サーバー室のとなりから

2015年7月の記事一覧

明治21年発行の読本、第11課「一滴水の話」

    この話は、まだ国定教科書が発行される以前、明治21年に文部省編集局が出した『高等小学読本』全8冊の内の第1巻に掲載されたものである。話の内容に入る前に、第1巻なので緒言が9項目示されていて、その内容が興味深い。3項目目に「児童の愉悦心を喚起し」とある。また、地理・歴史・理科・製造業・古人の文等を取り上げたわけも各項目に分けて書かれている。130年近くも前の教科書とはいえ新鮮である。

    さて、この11課は理科の話である。今でいえば「水の三態変化」を扱っている。小学校高学年でも興味が持てるよう、実際に実験をすることもなく、お話だけで進める形に驚く。夏の朝、早起きした次郎、畑の青芋の葉に一滴の水玉を見つける。雨も降ってないのにどうして水玉が・・。この話を弟から聞いた兄は、弟の疑問をほめ、喜び、そして話し出す。という始まりである。

   まもなく夏休み、21日からは「教職員夏季情報活用研修講座」が始まる。7月に4日間、8月に6日間の計10日間、全20講座マが予定されている。会場でお会いしましょう。9月までブログも休みます。

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高等小学読本巻3第24課 西洋雑話

今回も巻3を取り上げる。雑話という表題からは想像できない興味ある短い話が綴られている。

・新大陸発見のコロンブス、「コロンブスの卵」ってそういう場面で生まれた話なんだあ

・万有引力発見のニュートン、ニュートンの物忘れもここまでとは、参った参った

・冒険家ラレー、煙草をヨーロッパに初めて輸入したころの話、そうかもしれないなあ

・ドイツのコンラード王、落城した城内の婦人の嘆願を認めた王だが、驚く結末に

・プロシアのフリードリッヒ大王、兵士にいつも3ケ条の問い、ドイツ語の分からぬ新兵の答えは

明治の時代だからできた国定教科書なのか、今の時代にあってもこんな教科書があれば生徒はきっとよろこぶだろう。確かにスマホやパソコンで手軽に多くの情報が手に入るが、明治末期、活字から飛び込むこれらの「雑話」を食い入るように見た子どもの姿が目に浮かぶ。

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