていくためのいろいろな特徴が端的につづられている。背中のコブの正体や胃の不思議な構造、それゆえ人間に狙われる危険さなど面白い内容が詰め込まれている。
ホームページ移行準備始まる
27年度は柏二小、大津一小、高柳中の3校でCMSを使ったホームページが試行されている。この方式への移行を円滑にはかるための研修が全校を対象に先週行われた。今までのホームページのよさを残しつつ、内容や更新が一層進むよう期待したい。
明治22年の高等小学読本「火の話」
今回は、明治22年10月に発行された高等小学読本巻2第4課「火の話」をとりあげる。
この課はこんな書き出しで始まる。「昔の人は、火を五行(木火土金水)の一となし或いは、四大(地水火風)の一となせり。然れども、火はもと水土の如き実体にあらず、只一の体が、他の体に変化する時に、現わるる有様なり」今の理科の教科書と比べて哲学的なにおいがするではないか。原文はカタカナ表記である。
この読本には他にも、理科に関する課が多く入っている。例えば、猫の話、氷の話、砂糖の製造、根の話、山と河の話、象の話1・2、植物の増殖、葉の形状、二つの息1・2等である。全34課ある中に三分の一が理科に関するものであることに驚く。読本で理科に興味をもった子も多かったことだろう。
タブレットPCを算数の図形で
去る15日、柏二小で、ちば「授業練磨の公開日」、4年生の算数の授業が公開された。授業はL字形の図形の面積を求めるものである。できるだけ少ない切り方で長方形に変形し面積を計算する。手元には児童一人一人に3枚の図形を印刷した紙とタブレットPCが配られ、個人、グループ、全体で求め方を追究した。
この授業でタブレットは切る、移動、回転を簡単にする上で有効だった。それ以上に今回の授業で興味をひいたのは、発表方法だった。一番先に面積の求め方の「式だけ」を発表者が伝える。これを知った他の児童がその方法をいろいろ考えて発表、最終的に発表者がこういう方法ですというのである。求め方を淡々と述べ、最後に式を出すやり方にはないコミュニケーションを大事にした授業となった。他校でも参考になるやりかただろう。
統計、死亡者の年齢別円グラフ
明治44年発行の高等小学読本巻3、第30課「統計」に載った円グラフが目を引き付けた。
明治41年の死亡者の年齢別統計を円グラフで示している。60歳以上の死亡者の割合と0~1歳で亡くなった子の割合がほぼ同じであることに驚いた。しかもこの両者で死亡者の半数を占めている。100年以上過ぎた現在の栄養状況や医療の進歩を実感する。
巻3の第1~32課の目録は、皇后陛下十二徳の御詠、日本の風土、博物館、奈良、源平藤橘、感情、ナポレオン(1)、ナポレオン(2)、鏡、神社、ほととぎす、月光の曲、空の景色、望遠鏡と顕微鏡、バクテリヤ、小袖曾我、青年会、天然記念物、新聞紙、夏の暁、柳生宗矩、推薦状・就職通知、租税、西洋雑話、朝鮮略史、保険、古武士の意気、服装、釈迦、統計、本居宣長、興国の民
リプレイス研修あと2校
今年度11校の小学校で行われている情報機器等の更新、これらを活用するためのITアドバイザーによるリプレイス研修が残すところ2校になった。5年たつと世界が全くといっていいほど変わる。実物投影機だけでもコンパクトになり、機能も充実、解像度も上がって鮮明である。
今回普通教室に常設されたプロジェクターは電子黒板機能が内臓され、位置合わせの作業をすることなく電子黒板になるのは先生方にとって大きなメリットだ。デジタル教科書の活用が一気に進む原動力になろう。昨年までのリプレイス校は残念がるに違いない。まだまだ機器もソフトも進化しつづけている。
円福寺隣には大青田小学部・碑
大青田の円福寺に隣接して妙見神社があるが、その境内に「大青田小学部」と刻まれた大きな石碑がある。以前に述べた千葉県神社碑や筆子碑、岩本石見守碑もさることながらこの大きな碑は明治の学制発布後の様子を知るうえで貴重な教育遺産である。
この碑の前面には長文が刻まれ、筆者の読解力では十分な把握ができないが、円福寺を借りた学校が生徒増で狭くなり、新しく明治16年に学校を建てた当時の状況がわかる。碑は明治22年(1889)3月建立である。
神社の境内には宝暦(1750~)年間の「天神宮」もある。筆子碑と同様に筆子たちによって建てられた石宮である。柏の最北、大青田にこれだけ江戸時代からの庶民教育の歴史を知ることができる碑がまとまっていることは驚くべきことである。ぜひ訪ねてほしい。
リプレイス研修始まる
今年度は小学校11校で情報機器等の更新、リプレイスが実施される。夏休みを中心に準備を進め、新しい機器が学校に収められたが、使用できるようになるのはこのリプレイス研修終了後である。
研修は放課後14日の富勢小から始まった。先週4校、今週2校で半分終了、最新機器が使用可能となる。前回リプレイスは22年度、この5年で情報機器はハードもソフトも一段の進歩を遂げた。今回の小学校11校で全部の小学校にデジタル教科書(算数と社会)が入ったので市内どこに転勤しても使えるようになった。もちろん各教室にプロジェクターも常設が完了し環境が整った。
今年の注目は昨年度から導入したPC教室の児童用パソコンの画面部分が取り外せて、タブレットになり、PC教室外へ持ち出せることである。なお、普通教室で無線LANをつないで児童全員の画面を一覧できる等の機能を持つ「授業支援ソフト」は今年度初めて導入された。中原小や大津一小で先駆的に行われた研究がこれで広がる。
夏の情報活用講座をふり返って3
毎年、情報モラルに関する講座は必ず設けているが、なかなか受講希望者が増えないのが課題である。昨年から小学校6年生と中学校2年生市内全学級でITアドバイザーによる情報モラルの授業を実施しているのも先生方の手がつけにくい分野であろうとの配慮がある。
今年の講座は2コマ、各学校で利用可能な広教の「事例で学ぶネットモラル」と西田校長先生の「みんなで取り組む『情報モラル』」であった。
前者は最新版が出ているが、柏市で使えるのは旧版である。しかし、当日配付されたテキスト最新版は増し刷りOKということなので、使用希望がある場合は教育研究所に問い合わせてほしい。
西田校長先生には毎年講師をお願いしているが、今年も講座内容を吟味、工夫いただき、今回は参加者4~5人の3班に分け、ワークショップ形式で双方向の講座となった。身近にこのような講師がいることに深く感謝したい。
夏の情報活用講座をふり返って2
この夏の講座でキーワードとなった言葉がある。「コミュニケーション力」である。恥ずかしながら準備段階では気付かなかったのだが、コミュニケーションに注目した講座が並んでいたのだ。
まず佐和教頭先生が講師となった「スレート型PC・iPad活用」講座、講座名からは想像しにくいが、タブレット端末もツールの一つとしてコミュニケーション力を対話、交流、討論、説得の4段階で実体験する内容だった。参加者は2~3人ずつ9つのグループに分かれ、自己紹介、県名当て、国名当て、町のPR用プレゼンなど段階を踏んで学んだ。ホワイトボードの利用も印象に残った。
さらに毎年定番化された「コラボノート」もJR四国から講師を招いて、画面上で15名近くがコミュニケーションを深めた。夏休みの思い出、動物のことわざ、節電対策、そして班新聞作りと内容は多彩だった。
ニュースで話題になるLINEだが、講座ではLINEの講師から静岡大学と共同開発したコミュニケーションに目を向ける児童生徒用授業案を実体験した。今後大規模なアンケート調査を行い、改訂版を作るという。
夏の情報活用講座をふり返って1
夏休みが終わり、二学期がはじまりました。このブログも再開です。7月から8月、10日間にわたり20コマ実施された「柏市教職員夏季情報活用研修講座」が先月28日終了、何回かに分けてふり返ってみたい。
前半の5日間は毎年参加の多いエクセルとワードの講座である。エクセルは全5コマ、初級2回、中級2回、上級1回である。筆者も受講者となって毎年参加しているが、ITアドバイザーは少しずつテキストを改訂してくれているので毎年発見がある。今年の一番の収穫は上級講座のマクロが理解できたこと。1年たてば忘れてしまうに違いないが、あの時分かったという感覚は残ると思う。
ワードは基礎と応用の2コマ、特に活用の差し込み文書はエクセルと連携する楽しい内容が今年も展開された。他にムービーメーカー、パワーポイント、Teコンパスの講座が各1コマあった。受講者は5日間で241名、まだまだ校務処理での要望が根強い証拠である。
明治21年発行の読本、第11課「一滴水の話」
この話は、まだ国定教科書が発行される以前、明治21年に文部省編集局が出した『高等小学読本』全8冊の内の第1巻に掲載されたものである。話の内容に入る前に、第1巻なので緒言が9項目示されていて、その内容が興味深い。3項目目に「児童の愉悦心を喚起し」とある。また、地理・歴史・理科・製造業・古人の文等を取り上げたわけも各項目に分けて書かれている。130年近くも前の教科書とはいえ新鮮である。
さて、この11課は理科の話である。今でいえば「水の三態変化」を扱っている。小学校高学年でも興味が持てるよう、実際に実験をすることもなく、お話だけで進める形に驚く。夏の朝、早起きした次郎、畑の青芋の葉に一滴の水玉を見つける。雨も降ってないのにどうして水玉が・・。この話を弟から聞いた兄は、弟の疑問をほめ、喜び、そして話し出す。という始まりである。
まもなく夏休み、21日からは「教職員夏季情報活用研修講座」が始まる。7月に4日間、8月に6日間の計10日間、全20講座マが予定されている。会場でお会いしましょう。9月までブログも休みます。
高等小学読本巻3第24課 西洋雑話
今回も巻3を取り上げる。雑話という表題からは想像できない興味ある短い話が綴られている。
・新大陸発見のコロンブス、「コロンブスの卵」ってそういう場面で生まれた話なんだあ
・万有引力発見のニュートン、ニュートンの物忘れもここまでとは、参った参った
・冒険家ラレー、煙草をヨーロッパに初めて輸入したころの話、そうかもしれないなあ
・ドイツのコンラード王、落城した城内の婦人の嘆願を認めた王だが、驚く結末に
・プロシアのフリードリッヒ大王、兵士にいつも3ケ条の問い、ドイツ語の分からぬ新兵の答えは
明治の時代だからできた国定教科書なのか、今の時代にあってもこんな教科書があれば生徒はきっとよろこぶだろう。確かにスマホやパソコンで手軽に多くの情報が手に入るが、明治末期、活字から飛び込むこれらの「雑話」を食い入るように見た子どもの姿が目に浮かぶ。
大津一小でICT授業公開
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※上記一部は市内専用サイトです
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※動画コンテンツは
柏市内教職員専用サイトです