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校長雑感ブログ
12月25日(木)石田ゆうすけ氏講演『自分らしく生きる』の感想:その2
2 これからの学校生活(生きていくことも含め)上で、参考になったことがありましたか?
『1年』
・きのこを売っていたおじさんの話。自分の考え、文化、生活など自分がやっていることが当たり前だと思わないほうがいい。人によって「当たり前」が違う。「当たり前」が違うことを認め、尊重し合えてこそ仲良くなれ、コミュニケーションがとれる。
・まず、発想が良いとおもいます。なぜなら難しくてもやろうとするのがかっこいいし、後悔しないか後先をしっかり考えるのも自分の参考になるからです。つぎに「小さな行動」がすごくいいと思いました。
・自分の夢を叶えるためには、小さいことから大事にしてその夢に対して一つずつ進んで行くこと
・人生の中で経験するもの何かを得るものは、人によって違うと思うし、まだ夢などが決まっていないけれど何か思いついたことを実現するということが大切だと学び一人ひとりの個性や自分に必要なものを考え最終的に自分に悔いのない人生を歩めるように頑張り実現できるようにします。
・多様性の理解は学校生活だけでなく、これから生きていくうえで大切なことだから今から実践して癖付けようと思った。また、苦境の乗り越え方の話を聞いて、自分のやりたいことができたときに大変なことがあったら客観視して前に進んでみようと思った。
・3年生になったら、入試とか受験とかがあって色々大変な時期があるけど、それでも石田ゆうすけさんみたいに色々な挑戦をして、乗り越えていきたいです。
・多様性の理解です。「相手の立場になって考えれば、少しだけ人に優しくなれる」と思いました。自分だけを考えることを常とするのではなく、相手のことも考えて接し、敬意を払うことで相手のことを知り、相手に優しくなりたいです。
・話を聞いてただ勉強したり作業したり部活したりじゃなくて目標や日にちを決めてそれを行ったり自分が何をしたいのか、自分が後悔しない選択をして勉強の仕方を工夫したり人との接し方を今までとはかえて相手の身にもっとなってみたりして生きていきたいと思いました
・世界一周はすごく大変だと思うし、難しそうだけど諦めずにやったというのがすご位と思いました。これから世界一周ほどじゃなくても難しかったり大変なことがあると思うけど諦めずに前進していきたいです。また、多様性の話などで、自分と違うかんがえの人でも相手の気持ちを考えて全部自分と同じと考えず、違う意見のいいところなどを探していろいろな人と関わっていく大切さを学ぶことができました。またインターネットなどの情報はすべてがただしいと思わないこと、実際に体験する大切さも学べました。
・自分は今年がとても短く感じていてそれと同じように人生もとても短いと思うから、自分らしく諦めずに挑戦していきたい。そしてもし海外に行ったときには、簡単な単語から覚えて英文にしなくてもいいから単語だけでも覚えていく。
・分岐点に立って迷ったときは後悔しない道を歩もうと思えました。
・選択によって人生が良くなったり悪くなったりするなど知った。またチャレンジしてみなければできなかったことや、わからなかったことがあるんだと思った。
・夢を諦めず、努力してたどり着くまで夢を追い続けるモチベーションが湧きました。
・ありました。社会に関わることが目的で、それまでに習得していくものは手段だとわかって、そこの手段の部分で終わらないようにしたいなと思いました。
・笑うことで余裕ができること
・相手の立場になることが大切だということ。自分の中にある固定概念を捨てるのが大切だということ。
・自分の意見ばっかりを尊重、押し付けるのではなく他の人のこと(意見など)も客観的に考えたり、自分の目標を達成にするためにはヤケクソになることや1つや2つは何かを失う覚悟でいることが大切だとわかった。
・多様性の尊重が大切だと思いました。日々生活している人のなかでは、普通に暮らせる人もいるけど、生活している環境の問題だったり、体が不自由な人がいたり、持病を抱えている人がいたりするから、みんながみんな同じような生活ができるわけじゃないことを考えられました。
・これから二年生、三年生と学年も上がってきて生活も厳しくなるかもだけど、石田さんの勇気ある体験話によく影響されました。これで自分への自身も良くつけて受験も頑張っていきたいです。
・今後は「今やっとけば良かったな」と思わない生活をおくりたいです。そのために、やりたいと思ったことを必ずではないけどほとんどやったり、挑戦したりしようと思います。
・これからは自分でどう生きていきたいかを探して、夢に向かって進んでどんどん向かっていく気持ちで頑張りたいと思う。
・今、夢を持たなくても、今後夢が持てるかもしれないし、今夢を持っていたらその夢に向かって、最後まで諦めないで全力で夢を叶えたいと思いました。
・自分が生まれた意味を知るためや探すことで人生がより良くなるということがわかりました。どんなことも、挑戦してみる事が大切なんだとわかりました。
・どんなに辛いことがあっても諦めずに乗り越えていけばきっと達成する事ができるのだと思いました。
・自分がやりたいと思ったことは、夢で終わらせないで、実現しようとすることが大事なんだと思った。
・毎日安全だと思っていてもたまに強盗などがいたりするから生活を改めて戸締まりなどをしっかりしたい。
・知らない言語の覚え方
・人は見た目によらず優しい人も世界にはたくさんいる
・石田さんも言ってた通り年々歳を取ると時間が立つのは速く感じるし、その時間の中で嫌なことをずっとやっているくらいだったら楽しいことをたくさんやったほうがいいなと思って今後は自分が「こんな事やってみたい」や「これ楽しいからやりたい」など思ったときは必ず自信を持ってやって楽しいということを感じたい。
・今自分がやりたいことを見つからないなら、勉強をしたほうがいいと言っていたので、自分の将来の道を広げるためにもっと勉強をして選択肢を増やしたほうがいいと思いました。
・多様性を理解することは自分のためを大切にしたいです。
・「やりたいことを声に出す」は、自分の好きな芸能人も言っていた言葉で、夢を叶えた石田さんも言っていたので、改めて大切なんだなと気付けました。なので、今後の人生は「やりたいことを声に出す」を意識して生きていきます。
・困ったときはヤケクソになるし決めたことはやる。
・夢をどんなに難しくてもいつ人生が終わるかわからないからできるときにすぐに行動に移すのが大事だと思いました。お金や環境にとらわれず自分のやりたいことをやるのが大事だと思いました。
・辛いことがあっても諦めない
・自転車で世界一周はしない方が良いことがわかった。でもしたら自分が生きていることを実感できるのはいいなと思った。
・自分の価値観を捨て相手の立場になって考えてみることは旅以外にも役立つし、現地の人達と関わり、よりその国が楽しくなったり好きになったりするから、先入観を捨てることも必要だと感じた。
・いろんな価値観を持つこと、言語の覚え方、多様性を理解すること。
・世界は広いのは知ってたけど、思ってた以上にひろくてびっくりしました。自分で漕いで見た景色がどれほどきれいなのか初めて見て感動しました。世界はではいけないけど、自転車でいつもと違う景色を見てみたいなと思いました。
・例えば、部活でなにか困難になったときでも、そのことをどうすれば解決できるのかを計画立てること。
・これからは多様性理解をして外国語を覚えていろいろな人と話したいと思った。
・自分がしたいことを目標にやっていきたいです。
・やりたいこと、夢がなかったら勉強を頑張って、可能性を広げること。
・私は、「いつか」ではなく、正確に日にちなどを決めて正確に決めていきたいと思います。また、将来のために勉強などをたくさんします。また、英語の勉強の仕方を参考にして書きたいと思います。
・自分のしたいことをする
・私にはまだちゃんとした将来の夢がないけれど、少しでも興味が出たものには失敗を恐れずに積極的に挑戦したいと思いました。いつでも後悔のない道を選択したいです!
・この演説全体が参考になりましたが、一番は上のことで、これからはどのような人に出会っても、決めつけで逃げ出したりするのではなく、石田さんのように相手に敬意を払おうと思えました。
・多様性理解
・計画的に目標を達成すること
・人生で時にはヤケクソで決めてもいいことがあるのががわかった。
・ありません
・少しずつ小さいことを積み上げて大きいことにも挑戦したいです。
・その人の立場になって考えてみること
・自分らしく生きる!
・生きる楽しみ
・多様性を理解することです。多様性を理解しないと結局は自分が認めてもらえなくなったりして、悪いことも多いから、いろんな特徴を持つ人がいることを理解して、受け入れて過ごしていきたいと思いました。
・夢を実現するために日程を決めることを大事にしようと思った。
・学校生活では周りの人に迷惑かけたからかけないようにしたりする。朝挨拶したり募金活動をしていたらお金を入れてあげる。
・だめだと思ったことも、声に出したり笑ったりして立ち直ることを覚えときたいと思いました。また、自分のやりたいことを見つけてそれを進んでできるようになりたいです。
・知らない人とあったりしたら、先に自分ではなくて相手が何を伝えたいのかを考えること。
・英語を学ぶにあたっての覚える順番や、多様性を理解すること。
・自分が理不尽な状況でも直ぐに人に助けを求めず、とりあえず自分で頑張ってみようと思いました。
・自分で選択肢を決めることや自分以外の人ともうまく接することができるようになろうと思った。
・自分の夢に向かって今の自分は何をシないといけないか、かんがえること
・世界一周は大変だけど、そのかわり美しい景色がたくさん見れることがわかった。
・話の中の石田さん以外にいた日本人の行動で、現地の子供に思いやっていてすごく優しい人なんだなと思い、この思いやりが参考になった。
・私流コミュニケーション術が参考になった。
・自分のやりたいことをするということ
・常に目標を持つ事が大事だと思う。
・諦めないでやること。
・これからの人生で敬礼、愛国、忠誠、滅共を胸に刻んで生きていきたい
『2年』
・色んな壁を乗り越える方法
・人生はすぐ終わってしまうので、後悔なく自分がやりたいことをどんどんやっていこうと思います。
・自分で決断をするということの重要さがすごく参考になりました。また外国でのコミュニケーション能力などの方法も参考になりました。
・三輪車のおじいさんの話から多様性の精神みたいに、何かをやれば何かを得れる何事もチャレンジ精神
・ありません
・石田さんが現地の言葉(英語)は勉強したほうがいいと言っていて、ほんとにそうだと思いました。
・多様性を尊重するために、じぶんをすてたり、相手の視点から考えたりすることが大事だと思いました。
・自分は今まで安定を求めていたけど、自分のやりたいことや好きなことをもっとやってみたいと思った。
・これからの道を自分がやりたいことをやって悔いのないように生きていきたいと思いました。
・時間はどんどん短く感じてくので、やりたいことはやっていきたい。
・とても綺麗な砂漠に行ってみたいと思いました。
・どんなに辛くても負けない、諦めないようにしようと思った。
・いつかじゃやらないから日程を決めたりしようと思いました
・人生でやりたいことをすぐ見つけられなかったら受験に力を入れるという考え方が参考になった。
・したいと思ったことは積極的にするべきだ。自分を後悔させないためには。私は、世界一周なんてことをするつもりはない。今のところはだが。私は私なりの感動を味わうべきなのだろう。そのためにも、人とわかりあうこと、新しい世界を見ることは重要だ。
・前に前進するにはやけくそになることが大事だと知り、やけくそになっていきたいなと思いました。
・何かを決断するときは、自分が後悔しない道を選び、誰かにそのことを伝えることが大切ということ。多様性に関わり方についてをこれからの生活の参考にしていきたい。
・自分の道は自分で決めないといけないので、人に頼りすぎずに自分で選んだ道を進みたいと思いました。やりたいことはやって後悔をなくしたいと思いました。
・終業式の3年生の反省で、朝の2分前着席ができるようにするには、朝型になれるようにすることが参考になった。今後の受験にも関係することだから、大事だと思った。
・積極的にいろいろな経験をし考えを広げていきたいです。
・自分はもともと敷かれたレールを行くのではなく自分から一歩を踏み出し違うレールを行くことが参考になりました。
・きのこの話から人のために行動を起こすことで自分の人生も相手の人生も豊かになることがわかったので参考にしていきたい。
・何事にも口に出す日程を決める、自分をすてる
・自分がしたいことを見つけ周りの人の噂をすべて信じて興味をなくすことわせずに自分の足でいき、目で感じてこれからの生活に活かすことをするのが大切だとしれました。
・自分がやりたいと思うことを我慢せず後悔をしない生きかたを選んだ石田ゆうすけさんみたいにやりたいことに熱心に取り組んでいこうと思いました。
・新しいことに挑戦するときは自分を捨てその環境に適応することを心がけたいです。
・諦めないこと、自分を捨てる、予定を決める、ヤケクソが参考になりました
・これからの学校生活は時間があっという間に過ぎていくともうので、思い出に残るようなそんな学校生活がいいと思いました。
・先のことを考えずに今やりたいことに果敢に挑戦することが大切だと知った。特に事実は一つじゃないという言葉が心に残って、他の国とかニュースとかで決めつけてしまうことがあり、自分にも刺さる部分がありました。
・インターネットだけの情報を鵜呑みにせず自分で見たり聞いたりして確かめることが大切なんだなと思い、これからはちゃんと自分で調べて確かめることを大切にしたいです。
・一度切りの人生なんだから、後悔のないように生きたいです。
・一つは勉強も大切だけど自由な時間も大切ということがわかりました。自分の将来の夢はたくさんの大変なことを乗り越えていくことが大切だとしれたので、勉強をたくさん頑張っていきたいです。
・敬意を払うことでいろいろな人の見方ができ、相手を尊重して生きていくことができると思います。自分もこれから色んな経験をしていくと思うのですが、その中で感じた感情を大切にして、沢山の人と出会っていきたいと思いました。
・夢を諦めないことの大切さを学べたので、自分の夢に向かって頑張っていこうと思えました。
・自分は、夢を持っていてそれを周りに言うのをためらっていました。そこで、今日の講義を受け自分よりもスケールの大きい夢をみんなに言った人がいると思い、自分の夢に誇りを持っていきたいです。
・自分らしく生きることの大切さを学びました。
・ネットなどの情報を見ても、それが本当かどうか疑う必要があり、一度自分の目で確かめてみることが大切だとわかった。また、言葉を完璧に覚えなくても、日常会話で使う最低限の単語さえ覚えれば、コミニュケーションは取れることを知った
・後悔しないことを選ぶといいことが参考になりました。
・自分の人生は自分が後悔しないことを意識して、自分の進路を3年生になったら決めていきたい。多様性も意識して今後の学校生活や社会に出てからも送っていきたい。
・石田ゆうすけさんの体験談で人生の二択を迫られているときに一方は安泰な生活ができるけど、もう一方は自分の道を進んで夢を叶えることで、自分の夢を追いかけるのがすごいと思ったから。自分も石田さんみたいな選択をしたい。
・諦めないことの大切さ
・インターネットなどをすぐ信じてしまいその国は治安が悪いなど決めつけてはいけないことがわかったから海外旅行をするならそういうのを活かしていきたいと思いました。
・これからの人生で、石田さんの決断力や行動力を見習い、公開しない人生を送りたいと思いました。また、他人との交流をする際のコツを知り、今後に活かしていきたいと考えました。
・この国怖いなって思っていたが、実際現地の人と関わってみたらすごく親切だったって聞いて決めつけはよくないなってことが参考になりました。
・石田さんが旅をしていく中で困難にあったときに考えるといいことや行動を知ることができ、自分も困ったりしたことがあったら使ってみたいと思った。
・将来の夢を決めるのは自分。1つ目の人生は安定した生活、2つ目の人生は夢がある生活だと、夢のある方が安定した生活よりも飽きないの言葉が胸に刺さりました。
・自分の考え方を変えれば感情のコントロールがうまくいくと知れた。
・自分のやりたいことをするには勉強することがたいせつ。
・辛いことがあったときは諦めずに乗り越えていきたいと思った。
また、夢は口に出すことで実現につながるし小さなことでも行動に移すことで叶うらしいからやっていきたい。
そして、辛いことを乗り越えて見える景色は最高らしいから自分も目指して頑張っていきたいと思った。
・諦めないこと
・後悔しない方法を取ること、です。私はどんなことにも怖がりで、こわいという感情が出たら物事を諦めてしまうことが多いです。諦めたことでやっとけばよかったという後悔の感情がでるときもあるので、石田さんのように良いこと悪いことを想像して、自分とよく話し合って、後悔しない選択をすることが大事だとおもいました。
・自分のやりたいことを夢から現実にする道のりのつくり方的なことを学んだのでそれを使って自分で選択していきたいです。
・仲間とのコミュニュケーションを大切にして相手の気持ちを考えて行動すること。外国人とのコミュニュケーションの取り方。
・今回の話を聞いて参考になったことは、嫌なことがあっても怒らずに僕は笑ったりしたりしてストレスを緩和して生きていこうと思います。本日は大変ありがとうございました。
・何事もすぐに諦めたりするのではなくて、諦めずにやり続蹴ることが大切だと思ったので何事もやり続けてみようと思った。
・石田さんの話を聞いて、いろいろなことにたくさん挑戦してみようと思った。
・目的をきめて、行動する。目標ややらないといけないことなどは声をだして周りの人につたえ、逃げれないようにする。
・決められた大体のレールだけを進むのではなく自分は何をしたいのか、をよく考え後悔のない楽しい人生にしたいなと思いました。
最初は無理だと思っていても、実際やってみると意外とできるんだなと思いました。しかしそれにはすごい忍耐力と覚悟が必要なんだとわかりました。手段と目的の話を聞き、手段は自分の中で終わること、目的は世の中のためになること。と話を聞き、手段だけで終わらせず自分が世の中のために何ができるのかを考え目的にしていきたいなと思いました。決められた大体のレールだけを進むのではなく自分は何をしたいのか、をよく考え後悔のない楽しい人生にしたいなと思いました。
・いつも幸せに生きることを目標にして生きていたいと思った。
・大きな世界を見つけられるような人生にするという目標ができました。
・生きていくうえで様々な経験をしていくことが多く、初めてで不安でもまずは「前進」がとても重要だと感じました。
・外国人との接し方について参考になった
・苦しいことがあったら笑うことが大切ということ
・がむしゃら
・これからの学校生活・人生はいろいろな選択があると思うけれど、その選択を慎重に選びたいです。
・自分はまだ将来の夢などが決まっていなくて、今日の講演を聞いて、たった一回の人生だから自分な好きな仕事をやったほうがいいと思いました。
・苦境な事があったときにお話のように客観・笑うなどを意識することによって乗り越えられるというお話があったのでそれを活かしていきたいなと思います。
・今回の全校道徳の話を聞いて、なにかしたいことがあるときに口に出して言うことをやってみたいなと思いました。口に出したほうがいい理由を聞いてなるほどなと思ったし、簡単にできるのでやってみたいです。
・失敗を恐れて挑戦しないより、自分の興味を行動にする人生のほうが楽しいと思うし、後悔も生まれないと思うから、冒険して生活したい。
・教えられたことが参考になりました。
・英語の覚え方など、もしどっか行く機会があればとても参考にしたいとおもいました。
・諦めないで人生楽しもうと思いました。自分も自転車が好きなので大人になったら同じようなことをしたいです。
・怒らないようにする。心を豊かにする。色々な人との交流をしてみる。
・一人の人物としての生き方
・ニュースとかだけのことを信じるんじゃなくて、実際に体験することで違う真実を見つけられるから、これからは1つのことを信じるんじゃなくていろいろな可能性を見つけたい。挨拶、感謝などを覚えていれば会話はできるので英語も少しずつおぼえようとおもった。
『3年』
・自分に負荷をかけることが成功への近道だなと感じた
・目標に向かって頑張る
・外国人との接し方
・今後の人生は、いろんな自分の都合に悪いことがあっても、あきらめずに進み続ける。
・後に後悔のない選択をする人生を送れるように頑張りたいと思った。
・無理だとおもったことでも、計画を練ることで自然とできるように感じるとこ。
・人との関わり方
・外国人と関わる際は、日本の文化に固定されずに、異国の文化を認めて生活していきたい。
・私は受験生で高校で生活することになったらその高校生活の中で夢を見つけてしれに向けて今回習ったことを駆使して夢に向かって頑張っていきたい。また、難しいことがあっても向かって行動しようと思った。
・人それぞれの文化を大切にすること 諦めないで努力すること やる気とヤケクソで頑張ること 言葉にならないくらい感動と辛い先にみえる景色をありがとうございました。
・自分の夢を追いかけていき、やれるうちにやっておくのが大事
・自分の人生、与えられた命を自分から楽しいものに変えていこうと思った。
・世界は自分が思っているよりも広いんだと思って生活する。
・自分でやりたい選択をしよう思った。
・苦労を客観的に見ること
・頑張れば乗り越えられる事。外国の言語の覚え方。
・何でもすぐ諦めないこと、人との接し方などを意識したいです。
・ありがとうございました。
・行動を起こす前の取り組み(日程を決める、声に出すなど)を普段の生活でも意識してみようと思います。
・やりたいことは諦めないでやろうと思った
・何事も興味を持ってみることが大切
・不境のときや人々とのコミュニケーションでの三箇条などを自分でも考えて試してみようと思いました。そして自分の目標に対して少し手も近づくように日々行動を見直し、具体的に計画を立てて行動しようと思いました。
・海外に行ってみたいと思った。
・やっぱり口に出して決断するというのは受験においても大切だなと思いました。これらを参考にして、第一志望校を合格できるようにしたいです。
・今自分が思っている普通を捨てようと思った
・自分も生き方の箇条を作っていきたい。
・これから高校に上がったりしたりサッカーを続ける上でたくさん挫折をしたりうまくいかなくて心が折れかけたりするときがあるかもしれないけど腐らず前を向いてぜんしんしていこうとおもいました。
・みんながこうしてるから。で自分の人生を決めたくないなと思った。
・夢は自分が頑張れば実現するものだからそれを叶えるために自ら行動して自分のやりたいことを見つけてそれを叶えられるようになりたいと思った。
・自分を捨てて、相手の立場も考えて、人間関係に気をつけたり、人それぞれの考え方を否定するのではなく、わかってあげることがいいなとおもいました。
・これからの学校生活、今後の人生も含めてで、いろんな国に行くときとかは、英語などはgood, very, a littleなどを覚えておくと会話が広がると聞いてすごく参考になった。goodにveryをつけてvery goodにしたり、少しと答えるときは、a littleと答えるだけでも全然会話の広がりが違うと知ることができた。
・自分がやりたいことを貫いていこうと思った。
・人を見た目で判断せずその国だから怖いという考え方を改めて仲良くできるようにしようと思いました。
・自分はやりたいことをちゃんとやる方が良い
・自分がやりたいことをゴールから逆算して考えることはこれからの勉強とかスポーツにおいて大事なことだと思った。
・自分らしく生きるのが大切だと思った。
・人の価値観を考えて怒らないようにしたいです。
・僕もおとなになったら旅しようと思った。
・石田さんのようにどんな人生を取ったとしても必ずぶつかる壁があるしその分のリターンもあるからそこでどう乗り越えてくかを考えて行きたいです。
・これからは多様性理解をしていこうと思った
・目標をつくって逆算する
・石田さんの講演でもおっしゃっていた、「手段と目的の違い」であったり、旅の中で感じた「人との付き合い方」も自分の中で活かすことができるのではないかと思った
・旅の中で人を見た目で判断しない、人を憎まずに人と笑っていられるようにするということをこの先の学校生活や人生で参考にしようと思いました。
・人によって考えることが違うから、相手の立場に立って、物事をしっかり考えようと思った。自分のやりたいことをふっきって楽しむことも考えようと思った。一度きりの人生を楽しもうと思った。
・外国語で先に礼儀や数字を覚えるのはとても頭が良いとおもったのでどこか外国に行くときに真似したいと思った。
・辛いことがあっても落ち込む必要はないと石田さんはおっしゃっていたので辛いことや失敗いた事があっても切り替えて次に繋げられるような行動を取りたいです。
・とりま行動が大事だとわかった
・盗賊や病気、暑さ、寒さで旅を中断しようとしても、それでも旅を中断せずに続けた結果、美しい景色などを見ることができた話を聞いて自分も、なにか辛いことや苦しいことが合ってもそれを続けようと思った。ポーランド人のおじさんが優しさできのこをくれた話を聞いて、様々な価値観を持って多くの人に優しくすることが大切だと思った。
・私は将来海外に行きたいと思っていて留学はとても不安だと思っていたけど海外はいいことがいっぱいあることを知って自分の行きたい高校に行けるように頑張りたいと思いました。
・まずは行動に移すことが大切だということ。
・人生は自分自身のものだからこそ、真実は1つではない。そして、自分自身の人生だけれど、他人のことも気にして生きるべきと思った。
・シェアを広くしていろんなことを考えたい。
・自律心を強く持ち、自分の夢や、やりたいことを全力ですること。
須藤昌英
12月24日(水)石田ゆうすけ氏講演『自分らしく生きる』の感想:その1
1 あなたは、本日の石田ゆうすけさんの講演を聴き、何が印象に残りましたか?
『1年』
・目的と手段のこと。目的を達成するために手段を使うのであって、手段がゴールではない。
・まず、自転車で世界一周する発想がすごいと思い、そのメンタルがいいなと思いました。そして、強盗や病気などの散々な目にあってまでもしっかりとするのが本当にすごいなと思い、世界一周の前の小さな行動をするのがいいなと思いました。
・自分の価値観を捨て、その人を尊重すること
・世界1周をして、感動したものなど旅の中で多くのものを得てそれを人々に伝えることができるということが印象に残りました。
・多様性の理解、現地の人々との交流
・七年半で色々な国を旅しているのが印象に残りました。
・ポーランドのきのこをくれたおじいさんの話です。おじいさん自身が障害者なのに、観光客とはいえ部外者であるはずの石田さんに無償できのこをプレゼントしてくれるなんて、とても優しい方なのだなと思いました。
・言語が通じないところに行ったときにやったほうがいいことや自分たちが知ってるものは現地に行ってみたら全然違って見えるかもしれないということ。
・多様性の関わりかたについてが印象に残りました。私は英語が苦手であまり外国の人と話したり交流したりすることがないけど、自分と違う価値観の人は日本の人でもいるし、そういうときにどう対応するかを学ぶことができました。
・苦境を乗り越えるには、客観視することなどが大事だとわかった。そして自分たちがスマホで調べているものは大体は本当に嘘だとわかった。
・いつもそばには無数の道が広がっていて、何を選ぶかは自分次第、という言葉が印象に残っています。
・強盗に襲われてもなお、旅を続けたこと
・彼は旅の途中で多くの問題に遭遇し、多くの困難な問題にも直面しましたが、彼はそれらに立ち向かい、計画していた目的地に到着するまで止まらなかったことを印象に受けました。
・単語だけでも、現地の人とコミュニケーションを取ったり、そのコツがあって実践していたのが凄かった。また、国によって宗教も違うし、価値観も違うことが現地の人達の対応によってわかった。その場所に来たら、その場所の考え方で生活するのが現地の人達にとって失礼のない行動なんだなと思った。どの国も普段情報を得ているところ、例えば新聞やインターネット記事などで書かれていることが全てではないと知った。その国にいかないとわからないことがたくさんあるんだと思った。
・人を尊重すること
・キノコをプレゼントしてくれたおじいさん。ヤケクソが一番助かったこと。
・自分が思っている、知っているよりも実際に行って見てみるとまだ知らないこともたくさんあって世界は広いとわかるということ。
・石田さんが自転車で海外に行ったときに出会った、おじいさんの話が印象的でした。おじいさんは、他の体の不自由な方と違って、自分できのこを採ってそれを売っていることがすごいことだと思いました。
・自転車だけで日本だけでなく世界までも一周しているのに驚きました。特に印象に残るのは体が弱いのにそれでも前進して世界を回ってきたことです。なぜそこまで頑張るのかが良く伝わってきました。世界の風景の美しさや旅の楽しさ、世界の人々の対応の仕方などをより深く知る体験にもなってとても楽しかったです。
・自分がやりたいことがあるときは日程を決めて行動することが大事だと思いました。また、外国に行ったときは自分を捨てて相手側になることが重要だと今日知れて良かったです。
・自転車で世界一周した決断力といざやってみていろんな体験や景色を見て人はこんな感動するんだなあと思ったことが印象に残った。
・世界一周を自転車でしたが、途中で帰ろうとしたり、病気にかかっていたりしたのにそれでも最後まで世界一周を回りきったということが印象に残っています。
・自分たちの思っている世界の国々のイメージは新聞やニュースなどの少しの情報で考えられたもので、実際は、イメージとは違うとても良い国や人々だったということ。
・片足がないおじいさんの話です。お金を貰おうとしているのではなくプレゼントと、として タダで渡すというのが優しいと思いました。
・他の人と同じ道を歩くより、自分が進みたいと思った道を進んだほうが楽しい。
・自転車をこいでいる途中に強盗が来てロープで手足を縛られるなどな所が印象に残りました。
・三輪車のおじさんの話が印象に残りました。
・5つのわけの②が印象に残った。考えてみれば自分も「いつかこれをやろう」と決めていてもその「いつか」は何年何月何日にやるのかということを明確に決めてないからほったらかしにしてしまったんじゃないかと気がつけた。
・石田ゆうすけさんは、自分のやりたいことをやるべきだって言っていたけれども、やりたいことをやるために働いてお金をためてから実行することは計画性があるからこそできることど思いました。音楽を聞いて感動して小便を漏らしたことについては、生きていく中でそれほどの感動ができるなら世界を回るのもいいと思いました。
・岩を見て、4日もずっと感動していたところが、印象に残りました。
・やりたいことは、声に出す。目標のゴールを決めて、逆算して計画を立てていく。SNSなどで世界を知るよりも自分の目でみて、耳できいて、感じることを大切にする。などのことが印象に残りました。
・強盗にあってまた旅を続けるっていうのが僕だったら諦めて帰国してるのですごいと思った。
・キノコおじさんの話です。生まれつき体の一部がない人はそれで同情を買い、生活をしていく人がほとんどでしたが、キノコおじさんは自分に誇りを持ち、何一つ不自由が無い人達と同じように暮らし、旅行者に自分の食料を善意で見返りを求めず渡し、本来は支援を受けたほうが良いハンデのある人がしていて優しさとおじさんの強さを感じました。
・努力は報われるんだなと思った。
・石田さんが使っているカメラが気になった。ハッセルブラッドかな。
・世界には自分がまだ見たことのないような景色がたくさんあって自転車だけで世界一周するのに、ロマンを感じました。
・ポーランドのおじいさんとアンデス山脈の話
・ポーランドできのこを売っているおじさん
・自分でやってみたいことを現実にするために、日程を決めるなどと計画を立てて、実際に現実にしたこと。国や地域、宗教によって、人々の価値観が違っているということ。
・多様性理解で足がなくて不自由な人がきのこを石田さんにあげる話
・キノコを売っているおじいさんの話が印象になりました。ほかにも中国人ってなんか少しわるいイメージがあってあまりかかわりたくはないと思っていたがこの話をきいて中国人はほんとはやさしいとしった。
・7年半で世界一周したこと。
・日本一周だけだと思ったら世界一周をしていることにびっくりしましたが、音楽と一緒にで流れてきた写真が特に印象でした。
・実は私も石田ゆうすけさんと同じでサイクリングをするのが好きなのですが、世界一周どころか日本一周なんて考えは全く浮かびませんでした。世界一周は最初石田ゆうすけさんにとってただの夢にすぎなかったと思いますが、それを実現しようと考えて1歩ずつ行動に移すことができたのが本当にすごいと思いました。実際にアフリカの写真を見せてもらったり、それに加えて聞いていた音楽まで聞かせてもらったけれど、どれもすごく感動しました。冬休み中に手賀沼付近でサイクリングをしてみます!
・きのこを売っていたお爺さんの話が一番印象に残りました。私は仮にあのお爺さんに同じようなことを言われたら、怖くなり逃げてしまうのではないかと考えました。ですが、石田さんは逃げず、相手に敬意を払って対応していたということに感動、尊敬しました。
・強盗に襲われても痛くなかったという事
・夢を現実に近づけるということ
・ポーランドのキノコの話。おじいちゃんが素敵だなと思った。グランドキャニオン、ユタ州の画像が綺麗だった。
・強盗されてそんな重く考えないこと。
・自転車で世界一周するその前は日本一周と小さいことから少しずつ大きいことをやっていくのが大切だと思いました。
・世界の景色の写真
・世界一周してる最中にきのこをプレゼントしてくれたおじいちゃん
・世界の景色がきれいっていうことがわかった。
・きのこのおじいさんの話が特に印象に残りました。どの国の人もとても親切に自分に接してくれたということがわかりました。世界には自分のからだの障害で同情をかって物乞いをしている人も数えるほどではなく、とてもたくさんの人がいることがわかりました。
・おじさんの話。障害者でお金がなくて、同情してもらってお金を稼ぐけどそのおじさんはものをただであげていてそういうプライドみたいなのがめっちゃ感動した
・自分の好きなことをやったら色んな人や事にあえるとわかったしあの演劇を聞いて背中を押された。
・多様性の理解と、これからのやりたいことについてよく考え、高校や大学に進んで就職することです。
・7年で世界を一周したこと。何度も倒れたりしたけど、諦めなかったこと。
・風景の写真や村の人達の優しさが印象に残りました。
・おじさんの話で、おじさんが「俺はしっかりと自分でカネを稼いでるから大丈夫だ!」と言っていたのを他の物乞いをしている人たちと違いしっかりと理不尽な状況でも自分を貫いているのがlすごいと思った。
・アフリカ州で見た景色の写真がどれも神秘的でキレイだった。
・諦めないで進み続けていてすごかったし、世界一周シていてすごいと思った。
・太陽によって色が変わる岩
・岩を見るために4泊以上もしていて自分のやりたいことを存分にやっていていいなと思い、印象に残った。
・キノコをくれた片足がないおじいさんの話がとても印象に残った。
・ポーランドのおじいさんの話
・グランドキャニオンが色を変わっているのが印象に残った。
・何でも自分が思ったことできるのがすごいと思った。
・中東らへんのときに自分も情報だけを吸収して知った気になってるから中立から立って自分の思想や学んだことを客観視することが大事だと思った。
『2年』
・日本とは全く違う景色が世界には見られること
・世界にはたくさんの魅力があり、世界を回るのに7年半かかることを知りました。
・僕は、石田ゆうすけさんの演説を聞いて、自分で夢を口にして自分を追い込みやけくそになって自転車で世界一周を決意したことが印象に残りました。また、自分が強盗にあってメンタルや体がぼろぼろになりながらも、アンデス山脈に登って自分に勝ったというようなエピソードがすごく印象に残りました。
・強盗の話でよく立て直せたなと思いました(偉そうですみません)強盗に襲われてすごく怖いと思いますがそこから立て直して世界一周を成功できたのはすごく尊敬します。
・写真がきれいだった。
・まず最初に思ったのは自転車で世界を一周するなんて、すごいと思いました。しかも7年半もかけて日本に戻ってくるなんて体力的に疲れてしまうんじゃないと心配になりました。石田さんが撮った写真はどれも綺麗で世界ではこんな景色が見れるんだと思いました。
・世界一周はきれいな景色や出会いなど多くの感動があるけど、それには強盗にあったり、テロに巻き込まれたりなど怖いこともある。
・自分の道は自分が決めれるから頑張りたいと思った。自転車で世界一周とかすごいと思いました。
・片足のない男性がきのこを売っていて、日本ではないことかもしれないけど、キリスト教を信仰している人にとっては恵んであげるのは当たり前ということに驚きました。
・中国の人たちに止められたのにとても暑い道を通ったのがすごく印象に残りました。
・強盗に襲われたのに立ち直ることができたことが、印象的でした。
・途中で強盗にあったのにその時冷静でいられるのすごいと思いました、自転車残してくれたのは奇跡だなと思いました。
・自転車で世界を旅することで、たくさんの価値観が生まれて、事実は百まであるという考え方。
・話を聞いて、この人の人生は楽しいものなのだろうな、と思った。さまざまな体験があって、そこから感動と学びを得た。
・砂漠の景色が綺麗すぎて同じところに4泊もしたこと
・三輪車のおじさんの話が印象に残りました。
・足がない人がきのこを売っている場面にあった話です。理由は、おじさんが石田さんに伝えたかったことを今自分なりに考えると、そのおじさんは、どこかしらに不自由を抱えていても、生きていけることを説明していると思ったし、多様性の関わり方について考えることができました。
・日本と海外では意識や当たり前としていることが違うことを知って、きのこのおじさんとか、優しいなと思いました。
・世界の写真をみて、世界には凄く綺麗な場所があるのだと知った。
写真でも分かるぐらい、綺麗に写っていて凄く印象に残った。
・いろいろな経験をすることでいろいろな考え方などが身につくことを知りました。
・三輪車のきのこを売っているおじさんの話が1番印象的でした。自分は他の人と同じようにはならず自分の生き方で生きていくことが大切だと思いました。
・足のない人が無償できのこをプレゼントしてくれた話から人のために動くことで助かる人が増えるということが印象に残った。
・何事にもやってみる勇気や人間関係についてのこと 大阪万博を説明してるみたいで良かった。
・世界一周するまでは自分がやりたいと思う気持ちを強く持ちそれを実現するために具体的な行動をして自分の言葉で周りの人に宣言することで夢が現実になることがわかった。世界の人達はニュースや新聞で言っている悪い印象しかなかったけど実際に行ってみたら優しい人がいっぱいいたことを知った。
・印象に残ったのはきのこを売っているおじいさんの話です。
無料できのこを渡してくれたこともびっくりしましたがそれ以上に驚いたことは日本と海外の反応の違いで海外では渡すのが当たり前ということにびっくりしました。
・国によっての当たり前がぜんぜん違うことが印象に残りました。
・自分を捨てると相手側の立場になる
・石田ゆうすけさんの講演を聴き、7年半もかけて世界一周をしていたことがわかり、他のひととのコミニュケーションが大事なことがわかった。途中のお話で強盗がきて縛られしたりして外国って怖いなぁと実感しました、ゆうすけさんの講演で外国の人との話し方(コミニュケーション)の仕方などを学べてとても良かったです。
・受験(入試)に向けて頑張ること
・人生を思いっきり楽しむっていうことはすごく大切なんだなと思いました。また、自分を捨てて、現地の生活になれて、言語を覚えることを楽しむところがすごいなと思いました。
・人生は本当に「山あり谷あり」なんだなと思いました。苦難を超えた先にはなにか素晴らしいものが待っているんだなと思いました。世界は自分が思っているより広く、ニュースなどでやっている情報だけを信じるんじゃなく実際にその場所に行ってみると、ニュースではわからないようなことを知ることができることを知り、インターネット上の情報だけを簡単に鵜呑みにして印象をつけないようにしたいと思いました。
・いろいろな写真を見た中で、溶岩みたいな岩がとてもきれいで印象的でした。そして、自分の夢は苦境を乗り越えたら初めて達成できるものなのかなと思いました。疑似体験をしていろいろな国の当時の状況などをしれ、とても面白かったです。
・障がいを持つおじいさんの話が一番印象に残りました。無料できのこをあげていて、自分にマイナスになるようなことなのに、それをするこの人のあたたかさはすごいなと思いました。またこの話で出てきた、客観的に物事を見ることが大切だと知りました。敬意を払うことでいろいろな人の見方ができ、相手を尊重して生きていくことができると思います。自分もこれから色んな経験をしていくと思うのですが、その中で感じた感情を大切にして、沢山の人と出会っていきたいと思いました。
・世界には自分の知らないことがたくさんあることを改めて痛感しました。
・自分はこれといった単体の印象より、全体の話を聞いて自分がしたいと思ったことを自身を持ってみんなに伝え実行するところに印象に残りました。世界を自転車で回るは最初はみんなに伝えたらなんて言われるかわからないかもだけど無理かもしれない夢を言うのは尊敬しました。
・石田ゆうすけさんの講演を聴き、疑似体験をして世界は私が思っている以上に広く、現地の人々は優しいと学びました。
・キノコをプレゼントされた話
・自分が言い争いになったときまず初めに自分の持っている価値観を捨てることが一番印象に残りました。
・自転車で世界1周したこと
・石田ゆうすけさんの話で一番印象に残ったのは、同じ石を4日間も見ていたという話です。普通に考えたら馬鹿みたいだと思うかもしれないけど、僕は凄く共感できると思いました。それに、そこまで美しい景色を肉眼で見ることができたというのが、とても羨ましかったです。
・きのこを売る男性で自分が不自由なのにわざわざ旅人に無料できのこを全部あげたことの親切さに驚いた。
・一回襲われてから立て直してまた立ち上がる様子が印象に残った。
・世界は広くて色んな人がいるからいろんな価値観とかを持っている人がいるから他の人とぶつかりあうのではなく自分を一回なくして考えたりその人のことを生きたりすることが大事だと思ったまた何もしていないのに決めつけるのは良くないと思いました。実際経験したら違うことだってあることがわかりました。
・自転車での旅の、景色の写真が印象に残りました。特に、朝日や夕日により様々な色に照らされる岩が、一日に一度しかない貴重な景色を作り出していてとても綺麗でした。
・世界各地のきれいな景色やきのこのおじさんの話
・メキシコの食堂での話し方(good,very,a little)について。
・自分が一番印象に残ったのは、グランドキャニオンです。
石田ゆうすけさんが4日間泊まったと聞いて驚いたけれど、その写真を見てみるとこれは自分目線で考えると4日間泊まるなと思いました。
・改めて世界は自分が想像しているよりも広いと知ることができた。
自分の行動範囲を少しでも広めると新しい世界を見ることができる。
・自転車で旅する
・夢は必ず実現できることどんな苦境があっても諦めず乗り越えることで強くなれるということ。
・自転車で世界を回ったこと
・石田さん自身がすごく臆病で怖がりだと知ったときが印象てきです。それまで、怖い物知らずで旅を決心したと思い、話を聞いていたので、びっくりしました。強盗にあった時も、冷静に判断し、ヒッチハイクをして警察に行く、などの行動も冷静にできていてだからこそ世界一周ができたのかなと思いました。強盗にあってから、塞ぎ込んでしまったときも自分なりに解決策を考え試す姿がすばらしいと思いました。辛いときは自分を客観視すること、苦しんでいる自分を笑ってみること、など石田さんがおっしゃっていたことがなにより大事だとおもいました。
・自転車で世界一周
・多様性の理解と自分で選択するということの重要性が印象に残りました。
・日本一周したら世界一周したくなったから7年半かけて世界一周したという思ったことをすぐに実行する所。
・僕はきょうの石田ゆうすけさんの講演を聞いて、僕は石田ゆうすけさんのことをすごいなと思いました。なぜかというと、自分の好きなことに向かって突き進んで世界を一周するなんて僕はとても印象に残りました。他にも人とのコミュニケーションにも工夫していてすごいなと思いました。
・厳しいと思っても何事も諦めずにやり遂げたら希望が見えてくると思った。
・会社で働いていれば、安定した収入が得られるのに、会社をやめて、世界一周する勇気がとてもすごいと思った。
・きのこをくれたおじいさんの話です。最初話を聞いたときは私も、お金が足りなくて怒っているのかなと思いました。しかしちゃんとした理由を聞いたときに偏見だけで考えてはいけないなと思いました。また、完全にその国の言葉を理解していなくてもジェスチャーや、声の強さなどで言いたいことを伝えられるんだなと知りました。
そして日本一周することもとてもすばらしくてすごいことなのに世界一周しようと思うのがとてもすごいなと思いました。辛いことや大変なこともあり楽しいことばかりでなくても諦めず7年半一度も日本に戻らなかった忍耐力がとてもすごいなと思いました。
・実際に自分で体験することによって物の見え方が変わったり、人の温かさにふれて、つながりを感じることができると知りました。ニュースや新聞に書いてあることだけが事実ではなく、自分の目で確かめてみるからこそ見える真実もあるという話が印象に残りました。
・世界は大きい大地と親切で溢れかえっている。けれど生活に苦しんで強盗をしたり物乞いをしてほかのゆうふくなひとたちにめぐんでもらったり毎日に困っている人たちがいることを知りました。
・空の写真。私はいつも趣味で綺麗だなと思った空があった日は写真を取るんですが、いつも見返すときには「綺麗」しか残らないことが多く、見たときの感動を失ってしまいます。でも石田さんが写真を見て話す時、20年ほど前のことだろうけれど、感動を覚えているんだろうな、と感じました。私も写真を見て感動を何年も覚えていられるような大きな世界を見つけられるような人生にしたいと思いました。
・生きていく中で、やりたいことをやったほうがいいこと。
・自分の人生をもっと大切にしたいと思った。いろいろな選択肢があることを知れた。
・片足がない人の話
・一番印象に残ったのは、きのこを売っている片足のないおじいさんにきのこを買うためにお金を出したら、怒っていて結局ただでくれたという話です。印象に残った理由は他の、障害のある人はそれを理由にして物乞いをしているのに対し、お金を払ってきのこを買おうとしたら怒っていたからです。
・石田ゆうすけさんの講演を聞き、石田さんは一度世界一周をすると決めたら、どんな辛いことがあっても諦めずに世界一周をしてすごい勇気だなと感じました。
・何事もやってみてることが大事ということ。・たった一回の人生を無駄にしないで自分の好きなことを貫くこと。
・狭いところで自分の夢を諦めて後悔するよりも、ほんの少しだけでも勇気を出して挑戦してみることによって自分の世界が広がって人生が面白くなることがわかりました。そして印象に残ったのはおじいさんのきのこのお話で多様性の理解は自分が楽しく生きるためだというお話です。
・三輪車に乗っているおじいさんの話や、物乞いの人がいる話です。
・自分はあまり冒険できる性格ではないから、世界一周を、しかも自転車ですると決めて実行したのが本当にすごいなとおもいました。また、自分がやりたいと思ったことをつらぬいて最後までやりきったことは最終的に自分の中の思い出になるし、やってよかったと思えることだと思うので自分もやりたいと思った興味を最後まで貫きたいと思います。世界一周をする上で言語は壁になると思うし、行く国全部の言葉を喋れるようになるまでやることは難しいけど、気持ちが通じ合えば伝わることもあると思うので、まずは話してみることを大切にしたいです。
・海外の音楽を聞くところです。
・自転車の旅が印象になりました。
・自転車で世界を7年かけて走るのがすごいと思いました。
・自転車だけで世界一周しただけでもすごいのに各国の人たちとの出会いや交流もできたのがすごいし、その各国の人達は言語が違うのにそれに適応していたのがすごく感じた。ヤケクソで世界一周したのがとてもすごかった。
・和歌山一周の話
・人生は後悔しないように生きたほうがいいこと。1つの自転車で全国まわるのがすごいと思った。いろいろな国の人とコミュニケーションを取れていたこと。強盗にあったときあとから恐怖が来ること。
・国の人は優しいこと。(決めつけてはいけない)真実は1つじゃない。
『3年』
・自分のやりたいという気持ちは一番の原動力になるしどこまでも頑張れるものなんだなと思った。また石田さん流の覚え方などがあり自分でいろんな方法を生み出していけるのは、すごいなと思った。
・チャリで7年半もこいでたこと。
・外国に行くのは、大変だと思いました。自転車で行くんことがすごいと思いました。
・時間によって岩の色が変わる場所。何泊もそこでしていて心が癒やされていそうでした。自分も生きているうちに一度は行ってみたいです。
・わざわざ大変な道を選ぶのはすごいなと思った。きれいな景色を見て心を奪われるという経験が私にはないからどんな感情なのかなと思った。
・飛行機で見に行くマチュピチュと自転車で山脈を通り過酷な道を通りみるマチュピチュとでは全然違うということ。
・目標をどう達成するか
・きのこのおじいさんの話で、異国では、多様な文化を認めていくことが印象に残った。
・私が印象に残ったのは、各国の写真で理由としては、一枚一枚の写真がとてもきれいで私は地理が好きなので、気候や地形などがはっきりと分かる写真ばかりでとても印象に残りました。
・きのこ売りの人の話です 国の文化の違いで考え方も違うこと 言語の差で話しやすさが変わること など国それぞれの多様性がありそれを認め合う 理解し合うことが印象に残りました。
・日本一周から、世界一周に目標が変わったときの気持ち
・自転車で旅をしようとしたことがすごいと思ったし、景色がきれいなとこが多く自分も行ってみたいと思った。自分を捨てて、相手の立場に立ち考えることが大切。真実は1つではなくその一つは見えていることだけであって本当はたくさんある。国によって文化が全然違ったり、人もいろんな人がいるから接し方を考える。
・強盗に襲われたところ
・アフリカの曲
・障害者の話
・画面の景色 途中で苦しくなった話
・世界のきれいな写真とかを見てすごい綺麗だなを思った。そしてゆうすけさんの生き方や考え方を参考にしていきたいです。
・強盗に襲われたときの話が印象に残りました。
海外だから普通にそういうことも起こるのか、という驚きとともにそこから立ち直れるのがすごいと思いました。
・話の中で現地の方々も多く登場するのを見て、旅の中で色々な人と出会ったり助けてもらうなど一人だけで旅を続けているのではないのだと思いました。
・片足のないきのこをくれたおじさん
・旅がすごく好きなのが伝わった
・自転車で世界を一周しようと思ったことにまずびっくりしました。不境への考え方や旅を通しての感じたことや、そこで自分の考えが変わったことがよく印象に残りました。
・世界は自分たちが思っているよりももっと広いということ。
・世界一周をするとき、とても大変な決断を何回もしてきたのだなと思います。また、その決断を得て、今話している姿を見てとても面白かったです。
・日本が思っていることや普通は他の国から見たら全然違うということ
・ゆうすけさんの人との接し方や自分との向き合い方はすごいなと思った。言語の壁とかあるはずなのに、それらを全然感じさせない話ですごかった。とくにいわの話はすごかった。岩だけで四泊できるのはすごい。
・心が折れかけても腐らず前を向いて前進したという話が印象に残りました。
・自転車で世界一周をしようと思う行動力。美しい景色を見て写真を撮って終わりではなく、しっかりと心で受け止め美しさを身体全体で感じることができる心のきれいさ。自身の体験を私達に伝える際の言葉選びのきれいさ。
・外国の人とコミュニケーションを取るのは難しいと思ったけどその国の言葉を少し覚えられれば度の国の人とも話せるとわかった。
・自分の人生の選択は悔いのない選択を選ぶ。世界中は広く、まだ自分が知らないことがいっぱいあるんだなと思いました。辛いことが起こっても諦めずに方法を見つけ、自分の夢に向かうのがすごいなと思いました。
・いろいろな国の景色や写真がきれいですごく印象に残った。いろんな旅をするといろんな出会いがあるんだと知ってすごく印象に残った。石田ゆうすけさんの困難の乗り越え方なども印象に残った。
・人生は短いから満足のできる人生を歩むべきといっていたこと。
・日本の常識にとらわれずもっと広い考え方を持つべきだと思いました。そして文化の違いについても考えていく必要があると思いました。
・自分でやろうと思ったことをちゃんとできたことです
・世界一周を本当にやったのがすごいと思いました。
世界の様々な人や景色に出会うことで得た経験は忘れられないものになると思った。
・自転車で世界一周した旅のヨーロッパの辺り
・僕はおしっこ漏らすほど感動したという話が印象に残りました。生きていると実感することがどれだけすごいかをとても理解できました。自分も旅をしたりするのが好きなので石田さんの話はとても魅力的で励みになりました。自分もあんな旅をしてみたいです。
・いろいろなところに行くといい人悪い人に出会うことがわかった。
・優しい自転車のおじさんが印象に残りました。障害を持ちながらもそれのとらわれず自分の力で稼いで人にやさしくするという人間性に感心しました。
・感動をしておしっこを漏らしたこと。そんなに感動することがあるのだと感心しました。
・多様性を受け入れることは大事だと分かった。
・今回の公演を聞き、石田さんの経験談とともに、「一こぎ一こぎ世界が広がる」という言葉が印象に残り、また思い切りが大事であったり、全てのことに敬意を払うという考え方にも強く心を打たれた。
・山脈を登る話で、まず持病がある中世界を旅しようとする精神がすごいと思い、何度も低酸素によって視界が途切れたりして苦しい思いをしているのに、それでも登り切ろうとする姿がとても印象に残りました。
・自転車で世界一周をして、色んな人とのコミュニケーションとか、相手に対しての考え方とかが変わったということがわかった。色んな国の景色が見ることができてとても綺麗だった。
・きのこを無料でくれたおじさんがめちゃくちゃ印象に残った。世界には自分に特がなくとも人に親切にする道徳心があるのだと知った。
・どんな状態でも、どんなにくじけて辛くても、前に進み続けるのは大事ということが一番印象に残りました。
・アラスカの景色
・ペルーで強盗に襲われた時に帰って冷静になった事や、アンデス山脈を登ってマチュピチュにたどり着いたときの感動の話、アフリカで病気になっても自転車を漕ぎ続けた話。
・無料できのこをくれた人の話
・海外の人はみんな優しくていい人だということ。不安なことがあっても一歩前進することでいいこともあるということがわかりました。
・まずは行動に移すことが大切だということ。自分の体験から本当にそうだと思ったから。
・北アメリカと、ペルーの温度差。
・自転車で世界一周するのがすごいと思った。世界の景色を見ることでできて楽しそうだと思った。
・イスラム教の人たちが怖いと思ったけど、実際は良い人ばかりだったということ。
須藤昌英
12月23日(火)全校集会(道徳)と「ハクナ・マタタ(何とかなるさ)」
〇今日で2学期77日が終わります。今日は旅行作家&エッセイストの石田ゆうすけ氏に、生徒たちへ講演をしてもらいます。
〇石田氏の「行かずに死ねるか!」の冒頭に、自転車で世界一周をした自転車の写真があります。その下に「期間:7年5ヶ月、走行距離:9万4494㎞、訪問国数:87か月、パンク回数:184階、スポーク折れ:34回、チェーン切れ:8回、使用タイヤ37本」と書いてあります。想像を絶する旅です。生徒たちの感想が楽しみです。
〇息子たちが幼い頃、よく自宅で一緒に子供向けのビデオを鑑賞していました。今のように有線番組のアニメ専門チャンネルやYouTubeなどはありませんでしたので、VHSの再生機におもちゃ屋さんで購入したカセットを入れて何度も鑑賞していました。思い出すと懐かしいです。
〇その中の一つにディズニーの「ライオン・キング」がありました。シンバというライオンの王の息子が、叔父に王国を追われたのち、旅の途中で出会う愉快な仲間たちに励まされ、やがて成長し自分の使命に目覚めていく物語です。
〇私が幼少の頃には、日本の手塚治虫氏による『ジャングル大帝(1965)』がブームでしたので、私はむしろそちらの方を思い出しながら観ていました。『ジャングル大帝』は、白いライオンパンジャとその子レオを中心にして大自然の中で繰り広げられる弱肉強食の生存競争や、人間と動物とのかかわりなどを描いたドラマです。
〇今は飼っていませんが、息子たちが幼い頃は、自宅で雑種の犬を1匹飼っていたので、息子たちがコロという犬に「シンバ、シンバ」とよびかけたり追い回していたりすると、犬のコロが困った顔をしていたのも思い出しました。
〇その「ライオン・キング」の中で一つ、今でも印象に残っている言葉が、「ハクナ・マタタ」です。これはスワヒリ語で、「ハクナ(Hakuna)」は「ない」、「マタタ(Matata)」は「問題」を意味し、合わせて「問題ない」「心配ない」となります。「心配ないさ!」「どうにかなるさ!」というメッセージになります。
〇最初は気弱で生真面目なライオンのシンバに、ティモン(ミーアキャット)とプンバァ(イボイノシシ)が教えた言葉で、「責任もない気ままな生き方」を象徴し、くよくよせず、気楽に生きようという前向きで楽観的な考え方(哲学)を表しています。
〇当時私はそれを観ながら「人生は何とかなるさだけでは済まないことばかりだ。いい加減なことを子どもに教えるなよ」などと思っていました。しかし今はその考えが180°変わっています。みんなそれぞれ自分なりに頑張っているのだから、たまにはその瞬間の人生を楽しむことの大切さを生徒たちに伝えています。
〇落ち込んでいたシンバが、仲間からこの「ハクナ・マタタ」という言葉と歌を通して生きる気力を取り戻し、次第に前に進むストーリーは、昭和の『ジャングル大帝』とは少し違って、さすがディズニー映画だと思います。
〇私自身も年齢を重ねるにつれて、心配事や不安感が増え、毎日が重荷ばかりに思ってしまうこともあります。しかし時々、ティモンやプンバァの良い意味での「いい加減さ」を思い出し、自分の置かれた状況を俯瞰(ふかん)して見るようにしてみることも大切だと思うようになりました。
〇今日講演してもらう石田氏にも、最後は生徒たちに「大丈夫、なんとかなるさ!」というメッセージが残るようにお願いしています。
須藤昌英
12月22日(月)冬季休業前保護者会
〇今日は冬至です。冬至は、日本を含む北半球で最も昼が短く夜が長い日で、二十四節気の一つです。日の出が午前6時46分、日の入りが午後4時30分です。それをもとにすると昼間は9時間44分、夜間は14時間16分となります。
〇冬至は太陽の力が最も弱まる日ですが、翌日からは陽の気が増し「一陽来復(いちようらいふく)」として運気が上昇に転じるため、厄除けや無病息災を願って「ゆず湯」に入ったり「かぼちゃ」を食べたりする風習があります。
〇ゆず湯は、血行促進、風邪予防、保湿、リラックス効果が期待できるそうで、語呂合わせとして「融通が利く」にかけ、長年の苦労が実るようにとの願いも込められています。昔はこの日に銭湯へ行って、香りがよい湯船に浸かり、思いっきり手足を伸ばしていたことを思い出しました。
〇またかぼちゃを食べるのは、栄養価が高く保存がきくため冬の間の貴重な食料だったことや、「ん」のつく食べ物で「運」を呼び込む縁起担ぎや太陽の象徴である黄色いかぼちゃで厄払いと無病息災を願うという、先人の知恵とゲン担ぎが合わさった風習のようです。かぼちゃは漢字で「南瓜」と書くように、東南アジアや中国からポルトガル人?(諸説あり)が由来です。
〇先週は年末のお忙しい中、保護者会に来校していただきありがとうございました。私からは、育てたい非認知能力と学力観について、2学期のブログからトピック的に20分間話をさせてもらいました。
須藤昌英
【校長の話:スライド】
12月19日(金)「2学期いじめの状況調査」より
〇先日、全校生徒を対象とした「いじめ」を把握するためのアンケートを行いました。通常、学校がいじめを認知するのは、「本人からの相談、他の生徒からの情報、職員による観察、保護者や地域の方々からの情報」となっていますが、定期的にアンケートによる状況把握を行っています。
〇集計した2学期の認知件数は8件で、その内訳は「冷やかしやからかいを受けた」「無視された」「悪口・陰口を言われた」などとなっており、最初の「冷やかしやからかい」が毎回の調査では一番多くなります。また「以前から継続的にある」との回答はそのうち4件でした。
〇そもそも「いじめとは、日常的なトラブルでも、本人が『いじめられた』『不快な思いがした』などと感じるものをすべて」と定義されており、生徒も職員もそれを意識しています。
〇今回のように、いじめと疑われる案件がありますと、その後必ず複数の教員で、本人及び関係生徒から事情を聴きとり、今後の謝罪や人間関係の再構築ついての話し合いを行います。
〇1学期の認知件数は11件でしたが、例年のように1学期は進学、進級などで新しいクラスになったり、旅行的行事があったりと、まだ人間関係が不安定な面があり、件数は多くなる傾向にあります。
【ホームページにある「土中いじめ防止木尾本方針」】
〇柏市では、「いじめが解消した」とする条件の1つが、「発生から3カ月以上当該生徒の関係の中で継続したいじめはない」となっていますので、先ほどの2学期8件の場合も、これから3カ月間は経過観察を行います。単に生徒同士の謝罪などをもって安易に「解消」としないこととなっています。やはり人の心の中までは見えませんので、経過観察の時間は必要です。
〇ひと昔前のように、生徒二人が喧嘩しても、「喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)」とはいかず、お互いがそれぞれ嫌な思いを抱くと、それはすべて「いじめ」とカウント(2件)します。そうなると簡単にその場でお互いに相手に謝って終わりとできないところが、正直難しいです。
〇ただ社会で働く我々大人も含めて、生きていく上で一番の悩みは「人間関係」です。「こうすれば必ずいじめはなくなる」のような究極の方法はなく、その都度丁寧に対応していくしかありません。
〇いじめに対しての対応は、「柏市いじめ防止基本方針」にも示されているように、早期発見と早期対応、学校組織内の情報共有、必要な指導・措置ですが、いじめのアンケートはその一つの入り口になります。その他として教職員の観察、保護者や地域の方々からの情報提供などがありますが、やはり一番多いのは本人やその周囲の生徒からの相談です。
〇いじめの未然防止も重要なのは言うまでもありませんが、具体的には、道徳教育を充実させたり人権意識を高めたりする地道な取り組みしかありません。
〇そして最後は生徒の想像力を引き出すしかありません。「〇〇をしてしまったけど、された方の気持ちはどうなんだろう?」「●●と言ってしまったけど言われた方の今の気持ちは?」など、だれもが意地悪をする側と意地悪をされた側の両方の経験をしているはずですので、「今の自分はどちらの立場が多いか?」と自分をメタ認知できるようになってほしいです。
〇いじめ以外で気になるのは、いじめアンケートの中に「普段の生活で困ったことや悩んでいることはありますか」の項目を故意的に設けています。これはいじめではないけれど、その他の相談もしやすいようにとの配慮からです。
〇その中に、「親子や兄弟姉妹関係について」 「クラスの雰囲気について」「受験する高校について」「塾での人間関係について」「自分自身の身体や性格について」などがあります。それらについても一つひとつ話を聞くなど丁寧に対応しています。
【文部科学省:生徒指導提要より「チーム学校における組織イメージ」】
12月18日(木)給食最終日「いただきます」と「ごちそうさま」
〇今日は冬季休業前の最後の給食ですので、生徒たちにもたくさん食べてほしいです。ちなみに、
昨日のメニュー:ごはん、鮭の味噌マヨネーズ焼き、カボチャのそぼろあんかけ、団子汁、黒糖大豆、牛乳
*季節メニューとして来週の冬至の前に、鮭やカボチャ
本日のメニュー:胚芽パン、フライドチキン、海藻サラダ、ミネストローネ、米粉のココアケーキ。牛乳
*季節メニューとして来週のクリスマスの前に、チキン、スープ、ケーキ(小麦粉ではなく米粉を使用し、アレルギー対応メニュー)
【本日のメニュー】
〇給食の季節メニューの目的は、食べて季節を感じるだけでなく、旬の食材で栄養価を高め、味覚・視覚での面から食育を深めること、食への興味・感謝・文化理解を深めること等があります。
〇本校の栄養士と給食調理委託業者がよく連携し、今学期もここまで安全で安心な給食を提供してくれました。校長としては、生徒の成長に欠かせないものと考えているので、感謝しかありません。
〇感謝と言えば、給食を食べる前に、「手をあわせてください。いただきます」を係の号令でルーティーンとして行っています。全国的にこれが広がったのは、昭和26年頃からのようです。その頃多くの小学校では給食が始まり、また一般家庭にも広く普及するようになっていたラジオを通じ、学校給食では「いただきます」を唱和しましょうが盛んに言われたそうです。
〇他の言葉に比べて、「いただきます」「ごちそうさま」にイントネーションが少ないのは、マスメディアによって後から定着した言葉だからです。AIで調べると、「いただきます」は英語で、I'll enjoy having this、「ごちそうさま」は英語で、Thank you for the mealと出てきました。後者はまだ感謝の意味が感じられますが、前者は楽しんで食べるだけで、何となく味気ないと感じます。
〇この「いただきます」はどこから来たか?というと、自然の恵みに対する敬意を示す神道の影響があるとの説があります。また「四分律行事鈔」という仏教の戒律に基づいた僧侶の生活規範などをまとめた仏教書にも、「いただきます」の精神が根底にあるそうです。神道か仏教かというより、日本人が古来大切にしてきた文化がそこにつまっているのでしょう。
〇一方で「ごちそうさま」の由来は、もともと「馳走(ちそう)」という言葉で、「お客様をもてなすために食材を集め、馬を走らせて(奔走して)準備する」という意味にあり、その大変な労力への感謝を込めて「御馳走様」となりました。こちらの意味も深いです。
〇日本の給食のはじまりは、1889(明治22)年、山形県鶴岡町(現・鶴岡市)の大督寺というお寺の中に建てられた私立忠愛小学校で、生活が苦しい家庭の子どもに無償で昼食を用意したこととされています。その昼食は、大督寺の僧侶が一軒一軒家を回り、その家々でお経を唱えることで布施してもらったお米やお金で用意したものでした。
〇その後、1923(大正12)年には児童の栄養改善のための方法として国から奨励されるなど、徐々に広まりを見せていった学校給食でしたが、昭和になって戦争による食料不足などを理由に中止せざるを得なくなってしまいます。
〇戦後になると、食糧難のため児童の栄養状態が悪化し、国民の要望が高まったことで再開されます。1954(昭和29)年には「学校給食法」が成立し、実施体制が法的に整いました。同法の第2条では「学校給食の目標」が掲げられています。そのひとつが「適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること」であり、学校給食は1日に必要な栄養素の約3分の1がとれるように、バランスを考えながら作られるようになりました。
〇2009(平成21)年に「学校給食法」が改正施行されると、その目的が「食育」の観点から見直され、学校給食を取り巻く環境はさらに向上してきました。
〇学校給食法の目的は、単に栄養を供給するだけでなく、「適切な栄養摂取による健康増進」「健全な食生活の判断力と習慣の育成」「学校生活の豊かさと社交性・協同精神の涵養」の3つを柱に、さらに「食と自然・生命の尊重」「勤労の精神」「食文化への理解」「食料生産・流通・消費への理解」といった多角的な目標を通じて、児童・生徒の心身の健全な発達と「食育」の推進を図ることにあります。
〇今日の給食も「いただきます」から始まり、「ごちそうさま」で終わります。冬休み明けは、1月8日(木)より3学期の給食をスタートする予定です。
須藤昌英
【農林水産省ホームページより:年代別給食メニューの変化 注意:器の変化にも注目してください】
12月17日(水)恩返しと恩送り
〇今年もあと残り2週間となりました。令和7年が自分にとってどんな年であったか・・と振り返っています。猛暑やインフルエンザの心配などが絶えずその対策をしてきましたが、その中で様々な人たちにお願いをしたりお世話になったことも思い出されたりします。
〇民話の「鶴の恩返し」やそれを題材にした木下順二の「夕鶴」は多くの人が知っている話ですが、人間に助けてもらった鶴が機を織って恩を返す昔話です。鶴の女性に「部屋をのぞかないで」と言われたのに、主人の男は部屋をのぞいてしまい、最後は鶴が空へ帰ってしまう結末となっています。
〇私は幼いころからこの話を聞くたびに、この結末があまり好きではありませんでした。寒い雪空に鶴が飛び去っていく淋しい情景を思い浮かべ、「約束を守っていれば鶴が出ていくこともなかったのに・・」と子どもながらに切ない気持ちになっていました。
〇「恩返し」という言葉は、お世話になった人に直接何かをしてあげることですが、50歳になった頃に、「恩送り」という言葉を初めて知りました。当初は「恩を送るってどういうこと?」と首をかしげていましたが、その後段々と年齢があがるにつれてその意味を深く考えるようになりました。
〇これまでの人生の中で、多くの人にお世話をしていただきましたが、実際にその方々すべてに直接「恩返し」をすることは難しいのではないでしょうか?両親や兄弟はまだしも、友達や恩師、同僚や住んでいる地域の方々・・。私もその方々すべてと今でもつながっていたりお世話になった感謝をきちんと伝えたりできていないことがほとんどです。
〇であるならば、「恩返し」ではなく「恩送り」をしていくしかないと考えが変わったのです。この気づきはその後の自分にとって、生きていくときの見方に大きな影響を与えています。
〇例えば私であれば、小・中・高・大と16年間で多くの授業や活動の中で、多くの先生や友達から様々なことを教わりました。もちろん自分なりの努力はしましたが、それだけでは有意義な経験を積み重ね、それを通して成長することは決してできませんでした。
〇その後教員となり、今度は多くの児童生徒や同僚に対して、自分としてできるだけのことをしてきたつもりです。しかしそれは別の見方をすると、それまでしてもらったことに感謝しつつ、直接その方々に恩は返すことはできませんでしたが、その分あらたに出会った方々に「恩を送っている」とも考えられるようになりました。
〇こうしてみると、世の中のほとんどがお互いの「恩送り」で成り立っているなかで、逆に「恩返し」をできることは稀なことなので、私の中では次の図のようなイメージになります。
〇毎年年末になるともう一つ、「かさ地蔵」という昔話もよく思い出します。この物語は、子どもたちに「本当の優しさとは何か」「良い行いの尊さ」を教えるための寓話として、日本各地で語り継がれています。小学校に勤務していたとき、紙芝居で読み聞かせしたこともありました。
〇あらすじは「貧しいけれど心優しいおじいさんとおばあさん。大晦日におじいさんが正月の備えのために笠を町まで売りに行ったけれど、まったく売れず。困ったおじいさんは帰りがけに、村はずれにある六体のお地蔵さんが寒そうに立っているので、持ってきた笠をかぶせてやった。ところが笠は五つしかなかったので、おじいさんは自分がかぶっていた笠をかぶせてやった。するとその夜にお地蔵さんが宝物をどっさり持って、おじいさんとおばあさんのところにお礼に来た。おかげでおじいさんとおばあさんは、御馳走があり楽しいお正月を過ごすことができた」というものです。
〇『かさ地蔵』の教訓は、「見返りを求めない純粋な親切や思いやりは、巡り巡って自分にも大きな幸せや福報となって返ってくる」ということと、「自分が苦しい時でも他者を思いやる心が大切」と言われています。貧しいおじいさんが雪の中のお地蔵様に笠を被せたように、自分の利益を考えずにした善行が、最終的に報われるという物語で、道徳の価値項目では、「親切、思いやり」「感謝」になります。
〇このように一般的な解釈では「見返りを求めない善行」が強調されますが、果たしてそれだけでしょうか?先ほどの恩送りからすると、おじいさんは確かに見返りを求めてやったとは思いませんが、さらにそのお地蔵様の前を通ったりひざまついて拝んだりする人たちが、頭に笠をかぶっているお地蔵様の姿を見て、何となく心が温かくなることを期待していたのではないか・・・・と私は感じます。
〇宝物などの見返りは直接的ですが、雪の中を凛としてたたずむお地蔵様の姿は、それを見た人の心に、間接的ですが優しさを呼び起こしていると思います。これも「恩返し」というよりは「恩送り」に近いのではないでしょうか?
〇本校の東側通用門の坂下にも、大中小三体のお地蔵様が祀られています。こちらは屋根付きですので、雨や雪でも笠は不要です。毎日行き帰りに車の中からですが、一礼して通っています。今年にいただいた恩はできるだけ今年中に返していくようにしたいものです。
須藤昌英
12月16日(火)リミッターをはずす(火事場の底力・馬鹿力)
〇「限界に挑戦する!」は、私が以前に野球部を担当していたときのチームスローガンでした。部員たちには常々、「君たちの感じる限界の多くは、身体的・物理的なものではなく、自分で設定している心理的なブロックだよ」などと話していました。つまり精神論を押し付けていたなと今では思っています。
〇私自身も学生時代には、部活に限らず学習も、努力の継続によって伸ばせるものであると信じる「成長マインドセット」を意識してきました。するとたまに「あれ?今まで違うかも・・・?」と、現状から抜け出せたような不思議な感覚がおとずれていました。
〇それは心理的には、「ゾーン(フロー状態)に入る」と言われ、高い集中力と、挑戦とスキルのバランスが取れた状態になることで、自分でも信じられないパフォーマンスを発揮できるそうです。またゾーンに入るには、気が散乱しそうなものを排除するなど、環境を整え適切な緊張とリラックスのバランスを取り、成功体験を具体的にイメージするといった方法が良いことをよく見聞きします。
〇英語の「リミッター」とは、「制限するもの」を意味し、日本語では「安全装置」とも呼ばれます。分野によって様々な意味があります。たとえば、家庭で使う電気の場合、契約アンペア値を超えた場合に電気の供給を自動的に遮断する装置(アンペアブレーカー)を指します。それにより過電流による火災や事故を防ぐことができます。
〇「リミッターを外す」とは、文字通りの意味と比喩的な意味の二つがあります。文字通りの意味では、先ほどの電気を制限する装置等を無効にすることです。一方で比喩的な意味では、人間が持つ精神的な限界や、本能的な「安全のため」の抑制を解除し、本来の力を超えること、または精神的なブレーキを外すことを指します。
〇人間の身体(脳や筋肉など)は普段から、100%の力を出さないよう制御されています。またその逆で緊急時にはいわゆる「火事場の馬鹿力」という普段の力の何倍もの力が出せるようになっており、それで危機を回避すると言われています。
〇ではなぜそのような特殊な状況下でないと限界まで力が出せないのでしょうか?人間には潜在能力が備わっており、従来よりも質的や量的に高い能力が内在しているそうです。たとえば人間の筋肉は過剰な筋出力をした場合、筋繊維などにかなり大きな負荷がかかったり、莫大なエネルギーを消費したりするため、身体はぼろぼろになってしまいます。そのため筋肉や骨の損傷を防ぐために、人間の脳にはあらかじめ安全装置(リミッター)がかけられていて、意識的に発揮できるパワーに制限がかかっています。
〇つまり普段人間がすべての力を出せないのは、自らの身体を守るためなのです。しかし、緊急事態の場面に遭遇すると、脳の安全装置が解除され、アドレナリン(体内ホルモンで、興奮した時に血液中に放出され身体のエネルギー代謝を高める)が放出されます。
〇これが潜在能力、いわゆる「火事場の馬鹿力」とされるものです。危機的状況によりリミッターがはずれるのは、「命の危機よりは身体が少し損傷する方がましだ」のように、脳が無意識に判断しているからなのかもしれません。
〇では、どうすればリミッターを外すことができるのか。調べてみますと、まずスポーツなどのトップアスリートがよくやる方法として、成功のイメージを強く抱くことで最高のパフォーマンスを発揮する「リミッター解除」があります。日頃からのイメージトレーニングは、「具体的な成功の姿を思い浮かべる」、「自分の成功を強く願う」、「ポジティブな言葉を使う」等を強く意識することが重要です。
〇またもっと身近なのは、大声でシャウト(掛け声)によるリミッター解除です。これはスポーツ選手だけでなく、思い荷物を持ち上げる時などに「よいしょ!」と自然と声が出ます。声を出すことでリミッターをはずしているはずですが、ただなぜ大声を出すとリミッターがはずれるのかはいまだ詳しくはわかっていないそうです。
〇関係が深いと思うのが、呼吸です。呼吸は普段意識しなくても行われる「自律神経支配」です。たとえば、怒っている時や興奮している時に息が荒くなったり、緊張しているときに深呼吸すると呼吸が落ち着いたりします。つまり呼吸によって自律神経をコントロールすることが可能であるということです。おそらく大声を出すと自律神経に働きかけリミッターを解除するのだと思います。
〇私も自分でいつでも意図的に「火事場の馬鹿力」を出すことはできれば・・と思うことがありますが、その一方でそれが決してプラスになるばかりとは限らないとも思います。人間の身体はまだまだ不明なことが多いです。
〇いずれにせよ中学生が「リミッター解除」をしようとした場合、その時に新しい自分が見つかるかもしれません。「自分を一番知っているのは自分である」、これはある意味あたっていますが、そうでないこともある気がします。
〇「新しい自分との出会い」、これを若いころに繰り返し経験すれば、日本の若者が低いと言われる自己肯定感が自然と高まるはずです。ただ問題は限界に挑戦しても大抵は自分の思いとおりの結果が得られないことです。たとえ失敗しても効率が悪くても自分を信じて、「次はこうしてみよう!」と前を向いてほしいです。
〇「虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)」という故事成語があります。「虎の住処(すみか)に入らなければ、虎の子(貴重なもの)は手に入らない」という意味ですが、大きな成果や成功を得るためには、思い切って危険を冒し、果敢に行動しなければならないという教訓です。
〇昔の野球部の生徒たちには、私からリミッターをはずすように促すのではなく、自分からはずすような関わりをしていなかったことを、今更ながら思い出し、少し後悔しています。
須藤昌英
【車のリミッター➡速度が設定値に達するとエンジンを自動的に抑制し、それ以上加速しないようにする装置で、乗用車では主にメーカーの自主規制による安全装置(普通車180km/h)として、法律で義務付けられた速度抑制装置】
12月15日(月)柏市立図書館の新設に期待する
〇3年生が社会科(公民)で「三権分立」を学習していますが、日本国憲法は、国会、内閣、裁判所の三つの独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する「三権分立」の原則を定めています。
〇国よりも我々にもっと身近な都道府県や市町村などの地方公共団体は、大きく2つの組織から成り立っています。一つは「議決機関(地方議会:条例の制定や予算の決定などを行う)」、もう一つは「執行機関(市長と市役所:予算に基づきそれぞれ担任する事務を行う)」です。簡単に言うと、前者は後者のやっていることをチェックする機能を果たしているということです。
〇現在、令和7年度第4回柏市議会定例会(一般質問:12月8日~15日)が開会中です。その様子は市役所7階の議場に直接行かなくても、インターネットで視聴することができます。柏市には36名の市議会議員が市民からの負託を受けており、柏市議会定例会は年4回(3月、6月、9月、12月)開催しています。
〇また4年に1回行われる市長選挙は、先月、太田和美市長が無投票で当選し、2期目をスタートしています。無投票とは公職選挙法で、首長選挙において立候補者が1名だった場合には、投票を行わずに無投票でその立候補者の当選が確定すると決められており、柏市では43年ぶりです。
〇市議会議員の中には、私の小学校時代の恩師(クラス担任)や中学校のクラスメイトもいます。若い頃は関心が薄くその存在も遠くに感じていた市議会も、知り合いがいると柏市に関するいろいろな情報が入りますので身近に感じます。また住んでいる我孫子市との違いもわかります。
〇市議会の前に市役所の各部へは、事前に質問する各議員から質問事項が通告され、それに対して各担当が答弁書を作成します。私も教育委員会事務局に勤務している時は、いろいろな答弁書を作成していました。前述のように、市議会は市役所業務のチェックをするのが役割ですので、答弁書には誠実に、各業務の進捗状況や今後の方向性を盛り込みます。国会での答弁も同様ですが、質問が多い際には、期限日の夜中までかかって作成しています。
〇今回の定例会でも、多くの議員が、教育に関する質問をしています。その一部が、「柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針」、小中一貫教育と義務教育学校、教科書、学校給食と給食センター、ICT教育とタブレット端末活用、学校での感染症対策、自転車のヘルメット着用と交通安全対策、子どもの権利条約と柏市子ども・若者総合支援センター、特別な支援を要する児童生徒、不登校児童生徒支援、学校施設開放と部活動地域移行、子どものネット依存、子どもの運動能力、いじめ対策、教員不足と働き方改革、市立柏高校、公立夜間中学」など多様です。
〇いかがでしょうか?私たちがあまり意識していない裏で、これだけ教育に関する施策や予算などが議論され、その結果として学校の教育活動を下支えしてもらっているのです。現在本校で工事中の屋上太陽光パネル設置工事などもすべて、昨年度までの市議会で予算案の承認を受けています。
〇大切なことはその建設費も含めてすべての教育予算は、もともと市民の税金があてられているということです。また毎日の電気・水道も市の予算があるからこそ使用できるのです。生徒たちにもその仕組みを教えていくことは大切であり、公民の授業でも扱っていますが、再来週の終業式に私から話をしてみようと思います。
〇私が今回の市議会で一番注目しているのは、太田和美市長が柏駅東口の再整備にあわせ、中央図書館の建て替えを進める考えを示したことです。市長は「文化的活動を支えるだけでなく、まちの多様性を象徴し、人々の交流や新たな価値を生み出す拠点としての役割を果たせるよう、人が集い、学び、つながる場として整備を検討する」と表明しました。図書館を担当する生涯学習課では、「先進事例なども研究し、図書館整備の方針を示していきたい」としています。
〇そもそも今の図書館本館(中央図書館)は、市役所の隣で柏駅東口から徒歩10分に位置していますが、1975年度に竣工、築50年が経過しています。RC造地下1階・地上2階建て、蔵書数は約31万冊、貸出者数は年間約8・9万人です。
〇私も今は我孫子市に住んでいますが、成人して社会人になるまでは柏市民でしたので、中学・高校時代は自習でよく利用していました。しかし当時の柏市の人口はまだ今の半分くらいでしたので、何とかスペースを確保できましたが、現在の43万人の中核都市の図書館としては、物足りないと感じていました。
〇市民からも以前より、狭あいな空間や老朽化などを課題だとの声があり、2006年度から建て替えの検討を始めたものの、財政状況を踏まえ10年度に中止した経緯があります。その後16年度に外壁塗装と屋上防水を改修、22年度に館内照明のLED化工事を実施しました。ただ規模的には以前のままです。
〇我孫子市は23年前に、生涯学習センター(アビスタ)を新築し、その中に新図書館を造りました。立地が手賀沼の脇で公園と一体化し、ガラス張りの素敵な図書館です。前に勤務した松葉中や富勢中の生徒は、わざわざアビスタまで自転車で学習に来ていて、私もよく会いました。「柏市にもこんな図書館が欲しいな…」と思ってきました。
〇市議会でも柏駅東口について、取り壊し中の旧そごう柏店本館跡地の活用を含む駅前広場の再編や新たな改札口についての議論があります。その配置案の一つに、望ましい公共施設の検討や複合化を含む案があります。
〇「駅前図書館」は確かにインパクトが強いですが、市民の代表である市議会議員さんと市役所がしっかりと話し合いをしてもらい、将来的に児童生徒を含む柏市民が、文化的な香り高い図書館で、ゆっくりと本を読めるようにしてもらいたいです。
須藤昌英
【現在の柏市立図書館】
12月12日(金)情けは人のためならず
〇文部科学省の外局である文化庁のホームページには、「言葉のQ&A」のというコーナーがあります。私も時々、自分が使っている日本語が本当に正しいかどうか、参考になるので見ています。
〇そのホームページには次のように書かれています。
➡1 これは読者の皆さんに国語について考えたり話し合ったりするきっかけとしていただくことを願って,文化庁国語課が連載しているものです。国語施策に関する文化審議会答申の内容や「国語に関する世論調査」の調査結果などについて,Q&A形式で分かりやすく説明しています。
〇実際に30以上の普段から間違いやすい、もっと言えば多くの人がその意味を取り間違えている言葉が載っています。その中の一つに「情けは人のためならず」があります。文化庁の「言葉のQ&A」では、次のような解説があります。
➡2「情けは人のためならず」の意味 文化部国語課
「彼がどんなに落ち込んでいても,厳しく接した方がいいよ。情けは人のためならずって言うだろう。」……このような「情けは人のためならず」の使い方は本来の意味と合っていません。元の意味を確かめてみましょう。
問1 「情けは人のためならず」は,本来どのような意味なのでしょうか。
答1 「情けは人のためならず」とは,人に対して情けを掛けておけば巡り巡って自分に良い報いが返ってくるという意味の言葉です。
まず,「情けは人のためならず」を辞書で調べてみましょう。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12〜14年 小学館)
情をかけておけば,それがめぐりめぐってまた自分にもよい報いが来る。人に親切にしておけば必ずよい報いがある。補注:情をかけることは,かえってその人のためにならないと解するのは誤り。
「大辞林 第3版」(平成18年 三省堂)
情を人にかけておけば,巡り巡って自分によい報いが来るということ。〔近年,誤って本人の自立のために良くないと理解されることがある〕
ここに挙げた二つの辞書では,ともに「誰かに情を掛けることは,その人のためにならない」という解釈が誤りであることをわざわざ指摘しています。本来は,人に思いやりを掛けておけば,結果として,いつか自分にも良い報いが訪れるという意味の言葉です。
問2 「情けは人のためならず」について尋ねた「国語に関する世論調査」の結果を教えてください。
答2 本来の意味である「人に情けを掛けておくと,巡り巡って結局は自分のためになる」を選んだ人と,本来の意味ではない「人に情けを掛けてやることは,結局はその人ためにならない」を選んだ人との割合は,ほぼ同じという結果でした。
〇統計的は約半数の人が誤った意味を理解しているらしいですが、私の実感では、もっと多くの人が間違って使っている気がします。
➡3 この言葉を本来とは違う意味で理解してしまうのは,「ためならず」の解釈を誤ってしまうからだと考えられます。もし「情けは人のためにならず」というのであれば,「その人のためにならない」と受け取れるでしょう。しかし,「人のためならず」の「ならず」は,〔断定の「なり」〕+〔打ち消しの「ず」〕ですから,「である+ない=〜でない」という意味になり,「人のためでない(=自分のためである)」と読み取る必要があります。ここのところがはっきりしないことが「人のためにならない」と解釈する人を増やしている理由だと考えられます。
〇さすがに国の国語課の説明だけあってわかりやすいです。「なるほど」と思いました。このように理論的に説明されると納得できます。私も以前からこの言葉に誤解があるのは知っていましたが、その他同じ言葉でも人の解釈はまったく異なることがあり、もしかして目の前の人と会話している中でも、真逆の意味でとらえていることもあるのだろうか?と自分が心配になります。
〇「情けは人のためならず」に関しては、正岡子規の「人に貸して 我に傘なし 春の雨」の句を連想します。正岡子規は明治を代表する文学者で、34歳でという若さで亡くなりました。子規の残された偉大な功績(近代俳句の改革)は、今も継承されています。
〇学生の頃、子規が若い頃に当時アメリカからもたらされたばかりの野球に熱中していたことを知り、私も野球をやっていたので、親近感を覚えました。特に野球を「野球(のぼーる)」と呼んだのは面白いエピソードです。野は「の」と日本語に、球は「ボール」と英語にし、それを掛け合わせるなど、ユーモアにあふれた人だったのではと想像します。
〇この「人に貸して 我に傘なし 春の雨」の句は、「友人に自分の傘を貸して、自分は濡れてゆく。降るのは春の細い静かな雨なので、それも清々しく感じる」くらいな意味だと思います。自分に多少の負担があっても、友に自然と手をさしのべる。これが温かで豊かな心ある子規のふるまいだったのだろうと私は受け取ります。
〇また子規は敬愛する夏目漱石とも交友があり、漱石の小説や俳句にも影響を与えているとのことです。余談ですが、「春雨や 身をすり寄せて 一つ傘」は、夏目漱石の句で、子規の「人に貸して我に傘なし春の雨」という句に返したものだと後から知りました。
〇話を戻しますが、冒頭で気が付かずに誤った意味で使っている日本語もまだまだあると思います。たとえば、「失笑する」「手をこまねく」「気が置けない」「さわりだけ聞かせる」など、一度文化庁のホームページで確認してみることをおすすめします。どれも正しい意味と誤った意味、そしてそれがどの位の割合で使われているかがわかります。
須藤昌英
12月11日(木)今からでも遅くはない(酸素とオゾン)
〇先月の17日の「人生遅すぎることはない」では、「何か新しいことを思いついたらあまりあれこれ考えすぎずに、とりあえずやってみた方がよいのではないか」のようなことを書きましたが、最近それと通ずることがありました。
〇それは地球規模の話であり、地球という宇宙に浮かぶ一つの船の上に住んでいる我々のすべてに関連することです。オゾン層ホール問題は、1980年代初めに南極上空でオゾン層の著しい減少により、明確に「オゾンホール」が観測されたことによって、広く認識されるようになりました。
〇オゾンホールとは、南極上空のオゾン量が極端に少なくなる現象で、オゾン層に穴が空いたような状態に見えることからそう呼ばれています。オゾン層は有害な紫外線を吸収し、人間が皮膚がんや白内障になることを軽減してくれているそうです。
〇しかしフロンなどの化学物質が原因で、毎年南極の冬から春にかけて(8~9月頃に発生し、11~12月頃に消滅)観測され、近年では2025年にも最大で南極大陸の約1.6倍の大きさになったと気象庁は発表していました。
〇そのオゾンホールは現在、回復傾向にあることを、先日の帰宅途中の車でラジオニュースを聴いていて知り、思わず車を止めてスマホの記事でその詳細をすぐに調べました。今は知りたくなると、すぐに検索することができますので、後回しにしないですみます。
〇それによると、国際的な取り決めである「モントリオール議定書」の効果が現れていることがわかりました。現在の予測では、南極のオゾンホールは2066年頃までに、北極は2045年頃までに、その他の地域では2040年頃までに1980年の水準まで回復すると見込まれているそうです。
〇オゾン層が回復している理由は、主にフロン類の使用が段階的に禁止されたことです。フロン類(CFC)はオゾン層を破壊する主な原因でしたが、1987年のモントリオール議定書によって削減・廃止が進み、成層圏に到達する新たなオゾン破壊物質の量が減ったのです。また、地球温暖化による成層圏の気温低下が、オゾン破壊の化学反応を遅らせるという間接的な要因も影響している?そうです。
〇しかしその回復スピードはゆっくりで、今後も地域差や気候変動の影響を受けることもあります。観測と計算による予測はあくまでの机上での推理ですので、決して楽観視はできないと思います。今のこの明るい見通しが今後、「やっぱり思いとおりにはならなかった」と落胆したくないものです。
〇調べると2018年に「11月3日」を、日本医療・環境オゾン学会と日本オゾン協会は「オゾンの日」と制定したそうです。オゾンの化学式が「O3」であることから、「いい(11)オゾン(O3)」のごろ合わせで決められたようです。「人間の生活や地球環境に大いに貢献しているオゾンに対する正しい理解を広める」ことが目的のこの記念日は正式に登録されました。
〇私もオゾン(ozone)と酸素(oxygen)の関係は以前から知っていました。2つは同じ酸素原子からできており、オゾンは酸素の「同素体(同一種類の元素から成るものの、構造が異なる物質のこと)」です。具体的には、酸素分子(O2)が太陽光や放電などによって酸素原子(O))に分解され、その酸素原子が別の酸素分子(O2)と結合することでオゾン(O3)が生成されます。
〇つまりオゾンと酸素はまさに「兄弟」のような存在であり、似た性質をもっています。その一つが「酸化」です。「酸化」とは単体の酸素原子Oは他の物質にくっつきやすい性質をもっていて、その酸素原子が他の物質にくっつくことです。
〇鉄がさびるのも酸素による酸化の一種であることは、中学校の2年の理科で「酸化と還元(酸化の反対で酸素原子を切り離す)」で学習します。またオゾンには非常に強い酸化能力があり、これが除菌、殺菌、脱臭、脱色の効果をもたらします。
〇ただ酸素は通常の環境ではしっかりとくっついていて安定して存在しています。地球上の生物が呼吸している空気のうち、約20%が酸素ですが、その酸素が簡単に分解されてしまうと、地上の生物はみな酸欠になって困ってしまいます。
〇しかしオゾン酸素原子3つは常温下において2つと1つ、つまり酸素O2と酸素原子単体であるOに分離しやすい性質をもっています。このためオゾンは不安定な物質だといわれています。
〇今後も国際的な協調行動(モントリオール議定書の遵守)が継続されること、具体的には破壊物質の排出が引き続き抑制されること、気候変動や火山の噴火などの予期せぬ要因がないこと、その他人間の身勝手な活動により回復を妨げる可能性のある要因が出ないことなどを願います。
〇先月のブログで生徒たちには、「今まで何度かやろうとしたけれど出来なかったこと、今の自分では到底出来そうもないとあきらめてきたことなどは、誰にでも1つや2つはあります。しかしそれらは多くの場合、『本気』で取り組もうとする前に、尻込みしてしまったことがほとんどではありませんか?『あの人だからあんなことが出来るんだ』とか『自分には到底そんな能力はない』と思い込んでいませんか?生きているかぎり、何でも【手遅れ】ということはありません。周りからは簡単そうにやっているようにみえることでも、その人は他人が見ていないところで必ず努力しています。」と訴えました。
〇このことは個人ではなく、人類全体のようなレベルでも同じことが言えると思います。思い立ったが吉日(きちじつ)、つまり「何かを始めようと決心したら、吉日を選ぶのを待たず、すぐに実行に移すのが良い」と思います。
〇ただ人間はそれぞれ違う考えをもっており、時として自由(主張)と自由(主張)がぶつかりあいます。その時は「この地球は宇宙に一つしかない母なる惑星だ」という最上位概念をお互いに確認し、そのもとで対話し、今出来ることを合意形成していくしかありません。
〇酸素は呼吸に欠かせず、オゾンも健康に不可欠です。中学生たちが社会で活躍する未来が明るいものにするためには、みんなで今から考え、行動を継続していくしかありません。
須藤昌英
12月10日(水)「面白い!」ことから始まる学び
〇昨日の「落ち葉とブロアー(送風機)」の後半に、私が中学校時代に、扇形と三角形の相違点と共通点を知ったときに「面白い!」と感じたことを書きました。その時の感覚は、まさに目の前が明るくなりその先の光が見えたような感覚でした。
〇「面白い」という言葉の起源は、「面(おもて)」が「白(しろ)」くなること、つまり「顔が明るくはっきり見える状態」から来ています。目の前の景色や光景が明るく、鮮やかで美しい様子を表す言葉でした。この「面白い」が次第に、感情的な「楽しい」「心地よい」という状態にも使われるようになり、現代の「面白い」の意味に広がったとされています。
〇私はこのように「面白い」が、古代の「光景がはっきり見えること」から、現代の「心の動き」を表現する言葉へと、豊かに意味が広がってきたことは、人間の学びと深い関係にあると思っています。
〇特に現代の意味である「興味深い、愉快な、興味を引く、予想を裏切る」など、多様なポジティブな感情を指すことにワクワクします。校長として、中学生が学習を面白く感じることは最も重要と考えています。そのためにはどのような工夫が必要か?がいつも頭の片隅にあります。
〇面白く学習に取り組むことの目的は、テストの正答率や高等学校への進学率といった数値で測るものではなく、生徒にとって必然性を実感できる学びになっているかです。重要なのは自分の興味・関心が高いことを探求することです。
〇たとえば先日の鳥研究者の鈴木氏のように、動物好きなら身近なペットや自然観察をしたり動物園での生態調査をしたり、骨格標本作りに挑戦したり、本や詩が好きなら日本語や外国語の文章を読み比べたり読解や要約を深めたり、絵を描くことが好きならば、絵の具を使う場合とデジタル機器を使う場合の良さを研究したり、となんでも良いと思います。
〇面白いもいくつかの場合があります。まず「知識のつながりを考えると面白い」です。たとえば「明治維新は1868年」と覚えるのは単なる知識です。しかし「明治維新は、幕末の鎖国政策の終焉と、西洋技術の導入(黒船来航)という出来事の積み重ね(原因)があり、その結果、近代化(結果)が始まった」と因果関係や背景が理解できれば、それがつながりのある知識となります。
〇ちなみにこれを「有意味学習」といい、強引に頭の中に知識を詰め込む「機械的学習」とは質的に異なります。有意味学習のほうが機械的学習より効果が大きいことに加え、面白く楽しいわけです。
〇次に「疑問や矛盾と向き合い乗り越えると面白い」です。学んでいると、必ず疑問や矛盾が出てきます。その際「何に対して矛盾や疑問を感じているのか」をハッキリとさせることが大切です。生徒はよく「なんか変」「なんとなく分からない」と言うときがありますが、これでは深い思考にはなりません。たとえば「チューリップも種子植物だから種ができる」と聞いて、「それならなぜ花壇には種を植えずに球根を植えるのか?」と問いをもつとさらに調べたくなります。
〇疑問に向き合うためには、質問したら『そんなことも知らないの?』と思われて恥ずかしいとしり込みしないことです。もしかしたら周りの人も同じ疑問を抱いている?ことも意外に多く、その疑問が自分だけでなく周囲の学びにもなります。
〇また「失敗(間違い)したらチャンスと考えると面白い」もあります。人の脳は失敗を繰り返しながら記憶を強化します。試行錯誤するほど深い記憶となります。最初は難しいですが、失敗(間違え)したら「よしシメた!」と思いましょう。失敗(間違え)は、より深く分かるために必要不可欠なチャンスです。
◯たとえ失敗(間違え)しても自分は「ダメな人間だ」などと思わないことです。失敗(間違い)を恐れなくなると、学ぶことがグーンと楽しくなります。
〇最後に「見方・考え方を変えると面白い」もすぐに実行できます。ふつうなら当たり前と見過ごしてしまうようなことでも、見方をちょっとだけ変えてみると、急に面白く見えてくることがあります。
◯その少しだけ変えた見方・考え方を「切り口」ということもありますが、何気ない日常でも、一時的な流行現象でも、日頃からタテ・ヨコ・ナナメ、いろんな切り口でものを見たり考えたりしていれば、いつかハッと思いもかけないアイデアを思いつくものです。
〇これまでとは逆説的ですが、「面白い!」と思えるまで一つのことを続けてみることも大事です。研究や学習を続けていても、最初は成果や成績がゆっくりでしか上昇しません。その段階であきらめて、投げ出してしまう人もいます。しかし根気よく続けていると、ある日、先ほどのように目の前に突然大海が広がるような体験をします。ここまでくると学びの真の面白さが分かるようになります。
〇「面白い」という言葉で思い出すことがあります。それは幕末の長州藩にあって、長州征伐を仕掛けた幕府軍を奇兵隊を創設し苦しめた勇猛果敢な志士として知られる高杉晋作です。彼は勇猛果敢というだけでなく、知力も高かったそうです。
〇彼の辞世の句として知られる「おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり」の意味は、「世の中を面白いと思えるかどうかは自分の心しだい」で、見方を変えれば何でも面白く見えてくることを言いたかったのでしょう。
〇私はこの句を若い時に読んだ、司馬遼太郎の長編時代小説(幕末維新を先導した坂本竜馬を主人公とする)の『竜馬がゆく』で知りました。『竜馬がゆく』では、高杉晋作が臨終間際に、「おもしろきこともなき世をおもしろく」と上の句を詠み、その下の句を看病にあたっていた野村望東尼という尼僧が、「住みなすものは心なりけり」と続けたとあります。すると高杉晋作はうなずき、「面白いのう」といって息を引き取ったという場面がありました。
〇今行っている2年生との面接でも、「なぜあなたはそれを継続して取り組んでいるのですか?」に対し、「面白いからです!」という返答が一番多いです。そして「面白い」と言える生徒の顔はしっかりと前を向き、輝いています。「面白い」は人を学びに誘導する不思議な言葉です。
須藤昌英
12月9日(火)落ち葉とブロアー(送風機)
〇先月中旬くらい落ち葉の季節になり、先週はそのピークを迎えました。今日あたりからやっと少なくなりホッとしています。学校敷地にあるサクラ、カエデ、イチョウ、モミジ・・・など、毎日用務員さんは朝から多い場合には午後も落ち葉掃きをしてくれています。
〇そもそもなぜ木々は秋から冬になると落葉するのでしょうか?自分も一緒に落ち葉掃きをしながら、フッと頭に疑問が湧いてきます。何かの作業に没頭するときは、手足は動かしますがその分、頭が空っぽになりやすいので、普段は考えない色々な疑問や思いが出てきやすいと以前に本で読んだ記憶があります。
〇少し調べてみると、樹木は葉が光合成で糖分などの栄養分を生産しつつ、細胞そのものが呼吸をするなどして自分でそれを消費もしています。日光が弱くなりその生産と消費のバランスが崩れてくると、葉を持つ意味がなくなるので、葉をあえて落として光合成に適当な時期まで休んでおこうとするのが、一番の理由のようです。
〇一般に落ち葉は、日本特有の四季や風情を感じさせるものである一方で、学校外の街路樹や樹林周辺の地域では、道路や側溝、個人宅内に吹きだまるなど一般的には「厄介な迷惑者」として扱われることもあります。確かに大風の後は、街のあちこちで落ち葉の山が見られます。私もそれを見るたびに「誰が掃除するのかな~?大変だな~!」と余計な心配が頭をよぎります。
〇そのように落ち葉は厄介なものとするのと反対に、落ち葉を使って遊ぶというこの季節ならでは良さもあります。私も子どもが幼い頃、公園に山積になった落ち葉の中で、楽しそうに遊んでいるのを見ながら、「自分も昔はこんなことでも嬉しかったな」と思いだしていました。
〇遊びの中で、足で踏んだ葉の音や葉を投げたりちぎったりした時の手触り、何ともいえない乾いた匂いなどを通して身近の自然に興味を持ったり身体能力を伸ばすことができます。また落ち葉を拾ってきて、紙面上や立体的なアート作品を製作したりする中で、想像力を伸ばすことなどが、身近な体験学習として有効です。
〇落ち葉掃きで大きな威力を発揮するのが、ブロアー(送風機)です。竹ぼうきなどで行う場合に比べて、数倍の効率性の良さです。いろいろな種類のものがありますが、本校のブロアーはガソリンエンジンを搭載した業者が使用する本格的なものです。
〇ただ落ち葉と一緒に大量の土誇りも舞い上がるので、使用時にはマスクが欠かせません。一番の欠点は、ブロワーは大きな音が出るため、早朝や夜間の使用は避けなければなりません。特に本校は東、西、北側に校舎があり、唯一校舎のない南側(正門側)にすべての音が反響していきますので、気をつけています。
〇ブロワーで落ち葉を掃除するコツは、やっていうちにだんだんとわかってきます。むやみやたらに使っても、余計に落ち葉が散らかるだけです。風のない日が最適ですが、まず落ち葉を集める場所を自分で決めます。敷地の中央や壁際など、落ち葉を集めやすい場所をあらかじめ決めておくと効率的です。
〇そしてそれに向かって「扇状(せんじょう)」に動きながらブロアーで吹き集めると効率があがり、落ち葉を一点に集めることができますこの扇形(おうぎがた)がポイントです。
〇数学的には、扇形とは、円の中心から伸びる2本の半径と、その2本の半径にはさまれた円周の一部(弧)によって囲まれた図形のことです。扇子(せんす)を広げたような形からその名がついており、円の一部を切り取った形(ピザの切れ端など)を指します。
〇最初は思いつきもしませんでしたが、こういうところで数学の基礎知識が役に立ちます。数学に限らず「学校の授業の内容は社会で出ると役に立たない」などと言われることもありますが、実際には思いもよらない場面で突如、行動と知識がつながる場合があります。
〇実際にどの教科書やブロアーの説明書にも、「落ち葉は扇状に集めると良い」とは書いてありません。実際に作業して気が付くのです。そしてそれが「生きて働く知識」となり、日常生活上での知恵ともなります。
〇私も時々、生徒の中学の教科書を借りて、パラパラと読みますが、それを読んで理解するだけで「大変な物知り」になります。ただ昔と今では学習における教科書の役割が変化し、「何のために学ぶのか」「どう役立つのか」を教えてくれるものになっています。
〇教科書で習うことが、「試験のために覚えなくてはならないもの」から「自分たちの社会を理解するために有意義な知識」に変われば、「学びのモチベーション」も上がると思います。どの教科でも、このような工夫がなされているのが、今の教科書の特徴といえます。
〇今回のブロアーを使っての落ち葉清掃は、日常生活の一部ですが、よりよい生活をするための工夫のヒントなっていることは、中学校の校長として、強調しておきたいです。
〇余談ですが、扇形の面積の求め方は2つあります。そもそも扇形は円の一部ですので、普通は半径の長さと中心角の角度が分かっていれば、「半径×半径×π×(中心角/360°)」という公式を使います。これは小学校の算数でも、中心角の大きさと扇形の面積は比例関係にあることを習うので、小学生でも理解可能です。
〇ただ中学生はそれに加えて、半径と弧の長さを使う方法も理解しておきたいものです。スペースの問題でここでは証明しませんが、「半径の長さ×弧の長さ÷2」の公式で求められます。これは一般の三角形の面積の求積公式「底辺×高さ÷2」とほぼ同じになります。私は中学生の頃、このことを知った時、「面白い!」と感じました。「扇形と三角形は見た目の形は異なるが、同じ図形の仲間ともいえるのか!」と見方・考え方が広がりました。
〇中学生にも時々、授業と日常生活のつながりを感じてほしいと思います。そう思って今朝出勤しましたら、これまでよりは量は少ないですが、いつものように落ち葉が散乱していました。
須藤昌英
12月8日(月)生徒の人権「子どもの権利条約」
〇朝晩の冷え込みは冬を思わせますが、まだ日中の陽ざしの暖かさにはホッとします。2学期も残り2週間となり、例年より1か月ほど早く流行の兆しが出ているインフルエンザの今後の動向が気になります。
〇先日のsigfy(シグフィー)で柏市教育委員かからお知らせした「ハラスメント等に関する実態調査の実施について」は、12月が全国人権週間であることも踏まえ、毎年実施しているものです。本校でも全校生徒を対象に行うので、準備をしている最中です。
〇教職員も含む大人によるすべてのハラスメントを防止するには、正しい人権意識が不可欠です。1989年に国連総会において採択された「子どもの権利条約(18歳未満の人)」は、子どもが守られる対象であるだけでなく、権利をもつ主体であることを明確にしました。
〇子どもが大人と同じように、ひとりの人間としてもつ様々な権利を認めるとともに、成長の過程にあって保護や配慮が必要な子どもならではの権利も定めています。
〇具体的には、「生きる権利」「成長する権利」「暴力から守られる権利」「教育を受ける権利」「遊ぶ権利」「参加する権利」など、世界のどこで生まれても子どもたちがもっている様々な権利が定められました。
〇この条約が採択されてから、世界中で多くの子どもたちの状況の改善につながってきており、日本も例外ではありません。1989年は平成元年ですので、私が教員としてスタートして3年目にあたり、学校現場でもその話題が多くなってきたことを思い出します。
〇すべての教職員は日頃から生徒に対し、1対1で閉鎖的な状況で指導や対応をしない、不必要な身体接触はしない、管理職の許可のないメッセージ等の送信はしないことを認識しています。
〇問題行動が発覚しても、その対応には必ず複数の教員で行い、事実や原因の聞き取り等を決めつけや押し付けをせずに、時間をかけて丁寧に行っています。
〇確かに昭和の時代までは、該当生徒の言い分を十分に聞かずに状況を判断したり、その後の保護者への説明なども、生徒本人へ「今回のことを自分で保護者に伝えるように」のような指導をしたりすることがありました。
〇しかし現在は、たとえ時間がかかっても生徒本人が自分のしてしまったことと正面から向き合い、その時の心境や周囲との人間関係、その後の気持ちの変化などを浮き彫りにし、それを管理職も含めた職員の中で共有し、その詳細を保護者に伝えています。
〇単純に比べることはできませんが、昭和の時代の指導よりも今は数倍の時間をかけています。解決や改善には時間はかかりますが、失敗を次にいかすためには、この方が有効だと思います。これも「子どもの人権」を第一にした意識の変化です。
〇学校教育法第11条は、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、監督庁の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。但し、体罰を加えることはできない」と規定されています。
〇この懲戒とは、生徒に問題行動等があった場合に、これを正すために指導や助言、時には一定の行動制限を加えることをいいます。要約すれば、体罰(生徒の身体に対する侵害)は論外であり、前述のような生徒の人権を尊重した指導をしなければならないということです。
〇また生徒に肉体的苦痛を与えるようなもの(指導中に生徒がトイレに行きたいと訴えても認めない、課題などを忘れた生徒に対して自席ではなく教室の後方で授業を受けさせるなど)も体罰の範疇になります。
〇一方で懲戒権の範囲内と判断されると考えられる指導として、放課後等に残して話を聞く(指導する)、未提出の学習課題を課す、立ち歩きの多い生徒を叱って席につかせる等は認められています。
〇いずれもそのことを通して生徒本人に振り返りの時間をつくったり、クラスなどへの影響を考慮したりしたものです。自我の芽生えと反抗期によるストレスなどの成長期にある中学生ですから、大人が間違いを犯すのとは別の配慮が必要です。
〇冒頭の実態調査においては、生徒の記述があった場合には事実確認をしたり、調査結果の報告を教育委員会へしたりしていきます。お子様に「実態調査ではどんな回答をしたの?」など内容を確認していただき、もし相談等があれば担任や職員に連絡をしてください。
須藤昌英
【uniefホームページ:子どもの権利条約より】
生徒たちの様子から
朝の増尾駅集合はスムーズで、電車の中でもマナーを意識した行動でした。素晴らしいと思います。冬晴れの青空といちょうの黄色が見事なコントラストの上野恩賜公園。朝から各博物館等は行列が出来ています。同様の校外学習の他、一般客の多さに驚きです。国立の博物館や美術館は展示が充実しているので、とても短い時間では見学しきれませんが、大人になってもリピーターとして訪れるきっかけになって欲しいです。私も国立科学博物館に5時間いましたが、以前になかった地球館は、地下三階地上三階の大きさで、すべてをじっくりと観ることはできませんでした。また来ようと思いました。時間通りに元の場所に集合し、昼食は各班で持参したお弁当を食べました。その他で食べ物のフェスをやっていたので、班で話し合って購入した班もありました。余計に食欲が増したようです。やはり上野動物園は生徒にとって楽しいのでしょう。「見た動物は?」と尋ねると、「レッサーパンダ、キリン、北極熊」など様々。園内には多くの保育園児や幼稚園児がいましたが、彼らもほんの少し前はあのように幼さかったと思うと、よくここまで成長しているなと感動します。このままであれば、来年の林間学校も大丈夫だと感じました。帰りは始発電車でみんなが座れましたが、途中から乗る人がいるとあえて立ち席を譲る生徒もいました。シルバーシートの意味もお互いに話していました。柏で乗り換えて、増尾駅で解散しました。夕方は少し寒くなってきました。週末は体調に留意し、また月曜日に会いましょう。自宅まで気をつけて。さようなら。
須藤昌英
増尾駅到着 解散
◯予定通りに増尾駅に戻りました。学校には寄らず、そのまま自宅へ帰宅になります。気をつけて。また来週。
閉会式 上野駅へ移動 柏駅で乗り換え
◯多くの班が時間通りに戻ってきました。公園内にはまだ多くの他校生がいる中、素晴らしいです。 ◯帰りの電車は始発なので、座れましたが、疲れて眠っている生徒もいました。
班行動開始 見学 休憩 昼食
◯予想したいた以上に、公園内はどこも混雑しています。幼稚園生、小学生、中学生、高校生、一般の大人が入り混じっており、気をつけないと班からはぐれてしまいそうです。なんと3月までの勤務校だった市内の富勢中も来ていました。◯青い空の下、気持ちの良い時間が流れています。博物館や美術館内の撮影は難しいので、開放的な外写真をあげます。◯公園の中央では、「ハイカロリーフェス」なるものが開催されており、さまざまな肉料理を提供する屋台がズラーと並んでいます。さすがに中学生にはもう少し大人になってから行ってもらえばいいと思っていましたが、プライドポテトくらいはお弁当の後でも食べられるようです。 ◯昼に一度だけ貸与したスマホで、本部の教員に班長が定期連絡を入れ、無事を確認しました。 ◯午後からは少し雲が多くなり、風も出てきました。寒くならないうちに、増尾に戻れたらいいと思っています。
写真撮影
◯国立科学博物館前で、クラス写真撮影です。
上野駅到着 開校式
◯途中から列車内が混みましたが、なんか上野駅に着きました。朝のラッシュを初体験した生徒も多かったようです。イチョウが黄葉して迎えてくれました。
柏駅で乗り換え
◯柏駅でJR常磐線に乗り換えます。
増尾駅東口集合
◯班ごとに出発チェックを行います。柏駅まで東武線に乗ります。
12月5日(金)1学年校外学習(上野恩賜公園)
〇朝は冷え込みましたが、風もなく日中は陽ざしがあり、昨日よりは暖かくなる見込みです。本日の1学年校外学習は、公共交通機関の電車を利用し、上野恩賜公園にある博物館や美術館、動物園等の見学が主な行動です。
R7年度1学年校外学習スローガン
「マナーを守り、協力して、次の一歩へ」
【校外学習のしおり:校外学習実行委員長 森下裕仁さん】
「マナーを守る」
公共の場でのマナーというのは、ポイ捨てをしない、物を壊さない、食べながら歩かない、電車では大声で話さない、座席の座り方など、様々なマナーがあります。そのすべてを守ろうと行動してください。
「協力する」
まだ新しい班になってから少ししか経っていないので、この校外学習を通して、班の人や、部会のメンバーと仲良くなってほしい、協力し合える関係性を作ってほしいと思います。また、今後の学校生活や、2年生の林間学校にもつなげていける協力をしましょう。
「次の一歩へ」
校外学習を通して、マナーを守り、当たり前のことをしっかりとやることや、みんなと協力することで自分自身も周りの人も成長し、次の一歩へつなげてほしいです。
【校外学習のしおり:校長 須藤昌英】
新しい発見と小さな感動の体験を!
1学年の皆さんを見ていると、4月の入学式の頃に比べて、中学校生活にも慣れ、充実した毎日を過ごしているようです。入学前に想像していた生活と大きな違いを感じる人もいるでしょうし、一方で段々と「中学校とはこういうところなんだ」と達観し始めている人もいることでしょう。
小学生だった頃までは、ある程度大人が計画したことを素直にやってみることを求められてきたと思います。しかし、中学生は自分で考え、実行していく力をつけていく必要があります。
今回の校外学習もあらかじめ決められたスケジュールはありますが、その一つ一つを「これは何のためにやるのか?」「どうやったら上手くいくだろうか?」と自分たちに問いかけてみましょう。人を頼りにするのではなく、自分で考え正しく判断し、自分でやり遂げていくことを「自立・自律」といいます。
一人ひとりの自立した行動が、校外学習が成功するかしないかのカギとなります。そしてこの経験が、来年以降の林間学校や修学旅行につながる行事となることを願っています。
事前に調べたことを実際にその現地に行き、観察・実験・体験、さらには資料収集等をすることを「フィールドワーク」と言います。本やインターネットで見たり知ったりした知識は、実感が伴わないことが多いので、時間が経過すると忘れがちです。しかし、自分の目や耳、その他の感覚をフル稼働して体験したことは、それと関連した知識と結びつくことにより、「生きて働く知識」と昇華します。
この校外学習で皆さんにお願いしたいことは、現地でどれだけ多くの新しい発見ができるか、そしてそれらを心の底から素直に感動できるかを意識して、楽しんでほしいということです。きっとみなさんにとって、上野の地が「学びの場」となることでしょう。
各クラスの実行委員の皆さん、よろしくお願いします。校外学習を終えてから、さらに一回り大きくなった、中学生としての皆さんの姿を見られることを期待しています。さあ出発しましょう!
〇朝から生徒たちの様子を随時アップしていきます。
12月4日(木)「僕には鳥の言葉がわかる」
〇本校敷地の西と北側は斜面林となっており、今いろいろな木々が紅葉しています。残念ながら表側からはほとんど見えず、校舎3階から見下ろしてやっとそのきれいな全貌が見えます。そこから「たとえ人に見られなくても自分らしく生きる」のような教訓を教えてもらっている気がします。
〇またその木々のおかげで、朝から夕方まで一日中、鳥の鳴き声が聞こえてきます。4月から学校に来るたびそれを楽しみにしていますし、毎日聞いていると、その鳴き声が日によって違うので、数種類の鳥が来ていることがわかります。ただ姿はほとんど見えないので、いまだに鳥の名前を調べることはできないでいます。
〇今年の「書店員が選ぶノンフィクション大賞」に、東京大学准教授の鈴木俊貴氏が書いた「僕には鳥の言葉がわかる(小学館)」が選ばれました。鈴木氏は自ら「動物言語学」という分野を起ち上げ、今、いろいろなメディアでその活動を発表しています。
〇早速、図書室にあった本を学校図書館指導員さんにお願いして借り、読みました。また同時にいくつかのYouTubeに出演しているので、興味深く観ました。第一印象は、鳥が好きでたまらない雰囲気を全身から醸し出しており、研究者というよりも少年が自由研究をしているようなイメージがありました。
〇これまでの常識として、地球上で言葉を持つのは人間だけであり、鳥やその他の動物は、「快か不快」のみの単なる感情で鳴いているとしか認識されていませんでした。その常識を覆し、「鳥のシジュウカラが20以上の単語を組み合わせて文を作っていること」を世界で初めて解明した研究者が鈴木氏で、「僕には鳥の言葉がわかる」は科学エッセイになります。
〇そもそも鳥は1万種以上あり、シジュウカラはスズメくらいの大きさで都会にもたくさんいます。本校の周辺にも来ているのでしょう。鈴木氏はシジュウカラは他の鳥よりもよく話し、単語をもち組み合わせるたりジャスチャーもしたりして、コミュニケーションをとるといいます。
〇多いのが仲間への危険を知らせる合図で、「ヒ、ヒ、ヒ」は鷹が上空にいる、「ジャージャージャー」はヘビが地面や木の上にいることを教えているそうです。危険な相手の違いによって、鳴き声を変えるとは驚きです。
〇また自分よりも少し大きく肉食のモズのような鳥には、違う種類の鳥でも鳴き声で知らせ、強いモズをみんなで囲むようにして圧力をかけるなど、協力して追い払う映像も紹介していました。
〇さらに「ヂ、ヂ、ヂ」は、「ここに餌があるから集まれ」のサインで、自分だけでなく仲間にも生きるために必要な餌の情報を流しているそうです。動物はすべて弱肉強食の世界に住んでいると思っていましたが、共存共栄の意識?本能?があるのかと思いました。
〇どうやら鳥はそれぞれ違う言葉を使いますが、お互いの言葉を学習しあっていることも仮説として考えられるそうです。であれば人間が普段は日本語を使っていますが、新たに英語を学ぶのと同じではないでしょうか。言語によるコミュニケーションは人間だけではないことは、この世界にまだまだ未知なことが多いということです。
〇鈴木氏は3年前に日本人で初めて、国際行動生体学会で基調講演し注目を集め、そこで動物言語学を創設することを提唱しました。これに影響を受けて、世界の動物行動学者が他の動物の言語について研究を始めたそうです。
〇例えば「アフリカゾウにはそれぞれ名前があってお互いにそれを呼び合っている?」や「チンパンジーも言葉の組み合わせによって文らしきものを理解している?」など、20年~30年後にはいろいろな動物の言葉がわかる時代がくるかもしれません。
〇この研究が進めば、動物をより正しく理解することにつながりますし、もしかしたら普段から動物が人間に対して何かを教えてくれていることが分かってくるのかもしれません。世界は人間だけでのものではなく、もっと知らない世界が身近に広がっている可能性も高いと感じます。
〇最後に鈴木氏は、「当たり前を疑う」ことの重要性を説いています。それには鈴木氏の母の言葉が大きいそうです。鈴木氏が幼少の頃、自宅の庭で昆虫の蜘蛛を観察していた時です。事前に図鑑で「蜘蛛は何を捕食するのか」と調べたのとはまったく別の昆虫(カブトムシ)を食べていたのを見つけました。
〇鈴木少年は困惑し、悩んだ挙句に母親に「蜘蛛がカブトムシを食べるとは図鑑にのっていないけど、どちらが正しいのか?」と相談しました。すると母親はすぐに、「あなたが観察した方が正しい。あなたの図鑑を書き換えなさい」と言ったそうです。
〇それ以来鈴木少年は、新たに分かったことをボールペンで図鑑に書き加え、世界で唯一の図鑑をつくりました。鈴木氏は「図鑑は自然を解釈した一部に過ぎない。目の前に起きたことが正しいことで、真実はもっと存在することを学んだ」と言っています。
〇素晴らしいお母さんです。子どもを信じ、咄嗟に「あなたが正しい」と言い切れたことに敬意さえ感じます。親の方も自分に余裕がないと下手したら「そんなの図鑑が正しいに決まっているんだから、細かいことを気にしないの!」などと言ってしまうかもしれません。もしそのお母さんがそう言っていたら、今の鈴木氏はいないと思います。子育てをしてきた私もとても参考になる話です。
〇昨日の「ジクソーパズルとレゴブロック」でも書きましたが、学校の教科書や出版会社の図鑑などは、これまでの人間の歴史を踏まえた「人類の英知の結晶」でもあり、正しいことには間違いありません。でも現実の世の中は、もっと複雑で不思議なことばかりです。新しい課題を追求するには、これまでの知識の上に、自分で見て聞いて確かめたことを上書きしていくしかありません。
〇最後に鈴木氏は、「研究には膨大な時間がかかる。20年や30年どころじゃやない。じっくりと楽しんで追求していきたい」と結んでいました。
〇明日は1学年の校外学習です。すべての班が上野恩賜公園内にある「国立科学博物館(科博)」を見学します。科博にも鳥類だけでも1~2時間では見切れないほどの広大な展示スペースがあります。私の住んでいる我孫子市にも日本で唯一の鳥類専門の「鳥の博物館」があります。生徒たちにも鳥に少しでも興味をもってもらいたです。
須藤昌英
【東京大学先進科学技術研究センターHPより:鈴木俊貴准教授】
12月3日(水)ジグソーパズルとレゴブロック
〇幼い子どもから大人まで、時間を忘れて熱中してしまうパズルとして、ジグソーパズルがあります。ジグソーパズルは、1枚の絵がバラバラになった多数のピースを、接合部分や絵柄をヒントにすべて組み合わせて、1枚の絵を完成させるパズルです。
〇意外に歴史は古く、もともとは18世紀中頃に教育用教材として作られ、イギリスの地図職人が地図の絵を「糸のこぎり(ジグソー)」で切断したことからその名がつけられたそうです。
〇特に大人に人気のジグソーパズルには、1000ピース前後の難易度が高いものや、お洒落なデザイン、人気キャラクターなどが描かれたものがあります。一般的には完成までに10時間から20時間程度ですが、絵柄が難しい場合には、数日を要します。
〇このパズルが人気の理由は、集中力や達成感を得られたりするだけでなく、気分転換として心身のリラックス効果やストレス解消にも役立ったりします。完成すれば部屋に飾ることもできます。
〇このジグソーパズルは、学習で例えると「典型的な正解探し」、つまりは教科書に書かれていることを暗記し、テストで正確にそれをアウトプットすることにあたります。
〇もちろん教科書の内容をしっかりと理解することは重要なのですが、その内容の背景や成り立ちまで考えて、「教科書には~と書いてあるが、自分ならば~と考える」までいかないと表面だけの理解にとどまりそれ以上昇華しません。大げさに言えば、それが「ジグソーパズル的学習の限界」です。
〇一方で私もかつて幼い頃に遊びましたが、もう一つ夢中になるもので、レゴブロックがあります。レゴブロックは、デンマークのレゴ社が製造・販売する、互換性のあるプラスチック製の組み立てブロック玩具です。
〇突起と空洞を組み合わせることで、様々なものを自由に組み立てることができ、教育用としても利用されるなど、創造力や想像力を育む知育玩具としての側面があります。
〇子どもがレゴブロックで遊びはじめるとき、最初は何もないところから段々とパーツを組み合わせ、新しい形を創ることができるのが、ジグソーパズルとの大きな違いです。
〇こちらは学習面に例えると、単に知っているだけでなく、様々な状況に応じてその知識を活用する学習にあたります。新しい知識を既存の知識と関連付け、修正・更新しながら使いこなすことを指し、問題解決能力や創造性を育むので、これを生きて働く知識と言います。
〇今の生徒たちが成人して社会で活躍する頃には、我が国はますます厳しい挑戦の時代(予測が困難な時代)を迎えます。そして一人ひとりが持続可能な社会の担い手として、その多様性を原動力とし、質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待されます。
〇要するに目の前に現れた問題や課題に対する正解は、どの教科書や書籍、インターネットでも探すことができません。自分や周囲の人たちと対話し、それぞれの知識や経験を持ちより、「とりあえず今は〇〇をやって試してみよう。それでダメならまた別の方法を一緒に考えよう」と仮説を立てて検証するしかありません。
〇これはパズルやブロックをする時と思考パターンは同じですが、パズルのような正解はないので、ブロックのように新しい形を創造していく方がより近いと思います。
〇自分が父親になって子どもにレゴブロックを買ってあげた時にふと気になったことがありました。レゴブロックには「クラシックセット」というシリーズがあります。これは何か明確な完成形があるのではなく、さまざまなパーツが入っていて好きに組み合わせられる昔ながらのレゴブロックです。
〇一方で商品の箱に表示されている完成形を目指して、パーツを組み立てるシリーズもあります。たとえばお城であったり何かのキャラクターであったり。このようなレゴブロックは、つくる形が明確に存在し、優れたデザイン性を有するため、心情的には一度組み立てると壊しにくいです。実際、我が家でもこのようなレゴブロックは作り終えるとコレクションケースに入れて飾りました。
〇残念なのは私がかつて遊んだように、それを壊してもう一度組み立てることがありません。これでは市販の「プラモデル」またはジクソーパズルが立体になったと同じで、それらを自由に組み合わせた創造的営みではなく、完成図に合わせて作るだけです。
〇これでは前述した従来のレゴブロックの良さが薄れてしまう気がします。試行錯誤して、納得しなければいったんバラバラに戻して、再度組み立てることこそ、レゴブロックの一番の良さであり、それは普段の学びと本質的に同じだと思います。
〇最近は「レゴストア」というレゴ専門店もショッピングモールで見かけますので、また今度孫たちと一緒に入ってみようか・・と思います。
須藤昌英
12月2日(火)「言葉の職人」のご逝去から1年
〇昨年の11月、現代の日本を代表する詩人の谷川俊太郎さん(当時92歳)が亡くなられました。それから1年が経ちましたが、いまだに多くの追悼の意が表せられています。谷川氏の影響は、詩の世界にとどまらず文学界、音楽界などにも広く及んでいます。
〇谷川氏は1931年に東京で生まれ、高校時代に詩を作り始め、1952年、詩集「二十億光年の孤独」を発表しデビューしました。鋭いけれども誰もがもっている感性を大切にし、テンポのよいことばを連ねるなど、半世紀以上にわたり数多くの作品を発表し続けてきました。
〇私は若い頃から谷川氏の詩を、自分が担当する林間学校のキャンプファイヤーや3年生を送る会などで生徒たちに朗読させていました。とても平易な言葉ばかりですので、読んでいるうちに生徒たちはその独特の世界に引き込まれ、普段は見せない表情をしていたことをよく覚えています。
〇代表作の「生きる」を紹介します。
生きる
生きているということ いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること あなたと手をつなぐこと
生きているということ いま生きているということ
それはミニスカート それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス それはピカソ
それはアルプス すべての美しいものに出会うということ
そして かくされた悪を注意深くこばむこと
生きているということ いま生きているということ
泣けるということ 笑えるということ 怒れるということ
自由ということ
生きているということ いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと
生きているということ いま生きているということ
鳥ははばたくということ 海はとどろくということ
かたつむりははうということ 人は愛するということ
あなたの手のぬくみ いのちということ
〇「生きているということ いま生きているということ」の韻を踏み、心地よいリズム感で、生き物などの有機質や生物以外の無機質なものまで引き合いに出して、生きていることの素晴らしさを見事に表しています。
〇自分の解釈ですが、この詩のテーマは、「普段の生活(日常)にこそ生きていくことのすべて(意義)がある。そのことを再確認することが幸せを身近に感じる唯一の方法である」ではないかと感じていました。
〇よく言われますが、十代の若者がこの詩に共鳴する部分ともっと年を重ねた大人が共鳴する部分は異なり、それが詩の素晴らしさではないかと思います。
〇谷川氏は数年前の生前のインタビューで、「詩というか言語というものは、われわれの世界を記述するのに、非常に不完全なもの。作品がうまくできれば満足だけど、それが真理を示しているとか、そんな気はまったくなくて、きれいで人が楽しんでくれればいい。芸術家というよりも『言葉の職人』っていうのかな。自分としては『職人』と言いたいんですよ」と答えています。
〇「言葉の職人」というあたりが谷川氏の人柄を表しています。生前を知っている多くの人がその人柄を「その作品と同様に気さくで親しみやすく、ユーモアがありながらも、物事を深く見つめる自由な精神を持った方」との印象があるそうです。
〇あえて自分を「専門家」と言わずに「職人」と呼ぶには、それなりのこだわりを感じます。「職人」は長年の経験や勘を磨くことを重視する一方で、「専門家」はその分野の高度な知識や技術で客観的な資格や実績を持つ人を指します。
〇つまり人からの評価などは二の次で、自分が好きなことをただ一心不乱にやるということで、結果として自分が納得できる仕事やそれによって他に貢献しているということだと思います。
〇谷川氏が「詩や言語は非常に不完全なもの」と言っているように、日本の教育も決して完全(正解)ではなく、常に現在に沿ったものに変化させていかねばなりません。
〇我々教員も一面に「専門家」としてのプライドをもたなければなりませんが、そういう面では「職人」のように完全なものを追い求めてく気概も必要かもしれません。
〇長年多くの詩によって勇気づけられたことに感謝しつつ、谷川俊太郎氏のご冥福を心よりお祈りいたします。
須藤昌英
12月1日(月)音楽まつり2025(土地区青少協主催)
〇12月に入りました。今朝の日の出時間は6時32分で、出勤途中の橋の上から、ちょうどオレンジの太陽が手賀沼から昇ってくる瞬間を見ました。東の空全体が朝焼けで輝いていました。あと1ヶ月すると、新年の初日の出です。
〇今日は暖かくなりそうですが、週の後半にかけて寒波が来る予想があります。インフルエンザ流行も心配ですが、特に金曜日に予定している1学年校外学習(上野恩賜公園)では、少しでも暖かい日差しがあるといいな・・と思っています。
〇先週末の土曜日、土中地区青少年健全育成協議会が主催する「音楽まつり2025」が本校体育館で行われました。土小・土中の吹奏楽クラブの演奏や地域のダンススクール(教室)等の6つの団体がダンスや踊りを披露しました。
〇本校吹奏楽クラブは5曲を演奏しました。皆さんから温かい手拍子や声援をいただきました。生徒たちにとって、いつもの練習の成果を発表する良い機会となりました。
〇青少年健全育成協議会は、地域の住民、団体、行政が連携して、青少年の健やかな成長を支援する自主的な活動組織です。これまで地域ぐるみで青少年問題に取り組み、あいさつ運動や地域パトロール、イベントの開催など、様々な事業を通して青少年の育成と非行防止を目指してきました。学校にとっては「心強い応援団」です。
〇日本は少子・高齢化が世界でも類をみないほど急速に進み、各地では学校の統廃合が進んでいます。同じ千葉県でも南東部は、毎年のように学校数が減少しています。しかし一昨日のような音楽まつりに参加している多くの子どもたちを目の前にすると、そのことは遠いことのように思えてきました。
〇地域住民がみんなで地域の子どもたちを温かい目で見守り、学校と家庭・地域が「子育て」の共有な視点をもって、お互いの役割を果たしていけば、子どもたちは安心して暮らしていけます。また一番の効果は子どもの社会性を育むことにつながることです。そしてそれがめぐって地域全体の活性化も生むことになります。
〇学校教育だけでは達成することのできない「子どもたちの豊かなで社会とつながる学び」のために、これからも地域の方々の力をかりたいのが校長の本音です。
〇閉会式で会場校の校長として挨拶を頼まれ、その中に感想も話してほしいと言われました。私が感想を言ってもあまり面白くないので、ちょうど見に来ていた4歳の孫娘にマイクを向けましたが、恥ずかしがって下を向かれました。帰宅して遊びに来ていた孫に再度感想を尋ねると「楽しかったよ」と笑顔でたくさん教えてくれました。
〇恐らく幼い子にとって、ちょっと年上のお兄さんやお姉さんが楽しそうに演奏したり踊ったりするのは、驚きと羨望の気持ちが沸き上がっていたのでしょう。
〇こども園・幼稚園の3年間、小学校の6年間、中学校の3年間と便宜上分かれていますが、それぞれの狭い年齢範囲では決して学べない子ども同士の共感は、このような地域行事でしか味わえないと感じました。
須藤昌英
11月28日(金)自分のトリセツ(メタ認知)
〇取説(とりせつ)は「取扱説明書」を短縮した言葉で、カタカナで「トリセツ」と書くことも多いです。10年以上前くらいに、若い女性歌手が同名の曲を歌う姿がテレビで流れてきた際、私も初めて「今は取扱説明書を略してトリセツと呼ぶんだ!」と初めて知りました。
〇トリセツには普通、その製品の「スペック(性能)や特徴」、「正しい操作方法」「上手な使い方」「使用上の注意」「故障の見分け方」「安全に関する注意事項」などが記載されていますが、最初からすべて読む人は皆無でしょう。必要な時に該当箇所を読んで対処することがトリセツの目的だと思います。
〇このように身近な家電などの操作を書いたトリセツは、まだなじみ深いですが、「『自分のトリセツ』とはいったい何のことだろう?」と疑問に思う方もいると思います。*シートを参照ください。
〇簡単に言えば、「自分を知る」ということであり、日頃から慣習的・統計的に「自分はこういう時にはこう考えたり行動したりすることが多い」と自分を客観視することです。確かに人によって無意識に行動する時の決まったパターンはあると思いまし、私もあります。
〇そのように自分の「心や内側」に関心をもち、徐々に自分の「輪郭や本質」を理解することは、中学生のように大人になる過程では欠かせないものであると思います。
〇ただし「どうせ自分は~のような人間だから」と開き直るのではなく、今の自分を出発点とし未来のなりたい自分をイメージしながら、やりたいことやるべきことに取り組めることが理想です。
〇自分のトリセツのきっかけになり得る一つの方法は、日記も有効です。また最近は日記に似ていますが、ライフログという記録も広まっているようです。
〇ライフログとは、LIFE(生活)とLOG(記録)を組み合わせた造語で、日々の生活体験、気づいた情報等を紙や手帳、スマホのアプリやブログ等にデジタルデータとして記録していくことを指すそうです。
〇それにその時の気持ちや行動も一緒に記録することで後から振り返りやすくなったり、自分だけのオリジナリティに富んだライフログとなったりするのが利点でしょう。
〇私も年号が昭和から平成に変わる時(今から38年前)、何か新しいことを始めようと思い立ち、本格的な日記帳を使い始めました。それまでも手帳に簡略してその日の出来事を書いていましたが、正式の日記帳に毎日書くことは新鮮でした。当時は25歳でしたので、これまで数冊の日記帳(3年日記、5年日記、10年日記など)があります。
〇日記からさらに転じて「自分のトリセツ(メモ)を書く」にはまず、自分の強みや弱みを把握することから始めるのがよいと思います。人にはそれぞれ物事の見方や感じ方の癖がありますが、それを癖ではなく「自分軸」と捉え、生きていく途中に迷ったりつまずいたりした時の参考に見るメモがとすれば、安心を得るなどの楽になるための大きな要素になります。
〇昔から「己事究明(こじきゅうめい)」といって、「自己とは何か」を究めて明らかにすることを、若者は求めてきました。たとえば中学生くらいになると、やたらに理屈っぽくなり、世の中の出来事も批判的に見るようになります。しかしそれは順調な成長でもあります。
〇一つのことを考え抜くのは大人への一歩であり、それは「哲学」に近いと思います。そして大人の言う「屁理屈(へりくつ)」こそ中学生には大切ではないか?とさえ思います。ただ気を付けたいのは、世の中(外)ばかりでなく、自己(内)に対しても批判的になりますので、極端に自己否定にならないようにすることも重要です。
〇自分のことを見つめることをマインドフルネスでは「内観」とも言います。よく「生徒の学習や大人の仕事でも予習よりも復習が肝心だ」と言われますが、私も含め日頃から自分自身について、丁寧に復習している人というのはあまりいないのではないでしょうか。
〇大人も子どももそれぞれ忙しいことを理由に、SNSなどの外部の刺激には反応しても、自分自身の身体にだけ意識を通し続けることは避けているのが実情でしょう。
〇自分のことを客観視する「自己モニタリング」は、ストレス対処やミスの軽減、自己パフォーマンスの向上に役立つといいます。その自己モニタリングに欠かせないのが、「メタ認知」です。
〇「メタ認知」とは「自分自身の認知(考える・感じる・記憶する・判断する等)を第三者的な立場から冷静に客観視できる能力」のことです。この能力によって自分が行っていることが正しいのか、また間違っているのであればどのように修正すればよいのかを判断することができるようになります。
〇中学生にもこの能力は十分にあり、自分の得意・不得意なことを的確に認識し、「自分ができないことをするためにはどうしたらいいのか?」という問いに対して自分で答えを出そうとします。
〇この客観的な視点から自身を認識することと、他人から見た自分の姿を一致させていくことで、本当の自己肯定感が生まれます。「自分には●●という長所があるので、それをいかして〇〇を頑張っていきたい!」とすべての生徒が言えるようにしてもらいたいと願います。
〇今日で定期テストが終わり、来週から12月(師走)になります。本校ではここまでインフルエンザ感染の大波はきていませんが、穏やかな年末になること願っています。
須藤昌英
11月27日(木)後期中間テスト
〇今日と明日の二日間で、5教科のテストを行っています。テスト範囲は9月~11月の授業内容です。ここまで各自が準備してきたことを出し尽くせるように祈っています。
〇先週の夕方、逆井駅の近くの学習塾(I個別指導学院)に出向き、担当者との打ち合わせと教室見学をしました。私は学生時代に家庭教師の経験はありましたが、塾の講師はしたことがないので、若い講師が生徒に寄り添うように学習支援していたのが印象に残りました。
〇その塾のパンフレットには、「一人ひとりに『わかる感動』を」と銘打って、個別指導でなければ成せないこと、顔や性格が異なるように最適な学習スタイルは生徒によって違うこと、「わかった」という感動と「できる」という自信を育むことが書かれています。
〇まったくその通りだと思います。確かに中学校卒業後は高等学校への進学を選択する生徒が多いので、目の前にある受験は大きな壁となります。私もそうでした。しかし「学ぶ」ということは完結することはありません。中学校までの知識や技術は、一生学び続けるためのツール(道具)にすぎません。
〇確かに良いツールがあれば良い仕事ができますので、今のうちに身に付けておく方がいいかもしれません。しかし実際は、生きていく中で必要を感じたときに、今の自分にはない知識や技術を学びなおせばいいだけですので、そんなにせっかちになり過ぎることもないだろうと思います。
〇つまり学びは定期テストや受験のためだけでなく、将来の夢を叶えるための力だと捉えることができ、例え計画通りにいかなかったり失敗したりしても、そこから立ち直る強さも育むことを目指しています。最近よく使われる「レジリエンス」はまさにそのことを表した言葉です。
〇「レジリエンス」は、もともとは物理学の「弾力」「復元力」を意味する言葉でしたが、心理学の中で「精神的回復力」として広く用いられ、近年ではIT分野におけるシステムの復旧能力や、ビジネスにおける危機を乗り越える力の意味でも使われています。
〇そのレジリエンスを高めるには、健全な資質(柔軟性、積極性、問題解決志向)、良好な人間関係(信頼できる人とのつながり)、健康的な生活習慣(睡眠、食事、運動、心のケア)などが重要です。またこれらに加えて、具体的な目標設定と小さな成功体験の積み重ねも自信と自己肯定感を育むために効果的です。
〇学校と塾の連携は、教育の一貫性を保ち、生徒の学習効果を高めるために有効です。具体的な方法としては、学校の授業内容を塾が補完することや、塾が学校の進度に合わせて個別の指導を行うこと、そして私が今回訪問したような定期的な情報交換があります。
〇学校が多様な生徒に平等な教育機会を提供する集団学習が中心である一方、塾は個別指導などを行っています。それぞれの良さを認識しつつ、学校の集団学習は基礎学力だけでなく、生徒が卒業した後の社会性を身に付けさせることも担っていることは認識していきます。
須藤昌英
11月26日(水)キャリアパスポートに関する面接(2学年)
〇昨日から2年生を対象に、キャリアパスポートを活用した面接を始めました。3年生の校長面接は入試対策も兼ねていましたので、一人あたり15分程度でしたが、今回は約半分の7分とコンパクトに行います。初めに面接等の入退室のマナーを教えました。
〇キャリアパスポートとは、2020年度から本格的に導入されました。小学校から高校までを通して児童生徒自身が自身の学びや成長を記録・蓄積するポートフォリオ(学習成果物)です。学習活動や生活での経験を振り返り、自己理解を深め、将来の生き方を考えるための活動で活用されます。
〇生徒が自分のキャリアパスポートに書いた内容をもとに、生徒の「学びに向かう力、人間性等」や「将来の目標に向けた主体的な取り組み」を確認・支援するための質問を私からします。
〇キャリアパスポートの最も重要な点は「振り返り」と「自己理解」です。生徒自身の考えや思いを尋ねますので、決して難しい質問ではありません。上手く答えるというよりも、この機会であらためて自分と向き合うことになるので、今後にいかしてもらいたいです。
【主な質問事項】
1.中学校生活の振り返りと自己理解に関する質問
「中学校生活で特に力を入れて取り組んだことは何ですか?(学習、部活動、生徒会活動、委員会活動、学校行事、外部活動など)」
「その活動の中で、一番印象に残っている出来事は何ですか?また、それはなぜですか?」
「その経験を通して、どのようなことを学びましたか?」
「楽しかったことだけでなく、困難だったことや失敗はありましたか?それをどのように乗り越え(あるいは対処し)ましたか?」
「自分の長所や得意なこと、成長したと感じる点は何ですか?」
「逆に、課題や今後伸ばしたい力は何ですか?」
「大切にしている好きな言葉や憧れまたは尊敬する人物は誰ですか?」
2. 将来の展望とキャリアプランに関する質問
「将来の夢や、目指している大人像はありますか?」「土中卒業後の進路(進学・就職)について、どのように考えていますか?」
「なぜ、そうなりたい(そうしたい)と思ったのですか?その動機を教えてください」
「その目標を実現するために、残りの中学校生活で具体的にどのようなことに取り組みたいですか?」
「【貢献する】という意味は何だと思いますか?」 「あなたが将来働く上で大切にしたい【価値】は何ですか?」
〇面接では質問に対して、キャリアパスポートに書いた内容と一貫性を持たせながら、自分の言葉で具体的に話すことが重要です。
〇最後にアドバイスをしています。生徒たちは毎年、緊張した真剣な表情で取り組んでいますので、こちらも襟を正して行っています。
須藤昌英
11月25日(火)授業研修会と柏南高校創立50周年式典
〇金曜日は6教科の7つの授業で、外部から講師を招き、教員の授業力向上のための研修を行いました。
〇「教員の憲法」と言われる教育基本法には、「学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」と明記されています。
〇どの授業も教えることはしっかりと教えた上で、「生徒の深い学びを目指すにはどうしたらよいか」について、授業後のリフレクション(省察・振り返り)で、活発な意見交換がありました
〇教員の仕事の一丁目一番地は、分かりやすくしかも社会とのつながりを生徒たちに感じさせる授業を行うことです。今週からの授業にいかされると確信しています。
〇22日(土)は、柏市民文化会館で本校の学区にある千葉県立柏南高等学校の創立50周年記念式典があり、来賓として出席してきました。柏南高にはこの50年間で1万9千人近くの卒業生がいて、現在も千人を超える生徒が在籍しており、県内でも一番の大規模校です。
〇式典ではまずその歴史が紹介されました。昭和50年に第1学年生徒が260名(6クラス)入学しましたが、まだ校舎も体育館も建設中で、入学式は土小の体育館を借りて行いました。また約1年間は、今の増尾西小の土地にプレハブ校舎を建てて授業をしていたそうです。地域との結びつきが強いのはこのためだとわかりました。
〇そして校舎完成後、一人一人が机と椅子をもって、今の増尾西小から柏南高までの約2㎞の道のりを一列に並んで運んだことを聞き、創立当初の大変さが思い浮かばれました。
〇式の全体の司会は、日本テレビアナウンサーの山本紘之さん(第30期卒業生)が務めていました。朝の番組のZIPを担当しているので、私も見たことがありました。高校時代はサッカーをしていたそうです。アナウンサーの話し方はさすがにプロでした。
〇また記念講演は、第9期卒業生の声優・俳優の三石琴乃さんが、自分の経歴を話しながら、あきらめずに挑戦することの大切さを生徒たちに語りかけていました。三石さんは有名な「セーラームーン」などの有名なアニメの声を担当してきましたが、私が一番馴染み深かったのは、ドラえもんののびた君の母親(玉子)さんの声でした。
〇生徒の代表者たちと山本さん、三石さんが協働して、エバンゲリオンという映画のセリフを実演した場面も楽しかったです。あえて映画中の専門用語ばかりの場面を想定し、みんなで入れ替わり立ち替わり吹き込みをしていました。高校生も放送部の生徒でしょうか?活舌も良くとても上手でした。
〇来年秋に予定している本校の80周年記念イベントの参考になりました。
須藤昌英
11月21日(金)1学年校外学習決議集会
〇来月の5日に上野恩賜公園で行う校外学習に向けて、1学年は昨日の6校時にオンラインで集会を行いました。実行委員が司会となり、各部から当日の約束や留意事項について説明し、質問に回答するかたちで会は進行しました。
〇事前に夏季休業中の課題として、リストから1~3つを選び、本やネットで調べてコラボノートを使ってまとめる作業を行っています。
【リスト】・上野恩賜公園 ・国立科学博物館 ・国立西洋美術館 ・東京都美術館 ・東京国立博物館 ・恩賜上野動物園 ・上野東照宮 ・国際子ども図書館 ・台東区立したまちミュージアム
〇学校の教科学習以外の「特別活動」の目的は3つあります。
(1)多様な他者と協働する様々な集団活動の意義や活動を行う上で必要となることについて理解し動の仕方を身に付けるようにする。
(2)集団や自己の生活、人間関係の課題を見いだし、解決するために話し合い、合意形成を図ったり、意思決定したりすることができるようにする。
(3)自主的、実践的な集団活動を通して身に付けたことを生かして,集団や社会における生活及び人間関係をよりよく形成するとともに、人間としての生き方についての考えを深め、自己実現を図ろうとする態度を養う。
〇また特に今回の校外学習は、学年の生徒で協力し、普段のよりよい学校生活を築くための体験的な活動を通して、集団への所属感や連帯感を深め、公共の精神を養うことを目指して行います。
〇さらに詳しく説明すると、次の4つ面が重点項目です。
①<計画・立案・事後指導>
・行事の計画の仕方を知る。
・一つの行事を成功させたという達成感を味わわせ,次への意欲付けとする。
②<グループ活動>
・小グループでの活動を通して,生徒同士の親交を深める。
・集合や解散,目的別の活動から社会性や協力性を高める。
③<生活面>
・集団で過ごすための基本的なルールを守ることへの意識を高め,学校生活に生かす。
④<学習面>
・グループごとにテーマを決めることで,目的意識を持って主体的にグループ活動に取り組めるようにする。
・体験学習の事前・事後指導を通して,調べ学習の手順や方法を知る。
〇各部会の仕事分担は、次のように分担しています。もちろん全員がどこかの部会に所属し、割り振られた仕事をします。
●実行委員⇒全体の企画・しおり作り・各部会の活動状況の把握と指導・各種集会・(報告集会の準備)
●班長生活部会⇒班の統率・班別行動中のリーダーシップ・ガイドブックの管理・地図・点呼・きまり・マナー・持ち物
●コース部会⇒コースの計画・時間管理など
●学習広報部会⇒班別テーマ・体験学習場所の調査・事後発表会・新聞作成のリーダーシップ・カメラの管理
●保健部会⇒各ポイントで行う健康観察
●食事美化部会⇒昼食時のマナー指導
〇校外学習当日は、班ごとに公共交通機関の電車(東武線、JR常磐線)を利用し、上野恩賜公園で開校式と写真撮影を行った後、周辺の博物館や美術館、動物園等を見学します。
〇持ち物や服装、行動の決まり等については、昨日の決議集会を受けて、最終案を作成中です。後日配付するしおり等をよく見て、上記の目的を達成できるようにしましょう。
〇3学年は5月に修学旅行、2学年は9月に林間学校をすでに実施していますので、1学年が最後となります。そして今回の経験をいかし、来年と再来年の宿泊を伴う学習へ繋いでいきます。
須藤昌英
実行委員
1組 森下裕仁さん 中村瑠菜さん
2組 安野碧海さん 平川涼雪さん
部会長
班長生活 1組高橋希菜さん 1組笠原夢乃さん
コース 1組染谷宣喜さん 2組堀川瑚夏さん
保健 1組金定明希さん 2組血琉衣さん
食事美化 1組森下裕仁さん 2組平川涼雪さん
学習 1組五十嵐みはるさん 2組谷澤孝太郎さん
11月20日(木)集団読書「マージナルマン―反抗期を迎えたすべての人に」
〇1・2学年は、全員で同じ本を読む「集団読書」を行いました。集団読書は、読んだ本の感想や意見をお互いに話し合う活動で、一人で読むだけでは気づけなかったその本の新たな魅力を見つけたり、より深い読書体験を得たりすることが期待できます。
〇今回読んだ本は、北原りゅうじ氏作の「マージナルマン―反抗期を迎えたすべての人に(少年写真新聞社)」です。子どもから大人へと成長していく青年期、これを「マージナルマンの時期」と呼ぶことは、私も初めて知りました。
〇調べてみると「マージナルマン」とは本来、二つ以上の文化や集団に属しながら、どちらにも完全に同化できず、境界に位置している人を指します。「境界人や周辺人」とも訳され、文化の交錯や異文化への移行、あるいは青年期のように大人と子どもの間にいる不安定な状態の人を指す社会学や心理学の概念です。
〇中学生はまさに反抗期に入っており、子どもの世界から抜け出そうと必死にもがき苦しむ時期でもあります。私も読みましたが、親しみやすいマンガもあり、文章というよりも詩に近い感覚で読みやすく生徒たちにも好評です。
〇「自律」と「自己表現」をテーマにしたこの本は、まだ視野が狭く、自分本位になりがちで不安定な中学生の心に響くと思います。北原氏は「あとがき」で次のようなメッセージを投げかけています。
【「マージナルマン―反抗期を迎えたすべての人に」のあとがき】
自分が反抗期にいた頃 社会や大人がつまらなく見えた
しかしよく見てみると 輝いている大人もいた
自分もそうなりたいと思った その時から人生は変わりはじめた
つまらない大人になるのは たやすいことだ
流されればいいだけだから
自分の感情にただ流されて 言いたいことだけを言い
やりたいことだけをやればいい またなんにも考えず
周囲にただ合わせていくだけでも結果は同じ
いずれにしても幸せとは程遠い 暗い淵へとはまりこむ
若い人よ つまらない大人になることなく
輝く大人になろう 自分の可能性を信じて
心に夢を抱き 強い意志を櫂(かい)として
人生という大きな河を 自らの力で進んでいこう
〇本書は自分自身を見つめ、大人に成長していくための数々のヒントを生徒たちに与えてくれます。だれでも経験する反抗期への共感と、無限の可能性をもつ生徒たちへの励ましのメッセージは、保護者の方にも一読をおすすめします。
須藤昌英
【1学年の感想より】
・この本はイラスト付きで、とてもわかりやすかったし、「少し自分もこの場面とかにあてはまっているな」などと共感できた。
・この本を読んで、今自分は中学生で小学生ではないから、大人に近づこうとする。自己実現を目指して、前向きにしっかりと自分を信じて、生活態度をあらためようと思った。
・本を読んで、「私もこういうときあるなあ」と思いました。つまらない大人になるよりも、「自分を信じて生きていった方が楽しいんだろうな」と思いました。
・「欲求・感情」「理性」「理想」の3つのバランスが大切。「理想」だけが先走りすると、できなくてイライラしてしまう。「欲求・感情」は悪い所もあるけれど、良い所もある。だから「理性」が調整役をすることが大切。
・親のありがたさを知りました。まだ自分だけでは考えられないことも多いし、大人にコントロールされるばかりでなく、自由をあたえてくれる大人たちに感謝することが大切だと思いました。まだまだ大人ではないけど、自分で出来ることはやる!など、どんどん増やしていきたいなと思いました。
・「欲求・感情」があばれているときは、理性がとめるが、理性は年齢が上がるにつれて強くなっていく。ストレスが「欲求・感情」に入ると、悪にかわってしまい、親、先生、友だちに反抗をしてしまう。ストレスを減らすには、友だちと楽しい時間を過ごしたり、何かに熱中したりするということを学ぶことができた。
・私は自分の気ままを抑えることも、自分で規範をたて従うこともできない、やりたくないので、まだまだ自律には程遠いと思いました。「希望が通らないのは何故でしょう?それはまだ親の信頼を勝ち得ていないからかもしれません」が心に残りました。
・人生の中に、マージナルマンというのがあることを初めて知った。これからはやりたいこととかやりたくないことも、自分勝手にならないで考えることをふやしていこうと思う。自己実現しようとして、理性・理想・欲情のどれか1つだけが進んでしまうとダメだと思ってできなくなるから、少しずつでもあせらずに進んでいこうと思えた。
・信頼されるようになるためには努力が必要で、責任を果たしてはじめて信頼を勝ち取ることができる。責任を一つ一つ果たすことによって、自由の範囲も広がるのだとわかった。今、大人の世界で活躍している人たちは、マージナルマン時代に、必ず誰かの笑顔に出会っていて、誰かにはげまされているんだとわかった。
・自分らしさを発揮することで、笑顔や「ありがとう」であふれた日々が送れることがわかった。私は人に流されずに、しっかりと自分を信じて生活していこうと思います。
・今、この年齢ぐらいで反抗期があったりするけれど、それはマージナルマンになるためであって、マージナルマンになるには、イライラをへらすために、小さな理性を強くすることが大切だと思った。
・今まではゲームがしたいなどと言って、勉強があまりできていなかった。これからは自分の欲求や感情のままのことをするのではなく、勉強もして理想の自分になりたい。
・自分の好きな事ばかり優先してしまって、やらなければならないことをやらない時があったから、自分のやる気を自分でつくって、好きなことをしていきたいと思いました。
・親に反対されたとき、私なら心の中でいらついて終わっていたかもしれませんが、この本を読んでこれからは納得してもらう理由をそのときに出せるように日々努力したいです。
・「はやく大人になりたい」と思うこともあるけど、今はマージナルマンだからもう少し子どもでいようと思った。怒る時は獣が大きくなっていて、もう少し大人になったら青い鳥を見つけられるのだと思う。楽しみ。
・子どもから大人に向かって、私は今歩いているけれど、いつか将来の夢に受かって、とべるように成長していきたいと思いました。そのため自分の理性と向き合っていっきたいと思います。
【2学年の感想より】
・自分の感情をそのまま優先して過ごすのではなく、しっかりと物事を考えて、冷静に判断していきたいと思った。自分も青い鳥をつかまえて幸せになりたい。
・反抗期は理想が高すぎるときに起こるものだと思っていたが、欲求などが大きなり、理性が他より小さくなることによって起こることを知ることができた。
・反抗期は行動と言っていることが一致しないことを読んだので、自分を見直そうと思いました。これからは自分を客観的にみて、この行動は正しいのか?などと考えて生活したいです。
・周りの人の話に耳を傾け、本を読んだりたくさん感動したりしたら、論理的思考や客観的思考、状況判断力、他人への思いやりの心も育っていくのだと知った。
・この本に書かれていることを実行するのは難しいと思うけど、最後に書かれていた通り、流されず前向きに自分を信じようと思いました。
・大人の道はまだまだだけど、目の前の目標に向かって、寄り道せず、やる気も元気も出していきたいと感じました。
・親が叱ってくれるのは、今後の為ためだということがあらためてわかった。たくさん挑戦して、自分の理想と欲求を合わせることが大切だと思った。
・劣等感を感じることは、理想が強いからだとわかりました。理想が先走っていかないように、自分をちゃんとコントロールできるようにしたいです。
・この本を読んで、すぐに怒らないで、「なぜ反対されたの?」「どうして?」と考えることで、イライラを少なくできることを知った。良い本だと思った。
・「大人は絶対的存在」だと小さい時は思っていた。独自の理想や独立心を持ち始めることは大人になるための第一歩になる。
11月19日(水)風邪は治るが治せない
〇今朝は自宅近くの畑の表面にうっすらと霜がおりていました。手賀沼の近くに住んでいることもありますが、これから先は、もっと真っ白な霜柱がたつ朝がくることでしょう。
〇インフルエンザが流行中で、近隣の小学校でも複数の学年で学級閉鎖の処置をとっているようです。本校は来週に定期テストが予定されていますので、何とか広がらないように願っています。
〇個人の予防としては、ワクチン接種があります。私も住んでいる町内にある内科医院で、接種の予約をしました。その医院は今月から夕方の時間帯は、通常の診察はせずにワクチン接種専用としています。
〇その院長さんは、医院のホームページに「院長ブログ」を投稿しており、私も時々読んでいます。幅広いテーマでとても長文ですが、読んでいると書いてある内容がご本人の佇まいと重なってくるので、面白いです。
〇その中で先日の「風邪は治るが治せない」という記事が印象に残りました。風邪に対する私たちの間違った知識や行動について、専門家の見解がとても参考になるので、一部を抜粋して紹介させてもらいます。
⇒私は以前から「インフルエンザ流行時の対応」について注意喚起を繰り返してきました。それは、社会の「常識」には医学的な間違いが少なくなかったからです。発熱に対する認識もそう。あるいは、風邪薬や検査の必要性についてもそうです。「社会でごく当たり前になっていることには、あるいは医者がなにげなく行なっている診療にも、実は医学的に間違っていることは多いのですよ」と指摘したのです。
⇒それはこのブログを通じて繰り返し情報を提供してきましたし、患者さんに対しては診療をしている時に直接説明したりしました。また、私が校医をしている学校の養護教諭にも指導してきたことです。しかし、そうした努力はなかなか浸透せず、多くの人々の行動変容をもたらすほどの影響力はありませんでした。
⇒その後、新型コロナウィルスの感染拡大が社会問題化し、加熱するマスコミの報道でも誤った対応が喧伝されるようになりました。「検査はできるだけ早く、しかも何度でも繰り返す」「新型コロナに感染したと思ったらすぐに病院を受診する」などがその代表的な事例です。多くの国民がそうした情報にしたがい、必要のない検査をして国費を無駄にし、発熱外来に殺到して感染を広めたのです。
⇒当院では、風邪症状のある方には、あらかじめお電話をかけていただいてから来院してもらっています。それは感染症の患者の来院時間を指定し、待合室にいる一般患者とできるだけ分離するためです。しかし、そうしたことを知らなかった風邪患者が、事前のお電話がないまま直接来院することもあります。そんなときは院内が混雑し、一般患者と感染症の患者の分離に苦慮することもしばしばです。
⇒お電話でのお問い合わせの際に怒り出す人もいます。「なんで今すぐ診てくれないのか」というものです。感染症の患者さんにはできるだけ空いている時間帯を指定して来院していただいています。特に「今すぐ診る必要性が高くない患者」、例えば症状が出たばかりの方や風邪薬を服用してきた方たちには、「しばらく経過を見て、あらためて電話してほしい」と説明する場合があるのです。
⇒風邪は薬で治すことができません。自分の免疫力で治っていくものなのです。風邪薬は「風邪を治す薬」ではありません。むしろ風邪症状をわからなくする薬であり、ときに診療の妨げになる薬です。医師が風邪症状の患者に処方する薬は、その症状を緩和するためのもの。どのような薬を処方するかを判断するためにも風邪薬は服用しないでほしいのです。
⇒本来、「風邪」であるなら薬を服用する必要はありません。肺炎を合併しない限り、自然経過で数日のうちに必ず治るからです。なかなか治らない症状は単なる風邪ではありません。「早期発見、早期治療」と思ってか、「早く治したいので、早く薬を飲みたい」という人がいます。でも「早く薬を服用しても、風邪は早く治すことはできない」のです。「風邪に風邪薬」は「早めにパブロン」というキャッチコピーの誤った受け売りにすぎません。
⇒風邪薬を飲みながら会社や学校に行くと、周囲の人に感染を広めてしまうことにもなります。「風邪薬は飲まないでください」とお話しすると、「風邪薬を飲まなければ熱が下がらず、会社に行けないじゃないか」と言う人がいます。しかし、「熱がでたら会社や学校に行ってはいけない」のです。一般的に発熱しているとき感染力が強いことが知られています。「発熱時は自宅で療養」が原則です。
⇒熱があっても、よほど辛くなければ解熱剤を使用せずに経過観察。そして、熱がいつまでもさがらないのであれば(目安は「高熱が3日目に突入したら」「微熱であっても5日目に突入するなら」)医療機関に電話をして相談すべきです。発熱は「早く治すため」にも、また、「重症化を発見するため」にもとても大切な情報です。怖いあまりに解熱剤を多用していいことはありません。
〇いかかでしょうか?「風邪は自分の免疫力で治っていくものなのです」など、これまで勘違いしていたことも多かったのではないでしょうか?昔から「風邪は万病のもと」といいますが、インフルエンザなどの感染症も含めて、予防に努めた上で、もし発熱等があったら、適切に対応するしかありません。
〇結論から言えば、大切な自分の免疫力を高めるには、日頃からバランスよく食べ、面倒くさがらずに運動し、夜はしっかり休養(睡眠)をすることです。規則正しい生活は、風邪薬よりも効果があるということでしょう。
〇医師が「風邪は治るが治せない」と主張すると同じく、教育のプロとして「教員は教えることはできるが学ばせることはできない」と最近思うようになりました。「学ぶ」のは生徒が自主的になった時だけであり、我々教員はしっかりと教えつつ生徒が学ぶきっかけをつくって「待つ」しかないのです。
須藤昌英
【いつもお世話になっている内科医院】
11月18日(火)目のつけ所と目ざとさ
〇定期テストまで10日となり、各教室では生徒たちが真剣に授業へ参加している姿が見られます。授業をする教員としては、「この時間でどのようにすれば、生徒たちが教科の内容を理解したり身に付けたりしてくれるのか・・」を常に考えて前準備をしています。
〇また近年は、深い学びの実現に向けた授業改善を行うことが求められており、各教科等において身に付けた知識及び技能を活用したり、思考力、判断力、表現力等や学びに向かう力、人間性等を発揮させたりして、学習の対象となる物事を捉え思考することにより、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(「見方・考え方」)を鍛えていくことに重点が置かれています。
〇「見方・考え方」を別に言えば、「目のつけ所」となります。「目の付け所」とは、物事を見たり評価したりする際に注目すべきポイント、つまり「着眼点」のことを指します。特に「目のつけ所がいい」「目のつけ所が違う」といった言い回しで、他の人とは違う視点や優れた着眼点を持っていることを褒める際に使われます。
〇私も過去に数学の授業をしていて、「この生徒は目のつけ所がいいな!」と感心することがよくありました。他の生徒が当たり前と思って気にかけないことでも、新たな視点で考え、「でもこれは~とも考えられるじゃないか~」と広い視点をもち、それを聞いて思わず周囲の生徒たちも「なるほど!」とうなってしまうこともありました。
〇また「目のつけ所が違う」は、もっと高いレベルで着眼点が優れていて、他の人とは異なる視点を持っているという意味で使われます。こちらはたとえ当人が周囲に説明しても、なかなかすぐには理解してもらえずに、場合によっては埋もれてしまうことさえあります。
〇世の中で革新的な技術やサービスを開発し、新しい市場を創造するいわゆる「ベンチャー企業」などは、他の人が気づかない点に気づき、物事の本質を突く鋭い洞察力をもつ設立者が何年も抱いていたアイデアが実現したのでしょう。日本の例では、誰もがスマホで簡単に自分の不要な物を売買できるアプリ「メルカリ」が登場し、その手軽さが特徴で急成長しています。
〇「目のつけ所がいい」と同じような言葉で「センスがいい」もあります。これも物事の微妙な違いに気づき、良し悪しを判断する能力や、洗練された感性を持っていることを言います。例えば私も数学の授業で、ある問題に関して幾通りかの解法があった場合に、「どれでも解答にはたどり着きますが、最も数学的センスがある解法は〇〇です。ぜひ他の方法との違いを味わってみてください」などと話していました。
〇教科における「見方・考え方」は、新しい知識・技能を既に持っている知識・技能と結び付けながら、社会の中で生きて働くものとして習得したり、社会や世界にどのように関わるかの視座を形成したりするために重要なものです。
〇とにかく長期的にみると、学校や家庭での学習や経験を通じて培われたその人独自の視点や思考のパターンが、その人の内面に深く根ざし、その後も影響を与え続けます。要するに中学校を卒業しても、いずれは教科等の知識は剥がれ落ちていきますが、身に付けた「見方・考え方」は一生涯残ります。
〇「目ざとさ」という言葉を時々使うことがあります。意味は、「他の人が気づかないうちに物を目にとめるのがはやい」で、「あの人はいつもめざとく見つけるね」のように、ほめているのか?けなしているのか?わからずに使っていることが多いです。
〇調べてみると「目ざとい」は、使われる文脈によって、ほめ言葉にもけなす言葉にもなり得るようです。基本的には、対象物を見つける速さや機敏さを表す言葉ですが、その使われ方によって意味合いが大きく異なるので、私も昔から気を付けて使ってきました。
〇年少組の孫の女の子は、我が家に遊びにくるたびに、例えば「クマのぬいぐるみの場所が違う!」など、前回来た時の違いをすぐに指摘します。そんな時は心の中で「この子はめざといな」などとつぶやきます。孫からすると気がついたことを単に言っているだけなのですが、言われたこちらは場合によっては「ハッ」とすることがあります。
〇でも「目のつけ所がいい」まではいきませんが、「目ざとい」こともよく観察しているという意味で、最近は「良いことではないか?」と思うようになりました。
〇毎日の授業でも中学生には、目ざとく先生やクラスメイトの話を聞き、その時に気づいたことを「みんなは~と考えているらしいけど、私は~と思うのだけど、どうですか?」と投げかけてもらいたいです。それによってみんなの「見方・考え方」が広がり深まっていきます。
須藤昌英
11月17日(月)「人生、遅すぎることはない」
〇9月から始めた3年生との校長面接が一通り終わりました。一人ひとりの話を聞いて、先日のゲームの話とも共通していますが、自分が主役となり、「主体性」をもってやりたいことに挑戦していくために、志望した上級学校で学ぶということはとても大切であり、今後も応援していきたいと感じています。
〇ただ時々「自分自身に自信をなくしているのでは・・」と感じる生徒がいます。面接時間は一人15分間ですので、その原因を詳しく聞いたり、アドバイスをしたりすることはなかなか難しいのですが、そんなときいつも私の頭の中をよぎるのが「人生、遅すぎることはない」という言葉です。
○この言葉は、野球漫画で有名な水島新司氏(1939年~2022年)作の「あぶさん:84巻第3話」の題名です。この「あぶさん」もプロ野球を題材にした超大作の漫画で、41年間で全107巻、今から13年前の平成24年に長い連載の幕を下ろしました。
〇主人公の景浦安武(あぶさん)は、実在のプロ野球選手をモデルにしたキャラクターとして描かれ、チームのリーダーや中心選手ではなく、どちらかというとアウトサイダー(門外漢・厄介者)で、しょっちゅう酒ばかり飲んでいます。しかしいざという時に、チームに良い影響を与えるので、チーム内では特に若い選手から密かに慕われている存在でした。
〇私も全て読破したわけではなく、昔からたまに見かけると読んだくらいですが、野球だけでなく、身近な人達との人情的なやりとりがクローズアップされた作品が多く、読むと深くその物語に入り込んでしまうことがありました。
〇そして最終回では主人公が62歳でプロ野球を引退し、作者の水島新司氏が作中に自分自身を登場させたので話題になりました。62歳まで現役選手をするというのはいかにも漫画の世界の話ですが、今年私も同じ62歳になったので、余計に親近感があります。
〇今でも「人生、遅すぎることはない」というフレーズは、私の心に強く残っており、折に触れて自分自身に「何をするにも人生遅すぎることはないよ。今の自分に納得がいかず、何かを新しくはじめようとしたときがチャンスであり、そんな時こそ今まで自分の中に潜んでいた力が引き出されるのだよ」と言い聞かせてきました。
○私が「人生、遅すぎることはない」という言葉に出会ったのは、ひょっとしたことからでした。まだ私が30歳代で、今となってはあまり詳細を覚えていませんが、仕事で何かの壁にぶつかって悩んでいた時がありました。あれこれ試行錯誤をしてみるものの、状況が好転せず手詰まりの状態だったと思います。
〇そんな休日、家族と近隣の入浴施設に行きました。入浴後ロビーのソファー横の本棚にあったコミック雑誌を何となくパラパラとめくっていました。するとその中に、主人公が成績不振にあえぎながらもある人の言葉からまた立ち上がろうとする物語(あぶさん)が目にとまり、思わずその場で何度か読み返したことは今でもはっきりと覚えています。
〇新聞や雑誌を読んでいる時、同じ記事や文章を何度も読み返すことは滅多にありません。一度読んで何となく内容が頭に入ったら、次の瞬間は違うことを考えているのが常です。ただその時は、読んだ瞬間に何かパッと目の前が明るくなりました。
〇そして帰路では「やってもみないことをくよくよ悩んでも仕方ない、とりあえずやってみて、もしうまくいかなかったら、またそこで考えよう」と思うことができ、さっぱりとした気持ちで自宅に着きました。言葉の力はすごい!と思えた経験でした。
〇私はそれまでは「漫画やアニメは、自分の性に合わない・・・」と遠ざけていましたが、そのことをきっかけに、「メッセージ性やストーリーが優れている漫画やアニメもけっこうあるんだな」と再発見し、注目するように変わりました。
○「人生、遅すぎることはない」とは、中学生にも伝えたい言葉の一つです。自信をなくしている時の心情の奥には、「やってみたいけど、どうやったらいいかがわからない」があります。つまり見通しがないので、「とりあえずやってみよう」とは思えないのでしょう。
〇そういう生徒たちには、次のような言葉がけをしてあげたいと思っています。
⇒今まで何度かやろうとしたけれど出来なかったこと、今の自分では到底出来そうもないとあきらめてきたことなどは、誰にでも1つや2つはあります。しかしそれらは多くの場合、『本気』で取り組もうとする前に、尻込みしてしまったことがほとんどではありませんか?「あの人だからあんなことが出来るんだ」とか「自分には到底そんな能力はない」と思い込んでいませんか?生きているかぎり、何でも「手遅れ」ということはありません。周りからは簡単そうにやっているようにみえることでも、その人は他人が見ていないところで必ず努力しています。その表面だけの姿で判断せず、まずは自分の出来ることから始めてみること。そしてそれを工夫しながら続けてみること。そのきっかけが一番重要であり、まさに今、新たなチャレンジをする勇気をもってほしい。
〇「人生、遅すぎることはない」、これは裏を返せば「思い立ったが吉日(きちじつ)」、つまり「何かを始めようと決心したら、吉日を選ぶのを待たず、すぐに実行に移すのが良い」ということわざと同じです。またこれは本校のテーマである「学び成長し続ける土中」ともリンクしています。
須藤昌英
11月14日(金)「中・高校生のなりたい職業」
〇ある教育関係会社が所管する教育総合研究所が毎年、東京大学社会科学研究所と共同で「こどもの生活と学びに関する親子調査」を実施しています。先日その中で、子どもの「なりたい職業」に関するランキングが発表されました。
〇中学生では、男子に人気の職業が「プロスポーツ選手」「教員」「医師」で、女子は「教員」「看護師」「保育士・幼稚園教員」が上位を占めています。
〇また高校生のランキングでは、男女ともに10年連続で教員が1位だったことに驚きました。中学生でも上位なのはとてもうれしい気持ちですが、一般的に中学生よりも将来の夢が具体的になっている高校生の多くが、教員を選んでいることに期待しています。
〇同調査の2015年と2024年のデータを比較すると、子どもたちの職業観に変化が見られるそうです。例えば、小学生では「YouTuber・VTuber」がランク外から4位に急上昇し、高校生では「SE・プログラマー」が13位から6位に上昇しました。一昔前には存在しなかった職業です。
〇同教育総合研究所の主席研究員は、教員が人気の理由として、「子どもにとって最も身近な職業であることのほか、学年が上がるにつれて、夢を追う職業から資格を要する現実的な職業への志向が強まる点が大きい」と指摘しています。
〇本校でも卒業生を中心に、大学での教職課程を履修する単位として必要な「教育実習」を受け入れています。3~4週間程度、学校現場の様子を直接体験することができるので、教員を目指している学生にとっては貴重な機会です。
〇私も40年前に小学校と中学校で別々に教育実習を経験しました。ただ母校ではなく、中学校は大学の付属中学校で、小学校は大学があった千葉市立の小学校でした。もともとの志望は中学校でしたので、小学校はあえて希望したのですが、若い時に小学校でも実習できたことが、中学校教員になってからもとても有意義でした。
〇教員の職務は、人間の心身の発達にかかわっており、その活動は、子どもたちの人格形成に大きな影響を与えるものです。「教育は人なり」といわれるように、学校教育の未来は教員の資質能力に負うところが極めて大きいです。
〇このような重要な職責を遂行するため、大多数の教員は、教員としての使命感や誇り、教育的愛情等を持って教育活動に当たり、研究と修養に努めています。子どもに教えるには、知識や技術の意義や背景などを学び続け、まず教員自身が「情熱」「専門的力量」「人間力」を持つことが重要です。
〇その上で、単なる知識伝達に留まらず、学習指導力、児童・生徒指導力、教材解釈力などを駆使し、子どもの「主体性」「創造性」「感性」を育む教育を日頃から実践していく必要があります。
〇つまり教える知識や技術が「なぜ」「どのような目的で」必要とされているのか、その背景や意義を分かりやすく伝え、子どもが自ら課題を発見し解決する力を養うことが不可欠です。
〇現在の教員の年齢構成を見ると、50歳代の層と20歳代の層が多く、すこし歪な構成になっています。今後順次、50/60歳の世代が退職期を迎えることから、量及び質の両面から、優れた教員を養成・確保することが極めて重要な課題となっています。
〇今年の3年生にも面接の際に、「将来の夢は何ですか?」と尋ねたところ、教育関係(教員、保育士、心理士など)を志望している生徒が相当数いました。思わず私から「応援しているから頑張って!」と励ましました。
〇前述の会社と大学が連携したプロジェクトでは、子どもがなりたい職業を早期に決めることよりも、自分で自分の多様な可能性に目を向けることの大切さを強調しています。我々大人に求められるのは、子どもの選択肢を広げ、相談に対してともに悩んで、応援する姿勢であるということです。
〇私の経験から教員になりたいと思った人の多くは、「教えることや子どもが好き」という理由が最も多く、次いで「尊敬する教員に出会ったこと」や「部活動の指導をしたいこと」などが挙げられます。
〇特に「子どもが好き」の詳細は、「子どもの成長をサポートしたい」「子どもたちの成長に携わりたい」というもので、子どもに寄り添うことで、その成長を見守りたいという気持ちがあります。
〇また「教えることが楽しい」「教えることが好きだから」ことについては、教えた子どもが「わかった」「できた」と変化していく姿に喜びを感じるという思いがあります。
〇ただ今の教員は昔の教員とは少し役割が変化しています。一昔前は、教員は「教える・見せることが主な仕事で、それはティーチャー・パフォーマーとして、生徒と互いに向き合う関係」でした。それが今は、「支える・促すことに重きをおき、それはサポーター・ファシリテーターとして、生徒と同じ方向を見る関係」となっています。
〇極端にいえば、授業の主役が昔は教員だったのが、今は生徒となり、彼らが学びやすい授業を模索することで、一人ひとりが想像・創造する力を育んでいきます。
〇柏市の小中学校では今、1.500人が教員として働いています。今の中学生が教員となる7~9年後は、私は教員を辞していますが、「なりたい職業」の1番となっている今のうちに、マスコミ等で働く時間の長さを「ブラック」と揶揄されている職場環境を少しでも良い方向にしたいと思っています。
須藤昌英
11月13日(木)「推し活」は心の原動力!?
〇ここ数年でよく耳にするようになった「推(お)し活」とは、アイドルやキャラクターなどの「推し」、いわゆるご贔屓(ひいき)を愛でたり応援したりする活動のことです。
〇AIに「趣味と推し活の違いは?」と質問すると、次のような回答が返ってきました。
⇒「趣味」が自分のためだけに行う活動を指すのに対し、「推し活」は特定の人物やキャラクターを応援する活動を指し、ファン同士の共有や、対象への経済的な貢献(グッズ購入など)も含まれます。趣味は個人的な楽しみが中心ですが、推し活は「推し」の活躍を喜ぶ気持ちを、共有したり、金銭的な活動を伴ったりすることで表現することが多いのが特徴です。
〇「なるほど、大きな違いは個人的な趣向を越えて、人とのつながりがあることか」と一読して納得しました。確かに自分が好きなことについて、他の人と交流したり一緒に活動したりすると楽しいです。
〇私が幼い頃も、仮面ライダーやウルトラマンなどのテレビ番組を観た次の日に、学校でその話題を話したりしていました。ただ子どもでしたので、それぞれのキャラクターに関するグッズなどを親に買ってもらえることは滅多になく、たまに買ってもらえた友達に貸してもらう程度で十分に楽しかったのを覚えています。
〇この時期によく「新語・流行語大賞」が発表されて話題になりますが、「推し活」は4年前にノミネートされています。そもそも「推し」という言葉は1980年代頃からアイドルオタクの世界で発祥した俗語のようで、「あなたが推しているモノは何ですか?」などと、好きなモノを聞く文脈で使われています。
〇誰でも好きなグッズを集めたりすることはありますが、少し調べるとその他広い範囲で次のような使われ方があります。
【推しに触れる】
推し活グッズを買う/推し活グッズをコレクションする/コラボカフェに行く/コラボイベントに参加する
【推しに逢う】
ライブや舞台を観に行く/推しのDVDや配信映像を鑑賞する/撮影スポット、ゆかりの地などの聖地巡礼をする/ファンレターを書く/推しにプレゼントを贈る
【推しに染まる】
推しと同じものを持つ/推しのイメージカラー(推し色)の服やコスメを集める
【推しを広める】
SNSで推しの魅力を語る/推しを他人に布教する
【推しを感じる】
一人静かに推しのことを想う/推しが生きて存在していることに今日も感謝する
〇最近の就職情報会社が行った調査では、20~30歳代の若者が、推し活に1ヶ月で使う金額は、1万三~五千円程度で、推す相手は「アイドル」「アニメ・アニメキャラクター」「スポーツ・スポーツ選手」が上位を占めているようです。
〇24歳の娘もご多分にもれず、これまで様々な推しのアーティストのライブ等に行っていました。日帰りだけでなく、福岡や札幌などへもわざわざ飛行機に乗り、前泊か後泊をしていたので、学生時代にアルバイトで得たお金はほとんどそれに使われていたようです。
〇推すという行為は「社会が多様化に向かっていることを象徴している」と指摘する人もいます。若者の間でも日本の従来からの終身雇用に固執することなく、自身のキャリアに積極的な転職を視野に入れておくことも普通になっています。
〇若者だけでなく、日常の消費生活でも、例えば大きな仕事が終わると少し高めのスイーツを買って自分へのご褒美などと言い、大人は日々の活力や安息につなげています。また好きなYouTubeを観た後に「いいね」を押すことも、身近な「推し活」でしょう。
〇つまり「推し活をしている間はツライ日常を忘れることができる」「推し活のためにやりたくないことも頑張れる」というように、推しへの傾倒や消費そのものが自身を励ますことにつながることは理解できます。
〇ただ一部で自身の経済力と見合わない推し活をし、昨今言われる「推し疲れ」のように「推す」ことをやめたいと感じることもあるようで、注意が必要です。
〇私は以前から「推しのもつ前向きで活動的な面を学校の活動にも活用できないか・・」と考えていました。例えば生徒が「この活動(委員会や部活動)は自分のモチベーションがあがる」「この教科をどこまでも深く突き詰めたい」など、それぞれの興味や関心を優先することももっと引き出してあげたいです。
〇そのためにも我々大人が自分のもっている興味や関心のレベルを保ちながら持ち続けつつ、一人ひとりの生徒が持っている興味・関心を伸ばすという視点を失わないようにしたいです。
〇一見すると学校の授業とは関係ないように見えることでも、本人が興味を持ち集中して取り組んでいることをきっかけに、生徒たちは学ぶことの面白さを感じることができます。そこから学びを深めていくことによる成長は目を見張るものがあると、これまでの教員生活で実感しています。
〇題名を「推し活は心の原動力!?」としましたが、友だちとつながることでワクワクする場が学校でありたいと思います。「今日私は、学校で『●●という推し活』があるからはやく行きたい」と思ってくれる生徒が増えることを望んでいます。
須藤昌英
11月12日(水)個体数の管理しか方法はないのか?
〇今日の午前中は、千葉県教育庁東葛飾教育事務所と柏市教育委員会事務局からお客様が来校し、本校の教育活動を視察されます。
〇先週に行った保護者・地域向けの学校公開と同じく、3校時の授業を観ていただいた後、私から学校経営の概要を説明し、それに対し教育事務所長と柏市教育長からご指導をいただきます。
〇自宅に来客を迎える際には、いつもより整理整頓と掃除を入念にするように、ここ数日は校内の環境整備に努めてきました。
〇連日のようにテレビのニュースでは、各地のクマの出没による被害を伝えています。今年度のクマによる犠牲者が過去最多となったことを受け、先日環境大臣は被害防止に向けた談話を発表しました。
〇自治体のクマ出没情報に注意するよう求めたほか、人の生活圏への出没を防ぐため「科学的データに基づいた上で、クマの捕獲を含めた個体数管理を一層強化する」と述べました。
〇その中で「個体数管理」という言葉が気になりました。簡単に言えば近年増えすぎた熊を駆除し、人間生活に影響が出ない程度に生体数を抑え込むということです。
〇環境省のホームページには、全国でヒグマは約1万2千頭、ツキノワグマは約4万2千頭以上と推計されています。予想よりも多いと感じますが、問題は今も急増している状況です。
〇専門家はクマが増えた様々な原因を指摘していますが、堅果類(どんぐり)の凶作等がその一つとしてあるそうです。クマは山にどんぐりなどがないので、市街地のスーパーや学校近くなどにまで出没します。
〇クマは視力が悪く、景色が白黒にしか見えていないので、建物の入り口がガラスであっても暗く見えることがあり、森の中の暗がりだと思いこんで、入り込む性質があるそうです。
〇昔からの対策として、人とクマのすみ分け(ゾーニング管理)があります。クマの生息域と人の生活圏を区分し、空間的・時間的なすみ分けを図る方法です。
〇ゾーニングの詳しい設定:として、「1 クマを保護するゾーン(コア生息地)」、「2 人間活動を優先するゾーン(排除地域・防除地域)」、その間の「3 緩衝地帯」を設定し、それぞれで異なる管理方針を適用します。これまではこの方法でクマも人間も上手に共存してきたのでしょう。
〇こちらは同じ「管理」でも、合理的な気がします。クマが出ている地域の方々の気持ちを考えると、個体数管理はある意味しかたないのかもしれません。多くの人が襲われて亡くなったり怪我をしたりしていますので。
〇ニュースでは、クマを誘引する残飯や果実などの人工的な食物源を除去し、クマが人里に近づかない環境を整備する取り組みや出没したクマに対して、花火やゴム弾などを使って追い払ったり、農地や集落への侵入を防ぐために、電気柵を設置していることを伝えていました。
〇私も低い山ばかりですが、秋から冬にかけて、埼玉・群馬・栃木・茨城県の山にハイキングに行っていました。もし今度登る際には、クマ除けの鈴やラジオなどで音を出して、クマに人の存在を知らせることも必要かな?と思っています。
〇そもそもクマは「鳥獣保護管理法」によって保護されている野生動物です。この法律により、基本的にクマを無許可で捕獲したり殺傷したりすることは禁止されています。
〇またこれまでやたらとクマを駆除しなかった大きな理由は、自然界の生態系に影響を与えるからです。生態系において熊は、植物や動物(シカ、サケ、マスなど)を捕食する消費者としての役割を担っています。
〇食物連鎖の例として、草→ウサギ→キツネ→オオカミの順に、食べたり食べられたりの関係があります。後半の高次消費者と呼ばれる生態系の頂点がクマやオオカミですが、日本ではオオカミは絶滅したことになっています。つまり現在の日本では、クマの独り勝ち状態とも言えます。
〇個体数管理(駆除)は最終手段であり、理想は駆除が必要ない社会を作ることです。そのためには、個人の意識改革から地域の取り組み、社会全体での環境整備まで、多層的なアプローチが求められています。
〇クマとの共生は確かに難しい課題ですが、そんな時こそ、昨日の「童心を大切にする」ことに関して言えば、中学生などの若い世代のアイデアに期待した方が良い気がします。きっと大人には考えもつかない発想が出てくることでしょう。
〇幸いに本州でクマがいない県は、千葉県だけ?とされています。意外ですがその理由として、房総半島の地形が他のクマの生息地から孤立しており、大きな川(利根川、江戸川)や開発された都市部がクマの移動を妨げているためと考えられています。
〇本校の生徒たちにも「千葉県にはクマがいないから安心!」だけでなく、もし身近にクマが出没したらどうするか?クマも安心して生きていくためにはどうしたらよいか?など、想像力を働かせながらニュースを見てほしいです。
須藤昌英
11月11日(火)童心(遊び心)と探究心
〇毎年11月11日は1が4つも並ぶので、「今日は何の日?」で調べると、いろいろな「●●の日」があります。いくつか紹介すると、
①介護の日➡「いい(11)日、いい(11)日、毎日、あったか介護ありがとう」をキャッチフレーズに、厚生労働省が定めた
②鮭(さけ)の日➡「鮭」という漢字の部首「圭」を分解すると「十一十一」になることから制定
③サッカーの日➡11対11で戦うスポーツであることにちなみ、スポーツ用品メーカーが制定
④鏡の日➡「11」という数字が左右対称であることなどから、鏡を扱う業界団体が制定
⑤チーズの日➡「チーズをもっと身近に感じてもらうために制定された記念日で、毎年「チーズフェスタ」を開催
⑥ポッキー&プリッツの日➡ポッキーとプリッツの形が数字の「1」に似ていることから、菓子製造会社が制定
〇最後の2つは商業的な匂いがしますが、生徒たちにとっては、最後が一番身近に感じるのかもしれません。実際に担任時代は、11月11日になるとクラスの生徒から「先生、今日は何の日だか知っていますか?」と尋ねられたり、「今日の11時11分は絶対に時計を見るんだ!」と不思議?な宣言をされたりしました。子どもの発想は面白いものです。
〇大人になっても、何事にも好奇心を持ち、活き活きとした子どものような心を失わない人がいます。また夢中になってあることに集中して取り組む状態を「童心にかえる」と言います。たとえば「中学校の同窓会で久しぶりに昔のクラスメイトと再会し、童心にかえっていろいろな話ができた」などと使われます。
〇調べると「童心」とは、「純粋さ、無邪気さ、そして楽しむ力を持つ大切な心のこと」とあります。また「童心を大切にすることで、何かと凝り固まった脳と心をほぐし、ストレスを軽減し、人生を豊かにする効果が期待できる」ともありました。
〇確かに自分の好きなことに没頭しているときは、日頃の責任や義務に追われる日常生活から解放され、心がリフレッシュされます。またたまに子どもの頃に熱中したことを思い出し、好奇心やワクワクしたりする気持ちは、人生を面白くする原動力となります。
〇重要なのは義務感ではなく、純粋に楽しむことで、ただ「好き」「楽しい」という気持ちがあるかどうかでしょう。また真面目さは確かに必要ですが、加えて遊び心を大切にすることで、心に余裕ができ、自主性や協調性、共感力を育むことができると思います。
〇子どもや大人にとって探究心とは、「なぜ」「どうして」という疑問をきっかけに、物事の本質を深く理解しようとする意欲のことではないでしょうか。これは新しいことに興味を持つ「好奇心」から始まり、「もっと知りたい」「掘り下げてみたい」という気持ちへとつながります。
〇この探究心は、自ら考える力や問題解決能力、そして将来の自立した学びに向かう姿勢の基盤となります。たとえば「四季はどうしてあるの?」「なぜ髪の毛は伸びるの?」などと身近なことに疑問をもったり、幼い子が、「この中はどうなっているんだろう?」とスイッチを押したり、おもちゃを分解したりする行動は、まさに探究心が起こしていると言えます。。
〇「なぜだろう」という疑問を掘り下げて理解しようとすることで、主体的に学ぶ姿勢が身につきます。また「なぜ」「どうして」を繰り返す過程で、自ら考える力や、発見した問題を解決しようとする力が育ちます。そしてそれが楽しく学び、理解できたという実感を得ることで、知的好奇心が刺激され、将来にわたる学びへの意欲につながります。
〇大人は子どもの疑問に丁寧に答えたり、一緒に調べたりする姿勢をもつことが大切です。また「そんなの知らなくていいよ」「まだあなたにはわからないでしょう」と突き放すような言葉は探究心を失わせてしまうので避けるべきです。
〇さらにすべてを教えるのではなく、子どもと一緒に答えを探すプロセスが重要です。その際、子どもの興味や関心と探究心を結びつける機会を意図的に作ることがポイントです。そして大人も一緒に学んだことを伝えあうなど共有しあうことで、さらにお互いの学びが深まります。
〇今日が「ポッキー&プリッツの日だ」と生徒が言っても、担任としては決してないがしろにせず、「なるほど、では君なら今日を【何の日】にする?」と問い返してみるのも楽しいでしょう。
須藤昌英
11月10日(月)柏市小中学校技術・家庭科作品展
〇8日と9日の両日、さわやかちば県民プラザの回廊ギャラリーで行われた技術・家庭科作品展では、各校からの代表作品が展示されました。本校からは8つ(木材を加工した作品と布を使った実用物)を出品しました。
〇家庭科の布を使った製作は、基本的な裁縫技術(玉結び、玉どめ、なみ縫いなど)を習得し、ミシンを使って袋物などの作品を製作します。計画を立て、材料や用具の扱い方、安全に注意しながら、様々な製品を完成させることを目標とします。
中川 咲さん(1年)
笠原夢乃さん(1年)
長田麻央さん(1年)
染谷宣喜さん(1年)
〇技術科の木材加工は、簡単な木製品の設計と製作を通じて、木材の特徴と加工法を理解し、目的に応じたものづくりを行う能力を養うことを目標としています。実践的な活動を通じて、ものづくりに必要なスキルや考え方を身につけます。
嶋根真菜さん(2年)
酒井愛羽さん(2年)
村上 葵さん(2年)
篠崎琉華さん(2年)
〇どの作品も基本的な構造やつくりは同じですが、その上で各自の個性をいかした作品ばかりでした。先月に「個性は可能性」と題して、映画監督の故大林宣彦氏の言葉を紹介しました。「同じ制服を着ていても、その人が読んだ本、聴いた音楽などによって、その人の目の輝きや語る言葉が変わってくるので、同じ制服を着ていても、『個性』が出てくるんです」の部分は、一生懸命に作成に取り組んだ結果の作品にも同じことが言えると感じます。
〇技術・家庭科については、実践的・体験的な学習活動を通して、家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業等についての基礎的な理解と技能を養うとともに、それらを活用して課題を解決するために工夫し、創造できる能力と実践的な態度の育成を重視する観点が重要です。
〇毎日を楽しく、快適に過ごすことは、学び続けることの前提となります。私も中学校時代に作成した木製で座る部分が布のたたみ椅子を大人になるまで家の中で使用していました。大人になると、DIY(Do It Yourselfの略)が趣味で、自分で何かを作ったり、修理したりする、日曜大工やハンドメイドの手芸などをしない限り、自分が作ったものを日常で使うのは、滅多にあることではありません。
〇生徒たちには自分の作品を長く大切に使ってもらいたいです。
須藤昌英
11月7日(金)合唱フェスティバル当日
〇今日は暦の上では「立冬(りっとう)」で、二十四節気の一つであり、冬の始まりの日です。午後から体育館で合唱フェスティバルを行います。どうぞご来校ください。
文化祭
【オープニング】
①生徒会長より
【合唱フェスティバルの部】
〈開会式〉
①始めの言葉
②歌声委員長の話
③校長先生の話及び講師紹介
④諸注意
〈全校合唱〉「My Own Road」
指揮:山田結心さん 伴奏:米山 涼さん
〈1学年の部〉
1組 「空は今」
学級紹介:宮﨑蒼太さん 指揮:森 陽平さん 伴奏:関 亜音来さん
2組 「あさがお」
学級紹介:村田莉娃さん 指揮:永瀨ほのさん 伴奏:平川涼雪さん
〈2学年の部〉
3組 「虹」
学級紹介:矢萩日菜さん 指揮:上田翔太さん 伴奏:池嶋有柚さん
1組 「YELL」
学級紹介:櫻井杏奈さん 指揮:三浦唯人さん 伴奏:北岡 稟さん
2組 「手紙」
学級紹介:渡邉 結さん 指揮:幸村真澄さん 伴奏:渕上佳栄さん
〈3学年の部〉
1組 「言葉にすれば」
学級紹介:山田結心さん 指揮:池田皇羽さん 伴奏:米山 涼さん
2組 「青い鳥」
学級紹介:増田咲幸さん 指揮:鈴木大遥さん 伴奏:原 葵已さん
〈閉会式〉
①講師講評
講師:教育委員会 学校経営アドバイザー 山本和寿先生
②終わりの言葉
【吹奏楽部発表】
世界に一つだけの花 他2曲
【エンディング】
①生徒会総務より
〇講師の山本先生からも「各クラスの思いや意図が明確に表され、聴いている我々に伝わってくるものがありました」と講評をいただきました。緊張感の中でも楽しんで歌っている生徒が多く、素晴らしい歌声を聴かせてもらいました。
〇午後から学校近隣で大きな火災がありました。学校からも黒煙が見えましたが、幸い風向きが本校に向くことはなく、フェスティバルは無事に終了しました。
〇会の終わりに私から生徒たちに「下校時に多くの消防車や救急車、パトカーがいる場合には、それを避けて安全に帰ってください」と注意を促しました。
須藤昌英
11月6日(木)静かなる退職とキャリアアップ
〇40年近く前のある栄養ドリンクのテレビCMで、「24時間戦えますか?」というキャッチコピーがやたらと流れていました。当時私は20歳代の半ばであり、体力もあり余っていたので、それに踊らされるように、朝から晩までがむしゃら?に働いていました。
〇今振り返ると「よくやっていたな!」と思いますが、当時は人に言われてやらされるのではなく、自主的だったので決して嫌ではありませんでしたし、朝7時から夜22時頃まで、一日15時間くらいは学校にいました。
〇令和になり「働き方改革」が国を挙げて言われていますが、昭和から平成の時代に根付いた長時間労働や過剰な奉仕が、現代の労働環境では「持続可能ではない」という認識が広がっています。ある面では当たり前だとも感じます。
〇最近あちこちで聞く言葉に「静かなる退職」があります。最初は「何を意味しているのか?」と想像がつきにくかったです。「退職」といっても職場を辞める(去る)わけではありません。「静かな退職」とは、組織内での出世や昇進を目指さず、最低限の仕事だけをこなす働き方のことを指すようです。
〇これは3年前にアメリカのキャリアコーチが提唱した「Quiet Quitting」の和訳で、過度な奉仕や会社への積極的な貢献を控えつつ、自身の健康や私生活とのバランスを取ることを目的としているようです。少し調べました。
・「静かな退職」の特徴
会社などが求める最低限の業務はこなすが、それ以上の役割を積極的に引き受けたり、自己啓発に励んだりすることはしない。また残業を最小限に抑え、社内の付き合いや不合理な要求への対応も避ける傾向がある。昇進やキャリアアップへの意欲が低く、現状維持を望む。最大の目的は、仕事のストレスや燃え尽き症候群(バーンアウト)を避けるための自己防衛策として、また、プライベートの時間を大切にするための手段として選ばれる。
・「静かな退職」が広まる背景
仕事一辺倒ではなく、「ワークライフバランス」を重視する価値観が浸透していることの影響が大きい。多少の不満を抱えながらも不本意な退職・転職を避け、会社などに留まり続けるため、企業側にとってはエンゲージメントの低下や生産性の問題につながる可能性がある。最終的に本人を過度な負担から身を守り、持続可能な働き方を選んでいるともいえる。
〇またその一方で近年は、「キャリアアップ」という概念が広がっています。一般的に「キャリアアップ」とは、職務経験やスキルを高めることで、役職や収入、社会的な価値などを向上させること意味しますが、真のキャリアアップとは、「将来を見据えなりたい自分やなるべき自分に向けて経験を積み、キャリア面から理想の自分に近づくこと」だと思います。理想的にはいろいろな職務を経験することで、企業や社会に貢献することにもつながります。
〇それに関しては、自己啓発について書かれた本が山ほど出版されています。自己啓発とは、自身の意志で、能力を高めたり、精神的な成長を目指したりする自発的な取り組みです。本を読んだり、セミナーに参加したり、資格取得を目指したりするなど、具体的な方法で行われます。
〇昨日、学校の部活動は生徒が「自己実現(身体・精神的な成長やなりたい自分に近づく)」を目指すことが最大のメリットであることを書きました。そして今の中学生が将来社会人になった際には、自分で選んだ職業で同じように自己実現をしてほしいと考えています。
〇「キャリアアップ」の方向性は人によってまちまちですが、先ほどの「静かなる退職」とは180度対極にあります。また「働き方改革」は個人の問題ではなく、経済の問題のような気がします。働く人々すべてが健康でい続けることは、会社(企業)としてもパフォーマンス高く働いてくれる人材を確保し続けることにつながります。
〇もちろん過労で命を落とす人が出るのは避けなければなりませんが、自分の可能性を試して伸ばすには、ある意味「自分の限界」を幾度か経験することも必要ではないかと感じます。自分の限界を認識できた時、「次のステップとして自分は何に取り組もうか?」となるのではないでしょうか。
〇生徒が学校で行う委員会・係活動も、経験するからこそ見えてくるものや身につくスキルがあり、最後はその仕事で「学校やクラスを支えている」という貢献心がそれを続けることを可能にしていると思います。
〇1か月前に自民党の新総裁となった高市早苗氏がその就任時に、「私自身がワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」といういわゆる「馬車馬宣言」をした時には、正直驚きました。「えっ」という感じで自分の耳を疑いました。
〇自分自身への決意宣言であれば別に角は立ちませんが、一国のリーダーが公の場で、もしそれを「私も働くので、みんなも同じように働いてほしい」というメッセージとして言ったのなら、この令和の時代にそぐわないのではないか?と感じました。
〇若い頃に、「働くこと」は、「傍(はた)を楽(らく)にする」ことだと本で読んだことがありました。その意味は、自分の周囲の方々に自分が動くことによって、よい影響を与えることだと思ってきました。それが自分のモチベーションだったことは間違いありません。今の中学生にはこのことをどのように伝えたらいいか・・・?悩ましいところです。
須藤昌英
11月5日(水)チームエフォート(TEAM EFFORT)
〇先週は野球のメジャーリーグの頂点を決める「ワールドシリーズ(World Series)」のテレビ中継が連日放送され、ロサンゼルス・ドジャースが、2連覇を果たしました。私自身は幼いころから高校まで野球をしていたので興味がありましたが、今まであまり関心の薄かった人もたくさん観戦していたようです。
〇一般的にアメリカのスポーツ観戦は、野球に限らずエンターテイメント(娯楽)性が重視されており、野球のルール等を深く知らなくても楽しめることもその要因でしょう。そして何よりも世界が注目するその大舞台で、複数の日本人選手が活躍する姿を観ることができるのが最大の理由だと思います。
〇今回のワールドシリーズでは山本選手が最優秀選手(MVP)に選ばれましたが、そのワールドシリーズの一歩手前で、リーグの頂点を決める優勝決定シリーズでは、大谷選手がMVPになりました。彼がもらったトロフィーには、個人の栄光をたたえるプレートがありましたが、選手の控室に展示された際のそのトロフィーには、その文字を隠す形で「TEAM EFFORT(チームの成果)」とボードが添えられていたことが「大谷選手らしい」と話題になったそうです。
〇大谷選手はMVPを受賞後のインタビューで「みんなを代表してもらっていると思っています。僕が(MVPを)もらいましたけど、本当にここに来るまでのすべての試合がやっぱり一番大きかったなと思います」と、チームメートへの感謝を口にしていました。
〇私もこの「チームエフォート」という英語は今回初めて知りましたが、調べるとその意味は「チームの努力」や「チームワーク」です。一人ではなく、複数の人が協力して一つのことを成し遂げたこと、またはその成果を指します。
〇私は初任から丸20年間、3つの中学校で野球部の顧問をしていました。今思うと、自分がプレーしてきたスポーツをもたせてもらえたことは、とても幸運だったと思います。同期の教員や後輩でも、まったく経験も知識もない部活動を担当することになった人がいました。さぞ大変だったろうと思います。
〇それでも自分自身が選手ではなく、指導者としてチームをまとめていくことは、最初からうまくできたわけではありません。野球は「投げる、打つ、捕る、走る」など複数の動作を組み合わせてプレーしますので、個人によってどの動作が得意(好き)かまたは苦手かはまったく異なります。
〇人間の心理としては当然、誰もがせっかくプレーをするなら自分の得意な面でアピールし、時にはヒーロー的な存在になりたいものです。自己実現(自分自身の可能性や才能を最大限に引き出し自分らしく生きること)のために好きなことに集中して取り組んでいるのです。私も選手の時には、打つことや投げることにこだわり、それを強化するために練習に打ち込んでいました。
〇ただ指導者(監督)になるとまず、各選手の強みと弱みをつかみ、9つの守備位置や打順などを決めていきます。やみくもに選手を起用したりしては、そのチームの特徴をいかした試合をすることはできません。チーム事情によっては、選手本人が望まない場所を守ったり打ったりさせなければなりません。
〇監督としては、日頃から選手一人ひとりと会話し、もし本人の希望でないところで起用する時には、「君がこの役割でチームに貢献してほしい」と説得しました。大抵は素直に「わかりました」と受けてくれましたが、稀にそうでない場合もありました。
〇ただそういう選手は新しいことに挑戦することに不安があるだけで、実際にやってみると自分の新たな力が発掘され、その後は生き生きとプレーしていました。昔の部活はそうであったように、さらに私も若かったので、勝負にこだわった采配を優先していました。
〇でも今の部活動の目的は「心身の健全な成長を促し、自主性や協調性、社会性を育むこと」です。つまりスポーツなどの活動を通じて達成感や自己肯定感を高め、仲間と協力して目標を達成する過程で、社会生活を営む上で必要な能力を身につけることが期待されています。さらに同学年だけでなく、学年を超えた交流を通じて、多様な人間関係を築こうとすることも重要です。
〇金曜日の合唱フェスティバルでも、各クラスがこれまでの練習の成果を精一杯発揮してくれることでしょう。指揮者、伴奏者、パートリーダーの指導のもと、みんなで楽しんで歌い、「チームエフォート」を実感してもらいたいです。
須藤昌英
【大谷選手のトロフィー】
11月4日(火)インフルエンザ流行と2学期学校公開
〇昨日は木枯らし1号が吹き、午後から一気に寒くなりました。振り返ると1学期の学校公開は、6月2日(月)~6日(金)で行いました。そして最終日の6日は体育祭でした。暑さ対策を最優先していたその時期が、今では懐かしく感じます。
〇今日から金曜日までは、2学期の学校公開日です。最終日の7日は合唱フェスティバルになります。Sigfyでご案内を送付していますが、どうぞご来校ください。
〇2025年10月現在、例年より早くインフルエンザの感染が拡大しているようです。特に児童生徒の場合は、学校の集団生活で感染してしまうというケースが多いようです。
〇厚生労働省によると、今季流行の中心は「香港A型(A/H3)」で、全国の約半数を占めているそうです。この型は重症化リスクが高く、ワクチンの効果が得にくい傾向にあるとも言われています。
〇ただ気を付けなければいけないのが、比較的症状が軽く、インフルエンザだと気づかないまま感染を拡大させてしまう“かくれインフルエンザ”があります。
〇我が家のかかりつけの同じ町内にある内科医院の院長先生は、学区の校医にもなっています。先週、私が受診した際に、学区内の小学校長から院長先生に相談があり、「インフルエンザにかかっている6年生が相当数いるが、来週予定している修学旅行をやってよいか中止すべきか?」と尋ねられ、答えに窮したことを教えてくれました。
〇最後には「発熱したがインフルではないとされている児童も実はインフルエンザである可能性は高いですね」とアドバイスしたそうです。果たしてその学校の修学旅行はどうなるのでしょうか?他の学校のことですが、「もし自分の学校だったら・・」と考えると他人事のように思えません。
〇調べると、高熱や激しい咽頭痛があってもただの風邪というケースもある反面、ほぼ熱も出ず、なんとなく倦怠感があるだけでも実はインフルエンザに罹患している“かくれインフルエンザ”により、気づかぬうちに感染を広げる事例も多いようです。軽い症状でも油断せず、早めに検査し、正しい治療を受けることが大切でしょう。
〇今年の夏は非常に気温も高い上に残暑も長かったことや、最近の寒暖を繰り返す状況から、基本的に体力を消耗しています。私もそれを実感しています。また猛暑のために外出を控えて運動不足になってしまったことや、夜、寝づらくて睡眠の質が低下していたこと、生活リズムが狂ってしまったことも、バテの要因になっています。
〇体調不良を完全に快復するには、2~3か月と長期間を要することも多く、夏・秋バテを起こした体の自律神経やホルモンバランスの乱れが未だに続き、免疫調整力が万全でない人も多いことでしょう。
〇インフルエンザが10週連続で増えているということと、これからがインフルエンザシーズン本番ですが、自分は大丈夫と思っていても、急に高熱が出たりするから油断はできません。基本的な感染対策はもちろん、睡眠や食事などで免疫を高めることも大事だと思います。またワクチン接種後は効果が出るまで2週間ほどかかるため、気温が低下する冬を待たずに早めの接種が無難でしょう。
〇7日の金曜日は合唱フェスティバルが行われます。インフルエンザなどでせっかくここまで練習をしてきたことを発表できなくなることはできるだけ避けたいものです。
〇保護者の皆様も授業参観等はできる範囲でマスクをしたり、日ごろから手洗い・うがい・アルコール消毒をこまめにしたりするようにお願いします。
須藤昌英
【除菌関係グッズ】
10月31日(金)「やればできる」と「できるからやる」
〇教員として39年間、目の前の生徒の可能性を引き出し伸ばすことを最大の目標として取り組んできましたが、いつも迷うのは、「【やればできる】と【できるからやる】の2つのどちらが正しいか?」です。「ニワトリが先か、卵が先か」みたいな話ですが、自分としては今でも最大の課題です。
〇「やればできる」は、昔から言われている「人間は努力を美徳とし、楽な方を選ぶことを嫌うべき」が根底にあります。コスパ(効率性)の面から考えると、苦労せず楽に成果が得られるのであれば、最適最良です。
〇しかしその一方で、教育的側面からは、「努力を通じてスキルや知識を習得することで定着が強固になる」という従来の考えにも、妥当性はあると思います。昭和から平成へと日本の教育の主流はこの「努力の継続」が中心でした。
〇以前にオレンジの服が印象的である芸人さんがテレビなどで、そのポジティブな性格を前面に出し「やればできる!」というフレーズを大きな声で連呼していたことを覚えています。確かに明るい笑顔で言われると、だれでもその気になってきます。
〇その芸人さんは、「僕の『やればできる』っていうのは『やれば成功する』ではなくて『やれば成長できる』よねっていう思いを込めています」と説明していました。それを聞いて私もそれにはまったく同感しました。まずはやってみることが大切だと思います。
〇若い頃に学級担任をしている時も、「やろうと思わないから出来ないんだよ」みたいなことをよくクラスの生徒たちに言っていた記憶があります。当時は自分も若く、生徒たちへの叱咤激励のつもりでしたが、今振り返ると半分は自分自身に言いきかせていたような気がします。果たしてその時に言われた生徒たちはどう思っていたのだろう?と今さらに思います。
〇しかし最近は少し違ってきました。むしろ人は「できるからやる」という見方も、正しいのではないか?と思っています。努力し挑戦すること(やればできる)によって生徒たちは日々成長していますが、その前提として可能性という「成長の種子」を生まれつき自分の中にすでにもっていて、その種子を開花させている(できるからやる)に過ぎないのではないでしょうか?
〇「やればできる」の陥りやすい点は、今出来ていることはあまり重視せずに、次はコレを達成したらその次はコレをする・・と果てしない無限ループになりやすいことだと思います。精神的に疲労します。
〇一方で「できるからやる」については、失敗を極端に恐れるという傾向がある今の若者の特徴がその意識を薄めていると感じます。人は誰でも失敗し、その失敗を次にいかして前へ進んでいくのであり、一つの失敗で「すべてがダメ」と自分を否定してしまうことがとてももったいないと今の生徒たちを見て思います。
〇その原因の一つは、大人(保護者や教員など)が生徒たちに今取り組んでいることの結果を性急に求めすぎることがあると思います。「子どもや生徒の可能性を引き出してやりたい」との願いは良いのですが、その前に今彼らが何を思い、何に取り組もうとしているのか?を聴いてあげることが大前提だと思います。そして私も含めて「生徒が自ら動き出すことを信じて待つ」という大人の姿勢が正直足りないと思います。
〇「失敗を成功で上書きする」という言葉があります。「失敗を失敗のまま終わりにせず、それを小さな成功つなげる」ということを、生徒たちには折に触れて伝えていきたいと思います。
〇最後に、昔ナイキというスポーツメーカーのCMに、マイケルジョーダンというアメリカのバスケットボールのスーパースターが出演していました。彼は私と同じ年齢ですので、バスケットボールに興味がなかった私もその存在感には注目していました。
〇その彼のCMの中でのセリフが今でも頭に残っています。紹介します。「キャリアで失敗したシュートは9000本。300試合に負けた。26回ウィニングショットを外してきた。今までミスしてきた。何度も何度も・・・。だから私は成功する」
〇今の生徒たちは彼のことは知らないかもしれませんが、みんなからスーパースターと言われている人でも、数知れない失敗を経験してきていることは伝えたいなと思います。
須藤昌英
10月30日(木)「リフレーミング」の訓練
〇朝の気温が10℃を下回り、登校する生徒たちの服装も冬服を選択する割合が一気に高まりました。市内の小学校でもインフルエンザが流行しているようです。体調管理がより一層重要な季節になりました。
〇「リフレーミング」という言葉は、「認識の枠(フレーム:frame)を改める(re)」ことを意味します。つまりリフレーミングとは、物事を別の角度から解釈し直すことで、簡単に言えば、一つの視点ではなく、いろいろな角度からの見方をすることにより、嫌なことや苦手なことをポジティブ変換する「思考テクニック」です。
〇よく使われる例えとして、目の前に水の半分入ったコップがあったとします。ある人はこれを「な~んだ半分しかない ⤵」と思う、また別の人は「よ~しまだ半分もある ⤴」と思う、この2つの差は大したことないかもしれませんが、すべてのことに対してそのような見方をしながら生きていれば、その差は計り知れない差になります。
〇「コップ内の水の量が半分」という事実を変えることはできなくても、その事実をどう解釈するかで、その感じ方や行動は大きく変わります。ただこれはだれもが日常生活で経験すみだと思います。
〇リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。モチベーションアップや自分に自信がつく、ものごとへの苦手意識が弱まったり人間関係が良くなったりすることが心理学の面から報告されています。
〇3年生の校長面接では何人かの生徒に、「確かに苦手なことに取り組むのは気がひけますが、『何でも初めから完璧にできる人はいない!』『自分の可能性をのばす絶好のチャンスかも!』ととらえると、『まずはやってみよう!』となりますね。」とアドバイスしました。
〇リフレーミングは主に2種類あり、一つは「今の自分の状況・事実」をリフレーミングしてみること。例えば、病気でしばらく休んでいなければならない時、最初は「あれもやらないと、これも遅れてしまう」ばかり思っていまいがちですが、「休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられる」と気持ちが変わると、「休んでいる間にできることをやろう」と思いなおせます。
〇また「自分の性格や行動の傾向」をリフレーミングすることも多いです。例えば、いつもいろいろなことに「心配性な人」も、「想像力があり慎重にものごとをすすめることができる」と切り換えると、また違ってきます。ただこれは、なかなか自分では気が付きにくく、他人からのアドバイスが大きなポイントをしめると思います。
〇ネット等で調べると、「リフレーミング辞典」というものがあり、私も時々参考になるので見ています。冒頭に書きましたが、これは思考テクニックですので、ある意味訓練する必要があります。最初は「こんな言い換えは不自然で違和感がある」と思いがちですが、そういう感情を抑えて、無理やりでも受け入れてしまうことが大切です。
〇先日の3年生は、「自分の短所は『面倒くさがり』のところです」と言っていたので、私からは「それはおおらかなことまたは細かいことにこだわらないという良い面とも言えますね」と返しました。私も「少し強引すぎたかな?」と思いましたし、本人もキョトンとしていました。ただこちらも訓練して何とか相手に前向きになってほしいとの気持ちがありますし、本人も後で少しでもその言葉が頭に残って、「そういう見方もあるかな?」のように受けて止めくれるといいのですが・・・と願っています。
須藤昌英
10月29日(水)創立80周年記念イベント週間に向けてのワークショップ
〇来年(令和8年)の2学期学校公開は、「(仮称)創立80周年記念イベント週間」として、1年後の10月26日(月)から30日(金)の日程で現在調整しています。29日までは保護者や地域の方々等に授業参観を中心に公開し、最終日の30日の午前は全校合唱フェスティバル、午後は東京大学大学院の國分教授をお招きしての対話集会を予定しています。
〇それに向けて昨日から、生徒会総務の生徒たちと定期的なワークショップを開始しました。ワークショップとは、本来の「作業場・工房」という意味が転じて、参加者が主体的に対話を通じて、知識やスキルを習得したり、課題解決や創造を行ったりする、体験型の学習の場を指します。その中で互いに本音を出し合い、協働しながらアイデアを出し合い、自分たちの総意を模索し続けることが特徴です。
〇「自分たちにとって本校の80年という歴史はどんな意味があるのか?」「来年の記念イベント週間には何をしたら自分たちらしさを表現できるか?」などを考える前に、まずは今の学校の状況をお互いに確認しあうことが昨日のワークの目的でした。校長室で次の2つの課題を90分間話し合いました。
【テーマ1】
今の土中で保護者や地域の方々に対し、自慢できる素晴らしい点やあまり目立たないがこれからも継続していきたい事は何か?
【テーマ2】
来る創立80周年に向けて、今後さらに理想とする土中になるために必要なことや取り組みたいは何か?
〇ワークショップではよく色付き付箋(ふせん)を使用します。まずそれぞれの課題に対し、1人ずつ1枚の付箋に1つのアイデアを具体的に書き出します。それを共有スペースに並べかえ、類似した内容の付箋をグループ化します。その際、書いた本人が一言ずつその意見について補足説明を加えます。これを繰り返して最後に、各意見の関係性を視覚化し、全体として俯瞰しながら整理します。
〇昨日も多様な意見が生徒間でとびかいました。課題1に対しては、授業で活発に話し合いをすること、学校行事に積極的に参加していること、生徒間の人間関係が基本的には優しさがベースにあること、地域の方々とのふれあいが多いことなどが挙がりました。まずは自分たちの良い面を確認しあい、それには自分たちだけの力ではなく、保護者や地域の方々のおかげでもあることがわかりました。
〇一方で課題2に対しては、日ごろから生徒同士、先生方への挨拶をする意識が低調気味であること、言葉遣いで相手を知らぬ間に傷つけていること、図書室の利用を含めた読書への関心がまだ低いこと、制服や校内服の着方の身だしなみに個人差が大きいこと、清掃活動や給食の時間にもまだ工夫する余地があることなどが浮き彫りになりました。
〇特に後半については、既存の委員会(学年委員会、生活委員会、美化委員会、学習図書委員会、給食委員会、保健委員会、歌声委員会、放送委員会)がありますので、今後生徒会総務と各新委員長たちが話し合って、委員会活動で改善策を考えてもらうようにしました
〇次回のワークでは、今回の話し合いを踏まえて、【テーマ3】「80周年記念イベントで何を企画していくか?(例)対話集会、アピール動画、キャリアポスターセッション、・・・など」に取り組もうと考えています。次回も斬新なアイデアが出てくることを願っています。
〇学校経営の背景として、校長が生徒たちの生の声を聴く機会はとても貴重であり、あっという間の90分間でした。
須藤昌英
10月28日(火)「ゲーム」との付き合い方
〇校長面接などで、3年生に「受験勉強をしている時の気分転換の方法は何ですか?」と尋ねると、8~9割の生徒が「好きなゲームをしています」と答えます。そこでさらに「気分転換のつもりが、そのままハマってしまうことはありますか?」と質問を続けると、多くの生徒が苦笑いし、「それが一番の悩みです・・」のように打ち明けてくれます。毎回「正直だな」と思っています。
〇過去に担任をしていた生徒から、同じようなゲームに関する質問を投げかけられたことがあります。「どうしたらゲームを止められますか?」と。私は答えました。「方法はただ一つしかないよ。それはそのゲームをやる前にその攻略法を全部友達から教わってからやってごらん。わかると思うけど、そんなのはつまらなくてすぐに止めてしまうでしょ」。
〇少し逆説的な言い方ですが、人間はそのように何もかも事前に教えられてしまっては、まったく面白みを感じないのです。試行錯誤をする中で、「どうしたらいい?」と迷うことも楽しいのです。あらかじめ攻略法を伝授されると、ゲームの中で「自分で選択する機会」が前もって奪われ、冒険心や挑戦心などのやる気のもとがなくなってしまうのです。
〇「ゲーム」と聞けば私が思い出すのは、今から40年前以上に流行した「インベーダーゲーム」です。当時はまだ自宅で行うゲーム(ファミコンなど)は販売されていませんでしたので、高校生だった私はゲームセンターで夢中?になりかけていました。ただ段々とゲーム以外のことが忙しくなり、ゲームセンターに行くことも減ったので、お小遣いを使い果たすようなところまではいきませんでした。
〇しかし今は自宅でゲームが当たり前ですので、生徒たちが自らの制御力でゲームをする時間をコントロールしなければならない状況です。確かに自宅でできる便利さはありますが、逆にゲームとの程よい距離を保つことが難しくなっています。
〇先ほども書きましたが、私は生徒がゲームの中で自分が主役となり、「主体性」をもって課題に挑戦していくことは、人間の本質にあったゲームのプラス面であり、否定されるべきではないと思います。
〇数年前のYouTubeの対談で、東大名誉教授の姜尚中(カン・サンジュン)氏が指摘していたことも気になります。姜氏は「人生(実社会)はゲームではない」とし、「現代は政治、経済、人間関係などのすべてが、ゲーム理論に基づいて処理されている。ありとあらゆる領域から集めた情報をアナリストが分析したりそこからシュミレーションしたりして、現場の様子はモニターでみるだけ。そこに強烈な違和感をもつ。しかし実際に目の間で起きていることはもっと複雑で、ゲーム理論だけでは到底説明しきれない」と鋭く述べています。
〇これを見ながら深く考えさせられました。ゲームの良さは認めつつ、そこから実際の生活にいかに戻ってくるか。冒頭の受験生の悩みは、決して子どもの問題ではなく、我々大人も直面している問題だと思います。
〇人工知能AIに「ゲームと子どもの脳の関係」を質問してみると、次のように回答がありました。
「ゲームが子どもの脳に与える影響は、やりすぎると【ドーパミン】分泌への依存による前頭葉の機能低下や、学習意欲・集中力の低下などの悪影響が懸念される。一方で、戦略ゲームやパズルゲームには、問題解決能力や空間認識能力、論理的思考力などを高める可能性もある。重要なのは、ゲームの種類やプレイ時間を把握し、適切なルールを設けてバランスを取ること」。
〇とても模範的解答ですが、AIの欠点は身体性がないということです。ゲームに夢中になる人間の心理をAIは実感できませんので、少し上滑りの感じはぬぐいきれません。
須藤昌英
10月27日(月)所信表明演説とアメリカ大統領来日に思う
〇霧の朝でした。ここ数日は雨模様でしたので、久しぶりに青空が見られそうです。朝に霧が出ると晴れるのは、放射冷却という現象が原因です。よく晴れた夜明けには地表の熱が空に逃げ、地面近くの空気が冷やされて水蒸気が水滴となり、霧が発生します。太陽が昇って気温が上がると、この霧は消えて日中は晴れるようです。
〇先日の高市新首相の所信表明演説(30分)をその日の帰宅後、YouTubeですべて聴きました。一番多くの時間を割いたのが経済対策(物価高対策)でした。教育に関してはほとんど無かったことに、半分がガッカリでしたが、残りの半分は逆にホッとしたのが実感でした。
〇3年前に亡くなられた安倍元首相は、2006年の所信表明演説で「美しい国づくり」を掲げ、その実現には、「日本が本来持つ美徳を保ちつつ、経済成長や子どもたちの育成が不可欠である」と主張したのを今でもはっきりと覚えています。
〇今から19年前のことで、私もまだ40歳代前半でしたので、「これからの日本の教育はどの方向に進むのか?」に強い関心がありました。そしてその時に示唆された「道徳の教科化」は、第一次阿部政権では果たせなかったものの、第2次政権発足直後の2013年1月に、安倍首相の私的諮問機関「教育再生実行会議」が発足しました。
〇その会議に多くの教育専門家も参加した結果、道徳の教科化、教育委員会改革などを次々と提言したのでした。当時の安倍首相は「強い日本を取り戻していくため、教育再生は不可欠」と力を込め、当時の下村博文文部科学相らとともに、ある意味トップダウンで教育政策を決定しました。
〇この記憶があり、「今回の新首相がどこまで教育を重要視していくのか?」との意識で所信表明演説を終始聴いていたので、先ほどのように落胆と安堵が半々ずつだったのです。
〇今日からアメリカのトランプ米大統領が29日まで来日し、天皇陛下との会見や日米首脳会談を行う予定が発表されました。高市首相にとって就任後初めての外国首脳を迎えての会談であり、それがトランプ氏であることに注目が集まっています。
〇今年の1月からトランプ氏が2回目の大統領に就任して以来、強引ともいえる各国との関税政策には驚くことばかりでした。日米関税交渉を担当した前経済再生大臣の赤澤氏によって、この夏に一定の合意を得ましたが、その後も約束を守るかは未知数な部分が続いています。
〇私は経済には弱く、詳しいことはわかりませんが、ディール(ビジネスにおける契約締結や商取引全般)と呼ばれる手法を何よりも優先し、まずは自分の国に有利になるように交渉し、相手の出方を見ながら巧みに貿易の条件を引き出していくことに正直違和感があります。
〇実際に日本も今後アメリカに数千億ドルものの投資を約束しており、今後はその約束をどこまで果たしていくのか?が今回の会談の大きな議題になっているようです。
〇また今回の首脳会談で、日本側が「防衛費の増額方針」をアメリカ側に伝えるとも報道されています。新防衛大臣も就任の会見で、「防衛費GDP比2%の前倒し実現」を明言しています。
〇今日本で現在進められている防衛力整備計画は、2023年度~2027年度の5年間で防衛費を関連経費と合わせて総額43兆円増加させ、そのGDP比率を2%まで引き上げることを目指すものです。
〇しかしトランプ政権は、日本に対して水面下で防衛費のGDP比率を3.5%まで引き上げることを求めているともされています。日米首脳会談では、トランプ大統領は高市首相に対して、防衛費の更なる拡大を求めてくる可能性もささやかれています。
〇もしトランプ大統領から防衛費をGDP比3.5%まで引き上げるように求められたら、高市首相はどのように反応するでしょうか。その実現には何兆円もの追加予算が必要になる計算であり、その財源確保はより困難を極めます。国を防衛する重要性はわかりますが、教育予算が後回しにされていることに、教育関係者の一人としては複雑な思いがあります。
〇またもっと気になることは、日本が防衛力を強化する方針であることについて、隣国の中国が「強い疑問を抱かざるを得ない」と懸念を示していることです。さらに「日本が専守防衛を守り、平和的発展を堅持しているのか、強い疑問を抱かせざるを得ない」と非難しその上で、「日本が安全保障分野において国際社会からの信頼をさらに失うことのないよう強く促す」としています。
〇今年は戦後80年で、日本でもこの夏には先の太平洋戦争を振り返る様々なイベントが行われたり、テレビ番組も多く放送されたりしました。前述の道徳の教科化の際に一番議論されたのは、「子どもたちにどのような愛国心をどのように持たせるか?」でした。過去に中国を含む東アジアの国々に多大な損害を与えた日本が今、急激に防衛力を高めることへそれらの国々の心配があることについて、じっくりと生徒たちと話し合う機会も必要ではないか?と感じます。
〇ちなみに道徳教育の徳目の一つである「国や郷土を愛する心」は、教師からの一方的な教育ではなく、「他者との関係性の中で自ら考え、豊かな体験を通して育むこと」となっています。具体的には、学校、家庭、地域が連携し、人間尊重や伝統文化を大切にすることを通じて、自律的に社会や国家に貢献できるような資質・能力を育むことが目指されています。
〇国の教育の方針を考えるのは大人の仕事ですが、今後はその決定過程の中に当事者である子どもたちの意見も傾聴していくことがとても大切であると思います。
須藤昌英
10月24日(金)読書週間「こころとあたまの深呼吸」
〇27日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。
〇昔から「秋の夜長に読書」と言われています。近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪いとは思いませんが、読みたい本を手に取ってじっくりと読むことも楽しいものです。
〇昨年9月に柏駅近くのそれまでよく利用していた大きな書店が閉店になってしまいました。ネットでも本は購入できて便利ですが、専門書も多かったので、書架に並んでいる本を眺めるのはやはり楽しいものです。
〇11月3日(月)は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くのさらに巨大な書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。
〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和7年の標語は、「こころとあたまの深呼吸」で、下のポスターは秋空で本を楽しみが和んでいる様子が表現されています。
〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。
1 語彙や知識が増える
これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれから様々な表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒達には、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。更に深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。
2 想像・創造力や共感力がアップ
次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでの自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。
〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。
〇要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?
〇3年生の校長面接の際も、「最近読んだ本とそのあらすじや感想を教えてください」と質問しています。多くの生徒は堂々と自分の考えを述べた上で、「読書の時間は別世界に入り込んでいる感じがする」のような感想も多いです。「本は一生の友」と言えるような生徒が一人でも多くなるように願っています。
須藤昌英
10月23日(木)個性は可能性
〇3年生との校長面接では入試本番を想定し、生徒は制服を着て校長室に入室してきます。彼らは入学してからはフォーマルな服装として、制服を着ることに慣れていますので、よく似合っています。生徒たちとは着ている制服の話をする時間はほとんどありませんが、ふと思い出したことがありました。
〇今から25年くらい前に学級担任をしていたころ、生徒たちと当時の学校の制服について、何度か話し合いしたことがありました。生徒たちは、「決められた制服や頭髪の基準、またそれらの身だしなみなどの約束があるのは窮屈な気がする」と言っていました。
〇もちろん私自身が中学生の頃も同じでしたが、その時の柏中学校は全校生徒が二千人いて、「中学校の時だけの決まりだし、みんな同じだから・・」と感じるくらいで、担任をしていたクラスの生徒たちのように「自由がない、窮屈」とまでは思いませんでした。
〇そこで当時、あるインタビュー記事で映画監督の大林宣彦氏が、「制服」について学生に語っている文を見つけ、学級通信に掲載しました。紹介します。「確かに制服はみんな同じで変わらないかもしれないけれど、その人が読んだ本、聴いた音楽などによって、まずその人の目の輝きや語る言葉が変わってきます。そうするとその同じ制服を着ていても、『個性』が出てくるんです。制服はファッションではなく、【心のあらわれ】です。同じものを着て窮屈で嫌と感じるとすれば、君の言葉を磨きなさい。君の目の輝きを磨きなさい。そうすると君の着ている制服は、君だけに似合う『個性』になるよ、と言いたいですね」
〇映画監督は一つのテーマをいかに表現するかをいつも考えてそれを仕事としており、その「表現のプロ」が言っているので、言葉に重みがありました。私は学級通信に自分の解釈として「つまり表面ばかりに目を奪われて本質を磨くことを忘れてはいけないということを教えてくれていると思います」と添えました。もちろん生徒たちはすぐに納得していたわけではありませんでしたが、生徒たちの疑問に寄り添いつつ、教員として一緒に学んでいたことは忘れることはありません。
〇また大林氏はこうも言っていました。「制服というのは対話の手段なんです。人間どうしは対話をすることでお互いを理解しようとします。対話とはお互いの違いを知る作業で、君と僕はこれだけ考え方が違うんだね。だからお互いに価値がある。これが共存共栄の意味だと知るわけです。違いを知るためには、一つの同じ土壌にいなければダメなんです。そのルールが制服だと思えば、制服を着せられたからみんな同じだと思うのではなく、同じ制服を着ているけれど、僕はこういう言葉を語るし、君はこういう言葉を語る、そうするとその制服が違って見えるということからも、個性を鍛えることができると思いますね」
【大林宣彦氏:1938年~2020年】
〇後半の言葉は、当時大人であった私も深くうなずくものでした。今、校長面接をする生徒がたとえ同じ制服を着ていても、それぞれの生徒の個性はよくわかります。大林氏の言うように、個性は制服の下から湧き出てくるようなもので、「個性=可能性」ですので、逆に制服だけで個性(可能性)が無くなるなどは、空論に過ぎないと感じています。
〇今年度からは柏市標準制服(ブレザータイプ)も本格的に導入されました。生徒や保護者にとっては、従来の制服か新しい制服かの選択肢が増えます。本校の生徒が、制服についてどう思っているのか。今度何かの機会で、尋ねてみたい気がしました。
須藤昌英
【柏市標準服(ブレザータイプ)】
10月22日(水)デジタル機器の使用と子どもの近視
〇タブレット端末やスマートフォンのようなICT(Information and Communication Technologyの略)、いわゆる情報通信技術に関わるデジタル機器の使用が増え、子どもの近視がそれに比例して増加していることが課題としてあります。文部科学省の学校保健統計によると、裸眼視力1.0未満の児童・生徒の割合は、小学校で3割を超え、中学校では6割程度です。
〇私の感覚でも、眼鏡やコンタクトレンズを着用している子どもは、2~3割くらいはいると感じています。学校生活への影響としては、まず「授業中の黒板の字が読み取りづらい」があげられます。これは授業の基本的な流れとして、教員の説明を聴覚で認識し、同時に視覚でその説明を補うので、とても心配な面です。
〇また今の授業では、黒板の半分をプロジェクターの画面を写すスクリーンとして使用する場合が多いので、どうしても板書のスペースがせまくなり、以前よりも教員の書く字が小さめになっていることもその影響の背景にあります。
〇眼科医の多くは、デジタル機器の使用増加が、子どもの近視になる年齢の低下や近視の進行が早まる一因だと指摘しています。特に画面の小さいスマートフォンは近くで見がちなので、一定の距離をとる方が良いようです。
〇一般的に目の健康を守るためには、読書や学習などで近くを見る時には30分程度ごとに休息したり、室内を明るくする、定期的に外の景色をぼんやりとながめたりすることなどが有効だと言われています。
〇学校検診の視力検査で異常が分かったら眼科を受診し、眼鏡などの矯正が必要な場合には、精密な検査の上で眼鏡などを作ることが大切です。特に視力にあった度数で、しかも正しい位置で眼鏡をかけるのも重要です。
〇この問題は日本だけではなく、近視人口が爆発的に増えているアジアの国々でも、様々な近視予防が国をあげてとられています。その一つが子どものスマホ使用規制です。
〇例えば台湾の「法律によるスクリーン時間規制と屋外活動奨励」は有名です。台湾は1980年代から近視予防の取り組みを行ってきている近視対策の先進国です。2010年、屋外活動と近視予防の関係性を示す研究結果に基づいて、1日2時間以上の屋外での活動の導入を開始しました。この屋外活動の導入を進めてから近視の発症率が大きく減少し、進行も大幅に遅くなるとの結果を受けて、2013年には、体育の授業に関する法律が改正され、週に2時間半(150分)以上の屋外運動の実施を法制化しています。加えて家庭においては、親に対して子どもに電子機器を長時間使わせないことが、法律で義務付けられており、罰則もあります。
〇また大国の中国でも近視増大への国家的対策が講じられています。2018年に包括的な「児童青少年近視予防・抑制プラン」を策定し、2030年までに全国の児童青少年の近視率を6歳の児童で3%程度に、小学生で38%以下に、中学生で60%以下に、高校生で70%以下に、それぞれ引き下げるという数値目標が掲げられています。人口が日本の14倍ですので日本以上に相当深刻な問題となっているようです。
【日本眼科学会ホームページ:近視眼】
〇ブルーライト(青色光)と近視の関係もいろいろなことがわかってきています。近年はデジタル機器の液晶画面から発せられるブルーライトに対し、ブルーライトカット専用の眼鏡が近視等に有効であるとされ、私などもここ数年はパソコン使用時には必ず使用しています。
〇しかし最新の研究では、ブルーライトカット眼鏡を使用しても、通常のクリアレンズと比較して有意な差は見られなかったという結果もあるそうです。実際に太陽光にもブルーライトが豊富に含まれており、先ほどの研究では、液晶画面からのブルーライトは曇天時の自然光よりもはるかに少なく、眼に有害である可能性はないと報告されています。
〇むしろ太陽光は、近視の進行の抑制に特に重要であることが知られるようになり、台湾のように子どもが屋外での過ごす十分な時間を確保し近視の減少に成功している国も増えてきています。本校でも昼休み等にグラウンドで身体を動かす生徒たちは、ストレス発散の他に近視の予防という良い面もあるようです。
〇ただ太陽光は適度に浴びることが心身を健康に保つため極めて有用ですが、ブルーライトは体内時計に関与し網膜を介して覚醒を促すホルモンの分泌を促します。夕方以降に大量のブルーライトを浴びることは「睡眠障害」を誘発する可能性があるので、そのためにブルーライトカット眼鏡を装用することは無意味ではないと考える専門家もいるようです。
〇いずれにせよ一生涯にわたり、健康な目を維持することは重要であり、デジテル機器の有効性をいかしつつ、バランスのとれた使用方法を考えていく必要があります。
須藤昌英
10月21日(火)キンモクセイの香りと合唱活動
〇今月に入った頃から道路を歩いていると、所々で金木犀(キンモクセイ)の甘い香りが漂っていました。思いがけずふいにその香りに出会うと、思わず深呼吸したくなるのがキンモクセイの香りです。この香りは毎年私にとって、夏の終わりそして秋の始まりを知らせてくれる風物詩です。
〇キンモクセイは芳香剤としてもおなじみの強い香りを放つ花が特長です。調べてみると、その香りは、遠くまで届くことから古くは「千里香」とも呼ばれていたようです。秋に濃いオレンジ色の小花をいっぱいにつけた姿は、日差しを受けると名前の通り金色に輝いて見えます。
〇キンモクセイの花が咲くのは9月から10月にかけての時期ですが、花が咲いている期間は短く、数日から1週間程度で散ってしまいます。花の香りを強く感じやすい天気は、晴れよりも曇りの日です。曇りの日は湿度が高い、つまり空気中の水蒸気が多いため、香りの分子が空気中に留まりやすくなるようです。また、風が穏やかであると、さらに長い間香りを感じられます。
〇4月から本校にキンモクセイの木があるかと探しましたが、残念ながら見当たりませんでした。昨年の今頃、前に勤務していた学校の学区にあるお宅で、背の高い花満開のキンモクセイの木を高所作業車で伐採しているのを通り掛けに見かけました。何かしらの事情があるのでしょうが、「もったいない」と思いました。もし移植できるならば、学校で譲り受けたかっと一瞬思いましたが、時遅しでした。
〇本校の東側斜面にでも今度、キンモクセイの苗木を植えてみようか?と思います。
〇11月7日(金)の学校公開日の最終日に行う合唱フェスティバルに向けて毎日、各クラスとも練習に余念がありません。校長室にも各教室からの歌声がよく聞こえてきます。
〇今日からは特に帰りの会を延長し、パート練習や部分的に合わせての合唱に取り組んでいます。練習場所も体育館、第一音楽室、第二音楽室など、グランドピアノがある部屋を割り振り、本番当日を意識した練習を行います。
〇1・2年生は混成3部ですが、3年生だけは混成4部(バス・テノール・アルト・ソプラノ)なので、学年が進むにつれてレベルが少し上がっており、大変ですがよく頑張っています。
〇合唱については私も昔、生徒だった時代にいろいろな思い出があります。特に私が在籍していた柏中学校は、各学年とも15クラスずつあったマンモス校(全校生徒二千人)でしたので、全生徒そろってのコンクールを行う広さの体育館等は当時ありませんでした。
〇仕方なく学年ごとに行っていましたので、自分たちの学年以外の合唱は聴いたことがなく、先輩や後輩との交流もありませんでした。1年生のときに、2年生や3年生の歌声を聴くと、その大人っぽい合唱に驚愕したり憧れをもたったりするものです。
〇その学年の中での最優秀賞を2・3学年の時に獲った思い出は、今でも旧友と会って話をした際にはその話題になります。私も多くの友人も正確に楽譜が読めないレベルで参加しましたが、ともかく歌いこんで身体で覚えるしかないと練習し、当日も緊張しながらも楽しむことができたところがよい思い出になっています。
〇今の生徒たちは練習の際に、手持ちの楽譜に注意点などをいろいろと書き込みをしたりしており、私たちの時に比べて「とても真面目だな」と感心してみています。私などは「何となく音が取れていれば大丈夫」などとタカをくくっていました。ともかくみんなで声を合わせるなどの気持ちの高揚感に触れることが一番だと思っています。
〇そもそも音楽(合唱)の力の一つとして、「聴いている人の感情に訴えかける」があります。音楽を聴いていると、楽しいや悲しいなどの喜怒哀楽が出てきたり、普段あまり考えないことも考えさせられることがあったりします。
〇また同じクラスのメンバーとして歌うことで、その練習段階でいろいろな問題が発生します。しかしそれを自分たちで話し合いながら解決していくことも、その後のクラスにとって良い経験になることは、私もクラス担任をしていたときに毎回実感していました。
〇運動でいえば例えば先日の駅伝は、何も道具を使わずに自分の身体能力だけで挑む競技ですが、同じく音楽の中でも合唱は、自分の声だけを一つの楽器として響かせ、クラスの仲間とハーモニーを奏でることでは、共通点があると思います。
〇人間は普段から、大半は目でみるなどの視覚による情報で生活しています。しかし時には、前述のキンモクセイの香り(嗅覚)や合唱の和音(聴覚)を働かせて、それを楽しむことも必要であり、それが豊かな毎日になるのでは・・と思います。
須藤昌英
10月20日(月)第77回東葛飾地方中学校駅伝大会
〇選手は早朝6時に学校に集合し、各中継所にタクシーやマイクロバスで出発しました。9時に松戸市民劇場前をスタートし、11時前に野田市総合公園陸上競技場にゴールしました。全長32㎞を10名の選手が襷をつなぎました。
1区 富山 航さん(2年)
2区 中野健歩さん(3年)
3区 石井陽路さん(3年)
4区 原 葵已さん(3年)
5区 山田結心さん(3年)
6区 軍司漱磨さん(3年)
7区 若佐 瞬さん(2年)
8区 篠原歩夢さん(3年)
9区 鈴木大遥さん(3年)
10区 石川遥馬さん(3年)
〇各中継所には、選手以外に付き添いの生徒がいて、選手をサポートしています。有名な正月の箱根駅伝のように、沿道には多くの方々の声援があり、選手はその中を自分のベストの走りを目指して激走しました。
【東葛飾地方中学校駅伝競走大会のちょっと裏話】
〇朝は曇り空で肌寒く心配しまたが、9時前から青空が見え始めました。選手は各中継所でアップをし、前の選手がつなぐ襷を待ちます。
〇スタート地点の松戸市民劇場前の道路周囲には、多くの選手と付き添い、応援の方々が集まっていました。土中の黒のユニホーム(ゼッケン番号203)は、75人いても見分けやすかったです。
〇全10区間で75校が参加していますので、走る選手だけでも750名、それに付き添い生徒や職員がいますので、2000名くらいの関係者がこの日のために協力して成り立っている大会です。
〇午前9時一斉にスタート、コースの沿道は、広報車、審判車、白バイが先導し、最後は救急車も走っている本格的な駅伝です。32㎞の沿道には東葛6市から交通整理員として応援に駆け付けた教職員、各市の警察署および交通安全協会の方々が等間隔でズラッと並び、特に選手が通過する時間帯のみ、大きな交差点の信号は常に青になるように警察官が信号機を操作しています。
〇ただすべての市民が心から応援してくれているわけではなく、しばらく信号が赤のままの車線にいる車は、次第にイライラし始めて、例年警察官などに文句を言っている姿も見られます。
〇私はスタートをしてしばらくの場所でレースを見届けた後、近道をバイクで走り、一足先に野田市総合運動公園上競技場でゴールを待っていました。途中の順位は、付き添いの各職員からLineで報告があったり、J―COMのYou tube放送が流れていたりしましたので、スマホやイヤホンで状況を確認できました。
〇陸上競技場に10区の生徒が滑り込んできた時は、ここまで「赤色の襷」を30㎞以上にわたってつないできたことに、毎回のことですが感動しました。結果は、75校中58位(1時間53分09秒)と立派な成績でした。走り切った選手たちの顔にも安どの笑顔がありました。
〇私は以前、9つある中継所の一つの責任者をしたことがありました。各中継所では75校の選手と付き添い生徒、引率の教職員が狭い場所にごったがえしています。まず各校でシートを敷いて、荷物置き場と選手の待機スペースを確保することから競いあいます。
〇そして特に「コール(スタートまえの出場選手本人確認)」が2回あり、もし遅れるとその学校は失格になりますので、各校ともその時間はピリピリした緊張感があります。またコールの際には、大会専用のゼッケンが身体の前と後ろの規定の位置にきちんと装着されているかも厳密にチェックされます。
〇並行して前区の選手が通過する予定時間を常に頭に入れながら、中継所の近くでアップをしたり、体温が下がらないように毛布で身体をくるんだりと、選手はもちろん付き添いの生徒や引率の先生方も大変で、「一つのチーム」にならないと、選手をサポートできません。
〇そして襷の受け渡しの際は、大きなスピーカーで前区の速い学校のゼッケン番号が呼ばれ、そこでやっと中継地点に立てます。もし前区の選手がダンゴ状態で走ってくると、次の選手は大きな声と手を挙げて、自分の学校の選手を呼びます。
〇そして前の選手が倒れ掛かって渡したり、時には次の走者がひったくるようにして襷をもらいダッシュしたりていきます。この風景は、箱根駅伝などでもよく見ると思いますが、そのように実際に観戦の皆さんは、選手の走っている姿の裏に、様々なドラマを目の当たりにしています。
〇同日に東京では、正月の「箱根駅伝」の予選会が行われていましたが、こちらも大勢の人が声援していたようです。このことを通しても、日本人は駅伝が好きことがよくわかります。
〇この駅伝大会を経験し、将来は箱根駅伝に挑戦しようとする選手がいることでしょう。選手の皆さん、お疲れさまでした。これからも走ることを楽しみ、自分の特技として人生の支えにしてください。
須藤昌英
10月18日(土)生徒会引継ぎ式&前後期切り替え式
〇昨日の5校時、今月より先輩から後輩へとバトンタッチされた生徒会役員・委員長の引継ぎ式と前後期切り替え式を行いました。
〇まずこれまで活躍してきた旧委員長と生徒会役員からのあいさつがあり、続いて新たに3年生から生徒会組織を受け継いだ各リーダーから決意表明をしました。
【旧生徒会役員】
会長 米山涼さん(3年)
副会長 軍司漱磨さん(3年)
副会長 三浦唯人さん(2年)
執行部 鈴木大遥さん(3年)
【新生徒会役員】
会長 三浦唯人さん(2年)
副会長 酒井塔子さん(2年)
副会長 齋藤小春さん(1年)
執行部 嶋根真菜さん(2年)
執行部 堀川瑚夏さん(1年)
【旧委員長】
学年委員長 池田皇羽さん(3年)
生活委員長 小谷野桜子さん(3年)
美化委員長 江藤大雅さん(3年)
学習図書委員長 増田咲幸さん(3年)
給食委員長 三田村咲和さん(3年)
保健委員長 久保詩音さん(3年)
歌声委員長 山田結心さん(3年)
放送委員長 小林祥子さん(3年)
【新委員長】
学年委員長 篠崎琉華さん(2年)
生活委員長 染谷琉惺さん(2年)
美化委員長 志村羚弥さん(2年)
学習図書委員長 渕上佳栄さん(2年)
給食委員長 間野結心さん(2年)
保健委員長 荒井優大さん(2年)
歌声委員長 上田翔太さん(2年)
放送委員長 矢萩日菜さん(2年)
〇今年度の後期は、このリーダーたちによって、生徒会活動の目的である「自立・自律」に向けて活動を行っていきます。土中生徒会は全生徒228名を会員とした大きな組織です。組織には「リーダー」とその人たちを助ける「フォロワー」が欠かせません。フォロワーがリーダーに正しい情報を教えたり、リーダーの意思を具体的に行動に起こしたりすることにより、組織は成り立ちます。
〇そして特にリーダーは、「一番上のことと一番下のことを行う」ことが必要です。「一番上のこと」とは、組織全体が成長していけるように今後の方針や予定を示していくことです。それに対して「一番下のこと」とは、日頃から挨拶や清掃など基本的な生活習慣を身に付けてそれを自然に行えることです。
〇今月に行われる内閣総理大臣を指名する臨時国会を皮肉るわけではありませんが、リーダーが偉そうなことだけ言って、やるべきことをやらなければ、フォロワーはそのリーダーを信頼することはなく、結果としてその組織は成長できません。
〇本校のリーダーたちには、そういう人はいませんが、将来いろいろな組織で活躍していく彼らには、学校生活で「リーダー」「と「フォロワー」の両方の経験をしてもらいたいと願っています。
〇その後の前後期切り替え式では、ホームページのトップ画面にある「國分先輩への質問の回答」を紹介しました。10人の教員に國分教授の回答を読んでもらい、それぞれ一言ずつそれを読んだ感想を述べてもらいました。
〇國分教授は中学生でもわかるように、かみ砕いた説明をしてくれましたので、生徒たちにも何かしら参考になるところがあると思います。来年の創立80周年記念イベントには、國分教授に来校していただき、生徒との対話集会をこれから生徒会と一緒に企画していく予定です。
須藤昌英
10月17日(金)東葛駅伝壮行会
〇明日は第79回東葛飾地方中学校駅伝大会が行われます。そのために全校生徒で選手を応援する「東葛駅伝壮行会」を、昨日の6校時に実施しました。
〇まず駅伝部顧問の千葉教諭より、選手紹介とコース(全32㎞)説明をしました。
〇1区を走る選手に、校長から「襷(たすき)」を渡しました。襷には赤地に金色の刺繍で「柏市立土中学校」と書いてあります。このタスキを10区までつなぐのが最終的な目標です。
〇次に各選手の決意表明がありました。これまで練習してきた気持ちや当日の目標タイムを堂々と発表していました。
〇3年の工藤さんが全校生徒を代表して、激励の言葉を送り、最後に校歌を歌いました。選手も神妙な顔で聞いていました。
【東葛駅伝壮行会での校長の話】
〇日本では古来から中央と地方の情報伝達の方法として、飛脚が文書などを運んでいました。江戸時代には飛脚の健脚を競うコンテストがあったらしく、優勝すると皆からの憧れの的になったとの記録もあります。
〇襷(たすき)は、武士が真剣勝負するときに両肩にすることからきているといわれており、そこから1本のたすきをつなぎゴールを目指すことが、日本人には性に合っていたのかもしれません。
〇駅伝は日本発祥のスポーツで、その他の相撲、剣道、柔道、空手等と同じく世界に知られており、最近は「EKIDEN」でと書けば世界に通じるようになっています。
〇近代駅伝の歴史は、約100年前に、京都から上野(514km)を昼夜かけて走り、3日間で競い合ったそうです。
〇東葛駅伝は、今年(令和7年)は昭和100年であり、昭和23年(12校参加)から始まっているので、77年の歴史があります。土中が昭和22年創立ですから、ほぼ同じ時期にスタートしています。当時の中学生は、現在90歳くらいになっているのを考えると、歴史を感じます。
〇土中は過去に、優勝三回(昭和50、54、55年)、準優勝三回(昭和51、52、53年)と強豪校として、その名前が知れ渡っていました。その当時私は柏中学校の生徒でしたが、駅伝だけは土中にかなわなかったことを今でも覚えています。
〇東葛飾6市(柏市 松戸市 流山市 野田市 鎌ヶ谷市 我孫子市)から75校が参加します。箱根駅伝でさえ20校ですから、その3倍以上の出場校数です。
〇東葛駅伝は日本で唯一(中学生が一般公道を白バイが先導で、一人約3kmを10人で約30kmを走る)の大会で、毎年沿道には多くの人が応援に来ています。
〇私が思うに「駅伝の魅力」は、ルールがシンプルだからこそドラマがあり、ごまかしがきかない(選手どうしの駆け引きが難しい)ことです。また「駅伝の魔力」みたいなものもあり、それはその日の選手の体調や心の状態に大きく左右されることが多く、最後まで結果はわからないことです。
〇明日、私も自分の白バイで応援に行きます。秋の空の下を各選手が無事に完走できることを祈ります。
須藤昌英
10月16日(木)モチベーションと上手に付き合う
〇毎月学校には、いろいろな小冊子の寄贈があります。各団体が発行しているもので、せっかく送料もかけて送ってくださっているので、時間がある時は目をとおすようにしています。
〇PHPという月間冊子の7月号に、臨床心理士の関谷裕希氏が、表題の文章を投稿しています。一部を要約して紹介させていただきます。
やる気やモチベーションというと、自分の心の問題のように思えるかもしれませんが、私たちのモチベーションは、置かれている環境や、そのときどきの状況の影響を受けています。たとえば、読書感想文にやる気が出ず、結局ギリギリまで手をつけられない場合、課題の内容があいまいすぎることが、その一因かもしれません。ただ「感想を書け」と言われるのではなく、「主人公の考え方や行動に共感できた部分とそうでない部分を、理由もあわせて書いてください」と言われたら、とりかかりやすくなるでしょう。(途中略)こんなふうに、やる気やモチベーションが上がらないのは、あなたのせいではありません。モチベーションの仕組みを知ると、もっと自分のモチベーションと付き合いやすくなります。
何かに取り組むときのモチベーションの状態は次の4種類です。
【①やる気なし】
【②仕方なくやる】
【③大切だからやる】
【④楽しいからやる】
普段の活動を振り返って、自分のモチベーションはどの状態かな?と考えてみてください。①➡②、②➡③、③➡④とモチベーションを変化させるコツを紹介します。
【①やる気なし】➡【②仕方なくやる】
とにかく最初の行動を起こすために、「行動スイッチ」を押す必要があります。おすすめなのは、「もっと頑張らないと!」と自分をアメとムチで奮い立たせるよりも、親友を励ますように、自分にやさしい気持ちを向ける方法です。心理学では、セルフ・コンパッションと呼ばれます。やる気が出ない時に、「こんな状態ではダメだ!」と自分を責めるのではなく、「やる気が出ないこともあるいよね」「モチベーションを上げたくても上がらないのも苦しいものだよね」と自分に声をかえるのです。少しホッとした気持ちになって、モチベーションが自然と回復してきます。
【②仕方なくやる】➡【③大切だからやる】
「大切スイッチ」を押すために、自分がやっていることの価値や意味に注目します。たとえば、今やっている勉強や仕事が、五年後や十年後の自分にどう役立つのかを考えてみると、見え方が変わってくるかもしれません。毎日の掃除ならば、「クラスみんなが気持ちよく過ごせる環境づくり」につながっていると思うと、大事な仕事だと認識し直せます。
【③大切だからやる】➡【④楽しいからやる】
ここでは「喜びスイッチ」を押していきます。注目するのは「自分らしい楽しさ」です。「楽しいといっても、その種類は人それぞれ違います。だからこそ、自分に合った「楽しさ」のツボを見つけることが大切です。そのツボを日々の活動や学習に取り入れるのです。そう言われても、「自分らしい楽しさ」ってどうやって見つけるの?という方は、小さいころに好きだったことをヒントにしてみてください。たとえば「小さいころ、昆虫採集が好きでした」という人が5人いたとしても、実は楽しさのポイントがみんなバラバラです。
・「採集するのが好き」➡何かを探して手に入れるのが楽しい
・「こんな昆虫がいたと誰かと共有するのが楽しい」➡発見を伝えるのが好き
・「昆虫の絵を描くのが好き」➡観察して表現するのが好き
・「標本にしてコレクションするのが楽しい」➡体系的に整理・観察するのが好き
・「飼って育てるのが楽しい」➡生き物の成長を見るのが好き
このように、同じ「好き」「楽しい」でも、そのツボは人によって異なります。自分らしい楽しさのツボを探って、それを学習や活動に取り入れることで、「楽しいからやる!」という感覚が生まれるのです
〇まず、「やる気やモチベーションが上がらないのは、あなたのせいではありません」というところでホッとした気持ちになります。いくら頑張ろうと思っても、思いとおりにならないことは必ずあります。そんな時は私も、「自分の意思が弱いからだ・・」と自分を責めるようにしてきました。
〇しかしそういう自分も認め、自分にもやさしい気持ちを向ける「セルフコンパッション」こそ、次の新たなやる気やモチベーションを引き出すためには不可欠なことだと再認識できました。
〇やはり理想は4段階の最後である「楽しいからやる」だと思います。説明では昆虫採集が例として挙げられていましたが、好きなことは人それぞれみんな違うので、自分にあてはめて考えると良いと思います。
〇私にあてはめて考えてみましたが、40年続けてこられた教員という仕事もここ数年になってやっと、【大切だからやる】から【楽しいからやる】になってきたか?と思います。
〇この二つの差は、前者は教員としての義務的な気持ちがまだありますが、後者はもちろん教員としての責任感はベースにもちつつ、純粋に生徒たちの成長を実感できることの楽しさの方が大きい気がします。
〇生徒たちにも「モチベーションと上手に付き合うには?」について、機会を見つけて話したいと思います。
須藤昌英
10月15日(水)「暇」と「退屈」の違い
〇先日の夕方から夜にかけて、我が家に3回も宅配業者が訪れ、玄関先に「置き配」をしてくれました。ご存知の通り「置き配」とは、配達員さんが直接手渡しする代わりに、玄関前や宅配ボックスなど指定した場所に商品を置いてもらう非対面型の配達サービスのことです。
〇従来は住民が不在の場合、配達員が荷物をいったん持ち帰り、再度配達していましたが、あまりにもその非効率さが問題となり、もし在宅していなくても受け取れる方法を模索していたようです。
〇「置き配」が認められて、再配達の手間が省けるとともに、各自ライフスタイルに合わせて便利に荷物を受け取ることができます。
〇我が家も家族が別々にネットで「ア〇〇ン」に注文しますので、先ほどのような一晩に数回も別々な荷物が届くことがあります。注文する物は、水などの日用品、身の回りの雑貨、本などです。
〇私も最近は本の購入をする際に書店に行くことが減り、ネット注文が多くなりました。それまでは書店に出向き多くの本の中から目当ての本を探していました。また、もし欲しい本がなくても取り寄せを依頼し、数日後にまた取りに行くのが当たり前でした。
〇しかし今はネット注文で、はやい場合には翌日中に自宅に届くので、どうしても以前のように書店まで行くことを避けるようになっています。それでも書店には行けばそれなりの魅力があるので、まったく行かないわけではありません。
〇先日に届いた荷物の一つは私が注文した本で、ただ2冊だけだったので、こじんまりとした包装で、玄関先にちょこんと置いてありました。正直に言えば「便利だけど何回も配達してもらって申し訳ないな」という気持ちが一晩消えませんでした。
〇昨日も東京大学大学院の國分功一郎教授の著書『『暇と退屈の倫理学』を引用し、私が感じた「消費」と「浪費」の違いを書きました。その題名のとおり、國分教授は「暇」と「退屈」の違いについても、現代人が豊かさから得た「暇」を持て余し、それを消費社会が「退屈」の気晴らしに利用している状況を哲学者として分析しています。
〇一部を引用させてもらいながら、「暇と退屈の区別」について、自分が感じていることを書きます。
〇まず「暇」は客観的に何もすることがない状態であり、例えば私が書店に行く時間がなくなったことで、自宅にいながらも読みたい本が受け取れ、さらにその本を楽しく読むなどの時間的な余裕が生まれたことです。これは自分にとっては好ましいことであり、少なくとも不快感とはほど遠いものです。
〇それに対し「退屈」は、「暇」がもたらす主観的な不快感であり、もし私が先ほどように得た時間的な余裕を、「退屈」を避けるために、ダラダラとスマホで動画等を観る娯楽に興じていたとすると、結局最後には、「何となく無駄な時間を過ごしてしまったな。その分本でも読めば良かった」などと後悔(不快感)を抱くようなことです。
〇國分教授は、食事中や休憩中にスマホを何となくいじる(ながらスマホ)時間などは、「退屈を紛らわせるための【気晴らし】に過ぎず、それに依存し続けても、本当の満足感を得られない」と指摘しています。さらに、「自分自身の頭で考え、退屈との付き合い方を編み出していくことが、各自の【暇と退屈の倫理学】を構築する鍵となる」とも述べています。
〇現代人は仕事や家事の一部を機械やロボットが代役してくれるようになった分、時間的な余裕(暇)を持てるようになりました。ただその余裕を、自分が本当にやりたいことを味わうようにすれば決して「退屈」を感じることはありません。
〇もったいないのは、その暇を意識もなくながらスマホなどをして何となく過ごすことだと思います。これはむしろ子どもよりも大人の方が余計に気をつけないといけない・・かもしれません。
〇同居している二男は、親子ネコがトレードマークの宅配会社に就職して数年が経ちます。彼と前記の再配達の問題なども時々話をしますが、「会社も依頼者の要求にできるだけ応えるように改善策を考えているけど、人手が足りないことなど課題も多い」と教えてくれました。
〇それ以来、無暗にネット注文することなどは止めるようにしています。
須藤昌英
【「暇と退屈の倫理学」は高校の教科書に掲載されました】
10月14日(火)「消費」と「浪費」の違い
〇三連休の日曜日、朝自宅を出てすぐにスマートフォンを道路に強く落下させてしまい、慌てて拾い上げました。その瞬間に嫌な予感が走りましたが、やはりいくら電源を入れようと試みても、画面は真っ黒のままで全く反応しません。
〇それでも着信音は鳴るので外とはつながっているらしく、可能性が低いのはわかっていましたが、1時間おきくらいに再度電源を入れるなどの「悪あがき」をしていました。でもどうやら液晶画面が破損したようでした。
〇その日は新潟県まで行く予定があり、帰るのは翌日でした。本来ならばすぐに携帯電話ショップに行きたいところでしたが、仕方なくネット予約で翌日の帰宅後に店に行くようにしました。
〇久しぶりにスマホを見ない2日間でしたが、どうしても「緊急の連絡が入っていないか?」との心配だけは消えず、常に不安でした。普段からどれだけスマホに依存してきたことが、身に染みて実感できました。
〇そんな時、本校の卒業生である東京大学大学院の國分功一郎教授が、その著書『暇と退屈の倫理学』の中で、「消費」と「浪費」の違いについて書かれていることをふと思い出しました。この夏に読んだばかりでしたので、記憶に残っていたのでしょう。
〇國分教授は、現代の「消費」を、用意された快楽をただ受動的に受け取る行為と批判し、それに代わるものとして「浪費」と「贅沢」を再定義しています。私もそれまでは、「消費」と「浪費」はただの類義語くらいしか認識していませんでしたが、読んだときに「なるほどこういう区別もありか!」と思ったのでした。
〇「消費と浪費の対比」について簡単に紹介させてもらうと、「消費」は、現代社会において、多くの人が暇を持て余し、退屈しないように用意された快楽に身を委ねてしまう状態のことであり、例えば用もないのに常にスマホをいじっていることでしょう。常に受動的で、送られてくる情報をただ受け身の姿勢で受け取っているとも言えます。
〇一方で「浪費」は、「贅沢(ぜいたく)」とも関連していますが、「物を受けとること」に「楽しむ」という能動的な意思が加わった状態のことであり、物事の背景やその本質をより深く知ろうとし、そういう知的な楽しみ方を増やす行動です。「学びながら楽しむ」ことで、より豊かな体験を得ることを目指す姿とも言えます。
〇私たちはグルメとまでいかなくても、たまには美味しいものを食べるなどの贅沢をするときがありますが、その時、満足し幸福を感じたりしながらも、その反面心中で少し罪悪感をいだいたりします。これは「贅沢」が「余剰」であって「必要」とは対立するものとして捉えられているためです。
〇ただ美味しいものを際限なく食べ続けることはできず、「贅沢(浪費)」は満足すると止まります。國分教授はこれを「浪費の対象が食べ物や洋服、その他の【モノ】であるのに対して、消費の対象は【観念】である」と指摘しています。
〇例えば今回私はスマホの再購入を余技なくされましたが、携帯会社ショップでは若い店員さんが、新しい機能やより大きいメモリ量等に関して、様々な「お勧め」の提案をしてくれます。
〇でもその際、「確かにバージョンアップされたスマホを使えば今よりもさらに便利かもしれないが、自分が通常の生活でそこまでその機能を使うのか?」という視点で考え、多くの提案に対し、「それは不要なのでけっこうです」と断りました。
〇スマホの本体価格や月々の通信料を考えると、私にとってスマホはまだ「贅沢(浪費)」の部類に入ります。ただ仕事や外部との連絡等にはもう欠かせないモノであるので、ある意味仕方なく機種変更しました。
〇しかし相手の提案する宣伝文句や聞こえの良い誘惑等に踊らされて、要らないスペックなどまで付けて購入することが「消費」にあたるのではないか・・・と思います。つまり受け身的で、あとで「やっぱり要らなかったか?」となる可能性が大きいと思います。
〇國分教授は前記の著書の中で、「私たちはいつまでも満たされない【消費者】の状態から脱け出し、満足によってとまることのできる【浪費家】にならなければならない」と、提起されています。
〇私は最高グレードではないスマホでも、携帯しているだけである意味満足しています。ただ使い慣れないスマホで、今までと同じことをするにも倍以上の時間がかかるので、昨夜からイライラすることが増えたのが一番の悩みです。
須藤昌英
10月10日(金)ビブリオバトル(知的書評合戦)
〇今から25年位前までは、10日10日と言えば「体育の日」の祝日でした。1964年の東京オリンピックの開会式が行われたことから、1999年までこの日を固定して「体育の日」と呼び、その後10月の第2月曜日に変更されたり、「スポーツの日」と改称されたりしました。
〇私などはまだ10月10日は体育の日のイメージが強いですが、今朝などはやっと秋が深まってきたと感じます。秋と言えば「食欲の秋」「スポーツの秋」とも言われますが、何といっても「読書の秋」が一番知的さを感じます。
〇読書に関して先日、知的書評合戦(ビブリオバトル)が、柏市教育委員会の主催で行われました。本校からは、渕上佳栄さん(2年)と高橋希菜さん(1年)が代表者として参加しました。
〇ビブリオバトルとは、参加者がそれぞれ「1冊の本」を持ち寄り、3分間でその魅力を紹介し、一番読みたいと思った本を「チャンプ本」として投票で決める書評合戦ゲームです。
〇発案者は京都大学の谷口忠大教授で、書籍を通じて人との出会いやコミュニケーションが生まれることを目的としており、小・中学校、高校、大学、図書館、書店など、様々な場所で活用されています。
【ビブリオバトルの進め方】
1 紹介する本を選ぶ:参加者は自分が面白いと思った本を1冊選び、紹介する本として持ち寄ります。絵本、写真集、漫画、雑誌など、どんな本でも紹介可能です。
2 発表者による紹介:発表者(バトラー)は、それぞれ持ち時間3分間で本を紹介します。
3 質疑応答:紹介後、2分間の質疑応答を行います。
4 投票でチャンプ本を決定:発表者を含む参加者全員が、「一番読みたくなった本(チャンプ本)」を1人1票で投票します。
5 勝者決定:最多票を集めた本がチャンプ本となります。
【ビブリオバトル特徴と魅力】
①人を通して本を知る、本を通して人を知ること
ビブリオバトルは、本を紹介する人を通してその人自身を知り、本を読むことでその紹介者の人柄や考え方を理解する機会を与えてくれます。
②参加者全員で楽しむこと
ゲーム感覚で書評を行うことで、参加者同士が書評を通じてコミュニケーションを深めることができます。
③様々な場所で活用できること
学校教育での読書活動や、図書館、書店でのイベント、企業研修など、幅広い場で開催されており、読書離れ対策やコミュニケーション能力の育成にも貢献しています。
④多様な本に触れられること
様々なジャンルの本が紹介されるため、普段手に取らないような本に出会うきっかけにもなります。
〇本校の2名の生徒は、渕上さんが「つくられた心(佐藤まどか著)」、髙橋さんが「余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話(森田碧著)」を取り上げ、それぞれ物語のあらすじや自分の心に一番残った場面、さらに読者に一番読んでもらたい箇所などを紹介しました。
〇プレゼンテーションの冒頭で、二人はそれぞれ次のように語りかけました。
渕上さん「みなさんは、普段一緒に過ごしている友達が、もしも人間でなはく、精巧に作られたアンドロイドだとしたら、どう思いますか?」
髙橋さん「みなさんは、あと余命が一年と言われたら、何をしたいですか?私だったら、友達とたくさん遊んだり、家族と一緒に出掛けて思い出をつくると思います。」
〇いかかでしょうか?もうこれを聞いただけで、プレゼン者の話に引き込まれそうになりませんか?そして「その本を読んでみたい!」となることでしょう。
〇ここがビブリオバトルの一番良いところです。普段の授業では共通の教科書を使用して進めていますので、発表はどうしても教科書を意識して、「正解探し」のようになります。
〇しかしビブリオバトルは、各自が自分で気に入った本を紹介するので、正解はありませんし、その分堂々と自分の意見を表明できるのです。当然他人を気にすることなく、表情にも自信が満ちています。
〇逆を言ううと、授業の発表場面でも教科書の正解探しではなく、「僕は教科書のこの部分を読んで、〇〇だと思った」とか「私は教科書に●●と書いてあったけど、◇◇ではないかと思う」などの視点で発表すれば、ビブリオバトルの良さを取り入れた発表になると思います。
〇変化の激しい社会を生きていく生徒たちには、この自分で読んだり調べたりしたことについて、自分で考えそれを自分の言葉で語れる力が必須となります。
〇今回は国語科における読書の場面で、二人の生徒たちを紹介しましたが、すべての教科ですべての生徒たちが同じような力を育成していけるように今後も取り組んでいきます。
須藤昌英
10月9日(木)「ノーベル平和賞」受賞から1年に思うこと
〇10月になると、ノーベル賞が一週間にわたって発表され、毎年のように日本人の受賞の可能性が報道されています。今年の受賞者の発表は、6日が生理学・医学賞、7日が物理学賞、8日が化学賞、9日が文学賞、10日が平和賞、13日が経済学賞となっています。
〇過去には日本人も多く受賞していますので、やはり私もそこに注目しています。ここまでに生理学・医学賞に、坂口志文・大阪大栄誉教授を含む3名、化学賞に北川進・京都大学理事(副学長)を含む3名が選出されました。これで日本人が個人として受賞したのは、30人だそうです。
〇坂口氏の研究内容は「自己免疫(細菌やウイルスから体を守る免疫システム)」に関することで、今後は免疫の抑制を解除してがん細胞への攻撃力を高めたり、移植手術で拒絶反応を少なくしたりする治療法につながる可能性があるそうです。
〇北川氏の方は、「多孔性金属錯体」を開発し、それにより今後は狙った物質を内部にとじ込められるようになり、例えば地球環境に関して、脱炭素や有害物の除去など幅広い産業の発展に寄与することが評価されたようです。
〇正直に言って、それぞれの研究の内容は素人の私にはよく理解できませんが、二人とも自分の興味を優先し、多くの困難に立ち向かったからこそ今の名誉があるのです。いずれにせよ同じ日本人が長年の研究を続けたことに世界が評価を与えていることに誇りを感じます。
〇私が一番感じるのは、このような方々が後輩の若者に送るメッセージが、何より若者たちを勇気づけるものになっているということです。
〇坂口氏は「興味を持続して、いろいろな試みをすることが重要。 継続するうちに新しいものが見えてくる」、北川氏は「チャンスは祈るものではなく、自分でつくり上げるもの。 周りの人と共同しながら、自分をつくり上げていってほしい」と若い人たちに語っています。
〇中学生もとても純粋です。こういうメッセージを聞いて、「自分にも何か挑戦できるかも?」「今取り組んでいることをとりあえず続けてみよう!」と感じた生徒も多いと想像しています。
〇ノーベル賞はもちろん特別な人しか受賞できませんが、もっと中学生の近くにいる我々大人の姿や行動も、「彼らにとって何かの規範となっていきたいものだ」といつも思います。
〇大それたことでなくてもいいと思います。例えばいつもニコニコと笑顔でいるとか、何らかの相談を中学生から受けた際にはまずは受け止めてあげられるとか、今できることを多くの大人が意識していけば、中学生ももっと周囲に心を開いて、何事にも失敗を恐れずに挑戦していけるかもしれません。
〇昨年のノーベル賞に関して私が強く印象に残っているのが、ノーベル平和賞が「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」に決まったことです。
〇受賞理由について昨年の選考委員長は、「核兵器は道徳的に受け入れられず、二度と使用すべきでないという私たちが『核のタブー』と呼ぶ国際規範を形づくる上で、被爆者の証言が重要な役割を果たすと見ているからだ」「ウクライナに対するロシアの脅威をみると、これは人類に対する脅威の問題となっている。核のタブーが軽んじられると、最終的は核兵器が再び使用されることにつながる可能性がある」と指摘しました。
〇また同じく委員長は「来年は広島と長崎で核兵器が使われてから80年になる。この間、核兵器が使用されていないことは、人類を代表する形で被爆者によってなされた偉業だ」と述べ、被爆者たちのこれまでの活動をたたえました。
〇さらに「世界のすべての政治指導者に対し、人類と核兵器は共存できないというメッセージを送りたい。被爆者の痛みや苦しみに耳を傾け、『核兵器によって自分たちが経験したことをほかのだれも経験すべきではない』という彼らのことばを聞いてほしい」と訴えていました。
〇そして最後に被爆者や日本被団協に対して「何十年にもわたって継続してきたかけがえのない活動と、それを若い世代が引き継いでいることに感謝している」「世界中の国々の市民社会が核軍縮を政治課題として提起するため行動を起こすことを願っている」として今後、核軍縮の機運が高まることに期待を示していました。
〇今年は「昭和100年」「戦後80年」の節目の年です。日本は少なくともこの80年間は、戦争で人が亡くなることはありませんでした。しかし今でも世界各地には紛争や戦争が続いており、多くの人命が失われています。
〇ノーベル賞は1年に1回ですが、日本被団協がこの平和賞を受賞した意義は、日本人が365日休むことなく平和について考えていくきっかけとなったのではないか?と思います。
〇これから先も日本が戦争に巻き込まれないためにはどうしていったらよいか?大人も若者も一緒に考えていく課題でしょう。
須藤昌英
【昨年のノーベル平和賞の授賞式】
10月8日(水)自動採点システムと絶対評価(目標に準拠した評価)
〇今日から、先週末に実施した期末テスト答案用紙の生徒への返却が始まります。昨年より柏市の中学校は、教育委員会が事業者と提携して導入した自動採点システムを導入しています。教員の働き方改革の一つとして、採点の効率向上や集計ミスの根絶、採点基準ブレの低減が出来ることが導入の目的の一つです。
〇私は過去に数学が担当をしており、だいたい1回の定期テストで150~200枚の生徒の答案用紙を採点してきました。問題の内容にもよりますが、すべてを採点し終わる時間ははやくても数時間、長い時には一クラス90分(5クラスで7時間以上)の時間を要していました。
〇当然の事、勤務時間内では終わりませんので、夜遅くまで職員室で行い、それでも終わらなかったり週またぎの日程になったりする場合には、管理職の許可をもらい答案用紙を自宅に持ち帰り、ウィークディの夜半過ぎや週末の夜に採点していました。当時に自動採点システムがあったら、どれほど良かったことか・・と今は思います。
〇教員としてはテストを採点することで、生徒たちの理解度が把握できますので、正答率の低い内容は再度授業で取り上げたり、次からの授業のやり方を随時変えたりしています。つまり生徒たち向けだけではなく、教える側への「評価(フィードバック)」としての役割もあります。
〇今回の自動採点システムの最大の利点は、設問ごとに全生徒の解答がパソコンの画面に一斉表示されるので、全体としてどのくらいの正答があるかや、どの生徒がどれを誤答しているかなどを一目で確認できるところです。
〇もちろんこのシステムに採点させるだけでなく、最終的には教員が一つ一つを自分の目で確認して、必要に応じて修正してから返却します。
〇またデータはクラウド上で一元管理されている為、設問ごとの採点者分担が一切の負担がありません。さらに今後は、担当教科・学年の垣根を越えた連携で、教科内の意識統一や、他学年の状況把握も可能になります。これはデジタル化・クラウド版ならではのチームワークの強化となります。
〇さらに弱点を補強するものとして、各生徒に応じて誤答した設問の類似問題を作成し、テスト後に行うこともできます。これはこれまで出来なかった個別最適化学習として、生徒個人を対象とした補習学習となります。
〇今週から来週にかけて前期日課を終了し、後期日課に移行します。17日には、前後期切り替え式を行ったあと、前期の通知票を配付します。
〇年度当初の保護者会で説明したとおり、通知票の評定は定期テストの結果のみをもって算出するわけではありません。課題やレポート等の提出状況や授業への参加意欲等も勘案し、総合的に評価しています。
〇また本校でも他校と同様に、生徒の成績を評価する方法として、「絶対評価」で行っています。以前は「相対評価(あらかじめ決められた割合で各評定の人数をはめこむ)」であったことで、生徒へ様々な不利益があったことを改正し、他の生徒の成績を考慮に入れず、あらかじめ設定した到達すべき目標に対して、どこまで到達できたかで評価する方法です。
〇少し詳しく説明すると、まず各教科ごとの3つの評価観点に「A:十分満足できる B:おおむね満足できる C:努力を要する」の3段階で評価します。3つの観点とは、「知識・技能」「思考・表現・判断」「主体的に学習に取り組む態度」で、この3点での評価を「観点別評価」といいます。
〇次にその3段階の観点別評価の割合に応じて、「5:目標を十分に達成した4:目標を達成した 3:目標をほぼ達成した 2:目標の達成にあと一歩 1:目標の達成のために努力を要する」の5段階で評定を算出します。
〇配付された通知票は、誰かと比べて「良かった」とか「悪かった」を見るためのものではありません。学校と家庭が協力して、子どもたちをより良い方向に育てるものです。
〇絶対評価の良いところは、一人ひとりの学習状況がどの程度であるかをはかれることです。努力の成果を認めてあげたり、またどんなことを頑張っていけばよいかを親子で一緒に考えたり、話し合ったりして、今後の生活に役立てていただきたいと思います。
須藤昌英
10月7日(火)初の女性内閣総理大臣の誕生か?(ジェンダーフリー)
〇先週末に自由民主党の総裁選挙があり、初めての女性総裁が誕生したニュースが大きく報道されました。高市早苗氏は今月中旬に召集される臨時国会で、日本史上初の女性内閣総理大臣(首相)になる公算が高いようです。
〇このような大きな変化があるとき、私たちはこれまでの経緯を振り返ったり、これから先の動向を考えたり論じたりすることが多いと思います。また「初めての~」という言葉にやたらとこだわる傾向もあります。
〇確かに今回は、その人物の人柄等よりも「初の女性首相」という性別が注目されることは仕方ないと思います。しかし私はむしろ自民党総裁の多くが親等からの世襲制に従い、政治家の子や孫がなっているのに対し、高市氏は親が政治家ではない自民党総裁として、菅義偉元首相以来となります。人物に視点をあてるならば、こちらの方がもっと大きな意義があると思います。
〇高市氏は大学卒業後、未来のリーダー育成を目的とした「松下政経塾」に入塾し、政治の道を志しました。1993年の衆院選に無所属で出馬し初当選し、それ以後内閣や党の要職を歴任しています。
〇海外ではアメリカの有力紙ワシントン・ポストが、高市氏の総裁選出について、「男性優位の日本の政界で初の女性リーダーとなり、“ガラスの天井”を破った」と紹介したようです。
〇男性優位と言えば以前から国際的に、日本社会は「ジェンダーギャップ(男女の性別の違いにより生じる格差)指数」が国際的に低いことが知られています。「ジェンダーギャップ指数」とは、その値が1に近いほど男女間格差は小さく、0に近いほど大きくなります。
〇2025年現在、日本は148か国中118位で、特に政治・経済分野の格差が大きく、先進国の中で最低レベルに位置しています。昔から政治や経済分野での男女格差が顕著であると広く認識されてきましたが、この指数によってその差が歴然であることがわかります。
〇日本では長い間、男性は「弱い者を守る」「経済力がある」、女性は「気遣いができる」「家庭的」といった役割を求められ、この性別に基づく固定観念が差別や偏見の経験につながっているとも指摘されています。
〇具体的には男性はお金を稼ぐ役割が根強く、その分家事・育児負担は主に女性が担うことが多く、家事や育児における男女間での認識に大きな隔たりがあることも、男性優位性を裏付けています。
〇しかし一方で、若い世代ではそれらの平等意識が高まる傾向が見られるそうで、今後はさらに認識のギャップを埋めるための意識改革が求められています。
〇私が幼少の頃は、街中を走っている車の運転手はほぼ男性で、たまに女性を見かけると、珍しいので振り向いて見ている人が多かったのを記憶しています。しかし今では性別の差はなく、私も通勤時にはむしろ女性ドライバーとすれ違うことの方が多いくらいです。
〇私は決して政治のことに口出しをしたいのではなく、日本もはやく欧米並みに、世の中に女性のリーダーが当たり前のようにあちこちに存在し、性別の差に関係ない平等な社会になることを期待しているだけです。
〇最近は「男らしさ」や「女らしさ」という言葉もあまり使いません。以前は親や教師から、「男は男らしく、女は女らしくしなさい」という言葉がけが多くありましたが、家庭は別にしても少なくとも学校現場で今、その言葉を使っている場面は見たことがありません。
〇「男らしく」や「女らしく」という以前に、生物的に男性には男性の特徴、女性には女性の特徴があることは言うまでもありません。
〇一例では、男女の身体構造の相違として、一般的に男性は女性よりも骨格が太く、筋肉量も多い反面、女性は体脂肪率が高い傾向にあります。また新陳代謝面では、運動時に女性は主に脂肪をエネルギー源とする一方、男性は炭水化物をより多く利用する傾向があります。
〇私はこれらの特徴を正しく認識していれば、あえて「男は男らしく、女は女らしくしなさい」という指導は不必要ではないか?と考えています。重要なのは、男性と女性がお互いに相手の特徴や得意な面を認め合い、協働していくことだと思います
〇3月までの3年間勤務した富勢中では、毎年変わる3人の生徒会長はすべて女子生徒でした。私も最初は少し驚きましたが、リーダーシップがあり、聡明な生徒ばかりでしたので、すぐにその違和感はなくなりました。
〇高市氏が内閣総理大臣に就任すれば、閣僚のメンバーにも今まで以上に女性が多く登用されることでしょう。大きな変化の際は、その違いだけに注目するのではなく、より本質的な変化を見つめていくことが重要だと思います。
須藤昌英
10月6日(月)スケアードストレイト(自転車交通安全教室)
〇先月の21日(日)~30日(火)までの10日間は、秋の交通安全運動があり、交通安全指導のボランティアさんが各交差点等に立ってくださっていました。
〇ある交通安全ボランティアの方から、「朝や夕方は車の運転手も急いでいるから、信号前で減速しながら、手元のスマホをみている人もいて、中学生の自転車と接触しないか、いつもハラハラしています。」「中学生は車を運転したことがないから、運転席からの死角や運転手の心理がわからないのだよね」との声をいただきました。確かにそうだと思いました。
〇そこで金曜日に、プロのスタントマンが交通事故の場面(自転車と自動車が衝突するなど)を校庭で再現してくれる「スケアードストレイト(自転車講習)」を行いました。これは自転車通学者だけではなく、普段から自転車に乗ることの多い中学生を対象とした柏市教育委員会主催(協力:千葉県柏警察署及び柏交通安全協会)の交通安全教室です。
〇当日は中学生には少し衝撃のシーンもあったかもしれませんが、万が一のことを想像でき、それを回避するための行動につながるよう、しっかりと心に刻んでほしいと願っています。
【冒頭の校長の話】
昨日と今日の期末テストはお疲れ様でした。今日の放課後、解放感に浸るのはわかりますが、帰宅してから自転車を飛ばして乗っていると、大きな事故になる可能性があります。そんな君たちに今日は柏市役所防災安全課、柏市教育委員会、柏警察署交通課の皆さまとスタントマンの派遣会社のおかげで、自転車交通安全教室を開きます。皆さんも普段から塾や買い物等で自転車を多く利用していると思います。皆さんも知っていると思いますが、自転車は道路交通法では軽車両として扱われており、交通ルールを守らないと乗ってはいけません。また自分だけで守っても交通事故に巻き込まれることがあります。私も先日車を運転し、交差点を曲がり横断歩道の歩行者が通り過ぎるのを待っていました。歩行者が渡り終わったので車を発進しようとしたとき、そこへ猛スピードの自転車が前に出てきました。慌ててブレーキをかけぶつからなくて良かったですが、そもそも自転車で横断歩道を渡るときは、自転車を降りて渡るのが本来のルールです。皆さんも同じような経験をしたことがありませんか?少なくとも自転車から降りなくても、歩行者並みのスピードで横断歩道を渡りましょう。車は急に止まれません。車の運転手さんと目を合わせ、「私は渡りますと」とアピールするとよいでしょう。過去には「ながらスマホ」の中学生が自転車で老人に衝突し、転倒させ、死亡させるという事件も報道されていました。それに伴う賠償金も何千万円になっているようです。また道路交通法が変わり、自転車もヘルメット着用が努力義務になっています。もし転倒した際、まずは頭を打たないように守らないと致命傷になる可能性が高いです。「君たちが被害者にも加害者にもなってほしくない」というのが、保護者・地域の皆さん・先生方の共通な願いです。今日はしっかりと話を聞き、交通事故の悲惨さをイメージしながら参加してください。
須藤昌英
10月3日(金)自分の言葉で語ることの難しさと大切さ
〇先月から3年生との校長面接(約15分間程度)を行っています。あらかじめ質問シートに生徒が回答を記入済で、それを参考にしながら、質問をその場で考えています。
〇もちろん個性がありますが、気になるのは、あらかじめシートに書いた自分の回答を覚えたままに答える生徒とさらにその場で思ったり考えたりしたことを自分の言葉で言える生徒の違いです。
〇私は時々シートにない質問もしています。その際、後者の生徒は慌てることなく、「少し考えさせてください」と断ってから、しっかりと考えた後で「私は~だと思います」と答えています。
〇不測の質問にその場で自分の経験を土台にして、自分の言葉で語れるというのは、やはり普段の生活や授業の中で、自分の考えを書き留めたり、それをもとに発言したりしているからだと思います。それを繰り返す中で、段々と自分の考えの方向性が固まってきたり、他人の考えと自分の考えを比べたりし、柔軟に学んでいるのでしょう。
〇ここまでの中で、キラリと光る生徒の回答を一部だけ紹介します。
質問1「この高等学校を志望する理由を教えてください」
回答1「はい、この学校へ夏休みに見学に行った際、学校全体が明るい雰囲気で、あちらの説明では『文武両道』を目指していると聞き、この学校で充実した高校生活を送りたいと考えたからです」
質問2「あなたが将来、看護の仕事をしたいと思ったきっかけはなんですか?」
回答2「はい、小学校2年のとき、怪我で入院した際、優しく接してくれた看護師の方のように、人のために働きたいと思ったからです」
質問3「あなたの特技はなんですか?」
回答3「はい、特技ではないのですが英語が好きなので、11月頃に英検準2級に挑戦するつもりで、今問題集で勉強をすすめています」
質問4「得意(好きな)教科を教えてください」
回答4「はい、社会です。地理や歴史は暗記も必要ですが、その事実のつながりや流れを考えるのがとても楽しいからです」
質問5「あなたの長所と短所を1つずつ教えてください」
回答5「はい、長所は粘り強く何かに取り組むことです。ただ短所は夢中になると周囲が見えなくなり、人の話が聞けなくなる所です」
質問6「中学校生活での一番の思い出はなんですか?」
回答6「はい、修学旅行です。知らない京都の街を班員と協力して目的地にたどり着いた時の達成感が忘れられません」
質問7「尊敬する人物は誰ですか?」
回答7「はい、両親です。体調を崩しているときでも、家族のために文句も言わず働いてくれ、自分のことも気遣ってくれるからです」
〇お気づきだと思いますが、回答は最初に「結論(考えたこと)」を言い切り、その後に「理由(思っていること)」を言うと、相手に伝わりやすく好印象になります。
〇これは一朝一夕で身に付くものではありません。でもそれを意識しながら生活していると、いつの間にか相手に伝えるにはこれが一番伝わりやすいことがわかってきます。
〇「入試」と言う目先の関門もありますが、卒業後の「人生」にも、自分の言葉で、相手にわかりやすく語ることは重要になってくると思います。
須藤昌英
10月2日(木)前期期末テスト
〇今日と明日の二日間で、7教科のテストを行っています。ここまで準備してきたことを出し尽くせるように祈っています。
〇東京大学大学院の池谷裕二教授は、著書「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」の中で、学習と脳や記憶について書いています。要約して引用させてもらいます。
【分かる】とはとりもなおさず、【分けられる】ということ。だからわからないと嘆く暇があったら、【分ける】こと。分かるところまでさかのぼって、そこからやり直すこと。【分からない】のは【分けられない】ことだから、とにかく小さく刻み、スモールステップが最善最短。大局をつかんで、大きくいくつかに切ってさらにそれを刻む。勉学とはレンガを積んで家を建てるようなもの。変化する環境の中で動物が生きるためには、過去の記憶を頼りに、その場で臨機応変に判断する必要がある。もし記憶が正確無比であったら、変化の中では生かせない無意味な知識となる。記憶には厳密さよりもむしろ曖昧さや柔軟性が必要。ほどよく曖昧で柔軟性があるからこそ、何度失敗してもそれを活かして成功に導くことができる。手間のかかる『消去法』の理由はここにある。自分が正確にものを覚えられないといって悲観することはない。脳とは本来そういうもの。いつまでたっても記憶には曖昧な部分が残っている。失敗して「後悔」ではなく、「反省」することが大切。何かを学習しようとするときは、まず全体像をしっかりと理解し、細かいことはあとから少しずつ覚えていけばよい。どっちみち記憶は曖昧なので、はじめは似ているものは区別できない。英語をマスターするとフランス語の習得もたやすくなる、つまり応用する力が見につく。これも脳が『消去法』を使っているから可能であり、要らないものを削っていくという方法は、物事の本質(エッセンス)を残すという戦略。脳はものごとを記憶するときには、その対象自体を記憶するだけでなく、同時に対象への「理解の仕方」もいっしょに記憶していることがうかがえる。その理解の仕方を利用して、異なるものごととの間に潜む「法則性」や「共通点」を見つけ出して、ほかの対象をより速くより深く理解することができる。一つのことを習得すると、ほかのことを学習する基礎能力も身につくなんて、なんとも都合のよいことではないか。この現象は「学習の転移」と呼ばれる。転移の効果は、学習レベルが高くなるほど大きくなる。つまり多くのことを記憶して使いこなされた脳ほど、さらに使える脳となる。
〇専門的なことも書かれていますが、要するに「失敗を恐れずにチャレンジし、もし失敗したらそれを次にいかそうとする姿勢」が重要だということです。言われてみれば当然のことですが、あらためて専門家に指摘されると、「やっぱりそうだよね」と腑に落ちます。
須藤昌英
10月1日(水)進路保護者会(3学年)
〇昨日は5時間授業後、3学年生徒を下校させ、来年度の入試に向けた進路保護者説明会を行いました。3年生の保護者が主でしたが、1、2年生の保護者の方々も、下記の資料を参考にしてください。
〇まもなく義務教育9年間を終えるこの時期、生徒がまず将来どのような方面に進みたいのかを家庭でよく話し合いを重ねてください。そしてその希望を実現させるための第一ステップとして、高等学校などの上級学校への進学を考えることになります。
〇この時点で明確に将来につきたい職業までを考えている生徒はまだ少数です。でも「職業などはそのうちいつか考えればいい・・」などと、自分の気持ちと正面と向き合わないまま志望校を選択しようとしても、受験準備が長続きしません。
〇私も過去に中3担任を10回経験しましたが、「なぜ自分はこの学校を志望しているのか?」と常に問いかけていないと、なかなか受験当日までのモチベーションを保てないのが中学生です。学校でもアドバイスを継続していきますが、ご家庭でも本人との対話を通し、励ましや助言をお願いします。
須藤昌英
9月30日(火)避難所開設体験(学校に泊まろう)
〇先週末の土曜日と日曜日は、土中学校区青少年相談員さんが主催して、本校体育館を災害時の避難所として想定した防災訓練を行いました。昨年までは土小学校の体育館で行っていましたが、現在改修工事のため、今年は空調がある本校体育館を使用しました。
〇土小と増尾西小の4年生80名が元気よく参加しましたが、中学校は定期テスト前のため、生徒1名のみの参加でした。来年は開催時期をズラし、中学生も多く参加できるようにしたいと考えています。
〇柏市消防団のポンプ車が来校しての乗車体験、AED(自動体外式除細動器)を使った救命講習、災害用炊き出し食の試食、夜間地域パトロール、就寝前の映画上映、避難テント(パーテーション)での就寝、少林寺ご住職の指導による座禅体験などのメニューがありました。
〇しかし小学生にとっては一番楽しかったのは、体育館内でのドッチボールだったようです。就寝後はなかなか寝付けなかった子もいたようですが、朝は5時ごろから起きだしており、子どもの体力や回復力の凄さを感じました。
〇地震などが発生した実際の場面では、本校体育館は柏市指定の避難所となり、東武なかはら団地自治会や増尾町会の一部の住民の方々が来校されます。最大の収容人数は287名ですが、自宅で避難される方々への水や災害用品の配布拠点にもなります。
〇増尾・中原地区(小学校3校、中学校2校、高等学校1校)は、増尾近隣センター長が災害本部長となり、柏市職員が複数人ずつ各学校に割り当てられています。そこへ各町会や自治会の防災担当者の方が加わり、受付、駐車場設定、パーテンション設営、臨時トイレ設置、ペット受け入れなどの役割分担が計画されています。
〇生徒は大人になるにつれて徐々に人間関係を広げていきますが、彼らにとって親や教師は「縦の関係」、兄弟姉妹や友人は「横の関係」なのに対し、地域の方々は「斜めの関係」だとよく言われます。「縦でも横でもない斜め」であることで、気軽にしかもあたたかく見守ってくれる存在であることが、彼らの心理状態を安定させます。
〇本校唯一の参加者であった中1の男子生徒は、受け入れの大人にまじって小学生へのお世話をしていました。「有難う!」「頑張ってるね!」と声をかけてもらうことで、「自分も役になっている」「良いことをすると気持ちいいな」などと、自分の存在を見つめなおしたり自己の有用感を高めたりできます。
〇災害発生時の実際の避難場所では、中学生や高校生が活躍していたことがこれまでの各地の災害リポートから報告されています。災害は起きてほしくはありませんが、もしそうなった場合には人生の中で一番活力があふれる彼らに頑張ってもらうしかありません。
〇日本では大昔から大地が揺れるのは、ナマズなどが暴れるということが信じられてきましたが、今は科学的に見ても、日本列島は「地震の巣」であることが判明しています。少しでも避難所が地域の方々の安心できる場所になってほしいと願っています。
須藤昌英
【増尾地域ふるさと協議会のホームページより】
9月29日(月)市内駅伝・ロードレース大会
〇9月26日(金)県立柏の葉公園と競技場において、令和7年度柏市内駅伝大会が行われました。晴天で残暑厳しい中、公園内の巡回コースを、一人が約3㎞を女子は5名、男子は6人でタスキをつなぎました。
〇結果は女子チームが52分36秒で16位(18校中)、男子Aチームが63分45秒で12位(21校中)、男子Bチームが67分41秒で8位(17校中)でした。
【女子チーム】
1区酒井塔子さん(2年) 2区生澤陽夏さん(3年) 3区石塚心春さん(3年) 4区土屋潤佳さん(1年)
5区仲山瑠色さん(2年)
【男子Aチーム】
1区荻谷水都さん(2年) 2区中野健歩さん(3年) 3区山田結心さん(3年) 4区原 葵已さん(3年)
5区軍司漱磨さん(3年) 6区石川遥馬さん(3年)
【男子Bチーム】
1区若佐 瞬さん(2年) 2区富山 航さん(2年) 3区篠原歩夢さん(3年) 4区石井陽路さん(2年)
5区鈴木大遥さん(2年) 6区髙橋大志さん(3年)
〇また駅伝ではなく、女子個人のロードレースには、舟山凛さん(2年)、西條小百合さん(1年)、村田莉娃さん(1年)が参加しました。男子個人ロードレースには、工藤渉さん(3年)、志村羚弥さん(2年)、染谷宣喜さん(1年)、宇佐美元就さん(1年)、熱田樹さん(1年)、吉村碧透さん(1年)、東嶋笑輝さん(1年)が参加し、特に志村羚弥さんが5位に入賞しました。素晴らしい結果でした。
〇選手の皆さんは、夏休みの朝から走り込みを繰り返し、心肺機能を高めてきました。長距離走の魅力は、目標達成による自己肯定感の向上、ストレス解消、そして走る仲間との連帯感です。自身の限界に挑戦して走るのはつらいですが、結果として心身のバランスが保たれることで、生活習慣の改善にも役立ちます。
〇公園内には、各校の多くの保護者も応援に来ており、生徒はその声援を受けながら、これまでの練習をいかし精一杯力を発揮しました。次は10月18日(土)の東葛飾地方中学校駅伝大会です。こちらは約30kmにわたる公道を警察の白バイを先頭に、10人でタスキをつなぎます。また応援をお願いいたします。
須藤昌英
9月26日(金)選挙管理委員会と生徒会本部役員選挙
〇昨日、新生徒会役員(会長1名、副会長2名、執行部員2名)を決めるための立会演説会と投票選挙がありました。まず体育館で立候補者5名推薦責任者5名の真剣な話に耳を傾け、続いて各教室で「信任投票」を実施しました。生徒たちは各候補者の話を聞いて、「信任」または「不信任」のどちらかを選択しました。
〇1,2学年は、自分の端末(タブレット)から入り、グーグルフォームで投票しました。今後いつかは国政選挙等も同様に、ネット投票になると言われていますので、その予行練習という意味もあります。
〇ただ3学年だけは、現在の選挙にならい、紙の用紙による投票を行いました。柏市選挙管理委員会から選挙で使用するジュラルミンの「投票箱」を借用して設置し、受付、記票、投票を行いました。3年生は18歳になると選挙権が与えられますので、今回の経験をいかして、3年後に有権者になるという自覚をもってもらいたいです。
〇選挙というと候補者にスポットが当たりますが、その裏で選挙管理委員会の存在を忘れてはいけません。一般に学校の選挙管理委員会とは、選挙が公正に行われるよう教職員や生徒会組織などからも独立した機関として設置されます。今回は3年生の米山涼さんが委員長として、事前の計画や準備などをしてくれました。
〇選挙は本来、有権者の自由な意志で行われるものであり、選挙が公平に行われるようにしなければなりません。特定の候補者だけ有利になったり逆にある候補者を貶めたりすることがないよう、選挙管理委員会の役割は重要です。もちろん選挙管理委員は生徒の中から選ばれており、自治活動の典型と言えます。
〇今回は5名の役職に5名の候補者が名乗りでましたので、競争選挙とはならず、信任投票となります。ここで無投票当選ではなく、信任投票を経ての当選であることに重要な意味があります。「自分たちのリーダーを自分たちの投票で信任した」という事実が、信任された役員の生徒たちに、今後責任感をもって仕事に取り組んでいこうとする意欲を引き出します。
〇立会演説会で私からは、先輩の國分功一郎教授の著作である「来るべき民主主義」の中から、幾つかの言葉を紹介しました。
・同僚の教員にスウェーデンで子育てをしていた方がいた。その方があるときこんなことを言っていた。「スウェーデンで子育てをしていたとき、子どもたちは、保育園でも学校でも、どこでも自分たちの身の周りのことを自分たちで決めるように求められていた。自分たちで自分たちのまわりのことを決める。だからこそ、それに対して責任をもつ。自分たちの身のまわりのことすら決められなくて、どうして「社会を変える」などと想像できるだろうか」その通りだと思う。(途中略)日本の社会も少しずつ変わってきている。そして社会は少しずつしか変わらない。不安があるのは当たり前で、住民(生徒)参加を希望していこう。
・アレント(アメリカの女性哲学者)が「人間の条件」という著作の中で言っているのは実に当たり前のことである。人間は必ず複数人存在している。人間は一人ではなく多数である。したがって、人間は必ず多数でともに生きなければならない。人間は互いに混じり合い、交流しながら生きることを運命付けられている。
・民主主義はしばしば「多数決の別名」とも思われている。これは人民主権ではなく、多数派主権である。それを乗り越えようと、現在では「熟議」なるものが注目を集めている。意見はあらかじめあるものではない。それは話し合いの中で変化し、またできあがっていくものなのだから、じっくりと議論することで、参加者の意見を方向付けていき、結論を導き出すことが可能ではないかというわけである。
〇先輩の指摘する内容を生徒たちは真剣な表情で聞いていました。戦後80年が過ぎ、これからも世界とのつながりを大切にしつつ、平和な日本を築いていくためには、彼ら中学生に「国のあり方を最終的に決定する権利や力を持つのは国民であり、国の権力や権威は国民に由来する」という「国民主権」の考え方をしっかりと身に付けてもらいたいです。
須藤昌英
9月25日(木)ストレスと上手く付き合うには?
〇昨日のノエル氏による「3ゾーンモデル」は、人の成長領域を表す段階の一つでした。そのうち「コンフォートゾーン」と「ラーニングゾーン」は、生徒が学校で学ぶ際のモデルとしてイメージがしやすく、生徒が適宜コンフォートゾーンから抜け出し、ラーニングゾーンに身を置くことで、コンフォートゾーンが広がり、学びが深まっていくと指摘されています。
〇残りの「パニックゾーン」については、様々なプレッシャーや困難に直面し、自分では思うように対処できず、意欲が低下したり抱えきれないストレスで苦しむ状況であり、他の2つと比べるとマイナスのイメージがあります。
〇3年前の「プレジデント」という雑誌に、世界的ベストセラー『スマホ脳』の著者である精神科医のアンデシュ・ハンセン(スウェーデン)氏が、「なぜ脳はストレスを求めるか」「「ストレスがなければ人類は絶滅する」という題の文を投稿しています。少し長いですが引用させてもらいます。
「私たち人類は『幸せ』になるためではなく『生き延びる』ために進化してきました。人類としての長い歴史の大半を、食料が限られ、身の危険も多い過酷な環境の中で暮らしてきましたが、そのような環境下を耐え勝ち抜いてきた者の末裔(まつえ)が、今の私たちなのです。目の前に食べ物があればついつい食べてしまうし、運動したほうがいいとわかっていてもついソファーでだらだらしてしまうのは、私たちの祖先が常に飢餓の脅威にさらされ、カロリーを節約する必要に迫られていたからです。あれやこれやと気が散りやすいのは、いつも周囲を警戒して自衛しなければならなかったから。生存の可能性を高める特性といえます。実はストレスや不安が生じる理由も、生き延びるため。脳が危険だと感じる状況からあなたを遠ざけるために起きる現象です。目の前にいる上司が怒ってあなたを怒鳴りつければ、ストレスを感じることでしょうし、『明日も上司に怒鳴られるかもしれない。嫌だな』と不安に思うことでしょう。これは怒鳴りつけてくる上司のことを、あなたの生存を脅かす存在と認識しているから。不安とは、あなたを守るための感情なのです。」
〇後半は大人の会社などでの例が示されていますが、生徒たちも同様だと思います。非常に合理的に納得のできる解説で、読んでいると自分にもあてはまるところが多くあります。
〇ハンセン氏は、自著の『スマホ脳』という本でも、「自分の脳をよく理解することで、ストレスと上手く付き合うことができるようになるはず」と説かれています。
〇ハンセン氏によると、ストレスがないことが良いのではなく、ストレスは自己防衛としてあって当たり前であり、自分なりのストレス解消の方法をもっていることが大切だそうです。
〇今、生徒たちも来週の期末テストを目の前に、相当なプレッシャーやストレスを抱え込んでいると思います。「授業の復習が予定通りにできない」「覚えることが多くそれらのつながりがもてない」「得意な教科はいいけど苦手な教科が大変」など、心情的には追い立てられていることもあるでしょう。
〇「コンフォートゾーン」と「ラーニングゾーン」の話にも通じますが、日常の授業は「コンフォートゾーン」の中でじっくりと楽しく学んでも、テストとなると多少の不安や緊張感は避けられません。ただ自分なりの方法で復習を継続することにより、過度なプレッシャーではなく「やりがい」を感じられる状態「ラーニングゾーン」になります。
〇ハンセン氏はストレスを和らげる一つの方法として、運動(散歩なども含む)をして、心拍数をあげることを提唱しています。運動によってエンドルフィンやセロトニンといった神経伝達物質が分泌され、幸福感やリラックス効果が得られ、ストレスが軽減されます。心拍数を意識し、無理なく続けられる運動を行うと、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
〇先日までの猛暑中はなかなか運動ができないことも多かったですが、涼しくなって積極的に身体を動かずことも可能になりました。グラウンドでの体育の授業でも、張り切って取り組んでいる生徒も多くいます。ストレスをコントロールするには、運動は有効な手段の一つです。
須藤昌英
9月24日(水)「コンフォートゾーン」を広げる
〇秋分の日の前日あたりから、空が青く高くなり、一面のうろこ雲が秋を感じさせます。「うろこ雲(鱗雲)」は、正式には「巻積雲(けんせきうん)」という雲で、魚のうろこや水面のさざ波のように見える雲です。空の高い場所(5000〜13000m)に、小さな雲の塊が規則的に並んで見えます。似たような雲で、ひつじ雲があります。どちらも身近なものに関連させて命名しているので、親しみがあります。
〇先日4歳の孫娘に、「あの雲はうろこ雲と言うんだよ」と教えたら、「うろこ雲・・・」とつぶやいて、しばらく夕方の空を見上げていました。その顔は不思議なものをみるようで、真剣そのものでした。おそらく初めて聞く言葉と見えている雲を並べ、その模様の特徴を頭に焼き付けているのでしょう。子どもはそうやって日々、いろいろな言葉や概念を記憶し、知識やイメージを増やしているのだと思います。
〇ストレスや不安を感じることなく過ごせる心地よい領域のことを「コンフォートゾーン」と呼びます。具体的なコンフォートゾーンの例としては、次の状況や環境が挙げられます。
・自宅の居間や自室
・通学で日常通う道や近所の公園
・入学してしばらく通っている学校や自分の教室
・よく利用したりする行きつけの店
・やり慣れている仕事や学習
〇進学や進級したばかりのころ、学校や学級はまだコンフォートゾーンになりません。長く通って気心が知れた仲間ができると、コンフォートゾーンとして定着します。
〇この考え方はミシガン大学のビジネススクール教授、ノエル・M・ティシー氏らが広めた3ゾーンモデルとして知られています。人の成長領域を表す際の段階の一つです。ノエル氏は人の成長は「ラーニングゾーン」「コンフォートゾーン」「パニックゾーン」の3つによって変化すると説いています。
〇図の核心には「コンフォートゾーン」があり、その1つ外側にあるのが「ラーニングゾーン」です。まだ十分には慣れていない事をしたり新しい学習の場で学んだりするなど、多少の不安や緊張感はあるものの、過度なプレッシャーではなく「やりがい」を感じられる状態を指します。ここで新しいスキルや知見を得て成長できると「コンフォートゾーン」を抜け出していくことにつながります。
〇「ラーニングゾーンのさらに1つ外側にあるのが「パニックゾーン」です。ここは「コンフォートゾーン」からあまりにもかけ離れた領域のため、大きすぎるプレッシャーや困難に直面して適切に対処できず、意欲(モチベーション)の低下や抱えきれないストレス過多を招く恐れがあります。
〇そもそも人は意識しなければ、変化を止めようとする性質があります。心の中で変化を拒んで一定の状態を維持しようとする「心理的ホメオスタシス(恒常性)」というメカニズムが働くようです。このメカニズムにより、外部からの働きかけや自身の強い意志が無ければ、人は「平常運転(つまりコンフォートゾーン)」を保とうとします。
〇「コンフォートゾーン」はとても大切であり、それがあるからこそ安心して過ごしていけます。ただそこに留まり続けることで、未知の領域に踏み出すことに不安や恐れを持つようになったり、同じことを繰り返したりするようになります。つまり新たなチャレンジをしなくなり、成長が停滞する可能性があります。
〇一歩外に踏み出すことで、適応力や創造性、自己肯定感の向上が期待できます。そのためには、まず自分や自分の置かれている環境を現状把握し、毎日小さなことでもよいので挑戦し、自分なりの成功体験を積み重ねることが突破の鍵となります。
〇特に強調したいのは、たとえ失敗したとしても「新しいことに挑戦した」という経験は残ります。するとその後は、挑戦へのハードルが下がるため、目標達成への意欲を維持しやすくなり、いずれ達成を実現できるようになることでしょう。このチャレンジと達成のサイクルを繰り返すほど、自己肯定感は向上していきます。
〇「コンフォートゾーンを広げる」ということは、「成長」を軸にした考え方です。人として成長していくためには、適宜コンフォートゾーンから抜け出し、ラーニングゾーンに身を置くことが重要です。自分のスキル・経験を活かしながら、課題を解決するための新たなスキルや経験を習得していくのです。この「ラーニングゾーンがコンフォートゾーンになった」瞬間を繰り返すことで、徐々に安心の環境が広がっていきます。
〇生徒たちにとって、今の土中が「コンフォートゾーン」かつ「ラーニングゾーン」であるかどうか。一人ひとりの状況は異なりますが、担任や学年職員は、そういう視点で生徒たちを観察し、必要に応じて言葉がけや支援をしています。
〇今朝も肌寒いくらいでしたが、空は真っ青です。たまには空の雲を見つめて、「コンフォートゾーン」にどっぷり浸ってみるのもよいかもしれません。
須藤昌英
9月22日(月)生徒会役員選挙運動
〇先週から25日(木)に予定されている新しい生徒会本部役員を決めるための選挙に向けて、候補者とその推薦者が朝は各学年の生徒昇降口で立って投票の呼びかけを行ったり、昼休みの放送で演説活動を行ったりしています。
〇生徒会活動は生徒による自治活動です。生徒自らが考え、協議し、目標を定め、目の前の問題に取り組んでいく経験は、人として大きな成長をもたらしてくれています。その中心にあるのが、生徒会や委員会活動です。
〇普段は学級や学年レベルで様々な活動をしていますが、学校全体として生徒会やその中に置かれる委員会などは、学年が違う「異年齢により構成される組織」です。そしてその活動のために必要なことを理解しながら、行動の仕方を身に付けられるようになります。
〇特に生徒たちにとって、自分たちの学校の代表を自分たちで決めることをとおして、身近な社会である学校と自分との関わりを自覚し、学校生活づくりに参画する意識を高めることにつながります。
〇生徒会活動の具体的な内容は、当事者として自分たちの学校生活を点検し改善していくことです。このような民主的な活動によって、将来社会に出ても、自分たちの代表を決める選挙などに「無関心」にならないようにするのが目的の一つです。
〇立候補している生徒はもちろん、その生徒を推薦している生徒も、真剣に取り組んでいます。そういう姿を見て、他の生徒も自立することの大切さを学んでいます。また選挙管理委員会の生徒たちも、自分たちのリーダーを決める大切なプロセスを管理しています。
〇今日は、国の与党党首を選ぶ選挙の告示日です。生徒たちの参考になる選挙運動と投票行動になることを願います。
須藤昌英
★選挙運動について(選挙運動の際に立候補者は、たすきをつける)
9月16日(月)~24日(水)
9月25日(木)生徒会役員選挙&立会演説会
① ポスター掲示(昇降口)※掲示は『選管』が行う。
② 朝 10分間(昇降口前)※『立候補者』と『推薦責任者』
③ 給食時の放送演説※『立候補者』のみ
④ 立会演説会での演説※『立候補者』と『推薦責任者』合わせて3分以内
【 会長 】 2年生から1名
【副会長】 1・2年生から各1名
【執行部】 1・2年生から各1名
9月19日(金)無気力な寝太郎が使命感を抱いて世界へ挑戦し続ける
〇今朝からすっかり秋らしくなり、昨晩の雨もあり、しっとりとした朝でした。朝7時に登校してきた1年男子生徒数人に、「今朝は涼しくていいね」と声をかけると、「はい!」とまるで水を得た魚のように、元気のよい返事が返ってきました。
〇秋になると着るものも変わってきます。Tシャツ1枚で過ごせた陽気から、肌寒さを感じて長袖を着用し始めます。これからどんな服を着るのか・・はもちろん個人の自由ですが、服選びの観点を大きくわけると「デザイン性重視」と「着やすさ(機能性)重視」のどちらかになるでしょう。
〇後者であれば、店舗が増尾にもありますが、何といってもユニクロがあげられます。週末には子どもから大人までが明るい店内にあふれています。またテレビでそのコマーシャルをよく見かけます。*別にユニクロを宣伝したいのではありません。
〇昨年読んだ本の中で、今でも一番印象に残っている1冊として、「ユニクロ(杉本貴司著:日本経済新聞出版社:令和6年4月発行)があります。世界的に有名な日本の衣料メイカーのユニクロは、柳井正氏(現在76歳)が昭和59年に仲間と創立し、現在は我々の身近な生活にも慣れ親しんでいる企業です。本から知ったことを少し紹介します。
〇ユニクロの目指す理念は、「ライフウェア(老若男女も国も人種も問わずに、誰もが着ることができて、環境や社会にも配慮した服)」をつくることだそうです。これは現代的な課題にも挑戦している感じがします。私もこれまでその気軽さからユニクロのいくつかの服を購入しており、上記の理念を目指していることもこの本を読んで少し理解できました。
〇私が注目したのは、創業者の柳井氏の若い頃のエピソードです。柳井氏は山口県宇部市で生まれ、父親が経営していた洋品店の跡継ぎ息子でした。父親は昔ながらの親分気質で気性が荒く、柳井氏は「何でもいいから一番になれ」と常に言われ続けていました。柳井氏は父親からの期待とも抑圧ともいえる重圧の中で、高校時代には好きなサッカー部も父親の意向で退部させられ、逃げ道を求めるように受験勉強に打ち込みました。
〇4人のきょうだい(柳井氏以外は姉1人と妹2人)で、3人の姉妹に対して父親は優しく、厳しく接したのは柳井氏だけでした。妹さんの一人は当時を振り返って、「私は男に生まれなくてよかったなと思いました」と述べています。当然、柳井氏と父親の間には溝ができ、ほとんど会話もなかったようです。
〇そこで進学した東京の大学では、当時は日米安保闘争などの学生運動が盛んで、ほとんど講義も行われなかったそうで、学生運動にも興味のなかった柳井氏は、下宿の部屋に閉じこもって過ごしました。下宿の大家さんからつけられたあだ名が「寝太郎」でした。好きなジャズを聴きながら、ただ思いつくままに本を読み、4年の日々を浪費しました。
〇その後の柳井氏の人生の転機や目覚ましい躍進のことについては、できれば本を読んでみてください。一言でいえば、何度も転びながら這い上がってきた日々であることがわかります。若き日の青年柳井氏の葛藤を本人への取材を含めながら、著者の杉本氏は、新聞社の編集委員としての鋭い視点で、この本を書いています。
〇3年前に母校の早稲田大学で後輩の学生に向かって講演した柳井氏の言葉の一部を引用させてもらいます。
「私は人が生きていくうえで最も大切なことは、使命感を持つことだと思います。そのためにはまず、自分は何者なのか、そのことを深く考える必要があると思います。自分にとって何が最も大切なことなのか。絶対に譲ることができないものはなんなのか、そこを突き詰めて自らの強みを発見し、生かす。自分にしかできない、自分の人生を思いっきり生きてほしい。明確な意識があるのとないとでは、同じ人生を送っても成果は百倍、千倍あるいは一万倍も違うのではないかと思います。」
〇今、3年生と校長面接を行っていますが、思春期は不安と葛藤で心の中はいっぱいであることが伝わってきます。でもこの柳井氏のように、学生時代に何も成し遂げられずに苦しみながら過ごしたとしても、誰もがその将来に関してはそれぞれの無限の可能性をもっているのですから、彼らを応援し続けていきます。
〇今日の表題の「無気力な寝太郎が使命感を抱いて世界へ挑戦し続ける」は、著者の杉本氏が、柳井氏を一言で表現したもので、私も端的に言いえていると思います。今、自分を「無気力な寝太郎」と思っている生徒も、何かのきっかけで大きく成長していくのです。それを見守りアドバイスしていくのが、教育の本質といえます。
【追記】
〇柳井氏は若い頃、「教師になりたい」と希望している時期があったと本に書いてありました。しかしその夢を断念した理由が、何と生まれ持っての「どもり症」であったそうです。まずこんな特別な個人情報まで本の中で、隠さずにあからさまにしていることに驚きます。実際に会話している時にはまったく問題がないのに、原稿などを読み上げようとすると不思議にすぐに言葉に詰まってしまうようです。その為今でも、講演の依頼は極力断っているそうです。柳井氏がどんな教師になったかを見て見たかった気もしますが、それよりもそのハンディキャップを乗り越えて、代表取締役会長として活躍していることに勇気を覚えます。
須藤昌英
9月17日(水)秋の足音と生徒の成長
〇記録的に続いてきた日中の猛暑は今日までとの予報があります。明日からはやっと秋の空気に入れ替わり、空の色も青さが増していくことを期待します。夏の終わりは一種の寂しさを感じる人も多いようですが、ここまで切実に「はやく秋になってほしい・・」と願ってきたのは、私だけではないと思います。
〇ただ心配なのは涼しくなると、これまでの夏の疲れが出やすくなります。何となく身体が重かったり意欲が低下したりするのは、子どもも大人も同じです。生徒たちには無理をせずに体調を気にしながら過ごしてもらいたいです。
〇2学期に入り2週間余り、生徒たちの様子を観察していましたが、一人ひとりの生徒の成長にはびっくりしています。1学期末から比べるとたった1ヶ月半しか経っていませんが、身体が大きくなったり顔つきが大人になったりと私のような老年期の人間には信じられない成長ぶりです。
〇よく言われますが、成長ホルモンは各部位の細胞分裂を促し、その分泌は人間の一生では10歳代が一番活発であり、一日の中では深夜の1時から4時くらいがピークだそうです。つまり中学生の身体内では日々、驚くほどの細胞分裂が繰り返され、それが目に見えやすい部分として身長や容姿の変化としてわかりますが、目に見えにくい声がわりや脳の発達などは、時として我々が驚くほどの成長として感じ取れるものなのでしょう。
〇前期期末テストがあと2週間後に迫っています。中間テストが6月でしたので、それ以後の授業から出題範囲を設定しています。7月と9月の授業内容が出題のメインになります。
〇1年生は2回目の定期テストになりますが、特に1学期の内容を復習しておきましょう。前にも書きましたが、人間の記憶は大きくは「短期記憶」と「長期記憶」の2つにわかれますが、短期記憶を強化したものだけが長期記憶となります。つまり授業の復習をコツコツとやっておかないと、2カ月や3カ月経っても忘れない記憶にはなりにくいのが人間の脳のしくみです。
〇私を含めた大人も自分の過去の経験から、定期テストに対して気が重くなることが多かったことと思います。私も好きな教科だけならまだしも、苦手な教科のテスト準備は後回しにしていた記憶があります。とりあえず好きな(得意)な教科の復習を、例えば自分なりのノートを工夫してつくるなどして、楽しくやれば良いと思います。
〇その分嫌いな(苦手)な教科は、最低限授業に集中し、テスト前に十分な準備ができなくても、テスト中に頭の中で「授業中の様子を真剣に再現」し、思い出したことを解答用紙に記録しましょう。私も自分の苦手な教科のテストで、授業中にクラスメイトが言った発言内容をふと思い出して、助かったことがあります。同じ授業を受けている友達の力を借りるのも必要かつ効率的だと思います。
〇とにかくテスト受けるにも、心身が健康でなければなりません。「病気に負けない身体作りは規則正しい生活から」と言われますが、「食べて、動いて、寝る」という生体リズムを整え、生徒の皆さんは毎日元気に過ごしてください。
須藤昌英
【まもなく見ごろを迎えるあけぼの山農業公園のコスモス】
9月17日(水)校長面接を開始しました(3学年)
〇昨日から来年の入試対策として、校長室を面接会場と見立てて、昼休みや放課後に3年生一人ひとりと面接練習を行っています。一人あたり15分程度ですが、こちらからいくつか質問をし、その受け答えに対して最後にアドバイスをしています。生徒たちは毎年、緊張した真剣な表情で取り組んでいますので、こちらも襟を正して行っています。
〇生徒には事前に質問用紙に回答を記入してもらっていますので、まずそれを中心に受け答えの練習をしていきます。例えば「将来の夢は何ですか?」「自分の長所・短所は何だと思いますか?」「普段の生活で気を付けていることは何ですか?」等の質問をします。
〇それに対して生徒が答えた内容を受けて、「それはどうしてですか?」「そのことについてもう少し詳しく教えてください」と質問を続けます。
〇実はこの第2問こそ面接官が一番知りたいところであり、その答えにその生徒の個性や普段の考え方などがにじみ出てきます。もしその第2問に対して、「わかりません」や「考えたことはありません」などと答えてしまっては、せっかく自分のアピールできる場面を自ら放棄してしまうばかりでなく、「この生徒は普段からあまり深く物事を考えないのか・・」という印象を相手に与えてしまいます。
〇9月でもまだ暑いですが、面接練習なので、制服を着用します。面接官は話をする前には、生徒の表情や制服の着方に目を向け、「この生徒はどんな生徒だろうか?」とまずイメージを持とうとします。面接官は過去に何千人の面接をしていますので、最初の印象だけで大方のことは把握できます。
〇私も校長として千人くらいの面接をしてきましたので、同じようなこともできますが、高校の面接官との一番の違いは、普段から同じ学校で過ごしていますので、学校で見たり聞いたりする情報量がはるかに多いことです。3年生はこの4月からのつきあいですので、本人を理解することを優先させるので、質問も一般的なことよりももっと具体的な内容になるかもしれません。楽しみです。
〇来年の3月の卒業式まで、あと半年ですので、教職員とともに生徒の進路決定にかかわっていきます。
須藤昌英
9月16日(火)増尾地域ふるさと協議会「敬老のつどい」
〇14日(日)に本校の体育館において、地域にお住いの高齢者方の長寿をお祝いする会が開催されました。合計で三百人以上の方々がお越しになりました。今年は体育館のエアコンがあるので、快適に過ごしてもらえました。
〇「敬老の日」は、多年にわたり社会に貢献してきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う日本の国民の祝日です。毎年9月の第3月曜日に設定されており、家族が集まってお祝いしたり、感謝の気持ちを伝えたりする日とされています。
【趣旨と目的】
・社会に貢献してきた高齢者を敬い、長寿を祝うこと。
・国民が老人の福祉への関心と理解を深めること。
・老人が自らの生活の向上に努める意欲を高めること。
〇来賓として太田和美市長や坂巻市議会議長もお見えになりました。ここまで盛大な会を実施している市内のふるさと協議会はあまりなく、企画から準備までを担当した増尾地域の力を感じました。
〇本校吹奏楽クラブも出演し、5曲を演奏しました。皆さんから温かい手拍子や声援をただきました。アンコール曲は準備していませんでしたが、「学園天国」をアンコール演奏しました。良い発表の機会となりました。
〇最後に、元増尾西小学校校長で本校の学校運営協議会会長の田嶋勉先生と同じく元大津ヶ丘二小校長の富澤秀樹先生のユニットも演奏され、昭和歌謡や童謡を見事に披露されました。
〇学校は地域の中にあり、そこで学ぶ生徒たちが、「自分たちの住む地域は素晴らしい!」「自分も将来はこの地域に貢献していきたい・・」と思ってくれることが何よりもうれしいことだと思います。
須藤昌英
林間学校第三日目を振り返って
二泊三日の林間学校が終わりました。標高1,400mの亀屋ホテルを中心に生徒たちと過ごしてきましたが、朝晩は高原のさわやかな空気で、ホテルから見える緑の山々が輝いていました。4月に土中に着任し、校長として本校の特徴を客観的に把握しながら、生徒たち何を語りかけていこうかとワクワクした気持ちで、この5ケ月を過ごしてきました。そしてこの三日間で、二年生は予想以上の成長を見せてくれました。来週からの学校生活にもきっと良い影響があると確信しています。私もこれまで60回?を超える宿泊行事の生徒引率をしてきましたが、正直ここまで病気や怪我の少ない経験したのは初めてでした。柏市の方も雷雨がきていると聞いていたので心配していましたが、何より目の前の生徒たちの安全を守ることを職員たちと優先しました。最後の到着式では私から生徒たちに、「2泊3日でこの学年のポテンシャルの高さを実感しました。この林間学校に君たちを喜んで参加させてくれた家族の皆さんに、3日間の報告をするのが、帰ってからの君たちの責任です」と話しました。ホームページに掲載した写真をもとに、本人の話をじっくりと聞いてあげてください。ありがとうございました。須藤昌英
17:05学校到着・到着式
○無事に学校に戻りました。体育館で到着式をして解散です。帰宅してゆっくり身体を休めてください。お疲れ様でした。さようなら。
15:15新倉PA到着 トイレ休憩
○学校到着5時を目指し、時間調整のため休憩します。この後は外環道が多少の混雑があります。常磐道柏インターを出てからの国道16号線の渋滞状況によって、学校到着時刻が変わります。ご了承ください。
14:25高坂SA到着 トイレ休憩
○予定の三芳ではなく、高坂で休憩です。長野県、群馬県、埼玉県とだんだんと千葉県に近づいています。順調です。
13:10横川SA到着 トイレ休憩
○順調にバスは走っています。一回目のトイレ休憩です。碓氷峠を過ぎると濃い霧の中です。雨が近い?
11:00昼食 11:45バス出発
○体験学習がスムーズにおわり、少し早めですが、ビーフカレーライスと搾りたての牛乳をいただきます。牛肉はこの牧場で育った牛の命をいただきます。感謝の心を牧場の方に教えていただきました。○帰り道の混雑を考慮し、予定よりも早く出発出来そうです。
9:00 鷹山ファミリー牧場到着 農場体験
○バスで少し山を下り、農場体験の場所に着きました。バター作り、乳搾り、トラクター乗車体験をクラス毎にローテーションします。インストラクターさんの説明を聞いて、楽しそうです。特にバター作りは、牛乳と脂肪の入ったビンを10分間降り続けなければならず、腕がパンパンになり、途中から悲鳴をあげていました。出来上がりのバターをクラッカーに付けて試食しました。添加物ゼロの味はどうだったでしょうか?
8:15閉校式 バス出発 朝の会
○二泊三日お世話になった亀屋ホテルの方々に、全員てお礼を言いました。
6:50朝食
○今朝はパンとコーンフレーク、コーンポタージュ、目玉焼き、サラダ、ハッシュドポテト、八ヶ岳牛乳です。昨晩のチキンとビーフシチューはもうしっかり消化されているようで、良く食べています。さすがに中学生の食欲は旺盛です。
9月12日(金)2025 林間学校第三日 6:00起床
○最終日の朝を迎えました。目覚めはどうてしょうか?洗面、朝食前の健康観察、荷物の帰り支度と忙しい時間です。【ホテルからの朝焼け】
林間学校第二日目を振り返って
林間学校の二日目は、あらかじめ雨予報がありましたが、何とか登山をやらせてあげたいと思い、ギリギリまで悩みました。ただ結果としてその願いは叶わず、雨天バージョンとなりました。しかし生徒たちにとって、本物や実物に触れる貴重な体験学習となり、良かったと感じています。昨日はすべての行程を予定通り、というよりはむしろ生徒たちの素早い行動のおかげて早めに終えることができました。しかし今日は、その反対で朝から予定の変更ばかりが続きました。登山から松本城の見学に変更(しかも行列ができるほどの混雑状態)、旧開智学校から松本市立博物館に変更と、普通ならば混乱してもおかしくない状況に、生徒たちは柔軟に対応できました。四十年間の教員生活でもあまりないほどの素晴らしさでした。また見学先でも熱心に説明を聞いたりや展示物を丁寧に見るなど、探求心があることがわかりました。生徒の表情からは何かをそれぞれ感じていることを読み取ることができました。受け入れてくれた松本城の市民ボランティアや博物館の方からも、「素直でいい生徒さんですね」と声をかけていただき、校長として嬉しく思いました。明日も帰路の中で、農場体験があります。学校のメインは授業ですが、今後も一つひとつの授業が、生徒が将来にわたって学び続けるきっかけになるようにしたいとあらためて思いました。須藤昌英
22:20消灯
○二晩目の就寝です。リーダー会議での伝達事項を聞き、おやすみなさい。【消灯間近の亀屋ホテル】
21:45リーダー会議・就寝準備
○今日の成果と課題をまとめる会議でした。私からは昨日と今日の二日連続で、ホテルの支配人から「良い生徒さんたちですね、」と褒められたことを伝えました。
19:30入浴・お土産購入・学級会議
○炊事場で煙りにまみれたので、入浴してさっぱりしましょう。昨日よりも入浴時間を10分間延ばしています。学級会議の中の話し合いのスキルが、明らかに昨日よりも向上しています。中学生の成長は見ていて楽しいです。
17:15夕食 後片付け 飯盒炊爨終了
○仲間と協力して作った夕食は、格別の味です。私も試食しましたが、味の深いビーフシチューとバケットが良く合い、柔らかく仕上がったチキンと野菜はとても美味しかったです。
13:30バス出発 15:45ホテル炊事場に集合
○松本市を出てホテルへ戻ります。食べて眠る生徒もいます。夕食は自分たちて自炊します。メインメニューは、ダッチオーブンと鍋を使っての「鶏の丸焼き」と「ビーフシチュー」と「バケット」です。果たしてレシピ通りにできるでしょうか?
12:30バスへ戻り昼食
○本当は登山で食べるはずだったお弁当をバス内で食べました。
11:40 松本市立博物館へ移動
○予定外に松本城見学に時間をとられ、本来はその後開智学校に歩いて行く予定でしたが、急遽変更しました。新しく出来た市立博物館がバス駐車場の脇にあるので、現地学習として入館しました。 ○参考までに、いく予定たった旧開智学校については近代学校建築としては初めての国宝となった旧開智学校校舎です。国宝指定にあたっては、「近代化を推進した開化期の洋風建築受容を示し、近代教育の黎明を象徴する最初期の擬洋風学校建築として、文化史的に深い意義を有する」と評価されました。 文明開化を伝える擬洋風建築の代表作 です。明治初期、日本中が文明開化に沸いていた時代に、建物も洋風のものが求められるようになりました。しかし、実際に建物を施工する大工たちに、当然ながら洋風建築を造った経験はありません。そのため、東京や横浜、大阪や神戸などの先進地へ見学に行き、洋風建築の情報を集めるとともに、持ち前の伝統技術を応用して洋風に見立てたり、身の周りの材料を工夫して洋風に似せたりすることが行われました。このようにして、各地で洋風を目指した建築が造られていったため、和風や洋風など様々な要素が混ざり合った建築が全国で誕生しました。
10:00 松本城到着 クラス写真 班行動
○国宝四城の姫路城、彦根城、犬山城、松江城とともに国宝に指定されている松本城は、天守の築造年代は文禄2~3(1593~4)年と考えられ、現存する五重六階の天守としては日本最古の城です。 天正18(1590)年、豊臣秀吉が天下を統一すると、徳川家康を関東に移封しました。このとき松本城主・小笠原秀政が家康に従い下総へ移ると、石川数正・康長父子が代わって入城し、城と城下町の整備を進め、近世城郭としての松本城の基礎を固めました。 松本城は、松本の街のシンボルであり、市民の心の拠りどころてす。 ○市民ボランティアさんの説明に真剣に耳を傾けていました。意外にも見学は行列で出来ていて、天守閣にのぼるのは、大渋滞で待たされました。見学者の大半が外国人で、インバウンドを感じました。生徒たちが国宝から何を感じたか?感想が楽しみです。来年6月の奈良と京都の修学旅行のよい練習となりました。
8:30バス出発
○ホテルを出て、松本市街まで山を降りて向かいます。バス内で朝の会を行います。
6:50朝食
○時間通りに食堂に集まった生徒たちの顔は、すっきりしたさわやかなものと寝起きでドヨーンとしたものなど、それぞれでした。自宅以外の慣れない部屋で寝ることも、将来に向けて経験しておくことは決して無駄ではないとは思います。加えて自分の体調を自分で把握し、必要な措置を取ることができるようになることも大切だと思います。全員が食べられているのを見て、少し安心しました。 ○朝食後、今日の予定の変更を伝えました。昨夜の雨の影響で、登山道の様子を登山ガイドさんに確認したところ、滑りやすく危険が伴うということでした。登山に慣れない生徒たちがリュックサックを背負い、カッパなどの雨具を着て歩くこと、様々な安全を考慮し、雨天コースとして、国宝の松本城と旧開智学校の見学に変更します。
9月11日(木)2025 林間学校第二日 6:00起床
【雨の朝の白樺湖】○昨夜は夜半過ぎから雨が降りだし、だんだんと強くなってきました。部屋で寝ていても雨音に気がつくくらいですので、雨量は相当なものでした。係生徒の「おはようございます。起床の時間です。身の回りの整理をして下さい」のアナウンスで、1日をスタートしました。
出席停止の感染症にかかったら、こちらをご確認ください。
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柏市立土中学校
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