校長雑感ブログ

8月30日(金)夏の終わりとミニトマト

〇台風10号の動きが不確定であり、今日には始業式の方向性を決めなければなりませんが、ともかく2学期が月曜日から始まります。昨晩もすごい勢いで雨が降り、道路の冠水や川の氾濫が心配です。生徒は残り少ない夏季休業をどのように過ごしているのでしょうか?

〇台風は大きな被害をもたらすので、我々にはマイナスな面がある一方で、台風による強い風は、海面下の冷たい海水と海面の温かい海水をかき混ぜることで、海面水温を低下させます。さらに台風による反時計回りの風によって海面下の冷たい海水が引っ張り上げられる湧昇と呼ばれる現象によって、台風の中心付近の海面水温が低下することもあります。

〇つまり台風は、季節を夏から少しずつ秋に変化させているのです。台風が来なければ、暑い日が延々と続くことも考えられます。2学期からは、35℃を超えるような猛暑日がないことを期待しています。

〇校長室前で6月頃から育てていたミニトマトも、そろそろ終わりに近づいています。毎日欠かさずに水やりをしましたので、毎日のように実をつけてくれました。夏季休業中は給食がないので、自宅から持参したおにぎりと朝、校長室前で収穫して冷蔵庫で冷やしておいたミニトマトを一緒に食べていました。今日あたりはもう葉や茎も緑色から茶色へと変化し、実も赤くなる前に破裂してしまいます。でもこれまで精一杯自分のいのちを活かした姿を見せてくれ、小さな感動を覚えます。

〇トマトと言えば、相田みつを氏の次のような詩を思い出しました。「いのちのことば『育てたように子は育つ』」から引用させてもらいます。

みんなほんもの

トマトがねえ トマトのままでいれば ほんものなんだよ

トマトを メロンに みせようとするから にせものになるんだよ

みんなそれぞれに ほんものなのに 

骨を折って にせものに なりたがる

〇相田みつを氏の作品は、独特な字と言葉で、ものごとの本質を言い当てたものが多く、あちこちで目にすることがあります。以前に私が若い頃に学級経営の指針としていた「みんな一番」について、このブログに書きましたが、この詩も、まさに同じことを言っていると思います。

〇トマトにはトマトしかない特徴、メロンにはメロンにしかない良さがあります。相手から学ぶことも生きていく上では大切ですが、それ以上に自分を捨てて、他人になろうとする必要ないと教えてもらえます。

〇夏の終わりに・・・、教育の本質も、生徒たち一人ひとりに、成長するための必要な水分や栄養(知識や経験)を提供し、自分らしく生きていける力を育成してことだと思っています。

須藤昌英