校長雑感ブログ

2月9日(月)「CO2 CO2(コツコツ)と省エネ」と民主主義

〇週末の雪で少し乾燥が和らぎ、寒いですがしっとりとした朝を迎えました。朝6時半の校庭には、ほぼ雪は残っていませんでしたが、南の上空の晴天にきれいな半月があり、これから太陽と空の主役を入れかわろうとしていました。

〇昨日、衆議院選挙の結果が公表されました。私の立場では選挙に関する発言は出来ません。しかし逆に校長としては、政治、経済、外交、福祉もすべて、その最終目的は、「未来を生きる子どもたちのためのもの」と言い切りたいです。

〇私もよく考えてから期日前に、有権者として大切な一票を投じましたので、今後の政府の動向(特に教育・子育て支援政策)を注意深く観察していきます。それが大人としての責任だと思います。

〇一つだけ気になったのは、街頭インタビューを受けた若者が、「投票する政党に迷ったので、AIに相談してAIが【あなたの考えは●●政党が近いと思います】と教えてくれたので、それに決めました」と答えていたことです。残念よりも不安になりました。

〇それ以外でも最近の選挙は、SNSの影響が大きいと指摘され、立候補者の生の演説を聴いたりその党の政策を調べたりせずに、ネット上の評判を一番頼りにしている大人が多いそうです。SNSを批判するつもりはありませんが、「その情報は本当に正しいのか?」と常に批判的な考えも頭の片隅になければいけないと思います。

〇中学生が有権者となる数年後は、技術の進化や国際情勢の激変に伴い、これまで以上に多様な情報が氾濫し、選挙を取り巻く環境は複雑性を増していくと考えられています。

〇学校の授業等でも今後ますます、正しい情報を調べるには、情報の発信源を確認し、複数のソースを比較する(情報リテラシーの育成)などの場面を増やしていく必要があると感じています。

〇柏市では「柏市公共施設環境配慮指針」に基づき、公共施設への太陽光パネル設置を推進しており、2030年度までに照明のLED化とあわせて脱炭素化を図っています。この計画の一環として、先月までに本校校舎の屋上に太陽光パネル設置工事が完了しました。

〇太陽光発電とは、太陽光がもたらす光エネルギーを電力へと変換する仕組みで、発電時に石油や石炭、天然ガスなど有限の化石燃料を原料とせず、CO2(二酸化炭素)が発生しないことから、環境にやさしい再生可能エネルギーとして注目されています。

〇太陽光発電の導入の主なメリットは、

①気候変動に配慮したエネルギーを利用できる

②電力市場価格の影響を受けにくい

③災害時の電源を確保できる

④余った電気を売却できる  などです。

〇課題としては、太陽電池技術が今後どこまで発達するかがあります。まずは「耐久性と寿命」で、現在主流のシリコン系は20〜25年程度ですが、途中に定期的なメンテナンスが必要です。また次世代型も開発中ですが、軽くて柔軟な反面、湿気や酸素に弱く長期間の性能安定が課題です。

〇先日、柏の葉公園内で、題にある標語を見かけました。「CO2 CO2(コツコツ)と省エネ」と二酸化炭素の化学式を「コツコツ」と読ませるのが上手だと思います。化石燃料を用いた火力発電は、燃焼時に多量の二酸化炭素を排出します。これが温室効果ガスの主要因であり、気候変動を加速させるため、最新技術による回収・貯留や、再生可能エネルギーへの転換が急務です。

〇また15年前の東日本大震災の津波で、福島県の原子力発電所が壊滅的な被害を受けてから、初めて東京電力内の新潟県柏崎刈羽原発が再稼働するというニュースがありました。そもそも千葉を含む関東地方で消費する電力が、福島県や新潟県でつくられていることに、私はこの15年間、引き目を感じてきました。

〇「もしこの柏市に原子力発電所をつくる計画が出てきたら・・、私たちはどういう行動をとるのだろうか?」などとたまには考えてみるのも必要な気がします。ただますますAI(人口知能)が発達すると、それにますます多くの電力が必要となります。

〇原子力発電所が立地する自治体(地元)やその周辺地域には、国から「原発マネー」と呼ばれる交付金や補助金がおりる仕組みがあります。もちろんそれにより柏市の財政は潤い、市民サービスも向上しますが、それだけでは不安は解消されないでしょう。多くの反対も予想されます。

〇本校の卒業生で東京大学大学院教授の國分功一郎氏は、哲学の観点から原発問題を論じ、「原子力時代における哲学(2019)」などでの著書で、明確な脱原発を主張する哲学者です。原発は「核の平和利用」という幻想や「技術的リスクの象徴化」を招くとし、哲学的視点でその構造的な依存性や責任回避を批判しています。

〇先ほどの情報リテラシーと同様に、このエネルギー問題についても、生徒たちが真剣に考える場もつくってあげたいと思います。いずれにせよ真の「民主主義」は、原則として多数決によって最終的な意思決定を行いますが、同時に「少数意見の尊重」や「基本的人権の保障」を不可欠な要素としており、弱者やマイノリティの意見に耳を傾ける仕組みを持つとされています。

須藤昌英