校長雑感ブログ

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11月22日(金)令和7年度修学旅行・林間学校予察

〇来年度は3学年修学旅行と2学年林間学校ともに6月j実施を予定しています。毎年のように2学期の期末テスト期間中に、来年度の宿泊を伴う学校行事の現地視察を、担当職員が旅行業者と行っています。

〇修学旅行の予察の主な目的は、生徒の安全確保や、保護者が安心してお子様を送り出せるようにトラブルの原因を事前に排除することです。

〇なぜテスト期間に行うのかというと、まず担当職員はあらかじめテストを作成しておけば授業を振り替えなくても済むということがあります。ただテスト前にテスト範囲の授業を完了しておかねばなりませんが、授業そのものをつぶしたり変更したりする必要がないのが利点です。

〇また旅行業者は今年の1学期に、複数の業者に入札させた上で決めています。2学期になり担当職員と旅行業者の打ち合わせを続けていますが、来る3学期にいよいよ主役の生徒たちの準備が始まります。となるとこの時期に現地や宿泊先を視察しておかなければ、時間的に間に合わないことになるからです。

〇大阪・京都方面の修学旅行は鉄道を使っての移動になりますので、視察のポイントとしては、乗降する駅のホームや通路の確認、特に新幹線内の座席配置、現地でのバスや地下鉄の交通状況、万博や有名な寺社等の見学先です。

〇特に修学旅行の2日目は、事前に決めた班別の自由行動の旅行プランで、学習テーマに沿って現地での取材をし、修学旅行後にまとめる学習活動を行います。ハプニングも含めて、生徒たちの良い経験になります。

〇長野・白樺湖方面の林間学校は貸し切りバスでの移動ですので、視察のポイントとしては、高速道路のサービスエリア(トイレの場所)、 ハイキングコースの危険個所、2日目3日目の農業体験等の受け入れ先団体との打ち合わせや施設の安全状況の確認です。

〇こちらも2日目に班ごとに茅野市周辺の農家に行き、朝から午後まで農業体験をするプログラムがあります。昨年も農家の人達との交流が深まり、お別れする際に涙ぐむ生徒もいました。一緒に身体を使った作業をしたり現地の暮らしの様子を教えてもらったりと、普段はなかなか出来ない体験があります。

〇共通して特に重要なのは、宿泊先近隣の病院の確認です。急病やケガで緊急搬送することもあります。長野は宿泊地が山の上なので、もしもの時は山を下って茅野市の病院に搬送します。一方で京都は大都会ですので病院も多いですが、意外に受け入れ先が限定されているので、事前の確認が必要です。

〇幸いなのは、修学旅行の旅館は昨年の3年生(現高校1年生)、林間学校のホテルは今年の2年生と同じことです。これにより、今までもデータ(部屋数と大きさ、トイレ数や浴場の大きさ、緊急避難経路など)がそのまま活用できますので、担当者もそれによってチェックできます。

〇細かいことですが、トイレならば個室や便器の数、浴場ならば脱衣場のロッカーやシャワーヘッドの数まで確認します。私も過去に何十回と修学旅行や林間学校の担当をしてきましたが、そういう配慮があって、当日はスムーズで快適に過ごせるのだということは、生徒たちや保護者の方々にも少し知っておいて欲しいと感じます。

〇過去には別の学校で、はしゃぎすぎてホテルの備品を壊し、その該当生徒とホテルの支配人に謝罪をしたこともありますが、今の富勢中にはそういう生徒はいないと思います。

須藤昌英

【3学年宿泊】

【2学年宿泊】

 

11月21日(木)2学期期末テスト(1・2学年)

〇今日と明日は、1学年及び2学年の期末テストが行われます。すべての学習の基本と目的は、「まず覚えられる範囲で基礎的な事項を覚えつつ、次に理解できた事項を確実にいつでも使える知識にする」ことです。

〇ホームページのトップに、各学年の出題範囲表を掲載していますが、生徒は授業の中で、各教科担任から出題範囲に関するもっと細かい説明を聞いていると思います。そして各自、教科書やノート、ワークや問題集などを使い、これまで準備を行ってきています。

〇脳の海馬については以前にも書きましたが、テスト準備の期間中もしっかりと睡眠を確保し、海馬の活躍に期待するのが鉄則です。昔から「一夜漬け」つまり直前に詰め込むやり方の是非が議論されてきましたが、「一夜漬け」のようなものを「集中学習」と呼ぶに対し、逆に毎日コツコツ勉強することを「分散学習」といいます。ただし「分散」とは注意力が散漫で集中していないという意味ではなく、時間を区切って少しずつ行うことです。

〇また学習とは、「ものごとの関連性を習得すること」でもあり、今まで独立していた事実が頭の中でつながることです。簡単な例では、「GO」と「行く」のように、英語と日本語の意味の結び付けを行うことがあげられます。このつながりを強固にするには、繰り返し「学び続ける」しかありません。

〇「上手に覚える」ような成功を導き出すためには、それだけ多くの失敗が必要で、記憶とは「失敗」と「繰り返し」で形成・強化されます。何度も失敗すると、それでやる気がなくなっていきそうになりますが、その解決策の一つが、「得意な面を活かして学習する」ことです。苦手な教科は誰にでもあるもので、その苦手分野でクヨクヨせず、逆に得意を素直に活かすと、全体として成績が上昇することが知られており、教育心理学では「特恵効果」といいます。

〇これはテスト当日にもあてはまります。テストを受けている際中、自分の得意な問題から手を付け、そこから自信がつくと、やる気や集中力が高まります。よく食事で、「美味しいものを最後に食べる」「美味しいものは最初に食べる」のような話がありますが、学習については圧倒的に後者が有利で、「得意なものは最初にとりかかる」です。

〇テストは通常、採点する側の便宜を図ることから、すべて100点を満点として作成していますが、当然生徒一人ひとりの学びの現状は異なります。であるならば満点を取ることが大切ではなく、各教科の理解度を自分で把握することが本来のテストの意義です。もっと言えば「テストはゴールではなく、スタート」です。

〇先日のリフレーミングで言うと、例えば結果として65点だった教科に対し、「あれだけ準備したのに、満点まであと35点も足りないもういいや・・」ではなく、「とりあえず6割強は理解できているので、まだ完全に理解できていない内容のどこから手をつけようか・・」のように思えることが重要ではないでしょうか。

〇3年生は同じ日程で実力テスト(基本的に詳細な出題範囲表はなく1・2年生の内容も含んだ総合的な問題)を行っています。生徒たちの健闘を校長室で祈っています。

須藤昌英

 

 

11月20日(水)「言葉の職人」のご逝去

〇現代を代表する詩人の谷川俊太郎さんが、今月92歳でお亡くなりました。谷川氏は1931年に東京で生まれ、高校時代に詩を作り始め、1952年、詩集「二十億光年の孤独」を発表しデビューしました。鋭いけれども誰もがもっている感性を大切にし、テンポのよいことばを連ねるなど、半世紀以上にわたり数多くの作品を発表し続けてきました。

〇私は若い頃から谷川氏の詩を、林間学校のキャンプファイヤーや3年生を送る会などで生徒に朗読させていました。とても平易な言葉ばかりですので、読んでいるうちに生徒たちはその独特の世界に引き込まれ、普段は見せない表情をしていたことをよく覚えています。

〇代表作の「生きる」の全文を紹介します。*下線は私がつけました。

生きる

生きているということ

いま生きているということ

それはのどがかわくということ

木もれ陽がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみすること

あなたと手をつなぐこと

 生きているということ

いま生きているということ

それはミニスカート

それはプラネタリウム

それはヨハン・シュトラウス

それはピカソ

それはアルプス

すべての美しいものに出会うということ

そして

かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ

いま生きているということ

泣けるということ

笑えるということ

怒れるということ

自由ということ

 生きているということ

いま生きているということ

いま遠くで犬が吠えるということ

いま地球が廻っているということ

いまどこかで産声があがるということ

いまどこかで兵士が傷つくということ

いまぶらんこがゆれているということ

いまいまが過ぎてゆくこと

 生きているということ

いま生きているということ

鳥ははばたくということ

海はとどろくということ

かたつむりははうということ

人は愛するということ

あなたの手のぬくみ

いのちということ

〇以前より自分の解釈ですが、この詩のテーマは、「普段の生活(日常)にこそ生きていくことのすべて(意義)がある。そのことを再確認することが幸せを身近に感じる唯一の方法である」ではないかと感じていました。よく言われますが、十代の若者がこの詩に共鳴する部分ともっと年を重ねた大人が共鳴する部分は異なり、それが詩の素晴らしさではないかと思います。

〇谷川氏は十数年前のインタビューで、「詩というか言語というものは、われわれの世界を記述するのに、非常に不完全なもの。作品がうまくできれば満足だけど、それが真理を示しているとか、そんな気はまったくなくて、きれいで人が楽しんでくれればいい。芸術家というよりも言葉の職人っていうのかな。自分としては『職人』と言いたいんですよ」と答えています。

〇長年多くの詩によって勇気づけられたことに感謝しつつ、谷川俊太郎氏のご冥福を心よりお祈りいたします。

須藤昌英

11月19日(火)ネットの偏りとディープフェイク(騙し技)

〇先日の兵庫県知事選挙で、議会から不信任決議を受け失職した前知事が再選されたニュースがありました。選挙戦の終盤にSNS上での前知事への支持の呼びかけに応じた人たちが急速に増えて投票したことが勝因の一つと言われています。

〇私たちは毎日インターネットで公開されている情報を得ることが容易となり、ありとあらゆる分野のさまざまな内容の情報が「洪水」のようにあふれています。それは現代病ともいえる「ゆっくりと集中できない心理状態」を生み出し、いつも情報に追いかけられている感覚もあります。

〇前述の選挙に関しても、一昔前ならば他の県の知事選などはほとんど関心も情報もなく終わっていました。しかし失職する前からの報道や選挙中の前知事の街頭演説の動画が拡散し、別に詳しく知りたいとは思わなくても知り得る状況です。またそうしたことからSNSに慣れている若年層の関心を招き、支持を集めたようです。もちろん投票率が上がるのは好ましいことですが、SNSの情報の中には、真偽の判断が難しいものも含まれていたと、選挙戦後にあらためて指摘されています。

〇ネットの情報が、既存の大手メディアである新聞やテレビによる情報よりも影響が大きくなる時代です。それは新聞やテレビは基本的に「公平性」を重視しますので、いろいろな視点から報道しますが、一方でSNSは一度閲覧すると同じような情報が自動的にアップされ、読者はどうしても偏った情報になりやすい面も忘れてはなりません。そういう状況は「フィルターバブル(多様な情報がブロックされて一つの情報に偏る)」と呼ぶそうです。

〇またSNSが手軽で便利なツールとなったことで、「自分に注目してほしい(承認欲求)」と思う大人や子どもが増えています。これが強すぎると承認欲求モンスターとなり、過激な写真や動画、嘘情報を何の疑いもなく投稿してしまうことまで発展する可能性があります。

〇これまでの偽画像や偽情報は、関係ない画像の無断使用、画像の一部を切り抜く、事実と異なる内容をあたかも真実のように書くという程度がほとんどでしたが、最近はAIによる画像の生成や「ディープフェィク(深いウソ)」が増えているそうです。

〇具体的には複数の異なる動画や画像、音声を人工的に合成して作られるもので、例えば顔を入れ替える、音声に合わせて写真や動画の口を動かすなどです。これらが簡単に出来るのと出来たものは本物との見分けが難しいと聞くので、どうしたものか?と感じます。悪意をもって別な人との顔と合成し、事実と異なる言葉を喋らすことも可能で、それが流行するとなると、個人の人権だけでなく国家レベルの問題にもなりかねません。

〇実際にその現地に行き、ある現象を観察・実験・体験、さらには資料収集等をすることを「フィールドワーク」と言います。本やインターネットで見たり知ったりした知識は、実際と異なる場合も多々あり、自分の目や耳、その他の感覚をフル稼働して体験したことこそ正しいことに近づけます。学校ではSNSの有効性は認めつつ、最後は自分の目で確かめる力を生徒たちに身に付けさせていきます。

〇冒頭の知事選でも若い世代は、「新聞やテレビは信用できない」「多くのネットの情報を比較して選ぶ」という感覚が強いそうです。現在兵庫県芦屋市に在住している中学校時代の野球部の旧友が、来月柏に里帰りするので当時の数人の仲間と忘年会をしようと約束しました。その際には、兵庫県民は実際にどのような感想をもったり反応したりしていることを聴いたみたいと思います。これも一つのフィールドワークだといえるでしょう。

須藤昌英

11月18日(月)「人生、遅すぎることはない」

〇9月から始めた3年生との校長面接が先週一通り終わりました。一人ひとりの話を聞いて、先日のゲームの話とも共通していますが、自分が主役となり、「主体性」をもってやりたいことに挑戦していくために、志望した上級学校で学ぶということは、とても大切であり応援していきたいと感じています。

〇ただ時々「自分自身に自信をなくしているのでは・・」と感じる生徒がいます。面接時間は一人10分間ですので、その原因を詳しく聞いたり、アドバイスをしたりすることはなかなか難しいのですが、そんなときいつも私の頭の中をよぎるのが「人生、遅すぎることはない」という言葉です。

〇この言葉は、野球漫画で有名な水島新司(1939年~2022年)作「あぶさん:84巻第3話」の題名です。この「あぶさん」もプロ野球を題材にした超大作の漫画で、41年間で全107巻、今から12年前の平成24年に幕を下ろしました。

〇私も全て読破したわけではなく、たまに見かけると読んだくらいですが、プロ野球選手の主人公が野球だけでなく、身近な人達との人情的なやりとりがクローズアップされた作品で、読むと深くその物語に入り込んでしまいます。

〇この「人生、遅すぎることはない」との出会いもひょんなことからです。まだ私が三十歳代後半で仕事で何かの壁にぶつかって悩んでいた時、たまたま家族と行っていた入浴施設のソファー横の本棚にあったコミック雑誌をパラパラとめくっていました。するとその中に、主人公が成績不振にあえぎながらもある人の言葉からまた立ち上がろうとする物語が目にとまり、その場で何度か読み返したのを今でもはっきりと覚えています。

〇帰り際には、「やってもみないことをくよくよ悩んでも仕方ない、とりあえずやってみて、もしうまくいかなかったら、またそこで考えよう」と思え、明るい気持ちで自宅に着きました。私はそれまでは「漫画やアニメは・・」と勝手に遠ざけていましたが、それをきっかけに、メッセージ性やストーリーが優れているものがけっこうあることを再発見し、注目するようになりました。

〇前振りが長くなりましたが、話をもとに戻します。冒頭の生徒達には、次のような言葉がけをしてあげたいと思っています。

今まで何度かやろうとしたけれど出来なかったこと、今の自分では到底出来そうもないとあきらめてきたことなどは、誰にでも1つや2つはあります。しかしそれらは多くの場合、『本気』で取り組もうとする前に、尻込みしてしまったことがほとんどではありませんか?「あの人だからあんなことが出来るんだ」とか「自分には到底そんな能力はない」と思い込んでいませんか?生きているかぎり、何でも「手遅れ」ということはありません。周りからは簡単そうにやっているようにみえることでも、その人は他人が見ていないところで必ず努力しています。その表面だけの姿で判断せず、まずは自分の出来ることから始めてみること。そしてそれを工夫しながら続けてみること。そのきっかけが一番重要であり、まさに今、新たなチャレンジをする勇気をもってほしい。

〇「人生、遅すぎることはない」、これは本校のテーマである「学び成長し続ける富勢中」ともリンクしています。

須藤昌英

 

11月17日(日)避難所開設運営訓練

〇昨日の午後は、富勢地区として初めて本校体育館を避難所とした開設・運営訓練を行いました。富勢地区(小学校3校、中学校1校、高等学校1校)は、布施近隣センター長が災害本部長となり、柏市職員25名が割り当てられています。そこへ各地区の防災担当者の方が加わり、受付、駐車場設定、パーテンション設営、臨時トイレ設置、ペット受け入れなどの役割分担で行ないました。

〇振り返ってのワークショップは、私がファシリテーターとなり、

①   実施する意義や成果点

②   実施した課題・改善点

③   次回へのアイデア

について話し合いました。今回は本校で行ないましたが、次は各校でも実施したいとの意見が出ました。

〇市役所職員、ふるさと協議会会長、富学協会長、本校職員、本校生徒6名で宿泊体験しました。夕食後、体育館の大スクリーンで「すずめの戸締り」という映画を鑑賞しました。日本各地の廃墟を舞台に、ミミズという大地震を起こす怪物を止めるために、主人公のすずめが旅をしながら成長していくストーリーでした。

〇日本では大昔から大地が揺れるのは、ナマズなどが暴れるということが信じられてきましたが、今は科学的日本列島は「地震の巣」であることが判明しています。少しでも避難所が地域の方々の安心できる場所になってほしいと願っています。

〇中学生は来週の期末試験に向けて、体育館で勉強もしました。たださほど寒くなく助かりましたが、広い体育館で寝るのは、慣れないと難しいと感じました。

須藤昌英

 

11月16日(土)花鉢配付ボランティア活動&避難所開設体験

〇本日、富勢地域ふるさと協議会及び各町会・自治会の皆さまとボランティア生徒70名が一緒に、これまで育ててきたビオラの花鉢をお手紙と一緒にご高齢の方のお宅に伺って、配付してきました。

〇受け取っていただいたご高齢の方々からは、中学生が届けてくれたことに、感謝の言葉がありました。中には、「孫が富勢中にお世話になっています。」と話がありました。同じ地域に住んでいるからこその「こぼれ話」です。

〇生徒は大人になるにつれて徐々に人間関係を広げていきますが、彼らにとって親や教師は「縦の関係」、兄弟姉妹や雄人は「横の関係」なのに対し、地域の方等は「斜めの関係」だとよく言われます。「縦でも横でもない斜め」であることで、気軽にしかもあたたかく見守ってくれる存在であることが、彼らの心理状態を安定させます。

〇さらに「有難う」「頑張ってね」と声をかけてもらうことで、「自分も役にたっている」「良いことをすると気持ちいいな」と、自分の存在を見つめなおしたり自己の有用感を高めたりできます。

〇11月としては暖かく小春日和で、参加した生徒たちも「最初は緊張しましたが、あたたかく迎えていただき、良い経験ができました」と感想を言っていました。これからこの地域を支えてくれる生徒たちに、地域への愛着心が芽生えてくれると、このボランティア活動の目的にも沿ったことになります。

 

須藤昌英

11月15日(金)秋の収穫

〇一昨日は、柏市制施行70周年を記念して、市内小中学校及び公立保育園にて柏市産の食材を使用した特別給食でした。メンチカツやかぶのすり流し汁、ヒジキと彩野菜の和え物は、どれも美味しく、まだまだ柏市は農業が盛んだということを実感しました。

〇昨日は、校内の畑で栽培しているカブとサツマイモの収穫をあすなろ学級の1年生が行いました。特に9月に畑を耕し、種をまいてもう収穫できるのですから、かぶの成長はすごいものです。

〇かぶは、一般的には肥大した根の部分を食用としますが、葉にも栄養素が多く含まれています。また、春の七草の「すずな」はかぶのことです。かぶの原産地は、アフガニスタンあたりか地中海沿岸の南ヨーロッパを加えた地域とされています。ヨーロッパでは紀元前から栽培され、日本には弥生時代に大陸から伝わったと言われています。初めて知りました。

〇サツマイモの原産地は中央アメリカで,15世紀末頃スペイン・ポルトガルに伝わり,さらに東南アジア,中国,琉球へと伝わったと推定されています。 日本への伝来ルートの主流は沖縄(琉球)からと考えられているそうです。サツマは薩摩(鹿児島県地方)のことですので、こちらは何となく知っていた気がします。

〇昨晩は獲れたてのかぶ(白い実と緑の葉)の味噌汁を自宅で食べました。意外なことに実よりも葉のほうがシャキシャキして美味しかったです。

〇また本校の中庭には、ゆずの木があります。こちらは果実ですので、木から上手に用務員さんが収穫してくれました。ゆずは独特の香りと、果皮の黄色が鮮やかです。数個いただきましたが、それだけで帰りの車内は良い香りにつつまれました。この特徴を生かして、昔からお吸い物などに広く利用されています。

〇ゆずの故郷は、中国の揚子江上流が原産といわれています。日本には唐の時代に北京地方から朝鮮半島を経て渡来したようで、日本にも古くから山口・徳島県に野生のゆずがあります。奈良時代にはすでに、薬用や食酢としての利用を目的として、栽培されていたことが記録に残っています。

〇特筆すべき点は、ゆずは種子をまいてから結実するまで、長期間を要するため、俗に「桃栗3年、柿8年、柚は9年で成りかかり、梨の大馬鹿18年」といわれています。9年間は人間でいえば丁度小中学校合わせての義務教育期間と同じですので、3年生で希望者する生徒には受験勉強の励み(香りを楽しんで気分転換)になるように、特別に分けてあげようかと思いました。

須藤昌英

 

11月14日(木)「リフレーミング」の訓練

〇リフレーミングという言葉は、「認識の枠(フレーム:frame)を改める(re)」ことを意味します。リフレーミングとは、物事を別の角度から解釈し直すことで、簡単に言えば、一つの視点ではなく、いろいろな角度からの見方をすることにより、嫌なことや苦手なことをポジティブ変換する「思考テクニック」です。

〇よく使われる例えとして、目の前に水の半分入ったコップがあったとして、これを「な~んだ半分しかない ⤵」と思うか、それとも「よしまだ半分もある ⤴」と思うか。水の量という事実を変えることはできなくても、その事実をどう解釈するかで、感じ方は大きく変わります。これはだれもが日常生活で経験すみだと思います。

〇リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。モチベーションアップや自分に自信がつく、ものごとへの苦手意識が弱まったり人間関係が良くなったりすることが心理学の面から報告されています。3年生の校長面接では何人かの生徒に、「確かに苦手なことに取り組むのは気がひけますが、『何でも初めから完璧にできる人はいない!』『自分の可能性をのばす絶好のチャンスかも!』ととらえると、『まずはやってみよう!』となりますね。」とアドバイスしました。

〇リフレーミングは主に2種類あり、一つは「今の自分の状況・事実」をリフレーミングしてみること。例えば、病気でしばらく休んでいなければならない時、最初は「あれもやらないと、これも遅れてしまう」ばかり思っていまがちですが、「休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられる」と気持ちが変わると、「休んでいる間にできることをやろう」と思いなおせます。

〇また「自分の性格や行動の傾向」をリフレーミングすることも多いです。例えば、いつもいろいろなことに「心配性な人」も、「想像力があり慎重にものごとをすすめることができる」と切り換えると、また違ってきます。ただこれは、なかなか自分では気が付きにくく、他人からのアドバイスが大きなポイントをしめると思います。

〇ネットなどで調べると、「リフレーミング辞典」というものがあり、私も時々参考になるので、眺めています。冒頭に書きましたが、これは思考テクニックですので、ある意味訓練する必要があります。最初は「こんな言い換えは不自然で違和感がある」と思いがちですが、そういう感情を抑えて、無理やりでも受け入れてしまうことが大切です。

〇先日の3年生は、「自分の短所は『面倒くさがり』のところです」と言っていたので、私からは「それはおおらかなことまたは細かいことにこだわらないという良い面とも言えますね」と返しました。私も「少し強引すぎたかな?」と思いましたし、本人はキョトンとしていました。ただこちらも訓練して何とか相手に前向きなってほしいとの気持ちがありますし、本人も後から少しでもその言葉が頭に残って、「そういう見方もあるかな?」のように受けて止めくれるといいのですが・・・と願っています。

須藤昌英

【リフレーミング辞典の一部】

11月13日(水)自分の身体と向き合うこと

〇2年前の11月に自宅で発熱、その晩にコロナの陽性が発覚、次の日から7日間自宅で療養するという経験をしました。当初は家族の中で最初に、同居している母が喉の痛みを訴え、咳をし始めたので、家の中で生活する動線をわけるなどの警戒をしていました。

〇ところがその母はその後発熱はせず、回復に向かいました。それと入れ替わるように、私も含めた家族が喉に違和感を覚え、咳が始まったのちに発熱しました。その夜は発熱外来は受け付けしてもらえず、薬局で抗原検査キッドを購入して、すぐに「陽性」が判明しました。

〇コロナそのものに対する薬は手に入りませんでしたので、喉、咳、鼻水への処方箋を服用しつつ、ひたすら自宅に引きこもりました。幸い食欲はありましたので、お粥を中心とした食事をとり、徐々に身体に力がみなぎってくる感覚を今でも覚えています。

〇この夏あたりから少しずつ中学生にもマイコプラズマ感染症が流行しているという話を聞いています。少し調べると、風邪のような咳・鼻汁から始まり、咳や発熱が長く続くのが特徴で、特にマイコプラズマによる肺炎になると、頑固な咳をともない、一部の人は重症化したりするようです。また、一度かかっても何度でもかかりうる感染症のようです。

〇専門家は「命を奪うほどの肺炎ではないので、過度に恐れる必要はないが、子どもがごはんを食べず、ぐったりしている状況は普通ではないので、病院を受診して水分を補給したり、栄養をとったりすることが必要になってくる」と話しています。

〇またその上で、感染対策について、「コロナ禍のころを思い出してもらい、飛まつ感染を予防するためには、マスクを着けることやこまめに手を洗うことがいい方法だと思う」とアドバイスがあります。

〇肺炎となると呼吸がしにくくなるのはよく聞きますが、私の場合に2年前のコロナ感染で、呼吸の困難さを感じました。健康な時には気づきにくいですが、生きる上でいかに「呼吸」が大切かということを考えさせられました。

〇高熱や咳が出ているときも、無意識に呼吸はしていますが、そういうときこそ少し呼吸に意識を向けて、まずはゆっくりと身体中の息を吐き出しますと、その反動で新しい空気が自然と入ってきます。呼吸が深くなると精神的な不安も少し和らぎます。

〇よく病院の診察時などでも、まずは「吸って」、次に「吐いて」の順で医師から指示されますが、本当は順番が逆で、しっかりと「吐く」と、自然と「吸える」のか?と思いました。咳止めなどの処方箋も確かに有効ですが、局所的ではなく、身体全体をケアし、本来もっている「自然治癒力」を最大限に引き出すには、呼吸を整えることが一番簡単にできることだ!と感じました。

〇コロナの時には、若者が後遺症に悩んでいるという話をよく聞きました。一定の期間が過ぎても、嗅覚・味覚障害や強い倦怠感が多く、中には発熱や呼吸困難など日常生活に支障をきたしているという相談事例も多かったようです。今回のマイコプラズマ感染症に関しての後遺症も心配になります。

〇風邪やインフルエンザ等に感染した際には、発熱や咳などの症状が出ますが、それらはしっかりと体を守ろうとしている「身体からのサイン」だそうです。発熱などの原因のほとんどは、身体が病原体と戦い、体を守るための生体防御反応なのです。そのサインに素直に耳を傾け、休養することが何よりも大切であり、たとえ受験生と言えども決して無理をしないようにしてほしいです。

須藤昌英

11月12日(火)「ゲーム」との付き合い方

〇校長面接などで、3年生に「受験勉強をしている時の気分転換の方法は?」と尋ねると、8~9割の生徒が「好きなゲームをしています」と答えます。そこでさらに「気分転換のつもりが、そのままハマってしまうことは?」と続けると、大抵の生徒が苦笑いし、「それが悩みです・・」のように打ち明けてくれます。

〇過去に担任していた生徒から、同じようなゲームに関する質問を投げかけられたことがあります。「どうしたらゲームをやめられますか?」と。私は答えました。「方法はただ一つしかないよ。それはそのゲームの攻略法を徹底的に友達から教わってからやってごらん。わかると思うけど、そんなのはつまらなくてすぐに止めてしまうでしょ」。

〇少し逆説的な言い方ですが、そのように何もかも教えてしまっては、人はまったく面白みを感じないのです。どうしてかと言うと、ゲームの中で「自分で選択する機会」が前もって奪われ、冒険心や挑戦心などのやる気のもとがなくなってしまうのです。

〇私が「ゲーム」と聞けば、今から40年前以上に流行したインベーダーゲームを思い出します。当時はまだ自宅で行うゲーム(ファミコンなど)は販売されていませんでしたので、高校生だった私はゲームセンターで夢中になりかけていました。ただ段々とゲーム以外のことが忙しくなりゲームセンターに行くのも億劫になったので、お小遣いを使い果たすようなところまではいきませんでした。

〇しかし今は自宅でゲームが当たり前ですので、生徒たちが自らの制御力でゲームをする時間をコントロールしなければならない状況です。自宅でできる便利さはありますが、逆にゲームとの程よい距離を保つことが難しくなっています。先ほども書きましたが、生徒がゲームの中で自分が主役となり、「主体性」をもって課題に挑戦していくことは、人間の本質にあったゲームのプラス面であり、否定されるべきではありません。

〇ただ先日、You-tubeの対談で、東大名誉教授の姜尚中(カン・サンジュン)氏が指摘していたことも気になります。姜氏は「人生(実社会)はゲームではない」とし、「(要約)現代は政治、経済、人間関係などのすべてが、ゲーム理論に基づいて処理されている。ありとあらゆる領域から集めた情報をアナリストが分析したりそこからシュミレーションしたりして、現場の様子はモニターでみるだけ。そこに強烈な違和感をもつ。しかし実際に目の間で起きていることはもっと複雑で、ゲーム理論だけでは到底説明しきれない」と鋭く述べています。

〇これを見ながら深く考えさせられました。ゲームの良さは認めつつ、そこから実際の生活にいかに戻ってくるか。冒頭の受験生の悩みは、決して子どもの問題ではなく、我々大人も直面している問題だと思います。

須藤昌英

 

11月11日(月)富勢地区文化展&三学年期末テスト

〇先週末の土・日曜日は、富勢地区ふるさと協議会主催の文化祭の中の展覧会が、布施近隣センターで行われ、本校の美術部員が書いた「富勢中の風景画」を出品しました。

〇ここには、富勢小、富勢東小、富勢西小、県立柏高校からの作品もあり、児童生徒の感性の豊かさを感じ取ることができました。絵の構図や色使いは、大人では描けない自由さがあり、素晴らしいと思いました。

〇私もそうでしたが、中学生くらいになると、「見たままを忠実に描くことを基本にした絵画(写実絵画)」を描きたくなるようです。 ただその作風は生徒個人によってさまざまであり、だからこそ同じような情景を描いても、表現されたものはそれぞれ全く違うものになります。

〇先日も放課後の校庭で、一人の女子生徒が本校の正面玄関あたりを描いていましたので、「出来栄えはどうですか?」と声をかけたところ、うれしそうに「まあまあです」と答えていました。

〇どの生徒も何度も何度もスケッチして彩色するという作業を繰り返していました。彼らの描く絵には、集中して一つの作品に取り組んだ「時間の痕跡」が感じられます。この時間の積み重ねこそ大切であり、描かれるものにはその瞬間しかない美しさと儚さがあり、その経験が作者にとって次の作品のベースになるのだとかんじます。

 

〇今日と明日は、三年生のみ2学期の期末テストを行います。今日は、社会、国語、英語の3教科、明日は数学と理科の2教科です。

〇「なぜ3学期の期末テスト三学年だけはやく行うのか?」は2つの理由があります。一つ目は、高校入試の際に中学校が高等学校へ提出する「調査書(生徒の3年間の生活及び学習の記録)」を作成するために、3学年の学習評定を確定することが必要になります。一及び二学年の学習評定はすでに確定していますが、三学年は1学期及び2学期の学習の様子を総合的に勘案します。そしてまず、そのもとになる「保護者連絡票」を作成し、本人及び保護者に内容を確認してもらった上で、正式な「調査書」を年開けまでに作成します。

〇もう一つの理由は、特に私立高校の場合、その学校独自の「推薦制度(第一志望または第二志望以下もある)」があり、その推薦制度の条件に志望した生徒の成績が見合っているかを、来月から中学校の教員が高等学校へ出向き、「入試相談」を行います。この際に、先ほどと同様に、一及び二学年の成績に加え、三学年の1学期及び2学期の評定が必要になってきます。もしこの「入試相談」」で、高等学校側がその生徒が基準を満たしていることを認めれば、その生徒は願書などを出す時に、「〇〇推薦」を利用した出願が認められます。一番早い出願は、12月から「茨城県私立高等学校」となり、その後、「千葉県」「東京都」「埼玉県」と続きます。

〇三年生の皆さんには、これまで努力した成果があらわれることを願っています。

須藤昌英

 

11月8日(金)「個性は可能性」について

〇3年生との校長面接では入試本番を想定し、生徒は制服を着て校長室に入室してきます。彼らは入学してからはフォーマルな服装として、制服を着ることに慣れていますので、よく似合っています。生徒たちとは着ている制服の話をする時間はほとんどありませんが、ふと思い出したことがありました。

〇今から20数年年前くらいに学級担任をしていたころ、生徒たちと当時の学校の制服について、何度か話し合いしたことがありました。生徒たちは、「決められた制服や頭髪の基準、またそれらの身だしなみなどの約束があるのは窮屈な気がする」と言っていました。

〇もちろん私自身が中学生の頃も同じでしたが、その時の柏中は全校生徒が二千人いて、「中学校の時だけの決まりだし、みんな同じだから・・」と感じるくらいで、当時の生徒のように「自由がない、窮屈」とまでは思いませんでした。

〇そこで当時、あるインタビュー記事で映画監督の大林宣彦さんが、「制服」について学生に語っている文を見つけ、学級通信に掲載しました。引用します。「確かに制服はみんな同じで変わらないかもしれないけれど、その人が読んだ本、聴いた音楽などによって、まずその人の目の輝きや語る言葉が変わってきます。そうするとその同じ制服を着ていても、『個性』が出てくるんです。制服はファッションではなく、【心のあらわれ】です。同じものを着て窮屈で嫌と感じるとすれば、君の言葉を磨きなさい。君の目の輝きを磨きなさい。そうすると君の着ている制服は、君だけに似合う『個性』になるよ、と言いたいですね」

〇映画監督は一つのテーマをいかに表現するかをいつも考えてそれを仕事としており、その「表現のプロ」が言っているので、言葉に重みがありました。私は学級通信に、自分の解釈として「つまり表面ばかりに目を奪われて本質を磨くことを忘れてはいけないということを教えてくれていると思います」と添えました。もちろん生徒達はすぐに納得していたわけではありませんが、生徒達の疑問に寄り添いつつで、教員として一緒に学んでいたことは忘れることはありません。

〇また大林さんはこうも言っていました。「制服というのは対話の手段なんです。人間どうしは対話をすることでお互いを理解しようとします。対話とはお互いの違いを知る作業で、君と僕はこれだけ考え方が違うんだね。だからお互いに価値がある。これが共存共栄の意味だと知るわけです。違いを知るためには、一つの同じ土壌にいなければダメなんです。そのルールが制服だと思えば、制服を着せられたからみんな同じだと思うのではなく、同じ制服を着ているけれど、僕はこういう言葉を語るし、君はこういう言葉を語る、そうするとその制服が違って見えるということからも、個性を鍛えることができると思いますね」

〇後半の言葉は、当時大人であった私も深くうなずくものでした。同じ制服を着て面接をしていても、それぞれの生徒の個性はよくわかります。最近の私の結論は、「個性=可能性」ですので、逆に制服だけで個性(可能性)が無くなるなどは、空論に過ぎないと感じています。

〇来年度からは柏市標準服(ブレザータイプ)も本格的に導入されます。生徒や保護者にとっては、現行の制服か新しい制服かの選択肢が増えます。毎朝本校正門前を通学する幾人からの富勢小の6年生に、「制服は決まりましたか?」と尋ねると、大半が新制服と答えていましたが、中にはあえて今の制服(学ラン、セーラー服)を考えている児童もいました。

〇今の中学生は、制服についてどう思っているのか。何かの機会で、聞いてみたい気がしました。

須藤昌英

【柏市標準服:上着ブレザー&スラックス、スカート】

11月7日(木)「いじめ防止サミットKashiwa」

〇昨日、柏市内の中学校21校の代表生徒が2名ずつ集まり、「R6いじめ防止サミットKashiwa」がオンラインで開かれました。テーマは「SNSといじめ」で、NPO法人企業教育研究会代表の市野敬介さんがファシリテーターとなって、参加者がグループで話し合う形式の学習でした。

〇本校からは、生徒会役員の中村雅さん(2年3組)と佐藤莉杏さん(2年5組)さんが、富勢中を代表して参加しました。二人とも積極的に自分の意見を発表したり、他の中学校の生徒の話を真剣に聞いたりしていました。

〇サミットでは、二つの課題について話し合いました。一つ目は、アメリカのフロリダ州などでは、子どもがSNS上でネットいじめなどのやりたい放題が問題になり、その後子どもがSNSを利用することを規制する法律ができましたが、「もし柏市の条例で中学生以下のSNS使用禁止が決まった場合に、あなたは賛成しますか?反対しますか?」でした。

〇参加生徒は4人グループに分かれて、それぞれ自分の意見を根拠を交えて発表しあいました。いろいろな意見が出ましたが、「この時代に情報収集するのにSNSは欠かせない」「いじめ防止の意識を繰り返し高めていく必要がある」などの本質をついた理由がありました。

〇次に「このような禁止や制限を必要としないためには、学校でどんな取り組みが出来ますか?」の課題で、これもいじめ防止のポスターや呼びかけの便りを作成する、いじめについてだれでも相談できる場所をつくるなどの建設的な意見がありました。

〇大人の私でも考えさせられる内容でした。普段から仲が良いからといっても、一つのメールなどで相手を傷つけ、人間関係がこじれてしまうことはよくあります。むしろ正式にネットモラルの教育を受けていない我々大人の方が、生徒達よりもよほど気をつけていかなければならないと感じます。

〇このサミットを教材として、12月23日の終業式に、中村さんと佐藤さんには、全校生徒に向けて「いじめやSNSの使い方」について考える授業をしてもらうことを計画しています。事前に生徒や保護者にもアンケートをとるなどして、本校の実態に即した内容にリメイクします。ご期待ください。

須藤昌英

【積極的に参加し、メモを取りながら全校生徒向けの授業について考える中村さんと佐藤さん】

11月6日(水)「交通安全誓いの碑」

〇正門から入ってすぐ右脇に、「交通安全誓いの碑:交通違反をしない、させない、許さない」と書かれた石碑があります。これは今から38年前の昭和61年5月の日曜日、集団で部活動の練習試合の帰り(歩道を自転車で走行中)、猛スピードの車がその列に突っ込み、当時の本校女子生徒2名が命を落としたという大きな事故があり、「そのような交通事故が二度とないように」と願いを込めて当時の生徒・教職員・PTAが建立したものです。2年前に八街市で下校途中の小学生の列に、飲酒運転のトラックが突っ込み、2名の死傷者と3名の負傷者が出たことは記憶に新しいです。

〇私は当時大学4年生で、間もなく教員採用試験を受けようとしていました。住んでいる柏市内でそのような悲惨な事故があったことはテレビなどでも大きく報道されましたので、今でも記憶にはっきりと残っています。

〇その翌年4月に柏市の中学校教員となり、その事故現場がちょうど通勤途中だったので、行き帰りにその場所を通るたび、心の中でご冥福を祈りつつ、教員として生徒の命を預かる重い責任を実感していました。

〇その女子生徒さんたちもご存命であれば、今50歳台前半になっています。一昨年4月に本校に着任した際も、その38年前の事故については前校長や前PTA会長さんからも引継ぎとして説明を受けています。

〇500名以上の生徒の命を預かっている今、同じような事故が起きないように日々努めていかなければならないと、亡くなられた方への誓いとしてあらためて肝に銘じました。

〇先日は、柏市教育委員会を通じてから千葉県交通安全対策推進委員会より「自転車乗車用ヘルメット着用率向上に向けた取組について(通知)」が届きました。内容は以下の通りです。

1 自転車乗車用ヘルメットの着用について

令和5年4月より、自転車乗車用ヘルメットの着用は努力義務となりました。通学時の自転車利用に限らず、日常利用でもヘルメットの着用に努めていただきますよう御協力をお願いします。

【道路交通法第63条の11第1項】

自転車の運転者は,乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

2 通学時の安全運転について

自転車で通学の際に転倒し負傷する事案が発生しています。また、ヘルメットを着用して頭部は保護できたものの他の部位を負傷する事案も発生しており、安全運転についてより一層注意いただきますようお願いします。

〇この3年間正門脇で、ふるさと協議会と連携して16日に地域の御年輩の方々に配付する「ビオラ花鉢」を育成中です。その花鉢を生徒たちが「交通安全誓いの碑」の近くで育てているのも、何らかの供養になれば・・と感じています。

須藤昌英

11月5日(火)ちょっと良い話と想像力について

〇この三連休は、土曜日は秋雨前線で雨でしたが、文化の日と振替休日は秋晴れで気持ちの良い日でした。運動しようと自転車に数時間乗っても大汗をかくこともなく、ベンチで本を読んでいても紅葉しかけの木々や鳥の声で心が安らぎます。

〇ようやく暑さから逃れ、このような気候が長く続けばよい・・といつも思いますが、なかなかそういうわけにはいきません。気温や湿度が下がると、ウイルスの活動が活発化し、感染症の心配が出てきます。警戒を始めていきます。

〇先日学区にお住いの方から、うれしい連絡が入りました。道路で落とし物(財布)をして気付いて警察に連絡すると、近隣の交番に届いていたそうで、届けた人を尋ねるとどうやら富勢中の生徒であるとのことでした。

〇その生徒は交番へ名前や連絡先を知らせなかった?のでしょうか。結局直接お礼を言うことが出来なかったので、学校に連絡してくださったようです。職員の打ち合わせで周知し、クラスで伝えたいと思います。

〇こういう話を聞くと、最近よく報道されている通称「闇バイト」にかかわってしまった若者たちと比べてしまいます。もちろん一概には比べられませんが、手元のスマートフォンですべて(金銭欲しさも含め)を解決しようと、ネットサーフィンして見つけたサイトへアクセスし、短時間で高収入という「効率」に目がくらんでしまったのかもしれません。

〇そもそもこの犯罪を「闇バイト」などと呼んでしまうこと、これこそが今の世の中の負の部分だと思います。スマートフォンの情報は間違ったものや法律に触れることなどが多く含まれていること、実行役や見張り役などの細かい役割分担があるので、もし捕まっても一人の犯罪よりは罪は軽いだろう?などの思い込み・・。

〇一番の問題は「想像力」の欠如です。先ほどの落とし物を交番に届けた本校生徒は、「落とした人はどれだけ困っているだろうか?」とその人の気持ちを想像したからこそ行動できたのだと思います。一方で、犯罪に手を貸してしまった若者たちは、「自分さえよければ・・」と被害者の気持ちなどを考えることもなく、短絡的であると言わざるを得ません。

〇逮捕された若者たちばかりを責めるのではなく、我々大人がつくってきたこの世界には、多くの矛盾や誤魔化しがはびこっており、その陰で苦しんでいる人がいることを再認識する必要があると思います。いくら経済的に豊かになっても、弱い立場にある人たちを切り捨てて成り立っている社会に、本当の安らぎはありません。天高い秋の空をみんなが楽しめるような世の中にならなければならないと感じます。

須藤昌英

 

10月31日(木)合唱コンクール前日

〇明日の合唱コンクールに向けて、今日は最後の練習を各クラスで行います。発表も頑張ってほしいですが、特に生徒たちは柏市民文化会館へ朝、直接徒歩で集合し、終了次第現地で解散ですので、行き帰りの交通安全にも気をつけてほしいです。職員も途中のポイント地点で安全指導を行います。

〇柏市民文化会館の最寄りの駅は北柏駅ですので、そこまで電車やバスを利用することは許可しています。また自転車通学の生徒は、学校に自転車を置いてから徒歩で行くように指導しています。

〇終了時刻が12:15ですので、例年の様子をみていると、行きよりも帰りの方が一斉に帰りはじめお腹もすいているので、小さなトラブルが生じています。

〇とにかく外部の施設を借用しての行事ですので、生徒たちにとっては校内で行うよりも普段と勝手が違うことから臨機応変に行動することや一般的なマナーなどを守るなどの意識をもつ機会になります。

〇地域や保護者の方々には学年毎に入れ替えで鑑賞していただきますが、外部施設とあって職員も校内で行う場合よりもあちこちに役割に応じて配置してありますので、ゆっくりとご案内したりお話ししたりする余裕がありません。ご了承いただき、鑑賞席ではお互いに譲り合ってお楽しみください。

〇私は以前から生徒たちに、「人の身体は最高の楽器」ということを言っています。楽器というとピアノやギターなどを連想しますが、最も原始的だけれども誰でももっているのが、声を出す役割を担っている声帯で、そこから発する音を身体全体で大きく響かせたのが合唱です。

〇1年生は初めてのステージで緊張しますが、スポットライトを浴びて歌えることを楽しんでほしいと思います。2・3年生はこれまでの経験をいかし、堂々と歌い上げてくれることでしょう。もちろん受賞するかしないかは気になるでしょうが、それよりもやり切った充実感を味わってほしいです。

須藤昌英

 

10月30日(水)「中学校教育に望むこと」

〇全日本中学校会が定期発行する冊子に、前WBC日本代表監督で、メジャーリーグに行く前の大谷翔平選手を育てた栗山秀樹氏にインタビューした記事がありました。一部を紹介します。
〇質問
今、日本の中学生は、他国の若者に比べて、「自己有用感」「自己肯定感」が低いと言われていますが、監督の目には今の中学生の姿がどのように映っているのでしょうか?
〇栗山監督
どこに生まれるかというのは自分で選べるわけではありません。例えば人に生まれるかもしれないし、虫に生まれるかもしれないことも含めて、神様が決めているという中で、ほかの民族がどうのこうのというのは一切関係なくて、そこに対しては中学生だけでなくて日本全体が言われていますよね。
日本人が優秀だと言われた時代があったものが、今これだけ経済的にも政治的にも遅れをとっている。ただ、先人の皆さんの功績とかやってきたことを見ると、僕はこの国に生まれて本当に良かったと思っています。そのことをWBCで表現したかったというのは正直あります。
日本が世界一になるという意味は、「さあ行くぞ、俺は世界をとってやる」と子ども心に感じてもらうためではないかと思っていましたし、そういう意味では、自己肯定感が低いという中学生たちの感じをみていて、ただ単純に「ぜいたく病なんだろうな」と思っているだけです。
昔は食べるのも大変だった。何もしなければ食べられないわけですよ。ところが今は、大人になっても守ってくれる人たちがいっぱいいるので、それはなかなか難しいだろうなと思っているところがある。変な言い方ですけど、それがダメとかそういうことではなくて、絶対能力はあるし頑張ったらできるところもある。スポーツの世界にいて何が人の分岐点なのかというと、能力じゃないですね。「できないよな」と思った瞬間にできないんです、すべてが。そうではなくて、これをやると決めてやり切った人がそこにいくというだけの話です。それは時間がかかるかもしれないですけど、そういうことなんだと十年間の監督生活で思ったんです。これは体験です。
(途中略)
要するにの能力じゃない、本当に自分がこうするんだという確固たる志、意思というんですかね、それが何らかのタイミングで得られれば、今の中学生たちも勝手に能力が伸びていくということなのかなと、そこは信じています。
そういう子どもたちが、今はそうみえるけれども、必ずそういうものをもっている。そこにどうやって火をつけるか、どうやって灯をともしてあげたらいいのか。僕は良く、「やる気の志には我々は火をつけられない」と言っています。本人しか火をつけられることはできないので、我々はそのお手伝いしかできないと思うんですよね。今その自己肯定感や自己有用感が育たない何かの要因があるというだけなのかなという感じで僕は捉えています。
〇栗山氏は国立の教員養成大学の出身で、教員免許ももっていた方なので、親近感があります。プロ野球選手という大人を育てる仕事ですが、基本的な考えは我々教員と同じだと感じました。

 須藤昌英

10月29日(火)長文を諦める(新聞を読むことで身につく力)

〇昨日の朝刊は、衆議院選挙の記事が大きく取り上げられていました。テレビでも同様に報道されていましたが、細かい情報などはテレビの方が詳細をつかめるので良いですが、全体の結果を大まかに把握したい時には、新聞の方がテレビなどよりも圧倒的にわかりやすいと感じます。

〇やはりそれは記者やデスクなどにより、限られた時数でいかに事実を伝えるかの視点で校正が繰り返されているからでしょう。繰り返しますが、新聞の最大の利点は各面の見出しをサッと見渡すだけでも、社会で起こっていることが大まかにつかめるという点です。

〇毎年行われる文科省の全国学力テストの分析から、本校を含む全国の生徒の国語の長文読解の正解率は低下しており、長い文をみるとすぐに「諦める生徒」も多いことがわかっています。これはSNSの影響が大きく、短文や絵文字でのやりとりが広がり、生徒が日ごろから活字と向き合う環境を整える必要があると結論づけています。

〇3年生との校長面接をしていても、国語に苦手意識をもつ生徒のほぼ9割が、問題文が長文であることでそれを読み切れていない(読みはじめても途中でやめてしまう)ことがわかります。長文といってもさすがに問題として掲載するので、400~600字(原稿用紙1枚半程度)が多いので、ゆっくり読んでも2分あれば読み切れます。

〇現行の学習指導要領でも、「新聞を活用した学習」が明記され、国語の授業の一部では、新聞の記事を使った教材も使用しています。本校では全国紙(朝日新聞)と地方紙(千葉日報)の朝刊に加え、中高生新聞(読売新聞&小学館)を定期購読しています。全国紙と中高生新聞は、図書室でいつでも生徒は閲覧できます。

〇特に中高生新聞は、週に一度の発行ではありますが、今の社会問題を写真や図を入れたり、難しい用語をできるだけ使わずに説明したりと、大人の私が読んでも「なるほど」を思うときがあります。例えば先週の中高生新聞の第一~三面は、「ノーモア・ヒバクシャ 次世代へ」と銘打ち、ノーベル平和賞に日本被団協が選ばれたことを特集しています。これを読むと、「我々大人でもわかっているつもりで知らないことが多いなあ」とつくづく感じます。

〇また新聞は読めば読むほど、世の中や人間は複雑で簡単には理解できないことに気づきます。しかしそのモヤモヤした気持ちが重要ではないでしょうか?新聞を読むという一見非効率に見える時間も、少しずつ自分の引き出しを増やしじっくりと深く考えてみる機会になると思います。

〇このように「新聞を読む力」を育てることは、単に長文に馴染むだけではなく、社会の出来事に感心を持ち、生徒の情操や課題解決力を伸ばしつつ、最後は「自分ならどうするか?」という主体的な生徒に導くことにもなります。

〇「長文を諦める」生徒への対策として、授業中だけでなくあらゆる場面で、書かれていることを理解するために、注目する内容を決めて要約する練習を積みかねていきます。

須藤昌英

【10月20日付 朝日中高生新聞】

 

 

10月28日(月)柏市技術・家庭科作品展&音楽発表会

〇技術科と家庭科の授業で作成した中で、優秀な作品を出品しました。週末のさわやかちば県民プラザの回廊ギャラリーには、他校の素晴らしい作品も展示されていました。

〇本校の出品者です。

技術科作品

1年 コーナーラック 椎橋美月

   棚付き本立て 塩川隼人 廣瀬有里桜 宮原結菜 

   キッチンペーパーホルダ 東 健斗

3年 ウッディラジオ 壁下翔志郎 松本小暖

家庭科作品

1年 緑のコーヒー(刺し子)  松本悠希

   刺し子 近村 蓮 村上収都

2年 ハーフパンツ 中村 雅

   Mabon 千葉翔平

3年 いつもの 石黒音羽

   これ、なぁに? 井野流楓

   ねずみちゃんとえのぐさんたち 栗林瑞綺

   これ な~んだ? 向井晴香

   なんでないてるの? 平塚美笑

〇26日(土)には、富勢ふるさと協議会主催の音楽発表会が富勢小体育館で行われ、本校の吹奏楽部がトップバッターで出演しました。

〇次の富勢小の児童による演奏も、日頃の練習の成果を発揮し、堂々とした演奏でした。来年に入学してくる児童もいますので、4月からは一緒に演奏できることでしょう。

〇最後は、市内で活躍するチアリーダーチームの「PRIDE DANCE CITY」によるダンスとその間に、児童生徒と一緒に踊るダンス教室がありました。身体を動かして、楽しそうでした。

〇地域の行事で、児童生徒の活躍をみてもらうことは、大きな意義があると思います。

須藤昌英

 

10月25日(金)「やればできる」と「できるからやる」

〇教員として38年間、目の前の生徒の可能性を引き出し伸ばすことを最大の目標として取り組んできましたが、いつも迷うのは、「やればできる」と「できるからやる」の2つのどちらが正しいか?です。「鶏が先か、卵が先か」みたいな話ですが、自分としては最大の課題です。

〇「やればできる」は、昔から言われている「努力を美徳として、楽な方を選ぶことを嫌う」が根底にあります。コスパの面から考えると、苦労せず楽に成果が得られるのであれば、最適最良です。

〇しかしその一方で、教育的側面からは、努力を通じてスキルや知識を習得することで定着が強固になるという従来の考えにも、妥当性はあると思いますし、昭和から平成へと教育の主流はこの「努力の継続」でした。

〇前にオレンジの服が印象的だった芸人さんがテレビなどで、そのポジティブな性格を前面に出し「やればできる!」というフレーズを連呼していたことを覚えています。確かに明るい笑顔で言われると、その気になってきます。

〇その芸人さんは、「僕の『やればできる』っていうのは『やれば成功する』ではなくて『やれば成長できる』よねっていう思いを込めています」と説明していました。それを聞いて私もそれにはまったく同感しました。

〇若い時に担任をしている時も、「やろうと思わないから出来ないんだよ」みたいなことをよくクラスの生徒に言っていた記憶があります。叱咤激励のつもりでしたが、言われた生徒はどう思っていたのだろう?と今さらに思います。

〇しかし最近は少し違ってきました。むしろ人は「できるからやる」という見方の方も、正しいのではないかと思っています。努力し挑戦すること(やればできる)によって生徒たちは日々成長していますが、その前提として可能性という「成長の種子」を生まれつき自分の中にすでにもっていて、その種子を開花させている(できるからやる)に過ぎないのではないでしょうか?

〇「やればできる」の陥りやすい点は、今出来ていることはあまり重視せずに、次はコレをするその次はコレをする・・と果てしない無限ループになりやすいことだと思います。精神的に疲労します。

〇一方で「できるからやる」については、失敗を極端に恐れるという今の若者の特徴がその意識を薄めていると感じます。人は誰でも失敗し、その失敗を次にいかして前へ進んでいくのであり、一つの失敗で「すべてがダメ」と自分を否定してしまうことがとてももったいないと生徒たちを見て思います。

〇その原因の一つは、大人(保護者や教員など)が生徒たちに今取り組んでいることの結果を性急に求めすぎることがあると思います。私も含めて「信じて待つ」という大人の姿勢が正直足りないと思います。

〇「失敗を成功で上書きする」という言葉があります。「失敗を失敗のまま終わりにせず、それを小さな成功つなげる」ということを、生徒たちには折に触れて伝えていきたいと思います。

〇最後に昔、ナイキというスポーツメーカーのCMに、マイケルジョーダンというバスケットボールのスーパースターが出演していました。彼は私と同じ年齢ですので、バスケットボールに興味がなかった私もその存在感には注目していました。

〇その彼のCMの中でのセリフが今でも頭に残っています。紹介します。「キャリアで失敗したシュートは9000本。300試合に負けた。26回ウィニングショットを外してきた。今までミスしてきた。何度も何度も・・・。だから私は成功する」

〇今の生徒は彼のことは知らないかもしれませんが、みんなからスーパースターと言われている人でも、数知れない失敗を経験してきていることは伝えたいなと思います。

須藤昌英

 

 

 

 

10月24日(木)市内教職員の授業研修を行いました

〇昨日は午前中で生徒を下校させて、午後は田中中学校で、近隣の中学校の教職員が集まり、授業についての研修を行いました。

〇田中中は、本校と同じく創立78周年目で、柏市で最も古い中学校の一つです。ですから本校と同様に校舎も基本的には古く、使い込まれている感じがします。

〇しかし本校との違いは、その敷地内に新校舎を建設しており、大きなクレーン車が動いています。学区の田中小と田中北小は、柏たなか駅が近いことから児童数が急増し、どちらも千人前後います。

〇今後は田中中へその二校から毎年卒業生が入学してきますので、年々生徒数が増加し、数年後にはやはり全校生徒数が千人を超える勢いです。田中中の校長も、「校舎建設でも生徒の安全を守りつつ、着々と生徒数増加の準備をしている」と言っていました。

〇本校を含めた他の中学校の教員が田中中の授業を参観し、その後各教科に分かれて、授業のねらいや生徒たちの学びの様子について、話し合いをしました。

〇教職員にとって自分の学校だけでなく、今日のように他校の授業を題材に研修していくことが、明日からの自分の授業に役立つので、有意義な時間でした。

〇来月の28日には、2回目の授業参観(午前中1~4校時)がありますので、是非ご来校ください。

須藤昌英

 

10月23日(水)歯科検診の結果と歯磨き推進週間

〇健康を保つには、食事・運動・睡眠は欠かせないことは誰でも知っています。その中の健康的な食生活を維持するためには、「八十歳になっても自分の歯を二十本以上保つことが大切」と昔から言われています。

〇しかし実際に目標を達成している人は半数を下回っているそうです。日本人の平均寿命が延びる一方で、歯の寿命も延ばすことが課題となっている状況のようです。

〇1学期に行った歯科検診の本校データをみると、むし歯がある人が153人(全体の30%)、歯肉炎と診断された人は216人(全体の42%)です。これは柏市内の中でも高い数値となっており、生徒たちの歯の健康があまり良くないことを示しています。

〇ただ歯肉炎と診断された人の内、171人(約80%)は軽度と診断されており、これは適切な歯みがきで改善する見込みがある程度となっています。朝食と夕食は自宅ですので、ご家庭にお願いするしかありませんが、給食は学校の教育活動の範疇です。

〇そこで保健委員会が中心となり、来週は「歯みがき推進WEEK」とし、歯みがき習慣を身に付けるきっかけとします。保健委員が10月28日(月)~11月1日(金)の間、給食後の歯みがきを生徒に呼びかけます。

〇給食後に歯みがきタイムとして音楽を流しますので、歯みがきセット(歯ブラシ・歯みがき粉・コップ)を持ってきてください。忘れた場合でも、口をゆすぐだけでも効果的ですので、意識を高めましょう。。

〇ただし、感染症やけがの対策として、飛沫がとばないよう手で覆ってください。また口をゆすぐときは静かに飛び散らないようにしましょう。さらに教室から移動をするときは歯ブラシを手に持って移動してください。(口に含んだままは危険です)。

〇先ほどの「8020運動(80歳になっても自分の歯を20本以上保つこと)」だけでなく、「60歳で自分の歯を24本以上保つこと」「40歳で自分の歯をすべて保つこと」も提唱されています。私も61歳ですので、何とか目標をクリアしようと食後は歯みがきなどを励行しています。

〇特に歯肉炎・歯周炎を含む歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)ですので、気をつけましょう。歯垢(プラーク)は生きた細菌のかたまりで、むし歯・歯周病などの原因となります。乳白色で歯と同じような色をしており、舌で触るとザラザラした感触があれば、それは歯垢(プラーク)です。

〇歯垢(プラーク)は、水に溶けにくく粘着性があるため歯の表面に付着し、うがいでは取り除くことができません。歯磨きの目的は、この歯垢(プラーク)を取り除いてむし歯や歯周病などにならないようにすることです。

〇保護者の皆様へのお願いです。新型コロナウイルス感染症が流行した時は、給食後の歯みがきは自粛をしていましたが、コロナ渦が明け本校の歯科状況をみて、給食後の歯みがきを復活させることにしました。定着するまでには時間がかかるかと思いますし、やっている人が少ないと歯みがきがしにくいということもあるかと思います。保健委員や教員を中心となって呼びかけていきますので、ぜひご家庭でもお子さんに声をかけていただけたらと思います。ご協力よろしくお願いいたします。

須藤昌英

【日本歯科医師会PRキャラクター よ坊さん】

 

 

 

 

10月22日(火)秋の深まり(あけぼの山農業公園とビオラ鉢の栽培)

〇今道路を歩いていると、あちこちでキンモクセイの甘い香りが漂っており、まだ昼間の日差しが強くても秋の深まりを感じます。残念ながら、本校敷地内にキンモクセイの木があるかと探しましたが、見当たりませんでした。

〇金木犀(キンモクセイ)は芳香剤としてもおなじみの強い香りを放つ花が特長です。 調べてみると、その香りは、遠くまで届くことから古くは「千里香」とも呼ばれていたようです。

〇秋にオレンジ色の小花をいっぱいにつけた姿は、日差しを受けると名前の通り金色に輝いて見え、秋の風物詩となっています。時期をみて本校の中庭に、苗木を植えてみようかと計画しています。

〇本校学区には、あけぼの山公園をはじめ、学校近くの宿連寺第一・第二公園や比較的広いスペースの高野台公園などの公園施設が多くあります。

〇柏市では、あけぼの山農業公園とその周辺道路を整備し、もっと市民が頻繁に訪れる場所になるようにと計画しています。具体的には2025年までに「オンリーワンの象徴的な花の公園」の実現に向け、民間事業者との連携による「TrialGarden事業」の取り組みを開始したり、更なる公園の魅力向上を図るため、公園のゾーニングや周辺施設整備の検討を行ったりしています。

〇確かに柏市のはずれに位置していますので、車が通る広い道もなく、季節の花のシーズンには大渋滞になっています。この地域の方々は公園には自転車などでも行けますが、生活の上では渋滞によって移動が出来にくいなどのマイナス面もあります。市へもその要望は届いているはずです。

〇以前に勤務していた西原中学区には、県立柏の葉公園やさわやか千葉県民プラザなどがありました。しかし周辺道路も駐車場も十分な広さがありましたので、住民の皆さんから「渋滞で困った」ことなどはあまり聞きませんでした。生徒たちも気軽に公園内で遊んでいました。

〇いずれにせよあけぼの山公園や布施弁天東海寺などは地域の宝ですので、本校生徒たちにも大切にしていくことを呼びかけていきます。小学校では生活科で地域を探検して回る学習や総合学習で地域の歴史を調べるなどの学習をしていますので、中学生にはそれらの地域資源を他にいかにアピールしていくかをテーマにした学習をさせたいというプランもあります。

〇私の自宅の近くに「NPO法人手賀沼トラスト」が運営している「サツマイモ掘体験畑」があります。毎日近隣(千葉県だけでなく東京や埼玉方面も)のこども園の園児たちがバスでやってきて賑わっています。子どもにとって直接土に触わることは有意義な体験になることでしょう。

〇あすなろ学級でも、サツマイモやカブの栽培を行っています。収穫の秋が楽しみです。

〇10月7日に富勢地域ふるさと協議会の皆さんと一緒にボランティア生徒たちが移植したビオラが、秋の日差しを浴びて成長しています。正門わきのスペースは、歩道からもよく見えます。

〇毎朝登校したらすぐに、当番の生徒が愛情込めて水やりを行っているおかげで、花の色が段々と濃くなってきています。来月の16日に、ご高齢の方のお宅にお届けする頃には、満開となっていることでしょう。

須藤昌英

【あけぼの山農業公園のコスモス】

【正門わきのビオラの花鉢】

 

10月21日(月)東葛飾地方中学校駅伝競走大会のちょっと裏話

〇朝は小雨が降り天候を心配しまたが、9時を過ぎころから青空が見え始めました。選手は早朝6時過ぎに学校に集合し準備を整えた後、各走区間へ出発していきました。

〇今年のスタート地点の松戸市民劇場前の道路周囲には、多くの選手と付き添い、応援の方々が集まっていました。富勢中のオレンジのユニホーム(ゼッケン番号204)で目立つので、75人いても見つけやすかったです。

〇全10区間で75校が参加していますので、走る選手だけでも750名、それに付き添い生徒や職員がいますので、2000名くらいの関係者がこの日のために協力して成り立っている大会です。

〇午前9時半一斉にスタート、コースの沿道は、広報車、審判車、白バイが先導し、最後は救急車も走っている本格的な駅伝です。32㎞の沿道には東葛6市から交通整理員として応援に駆け付けた教職員、各市の警察署および交通安全協会の方々が等間隔でズラッと並び、特に選手が通過する時間帯のみ、大きな交差点の信号は常に青になるように警察官が信号機を操作しています。

〇ただすべての市民が心から応援してくれているわけではなく、しばらく信号が赤のままの車線にいる車は、次第にイライラし始めて、時には警察官などに文句を言っている姿もあちこちに見られます。

〇私はスタートを見届けた後、近道をバイクで走り、一足先に野田市総合運動公園上競技場でゴールを待っていました。途中の順位は、付き添いの各職員からLineで報告があったり、J―COMのYou tube放送が流れていたりしましたので、後半の繰り上げスタート(白い襷)は何とか免れて、自校の襷をつなげられるだろうと思っていました。

〇陸上競技場に10区の生徒が滑り込んできた時は、ここまで「紺色の襷」を30㎞以上にわたってつないできたことに、毎回のことですが感動しました。結果は、75校中45位(1時間51分52秒)と立派な成績でした。走り切った選手たちの顔にも安どの笑顔がありました。

〇私は以前、9つある中継所の一つの責任者をしたことがありました。各中継所では75校の選手と付き添い生徒、引率の教職員が狭い場所にごったがえしています。まず各校でシートを敷いて、荷物置き場と選手の待機スペースを確保することから競いあいます。

〇そして特に「コール(スタートまえの出場選手本人確認)」が2回あり、もし遅れるとその学校は失格になりますので、各校ともその時間はピリピリした緊張感があります。またコールの際には、大会専用のゼッケンが身体の前と後ろの規定の位置にきちんと装着されているかも厳密にチェックされます。

〇並行して前区の選手が通過する予定時間を常に頭に入れながら、中継所の近くでアップをしたり、体温が下がらないように毛布で身体をくるんだりと、選手はもちろん付き添いの生徒や引率の先生方も大変で、「一つのチーム」にならないと、選手をサポートできません。

〇そして襷の受け渡しの際は、大きなスピーカーで前区の速い学校のゼッケン番号が呼ばれ、そこでやっと中継地点に立てます。もし前区の選手がダンゴ状態で走ってくると、次の選手は大きな声と手を挙げて、自分の学校の選手を呼びます。

〇そして前の選手が倒れ掛かって渡したり、時には次の走者がひったくるようにして襷をもらいダッシュしていきます。この風景は、箱根駅伝などでもよく見ると思いますが、そのように実際に観戦の皆さんは、選手の走っている姿の裏に、様々なドラマを目の当たりにしています。

〇同日に東京では、正月の「箱根駅伝」の予選会が行われていましたが、こちらも大勢の人が声援していたようです。このことを通しても、日本人は駅伝が好きことがよくわかります。

〇この駅伝大会を経験し、将来は箱根駅伝に挑戦しようとする選手がいることでしょう。選手の皆さん、お疲れさまでした。これからも走ることを楽しみ、自分の特技として人生の支えにしてください。

須藤昌英

 

 

10月19日(土)第78回東葛飾地方中学校駅伝大会

〇選手は早朝に学校に集合し、各中継所に出発しました。9時半に松戸市民劇場前をスタートし、11時過ぎに野田市総合公園陸上競技場にゴールします。全長32㎞を10名の選手が襷をつなぎます。

1区 岩瀬 樟さん(2-3)

2区 中村優稀さん(3-5)

3区 丹羽凌仁さん(3-2)

4区 池田晃久さん(3-1)

5区 池田輝利さん(1-3)

6区 山縣透真さん(3-2)

7区 奈須悠樹さん(2-5)

8区 山本翔太朗さん(3-2)

9区 小林海都さん(3-1)

10区 里中秀俊さん(3-3)

 

〇各中継所には、選手以外に付き添いの生徒がいて、選手をサポートしています。正月の箱根駅伝のように、沿道には多くの方々の声援があり、選手はその中を自分のベストの走りを目指して激走します。ゼッケン番号は、「204」です。

〇教員が引率者として付き添っていますので、様子を随時アップしていきます。時系列では、上の写真が新しいものです。

10月18日(金)生徒会任命式&東葛駅伝壮行会

〇昨日の午後、今月から先輩から後輩へとバトンタッチされた役員・委員長の任命式と明日に行われる東葛飾地方中学校駅伝に参加する選手を激励するための壮行会を行いました。

〇まずこれまで活躍してきた生徒からのあいさつがあり、続いて新たに3年生から生徒会組織を受け継いだ各リーダーを紹介する「任命式」を行いました。

〇今年度の後期は、このリーダーたちによって、生徒会活動の目的である「自立・自律」に向けて活動を行っていきます。次のような話を私から投げかけました。

〇富勢中生徒会は全生徒500名を会員とした大きな組織です。組織には「リーダー」とその人たちを助ける「フォロワー」が欠かせません。フォロワーがリーダーに正しい情報を教えたりリーダーの意思を具体的に行動に起こしたりすることにより、組織は成り立ちます。

〇そして特にリーダーは、「一番上のことと一番下のことを行う」ことが必要です。「一番上のこと」とは、組織全体が成長していけるように今後の方針や予定を示していくことです。それに対して「一番下のこと」とは、日頃から挨拶や清掃など基本的な生活習慣を身に付けてそれを自然に行えることです。

〇今月末に行われる衆議院選挙で立候補している国の政治家たちを皮肉っているわけではありませんが、リーダーが偉そうなことだけ言って、やるべきことをやらなければ、フォロワーはそのリーダーを信頼することはなく、結果としてその組織は成長できません。

〇本校のリーダーたちには、そういう人はいませんが、将来いろいろな組織で活躍していく生徒たちには、学校生活で「リーダー」と「フォロワー」の両方の経験をしてもらいたいと願っています。

〇次の「駅伝壮行会」では、選手の自己紹介と駅伝部顧問の山口教諭よりコースなど紹介をしました。次に当日用の「襷(たすき)」を私からキャプテンに授与しました。私から、次のような話をしました。

〇日本では古来から中央と地方の情報伝達の方法として、飛脚が文書などを運んでいました。江戸時代には飛脚の健脚を競うコンテストがあったらしく、優勝すると皆からの憧れの的になったとの記録もあります。

〇襷(たすき)は、武士が真剣勝負するときに両肩にすることからきているといわれており、そこから1本のたすきをつなぎゴールを目指すことが、日本人には性に合っていたのかもしれません。

〇駅伝は日本発祥のスポーツで、その他の相撲、剣道、柔道、空手等と同じく世界に知られており、最近は「EKIDEN」でと書けば世界に通じるようになっています。

〇近代駅伝の歴史は、約100年前に、京都から上野(514km)を昼夜かけて走り、3日間で競い合ったそうです。

〇東葛駅伝は、今年(令和6年)は昭和99年であり、昭和23年(12校参加)から始まっているので、76年の歴史があります。富勢中が昭和22年創立ですから、ほぼ同じ時期にスタートしています。当時の中学生は、現在90歳くらいになっているのを考えると、歴史を感じます。

〇東葛飾6市(柏市 松戸市 流山市 野田市 鎌ヶ谷市 我孫子市)から73校が参加します。箱根駅伝でさえ20校ですから、その3倍以上の出場校数です。

〇東葛駅伝は日本で唯一(中学生が一般公道を白バイが先導で、一人約3kmを10人で約30kmを走る)の大会で、毎年沿道には多くの人が応援に来ています。

〇私が思うに「駅伝の魅力」は、ルールがシンプルだからこそドラマがあり、ごまかしがきかない(選手どうしの駆け引きが難しい)ことです。また「駅伝の魔力」みたいなものもあり、それはその日の選手の体調や心の状態に大きく左右されることが多く、最後まで結果はわからないことです。

〇明日、秋の空の下を各選手が無事に完走できることを祈ります。

須藤昌英

 

10月17日(木)読書週間「この一行に遭いにきた」

〇27日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。

〇昔から「秋の夜長に読書」と言われています。近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪いとは思いませんが、本を手に取ってみることも楽しいものです。

〇9月に柏駅近くのよく利用していた書店「ジュンク堂」が閉店になってしまいました。ネットで本も購入できて便利ですが、やはり書架に並んでいる本を眺めるのは楽しいものです。

〇11月3日は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くの巨大な書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。

〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和6年の標語は、「この一行逢いにきた」で、下のポスターは本と向き合って心が和んでいる様子が表現されています。

〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。

1 語彙や知識が増える

これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれから様々な表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒達には、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。更に深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。

2 想像・創造力や共感力がアップ

次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでで自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。

〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。

〇要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?

〇3年生の校長面接の際も、「最近読んだ本とそのあらすじや感想を教えてください」と質問しています。多くの生徒は堂々と自分の考えを述べた上で、「読書の時間は別世界に入り込んでいる感じがする」のような感想も多いです。「本は一生の友」と言えるような生徒が一人でも多くなるように願っています。

須藤昌英

 

10月16日(水)合唱活動が佳境に入っています

〇11月1日(金)に柏市民文化会館大ホールで行う合唱コンクールに向けて、毎日各クラスとも練習に余念がありません。特に帰りの会を延長し、パート練習や部分的に合わせての合唱に取り組んでいます。

〇1・2年生は混成3部ですが、3年生だけは混成4部(バス・テノール・アルト・ソプラノ)なので、学年が進むにつれてレベルが少し上がっており、大変ですがよく頑張っています。

〇合唱については私も昔、児童・生徒だった時代にいろいろな思い出があります。特に私が在籍していた柏中学校は、各学年とも15クラスずつあったマンモス校(全校生徒二千人)でしたので、全生徒そろってのコンクールを行う広さの体育館等は当時ありませんでしたので、学年ごとに行いました。

〇その学年の中での最優秀賞を2・3学年の時に獲った思い出は、今でも旧友と会って話をした際にはその話題になります。私も多くの友人も正確に楽譜が読めない又はその音がなんの音がわからないレベルで参加しましたが、ともかく緊張しながらも楽しむことができたところがよい思い出になっています。

〇今の生徒たちは練習の際に、手持ちの楽譜に注意点などをいろいろと書き込みをしたりしており、私たちの時に比べて「とても真面目だな」と感心してみています。私などは「何となく音が取れていれば大丈夫」などとタカをくくっていたので、まずはみんなで声を合わせるなどの気持ちの高揚感に触れることが一番だと思っています。

〇そもそも音楽(合唱)の力の一つとして、「聴いている人の感情に訴えかける」があります。音楽を聴いていると、楽しいや悲しいなどの喜怒哀楽が出てきたり、普段あまり考えないことも考えさせられることがあったりします。

〇同じクラスのメンバーとして歌うことで、聴いている人たちへ何かを訴えかけることができますが、それはつまり、あらためて自分と向き合える場面でもあるのではないでしょうか?

〇運動でいえば例えば駅伝は、何も道具を使わずに自分の身体能力だけで挑む競技ですが、同じく音楽の中でも合唱は、自分の声だけを一つの楽器として響かせ、クラスの仲間とハーモニーを奏でることでは、共通点があると思います。

〇当日生徒たちも、柏市民文化会館のステージでスポットライトを浴びて歌いますが、きっと中学校時代の良い経験として残るのではないかと期待しています。保護者の皆様、地域の皆様どうぞご来場下さり、生徒たちの爽やかな歌声をお聴きください。

須藤昌英

 

 

10月15日(火)ノーベル平和賞について思うこと

〇10月になると、ノーベル賞が一週間にわたって発表され、毎年のように日本人の受賞の可能性が報道されています。今年の受賞者の発表は、7日が生理学・医学賞、8日が物理学賞、9日が化学賞、10日が文学賞、11日が平和賞、14日が経済学賞となっていました。過去には科学分野で日本人も多く受賞していますので、やはり私もそこに注目していました。

〇ところが先日、今年のノーベル平和賞が「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」に決まり、私も正直驚きました。NHKの報道によると受賞理由について選考委員長は、「核兵器は道徳的に受け入れられず、二度と使用すべきでないという私たちが『核のタブー』と呼ぶ国際規範を形づくる上で、被爆者の証言が重要な役割を果たすと見ているからだ」「ウクライナに対するロシアの脅威をみると、これは人類に対する脅威の問題となっている。核のタブーが軽んじられると、最終的は核兵器が再び使用されることにつながる可能性がある」と指摘したそうです。

〇また同じく委員長は「来年は広島と長崎で核兵器が使われてから80年になる。この間、核兵器が使用されていないことは、人類を代表する形で被爆者によってなされた偉業だ」と述べ、被爆者たちのこれまでの活動をたたえたそうです。さらに「世界のすべての政治指導者に対し、人類と核兵器は共存できないというメッセージを送りたい。被爆者の痛みや苦しみに耳を傾け、『核兵器によって自分たちが経験したことをほかのだれも経験すべきではない』という彼らのことばを聞いてほしい」と訴えていました。 

〇最後に被爆者や日本被団協に対して「何十年にもわたって継続してきたかけがえのない活動と、それを若い世代が引き継いでいることに感謝している」「世界中の国々の市民社会が核軍縮を政治課題として提起するため行動を起こすことを願っている」として今後、核軍縮の機運が高まることに期待を示しています。

〇日本のノーベル平和賞受賞は、非核三原則を表明した佐藤栄作 元総理大臣が1974年に受賞して以来、50年ぶり二度目です。私は当時小学校5年生でしたので、「日本の首相が受賞した」という事実はよく覚えていますが、そのことの意義まではあまり深く考えませんでした。

〇今振り返り、当時の佐藤首相が個人として受賞した理由が、「日本として非核三原則を提唱」したり「NPT=核拡散防止条約に署名」したりして、平和に貢献したことであったことを考えると、今度は同じ核兵器反対でも、国のトップではなく民間の団体が受賞したことは大きな意味があると感じます。

〇私は家族や親戚に被爆者はいませんが、広島や長崎の平和記念資料館などで当時の資料を目の当たりにして、大きな衝撃を受けたことは、同じ日本人として今後も忘れてはいけないと感じています。日本被団協は今回の受賞をきっかけに「核兵器廃絶に向けた活動」を強めていくでしょう。活動している中には、高校生などの若者もいるようです。若い頃に自国の歴史について考え、自分なら今後はどうしていくべきかと思案することはとても大切だと思います。

〇東欧(ウクライナやロシア)、中東(イスラエルやパレスチナなど)だけでなく、日本を含む東アジア(中国、台湾、韓国、北朝鮮など)でも、隣国どうしの過去の歴史や外交などの問題が山積しています。すべて正解があるわけでなく、国レベルや個人レベルでの対話や協働によって、お互いの存在を認め合うことからしか平和はやってこないと思います。

〇保護者の方々もお子様に対し、「まだ中学生だからどうせあまり関心がないだろう」などと思わず、ご家庭内でこの機会をいかし「戦争や平和」について、世代を超えて意見交換をしてみてください。中学生も必ず自分の意見をもっており、中には大人も目を見張るような卓見を示してくれます。

須藤昌英

【アルフレッド・ノーベルの横顔の肖像】

【佐藤栄作:第39代内閣総理大臣】

 

 

10月11日(金)「スポーツの日」に因(ちな)んで

〇14日(月)はスポーツの日であり、明日から三連休になります。昔は「10月10日が体育の日」と固定していましたので、一番気持ちの良い季節に設定(60年前の東京オリンピック開会式)したのだなと思っていました。

〇一昨年紹介した精神科医のアンデシュ・ハンセンさんの著書【最強脳―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業―】から、スポーツつまり運動と子どもの成長について、要約をしてみました。

〇まず運動の後は、ドーパミン(幸せを感じる)やエンドルフィン(気分が高揚する)というホルモンが分泌されます。そのことで何とも言えない満足感が得られます。また運動したことで得られるドーパミンの方がスマホを見たときのドーパミンの量よりもずっと量が多いことが知られており、脳は臓器の中で心臓や肺などと比べても、一番運動から良い影響を得ていると指摘されています。具体的には、人間の認知機能やその他(記憶力、集中力、創造力)、つまり「知性」そのものが運動から良い影響を受けています。それが強いては「学力も向上する」ことにつながっています。

〇最近の子ども達は生活の中で、「座りがち」になっている傾向があり、データとして20年前に比べてスウェーデンの若者の歩数は25~30%減少しているそうです。またフィンランドの調査でも、よく歩いている子どもの方が集中して学ぶため学力が高く、ストレスも感じにくいことが発表されています。さらに別の研究では、運動が不安や鬱(うつ)のリスクを軽減しているデータが多い、つまり心理的な問題と戦うことができ、「ストレス耐性」があがることになります。

〇特に本来人間は生き延びるため無駄なエネルギーを使わないように、怠惰に生活することを遺伝子レベルで継承しています。つまり、有酸素運動は人間にとって「一種のストレス」であり、本心ではあまりやりたがらないのが普通なのです。しかしそこをあえて運動するとその最中は、大量のコルチゾール(エネルギーを動かすホルモン)が出ます。そして運動が終わるとコルチゾールの値が一気に下がります。これを身体で経験しておくと、運動以外でストレスを感じても、運動している人は運動していない人に比べてコルチゾールの量が少ない、つまりストレスに強くなっているということです。

〇運動量が減った要因はいくつかありますが、最大の要因はスマホであり、スマホは有効な情報を提供してくれるが、その反面「中毒性が強い」、そしてそれにより我々の時間を奪っていることになります。実際に15分のランニングは60分のウオーキングに相当する(つまり効果が4倍)そうで、ランニングでなくても、特に運動しない子には、学校まで歩いて登校することや休みの日に自転車で出かけることがとても効果があるそうです。学校でも昼休みにグラウンドで身体を動かしている生徒は、5時間目に溌剌としている姿が多い気がします。

〇家庭学習ではスマホを別の部屋におくこともハンセンさんは指摘しています。他国の精神科医ですが、世界でも日本と同じように、子どもの成長に不安を感じていることを強く思いました。

〇この三連休は天気が良さそうです。遠くに行かなくても、近くの公園や手賀沼などでウオーキングやサイクリングなどの比較的軽い運動をしようかと思います。子どもの大人も運動することにより「自分の身体の声」を聴くことができます。日頃の運動不足から身体が喜ぶ声が聴こえてくる気がします。

須藤昌英

【先日の青空の体育祭より】

10月10日(木)自分の言葉で語ることの難しさと大切さ

〇先月から3年生との「校長面接」を行っていて、ここまで50人くらいの生徒(それぞれ約10分間程度)が終わりました。あらかじめ質問シートを配付してあり、生徒がそれに自分の回答を書いてあるのを事前に回収し、こちらも参考にしながら、質問をその場で考えています。
〇もちろん個性がありますが、気になるのは、あらかじめシートに書いた自分の回答を覚えたままに答える生徒とそれはそれとして、その場で思ったり考えたりしたことを自分の言葉で言える生徒の違いです。
〇もちろん前者の努力は認めますが、時々シートにない質問もしています。その際、後者の生徒は慌てることなく、「少し考えさせてください」と断ってから、しっかりと考えた後で「私は~だと思います」と答えています。
〇不測の質問にその場で自分の経験を土台にして、自分の言葉で語れるというのは、やはり普段の生活や授業の中で、自分の考えを書き
留めたり、それをもとに発言したりしているからだと思います。それを繰り返す中で、段々と自分の考えの方向性が固まってきたり、逆に他人の考えと自分の考えを比べて、取り入れたいことは柔軟に学んだりしているのではないでしょうか?
〇ここまでの中で、個性的なキラリと光る生徒の回答を一部だけ紹介します。
質問1「この高等学校を志望する理由を教えてください」
回答1「はい、この学校へ夏休みに見学に行った際、学校全体が明るい雰囲気で、あちらの説明では『文武両道』を目指していると聞き、この学校で充実した高校生活を送りたいと考えたからです」
質問2「あなたが将来、看護の仕事をしたいと思ったきっかけはなんですか?」
回答2「はい、小学校2年のとき、怪我で入院した際、優しく接してくれた看護師の方のように、人のために働きたいと思ったからです」
質問3「あなたの特技はなんですか?」
回答3「はい、特技ではないのですが、英語が好きなので、11月頃に英検準2級に挑戦するつもりで、今問題集で勉強をすすめています」
質問4「得意(好きな)教科を教えてください」
回答4「はい、社会です。地理や歴史は暗記も必要ですが、その事実のつながりや流れを考えるのがとても楽しいからです」
質問5「あなたの長所と短所を1つずつ教えてください」
回答5「はい、長所は粘り強く何かに取り組むことです。ただ短所は夢中になると周囲が見えなくなり、人の話が聞けなくなるところです」
質問6「中学校生活での一番の思い出はなんですか?」
回答6「はい、修学旅行です。知らない京都の街を班員と協力して目的地にたどり着いた時の達成感が忘れられません」
質問7「尊敬する人物は誰ですか?」
回答7「はい、両親です。体調を崩しているときでも、家族のために文句も言わず働いてくれ、自分のことも気遣ってくれるからです」
〇お気づきだと思いますが、回答は最初に「結論(考えたこと)」を言い切り、その後に「理由(思っていること)」を言うと、相手に伝わりやすく好印象になります。
〇これは一朝一夕で身に付くものではありません。でもそれを意識しながら生活していると、いつの間にか相手に伝えるにはこれが一番伝わりやすいことがわかってきます。
〇「入試」と言う目先の関門もありますが、卒業後の「人生」にも、自分の言葉で、相手にわかりやすく語ることは重要になってくると思います。須藤昌英

10月9日(水)異校種体験研修(高等学校初任教員)

〇昨日、県立柏高校の若手教員2名(社会科・理科)が、異なる学校の教育活動を体験する研修を本校で行いました。県立柏高校は本校の学区内にあり、本校からも毎年多くの生徒が進学しています。今年の2月には、県立柏高校の生徒会長が富勢中卒業だというつながりで、両校の生徒会同士が協力し合い、能登半島地震への募金活動もしました。またこの3年生も4月からお世話になるので、お互いのことをよく知ることは重要だと思います。

〇お二人に感想を送ってもらったので、掲載します。

須藤昌英

【野本愛里 教諭】

富勢中での1日授業見学や学校の様子を通して、生徒たちの活発な姿勢に大変元気をもらいました。自分は主に理科の授業を見学させていただいたのですが、実験に対する意欲が高校生とは違い、生徒たちの学びに対する前向きな姿勢を見ることができ、自分自身の指導法に良い刺激を受ける貴重な機会になりました。久しぶりの給食や朝の会、帰りの会で大変お世話になりました。2-4組のみなさんありがとうございました!

【松尾 勇希 教諭】

本日はお忙しい中初任者研修にご協力いただきありがとうございます。本日の研修で印象に残っていることが2点あります。1点目は、給食の時間です。高等学校には給食の時間がないので、普段見ない光景でしたが、配膳の仕方など先生方の生徒への指導の仕方が大切になってくると感じました。2点目は、生徒の授業の取り組み状況についてです。積極的に手を挙げて発言をする生徒が多くいて、生徒が楽しんで授業を受けていたのが印象的でした。生徒が楽しいと感じることのできる授業を展開するために、特に導入に力を入れて授業作りをしながら、生徒の興味関心を引き出すことのできる授業を展開していきたいと感じました。本日の研修で学んだことを活かし、自分自身の成長のために日々努力していきます。本日はありがとうございました。

 

10月8日(火)ビオラの苗を鉢へ植え替え(ボランティア生徒)

〇昨日の放課後、11月16日(土)に富勢地区にお住まいのお年寄りの方々へ、鉢植えの花を届けるため、ビオラの苗を鉢へ植え替える作業をしました。73人のボランティア生徒と民生委員・ふるさと協議会の方々との協働でしたが、生徒は楽しそうにやっていました。

〇最初に植え替えの手順の説明を聞き、鉢に肥料入りの土を入れ、そこへ苗をやさしく入れていきます。数が多いので、手際よくやらないと終わりませんので、交代で植え替えとそれを運ぶ人の役割を大人が指示をしなくても、自分たちで自然に分担していました。

〇今日から毎日、交代で鉢へ水やり(10/8~11/16)を行います。朝の登校後に4人グループで、1000鉢に丁寧に水をあげていきます。昨年も一昨年も水不足から葉がしおれたり全体的に茶褐に変色してしまう鉢がいくつか出ました。今年は全部の鉢が元気で育つように、しっかりと水をやり定期的に追肥していきます。

須藤昌英

 

10月7日(月)テスト返しと自動採点システム

〇体育祭が終わり、今日から9月に実施した中間テスト答案用紙の生徒への返却が始まります。今回より柏市の中学校は、教育委員会が事業者と提携した自動採点システムを導入しています。教員の働き方改革の一つとして、採点の効率向上や集計ミスの根絶、採点基準ブレの低減が出来ることが導入の目的の一つです。

〇私は数学が担当で、過去にはだいたい1回の定期テストで150~200枚の生徒の答案用紙を採点してきました。問題の内容にもよりますが、すべてを採点し終わる時間ははやくても数時間、長い時には一クラス90分(5クラスで7時間以上)かかっていました。

〇当然の事、勤務時間内では終わりませんので、夜遅くまで職員室で行い、それでも終わらなかったり週またぎの日程の場合には、管理職の許可をもらい答案用紙を自宅に持ち帰り、ウィークディの夜半過ぎや週末の夜に採点していました。

〇前にも書きましたが、教員側はテストを採点することで生徒たちの理解度が把握できますので、正答率の低い内容は再度授業で取り上げたり、次からの授業のやり方を随時変えたりしています。つまり教える側への「評価(フィードバック)」としての役割があります。

〇今回の自動採点システムの最大の利点は、設問ごとに全生徒の解答がパソコンの画面に一斉表示されるので、全体としてどのくらいの正答があるかやどの生徒がどれを誤答しているかなどを一目で確認できるところです。もちろんこのシステムに採点させるだけでなく、最終的には教員が一つ一つを目で確認して、必要に応じて修正してから返却します。

〇またデータはクラウド上で一元管理されている為、設問ごとの採点者分担が一切の負担がありません。さらに今後は、担当教科・学年の垣根を越えた連携で、教科内の意識統一や、他学年の状況把握も可能になります。これはデジタル化・クラウド版ならではのチームワークの強化となります。

〇さらに弱点を補強するものとして、各生徒に応じて誤答した設問の類似問題を作成し、テスト後に行うこともできます。これはこれまで出来なかった個別最適化学習として、生徒個人を対象とした補習学習となります。

〇実際に使用した教員からは、「これまでの採点時間が半分から三分の一くらいまでに短縮できました」と聞いています。今回からの導入ですので、生徒からの反応もこれからまとめていきます。

須藤昌英

【数学の採点画面の例】

 

10月5日(土)第78回体育祭

〇昨日の体育祭は前の晩の雨の影響が思ったよりも多く、グラウンドの不良で生徒のケガなどが想定されるという判断で、プログラムの入れ替えや日程の変更を行いました。それにもかかわらず、ご来校いただいた皆様、ありがとうございました。

〇グラウンド整備を行っている間に、あけぼの祭の前半(有志グループ作成の映像鑑賞)を体育館で行い、10時からグラウンドでプログラムを再開しました。その後は秋空にも恵まれ、午後に全校綱引きと色別対抗リレー、閉会式を行いました。

〇結果は総合優勝が紅組、応援賞が白組となりました。実行委員長 の中村さん、副実行委員長の宮前さん、紅組応援リーダー 大曾根さん、城代さん、白組応援リーダー 丹羽さん、松本さんたちの活躍はめざましく、盛り上がった体育祭となりました。

〇最後に体育館でドローンによる体育祭の様子を鑑賞しました。自分たちの動きが客観的に見えて、一日の振り返りになりました。

〇次は来月の合唱コンクールです。クラスごとの練習も来週から本格化します。念のため、7日の月曜日は代休日ではありませんので、気をつけてください。

須藤昌英

 

10月4日(金)体育祭(あけぼの祭)前日準備

〇昨日の体育祭前日準備は、午前中の最終練習に続いて、午後は係生徒で前日準備をしました。天気予報では、雨は夜の内のみでだんだんと曇り空になり、最高気温も30℃ですので、無事にできるように願っています。

〇体育祭実行委員会と応援団は生徒たちのリーダーとして、準備をすすめてきました。今日も大活躍してくれることでしょう。

〇これまでも熱中症を予防することを目的として、「暑さ指数(WBGT)」を毎日測定し、それを判断の基準としてきました。もしこの指数が「31」を超えると、屋外での運動は原則中止となります。今日も警戒または厳重警戒レベルまではいくかもしれませんが、運動禁止まではいかないと予想しています。

〇秋空が理想ですが、晴れると熱中症のおそれが高まりますので、朝から長い時間、曇り空が続きますように願っています。

須藤昌英

 

10月3日(木)体育祭予行練習

〇昨日は本番当日を想定し、予行練習を行いました。一番の目的は、仮プログラムに沿って進めながら、係り生徒(出発・審判・用具・招集・放送・得点・救護など)の動きを確認し、それをもとに本日中に改善点を洗い出し、修正案を検討することです。

〇気温が30℃を超える予報がありましたので、熱中症対策を講じていましたが、風が吹くと湿気の無い風だったので、少し涼しく感じられました。校庭入り口にミストシャワーを作動させたり、応援席でも手動のミストを生徒たちに振りかけていました。

〇それでも生徒たちの中には、顔や手足が真っ赤になるくらいに日焼けしている人も多くいました。紫外線が強いのでしょう。明日は天候が回復するようなので、私から再度、水筒・タオル・帽子・着替え(午後はあけぼの祭があります)の用意を呼びかけました。また前任校でも眼科医の指導を通して保護者から相談があり、サングラスの使用を認めていた生徒もいました。もし同様に希望がありましたら、担任や養護教諭にご相談ください。

〇ドローン映像の試行も行いました。やはり秋の青空の下では、空中からの映像の奇麗さは見事でした。明日も応援合戦や団体種目を中心に撮影し、午後は体育館で鑑賞します。楽しみです。

須藤昌英

 

 

10月2日(水)体育祭練習2(環境整備)

〇昨日も曇り空(時々小雨)での練習でしたので、体調を崩す生徒もなく、スムーズに動きの確認ができました。しかし今日の予行練習は、真夏日になる予報ですので、熱中症対策をしっかしとしながら行っていきます。当日も涼しくはない予報ですので、水筒はもちろん帽子やタオルなども持たせてください。

〇校庭で練習をしている時に、その周辺では環境整備を行っています。特に雑草はまだまだありますので、数人の職員と私も一年ぶりに刈払機を操作して草刈りしています。ただとても追いつかないので、市教委を通じて社会福祉協議会から数人の方に来ていただき、草刈りのお手伝いをしていただいています。とても助かります。

〇この方々には夏休みにすべてのトイレの清掃もしてもらいました。生徒たちには、そのような陰で自分たちの環境を整備してくれている方々の存在をみて、感謝の心をもってもらいたいです。

須藤昌英

10月1日(火)体育祭練習1(応援色別集会)

〇昨日から体育祭練習が本格的に始まりました。開閉会式の流れを確認したり、各学年ごとに、「徒競走」「レク走」「団体種目」の選手決めやルールの確認をしたりしています。今日は全校綱引きの隊形づくりや色別対抗リレーの練習を行います。

〇昨日も曇り空でしたが、少し動いただけでも汗をかいたり喉が渇いたりします。30分を区切りとして適宜休憩を入れ、水分補給をしながら進めています。

〇給食の役割について栄養士は、「疲れると食べられなくなるのはわかりますが、主食のお米(炭水化物)などきちんと栄養を摂取して、元気に本番当日を迎えてほしい」と言っていました。特に疲れが蓄積されると、集中力が続かなくなり、ちょっとした動きでも怪我が発生する確率が高くなります。

〇今週はご家庭でも朝食や夕食をしっかりと食べ、夜も早めに就寝するようにしてください。

〇4校時は、初めて全校生徒が体育祭の色別(赤と白)に分かれて体育館に集まりました。最初に応援リーダーが自己紹介を行い、その後応援コールの練習を行いました。大太鼓のリズムに合わせ、生徒たちの掛け声と手拍子が響いていました。1年生は初めての体育祭ですので、最初は様子をうかがっていましたが、段々とその雰囲気に馴染んでいき、楽しそうに参加していました。

〇今日の台風の影響も何とか避けられそうですが、週末は暑さが戻って30℃くらいになる予報があります。無事に明日の予行練習、明後日の前日準備ができるように祈っています。

須藤昌英

9月30日(月)市内駅伝・ロードレース大会

〇9月27日(金)県立柏の葉公園内の周回コースにおいて、令和6年度柏市内駅伝大会が行われました。小雨が降っていましたが、公園内の巡回コースを、一人が約2~3㎞を合計6人でタスキをつなぎました。結果は女子Aチームが25位(28校中)、男子Aチームが12位、男子Bチームが30位(両方とも41校中)でした。

【女子チーム】

1区 瀬戸琴葉さん(2年) 2区 櫻庭由麻さん(1年)

3区 宮原結菜さん(1年) 4区 井澤汐花さん(1年)

5区 野沢莉里果さん(2年)

【男子Aチーム】

1区 岩瀬 樟さん(2年) 2区 小林海都さん(3年)

3区 重信幸輝さん(2年) 4区 池田晃久さん(3年)

5区 中村優稀さん(3年) 6区 丹羽凌仁さん(3年)

【男子Bチーム】

1区 里中秀俊さん(3年) 2区 沖田駿仁さん(3年)

3区 山本翔太朗さん(3年) 4区 山縣透真さん(3年)

5区 宮口彪雅さん(2年) 6区 村越春輝さん(年)

〇また駅伝ではなく、個人のロードレースには153名が出場しましたが、池田輝利さん(1年)が4位、奈須悠樹さん(2年)が6位に入賞しました。素晴らしい結果でした。

〇公園内には、各校の多くの保護者も応援に来ており、生徒はその声援を受けながら、これまでの練習をいかし精一杯力を発揮しました。次は10月19日(土)の東葛飾地方中学校駅伝大会です。こちらは32kmにわたる公道を警察の白バイを先頭に、10人でタスキをつなぎます。また応援をお願いいたします。

 

 

 

9月27日(金)第2回進路保護者説明会

 

〇昨日、生徒が下校した時間より、来年度の入試に向けた保護者対象の説明会を行いました。3年生の保護者だけでなく、1,2年生の保護者にも参加いただきありがとうございました。

〇会の中でも説明しましたが、本校の進路指導に関することの一切事は、校長を委員長とした「校内進路指導委員会(教頭、教務、事務長、3学年職員、他学年主任)」を開き、様々な情報共有及び事務執行を行います。決して担任の判断だけで行うものではなく、担任は生徒や保護者の窓口に過ぎません。

〇高等学校と中学校との関係ですが、まず公立高等学校(柏市立柏高等学校を除く)は千葉県が設置しています。また私立高等学校は「●●学校法人」が経営つまり企業・会社形式をとっていますので、両者と中学校はお互いの信頼関係で成り立っており、常に連絡を取り合っています。特に私立高等学校とは、その高等学校独自の推薦関係の基準が示され、その基準を満たす可能性がある生徒の事前相談(いわゆる入試相談)があり、教員は各高等学校へ足を運ばなければならないことが公立高等学校との大きな差異です。

〇また塾と中学校との関係は、生徒の希望を叶えるため・・は同じですが、塾は「〇〇高校合格」のような実績を求めるのに対して、中学校はあくまでも本人や保護者の希望に沿った相談や事務を行っていくことが大きな違いです。塾は経営するという面から実績を残したいとなるのは当然であり、否定するつもりは全くありません。むしろ本校としては塾とも情報共有を行うなど連携し、各生徒の支援方法を決めていきたいと思います。

〇昨日の配付資料の一部である「各月の予定」を掲載しますので、今後半年間の見通しとしてご参照ください。不明な点は、担任もしくは学年職員へお尋ねください。

須藤昌英

 

 

9月26日(木)来週は「第78回体育祭ウィーク」

 

〇上記のように、10月4日(金)の体育祭に向けて、来週の月曜日からは体育祭練習や準備が始まります。水筒やタオル、ハチマキ、場合によっては汗をかきますので着替えなどの用意をお願いします。

〇秋空の下での体育祭になればいい・・と期待しています。少なくとも私が教員になってからの38年間は、中学校の体育祭を10月に開催した記憶はありませんので、おそらく富勢中でも久しぶりの秋の体育祭だと思います。

〇今後も気温などの気象条件を考えますと、昨年までの9月開催は、厳しいと思います。ただあまり遅すぎますと、合唱コンクールや3年生の進路指導にも影響が出てきますので、10月の初旬がベストか?と予想しています。

〇仮プログラムが出来ていますが、状況によっては変更する場合もありますので、正式なプログラムは来週に配付します。給食後に閉会式を行う予定です。

〇先日もお知らせしましたが、週末の開催ですと、部活動の大会や地域クラブの活動と重なる可能性があり、該当生徒が参加できなくなる場合もありますので、平日開催にしています。ご迷惑をおかけしますが、ご理解の上多くの保護者や地域の方々に参観していただければ幸いです。

須藤昌英

【一昨年の様子】

 

 

9月25日(水)2学期中間テスト

〇「お知らせ」欄に出題範囲表を提示している通り、本日と明日は中間テストです。出題範囲は、前回の1学期期末テスト(6月)以降から昨日までの授業内容が中心です。

〇朝正門を通る際にも、教科書・ワーク・ノートなどを手に持って登校している生徒が目立ちました。「今日の中で得意な教科は?」と声をかけると、「全部です」「〇〇だけです」と答える生徒もいれば、「・・・」と困った表情で通りすぎる生徒もいました。誰でも不安はあるでしょう。「とにかく頑張れ!」と後押ししました。

〇本日は給食有り、明日は給食無しです。テスト期間中は、生徒は制服を着用しています。普段よりもキリっとした姿に見えます。何かと暑さ対策をする日々は無くなりますが、その分気温の低下で体調不良の生徒もチラホラ出てきました。テスト中も職員は、生徒の健康状態を見守っていきます。

〇以前にも説明しましたが、学校での評価の方法は、昔の相対評価(属している集団の中で何番目くらいかで測る:集団に準拠した評価)ではなく、絶対評価(自ら学んだ内容がどこまで到達したかを測る:目標に準拠した評価)です。一言でいえば、「他人の成績は無関係で、自分がどこまで習得できたか」を客観的に知り、それを次の学びにいかしていくことであり、その意味を知っていることが重要です。

〇絶対評価は、22年前の学習指導要領の全面実施とともに導入されました。今でもクラスや学校の中での成績の競い合いもあることはありますが、それが生徒の意欲を引き出すことであれば手段として否定はしませんが、あくまでも目的ではありません。過度の競争意識は、学ぶことの意味からすると好ましいとは思いません。

〇我々教員は、「指導と評価の一体化」というキーワードを常に意識しています。評価はあくまで次の指導につなげるためのものであって、教員が指導した内容を生徒がどれだけ理解しているか、つまり教えっぱなしではなく、生徒の理解度を把握して、次の授業に工夫を加えることも行います。

〇学校で行われるあらゆるテストはそうした考えで行われており、国の全国学力・学習状況調査も同様です。つまりテストは、ある時点での生徒の学力を瞬間風速的に測り(それを固定的に判断しない)、現状からどのようにその生徒の確かな学力(将来にわたりメッキのように剥がれ落ちない学びの資質)を伸ばしていくかを考えるためのものす。

〇保護者の一部には、「そう言ったって現実には通知表を反映した調査書が高校入試に使われている」と思っている方もいます。しかし上級学校に進学するのも、それでその生徒の人生が決まるというより、進学後さらに生徒を伸ばすためのものであることを忘れていけません。「生徒一人ひとりの可能性は無限だ」というのが、私の38年間の教員経験の結論です。

〇自ら学習する契機として、定期テストを活用するという考え方こそ重要で、中学校や高等学校・大学を卒業し、社会に出てからも学び続ける姿勢を身に付けるために、一つの経験となってほしいです。

須藤昌英

9月24日(火)選挙管理委員会と生徒会本部役員選挙

〇9月2回目の三連休が明け、一気に秋の空気に入れ替わりました。今週は定期テスト、来週は体育祭が予定されており、生徒たちには爽やかな中で学習やスポーツに精一杯取り組んでほしいと思います。

〇20日(金)に新生徒会役員を決めるための立会演説会と投票選挙がありました。午後の蒸し暑い体育館で、立候補者の真剣な話に、全校生徒も耳を傾けていました。

〇選挙というとその候補者にスポットが当たりますが、その裏で選挙管理委員会の存在を忘れてはいけません。一般に学校の選挙管理委員会とは、選挙が公正に行われるよう教職員や生徒会組織などからも独立した機関として設置されます。今回は3年生の松原和奏さんが委員長として、事前に選挙公報を発行するなどして公正な選挙が行われました。

〇例年ですと、柏市選挙管理委員会から選挙で使用する本物の「記載台と投票箱」を借りてきて投票を行っていましたが、今年は各自の端末(タブレット)からのアクセスし、グーグルフォームで投票しました。今後いつかは国政選挙も同様に、オンライン投票になると言われていますので、その予行練習という意味も生徒達にはあります。

〇話は変わりますが、私が小学校4年時(今から51年前)の担任の先生が柏市議会議員を務めていらっしゃいます(3期9年目)。一年前の市議会議員選挙では惜しくも次点でしたが、今回一人の候補が辞職されたのを受けて、繰り上げ当選になりました。この恩師の議員は元教員という経験をいかし、市議会でも教育に関する質問が多く、加えて日頃から学校現場の立場から市の各当局への働きかけをしてくださっています。

〇このような手続きを法律に従って行うのが、千葉県や柏市の選挙管理委員会事務局です。今般の選挙管理委員会事務局の一番の課題は、「投票率の向上」です。大人でも自分の権利である投票権を軽く考えたり無駄にしたりする人がいかに多いかが課題であることは、少し残念な気がします。これでは生徒たちに民主主義の意義や大切さを語ることはできないでしょう。我々大人が襟を正して各選挙に臨むことだと思います。

須藤昌英

【柏市選挙管理委員会事務局のHPより】

9月20日(金)「もふもふ、まったり、きゅんきゅん、さくっと」

〇文化庁が昨年度の国語に関する世論調査の結果を公表しました。日常生活で使われる新しい意味や使い方が辞書に記載され始めた言葉を調査すると、年代別にその特徴が浮きぼりになります。

〇例えば「もふもふ」という言葉を多用するのは30歳代以下で8割を越えます。私などはほとんど自分では使わないので、若者はその言葉に何か癒しを求めているのかもしれないと想像します。

〇問題なのはその表現を聞いたとき、他人が使うのが気になるのか気にならないかだと思います。「まったり」は40歳代以下では7割越えの人が使うそうですが、私は不快まではいきませんが少し違和感(だらだらするの意なのか?)を覚えたり、「きゅんきゅん」などは言いたいことは理解できたりしますが、ちょっと擬態語過ぎて、「ときめく」や「期待する」などの従来の言葉の方がしっくりくる気がしてしまいます。

〇東洋大の三宅和子名誉教授は新聞の解説で、「新しい表現の普及には、交流サイト(SNS)といった、主に若者中心のインターネット文化が影響している。本来は切れ味や歯ごたえを表す『さくっと』のように、感覚的・情動的な短い表現が好まれる特徴があり、若者の感覚的コミュニケーションが中高年までに広がっていることが分かる。ある程度の意味が伝わればいいという曖昧さも特色で、対立軸を明確にせず何となく共感できれば良しとする社会の風潮にもつながっているのではないか。」

〇さすがに専門家の指摘は的を得ています。ただその一方で、今NHKの大河ドラマが紫式部を描く「光る君へ」である影響で、源氏物語や枕草子などの古文が若者にも見直されています。伝統的な日本語は、読んだり聞いたりした瞬間にその情景が思い浮かぶように、音の奇麗さやつながりを大切にしています。

〇その分、現代人の我々には読みにくいのですが、たまには「いとをかし(とても趣があるの意味)」や「やんごとなし(並々ではないの意味)などの奥ゆかしい表現に触れるのも、楽しいかもしれません。

須藤昌英

9月19日(木)無気力な寝太郎が使命感を抱いて世界へ挑戦し続ける

〇この夏に読んだ数冊の本の中で、「ユニクロ(杉本貴司著:日本経済新聞出版社:令和6年4月発行)」が印象に残っています。世界的に有名な衣料メイカーのユニクロは、柳井正氏(現在75歳)が昭和59年に仲間と創立し、現在は我々の身近な生活にも慣れ親しんでいる企業です。

〇ユニクロの目指す理念は、「ライフウェア(老若男女も国も人種も問わずに、誰もが着ることができて、環境や社会にも配慮した服)」をつくることであり、現代的な課題にも挑戦している感じがします。私もこれまでその気軽さからユニクロのいくつかの服を購入しており、上記の理念を目指していることもこの本を読んで少し理解できました。

〇私が注目したのは、創業者の柳井氏の若い頃のエピソードです。柳井氏は山口県宇部市で生まれ、父親が経営していた洋品店の跡継ぎ息子でした。父親は昔ながらの親分気質で気性が荒く、柳井氏は「何でもいいから一番になれ」と常に言われ続けていました。柳井氏は父親からの期待とも抑圧ともいえる重圧の中で、高校時代には好きなサッカー部も父親の意向で退部させられ、逃げ道を求めるように受験勉強に打ち込みました。

〇4人のきょうだい(柳井氏以外は姉1人と妹2人)で、3人の姉妹に対して父親は優しく、厳しく接したのは柳井氏だけでした。妹さんの一人は当時を振り返って、「私は男に生まれなくてよかったなと思いました」と述べています。当然、柳井氏と父親の間には溝ができ、ほとんど会話もなかったようです。

〇そこで進学した東京の大学では、当時は日米安保闘争などの学生運動が盛んで、ほとんど講義もなかったそうで、学生運動にも興味のなかった柳井氏は、下宿の部屋に閉じこもって過ごしました。下宿の大家さんからつけられたあだ名が「寝太郎」でした。好きなジャズを聴きながら、ただおもいつくままに本を読み、4年の日々を浪費しました。

〇その後の柳井氏の人生の転機や目覚ましい躍進のことについては、本を読んでみてください。一言でいえば、何度も転びながら這い上がってきた日々であることがわかります。若き日の青年柳井氏の葛藤を本人への取材を含めながら、著者の杉本氏は、新聞社の編集委員としての鋭い視点で、この本を書いています。

〇2年前に母校の早稲田大学で後輩の学生に向かって講演した柳井氏の言葉の一部を引用させてもらいます。

「私は人が生きていくうえで最も大切なことは、使命感を持つことだと思います。そのためにはまず、自分は何者なのか、そのことを深く考える必要があると思います。自分にとって何が最も大切なことなのか。絶対に譲ることができないものはなんなのか、そこを突き詰めて自らの強みを発見し、生かす。自分にしかできない、自分の人生を思いっきり生きてほしい。明確な意識があるのとないとでは、同じ人生を送っても成果は百倍、千倍あるいは一万倍も違うのではないかと思います。」

〇今、3年生と校長面接を行っていますが、思春期は不安と葛藤で心の中はいっぱいであることが伝わってきます。でもこの柳井氏のように、学生時代に何も成し遂げられずに苦しみながら過ごしたとしても、誰もがその将来に関してはそれぞれの無限の可能性をもっているのですから、彼らを応援し続けていきます。

【追記】

〇柳井氏は若い頃、教師になりたいと希望している時期があったようです。しかしそれを断念した理由が、生まれ持っての「どもり症」であったことも隠さずにあからさまにしています。会話している時にはまったく問題がないのに、原稿などを読み上げようとすると不思議にすぐに言葉に詰まってしまうようです。その為今でも、講演の依頼は極力断っているそうです。柳井氏がどんな教師になったかを見てみたかった気もしますが、それよりもそのハンディキャップを乗り越えて、代表取締役会長として活躍していることに勇気を覚えます。

須藤昌英

 

9月18日(水)応急手当講習会

〇9月の中旬になってもまだ猛暑のような厳しい日差しが多く、熱中症の心配が絶えません。熱中症は保健室などで応急処置をしても、もし意識がはっきりしない場合はすぐに救急車を要請します。しかし、救急車が到着するまで全国平均で8~9分程度の時間がかかりますので、応急処置をいかに的確にするかが、症状の悪化やその後の後遺症を防ぐことにつながります。

〇保健体育の授業では、「応急手当の意義と実際」の実習として、心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)を使った救急救命法を行っています。生徒が学ぶのに合わせ、教職員も一緒に参加し、万が一の場合に備えるようにしています。

〇突然、心臓や呼吸が止まった人の命が助かる可能性は、10分間を過ぎると急激に少なくなるといわれています。心肺蘇生法とは、この止まってしまった心臓や呼吸の動きを助ける方法です。また、突然心臓が止まるのは、心臓がブルブルとけいれんする「心室細動」が原因となることが多く、この場合には出来るだけ早くAEDによる電気ショックをあたえ、心臓の動きを回復させることが有効です。

〇ともかく心肺蘇生法、AEDの処置ともに、心臓が止まってから実施するまでの時間が早ければ早いほど、救命の可能性が高くなることが知られています。生徒たちも真剣な表情で話を聞き、ダミー人形を使って実習していました。

〇指導者からは、「実際に道端で人が倒れていたのを見かけたら、勇気をもって行動することが大切です。自分一人では何もできければ、近くの人に助けを求めましょう。その勇気さえあれば、もしかしたらその人の命が助かるかもしれません。」と呼びかけました。

 

〇生徒にはそのスキルを身に付けるというよりも、救急救命が必要な場面に遭遇したときに、「何をしたら良いか?」と尻込みするのではなく、この実習を経験して、自分には何ができるかを想像できるようになってもらいたいです。

〇もちろん我々教職員も、500名の生徒の命を預かっている立場として、危険な場面を想定しつつそれを回避できる「リスクマネジメント」の意識を高めておくことも確認できました。

須藤昌英

 

9月17日(火)生徒会役員選挙運動

〇先週の木曜日から今日まで、20日(金)に予定されている新しい生徒会本部役員を決めるための選挙に向けて、候補者とその推薦者が、朝は各学年の生徒昇降口で立って投票の呼びかけを行ったり、昼休みの放送で演説活動を行っています。

〇生徒会活動は生徒による自治活動です。生徒自らが考え、協議し、目標を定め、目の前の問題に取り組んでいく経験は、人として大きな成長をもたらしてくれています。その中心にあるのが、生徒会や委員会活動です。

〇具体的には当事者として自分たちの学校生活を点検し改善していくためのものです。このような民主的な活動によって、将来社会に出ても、自分たちの代表を決める選挙などに「無関心」にならないようにするのが目的の一つです。

〇立候補している生徒がもちろん、その生徒を推薦している生徒も、真剣に取り組んでいます。またそういう姿を見て、他の生徒も自立することの大切さを学んでいると感じます。

〇特に今年は、本物の選挙ポスターのように、質の高い情報が各学年の生徒昇降口に掲示されています。選挙管理委員会の生徒たちは、自分たちのリーダーを決める大切なプロセスを管理しています。

須藤昌英

 

9月13日(金)少年の主張全国大会「わたしの主張」より その2

【昨日の続き:最後の主張のまとめと決意】

 彼の言葉が無ければ、僕たちは一生不安を抱いて生きていくことになっていたと思います。共に話しづらかった自分の母国と友人の母国との戦争について正面から互いに向き合うことで、もやもやしていた感情が薄れ、また、僕らだけでなく、多くの同じ境遇の人達にも「戦争」についてしっかりと正面から向き合ってほしいなと思いました。真の友情とは、国際問題にも勝り、国境を超えるものであると心から確認しました。

 今後も、戦争だけに関わらず、国を越えた関係である限り、母国の責任を背負って生きていくということを大切にし、多くの人々にこのことを伝えていけたらいいなと思います。(終わり)

〇作者の根本さんは、「この主張をどんな人に届けたいですか?」という質問に、「僕は『真の友情』というこの主張を、僕と中国人の親友と同じような国籍の違う友人を持つ多くの同じ境遇の人たちに、真の友情とは、国同士の問題にも打ち勝つものであるということと、その上で、お互いに母国の責任を背負って共に生きていくということを忘れずに大切にしてほしいということを届けたいです。また、政府の方々にも、真の友情は、国際問題に勝るものだということに変わりはありませんが、決して不安を抱かない訳ではないので、友好な外交関係を継続して築きあげてほしいということを届けたいです。」と答えています。

〇本校にも外国籍の生徒が数人います。中学3年生でも身近な生活と国際的な動きの2つの視点をもっていることに、この若者の将来性を感じました。同時に一昨日から始まった校長面接の中でも本校の3年生は、今の自分を見つめて葛藤しつつも、未来の自分がどうなっていたいかを堂々と話すことができる生徒が多いことを実感しています。校長としては何よりもうれしい気持ちです。

〇今年の第46回少年の主張全国大会「わたしの主張」は、11月に行われるようです。場所は国立オリンピック記念青少年総合センターで、入場は無料ですが事前申し込みが必要です。私も初めてその大会に行き、生で中学生の主張を聞いてみようかなと考えています。

須藤昌英

 

9月12日(木)少年の主張全国大会「わたしの主張」より その1

〇国立青少年教育振興機構が毎年開催している「少年の主張全国大会」をご存じですか?昨年の第45回大会は全国の中学校から約38万人の中学生が応募し、その中から選ばれた12作品の作者が集まって行われました。この大会は皇族の方も出席する格式のあるもので、テレビなどでもその様子が報じられています。

〇先日その報告書に掲載されている作品を読みましたが、どれも中学生の視点で鋭く物事の本質を述べていて、引き込まれました。その中でも特に、奨励賞を受賞した「真の友情」(茨城県潮来市立日の出中学校3年の根本泰誠さん) は、今の中学生の素直な考え方がにじみ出ていて、若者に対する将来への希望を見出すことができる作品でした。少し長いですので、今日と明日と2回に分けて引用・紹介させてもらいます。

【前半】

「君は例え日本と中国が戦争をしたとしても、僕と友達で居続けてくれる?」中国人の僕の親友が転校する前に言った言葉です。僕は「当たり前だろ。」と返しました。その時の彼の微笑みは今でも忘れません。彼は僕と同じ空間で共に成長してきたのに、ただ国籍が違うというだけで、常に不安な気持ちを抱いていたのだと、そのときはじめて気が付きました。

 昨年の二月二十四日、ロシアによる武力でのウクライナ侵攻が始まりました。僕は今でもあの日を鮮明に覚えています。誰もがこの悲惨な出来事を忘れはしないでしょう。

 戦争が行われる中、僕はウクライナ出身のとあるユーチューバーの動画を見ました。ロシアへの怒りと悲しみであふれかえっていました。しかし、そのユーチューバーはこう言ったのです。「僕のロシア人の友達も戦争を望んでいない。ロシア人の友達が僕に謝る姿をもう見たくない。」僕はそのとき、胸が締めつけられました。なぜ国の問題のせいで友人が不安と申しわけない気持ちにならなくてはいけないのだろうと僕は怒りと疑問を抱きました。そのとき、僕の親友が転校する前に言った言葉の意味が分かった気がしました。彼はこのような状況を心配し、ずっと恐れて生きてきたのだなと。戦争をするということは、国の責任を自分の責任と考える必要があるのだと改めて感じました。

 彼の転校からは一年と半年がたち、今ではお互いに受験生となりました。彼との連絡をとる頻度も日に日に減り、彼の言葉を忘れかけていました。そんな中、社会の単元が満州事変と日中戦争に入りました。過去の単元で起こった戦争とは違い、明らかに日本に非があると僕は感じました。だから僕は、親友はどんな気持ちでこの単元を学習しているのだろうと考え、彼の母国の中国が僕らの母国の日本に理不尽に攻められていることに対して僕は申し訳ない気持ちになりました。そのときに、戦争が例え過去の出来事であっても、いつまでも次世代へとその責任を受け継いでいかなくてはならないと感じました。

 僕は久々に親友にメールを送ることにしました。内容は、日中戦争を学習していて申し訳ない気持ちになったということを送りました。送ってから二日後位に彼からの返信が届きました。「僕もこの単元を学習して君のことを考えていたよ。責任感の強い君ならきっとそう考えるんじゃないかと思った。だけど君が責任を感じて僕に謝る必要はないよ。僕と君の母国が戦争をしたという事実は変わらず、互いに責任を持って生きていくことは大切だけど、僕と君がケンカした訳じゃないんだから、謝るのはおかしいよ笑。」彼にしては珍しく返信が遅く、長文で返信が返ってきました。僕が傷つかないように時間をかけて考えてくれたことが伝わってきました。僕はそんな親友が大好きです。戦争犯罪という大きな問題を国籍の違う二人だからこそ別視点から考えることができ、意見を交換し合い納得を共に深められる「友」に出会えて本当に良かったです。

*後半に続く

須藤昌英

 

9月11日(水)校長面接を開始します(3学年)

〇今日から来年の入試対策として、校長室を面接会場と見立てて、昼休みや放課後に3年生一人ひとりと面接練習を行っていきます。一人あたり10分程度ですが、こちらからいくつか質問をし、その受け答えに対して最後にアドバイスをしています。生徒は毎年、緊張した真剣な表情で取り組んでいますので、こちらも襟を正して行っています。

〇生徒には夏季休業中に質問用紙を記入してもらっていますので、それを中心に受け答えの練習をしていきます。例えば「将来の夢は何ですか?」「自分の長所・短所は何だと思いますか?」「普段の生活で気を付けていることは何ですか?」等の質問をします。それに対して生徒が答えた内容を受けて、「それはどうしてですか?」「そのことについてもう少し詳しく教えてください」と質問を続けます。

〇実はこの第2問こそ面接官が一番知りたいところであり、その答えにその生徒の個性や普段の考え方などがにじみ出てきます。もしその第2問に対して、「わかりません」や「考えたことはありません」などと答えてしまっては、せっかく自分のアピールできる場面を自ら放棄してしまうばかりでなく、「この生徒は普段からあまり深く物事を考えないのか・・」という印象を相手に与えてしまいます。

〇9月でもまだまだ暑いですが、面接練習なので、制服を着用します。面接官は話をする前には、生徒の表情や制服の着方に目を向け、「この生徒はどんな生徒だろうか?」とまずイメージを持とうとします。面接官は過去に何千人の面接をしていますので、最初の印象だけで大方のことは把握できます。

〇私も校長として千人くらいの面接をしてきましたので、同じようなこともできますが、高校の面接官との一番の違いは、普段から同じ学校で過ごしていますので、学校で見たり聞いたりする本人の情報量がはるかに多いことです。またこの3年生は入学当初から知っていますので、質問も一般的なことよりももっと具体的な内容になるかもしれません。楽しみです。

〇来年の3月の卒業式まで、あと半年ですので、教職員とともに生徒の進路決定にかかわっていきます。

須藤昌英

【昨年の様子】

 

9月10日(火)日常生活での自転車の利用について

〇先週末の夕方、1年生徒が自宅付近で自転車に乗っていた際、前に転倒し顔に擦過傷を負う事故がありました。登校中ではなかったので、学校としては月曜日にその情報を得て本人から話を聞きました。そこからその事故を想像すると、背筋が寒くなるくらいの思いがしました。

〇幸いにも頭部を打つことはなかったのですが、もし頭部であれば、精密検査などが必要になり、場合によっては入院措置になります。自転車は便利で、適度な運動にもなるので乗ることはたいへんけっこうですが、もう一度道路交通法上では「軽車両」となり、公道での事故は「交通事故扱い」になることを再認識する必要があります。

〇特に気を付けて欲しいのは、対自動車の事故で、その原因は、交差点などでの「出会い頭での衝突」となっています。ある統計によると自転車事故については,対自動車との事故の割合が約8割にも及びます。事故の背景には、自転車側の「気の緩み」が関係しているケースも少なくありません。

〇例えば次のような行為をした経験のある人もいるのではないでしょうか。「スマホを操作しながら運転した」「音楽を聴きながら運転した」「考え事をしながら運転した」「今なら渡れると急いで走行した」「友人と話しながら並列走行した」「傘をさして片手で運転した」。どれも危険な行為であることは冷静に考えればわかりますが、実際には「安全に気を付けていれば大丈夫」「車がよけてくれるから大丈夫」と思いこみ自転車を利用していることが多いのだと思います。

〇私も今朝は自宅から自転車で通勤しました。健康のためもあるのですが、車ではなくたまに自転車に乗ると、自転車視点での危険性が感じられ、生徒にも具体的に声をかけやすくなるからです。やはり歩道のある場所は歩行者に配慮して走れますが、歩道のない場所は後ろから来る車の気配を敏感に感じながら運転しないと怖いです。

〇自転車通学者にはヘルメット着用を条件に、登下校での使用を認めていますが、普段の生活ではまだヘルメットの着用は「努力義務」となっています。ただホームセンターなどでは前に比べて、ヘルメットを販売するコーナーが増えていますので、ご家庭でも一度ご検討ください。

〇ヘルメットと言えば、私も16歳から免許を取得し、原動付自転車(50ccの原付)に乗り始めましたが、当時はまだバイクでも原付だけはヘルメットを着用しなくても一般道を走行できていました。その後数年経って、原付にもヘルメット着用が義務付けられました。その時私はもう車を運転するようになり、原付に乗っていませんでしたが、心の中では「ヘルメットを着用してまで原付に乗る人はいるのだろうか?」と思っていました。

〇実際に友人の一部では、同じようなことを言っている人もいました。しかし段々と原付のヘルメット着用が浸透し、今では当たり前になっています。ですので今後自転車にヘルメット着用義務が課せられても、同じように少しずつ普及していくのでは・・と予想しています。

〇ともかく自転車の利用については、中学生と言えども歩行者に対しての自己責任が問われます。過去には数千万円の損害賠償を中学生の保護者が支払う旨の判決も出ています。十分に気をつけて運転してください。

須藤昌英

【富勢中の折り畳み自転車】

 

9月9日(月)第38回柏市小中学校科学展

〇7日と8日の両日、さわやかちば県民プラザの回廊ギャラリーで行われた科学展では、各校から夏休みの自由研究の代表として出品された作品や論文が展示されました。本校からは6つの論文作品を出品しました。

「重さ落下速度の考察」1年 大坪龍正さん

「とにかく汚れを落としたい」1年 菊池椋太さん

「色あせのひみつ パート2」1年 大杉菜穂さん

「音の形から~クラドニ図形による音楽の視覚化」2年 小嶋夕葵さん

「泡沫の生成実験」2年 桒原汐里さん

「生ゴミで堆肥をつくる~堆肥をつくって家庭のゴミを減らす~」3年 渡部遥斗さん

〇どれも科学的思考により、仮説(予想)をもとに、実験観察の結果(事実)と考察(仮説の検証とその判断根拠)をわかりやすくまとめてあります。理科の実験観察だけではなく、いろいろと人を納得させる文章は、すべて上記の要素が含まれています。各教科でもそのような力を身に付けることが目標の一つになっています。

〇身近な事象に疑問をもち、「自分で調べてみたい」という自主的な動機をきっかけに、未来の科学者が育っていくことを楽しみにしています。

〇この科学展に毎年、本校の理科担当の竹上教諭も出品しています。今年も2つの自作教材が最優秀賞を獲得しました。こちらは内容が専門すぎてよくわからないところもありますが、その変わらぬ研究心には感服します。

須藤昌英

9月7日(土)土曜日・日曜日の学校行事の開催について

〇本日の野球部を皮切りに、これから各部活動の新人戦や1年生大会が週末ごとに予定されています。夏の総合体育大会は、ほぼ同時期(7月)に集中して行われますが、新人戦は9月から12月までと長い期間で行われます。

〇柏市においては、今からちょうど一年前の昨年9月から、部活動の地域移行が始まり、週末は外部のコーチの指導を受けたり他校と合同で活動するようになっています。参加は希望制ですが、従来の部活動と大きく違うのは、入会金(五千円)と毎月の費用(二千円)を支払っていることです。

〇来月に行う体育祭ですが、昨年までは9月の第3土曜日に、市内のほぼすべての中学校が同一日に行っていました。しかし暑さ対策で5月に行う中学校と本校のように10月に行う学校の2つに分かれました。しかも前述のように、秋以降は部活動の大会や地域部活動の活動が週末に集中していることから、週末に開催すると新人大会や地域部活へ参加する生徒が体育祭に出られなくなる可能性があります。

〇よって今年は、10月4日の金曜日に行うことにしました。週末開催であれば、保護者の方は休暇が取りやすかったり祖父母の方々も観に来やすかったりすることもあることは十分承知していますが、主役の生徒たちを優先しての判断ですので、ご理解ください。

〇また11月1日(金)に柏市民文化会館で行う合唱コンクールは、もともと市民文化会館の規定により、学校への会場貸し出しは、週末には割り当てがなくウィークデーのみとなっていますので、事情が異なることもご承知おきください。

〇2つの学校行事の準備や練習もこれから本格的に始まります。生徒の活躍をお楽しみに。

須藤昌英

【過去の体育祭と合唱コンクール】

9月6日(金)ミラーニューロンと共感

〇数年前、ある心理学関係の本を読んでいた時、「ミラーニューロン」という言葉(概念)を知りました。日本語に直訳すると、「鏡(ミラー)のような神経細胞(ニューロン)」です。

〇人間など高等な霊長類の脳には、「ミラーニューロン」という細胞があるのだそうです。これによって、お互いに、「相手の行動をわが身のことのように置き換える」ことができるのだそうです。

〇たとえば、相手が笑っているのを見ていると、ミラーニューロンを通してなんとなく自分も楽しい気分になるというのです。また逆に、相手が怒っているのを見ると自分も怒りたくなるというはたらきをするそうです。

〇人間の「共感」というものには、この「ミラーニューロン」が関わっているというのです。たとえば、「両親が楽しそうにしていると、それを見ている子どもはミラーニューロンを興奮させて『楽しそうだ』と感じて、まねをします」とその本には書いてありました。

〇もっともこの「ミラーニューロン」は、決して良いことばかりではないようです。 「家庭内での暴力や攻撃的行動(ドメスティックバイオレンス:DV」は遺伝するように見えますが、実はあれは行動パターンをまねしているだけ」ということです。「DVは先天的に遺伝するのではなくて、お父さんやお母さんが子どもにDVをすると、ミラーニューロンを通して子どももDVをするように脳が変わっていく」のだというのです。

〇始業式に7名の若手教員に、夏季休業中に自分が経験したこととその学びについて語ってもらったことは書きましたが、あれもこの「ミラーニューロン効果」をねらったものです。身近な教員が学校以外でも学び続けている姿を見れば、生徒たちはそれを自分事に置き換えていきます。もちろんクラスメイト同士でも、お互いがミラーとなって好ましい姿を学び合うことがあります。これが集団で学ぶことの最大の長所です。

〇昔から「子どもは親の鏡」ということわざがあります。子どもはどこか親に似たように育っていくのは、ミラーニューロンの働きだそうです。私も息子2人と娘1人を育ててきました。3人とも成人して、もう親の影響など及ばないと思っていますが、幼いころから一緒に住んでいたという事実は、「今の彼らの性格の一部をつくっていたかもしれない」かと思うと、少しこわい気がします。

〇今週は夏季休業明けで、学校生活のリズムを取り戻すのに苦労した生徒も多かったと思います。週末は休める時は休み、来週に備えてください。

須藤昌英

【朝読書に取り組む生徒たち】

 

9月5日(木)秋の足音と生徒の成長

〇朝や夕方は大分涼しくなり、空の色も青さが増しています。このまま秋にまっしぐらかと思いきや今週末は猛暑日になる予報も出ています。涼しいと夏の疲れも出やすくなるので、無理をせずに体調優先で過ごした方が無難だと思います。

〇2学期に入りこの3日間、生徒の様子を観察していましたが、生徒の成長にはびっくりしています。たった40日間見ていないだけでしたが、身体が大きくなったり顔つきが大人になったりと私のような老年期の人間には信じられない成長ぶりです。

〇11月の合唱コンクールに向けての練習も始まっていますが、何人かの担任からは「夏休みが明けて、声が大人になっている生徒が多く、今までとは違う歌声になっています」と聞きました。よく言われますが、成長ホルモンは各部位の細胞分裂を促し、その分泌は人間の一生では10歳代が一番活発であり、一日の中では深夜の1時から4時くらいがピークだそうです。

〇つまり中学生の身体内では日々、驚くほどの細胞分裂が繰り返され、それが目に見えやすい部分として身長や容姿の変化としてわかりますが、目に見えにくい声がわりや脳の発達などは、時として我々が驚くほどの成長として感じ取れるものなのでしょう。

〇今年は体育祭を10月4日と日程をあとにずらした関係で、2学期の中間テストがあと3週間後に迫っています。従来は9月に体育祭を実施し、10月の中間テストでは、1学期期末テスト(6月実施)後の授業から出題範囲を設定していました。今回も7月と9月の授業内容が出題のメインになるのは同じです。

〇1年生は2回目の定期テストになりますが、特に1学期の内容を復習しておきましょう。前にも書きましたが、人間の記憶は大きくは「短期記憶」と「長期記憶」の2つにわかれますが、短期記憶を強化したものだけが長期記憶となります。つまり授業の復習をコツコツとやっておかないと、2カ月や3カ月経っても忘れない記憶にはなりにくいのが人間の脳のしくみです。

〇生徒だけでなく、大人も自分の過去の経験から、定期テストに対して気が重くなることが多かったことでしょう。私も好きな教科だけならまだしも、苦手な教科のテスト準備は後回しにしていた記憶があります。とりあえず好きな(得意)な教科の復習を、例えば自分なりのノートを工夫してつくるなどして、楽しくやれば良いと思います。

〇その分嫌いな(苦手)な教科は、最低限授業に集中し、テスト前に十分な準備ができなくても、テスト中に頭の中で授業の様子を真剣に再現し、思い出したことを解答用紙に記録しましょう。私も自分の苦手な教科のテストで、授業中にクラスメイトが発した発言内容をふと思い出して、助かったことがあります。同じ授業を受けている友達の力を借りるのも必要かつ効率的だと思います。

〇「病気に負けない体作りは規則正しい生活から」と言われますが、「食べて、動いて、寝る」という生体リズムを整え、生徒の皆さんは毎日元気に過ごしてください。

須藤昌英

9月4日(水)引き渡し訓練の結果より考えられること

〇一昨日は、4校合同の引き渡し訓練(引き渡し要請連絡→sigfyで返信)にご協力いただき、ありがとうございました。今その結果を分析し、実際の地震発生時の対応に役立てようとしていますが、初めて行った情報収集訓練でしたので、いくつかの課題が浮き彫りになりました。

〇まず保護者の中で一番遠い場所からお子様の引き取りに来ると回答されたのは、「東京都内から歩いて9時間」というものでした。もし首都直下型地震が起これば、公共交通機関もストップし、幹線道路は緊急車両専用道路になりますので、電車・バス・自家用車のどれも使用不可になりますので、唯一は徒歩になります。しかも建物の破損などがあれば、思うように歩けないことも想定されますので、それ以上の時間を要するかもしれません

〇そして例えば、該当生徒を9時間、学校で留め置いておくとなると、まずは水や簡単な食糧が必要となります。本校の敷地内にある柏市の防災倉庫には、300人弱の備えがありますが、基本的には体育館が避難所になった場合に、避難してきた地域住民用と定められています。しかし実際にはそれらを学校に残る生徒にも振り分けてもらう必要があります。柏市の防災安全課と確認済です。

〇また季節にもよりますが、もし体育館や校舎の一部の教室で一晩宿泊するとなると、簡易ベットや体温が逃げないようにする断熱シートも必要になります。大きな地震の後は、余震が続くことが多く、不安の中で夜も眠れずに朝を迎えることになることも考えられます。

〇小学校にきょうだいのいる場合には、原則的に下の学年のきょうだいのいる学校で保護者への引き渡しとなります。その際は各小学校までは、本校職員が引率していきます。しかしそれも道中の安全が最優先であり、いつ頃引率できるかは、当日にならないと判断できませんので、ご了承ください。

〇様々なサポートをするのは、初動の段階では校長をはじめとする教職員が行いますが、数時間後からはそれを市役所職員に引き継いでいきます。市役所の職員はすでにどこの避難所の担当になるかは決まっており、定期的にバーチャルにより各避難所へ行ける訓練をしています。ただ生徒も慣れている教職員から市役所職員に変わると、不安が増すこともあるかもしれません。

〇大地震が発生しても学校は避難所の役割を果たしたり、在籍する生徒の安否確認や命を優先する活動を優先したりしていきます。ただ一方で、できるだけ早期に教育活動を再開し、「生徒の学びを保証する」ことも模索していきます。この両方のバランスをいかにとるかは、なかなか事前に経験することはできません。

〇今、11月16日(土)の夕刻から翌日まで、富勢ふるさと協議会が主催する防災訓練(宿泊体験)を本校体育館で実施する計画が進行中です。始業式の日には生徒にお知らせしましたが、希望の中学生は後日申込用紙を配付しますので、応募してください。段ボールで体育館内の間仕切りを作成したり、非常食を食べてみたりするなどの体験ができます。

〇大きな災害は来てほしくないと心では願いつつ、災害は必ず発生するという危機感を常に持っています。

須藤昌英

【柏市HPより】

 

9月3日(火)正規日課が再開しました

〇昨日の午後、制服の業者による紺色ポロシャツの販売を行いました。また始業式では、自宅近くの洋品店で購入したものを着用している生徒もいました。どのお店で購入してもかまいませんので、これまでのワイシャツやブラウスの代替として必要かどうかをご家庭で話し合って決めてください。

〇また本日から来月4日(午前は体育祭、午後は曙祭)までは、制服でも校内服でも登校を可能とします。毎日の気温の変化などを留意し、ご家庭で判断してください。登校してきた生徒の紺色のポロシャツは、校内服の上着(ジャージ)の紺色と同じですので、あまり違和感はありませんでした。

〇今週は今日から金曜日まですべて6時間授業です。帰りの会終了が16:05ですので、夏季休業明けの生徒にとっては、すこし辛いかもしれません。気温は猛暑日のようなことはありませんが、湿度が高く、ベタベタしたり喉が渇いたりします。体調管理をお願いします。

〇3年生は早速2回目の実力テスト(国・社・数・理・英)に取り組んでいます。前にも書きましたが、実力テストの7~8割は、1・2年時からの出題内容ですので、この夏季休業中に1・2年生の復習に取り組んだ生徒は、現在の自分の実力を知るためにも頑張ってもらいたいです。先日、来年度の公立高等学校の定員が発表になりました。増減した学校もありますが、あまりそれに敏感にならず、私立高等学校も含め、「高校生活をこの学校で、これに取り組んでみたい!」というイメージを少しずつ固めていきましょう。

〇2学期になり最初の給食でした。給食当番が白衣を着て、配膳するのも久しぶりでしたが、「いただきます」の挨拶までスムーズに行っていました。特に湿気の多いこの時期、調理員さんたちは食中毒に気をつけて調理してくれています。食べる方も手洗いなどを入念に行う必要があります。

〇メニューは「牛乳、ドライカレーライス、わかめサラダ、梨、メープルアーモンド」でした。記録的な猛暑が続いたこの夏でしたが、ここにきて夏の疲れもたまっています。私も1か月半ぶりに食しましたが、やはりあたたかくて美味しい給食でした。生徒のみなさんは3食しっかり食べて、夏バテ予防に努めてほしいです。

〇特に疲労回復効果のあるビタミンB1などは、気温が高くなる夏場に消費量が増えるそうで、積極的に摂取する必要があります。 肉、魚、大豆、卵などのタンパク源や野菜、夏場に不足しがちなビタミンB1が含まれている食材(豚肉、豆腐、山芋など)をしっかりととり、消化しやすいようよく噛んで食べましょう。

須藤昌英

 

9月2日(月)第2学期始業式

〇42日間の夏季休業が終わり、今日から2学期が始まりました。正門で生徒を迎えていますと、台風の余波の南風が吹いていたので、登校してくる生徒も暑さで辛そうな表情はあまり見られませんでした。本校では、式がある日は制服で登校することになっています。

〇熱中症対策として、始業式をオンラインで実施することも検討しましたが、夏季休業中の活躍を表彰する式もあり、できるだけ全校生徒の前で表彰したあげたいこと、内容をシンプルに短時間で行うことを前提にして、体育館で行いました。

〇校長の話では、7人の若い先生から「この夏休みで自分なりに経験したこと学んだこと」をテーマに、一人2~3分ずつ語ってもらいました。二十歳代の先生は、生徒たちにとっては自分の近未来の姿(数年後にはああいう大人になっているのか・・)を投影しやすいので、彼らの学ぶ姿は、一番参考になります。真剣に楽しそうに話を聞いていました。

〇概略だけお伝えします。

【山中裕子 教諭】

・アートイベントに行き、貴重な体験をしました。室内でプロジェクションマッピングが観られ、まるで絵画の中にいるような体験ができました。またフランスの印象派のクロード・モネの作品は有名ですが、彼の生涯など知らないことが多かったので、鑑賞に行く前に図書室で調べました。やはり知識があることで、「きれいだな」のような印象だけでなく、その他の多くの気づきがありました。日本の浮世絵は海外でも評価され、モネにも大きな影響を与えています。印象派の技法の特徴なども理解できましたので、次回は10月に国立西洋美術館にも行くつもりです。皆さんも是非美術館を訪れてみてください。

【山口大樹 教諭】

・皆さんはこの夏休みを自己採点すると何点くらいつけられますか?えっ35点?ちょっと低いですね。おっ95点!素晴らしいです。夏休みは普段できないことができるチャンスです。いろんな人といろんな所へ出かけて、いろんな経験ができました。皆さんはこれまでの人生でどれだけの本を読みましたか?1年に1冊だと10冊前後?私はこの夏休みに4冊の本を読みました。皆さんは?私が考える読書の良さは、読んでいると夢中になれる、想像力(創造力)がつく、他の人生の疑似体験ができるなどがあります。皆さんも是非本に親しんでください。

【薄井理央 教諭】

・私は社会科ですが、8月は戦争に関するいろいろな日がありましたね。ただ新学期にいきなり戦争の話をするのも暗くなってしまうのでしませんが、今戦争している国もありますし、それで苦しんでいる人も大勢いるので、同じ歴史を歩んではいけないことを忘れてはいけないと思います。野球部の練習で打撃投手を毎日務めました。おかげで、バッティングセンターにあるストライクアウト(9つの正方形を投げて落とす)でパーフェクトを出しました。このことから一つのことを1カ月以上続けると、スキルが相当アップすることができることを学ぶことができました。皆さんも継続してください。

【追川亜希子 教諭】

・前の先生が立派な話をしたので恐縮ですが、私は乃木坂46のファンでして、この夏名古屋ドームへ5万人ライブにいきました。その中に「カッキー」という推しの人がいるのですが、今回はとても当たりの席でした。家でつくった団扇を振って、見てもらうようにアピールしていました。1回目は目も合わなかったけれど、2回目は近くまで来たので、片手でハートをつくって出したら、片方の手でハートをつくってくれたのです。凄いと思いませんか?これも一つの学びで、じっとしているだけでなく、自分から積極的に動いていくといいと思いました。

【川越清道 教諭】

・夏休みはYou-tubeショートを見ないようにしました。あれを見るとあっという間に時間が過ぎるのでもったいないと思い、今までやったことのないこと(ブックオフでギターを購入して練習、車もあまり遠出して運転したことがなかったので、熱海まで往復、ボルダリングも1回しかやったことがなかったので本格的に挑戦、ジムに通ったことがなかったので初めてジム通いなど)をしました。ただ学校内で車のバンパーを縁石にぶつけて、初めて修理に出したのも初めての経験でした。要するにダラダラ過ごすより、失敗しても挑戦すると充実すると思いました。

【吉山美織 講師】

・バレーボール部の練習に熱中していました。特に練習試合では多くの学校と対戦しました。このままではどこへも行けないと思ったので、茨城県にあるメンタイパークに行きました。明太子工場なので、見学や試食が出来て、楽しめました。一日に5万tの明太子を作っているのですが、作業しているのは20人くらいで、本当に一生懸仕事をしている姿から学びました。明太子はビタミンが豊富に含まれているので、目にも良かったり?ダイエットにも効果があったり?するそうです。白いご飯に明太子とお味噌汁で立派な食事になります。やってみてください。

【長妻佳哉 教諭】

・前の吉山先生が明太子の話をしてくれてとても助かりました(笑)。部活も頑張りましたが、友達とキャンプに行きました。木々の生い茂っている森の中で、自然を感じたりバーベキューを食べたりしました。ただ私は理科担当ですが、虫が苦手なのです。もちろんたくさんの虫がいましたが、よく考えると普通の生活(室内で過ごしたり、スマホを触ったり)では、友達とゆっくり語り合ったりここまで多くの虫には遭遇したりできないので、逆に良かったなと今では感じています。皆さんも大人になってから、昔の友達と会うのは楽しいと思いますよ。

〇私の学んだことも話したかったのですが、彼らの話がよかったので、やめました。

須藤昌英

9月1日(日)9月に入りました

〇昨日までの夏季休業が終わり、明日の始業式から2学期77日(授業日数)がスタートします。台風が去るとまた暑さが戻ってくるようですので、今月も熱中症対策が最優先になります。

〇文部科学省は先日、公立小中学校の授業数について、年間を通じて実施日数を増やすことで、週当たりの授業数の削減を促す方針を示しました。 放課後の時間を確保して教員や児童生徒の負担軽減につなげるのが狙いで、夏休みの期間短縮といった例を各教育委員会に周知し、取り組みの普及を目指すようです。

〇となると柏市も来年の夏季休業は1週間程度短くなり、8月下旬から2学期がスタートする可能性もあります。すでに県内でも千葉市をはじめいくつかの市町村では、8月26日から2学期をスタートしており、今後も増えるようです。

【明日からの生徒の登校を待つ廊下】

〇今日は「防災の日」で、1923年の関東大震災から101年目にあたります。昨年は富勢中学校区4校で、初めての合同引き渡し訓練を行いました。暑い中でしたが、保護者の方々には目的のご理解をいただき、スムーズに行うことができました。

〇今年は明日の午前中、実際の引き渡しは行わず、大地震が発生したことを想定して、「いつ頃お子様を学校に引き取りに来られますか?」を回答してもらう連絡を主とした訓練を行います。ご協力をお願いいたします。

〇「柏市小中学校地震発生時の対応」マニュアルでは、もし学校が課業している時間内に、震度5強以上の地震が発生した場合、生徒を学校に留め置き、保護者等に児童生徒を引き渡すことになっています。となると昨年のような実際の引き渡しの前に、今年のように「〇〇さんの保護者は何時ごろ学校に来られる」レベルの情報を学校が把握していないと、大パニックになる可能性があります。

〇今年も富勢中単独で行うのではなく、小学校4校とも連携して行う訓練です。初めての試みですので、実施してからわかる課題も出てくるだろうと予想しています。台風はある程度予測はできますが、地震はそうではないことをしっかりと職員と認識していきたいと思います。

須藤昌英

 

8月31日(土)生徒たちへのPTAからのプレゼント

〇8月31日というと、夏季休業最後の日で、誰もが少し憂鬱な気分になることは自然です。ただ明日が日曜日ということで、「まだあと1日ある」と自分に言い聞かせている人も多いことでしょう。

〇台風は相変わらず迷走しており、今晩あたりにまた降水量が増えるようですが、その後は熱帯低気圧になるようで、その力は弱まっています。ただ突風や局地的な豪雨には注意が必要です。明後日の始業式は予定通り行います。なお給食はありませんので、11時下校の予定です。

〇10月4日の体育祭は、コロナ禍前以来、久しぶりに応援合戦を復活します。それをお祝いして、当日は空中のドローンからその様子を撮影し、午後に全校生徒で鑑賞したいと計画しています。本日、そのための打ち合わせとドローンの試飛行を行いました。

〇ドローン操作と映像編集をお願いしているのは、私の大学の先輩で昨年に市内の小学校校長を退職された方とその娘婿さんです。先輩の先生は、退職後自分でドローンの免許を所得されたそうです。やってみたいことに挑戦していく姿は、大人になっても必要だとあらためて教えてもらった気がします。

〇台風の影響で多少風が吹いていましたが、グラウンドの上空を2台のドローンが安定した飛行をし、グラウンド全体の映像を撮影していました。最近はテレビなどでも、ドローンによる迫力ある映像がよく使われるので、「こうやって操作・撮影するのか」と近くから見学していました。

〇山本PTA会長さんも来てくださり、打ち合わせにも加わっていただきました。体育祭のドローン映像を生徒にみてもらうのは、当日まで秘密にしておこうと一時は思いましたが、謝礼金をPTAにお願いしていることもあり、時間のある保護者には是非一緒にご覧いただきたいと思っています。

〇途中で先輩の先生が、「操縦してみる?」と言ってくださったのですが、「もし間違って壊したら大変だ!」と最初は断りました。しかし思い直しせっかくの機会なので、私も生まれて初めてドローンを操作させてもらいました。コントローラーの左右のレバーを使って、前進・後進や上昇・下降させたり、搭載しているカメラの向きを変えたりズームしたりできるので、とてもワクワクしました。私も将来は挑戦してみたくなりました。

〇体育祭当日は、閉会式後に給食を食べ、体育祭の片づけとあけぼの祭(映像)の準備を並行して行い、午後3時頃から生徒有志団体や生徒会による映像作品の鑑賞後にドローン映像をみる予定です。お楽しみに!

須藤昌英

 

 

 

8月30日(金)夏の終わりとミニトマト

〇台風10号の動きが不確定であり、今日には始業式の方向性を決めなければなりませんが、ともかく2学期が月曜日から始まります。昨晩もすごい勢いで雨が降り、道路の冠水や川の氾濫が心配です。生徒は残り少ない夏季休業をどのように過ごしているのでしょうか?

〇台風は大きな被害をもたらすので、我々にはマイナスな面がある一方で、台風による強い風は、海面下の冷たい海水と海面の温かい海水をかき混ぜることで、海面水温を低下させます。さらに台風による反時計回りの風によって海面下の冷たい海水が引っ張り上げられる湧昇と呼ばれる現象によって、台風の中心付近の海面水温が低下することもあります。

〇つまり台風は、季節を夏から少しずつ秋に変化させているのです。台風が来なければ、暑い日が延々と続くことも考えられます。2学期からは、35℃を超えるような猛暑日がないことを期待しています。

〇校長室前で6月頃から育てていたミニトマトも、そろそろ終わりに近づいています。毎日欠かさずに水やりをしましたので、毎日のように実をつけてくれました。夏季休業中は給食がないので、自宅から持参したおにぎりと朝、校長室前で収穫して冷蔵庫で冷やしておいたミニトマトを一緒に食べていました。今日あたりはもう葉や茎も緑色から茶色へと変化し、実も赤くなる前に破裂してしまいます。でもこれまで精一杯自分のいのちを活かした姿を見せてくれ、小さな感動を覚えます。

〇トマトと言えば、相田みつを氏の次のような詩を思い出しました。「いのちのことば『育てたように子は育つ』」から引用させてもらいます。

みんなほんもの

トマトがねえ トマトのままでいれば ほんものなんだよ

トマトを メロンに みせようとするから にせものになるんだよ

みんなそれぞれに ほんものなのに 

骨を折って にせものに なりたがる

〇相田みつを氏の作品は、独特な字と言葉で、ものごとの本質を言い当てたものが多く、あちこちで目にすることがあります。以前に私が若い頃に学級経営の指針としていた「みんな一番」について、このブログに書きましたが、この詩も、まさに同じことを言っていると思います。

〇トマトにはトマトしかない特徴、メロンにはメロンにしかない良さがあります。相手から学ぶことも生きていく上では大切ですが、それ以上に自分を捨てて、他人になろうとする必要ないと教えてもらえます。

〇夏の終わりに・・・、教育の本質も、生徒たち一人ひとりに、成長するための必要な水分や栄養(知識や経験)を提供し、自分らしく生きていける力を育成してことだと思っています。

須藤昌英

 

8月29日(木)日本で最初の都市公園(上野恩賜公園)

〇昨日の午後、東京国立博物館で行われている「神護寺展(空海と真言密教のはじまり)」に行ってきました。神護寺は1200年以上の歴史がありますが、場所が京都の西の山奥なので、一般の修学旅行生はあまり見学に行くことはありません。その神護寺の御本尊である国宝の「薬師如来立像」が初めて、寺外に持ち出され展示されることから多くの人が入場していました。私も本やネットで調べて写真をあらかじめ見ていましたが、本物はやはりその存在感が圧倒的でした。今回は特別にその後ろ姿も見えるように展示されていたので、後ろからもじっくりと見学しました。今後薬師如来が神護寺に戻っても、もう二度と後ろ姿を見ることはできませんので、貴重な体験でした。

〇東京国立博物館のある上野恩賜公園は、明治6年に開園した日本初の都市公園です。公園内には博物館、美術館、動物園、図書館、文化会館などの9つの文化施設や、ボートに乗れる池、巨大な噴水、西郷隆盛やその他の像など、多くの見どころがあります。1学年は12月に、この公園内で校外学習(グループによるフィールドワーク)を行います。昨日はその為の予察も兼ねていました。

〇主な施設は、国立科学博物館、3つの美術館(国立西洋美術館、上野の森美術館、東京都美術館)、国際子ども図書館、恩賜上野動物園、東京文化会館などです。広大な敷地は明治以前は寛永寺の境内で、元来は徳川幕府の安泰と万民の平安を祈願するため、江戸城の鬼門(東北)にあたる上野の台地に寛永寺が建立された歴史があります。

〇子どもが幼い頃には何度か、動物園や科学博物館に連れて行ったことがありますが、昨日も大勢の子どもづれが夕涼みをしていました。ゆっくりと一日過ごせる場所です。これから12月に向けて、1年生はあらかじめ上野の歴史や文化、各施設の展示概要などを調べ、どの順番でどこを見学するかを計画していきます。多くの学びがあることでしょう。今から楽しみです。

 須藤昌英

【JR上野駅:公園口】

【東京国立博物館:本館】

【東京国立博物館:東洋館】

【東京国立博物館:表慶館】

【東京国立博物館:平成館】

【国立科学博物館】

【国立西洋美術館】

【上野動物園】

【東叡山寛永寺】

【不忍池:蓮】

【西郷隆盛:像】

 

8月27日(火)夏季休業中の2個目の台風に備えて

〇台風10号の進路予想が変化し、明後日29日頃に九州の西から上陸の可能性が高まっています。その後中国・四国・近畿・東日本へ “自転車並み”の速度で列島を縦断する予報があります。こうなると 影響が長引くおそれもあり、大雨・暴風・高波・高潮に警戒を要するようです。

〇前回の台風7号は、予想よりも右寄りにコースがずれましたので、大きな被害は受けませんでした。しかし今回は、台風の進路方向右側になる可能性もあり、以前のようにはいかないことも考えられます。接近したら部活動を中止し、事前に校舎周辺の飛びやすい物は中へ入れ、大きな木々もあるので、枝などが飛散しないように予防策を考えています。

〇台風の発生は春に赤道付近から始まりますが、夏になると発生する緯度が高くなり、日本上空に張り出す太平洋高気圧のまわりを回って、北上する台風が多くなります。気象庁によると、8月は発生数では年間で一番多い月ですが、台風を流す上空の風がまだ弱いために台風は不安定な経路をとることが多く、9月以降になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。このとき秋雨前線の活動を活発にして大雨を降らせることがあるそうです。

〇注意する必要があるのは、台風本体だけはなく、台風の影響で台風が接近する前に、次々と発生する発達した積乱雲が列をなし、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞し、線状に伸びる強い降水域(線状降水帯)が発生することです。この線状降水帯による顕著な大雨によって、近年になり毎年のように数多くの甚大な災害が生じています。

〇先日も利根川の橋を渡る際、茨城方面の空の西から東上面に、ピッタリと雲の下の部分がきれいに横に並んだ小さな積乱雲の列を見ました。これは理科で習いますが、上昇気流で持ち上げられた水蒸気がその同じ高さで一斉に雲粒になるからで、斧でスパッと横に切ったように雲の底辺が平らで、とても神秘的な雲の風景でした。夏にしか見られないものを見て、その時は嬉しかったです。

〇ただこのような雲が巨大化すると、短時間に大量の雨量をもたらすので、こわいです。そして線状降水帯はその発生の予想が難しいことがあり、その理由としては、いまだその発生メカニズムに未解明な点があるからだそうです。備えを万全にしておくしかありません。

〇夏季休業の最終週ですが、ご家庭でもお子様の安全に配慮していただき、来週からの新学期に備えてください。

須藤昌英

【気象庁のホームページより】

 

8月26日(月)第40回青少年の集い「オーバーナイトハイク」

〇24日(土)20:00~25日(日)4:30にかけて、柏市青少年相談員連絡協議会主催(柏市教育委員会後援)の「オーバーナイトハイク」が行われ、本校からも希望者18名(1年生9名、2年生4名、3年生5名)が参加しました。

〇この「オーバーナイトハイク」は、市内の中学生が、柏駅を出発し、市内30㎞の道のりを、歩行時間6時間、平均歩行速度5㎞のペースで、夜通し歩きとおすもので、柏市では恒例行事です。ただ体力的に自信がないと完歩できません。

〇今回は引率者の一人として、PTA会長の山本さんも参加して下さいました。夜の8時に柏駅ダブルデッキで出発式を行いました。田牧教育委長も激励の言葉をかけて下さり、学校ごとに元気に出発しました。

〇富勢中の前の道がコースでしたので、私は出発式が終わると富勢中の正門に先回りし、声をかけました。その後生徒たちは利根川の土手を北に向かい、市立柏高校や県立柏の葉公園を経由して、ゴールの柏中に早朝4時過ぎに到着しました。お疲れ様でした。

〇この「オーバーナイトハイク」は、現在は教員が引率者として参加することはありませんが、その昔は各校とも若手教員数人ずつが中学生と一緒に歩いていました。私も20~30歳代のとき、数回参加しています。

〇6時間歩くことは滅多にありませんので、元気な最初の2時間は良いのですが、段々と足のあちこちが痛み出し、時には足の裏に豆ができて出血したこともありました。最後の1時間はそれこそ必死で、ただ黙々と歩いていたことを覚えています。

〇そしてゴールしたときの感動はありますが、自宅へ戻る際の柏中から柏駅の1㎞弱の距離が果てしなく遠く感じたものでした。体力的には今ではとても完歩できる自信はありませんが、当時はよくやったなと自分でも思い返しています。

〇「オーバーナイトハイク」の目的は、「新しいことにチャレンジして、苦しいことにも立ち向かう経験をする経験を通して、学校生活などにそれをいかす」ことにあります。ただ参加した生徒たちは、「もう歩きたくない」「来年は絶対に参加しない」とゴールのときは言っていますが、1年経つとまたチャレンジしたくなるから不思議です。

〇夏季休業中の一つの思い出になってくれたら・・と思っています。

須藤昌英

 

8月23日(金)柏市内一斉教員研修(学び続ける必要性)

〇昨日の午前中は、市内の小中学校の教員(約二千名)が、自分の勤務校という縛りを超えて、自分が学びたい教科や領域について、自主的に研修する貴重な機会がありました。参考までに、次のような12部会に分かれています。

・国語・書写・社会・算数&数学・理科・生活・総合的な学習・音楽・造形・英語・技術&家庭・体育・保健

〇私は算数・数学部会に属しているので、柏中学校で参加しました。この部会の責任者は、本校の宗形教諭で、本人の普段の授業の様子を参加者の皆さんに発表していました。その他3名の教諭の実践が発表され、その後グループに分かれて、4つの発表内容についての感想や1学期に行った自分の授業などの振り返りを話し合っていました。

〇この研修の流れは、普段から中学生の受けている授業と同じです。授業では、今日の課題について考える材料となる知識を先生から教わり、それをもとに自分で思考し、友達の考えも参考にしながら、結論を出していきます。昨日も参考になる他の教員の事例をもとに、自分ならどう考えてどう行動していくかを自己決定していきました。

〇教育基本法には、「教員の研修」について次のように定められています。「第九条 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」。つまり我々教員には、児童生徒の前に立つ前に、自己の研修(学び続ける)に励むことが求められています。しかし普段はなかなか忙しくてゆっくりと研修することが少ないため、この夏季休業中が絶好の機会です。

〇集まっての研修も大切ですが、個人の研修も学びになります。私もこの夏季休業中は、住んでいる我孫子の図書館に行ったり、気になっていた映画も鑑賞しました。来週は上野の東京国立博物館で特別展が開催中ですので、足を運ぶ予定です。

〇残り一週間の夏季休業ですが、生徒達にも多くの学びがあることを願っています。

須藤昌英

 

 

 

 

8月22日(木)富勢中学校区4校合同教育ミニ集会

〇昨日の午前中は、富勢中学校区学校運営協議会(富学協)の吉田会長をはじめ、運営協議会委員、地域住民、PTA役員、4校教職員(富勢中、富勢小、富勢東小、富勢西小)と児童生徒(富勢中生8名を含む)が富勢小に集まって、グループワークを基本とした「塾議形式」の教育ミニ集会を行いました。

〇この研修会は、地域と学校がお互いのもっている情報を共有しあい、この学区の子ども達が将来、この富勢地区に誇りをもち、愛してくれるようになるために、これから何ができるか、何をすべきかについて、顔と顔を突き合わせて考えていこうという目的があります。

〇例年グループに分かれて、一つのテーマについてディスカッションしていますが、今年は、「義務教育9年間の最後『富勢中の卒業時』に身につけたい力、ありたい姿をイメージしてもらい、それを文章化する」をメインテーマとしました。この3年間の中では、一番難しい課題でした。

〇参加者130名が、富勢小の5つの教室に分かれて、円陣を組みながら3色の付箋紙を使って、活発な話し合いが行われました。3つのワークの内容を紹介します。

ワーク1 「中学までで成長を感じた授業の思い出 or もう一度中学生をするならこんな授業を企画したい、体験してみたい授業」

①個人作業2分 

②グループ内共有 3分×4 

ワーク2 「その授業には、どんな力の育成が含まれていたか?また、中学校時代までには、どんな力を身に着けておきたいか? (表参照しながら)」

①個人作業2分

②グループ内共有 3分×4 

ワーク3 目指す力、子どもの姿の作成(ワーク1、2を身に着けたい力、目指す子どもの姿を作文する)

①各グループの話し合い 20分

②最終文章記入 2分

③アプリで全体共有 13分

〇日頃はあまり顔を合わせて話のすることのない地域の方々や小学校の先生方とも気軽に話ができ、この富勢地区の良さや小学校の様子がよくわかりました。生徒たちが中学校卒業時に、どんな力をつけて卒業していってもらいたいか?という大きなテーマでしたので、富勢中の教員が一番その実現に近い位置にいることもあり、誰もが真剣な表情でした。

〇参加してくれた児童生徒の感想の一部です。

・大人の中で話をすることは最初少し緊張したが、何も否定せずむしろ熱心に話を聞いてくれた

・自分たちのみえないところで、地域の方々が様々に支えてもらっているのがよくわかった

・先生方も私たちのために、少しでもよい教育をしようと考えてくれていることがうれしかった

・世代の違いによって、さまざまな考え方や意見があることがわかり、おもしろかった

〇今後は各グループが作成した目指す子ども像をもとに、2学期以降、富勢地区の各学校が連携し、子どもたちのためにできることは何かを絞っていくことになります。お忙しい中、ご参加いただいた地域住民の方々、ありがとうございました。

須藤昌英

 

 

8月20日(火)子どもの耳の健康と聴力について

〇昨日は、子どもの目の健康について書きましたが、「聴覚」は五感の中でも「視覚」とともに会話、言語発達、コミュニケーション学習に不可欠なものです。「見て聞いて(インプット)」、自分の頭で考えて、それを「話す書く(アウトプット)」ことの繰り返しが、学びの循環です。

 

〇特に子どもにとって、常に過大な音を聴かないということが重要だと言われます。もちろん普通のテレビの音や音楽などは問題ありませんが気を付けないといけないのは、ヘッドホンなどで過大な音を聴き続けますと、その時は問題なくても、残りの長い人生の中で問題が出てくることもあるため、大きな音はできるだけ避けられたほうが望ましいと思います。

〇よく指摘されますが、近年の子どもは、物心ついた時からタブレットやスマホ等に接しており、それらのメディアが身近にあることが当たり前の世代に入っています。そういった中で、どのようにメディアと接するべきか、接したほうが良いかと、いろいろと意見はあります。少なくとも今更それらのメディアを取り上げて「使っちゃいけないよ」ということは現実的には不可能だと思います。やはり1時間やったら少なくとも10分程度は休むなどと、上手く活用することが重要なのではないかと感じます。

〇目の視力も左右が異なる場合も多いですので、耳も聴力の差が左右であることは十分に考えられます。また子どもの年齢によっても違うらしいですが、右から聴いた場合と、左から喋りかけた場合で反応が違うということもどこかで読んだことがあります。

〇私も現在三歳の孫娘には、まだ一歳くらいの頃、右耳か左耳のどちらを前に出して話を聞いているかを少し観察したことがあります。この子は左利きなので、素人の観察ですが、何となく左耳を前に出していることが多いかもしれないと思いました。

〇私自身も幼少の頃、中耳炎(ちゅうじえん)で長い間通院していた経験があり、片耳が少し聴こえにくいことがありました。それはたまたまラジオを片耳イヤホンで聴いていたときに、「あれ?片方の耳が聴こえない」と自分で気が付いたのがきっかけで、受診した時に医師に付き添いの母と相談したことがありました。おかげさまで小学校入学後は、徐々に完治に向かい、今は何の支障もありません。

〇我々教員もその道のプロではありませんが、同じ年齢の児童生徒を多数、同じような状況下で、同じように話しかけることを何回も行うため、「この子は少し音に対する反応が悪いんじゃないか」という異常に気付くことがあります。私も担任時代に、そのことを保護者の方に相談し、受診してもらったことがありました。

〇「自分の身体を大切にする」と言うのは簡単ですが、目であれ耳であれ、普段はあまり気にかけていない身体の部分にも、たまには「有難い」と感謝していくことがあっても良いと思います。

須藤昌英

8月19日(月)子どもの目の健康を守るための啓発資料について

〇ちょうど1カ月前に1学期の終業式を行い、はやいもので夏季休業も残り2週間余りとなりました。少しずつ規則正しい生活のリズムを取り戻そうと考えている生徒も多いことでしょう。暑い中ですが、睡眠と栄養をしっかりと整え、少し汗ばむような適度な運動も心掛けましょう。

〇休み中は、いつもよりも多く本(漫画を含む)読んだり、タブレット端末(スマホを含む)の画面を見つめたりすることがあると思います。しかし私たち(大人も子どもも)は一日中、目を酷使して、普段からそのケアにはあまり関心を向けることがありません。

〇文部科学省の学校保健統計調査結果によると、児童生徒の裸眼視力 1.0 未満の者の割合は調査開始の昭和 54 年から一貫して増加傾向にあり、令和元年度には小学校・中学校・高等学校で過去最高を更新しました。

〇また、社会のデジタル化の進展に伴い、児童生徒が ICT 機器に接する機会は増加しており、GIGA スクールやデジタル教科書の使用などの取組も進む中で、ICT 機器の利用による視力への影響に対する関心が高まっているところです。

〇一方で世界に目を向けると、東アジアを中心に近視人口は爆発的に増加しており、オーストラリアの研究者らは 2050 年には世界の人口の半数が近視となると警鐘を鳴らしています。

〇このような中、お隣の台湾では、2001 年から児童生徒を対象とした大規模な視力の調査研究が開始されており、2010 年から近視の進行抑制を目的に学校教育活動における児童生徒の屋外活動を2時間確保した結果、視力0.8 以上の児童生徒の割合は増加に転じています。

〇ただ日本では、児童生徒等の健康診断によって毎学年児童生徒等の裸眼視力を把握しているものの、その詳細(近視か、遠視か等)が判明していないため、有効な対策を講じることができていない状況にあります。

〇特に近視は、メガネなどで矯正すれば視力がでるものとして、これまであまり問題視されてきませんでしたが、さまざまな疫学データの蓄積から、近視が将来の目の病気のリスクを高める可能性があることが分かってきています。近視について理解し、子供たちを近視のリスクから守っていく必要があります。

〇近視は、遺伝要因と環境要因の両方が関係すると言われていますが、近年の近視の増加は、環境による影響が大きいと考えられています。近視実態調査では、どちらか一方の親が近視である場合、両親とも近視ではない場合と比べ、近視の新規発症との関連が大きいことが示唆されました。一方、環境要因として屋外で過ごす時間の減少や近業(近い所を見る作業)の増加等が指摘されています。

〇次の文部科学省の啓発資料を参考に、自分の目の健康を守り、2学期からの学習に備えるようにしてください。

須藤昌英

 

 

8月17日(土)台風7号の通過後に(学校施設を安全確認)

〇昨日の台風7号は、予想よりも右のコースを辿り、想定された被害よりも小さくてすみました。本校も避難所になることはなく、朝一番に強風等の被害がないか、校内を点検しました。

〇今朝から部活動も再開しますが、また猛暑に十分に気をつけています。この一週間はまったく運動をしていない生徒もいるでしょうから、練習メニューもそれを考慮し、軽い内容から徐々に身体を慣らしていきます。

〇ご家庭でもお子様が少し体調がすぐれない場合は、部活動に行くことを止めてください。無理して練習に参加しても逆に具合がますます悪化し、これまでもご家庭に連絡して迎えにきてもらうことが多数ありました。十分な睡眠や食事を摂ったとの前提で顧問やコーチは練習内容を考えています。少しキツイ言い方をすれば、その条件が満たされない場合には、練習等に参加する資格はないと言えます。ご理解とご協力をお願いします。

〇昨日、学校で台風に備えて待機をしているとき、訃報が入りました。私の恩師ともいえる方で、今年99歳で来年百歳のお祝いをしようと予定していました。昨年から介護施設に入居し、私も先月その施設に訪問し、コロナ禍以来久しぶりにお会いできたばかりでした。「暑いので気をつけてください。また涼しくなったら来ます。」と声をかけたのが最後の会話でした。

〇恩師といっても直接私が学校で教わった先生ではありません。40年前に教員を目指して大学で学んでいた頃、教授法や心理学などは講義で身に付けられましたが、教員がどのような志で生徒たちに接していけば良いかは、大学では教えてくれません。そこで「人間教育」をテーマにした教員の研究会にたまたま誘われて参加したところに、偶然いらっしゃったのが初めての出会いでした。

〇当時その恩師は、現役教員として最後の頃で、これから教員になろうとする若い我々に、自分の経験を通した子どもの見方や触れ合い方を熱心に話してくれました。先日私がこのブログで書いた「みんな一番」や「クラスは網の目」なども、その研究会で教わり大切にしてきたことの一つです。

〇その恩師からは、「教員は確かに教える立場ですが、教えることは逆に生徒たちから教わることも多い」ということも何度も聞きましたが、実際に自分が教員になってから実感したことは今でも忘れません。また「教える教員側が常に学び続けなければ、生徒たちの前に立つ資格はないです」とも教わり、今でもそのことを実践し続けているのも、その恩師のおかげだと感謝しています。

〇その恩師は、教員を退職後、野田・我孫子・流山・柏の各市の公民館などで、若い母親向けの家庭教育の講師を長年務められていました。私も自分の子どもが誕生してからは、父親としての役割も具体的に教わりました。今でもよく思い出すのが、書家や詩人でもあった相田みつを氏の言葉「育てたように子は育つ」を題材にした話です。

〇相田みつを氏の本(育てたように子は育つ・いのちのことば)から少し引用します。「親や教員や大人たちが、自分たちの思い通りに子どもを育てれば、子どもは他者の思い通りにしか行動できない人間になる。自主性、主体性、創造性といったものは当然育つはずがない。(中略) 結局は、子どもたちは、育てられたように育っていく、育っていってくれる。そう信じられる親になりたい、大人になりたいと思う。親が子どもの心を知っているよりも、子どもは親の気持ちをずっとよく知っている。」恩師のご冥福をお祈りいたします。

〇ここまで38年間、教員を続けてこられたのも、その恩師をはじめとしていろいろな先輩・同僚教員の皆さんや当時関わった多くの児童生徒たちのおかげだと昨晩あらためて思い直しました。その人たち全員に直接、「恩返し」はできませんが、その分今接している生徒たちに、「恩送り」のつもりで残りの教員生活を送っていきます。

須藤昌英

 

 

8月16日(金)台風7号の接近に備えて(校長室で待機)

〇今日まで、柏市の全小中学校は、警備会社による機械警備期間中で、原則的に職員は不在です。ただ今日は非常に強い台風7号が暴風域を伴って関東地方に接近する見込みで、柏市の防災計画で富勢中は、震度5強以上の地震や台風などにより土砂災害警戒情報発表があった場合に、体育館を自主避難所として開設することになっています。今のところその段階にはありませんが、校舎周りの飛ばされやすいものの撤去をするために、しばらくは学校に待機しています。

〇またこの夏は、昨日一応解除されましたが、「南海トラフ地震臨時情報」が初めて出され、帰省する人たちやお盆のレジャーを計画していた人たちに大きな影響がありました。喫緊では神奈川県で地震が多く発生しており、これまでの猛暑に加えて、いろいろな災害に備えることが例年よりも多い気がします。ただ現在のところ、災害級のことが起きていないので良かったと思いますが、気を抜けないのも実情です。

〇昨日は、「終戦の日」ということで、ニュースや特集番組が太平洋戦争のことを取り上げていました。今さらながら知ることも多く、当時300万人以上の方々が命を落とされたということは、数字として頭では理解できでも、戦争を経験していない我々が実感することは不可能なのだろうと感じます。

〇半年くらい前に公開された「あの花の咲く丘で君とまた会えたら」という映画を観たときは、やはり戦争の悲惨さを考えさせられました。この映画は、1945年、第二次大戦末期の日本にタイムスリップした現代の女子高生と特攻隊員の大学生青年との時空を超えた切ない恋愛の物語です。

〇私もこれまで、同様の戦争や特攻隊の映画は他にいくつか観たことがあったので、映画の終盤までは「こんなものか」と思っていました。ところが、最後に主人公の青年は本来教師を志望していて、その台詞に「平和な時代に生まれ、生徒達の夢を支える仕事がしたかった」と残して、特攻作戦で戦死します。

〇そして現代に戻ったヒロインの女子高生が、78年後の鹿児島の知覧特攻資料館に行ってその青年の資料を読んだり、青年の意思を継いで、教員になるために大学進学を決意したりするという結末でした。主人公の二人が教員志望というシナリオにとてもびっくりし、その時は戦争の残酷さよりも、その物語の展開に若者の希望を感じることができて、「観て良かった」と思いました。

〇でも後から原作者の汐見夏衛(しおみなつえ)さんのことを知り、納得しました。汐見さんは、鹿児島県出身で、高校国語教師としての経験をもとに、悩み疲れた心を解きほぐす作品を目指して、日々執筆活動をしているそうです。特攻基地のあった鹿児島や自分の教員としての経験から、このストーリーが生まれたのでしょう。

〇今、教員を志望する若者が減っています。私も3人の子どもがいますが、長男は小学校の教員として働いています。しかし次男と長女は民間企業に務めています。それぞれが考えて選んだ職業なので、親として何も言うことはありませんが、12年前に長男が教員になりたいと相談してきた時の言葉が今でも心に残っています。

〇「俺は絶対に中学校の先生にはなりたくない」。それを聞いた時には「えっ?」と思いましたが、その理由を聞くと、「そうだよな」と納得せざるを得ませんでした。3人がまだ幼少の頃、私は中学校の野球部の顧問をしており、当時は今のように部活動のガイドラインもなく、土・日曜日も朝から夕方まで試合や練習を指導していました。

〇当然、子どもたちをどこかに連れていってやることも少なく、唯一雨が降ってグラウンド状態が不良な場合だけが例外でした。しかしこちらもたまの休みということもあり、いつもの疲れがその時ばかりと出てきて、親子で楽しく外出したのは稀だった気がします。今では「申し訳なかった」と思います。また人間はあらかじめ計画をしていた時には、それを実行しようとあれこれ努力しますが、急に何も計画していないところで何かしようとしても、あまり工夫ができないこともその時に感じました。

〇富勢中にも、まだ小さいお子さんを育てながら仕事をしている教員も多く、これから結婚して家族をもつ若い教員もいます。彼らにはワークライフバランスを保ちながら、家庭では父親や母親として、学校では担任や顧問として、自分の子どもや生徒たちと一緒に自分を成長させていく姿勢をいつまでも持ち続けてもらいたいと思っています。

〇午後から雨や風が強くなるようですが、無事に台風が通り過ぎるように祈っています。

須藤昌英

 

8月15日(木)79回目の終戦の日に際して(自宅から投稿)

〇8月は79年前(昭和20年)の太平洋戦争の終戦や原爆・空襲などに関する特集やニュースがさまざまな形で放送されます。先日の6日と9日(広島と長崎)の「原爆の日」も、真夏の中に式典が行われ、世界で唯一原爆が投下された日本にとって、忘れてはいけない日の一つだと思います。

〇また今日は、先の大戦の全戦没者を追悼し平和を祈念する日で、「終戦記念日」または「終戦の日」とも言われます。正午前から東京の日本武道館で、政府主催の「全国戦没者追悼式」が行われ、天皇皇后両陛下や内閣総理大臣、遺族の方々などが出席されます。

〇1学期に3年生の歴史の授業で、明治維新以降から現代までの日本史を扱っていましたが、79年前の戦争で日本がアメリカなどの連合軍に敗北し、その後復興するまでの流れを、我々大人ももう一度振り返る必要がある気がします。

〇私も終戦から18年経ってから生まれていますので、身近に戦争の傷跡を頻繁に感じることは少なかったです。ただ幼い頃、柏駅で手や足を失ったまま人が兵隊の格好で座っている情景を何度か見た記憶があります。その人の前には、古い鍋があり、通りかかる人の何人かは、その鍋に小銭を入れていました。

〇隣にいた父に「あの人はどうしたの?」と尋ねると、「戦争で大ケガをして帰国した人だよ」と教えてくれました。今から11年前に亡くなった私の父は、終戦の時にちょうど二十歳で、友達の何人かが戦争に行き、亡くなったとも聞きました。父も茨城の霞ケ浦予科練で兵隊としても訓練を受けたそうですが、兵隊に召集される前に終戦を迎えたようです。また「今の平和があるのは、戦争で犠牲になった方々のお陰なんだぞ」が口癖でした。

〇私も幼い頃は、その意味があまり理解できず、その後も成人するくらいまで、「人の犠牲の上にある平和とは一体なんだ?」と考えていたことを思い出します。ただ60歳を超えた今は、国にいる家族やもっと大きくは日本を守るという目的とは言え、決して喜んで戦場に向かった人はほとんどいなかっただろうと想像できます。ましてや命を落として、遺骨さえも自宅に戻らなかった方も大勢いるので、さぞ無念であったろうと慰霊の気持ちが自然と湧いてきます。

〇30年前くらいの終戦50年という年に勤務していたのが近くの松葉中学校で、その秋の文化祭の中で、担任をしていたクラスの発表で影絵をすることになりました。内容は、太平洋戦争末期の沖縄戦、当地ではガマと呼ばれる洞窟の中で、避難していた住民と日本兵がアメリカ軍から何とか逃げようとする話で、悲惨な場面では生徒によっては泣き出すこともありました。事前に生徒たちと多くの資料を読み、台本や人形をつくり、照明でスクリーンを照らし、生徒たちが一生懸命演技していました。

〇あの時13~14歳だった生徒も今はもう40歳台の半ばの中年になり、自分の子どもが中学生くらいになっています。今彼らが自分の子どもたちに、79年前の戦争について何を語っているのかはわかりませんが、きっと少しは中学生の頃に調べた戦争についての事実は、覚えてくれているのでは・・と期待しています。

〇今日は、「全国戦没者追悼式」に合わせて、正午から1分間の黙祷を捧げるようです。戦没者やその遺族の方々に対しての追悼と今後も戦争のない日本にしていく決意を表したいと思います。

須藤昌英

8月14日(水)パリオリンピックが終わって3(自宅から投稿)

〇お盆のこの時期は、自宅で本を読んだり、墓参に出かけたりと、いつもよりはゆったりとした時間を過ごせています。このブログも通常は朝に校長室から投稿していますが、この数日に自宅から投稿するときは、日頃の自分の思いなどが自然と湧き出てくるので、少し焦点がずれた内容になることは自分で理解していますが、ご容赦ください。

〇近年のオリンピック選手は、各種目特有のフィジカルやスキルトレーニングはもちろんですが、加えてメンタルトレーニングにも相当な比重をおいていると聞いています。国を背負う選手たちは、期待という重圧に対処するために、スポーツ心理学者やパフォーマンスコーチと連携し、瞑想法、呼吸法、適応力など、最高のパフォーマンスを発揮するために必要な精神的対処法を身につけているそうです。

〇我々も大きな行事の前には、頭の中が不安や迷いでいっぱいになり、体がこわばって呼吸が乱れたり、行動に落ち着きがなくなったりすることは、経験しています。周囲からの期待や責任だけでなく、それに自分が自分にプレッシャーをかけていることも多く、その両方を上手くコントロールできたら、いつもの力を出せることは誰にでもわかりますが、実際にそれをすることはなかななか難しいです。

〇気持ちのコントロールというと、私は2015年公開のアメリカのアニメーション「インサイドヘッド」を思い出します。ディズニー映画ですが知らない方もいると思います。これがとても心理学を踏まえた面白い作品で、何気なく観始めましたが、どんどん吸い込まれるようにストーリーの中に引き込まれました。実際の自分の感覚と心理学の理論をうまく融合させているなという印象でした。

〇あらすじは、ある少女の頭の中を舞台に、そこに住む「喜び」「悲しみ」「怒り」「嫌悪」「恐れ」の5つの「感情」を題材とし、擬人化されたそれらの5名のキャラクターが主人公となり、彼らが自分たちの主人である少女を幸せにしようと奮闘する様子が描かれている冒険ストーリーです。

〇5つの感情はヨロコビをリーダーとして、少女の頭の中にある「司令部」で、曲がったことが嫌いなイカリ、嫌なものを遠ざけるムカムカ、心と体の安全を守るビビリという仲間も同居しています。そして一番厄介なのは、カナシミというとても消極思考の仲間がいることです。

〇彼らの感情によって少女にできた思い出は、黄色(ヨロコビ)青(カナシミ)赤(イカリ)緑(ムカムカ)紫(ビビリ)のいずれか1色に色分けされた「思い出ボール」となリ、少女の脳内にある「長期記憶の保管場所」に保存されます。

〇少女の人生にとって重要な意味をもつ5つの思い出は、すべてヨロコビの黄色をした「特別な思い出」となり、「長期記憶の保管場所」ではなく司令部の中に保管されます。そして「特別な思い出」が、「ホッケーの島」「おふざけの島」「友情の島」「正直の島」そして「家族の島」という性格の島を脳内に製造することで、アイスホッケーと友達と家族が大好きな陽気で正直な少女の性格を作り上げていきます。

〇物語の終盤、ヨロコビは「少女にとってカナシミという感情も時には必要なんだ」と悟り、カナシミと協力して少女の成長を助けていきます。この最後の場面は、昨日書いた「思い通りになる」「思い通りにならない」という二項対立とリンクしています。

〇人間は自然と、「思い通りになる」と喜び、「思い通りにならない」と悲しみます。でも一見、人生は喜びばかりの方が「幸せ」と思ってしまいますが、本当は悲しみも人間の成長には必要で、悲しむからこそ自分を振り返り、家族や周囲の人たちの存在に感謝できるのです。そしてそのことが「人間としての厚み」を増すことにつながります。

〇この映画を観ていると、自分の脳内の感情についても、客観的に見られるようになりました。特にこれまでの思い出が蓄積され、潜在意識として時々思い出されるのは、まさに脳の知られざる働きなのだと思います。現在3歳の孫娘も日々、目の前の経験を通して様々な感情が湧き、その一部が思い出として蓄積されていることが、祖父として傍から見るとよくわかります。

〇私が昔、担任をしていたクラスの生徒に対しても、その生徒の過去の経験や思いが時々垣間見えることがありました。そういう心理学の知識は、大学で教えてもらっただけではあまり役に立ちませんでした。やはり一人の人間同士として、生徒と本心で話ができていないと、とても相手の心情を推察することはできません。

〇生徒と教員のこのような心の交流のためには、普段から教員が多忙で仕事に追われるのではなく、生徒とじっくりと向き合う時間が必須です。そのための教員の働き方改革であるようにしたいです。

〇この時期に、また少し心理学の本でもパラパラ見直してみようかと思いました。

須藤昌英

8月13日(火)パリオリンピックが終わって2(自宅から投稿)

〇オリンピックが終わり、続々と選手たちが帰国し、テレビなどでインタビューを受けている場面をよく見かけます。個人的には、入賞した人たちは現地でも多くの取材を受けていたので、どちらかというと入賞できなかった選手の話も聞いてみたいと思ってしまいます。

〇全校の生徒達には、「人生は思い通りにいくときと思いとおりにいかないときが交互にやってきます」とよく話しています。オリンピックで入賞できたということはやはり「思い通りになった」でしょうが、むしろ「思い通りにならなかった」ときの方が、人生において自分の成長につながるような気がするからです。

〇「思い通りにいかなかった」場合、これまでの努力したことについて振り返り、「では明日からは●●してみよう」と次のステップについて思いを強くすることでしょうし、そこに悔しさが加わるとすぐにでも次の行動に移っていけるような気がします。

〇また多くの選手がインタビューなどで、「ここまで頑張れたのは、周囲のたくさんの方々のサポートや応援のおかげです」と感謝の意を述べていることからも、たとえ「思い通りにならなかった」としても、その支えられた部分はその人に一生残り、「今度は自分が誰かを支える立場になりたい」となるのではないでしょうか。

〇昨日、昔の学級だより「みんな一番」のことを書きましたが、私が学級担任をしていたときに常に意識していたのは、生徒の人間関係は「網の目のようにつながりあっている」ということです。網の目は縦糸と横糸が交差している部分が玉となり、その玉が四方八方に張り巡らされています。そしてその玉の一つひとつが学級に在籍している生徒達です。

〇網の目の中のどれかの玉が上に引き上げられれば、当然それにつれて網全体が上に引き上がります。逆に下に引き下げられる玉があれば、網全体が下に下がります。つまりクラスに所属する生徒同士も互いに常に影響しあい、誰かが成長すればクラス全体も成長し、誰かが落ち込めば全体も落ち込みます。担任時代には、この「網の目の原理」を上手に活用できないかを模索し、学級経営を行っていました。

〇確かに今は昔よりも人間関係はサラッとしていますし、昔のようにお互いに本音で語り合うような「濃い人間関係」はどちらかというと避けられる傾向にあります。しかしこの「網の目の原理」は、クラスだけでなく、人が集団をつくる場合にはすべて成り立っています。日本人がオリンピックでメダルを獲得すると、同じ日本人として嬉しくなるのもこの「網の目の原理」が働いているからでしょう。

〇富勢中全体も大きな網の目であり、その中の生徒一人ひとりが自分の良さを知り自分を成長させていけば、学校全体も成長できます。もちろん私たち教職員もその網の目の一員ですので、一緒に成長していくことを心掛けています。

須藤昌英

 

 

 

8月12日(月)パリオリンピックが終わって(自宅から投稿)

〇7月26日に開幕し、今朝の閉会式まで行われたパリ大会は連日、日本勢の活躍が報じられました。金メダル20個を含むメダル数は45個で、アメリカと中国に続き3番目に多いそうで、驚いています。

〇日本は人口では、アメリカの2分の1、中国の13分の1ですので、その割合から考えてもビックリする結果です。ただ、戦争当事者のロシアが参加していませんので、これは政治的な面から残念というか仕方ないのかもしれません。

〇今回は日本のお家芸でも活躍がありましたが、新種目やあまり見たことのない種目でも、世界を相手に堂々と戦っている姿が印象的でした。お家芸で連続してメダルを獲得することも確かに難しいですが、これまでメダルを獲得していなかった種目で日本初ということは、手本となる日本人がいないということで、これもすごいことだなと思いました。

〇私的には、馬術等が行われたヴェルサイユ宮殿の庭、フェンシングの試合があったグラン・パレ、マラソンのパリの市街地などは、まるで映画のような景色で、前回の日本大会とはちょっと違い、ヨーロッパの歴史を感じました。

〇3年前の東京大会は、コロナ禍から無観客でしかも猛暑と大変な状況だったのを思い出しました。特にマラソンを観に行こうと考えていた直前に、札幌にコースが変更になったのは、とても残念でした。

〇私は当時、柏市教育員会で柏市医師会と連携し、子どもたちに接する教職員の新型コロナワクチン接種を優先にする計画を実行する仕事をしていましたので、今となれば「そんなこともあったな・・」と懐かしく思います。

〇若い頃に学級担任をしているクラスには、学級だよりを発行していました。その題名は「みんな一番」でした。今回のオリンピックを観ていて、本当に多種多様な種目で、それぞれの選手が心身を鍛えた素晴らしい演技・競技がありました。もちろん全員がメダルを取れるわけではありませんが、クラスの中では全員が一人ひとり必ず、自分好きなことや得意なことを持っていることを担任は発見できる立場にあります。

〇学習やスポーツだけではありません。普段から見えないところでクラスの為に何かをしてくれる生徒、常にどんな相手にも接する態度を変えずに優しい生徒、クラスでは目立たなくても家庭では兄弟の面倒をよくみている生徒など、担任にしか知りえない生徒たちの光っている面をできるだけ知らせたいというのが、学級だよりの目的でした。

〇富勢中には現在、1年生から3年生まで500名強の生徒がいます。校長としては、担任ほどではないにせよ、できる範囲で各生徒の良さを把握しようとしています。もちろん担任や学年の職員からの情報が一番ですが、時にはたまたま近くにいる生徒に自分から声をかけ、「この生徒はどんなことを考えているのだろうか?」と興味をもつことも心掛けています。

〇この夏季休業中も、市や県、関東レベルの総合体育大会やコンクールに足を運びました。先日も柔道女子の関東大会があり、宿泊で神奈川県まで生徒の引率・監督をしてきました。教員38年間で初めて、柔道の監督を経験しましたが、実際は日頃から指導してくださっているコーチの方がいたので、ただ見守るだけの役割でした。しかし待ち時間に他の多くの試合を観戦し、あらためてスポーツの素晴らしさを実感しました。

〇今回の結果は惜敗でしたが、この女子生徒は県大会で優勝した段階ですでに、お盆明けの全国大会(長野県)へのエントリーが決まっています。負けて泣いている本人には「今日はゆっくり休んで、明日から全国大会へ向けての再調整をガンバレ」と伝えました。今も練習を継続しています。

〇オリンピックも終わり、9月2日の2学期始業式で、生徒たちとの再会を楽しみにしています。

須藤昌英

 

8月5日(月)夏の数学学習会(県立柏高校の生徒さんたちのサポートを受けて)

〇先週の月から金曜日まで、各日9時から11時までの2時間(5日間で合計10時間)、県立柏高校の生徒さんたちに来校してもらい、3年生の希望者50名が数学に絞った学習会を行いました。

〇この学習会はコロナ禍前から始まっており、今年は数年ぶりになります。3年生はじっくりと問題と向き合い、疑問点や解法のコツなどを近くにいる高校生に気軽に質問していました。

〇県立柏高校の生徒さんは、この時期に富勢小にも行って希望者に算数を教えており、生徒一人一人に優しく教えている姿が印象的でした。学区にこのような高校生がいることは、とても恵まれていると思います。

〇数学には、「数と式」「図形」「関数」「統計」の4領域があり、最初の「数」と「式」が、その他の3領域の下支えをしている構造があります。ですから今回も主に「数の計算(整数・小数、分数、正負の数、平方根など)」や「文字式・方程式」を中心に個別学習を行いました。

〇私もかつて数学を教えていた頃は、数学に苦手意識をもっている生徒を分析し、その生徒はどこでつまずいているかを見極めようとしていました。そして苦手の原因の一つが、数学の独特の世界に違和感があり、それに慣れるまでにはどうしても個人差があるということです。でもその違和感は誰にでもある当然のこととですので、私は生徒たちには、「数学という国へ旅行したつもりで、その数学の文化や風習に徐々に慣れ、楽しむくらいに思っていればいいよ。焦りは禁物です。」と話していました。

〇そういう意味では、今回は高校生にサポートしてもらい、10時間みっちりと数学と向き合った経験は、必ずこれから先にプラスに働くと思います。それは学習習慣の面でも、数学だけではなく、他の教科の復習などに応用できますので、9月までの4週間、暑いですが自分のペースで取り組んでもらいたいと願っています。

〇初日には、県立柏高校の校長先生にも中学生の真剣な姿を見てもらい、お褒めの言葉をいただきました。いずれにせよ高校生にとっても貴重な時間を中学生のために使ってもらったことに、心から感謝申し上げます。

須藤昌英

【旧PC室】

【図書室】

 

 

 

 

7月19日(金)第1学期終業式

〇久しぶりに生徒たちは制服で登校しましたが、制服の方が大人っぽく見えるのはどうしてでしょうか?幸い曇り空で、体育館にも多少の風が入ってきて、助かりました。

〇今月になり今日まで、1年3組に佐藤紫音さん(アメリカカリフォルニア州在住、現在夏休み中で来日中)が、日本の中学校を体験していました。せっかくの機会ですので、私から英語でいくつかの質問をし、流ちょうな英語で答えてもらいました。「さすが本場の発音・・!」という感想が職員や生徒の多くから聞かれました。来年も同じ時期に来るそうですので、またいろいろとアメリカの話が聞けると良いですね。

How old are you?(何歳ですか?) 

12歳

When is your birthday?(誕生日はいつですか?)

2011年12月28日

What do you like most about Japanese food? (日本の食べ物で何が一番好きですか?)

カレーライス

What is your favorite food in America?(アメリカの食べ物で一番好きなものは?)

ハンバーガー

What do you think differences in summer between Japan and America(日本の夏とアメリカの夏の違いは?)

日本は蒸し暑くて大変

What is your impression of Tomise.j.h.s?(富勢中の印象はどうですか?)

アメリカのケイデンス中学の生徒よりも優しい

Do you know Shohei Otani?(大谷翔平選手を知っていますか?)

もちろん知っています

What do you think Shohei Otani?(大谷翔平選手をどう思いますか?)

とても信じられないくらいすごい世界一の選手

What do you want for your future and why?(将来の夢は何ですか?)

医者になりたい

Please give a message to Tomise.j.h.s student.(富勢中の生徒にメッセージをお願いします)

お世話になりありがとうございました。

須藤昌英

 

7月18日(木)夏季休業中の1人1台端末の家庭への持ち帰り&大掃除

〇昨日、柏市教育委員会から連絡システム「sigfy」を通して、表題の件につきまして保護者の皆様に通知がいきました。生徒が普段使用しているタブレットの持ち帰りを行う目的についは、生徒が多様な学びを実現することとしています。

〇市教委の説明動画にもありましたように、活用例としましては、次のようなものが挙げられます。

・各教科の授業内に取り組んでいる課題や探究的な学習等、学校と家庭の学びに連続性を持たせる。

・デジタルドリル等を活用して、生徒の習熟度に応じた学習に取り組む。

・生徒がWEBサイトや動画コンテンツ等を用いて自身の興味・関心に応じた学びを行う。

・授業等で十分な時間確保が難しい,タイピング等のICT活用スキルの習得や「事例でNetモラル」等の専用教材を活用した情報モラル学習を行う。

〇ただし持ち帰った場合には、家庭のWI-FI環境を使用したり、使用時間やルール等を家庭内で話し合って決めたりしていただく必要がありますので、ご了承ください。またGoogleやデジタルドリルへのログイン等の各種ツールへのアクセスやセキュリティ対策についても、生徒と共通理解をお願いします。

〇生徒が最もよく閲覧する動画サイトの一つはYou-tubeですが、私なども知識だけでなく、生活上の様々な技術について、その道のプロ級の方が投稿しているものも多いので、大変参考になります。例えば、Yシャツのアイロンのかけ方や畑での野菜の育て方などは、従来ですと専門的な雑誌などを調べるしかなかっですが、簡単にしかも複数のやり方を知ることができ、その中から自分にあった方法をチョイスできるなどは、生活を豊かにする上で大きいと感じています。

〇もちろん情報モラルの面では、学校では生徒達に繰り返し指導をしています。悪質な有料サイトへ誘導されて被害者になる、また逆にSNS等で他人を誹謗中傷したりする行為は加害者になるなどの知識は全員がもっているはずです。ただまだ社会とのつながりに実感が薄いことから、「これは大丈夫だろう!」とか「ここまでは許されるだろう?」などの甘い判断になりがちです。この際、私物のスマホ使用も含め、家庭の中でお互いに認識を確認しあい、注意すべき点を整理していただきたいと思います。

 〇3校時は大掃除を行いました。夏休みに入る前に、自分たちの力で、校舎をキレイにして、明日の終業式に備えます。

須藤昌英

 

7月17日(水)ゴミゼロボランティア活動(2・1学年)&給食最終日

〇5月に3年生がゴミゼロボランティア活動を行いましたが、その後2年生が6月に、1年生は本日の朝に行いました。目的を2つに定め、1つ目は地域の中にある学校の生徒として、自分達の住んでいる町を綺麗にし、愛着と誇りをもてるような中学生になること、2つ目は水曜日の「ノー清掃デー」を継続するためには、日頃からゴミを落としたり汚さないようにしたりする意識を育て、来年度は週2回の「ノー清掃デー」を可能とすることとしました。

〇2年生は3年生と同じく、クラスごとに約2㎞を60分間で歩く5コースを決めました。林間学校でも集団行動を経験していますので、まったく問題なく終了しました。

 

〇今朝の1年生は、放課後の暑さを避けるために朝7時に登校し、近くの高野台公園までの往復と公園内で行いました。特に歩道には吸い殻や飴の包み紙等、公園内の生け垣の見えないところに缶、瓶、ペットボトルが多く、生徒たちは一生懸命に拾っていました。

〇最後に一緒に参加して下さった上橋市議会議員さんと山本PTA会長さんから、お褒めの言葉をもらいました。高野台公園では、来月に地域の盆踊りが行われますので、自分たちの力が地域に貢献していることを生徒たちは感じていたようです。

 〇1学期最後の給食でした。給食調理員さんたちは、毎日暑い調理場内で栄養たっぷりのメニューをつくってくれています。できるだけ食べ残しを少なくすることが、せめてもの感謝の気持ちのあらわれになります。

須藤昌英

7月16日(火)「行動の記録」について

〇通知表の右側にある「行動の記録」には、次の10項目あります。

「基本的な生活習慣」「健康・体力の向上」「自主・自律」「責任感」「創意工夫」「思いやり・協力」「生命尊重・自然愛護」「勤労・奉仕」「公正・公平」「公共心・公徳心」

〇私も学級担任をしていた際には、「基本的な生活習慣」「健康・体力の向上」「自主・自律」「責任感」「勤労・奉仕」「思いやり・協力」などは、日頃からの観察や本人とのやりとりなどにより比較的に客観性をもって評価することが可能でした。

〇しかしその反対に「創意工夫」「公正・公平」「公共心・公徳心」などは、外からは見えない部分も多く、担任だけではどうしても主観が入りやすくなります。そこで副担任や学年職員とも日頃から各生徒の様子や言動について情報を集め、その中から本人の長所や成長について評価しようとしていました。

〇教育評論家で都留文科大学特任教授の石田勝紀さんは、「賢い頭脳をつくる問いかけワード」として次の10個をあげています。生徒に教える教員の立場からもとても参考になります。

1:「なぜだろう?」(「原因分析力」をつくる)

2:「どう思う?」(「自己表現力」をつくる)

3:「どうすればいいと思う?」(「問題解決力」をつくる)

4:「要するに?」(「抽象化思考力」をつくる)

5:「たとえば、どういうこと?」(「具体化思考力」をつくる)

6:「楽しむには?」(「積極思考力」をつくる)

7:「何のため?」(「目的意識力」をつくる)

8:「そもそも、どういうこと?」(「原点回帰力」をつくる)

9:「もし〜どうする(どうなる)?」(「仮説構築力」をつくる)

10:「本当だろうか?」(「問題意識力」をつくる)

〇石田氏は「『地頭』とは、どこでも、どのような時代でも生き抜いていけるだけの素地」と定義しています。また「『地頭』はスマートフォンやパソコンのOS(基本ソフトウエア)のように、アップグレードしてそのパフォーマンスを上げられ、知識やスキルをインストールして、効果を最大化させることができる」と指摘しています。

〇石田氏が「地頭はOSと同じ、これからはもっと地頭が求められる」と結論づけていることに関し、私は先ほどの「行動の記録」の10項目は、まさに別の視点から、「地頭」について表現しているのではないか?と感じています。

〇具体的には、毎日決まった時間に起床し、昼間に活動し、夜もほぼ同じ時間に就寝する(基本的生活習慣)や目の前のやるべきことをやらされてやるのではなく、自らやってみようとする(自主・自律)など、単に勉強ができるレベルの「頭の良さ」ではなく、生活を基盤とした「学び続ける姿勢」が重要だと思います。

〇激しく変化する社会においては、今この瞬間の最新の知識・技能も、明日には古いものになる可能性があります。これからその社会に出て生きていく生徒たちには、常に新しい知識・技能に反応し、必要に応じてそれを身に付けていく資質・能力が不可欠です。

〇通知表の「行動の記録」には、その生徒に合った資質・能力が順調に育っていくことを願うような「隠れた意義」があることも知っておいていただけるとよいと思います。

須藤昌英

 

7月12日(金)絶対評価と観点別評価について

〇来週の1学期終業式に手渡す通知表の作成を行っています。学期はじめの保護者会で説明しましたが、学習成績の確定については、絶対評価(達成目標を規準にした評価)で行っています。

〇平成13年(今から23年前)までは、相対評価でした。相対評価とは、集団の中で生徒の学習がどのあたりの位置にいるのかで評価しようとしたもので、具体的には、「5」と「1」をつけるのは全体の7%以下、「4」と「2」は24%、残りの「3」は38%を目安として、一定の割合で評定をつけるものでした。これは統計上の正規分布の理論に基づく科学的な評価算定でしたが、もともとの母集団によって、その中にいる個人の成績が左右されるという短所が指摘され、その後絶対評価に変わりました。

〇一方で絶対評価とは、定められた目標の基準によって、個人のレベルを評価する方法です。所属する集団のレベルに左右されず、個人が目標の基準を満たしているかどうかで評価を行いますので、個人の努力に応じた成績への反映や、評価結果に基づく生徒の自己啓発への動機付けなどに有効です。

〇そこでその絶対評価のもとになるのが、観点別評価です。詳細は、すべての教科で統一された3つの観点「主体的に学習の取り組む態度」「思考・判断・表現」「知識・技能」において、「A:十分満足できると判断される」「B:概ね満足できると判断される」「C:努力を要すると判断される」で評価します。その3つの観点で例えば、「A」「A」「A」であれば、「5」、「A」「A」「B」であれば、「4」、・・・と数値への評価に換算します。

〇そこで、その3つの観点の評価基準が明確に確立していることが重要で、例えば「主体的に学習に取り組む態度」であれば、授業中の忘れ物の有無、発言回数、自己評価表の内容、ワークブックなどの提出物から評価したり、「思考・判断・表現」であれば、ノート上での思考の場面や普段の発言内容などから評価したりします。定期テストは主に「知識・技能」に反映しますが、技能教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)では、作品やパフォーマンスなどに重きを置いています。

〇我々教職員は、生徒に「教えること」と生徒を「評価すること」をほぼ同時に行っていると思ってもらえばイメージがわくでしょうか。もちろん「教える」が十分でなければ、「評価する」ことも出来ませんので、日々授業への準備(教材研究)は欠かせません。

〇通知表のもとに1学期を振り返ってもらい、夏季休業中の面談でもその話題にふれ、生徒の頑張りとこれからのやる気を引き出していきたいと思います。

須藤昌英

【3つの資質能力と観点】

7月11日(木)2つのスパイラル(螺旋階段)

〇先月に行った1学期期末テスト後に、何人かの生徒に声をかけてみると、「テスト勉強は自分では頑張ったけど、戻ってきた結果が思い通りでなかった」「普段から勉強が苦手なので、テストははっきり言って気がすすまないです」などの気持ちを聞きました。それに対しては私の方は、「結果よりも頑張ったプロセスがきっと次にいきてくるよ」と毎回励ましています。

〇私自身の生徒としての経験及び教師としての経験の両方から、学びの努力とその成果が比例することはとてもマレであり、大抵は努力したことがすぐに成果に結びつかないことが多いです。ただ辛抱強く、人によって違いますが、数カ月程度努力を積み重ねていくと、ある日突然雲が晴れたかのように、望ましい結果が出始めることは、その経験した人からよく聞く話です。

〇この辛抱する力がないことで、必要な努力を避けたり、結果が出る前の失敗や諦めを理由に、学ぶことから距離をおき始める生徒を見たりすると、とても「もったいない」と感じます。確かに学ぶことによって、知識や技能は身につきますが、それ以上にものの見方や思考力、表現力などが養われ、自分の可能性が広がっていくことが重要なポイントです。

〇先日も書きましたが、学んだことを確実に身に付けていくには、分からなかかったことや間違ったことを定期的に振り返り、その手当て(補充)を逃げずにやるかどうかで決まります。生徒によっては、「なぜ間違ったのか?」と自分が納得するまできちんと考えることができます。そのことを回避したままで、ただ表面的に「正解だけを丸覚えしよう」とするだけでは、意欲も継続できまでんし、理解も深まりません。

〇普段から授業の中で、どんなにささいなことでも、「おもしろい」「なるほど」などの興味を持ち、「やってみよう」「できるかも」と経験を積みかねていくこと(正のスパイラル:登りの螺旋階段)が得意な教科になるきっかけになります。一方で、逆の負のスパイアラル(下りの螺旋階段)に陥ると、なかなか抜け出すことが難しくなります。

〇少しの成果でも、準備に取り組んだプロセスを自分で、また周囲からも認められることで、やる気の持続につながります。学校でも職員がそれを意識して見守っていきますが、ご家庭でもお子様の成長面を確認していただき、夏季休業中の面談で担任にお伝えしていただきますようお願いいたします。

須藤昌英

7月10日(水)いじめアンケート

〇毎学期ごとに行う全校生徒対象の「いじめアンケート」を先日実施し、現在その対応中です。アンケートの冒頭には、「学校生活を送っていく上で、困っていることや、相談したいことがあったら、教えてください。」とし、いじめだけでなく、その他の相談事項も記入できるようになっています。

〇アンケートを行う際には、一斉に行い秘密を厳守することはもちろん、記入時間もしっかりと確保し、誰かが書いていることを周囲の人が勘ぐって、終わった後に変な噂が流れないようにすることまで配慮しています。

〇1学期は8件のいじめに関する相談がアンケートでありました。その内容は、「冷やかしやからかい、悪口や嫌なことを言われる」が多く、すべて当事者に事情を聞き、事実確認や必要に応じて当該生徒への指導、保護者への連絡を行なっています。

〇過去にはその他に、「仲間はずれ、集団による無視をされる」「ぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたりする」「金品をたかられたり、壊されたりする」「嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする」「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる」などがありましたが、いずれもいじめの解消に同じ手順で対応しています。

〇平成 25 年6月に「いじめ防止対策推進法」が成立し、同年 9 月から施行されました。この法の目指すところは、第1条に以下のように示されています。

「いじめが、いじめを受けた児童生徒等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童生徒等の尊厳を保持するため、(中略)いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。」

〇いじめは、相手の人間性とその尊厳を踏みにじる「人権侵害行為」であることを改めて共通認識し、生徒がこれから生きていく上で、人権を社会の基軸理念に据えて、社会の成熟を目指していくように促すことが重要です。

〇法第2条には「この法律において『いじめ』とは、児童生徒等に対して、当該児童生徒等が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒等と一定の人的関係にある他の児童生徒等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒等が心身の苦痛を感じているものをいう。」と規定されています。

〇つまり、相手に対して故意で意地悪をしたのか故意ではなかったかに関係なく、その行為によって相手が「嫌な気持ち」になったと感じたならば、すべて「いじめ」として扱います。時々「そんなつもりではなかった」と話す生徒がいますが、たとえそうであったとしても、法でそう決まっている限り、学校では事実を確認して、その状態が継続しないように対応していきます。

〇またこのアンケートでは、自分ではなく周囲の友達がいじめ被害にあっている、またはいじめに関与しているなどの第三者的な情報が書かれていることもあります。教職員がすべてのいじめを感知できるわけではないので、この場合にも前述のように事実確認から始めていきます。

〇またいじめの案件については、学級担任や学年職員だけにとどまらず、全職員でその後の見守りや声掛けをしています。大人の世界でもいじめは存在しますが、これから社会に出ていく中学生には、正しい人権意識と自分ならどう行動するかの当事者意識を育ててあげたいと思います。

須藤昌英

【柏市教育委員会「いじめ問題対応の手引き」より】

 

7月9日(火)夏の夜の楽しみ~蛍鑑賞会~

〇この時期に、優雅に空中を舞う蛍を見かけることがなくなったのは、何年前くらいからでしょうか?ポワンと小さな黄色い光がゆっくりと点滅して飛ぶ風景は、人工の花火とは一味違う夏の風物詩です。

〇私がこれまで最も鮮明に覚えている蛍の思い出は、大学生だった今から40年前のことです。当時地元の少年野球チームに、コーチとしてボランティアで参加していました。そのチームの夏合宿が、千葉県東部の東庄で行われ、夜は古民家みたいな宿に泊まりました。

〇夕食後、部屋には蚊帳(かや)が吊るされ、開放していた縁側から、無数の蛍が舞い込んできました。私も蚊帳の中で寝たり、その蚊帳の中に蛍が飛ぶ光景を見たりしたのは初めてでしたので、小学生と一緒に感動し、夜はなかなか寝付けずにいたのをはっきりと覚えています。

〇当時小学生だった子も今は50歳を超えていますが、きっとその思い出は忘れずにいてくれるのではないでしょうか。野球よりも蛍の思い出が強い子も多くいると思います。

〇蛍と言えば、本州ではゲンジボタルがヘイケボタルよりも大きく、発光も強いです。私は名前から、「源平の戦い」などをイメージしていましたが、どうやらそうではないようです。

〇源氏蛍は、もともと「験師蛍」だったそうで、「験師(ゲンジ)」とは、山伏、修験者のことで、夜に幽玄に光る様子が、修行中の修験者が使う妖術のように見えたため、そう呼ばれたとか。

〇ゲンジであるならば「源氏」となり、一方で元はコメボタルと呼ばれていた源氏蛍より小さな種類の蛍を「平家蛍」と名付けたとの説があります。

〇昨日、富勢地区学校運営協議会(富勢地区小中4校の応援団)から、蛍鑑賞会のお知らせがありました。富勢東小の児童が蛍の幼虫を育て、あけぼの山水生植物園に放流したお陰で、身近で蛍が見られます。

〇もちろん暗くならないと見えませんので、もし行く場合には、十分に気をつけて参加してください。夏の思い出に、私も行こうと考えています。

須藤昌英

 

7月8日(月)夏用制服としての紺ポロシャツの採用について

〇先月から希望生徒による柏市標準制服(ブレザータイプ)のモニター制度が柏市全体で始まり、本校でも来年4月の本格的スタートへ準備を進めています。また本校ではこれまで並行して、柏市標準制服の採用に伴い、夏用のポロシャツについても検討をしてきました。

〇具体的な方向性として、今般の猛暑に伴う生徒の熱中症対策への配慮、さらには汗の乾きが速く透け防止にもなるポロシャツを試験的に9月より採用し、生徒の登下校での着用を可とします。

〇もちろん、現在着用していますワイシャツ・ブラウスの着用を継続することも可能であり、あくまでも選択肢が一つ増えたとご理解ください。

〇来年の4月からは、ポロシャツの製造元や販売店の指定をしない方向ですが、現時点でどんなポロシャツを着用させたらよいか迷うことも考慮し、9月2日に販売店の協力を得て販売します。

〇なお、紺色は本校の校内服とも同じ色であり、今回は紺ポロシャツのみを用意します。今日から見本のポロシャツを各クラスごとに展示し、生徒に見てもらいます。もしご購入を検討される場合には、お子様とご相談してください。

〇来年度以降の詳細の扱いについては、今回の試験的運用を踏まえ、新たにご案内しますので、ご了承ください。

紺ポロシャツ代金   SS~LL  税込 1,639円

            3L~5L       税込 1,980円

販売日時  9月2日(月)PM 14:00 ~ 15:00  

販売場所  富勢中学校2号館昇降口

販売店   東京堂 柏市中央1-2-27 電話04-7167-2723

※当日購入されなくても上記店舗にて用意しています。

※販売するサイズの枚数を把握するため、購入の希望があるご家庭は、来週に「購入希望アンケート」を送付しますので、7月19日(金)までご回答ください。

※サイズについては以下の表を参考にしてください。

須藤昌英

7月5日(金)柏市総合体育大会&県コンクール壮行会

〇先週末から始まっている柏市総合体育大会(運動部活動)は、3年生にとって最後の大会となりますが、市内大会で上位の成績をおさめ、県大会への出場をかけて試合に臨みます。また吹奏楽部は、千葉県吹奏楽コンクールへ出場し、美術部は地域の文化祭に出品します。

〇その大会やコンクールの直前に、悔いのない試合や演奏をしてもらうため、午後は体育館に全校生徒が集まり、壮行会を行いました。熱中症の心配をしていましたが、幸いなことに体調不良者が出るまでの暑さはなく、選手たちに心のこもった応援をすることができました。

須藤昌英

【男子ソフトテニス】

【サッカー】

【男子バスケットボール】

【陸上競技】

【剣道】

【吹奏楽】

【美術】

【軟式野球】

【卓球】

【女子バレーボール】

【女子ソフトテニス】

【女子バスケットボール】

【バドミントン】

 

7月4日(木)3学年英語「使役動詞(make let help have」

〇「英語なんてどうして学ばなければならないの?」と思いながら、普段から授業を受けている生徒も多いかもしれません。もちろん高校入試の科目にあるから・・も一つの答えかもしれませんが、それだけでは、手元に翻訳機をもっていれば、外国人とも会話ができるこの時代に、苦労?して学習する意義にはなり得ません。

〇「生徒の言語能力」について、中央教育審議会答申では、「言葉は、学校という場において子供が行う学習活動を支える重要な役割を果たすものであり、全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となるものである。したがって、言語能力の向上は、学校における学びの質や、教育課程全体における資質・能力の育成の在り方に関わる課題」であると指摘しています。

〇このことを踏まえれば、中学校の英語科における言語の役割として、創造的・論理的思考の側面、感性・情緒の側面、他者とのコミュニケーションの側面があること、特に他者とのコミュニケーションに焦点を当てて指導することが重要だと思います。

〇取り扱う語数についても、小学校で学習する 600 ~ 700 語に加え、中学校では1600 ~ 1800 語程度となり、様々な文型や文法を身に付けて、話す・読む・書くなどのスキルを増やしていきます。

〇さすが3年生の授業です。導入からアクティビティまで、教師はナビゲーターに徹していても、自分たちで自主的に学んでいる姿が、「いつも通り」だとわかります。

須藤昌英

 

7月3日(水)2学年数学「連立2元一次方程式」

〇算数から数学に変わって1年3カ月。2年生は連立方程式を学んでいます。正式名称は、「連立二元一次方程式」で、1年次との違いは、未知数が2つ入った方程式を扱います。

〇1年次では、一元一次方程式について、その中の文字や解の意味を理解し、その解き方を考察することや具体的な場面で活用することについて学習しています。

〇2年次では、これらの学習の上に立って、二元一次方程式とその解の意味や二元一次方程式を連立させることの必要性と意味及び連立二元一次方程式の解の意味を理解し、解を求めることができるようにします。さらに、連立二元一次方程式を具体的な場面で活用することができるようにすることまで行います。

〇前述のように、一元一次方程式を活用する場合には、事象の中の数量の関係を式に表現するとき、一つの変数しか用いることができませんでした。しかし、日常の具体的な場面においては、一つの変数よりは二つの変数を用いた方が式に表しやすい場合が多いため、連立二元一次方程式を活用することにより、問題解決が容易になることが多いのです。

〇連立二元一次方程式を活用するに当たっては、一元一次方程式の活用と同様、方程式を活用して問題を解決するための知識を身に付けるとともに、解決過程を振り返り、得られた結果を意味付けたり活用したりしようとする態度を養うことが大切です。

〇特に立式の段階においては、数量の関係を捉えて、例えば、個数の関係、代金の関係、長さの関係、時間の関係、重さの関係など、ある特定の量に着目して式をつくるようにしたり、捉えた数量を表や線分図などで表してその関係を明らかにしたりすることも有効です。

〇また、方程式を用いて、具体的な問題を解決するに当たっては、着目する数量によって様々な方程式が立てられることや、変数の数と方程式の数が一致していることが方程式の解が一通りに定まるために必要であることなどに気付き、一元一次方程式や連立二元一次方程式を見通しをもって的確に活用することができるようにします。

〇私の経験からも、生徒の数学への好き嫌いは、このあたりから分かれていくことが多いので、丁寧に指導しています。

須藤昌英

 

7月2日(火)新札発行と生徒の学び

〇明日より、約20年ぶりの新しい紙幣が発行されます。この新札発行は、最新の3D印刷などの偽造防止技術を採用しつつ、日本の文化や歴史を反映したデザインが特徴だそうです。世界を見渡すと、日本における偽札印刷は極端に少なく、たまに偽造された紙幣が見つかったニュースを見るくらいです。

〇このように日本では、紙幣のデザインが数十年にわたりほとんど変わらず、生徒達も今の使用している紙幣に変わった後に生まれていますので、今回の変化は初めての経験です。ただ新札が私たちの手元にくるのはしばらく経ってからだと思います。

〇私なども昔は百円札や五百円札がありましたので、特に五百円玉が出てきたときには、その大きさにびっくりした思い出があります。また二千円札はなぜかあまり人気がでませんでしたが、私は二千円札に思い入れが少しありました。

〇それは幼いころによく遊んだ「人生ゲーム」の中では、二千ドル札があり、「何で日本には二千円札がないのだろう?」と不思議に思っていましたところ、実際にそれが現実になったからでした。今回は二千円札が無いのが残念です。

〇算数・数学的には、千円札と二千円札の両方で、色々な金額の組合せを考えるのは学習効果があります。例えば5千円の品物を支払うのに、千円札5枚か二千円札1枚と千円札3枚か、または二千円札2枚と千円札1枚にするかなどは、多面的な考え方に寄与します。

〇また発行される新しい紙幣は、経済や社会に新しい風をもたらすと期待されています。 新札の発行には、経済活動の活性化や国際的な信用度の向上という目的もあります。

〇ただ現在は、電子マネーが普及し、私なども買い物では現金を使うことが少なくなりました。生徒達には、この機会に電子マネーと現金との違いにも自分の考えをもってもらいたいです。

〇新札に登場する人物についても、生徒が興味をもって調べてくれることを期待します。その中で、日本の歴史や文化・美術などにも関心が広がってくれば、ますます生徒の学びが広がります。

千円札の北里柴三郎:日本の細菌学の父と称される科学者。感染症の予防と治療に大きな貢献を果たした。千円札の表面には、彼の肖像、裏面には、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)」が描かれている。

五千円札の津田梅子:日本の女性教育の先駆者。女子英学塾(現・津田塾大学)の創設者で、多くの女性に教育の機会を提供した。五千円札の表面には、彼女の肖像、裏面には、古事記や万葉集でも親しまれている花「フジ(藤)」が描かれている。

一万円札の渋沢栄一:日本の実業家であり、生涯に約500もの企業の創設に関わった。日本経済の発展に大きく寄与した。一万円札の表面には、彼の肖像、裏面には、「赤レンガ駅舎」として親しまれた歴史的建造物(重要文化財)の東京駅(丸の内駅舎)が描かれている。

〇このように学校での学びと社会生活とがつながりをもったとき、初めて「いつでも使える知識・技能」になるのだと思います。

須藤昌英

 

7月1日(月)第1回授業参観&柏市総合体育大会開始

〇一昨日の土曜日、三年生の最後の大会である総合体育大会が始まりました。ソフトテニスの大会で富勢グランドに行くと、今年初めての蝉の鳴き声を聞きました。本格的な夏の到来です。

〇1年生は初めての総体でしたが、先輩の真剣に戦う表情や姿を目に焼き付けていました。私も一緒に応援しました。

〇金曜日は雨が強い中にもかかわらず、ご参観いただきました保護者のみなさま、ありがとうございました。生徒たちの学びの姿をライブで見ていただくのが、家庭と学校の連携の土台となります。次の機会も是非お越しください。

 【寄せられた感想より:抜粋】は、トップページに掲載しています。ご覧ください。

 須藤昌英

 

 

6月28日(金)新着本展示会(味見読書)

〇今、全クラスの国語の時間を使って、図書委員会の司会進行により、新着本を並べての「味見読書(いろいろな新着本を手に取る)」を行っています。

〇最初に図書委員から説明があり、1テーブル5分ずつ6テーブルを班ごとにローテーションします。一つの本をじっくりと読むのではなく、料理を味見するように、気になる本をチェックしていく活動です。

〇今後もスマホやタブレット等で得る情報はますます増えていくでしょうが、そうなるとなおさら、紙の本や雑誌の価値も見直されています。私も日頃から本を手にとった質感やパラパラとページをめくる感覚は、手から脳に伝わり、読んだり見たりしている文字や写真などが、より現実味を帯びて目から入ってくるように感じています。

〇生徒達には、本とデジタル機材をハイブリットに使いこなしていける能力が十分にあると思っています。それぞれの長所を意識して、時と場合に応じて使い分けしていけば良いと思います。

〇例えば、興味のあることをデジタル機器でみかけたならば、それに関する専門書を図書館で調べる・・などは、効率的でしかも深い学びに向かっていくことでしょう。

〇本好きの人を見ると、どこか表情や佇まいに「知性」を感じるのは私だけではないと思います。生徒と本との出会いのきっかけも学校は担っています。

 須藤昌英

 

6月27日(木)いじめ防止授業(1学年)

〇昨日の午前、スタンドバイ株式会社の中台眞治先生をお迎えして「いじめを許容しない集団の雰囲気を醸成するため授業」を1学年全クラスで実施しました。

〇「私たちの選択肢」という教材をもとに、いじめなどで困っているときに自分自身や周りの友人などがSOSを出すことが大切だということをみんなで考えました。

〇本校は主に近隣の4つの小学校からそれぞれ複数の新入生があり、4月からの学校生活を一緒に送っています。この3カ月は、まだお互いに相手の様子を観察することも多かったと思いますが、そろそろ本音を言い合う時期になります。

〇柏市では、全中学生に、STANDBYアプリの活用をすすめています。STANDBYでは、報告・相談者はスマートフォンやタブレットのSTANDBYアプリから、専門の相談員に匿名で報告・相談することができます。

〇匿名で報告・相談できるため電話やメールよりもハードルが低く、いじめやハラスメント等の早期発見、早期対応だけでなく、より風通しのよい学校づくり、職場づくり等様々なシーンで活用できます。

〇スタンドバイ株式会社代表取締役の谷山大三郎氏は、私が以前に市教委に勤務していたときにも一緒に仕事をさせてもらっていたので、よく存じています。スタンドバイ株式会社のHPに掲載されている彼のメッセージを引用します。

「『助けたいとき、助けてほしいとき、いつでもどこでも報告・相談できる環境をつくる』、これがスタンドバイ株式会社のビジョンです。私は幼少期いじめを受けていました。また友人がいじめを受けているのを見かけても自分がいじめの対象になることを恐れて何も言えなかったことがありました。社会人になった後に仕事がうまくいかず、会社を長期で休む経験もしました。過去の自分に対する悔しさや情けなさが原体験となり、同じような思いをする児童や生徒、社会人を一人でも減らしたいと思い、スタンドバイ株式会社を立上げました。そしてビジョン実現のために、いじめに関する様々なテーマを扱った授業開発及び授業実践、企業向けの研修、友人や自分を助けたいと思ったとき、環境を変えたいと思ったときに信頼できる人にいつでも報告・相談ができるプラットフォーム「STANDBY」の普及に取り組んでおります。おかげさまでたくさんの方に支えられ、年間10万人以上の方に活用いただくまでになりました。今後もさらに発展し、誰もが心理的安心を感じて毎日を過ごせる、悩みや不安を抱いたときに信頼できる人に相談できる、仲間のため自分のために今いる環境をよくしたいと思ったとき行動できる、そして一人一人が自分らしく生きられる社会を目指し、活動を行ってまいります。」

〇どのクラスの生徒も真剣に取り組んでいました。

須藤昌英

 

6月26日(水)富勢中学校区特別支援学級合同交流会

〇昨日あすなろ1組の1年生7名で、富勢西小学校へ徒歩でうかがい、交流会を行いました。残念ながら富勢東小は参加できませんでした。活動内容は、小中学生で協力しての「ポテトチップスづくり」でした。各班に試食させてもらいましたが、どれも美味しくできていました。

〇作業途中に小学生から「さすが先輩」と言われて、まんざらではない様子だったり、最後に担当してくれた先生に「美味しかったです。今日はありがとうございました」と自主的にお礼を言う姿に、相手の先生が「中学生だとそういうことも言えるのですね」と感激していたりと、和やかな雰囲気でした。

〇私も4月からこの3カ月、7名の1年生と毎日、朝や給食の時間に話をしてきましたので、それぞれの個性はほぼ把握できています。そしてその成長ぶりにもびっくりしています。これからがまた楽しみです。

須藤昌英

 

6月25日(火)3学年確認テスト

〇昨日、3年生は確認テストを受けていました。5教科を一日で取り組むのは、体力勝負の面が強く、終わってほっとしている様子でした。

〇ではなぜ確認テストを行うのでしょうか。毎年実施される高等学校入試は、出題範囲が中学校3年間と広く、その対策が必要です。まず現在の自分の実力がどのくらいあるのかを把握し、次にそれを徐々に底上げしていくために、「自分の強み」はもっとのばし、逆に「自分の弱み」を補っていくことが必要です。そのためあらかじめ出題範囲が定められた定期テスト等ではなく、入試に近い形の「確認テスト」を行います。

〇例年ですと、3年生は夏季休業あたりから計画的に1・2年生の復習を行っていきます。時間をかけてじっくりと自分のペースで取り組んでほしいと思いますが、実際に今回の「確認テスト」も、ほぼ7~8割程度が1・2年生の内容です。多くの生徒が、昨年の2年生の内容はまだ記憶にあっても、一昨年の1年生の内容になると怪しい・・というのが本音かもしれません。

〇1・2年生の内容が統合的に出題されている問題には、大半の生徒はまだ慣れていないので、最初は混乱してしまうことがあります。ただ、終わってからきちんと「確認テスト」の解き直しをしなければ意味がありません。 中1と中2の復習をすれば、自然と知識が整理され、得意な教科はさらに強化され、その逆に苦手な教科への意識が薄まっていくはずです。また過去2年間の復習をすることで、それが今行っている授業にもいきてくることは間違いありません。

〇もちろん結果が返されると、「出来た」「出来なかった」と一喜一憂することもありますが、このテストの本当の目的は、自分の復習が足りない部分を明確にしたり、それをもとに復習計画の見直しをしたりすることです。あまり結果だけにこだわり過ぎない方が良いと思います。むしろ「瞬間風速」のようなものだと自覚しましょう。そしてその「風速」を「これから上げていくぞ!」と前を向きましょう。

〇冒頭にも書きましたが、5教科(各50分)を一日で行いますので、集中力を持続するにはいわゆる運動の体力とは別の「勉強に向かう体力」が必要です。これは簡単に言えば気持ちを持続させるための基礎ですので、そのためには普段から食べる、寝るなどの生活習慣を整え、身体の調子を安定させることが重要です。

〇3年生の奮闘ぶりを見て、「頑張れ!」と心の中で応援していました。

須藤昌英

 

6月24日(月)夏至と梅雨入り

〇一昨日は夏至でした。ご存じのとおり、「夏至」とは、二十四節気のうちの一つで、「太陽の中心が夏至点を通過し、北半球では一年の中で昼の時間が最も長く、夜の時間が最も短くなる日のこと」です。

〇一日の中で昼間が一番長いこの時期は、花や草の成長が著しいです。校長室前のプランターで育てているミニトマトも青い実をつけていますが、間もなく積算温度があがると、真っ赤に色づきます。

〇植物と同様に、初夏からは我々人間にとっても思い切って、いろいろなことにチャレンジできるような気持ちになります。おそらく身体の細胞が活発化し、その影響が心理面でもプラスに働いているのでしょう。

〇また同じ日に関東地方は、「梅雨」入りしました。これまでで3番目に遅い梅雨入りのようですが、ますます湿気が多くて不快な日々が増えます。これを何とか乗り越えていかなければなりません。

〇一番活発な時期だからこそ生徒たちの学校生活にも、これまで以上に注意を払っていきます。特に「熱中症」は即いのちの危険にかかわります。熱中症に特に注意が必要なのは、体が暑さに慣れていない状態で、暑い日が続くこれからのタイミングと言われています。本格的な暑さを迎える前に、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」をすることが大切です。

〇「暑熱順化」ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。暑熱順化には個人差もありますが、数日から二週間程度かかります。また、一度暑熱順化ができていても、数日暑さから離れると暑熱順化の効果は薄れてしまいます。

〇再度のお願いになりますが、登校時の適切な服装(長袖などはさける)、帽子の着用や日傘の使用、水筒持参(冷水、スポーツドリンクや麦茶、経口補水液などでミネラル分)、睡眠時間の確保(夜更かしをさける)などをご家庭で指導してください。

須藤昌英

 

6月21日(金)令和6年度教育実習終了

〇先月から3~4週間にわたって取り組んできた実習生4名(全員が本校卒業生)が、本日をもって実習を終了します。「教育」という仕事を身をもって体験し、それぞれの「学び」があったようです。

〇教育実習は大学で履修する単位ですが、我々にとっては、大切な後輩を育てる意味もあります。来月に行われる千葉県の教員採用試験で、見事合格し、来年からは同僚として一緒に働けることを願っています。

須藤昌英

 

 

6月20日(木)1学期期末テスト

〇ホームページのトップに、各学年の出題範囲表を掲載していますが、生徒は授業の中で、各教科担任から出題範囲に関するさらに細かい説明を聞いています。昨日もテスト前に提出するノート、ワークなどを職員室に届ける生徒も複数いました。また1学年では放課後に数学と英語の補習に自主的に参加している生徒も多かったです。

〇特に1年生は、入学して初めての定期テストです。小学校にはなかった「定期テスト」に対して、不安を感じる1年生も少なくないと思います。例年教室をまわると、少し緊張した顔で、真剣に取り組んでいます。

〇期末テスト準備として、4月からの授業内容を教科書やノート・ワークを使って復習しています。これは記録したことと自分の記憶をすり合わせたり、より正確な記憶を強化したりする作業といえます。1年生も2学期以降は、テスト準備の仕方に慣れることでしょう。

〇かつて私も教科担任として数学を教えていた頃は、生徒によく「定期テストが終わって、その答案用紙を参考に丁寧に復習することが重要で、一番勉強になるよ」と話していました。ただ自分もそうでしたが、人間はそれまで集中して取り組んだことや結果通りにならなかったことをすぐに振り返るのは、案外気乗りのしないものです。

〇繰り返しますが、定期テストの復習を行うのは記憶の鮮明な間が適しており、できればテストの当日が理想です。しかし、定期テストを採点するのに相当の時間がかかり、すぐには返却できませんので、少なくとも答案用紙が返ってきた時が最後のチャンスといえます。

〇定期テストの復習は、「どこが間違っていたのかの確認⇒正しい答えを知るなどの間違い直し」が中心になります。また間違えたところを確認する際は、問題を解いている時の自分が、「どの程度自信を持って解答していたか」を思い出しながら行うことがよいようです。

〇特に「これはできた!」と思っていたのに結果が不正解だった場合は、正確な知識の定着ができていないことになります。私の経験上も、そこをできるだけはやく改善しないと、その後も同じミスを繰り返す原因になります。

〇ただ今日と明日は「テストが終わった」という解放感があるので、問題用紙を再度見る気にはならないと思います。来週からのテスト返しで、しっかり見直しをしてほしいです。ガンバレ!富中生!!

【テストの朝の正門】

 

〇東京大学大学院の池谷裕二教授(薬学者、脳研究者)は、著書「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」で、次のような指摘をしています。

「人の脳の海馬という部分は、神経細胞の結合をつくる役割を果たしていており、『短期記憶から長期記憶』へと情報をつなげる中期記憶を担っています。海馬に入ってきた情報が溜まっている期間は、情報の種類によって異なりますが、短いと1か月程度です。海馬は情報を1か月かけて整理整頓し、『何が本当に必要な情報なのか』を選定しています。一日のうちに、新しい知識をあまりにもたくさん詰め込むのは避けたほうがよいですし、そもそも勉強は「復習」に主眼をおくべきで、覚えられる範囲をストレスなく覚えること、これが記憶の性質に適した学習方法です。比でいうと、『予習:学習:復習=0.5:1:4』が理想的です。」

〇さらに、「心理学者ビネーは、脳は入力よりも出力を重要視しています。海馬に『この情報はこれほど使用する機会が多いのか、ならば覚えねば』」と判断させること、つまり「詰込み型」よりも「知識活用型」の方が効率的だということです。ならば教科書や参考書を何度も見直すよりも、問題集を何度も解く復習法の方が良いでしょう。」

〇要するに、授業で得た知識をただ漫然と覚えようとするだけでなく、口で言ったり手で書いたり、問題集でおさらいすることで、短期記憶の中から繰り返しアウトプットしたものだけが、長期記憶となり、すぐに忘れにくいものになっていくようです。

〇生徒たちの努力が実を結びますように・・と祈っていますが、むやみやたらに復習するのではなく、上記のようなポイントを押さえた方法を試してほしいと思います。

須藤昌英

 

 

6月19日(水)柏市のすべての児童生徒に身に付けさせたい資質・能力

〇20世紀の天才理論物理学者のアルベルト・アインシュタインは、「学校で習ったことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。」という言葉を残しています。私は昔、この言葉を初めて知ったとき、その意味について深く考えたことを今でもはっきりと覚えています。

〇学校では教科書を中心に授業を行っていますが、それは生徒が学ぶために、効率よく配列・整理されているからです。するとその延長で、生徒及び我々大人も、一般の知識なども順番立てて学べるものだと思いこんでいるふしがあります。しかし当然のことですが、社会に出ればいつどこに、何かを学べる材料があるのかは誰にもわかりません。

〇生徒が学校を卒業してからも困らないように、教育の本質とは、教わった内容だけではなく、それを自分なりに解釈したり統合・分析したりすることができる資質・能力だと思っています。

〇そもそも学校で学習したことをすべて覚えている人はほとんどいません。もし内容を忘れてしまったとしても、その調べ方や考え方などを覚えていけば、疑問の答えにたどりつくことができます。調べ方や考え方を覚えているとは、過去の体験が経験となり、感覚として身体が覚えている状態だと私自身の経験から明言できます。あらためてまた、アインシュタインの言葉をかみしめています。

〇柏市も「第2次柏市教育振興画(~令和7年度)」の中で、この変化の激しい時代を生きていく生徒に、最低限身に付けて欲しい力を設定しています。それを4つの力(コンセプト、チャレンジ、コミュニケーション、コントロール)を「4つのC」と銘打っています。先ほどのアインシュタインの言葉のような教育の実現が、「4C」に込められています。

〇本校も毎年2学期に行う「柏市学力・学習状況調査(生徒アンケート)」を分析し、生徒一人ひとりの強みと弱みをはじめ、学級・学年・学校・学区全体、そして柏市全体の強みと弱みを,同じ尺度で測れるようにしています。

〇明日から期末テストですが、これはあくまでも知識の定着を測るものです。しかしその準備をする中で、生徒たちは、4つの力を徐々に蓄えていると信じています。

須藤昌英