校長挨拶&学校経営グランドデザイン
 
  昨年度に引き続き、柏市立富勢中学校に勤務いたします須藤昌英です。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

 4月6日より、新2学年175名、新3学年168名で始業式を行い、4月11日の入学式では、162名の新入生を迎え、合わせて全校生徒505名、教職員45名で、創立77周年目をスタートします。

 あすなろ学級3クラス、1年生5クラス、2年生5クラス、3年生5クラスを合わせ、18クラスとなり、柏市の中学校21校でも真ん中くらいの規模となります。

 現行の学習指導要領の基盤となる考え方に、「社会に開かれた教育課程」があります。この理念は、学校の教育課程を通じて、生徒たちが身近な社会やもっと広い世界とつながり、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していける力を積極的に育もうとするものです。教育の目的として「人格の完成」などを基軸に据え、次代を担う子供たちが人間や社会の望ましい在り方を主体的、創造的に描き出し、それを実現できる資質・能力を育むことを目指そうとしています。

 ではなぜ、今「社会に開かれた教育課程」の実現が求められるのでしょうか?世界のグローバル化の進展や人工知能(AI)の急速な進化など、社会の様々な領域で激しい変化が加速度的に進んでおり、将来を予測することは誰にも難しくなっています。生徒たちを含め我々は変化する社会の中に生きており、その社会の変化は我々に大きな影響を及ぼしていることは実感できます。しかしその一方で、これまでになかった豊かさや便利さなどを享受する反面、多くの困難な問題に直面しています。例えば、対立や紛争、環境の変動、資源やエネルギーと持続可能な発展、少子・高齢化、貧富の差の拡大といった問題は、私たちの生活や生き方に影響を及ぼし、人類の未来にも関わっています。

 そもそも学校では、校長が責任者となって全教職員が協力して教育課程の編成を行います。その際、校長と教職員が「社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じて社会を創る」ことについて考えていくことが大切であるのは言うまでもありません。そして生徒たちに、社会とのつながりを意識し、現実社会の問題に向き合い、自分の問題として解決に向けて考え取り組むことを求めるのであれば、まず教職員がそのような意識に立つことが必要です。教職員がこうした意識を共有して教育課程を編成・実施し、その様子を社会に発信することが、目指す教育の理念を社会と共有することにつながります。

 「社会に開かれた教育課程」のポイントとして、「これからの社会を創り出していく生徒たちが、社会や世界に向き合い関わり合い、自らの人生を切り拓いていくために求められる資質・能力とは何かを、教育課程において明確化し育んでいくこと」が指摘されています。また学校の教育目標の設定に当たり、教える側の視点だけではなく、生徒の視点に立って「何ができるようになるのか」を明らかにする必要があります。それらの意味をこめて一言で表したのが「学び続ける富勢中」です。

 社会のつながりの中で学ぶことで、生徒たちは、自分の力で人生や社会をよりよくできるという実感を持つことができます。このことは、変化の激しい社会において、生徒たちが困難を乗り越え、未来に向けて進む希望や力になります。そのため、本校は一番身近な社会である富勢地域と連携・協働した教育活動を充実させることを目指してきました。これからもよりよい学校教育を通じて、よりよい社会を創るという目標を学校と地域とで共有していきます。

 1年間どうぞよろしくお願い致します。

                                柏市立富勢中学校第24代校長   須藤 昌英 

     

 

 230401 R05学校経営グランドデザイン 職員会議用.pdf