校長雑感ブログ

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4月24日(水)「不思議」への憧れ

〇今、校庭には咲き終わったタンポポの綿毛が一面に広がっています。私は幼い頃からこの綿毛を飛ばすのが大好きでした。何十もの綿毛を集め、一気に吹き飛ばしてよく遊んでいました。当時もそれがタンポポであることだけは知っていましたが、なぜそのような形になっているのかは知らないというか興味はありませんでした。ただ遊び道具に一つでした。

〇ご存じの通り、咲いたタンポポの花がしぼむと、綿毛ができます。花が咲いて種が作られるのと並行して、綿毛も徐々にできあがります。綿毛になったあとは時期がくると風で飛ばされるようになります。勢いよく遠くへと飛ばされて、広範囲へ定着します。たんぽぽの綿毛はとても不思議な存在ですが、これは種を遠くに飛ばすためにできたものです。

〇先日校庭で昔のように綿毛を飛ばしていると、生徒達から「校長先生何をしているのですか?」と声をかけられました。「見ての通り綿毛を飛ばしているんだよ。一緒にやるかい?」と答えると、彼らは笑いながら「遠慮しておきます。」と言いながら立ち去っていきました。もちろん彼らも幼い頃は「綿毛飛ばし」をやった経験もあるでしょうし、綿毛が子孫を残すために飛ぶことも知っているでしょう。

〇その時思ったことは、大人になってその仕組みや理屈がわかっても、やはり綿毛があのような形で風に飛ばされるのを待っていることが、今でもとても「不思議」だということでした。むしろ大人になってからの方が一層、知識としてではなく、けなげに自分のいのちを全うしようとしているタンポポの姿に、学べるような気がします。

〇同様に何でも幼い頃からに不思議と思ったことを大人になってからも大切(憧れる)にするようにした方が、人生の深みが増すのではないでしょうか?新しい視点で同じものを見ると、まったく違うように見えるという経験も、生徒たちはこれから味わってほしいものです。

〇生徒たちに「綿毛飛ばし」を遠慮されてしまったので、孫娘と一緒に楽しんでいます。

須藤昌英

4月23日(火)正規日課開始と朝の10分間読書活動

〇昨日より正規日課、つまり時間割通りの授業となりました。生徒たちは、6時間目の終了時刻(午後3時25分)まで、自分の学びを深めようと取り組んでいます。

〇特に1年生は、50分授業6コマを受けることには不慣れで、しばらくは大変かもしれません。まだ中学生の体力はないので、睡眠時間の確保や栄養補給などに気を配ってあげてください。

〇朝の10分間、生徒は静かに自分で選んだ本と向き合い読書を行っています。これは2つのソウゾウ力(想像力・創造力)を養っています。想像力(イマジネーション)により、実際に見聞していないことについて考えを巡らすことで、創造力(クリエーション)につながり、独自の方法で新しい何かを創り出せる大人になっていきます。

〇日本人はかつて世界有数の「本を読む国民」でした。しかし昨今、若者を中心に「読書離れ」が広がってきています。確かに電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、人間性を育てるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚で「本とのつきあい方」を考えていく絶好の機会です。

 須藤昌英

 

4月22日(月)柏市標準制服(ブレザータイプ)のモニター募集

〇令和7年4月から、柏市では市としての標準制服を全校で導入します。これに先駆け、令和6年6月頃から、プレ標準制服を着用する生徒モニターを募集します。モニターに選ばれた生徒には、無料でプレ標準制服を配付します。着用後、「制服の見直し」に関する生徒アンケートに回答してもらいます。また着用後(卒業時)は制服リユース(柏市制服バンクへの登録等)に協力をしてもらいます。以上の内容で本人と保護者の同意が得られた上でモニターを希望する場合は、柏市の回答フォームから応募してください。

〇尚、現在はもちろん、来年度からもこれまでの「詰襟学ラン(Aタイプ)」と「セーラー服(Bタイプ)」は制服として認めていきますので、あくまでの第三の選択肢として、柏市の標準制服(Cタイプ)を考えてください。またこれからブレザー用のネクタイとリボンを業者と話し合いながら決めていきます。生徒の意見も反映できるように工夫していく予定です。

須藤昌英

 

4月19日(金)新入生歓迎会(生徒会行事)

〇新入生に富勢中の諸活動を紹介し、富勢中の一員としての生活を知った上で、来週から正規日課として本格的にスタートできるように、2学年と3学年生徒が準備をしてくれました。

①   はじめのことば

②   委員会紹介

③   部活動紹介

④   記念品贈呈

⑤   歓迎の言葉

⑥   お礼の言葉

⑦   校歌斉唱

⑧   校長先生の話

⑨   終わりのことば

〇校長の話では、「人間は体験してそれをその後に活用できる経験にしていくことが一番大切です」「憧れの先輩を一人もって、その人をこれから超えられるように努力するとよいです」などと話しました。あたたかい雰囲気の会でした。

須藤昌英

4月18日(木)個人写真撮影&学年レク

〇生徒全員の肩から上の写真(制服着用)を撮影しました。1年生は初めての経験で、少し緊張していました。カメラマンさんからも「固くならないでいいですよ」と声をかけられていました。

〇各学年で、クラスの親睦を深めたり団結を高めたりする目的で、レクレーションを行いました。全員リレーやドッジボール、綱引き、台風の目、クイズ、障害物競走など体や頭を使った種目で、楽しんでいました。

須藤昌英

【1学年】

【2学年】

【3学年】

4月17日(水)睡眠の大切さ

〇始業式から12日、入学式から一週間が経ちました。生徒は環境や人間関係の変化など、最初の緊張感からくる疲労が出やすくなってくる頃です。

〇東京大と理化学研究所の調査で、小中高生の半数以上で睡眠時間が不足している実態が明らかになったニュースがありました。塾や習い事による多忙化や夜間のスマートフォン使用などが背景にあるとみられます。特に成長期の睡眠不足は心身の発達に悪影響を与え、生活リズムが乱れます。東大と理研の研究チームは2022年9月から、小中高生計約5万人を対象に睡眠の実態を調査していたようです。

〇3月に公表された中間結果によると、平均睡眠時間は小学6年生7・90時間、中学3年生7・09時間、高校3年生6・45時間で、当たり前ですが学年があがるごとに睡眠時間は減っています。私の印象では中3の7時間は予想よりも長いと感じました。もちろん平均値ですので、バラつきはあるでしょうが、平均よりも短い人と長い人の二極化になっているとしたら、その方が問題です。

〇厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」は、中高生は8~10時間の睡眠時間を推奨していますが、研究チームの調査では、全体の半数以上が推奨時間を満たしていなかったようです。小児睡眠障害を扱う病院では、患者数が近年増加傾向にあるようで、専門医師によると、睡眠障害の子どもには〈1〉部活動や塾、習い事でスケジュールが過密〈2〉スマホやパソコンなど電子機器使用が多い――といった傾向がみられるそうです。

〇関西の堺市では以前から、適切な睡眠のあり方を教える「眠育」に取り組んでいるのは知っていました。児童生徒に睡眠時間を記録させたり、授業で睡眠の意義を教えたりしています。不登校対策から始まったもので、生活リズムが乱れていると思われる児童生徒には個別に面談もしているようです。本校でも参考にしています。

〇日本睡眠学会理事長の内村直尚氏は「学校で居眠りが続く子どもがいれば家庭と情報共有するなど、子どもの睡眠が足りているかを把握してほしい」と呼びかけています。もしお子様で気になる状況がありましたら、明後日の保護者会で担任や養護教諭などにご相談ください。

 須藤昌英

4月16日(火)水分補給の大切さ

〇昨日は4月にもかかわらず、新潟では気温が30度を超える真夏日になりました。今後は熱中症にかかる危険性がありますので、注意しなければなりません。実際に昨日は午前中から体調の悪い生徒がおり、原因は様々ですが、その一つに水分不足があるような気がします。

〇人間の体の約60%は水分でつくられています。例えば、体重が60Kgある人なら36Kgが水分です。それだけ水分は体を維持することに必要で、足りなくなると生命に関わることもあります。体から5%水分を失うと脱水症状や熱中症症状が現れ、10%失うと筋肉のけいれんや循環不全が起こります。さらに、20%失うと死に至る可能性があります。

〇また最近は、「暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)」を判断の目安にしています。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

〇昨日の正午の時点では、「21~25(積極的に水分補給)」でした。ご家庭でも気温にあわせた服装やマスクの着脱、水筒の持参について、再度確認してください。のどの渇きはすでに「脱水」が始まっている証拠ですので、喉が渇く前に細目の水分補給をさせるようにします。

 須藤昌英

4月15日(月)暑さの予感と魔よけの鯉のぼり

〇先週末から今朝も気温が上昇し、日向では暑いくらいです。昨年の猛暑を思い出し、今年も暑さ対策を始めなければいけないと感じています。ただ空は青く、来月まで「五月晴れ」が見られそうです。

〇昨日、自宅の倉庫を整理したいたら、室内用の鯉のぼりが出てきました。もう何年も出していないので、校長室に飾ってみました。現在、29歳と26歳の長男、次男のために購入したのですが、大きくなると興味も示さなくなるので、どうしても仕舞いっぱなしになっていました。

〇鯉のぼりについて少ししらべると、中国の神話や伝説に登場する「龍」が関係しているそうです。中国では、黄河の上流にあるとされる龍門という滝を鯉が登ると竜になるという「登龍門伝説」があり、日本でも立身出世の象徴となっていました。

〇さらに、鯉はとても生命力があり、大きく丈夫で、きれいな川以外でも生きていくことができるために、子供に強くたくましく育ってほしいという願いを込めて揚げられています。

〇一番上の「吹流し」は、もともとは鯉のぼりとは別々のものでしたが、明治時代になり、鯉のぼりと吹流しは一緒に揚げられるようになったそうで、中国の「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)からきており、木・火・土・金・水の五行を表しています。

〇鯉のぼりの竿の先に付いている「矢車」は、古来から邪悪なものを射るということから魔除けの意味があります。本校の生徒たちが、すくすくと成長しますように・・という願いを込めて五月五日まで揚げます。

 須藤昌英

4月12日(金)自転車通学の安全といのちの安全

〇昨日の放課後、自転車通学許可者への説明を行いました。この春休みにも部活動のため自転車で登校中の生徒が、富勢運動場入口で車と衝突する事故がありました。自転車が車の下へ入りましたが、生徒は打撲だけで済み、今は元気に登校しています。

〇朝の富勢小まえの歩道は、小学生と中学生の自転車が反対方向ですれ違いますので、本校生徒は自転車を降りて押しています。もし自転車と歩行者で事故があれば、過失割合は100%自転車になりますので、保険の加入も万が一に備えて必要になってきます。

〇私は午後に市内の校長会議があるので不在にしますが、今年度初の避難訓練を行います。地震の脅威は常に頭においておかねばなりません。始業式でも私の方から2・3年生には、「今この瞬間に地震が起きたら、どう行動するか?を常に考えておきましょう。日本は地震大国です。まずは自分のいのちは自分で守るという心構えをもってください」と話しました。

〇生活上の安全は人に与えられるものではなく、自分で安全性を少しでも高める意識と工夫が必要です。

須藤昌英

【昨年の避難訓練から】

 

 

4月11日(木)3学年がそろいました

〇1年生は、朝の会から新しいクラスで、少し緊張した様子でしたが、自己紹介したり教科書に記名したり、学年集会を行ったりしました。

〇2・3年生は、学級の掲示物作成や体育館で発育測定(視力検査・聴力検査・身長・体重)を行いました。

〇1年生は、初めての中学校の給食でした。まずは給食当番が白衣を着るところから勝手の違いに苦労していました。さらに配膳や「いただきます」の挨拶もクラスごとに少しずつ違っています。当番以外は読書をして待ちます。

〇メニューは「牛乳、ポークカレーライス、わかめサラダ、手作りグレープゼリー、大豆小魚」でした。ご飯をどのくらいよそうかなども手探り状態で、手べ始めるまでにけっこうな時間がかかりました。明日からは少しずつペースアップしていくことでしょう。

須藤昌英

 

 

4月9日(火)花散らしの雨と入学式準備

〇発達した雨雲が関東へ近づいており、登校時には傘が役に立たないほどの南からの強風が吹いていました。生徒の多くは傘はあるにもかかわらず、傘を開くと飛ばされそうなので閉じたままで歩いていました。また何人かは傘の骨組みが壊れてしまい、かわいそうでした。

〇大雨のピークは、関東は昼前後となりそうとのことで、下校時には生徒に注意を促します。その後天気は西から回復しますが、夜は北よりの風が強まり、気温が低下するそうです。服装の調節が大変です。

〇せっかく満開の桜の花も風で散らされて「もったいない」と思ってしまいます。でも明日の入学式は、青空の下でまだその奇麗な姿を残してくれることでしょう。

〇午後は明日の入学式準備を行います。

須藤昌英

4月8日(月)学年集会と給食開始

〇2・3年生はそれぞれ学年で集会を行い、学年担当の先生からの自己紹介を聞いたり、学習や生活の約束、今後の予定などの確認を行ったりしました。

〇学級活動では、学級目標や委員会・係決めの話し合いを行いました。4月は自然と気持ちが前向きになりますので、新しい役割などにチャレンジするには最適です。

〇給食は、アフターコロナで班の隊形で会食することに戻りました。ただ大声で話したり食事マナーを守らない生徒は皆無で、豚キムチ丼を美味しそうに食べていました。

須藤昌英

 

4月5日(金)令和6年度着任式・第1学期始業式

〇令和6年度は雨のスタートとなりました。ただ桜の花は満開に近くなってきており、いろいろな鳥もよってきて賑やかです。

〇今年度から着任された教職員に着任式で、自己紹介をしてもらいました。ある職員は、「きちんとした姿勢で話を聞いてくれたので、嬉しかったしびっくりしました」と後で話してくれました。

〇始業式では、「進級おめでとう」「入学式もよろしくお願いします」「修学旅行や林間学校もすぐなのでしっかり準備を」などと話しました。

〇新3年生はクラス替えはなく、すぐに1号館2階へ引っ越しました。新2年生は体育館で新クラスの発表後、4号館へ引っ越しました。

〇学級開きで行う自己紹介などは、来週の学級活動で行います。

 須藤昌英

4月4日(木)始業式の前日に思うこと

〇生徒のいない校舎内は静かで、教室の机や椅子も主役(生徒たち)が来ることを待っているかのように感じます。今日も全職員で明日の始業式に向けて、最終準備を行います。

〇話は変わりますが、昨年まで年度終わりの3月31日に満60歳を迎える教員は、その日をもって定年退職となっていました。しかし今年から公務員の定年延長が開始され、私の年齢は満61歳まで、私の一年下の職員は満62歳と徐々に延長され、数年後には65歳で定年退職となります。

〇これが決まったのは3年前ですが、教員となってから長い間60歳で退職と思ってきた私の年代などは、「60歳の4月1日は朝からゆっくりと自宅で過ごせるな・・」と想像していました。しかし実際にはこの4月1日も朝の6時半には出勤し、校長室で会議資料を作成していました。今は残りの1年を何とか健康を保って乗り切りたいとだけ思っています。

〇たまに「校長先生はなぜそんなにはやく出勤しているのですか?」と尋ねられることがあります。理由の一つは、朝の部活動に参加する生徒は、7時に登校します。すると距離が遠い生徒は6時半には自宅を出ています。万が一登校中で交通事故や不審者等に遭遇した場合には、すぐに連絡がとれるようにするためです。

〇逆に明日の午後からは部活動も再開されますが、完全下校の30分後までは、生徒たちが無事に帰宅したかを心配する毎日が戻ってきます。昨日も台湾では大地震、九州でも部活動中に落雷で高校生が意識不明になるなど、いのちに関するニュースを見て、他人事ではないと思います。

〇これから明日の始業式で、生徒たちに何を話そうか・・、ゆっくりと考えます。

須藤昌英

 

4月3日(水)主役の交代と多様性

〇校内のソメイヨシノはまだ咲き始めたばかりで、今週末くらいに満開になるかもしれません。そのソメイヨシノが終わると、少し遅咲きの八重桜の花が次に咲き始めます。ソメイヨシノから八重桜への主役交代は毎年見事な風景です。

〇調べますと、「八重桜」という呼称は、一つのサクラの品種ではなく、八重咲きに花を付けるサクラの総称だそうです。ソメイヨシノに代表される一般的な桜の花弁は5枚で、この咲き方を「一重咲」と呼称するのに対し、桜の場合は6枚以上の花弁を付けるものを「八重咲の八重桜」として区分しています。

〇サクラも複数の品種が交配してできた変種や観賞用に開発された改良品種を合わせると600種類を超えるといわれています。日本に分布している桜のうち80%以上がソメイヨシノだそうですが、実は他にも個性溢れる品種が多く存在しています。花弁の数も影響してか、本校の八重桜はピンクも濃く、花全体がモコモコしています。

〇サクラと同じく生徒もすべての面で、多様性に富んでいます。人にはサクラと同じくそれぞれの良さがあり、比べることは無意味です。ソメイヨシノにはソメイヨシノの良さ、八重桜には八重桜の良さがあり、そうだからこそそれぞれの特性が際立って、観る我々は楽しいのでしょう。

〇明後日の5日の天気予報は、「曇り時々雨」ですが、2週間ぶりに登校してくる本校の主役の生徒たちのために、2つのサクラも懸命に咲く準備をしています。

須藤昌英

4月2日(火)始業式に向けての会議や準備

〇通称「富士見坂」に続く正門前の通りは、白い桜の花が満開ですが、いまだにソメイヨシノは数輪しか咲いていません。5日の始業式はもちろん、10日の入学式まで何とか残ってほしいと願っています。

〇校内では教員が分担し、始業式に向けて会議や準備を行っています。特に本校は校舎配置が複雑ですので、新しく着任した職員はなかなか覚えられず、行きたい教室へも行けずに迷子になることもあります。

〇教員には、授業担当や学級担任などの役割に加え、学校全体を運営する係り分担(校務分掌と呼んでいます)を割り当てています。このことは「学校全体を支えている」という意識を醸成し、一つの組織として仕事をしていくことにつながります。下記のような部ごとの会議を行い、全体会議への提案資料を作成します。

・教務部(年間計画、月計画、週計画、学校行事、教科経営、日課表など)

・研究部(校内授業研修計画、各年代に必要な研修の推進など)

・生徒指導部(生徒の生活のきまり、一日の生活の流れ、生徒へ寄り添った支援など)

・管理部(施設管理、環境美化、備品管理など)

・庶務部(教科書管理、学籍管理、各種会計、各種証明など)

〇生徒を迎えるにあたり、教員は下駄箱やロッカー、机・椅子のシールを貼ったり、教室や廊下などの環境を整えたりしています。生徒のいない教室は、ガラ~ンとしていて、窓から差し込む光が床を照らしています。「はやく生徒が登校してこないかな」と待ち遠しく思っている教員も多いです。

須藤昌英

4月1日(月)新年度がスタートしました

〇本日から新しい職員9名を迎え、令和6年度の「チーム富勢」をスタートしました。まず校長室で一人ひとりに千葉県教育委員会からの辞令を交付しました。校長にとって、職員はただの「人材」ではなく、大切な「人財」です。職員の力や個性を最大限に引き出すことが、生徒の学びを支援することにつながります。

〇次に職員室で自己紹介をした後、早速最初の職員会議を行い、今年度の目指す方向性を確認しました。会議の方法は授業と同じく、提案者からの提案後、質問や意見交換をして理解を広げたり深めたりしています。「学び成長し続ける富勢中」に向かうには、まず職員の学ぶ力の育成が欠かせないと思っています。

〇昼食は<ミニ歓迎会>として、被服室において注文していたお弁当をみんなで食べて、歓談しました。新しい職員には前の学校と富勢中の違いとか、自分の趣味や特技なども話してもらいました。こういう機会を通して、新しくきた職員の不安も徐々に解消し、はやく富勢中に慣れてもらいたいと思います。

〇本年度も校長からみた富勢中の様子を、発信していきます。「ブログ」という用語は、「Web log」(ホームページの履歴の意味)から派生した言葉ですが、「毎日の様子を書くという意識」をもって学校内にいますと、「これは保護者や地域の方々にお知らせした方がよいだろう」などの気づきがよくあります。「雑感」の名の通り、雑多な感想もあり、まとまりのない文章となりますが、ご容赦ください。

〇外からみるとわからないいわゆる学校内の裏事情なども、伝えられる範囲で書いていきます。「こんなことをホームページに書いてあるけど、実際にはどうなの?」等、お子様との会話のきっかけにしてください。職員と協働し、生徒が登校する5日(金)までに、すべての準備を整えていきます。

須藤昌英

 

3月22日(金)令和五年度修了式&辞校式

〇昨日の9時過ぎの地震には、正直びっくりしました。授業中でしたが、生徒たちは落ち着いて第一次避難(机の下に身を隠す)を行い、器物等の被害もありませんでした。震源地は茨城県南部、震源の深さは50km、地震の規模はM5.3と推定されています。でも今後もしばらくは余震などに注意していかねばなりません。

〇本日の修了式では、先日の卒業式で卒業生に送った言葉を引用しました。

「皆さんは、自転車に初めて乗れた日のことを覚えていますか?おそらく最初から上手に乗れた人はいないと思います。何度も転んで時には手足を擦りむいて痛い思いをしながらも、「乗れるようになりたい」という強い意思がその困難を乗り越える原動力になったのではなかったですか?諦めずに練習するうちに、コツをつかみやがて一人で乗れるようになったと思います。今からの話は、自転車の話を頭の片隅におきながら聞いてください。

私達が何気なく毎日を過ごしていることの約四十%が「習慣」によって成り立っているといわれます。もし、習慣を身に付けていないとどうなってしまうのか。例えば朝の洗顔で「今日は右側と左側の歯のどちらから磨こうか?」などと一回一回考えていますか。毎日の繰り返しであれば、いちいち考えなくても昨日までと同じことをすると思います。そのように、特に考えなくても自動的に行動を起こすことが「習慣」です。人間は「習慣」によって生かされている、まさに「習慣の動物」と言えます。

新たに習慣を身に付けようとするには、何度も繰り返すことが必要ですが、行動や考え方が習慣化することで、脳内での情報伝達はより円滑になります。それでは人間が新しい習慣を身に付けるには、どのくらいの時間が必要なのでしょうか?それを調べた研究があります。それは平均すると約六十六日、つまり約2か月ちょっとであることがわかりました。

習慣化の第一ステップは、新しいことを身に付けるのに、反発が大きい期間をいかに乗り越えるかです。新しいことを始めると、脳ではこれまでとは異なる情報処理が進みます。脳には限られた資源を有効活用するために「エコ」を心掛けるような性質が元々備わっており、これまでの情報処理の仕方を変えて新しいことをすることを拒みやすいようになっています。ただ自ら進んで新しいことを身に付けようとする場合には、やる気に満ちているので、その勢いを利用してそれを乗り越えることができます。

目標設定も大切です。習慣化においては、「こんなことを目標にしていいのか?」と思うくらいの小さな一歩から始めることが秘訣です。その小さな一歩を踏み出したとき、脳内では「報酬系」と呼ばれる神経ネットワークの働きが高まり、ドーパミンという物質が増えます。すると楽しくワクワクするので、良い成果を得られます。すなわち自分がなりたい姿を明確に想像してワクワクし、それに近づくために何をしたらよいかを思いついたときには、ドーパミンが脳内を巡ってやる気も高まっているので、習慣化の導入期には理想的な状態と言えます。

そしてやる気が高まっている時には、「その気」も高めておきます。やる気とその気は、クルマに例えると両輪にあたります。片方だけが回り続けても空回りになります。その気とは、「セルフ・エフィカシー(自己効力感)」のことで、自分自身をどうとらえるかについての物差しにあたります。目の前にやりたいことのハードルがあったりすると、そのハードルを自分が越えられるという自信を持てたときに、それは高まります。

ただ新しいことを続けようとしたとき、やる気もその気もないという日が必ずきます。特に習慣化において、導入期の次に訪れる「定着期」は、不安定な期間です。その時に備えて、うまく続けるための仕組みが重要になります。例えば、ジョギングを習慣させたい場合には、玄関に専用のシューズを置いておくことや、スポーツウエアを見えるところに吊るしておくのも効果的です。自分がどういうときにあきらめがちなのかを知っておき、先回りして自分の背中を押したり、続かなくなりそうな時には、そうさせない工夫を散りばめたりしておけば、「始めやすくて止めにくい」仕組みは作れます。

このように各段階で工夫をしつつ、新しい習慣が身に付くまでの期間を過ごせたらならば、きっと新しい自分に出会えていることでしょう。つまり新しい習慣を始めることは、新しい自分を発見する旅の始まりであり、私たちの脳や心、そして生活そのものを豊かにするカギとなります。習慣化による変化は、自分の人生そのものの変化でもあります。4月からも新しい習慣を始める勇気を持ち、その過程を楽しんでください。」

〇修了書を各学年代表2名の生徒に授与しました。そこには「本校〇学年の課程を修了したことを証します」とあります。1年生の代表生徒には「入学してあっという間に1年がたち成長しましたね」と、2年生の代表生徒には、「4月からいよいよ最上級生ですね、頑張って」と声をかけました。

〇その後令和5年度末で転退職する教職員10名の辞校式を行いました。まだ新聞発表がありませんので、異動先の学校はつたえられませんでしたが、それぞれの先生方からお別れの言葉をもらいました。中には泣いている生徒もいました。

〇異動先の学校は来週の新聞発表まではお伝え出来ませんので、よろしくお願いします。

〇「校長雑感ブログ」も、今年度は本日で終了します。あらかじめ「雑感(雑多な感想)」とことわって始めましたが、その日の思いや気づいたこと、自分のこれまでの経験を一方的に連ねるようなまとまりのない文章になってしまいました。お詫びいたします。それでもお読み頂きましたことを感謝いたします。ありがとうございました。新年度もよろしくお願いいたします。

須藤昌英

3月21日(木)遺伝子オンと場の力をいかす

〇2月は暖かい日が多く、サクラの開花も今年ははやいか?と予想していましたが、最近の開花予想日は段々と遅れて、現時点では東京は24日となっています。今朝も冷たい風が吹いています。

〇火曜日の学年末保護者会では2つの話(2人の学者の著書)をさせてもらいました。共通しているのは、体験や経験を通して、子どもの成長は促されるということです。

〇一人目は、筑波大名誉教授の故村上和雄氏の「遺伝子ONで生きる こころの持ち方であなたのDNAは変わる」です。引用した箇所です。

・私たちの遺伝子は三十八億年、一度も途切れることなく続いてきたからこそ、私たちが今ここにいるということ

・立派な目標がなくても、小さな目標をもったほうがいい。目標をもつことで、目標達成の遺伝子がONになる

・人との出会いも遺伝子オンの欠かせない要因であり、どんな出会いであっても「この出会いが自分にすごい結果を呼ぶかもしれない」と期待していい

・人が笑うと脳細胞に新鮮な血液が送られ、脳卒中を予防する効果があったり、記憶や感情をつかさどる脳深部の働きを刺激することができる

・他を利する生き方も遺伝子をオンにする。他を利する生き方をしていると、ネガティブ・ストレス(欲・競争・出世・ 憎む・恨む・陥れる等)から無縁でいられるので、健康にもよいしいつも元気いっぱいでいられる

・今の親や教育はチャレンジさせないから子供たちが生きる喜びや確固たる自信が持てなくなっている

〇二人目は、元福島大教授の飯田史彦氏の「場の力をいかす 優れた『残存・実存思念』は大きな価値を含む」です。引用した箇所です。

・奈良・京都には多くの神社・仏閣があり、そこには過去に蓄積された濃厚な「残存思念」があり、清らかな気持ちになったり、その逆で何となく心がざわつくこともある

・ディズニーランドや遊園地にいけば、楽しい「残存思念」を身体全体で浴びるので、入口に入った瞬間に不思議と楽しい気持ちになる

・学校や図書館にいけば、そこには学ぼうとしてきた人たちによる「残存思念」により、自然と心が落ち着き学びに向かう気持ちになる

・対する「実存思念」は、今を生きている人の生の思いであり、「良い学校をつくりたい」「子どもの学校を応援したい」という教師や保護者の思いが個人を超えてつながり、生徒の脳に届いて、生徒の潜在意識に働きかけていく。結果として、生徒に安心感や勇気を与え、「何かに挑戦してみよう」と前向きになる。

〇とにかく生徒たちは「可能性の塊(かたまり)」です。きっかけや自分の思いによって、いかようにも自分を変化・成長させることができます。そのためには、自分に対するマイナスの感情や意識を持たせないようにすることが肝要であり、その基盤が先日に書いた「朝起き、運動、食事、睡眠」の4つの好ましい習慣です。

〇明日の修了式で、生徒達には話したいと思います。

須藤昌英