校長雑感ブログ

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7月17日(水)ゴミゼロボランティア活動(2・1学年)&給食最終日

〇5月に3年生がゴミゼロボランティア活動を行いましたが、その後2年生が6月に、1年生は本日の朝に行いました。目的を2つに定め、1つ目は地域の中にある学校の生徒として、自分達の住んでいる町を綺麗にし、愛着と誇りをもてるような中学生になること、2つ目は水曜日の「ノー清掃デー」を継続するためには、日頃からゴミを落としたり汚さないようにしたりする意識を育て、来年度は週2回の「ノー清掃デー」を可能とすることとしました。

〇2年生は3年生と同じく、クラスごとに約2㎞を60分間で歩く5コースを決めました。林間学校でも集団行動を経験していますので、まったく問題なく終了しました。

 

〇今朝の1年生は、放課後の暑さを避けるために朝7時に登校し、近くの高野台公園までの往復と公園内で行いました。特に歩道には吸い殻や飴の包み紙等、公園内の生け垣の見えないところに缶、瓶、ペットボトルが多く、生徒たちは一生懸命に拾っていました。

〇最後に一緒に参加して下さった上橋市議会議員さんと山本PTA会長さんから、お褒めの言葉をもらいました。高野台公園では、来月に地域の盆踊りが行われますので、自分たちの力が地域に貢献していることを生徒たちは感じていたようです。

 〇1学期最後の給食でした。給食調理員さんたちは、毎日暑い調理場内で栄養たっぷりのメニューをつくってくれています。できるだけ食べ残しを少なくすることが、せめてもの感謝の気持ちのあらわれになります。

須藤昌英

7月16日(火)「行動の記録」について

〇通知表の右側にある「行動の記録」には、次の10項目あります。

「基本的な生活習慣」「健康・体力の向上」「自主・自律」「責任感」「創意工夫」「思いやり・協力」「生命尊重・自然愛護」「勤労・奉仕」「公正・公平」「公共心・公徳心」

〇私も学級担任をしていた際には、「基本的な生活習慣」「健康・体力の向上」「自主・自律」「責任感」「勤労・奉仕」「思いやり・協力」などは、日頃からの観察や本人とのやりとりなどにより比較的に客観性をもって評価することが可能でした。

〇しかしその反対に「創意工夫」「公正・公平」「公共心・公徳心」などは、外からは見えない部分も多く、担任だけではどうしても主観が入りやすくなります。そこで副担任や学年職員とも日頃から各生徒の様子や言動について情報を集め、その中から本人の長所や成長について評価しようとしていました。

〇教育評論家で都留文科大学特任教授の石田勝紀さんは、「賢い頭脳をつくる問いかけワード」として次の10個をあげています。生徒に教える教員の立場からもとても参考になります。

1:「なぜだろう?」(「原因分析力」をつくる)

2:「どう思う?」(「自己表現力」をつくる)

3:「どうすればいいと思う?」(「問題解決力」をつくる)

4:「要するに?」(「抽象化思考力」をつくる)

5:「たとえば、どういうこと?」(「具体化思考力」をつくる)

6:「楽しむには?」(「積極思考力」をつくる)

7:「何のため?」(「目的意識力」をつくる)

8:「そもそも、どういうこと?」(「原点回帰力」をつくる)

9:「もし〜どうする(どうなる)?」(「仮説構築力」をつくる)

10:「本当だろうか?」(「問題意識力」をつくる)

〇石田氏は「『地頭』とは、どこでも、どのような時代でも生き抜いていけるだけの素地」と定義しています。また「『地頭』はスマートフォンやパソコンのOS(基本ソフトウエア)のように、アップグレードしてそのパフォーマンスを上げられ、知識やスキルをインストールして、効果を最大化させることができる」と指摘しています。

〇石田氏が「地頭はOSと同じ、これからはもっと地頭が求められる」と結論づけていることに関し、私は先ほどの「行動の記録」の10項目は、まさに別の視点から、「地頭」について表現しているのではないか?と感じています。

〇具体的には、毎日決まった時間に起床し、昼間に活動し、夜もほぼ同じ時間に就寝する(基本的生活習慣)や目の前のやるべきことをやらされてやるのではなく、自らやってみようとする(自主・自律)など、単に勉強ができるレベルの「頭の良さ」ではなく、生活を基盤とした「学び続ける姿勢」が重要だと思います。

〇激しく変化する社会においては、今この瞬間の最新の知識・技能も、明日には古いものになる可能性があります。これからその社会に出て生きていく生徒たちには、常に新しい知識・技能に反応し、必要に応じてそれを身に付けていく資質・能力が不可欠です。

〇通知表の「行動の記録」には、その生徒に合った資質・能力が順調に育っていくことを願うような「隠れた意義」があることも知っておいていただけるとよいと思います。

須藤昌英

 

7月12日(金)絶対評価と観点別評価について

〇来週の1学期終業式に手渡す通知表の作成を行っています。学期はじめの保護者会で説明しましたが、学習成績の確定については、絶対評価(達成目標を規準にした評価)で行っています。

〇平成13年(今から23年前)までは、相対評価でした。相対評価とは、集団の中で生徒の学習がどのあたりの位置にいるのかで評価しようとしたもので、具体的には、「5」と「1」をつけるのは全体の7%以下、「4」と「2」は24%、残りの「3」は38%を目安として、一定の割合で評定をつけるものでした。これは統計上の正規分布の理論に基づく科学的な評価算定でしたが、もともとの母集団によって、その中にいる個人の成績が左右されるという短所が指摘され、その後絶対評価に変わりました。

〇一方で絶対評価とは、定められた目標の基準によって、個人のレベルを評価する方法です。所属する集団のレベルに左右されず、個人が目標の基準を満たしているかどうかで評価を行いますので、個人の努力に応じた成績への反映や、評価結果に基づく生徒の自己啓発への動機付けなどに有効です。

〇そこでその絶対評価のもとになるのが、観点別評価です。詳細は、すべての教科で統一された3つの観点「主体的に学習の取り組む態度」「思考・判断・表現」「知識・技能」において、「A:十分満足できると判断される」「B:概ね満足できると判断される」「C:努力を要すると判断される」で評価します。その3つの観点で例えば、「A」「A」「A」であれば、「5」、「A」「A」「B」であれば、「4」、・・・と数値への評価に換算します。

〇そこで、その3つの観点の評価基準が明確に確立していることが重要で、例えば「主体的に学習に取り組む態度」であれば、授業中の忘れ物の有無、発言回数、自己評価表の内容、ワークブックなどの提出物から評価したり、「思考・判断・表現」であれば、ノート上での思考の場面や普段の発言内容などから評価したりします。定期テストは主に「知識・技能」に反映しますが、技能教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)では、作品やパフォーマンスなどに重きを置いています。

〇我々教職員は、生徒に「教えること」と生徒を「評価すること」をほぼ同時に行っていると思ってもらえばイメージがわくでしょうか。もちろん「教える」が十分でなければ、「評価する」ことも出来ませんので、日々授業への準備(教材研究)は欠かせません。

〇通知表のもとに1学期を振り返ってもらい、夏季休業中の面談でもその話題にふれ、生徒の頑張りとこれからのやる気を引き出していきたいと思います。

須藤昌英

【3つの資質能力と観点】

7月11日(木)2つのスパイラル(螺旋階段)

〇先月に行った1学期期末テスト後に、何人かの生徒に声をかけてみると、「テスト勉強は自分では頑張ったけど、戻ってきた結果が思い通りでなかった」「普段から勉強が苦手なので、テストははっきり言って気がすすまないです」などの気持ちを聞きました。それに対しては私の方は、「結果よりも頑張ったプロセスがきっと次にいきてくるよ」と毎回励ましています。

〇私自身の生徒としての経験及び教師としての経験の両方から、学びの努力とその成果が比例することはとてもマレであり、大抵は努力したことがすぐに成果に結びつかないことが多いです。ただ辛抱強く、人によって違いますが、数カ月程度努力を積み重ねていくと、ある日突然雲が晴れたかのように、望ましい結果が出始めることは、その経験した人からよく聞く話です。

〇この辛抱する力がないことで、必要な努力を避けたり、結果が出る前の失敗や諦めを理由に、学ぶことから距離をおき始める生徒を見たりすると、とても「もったいない」と感じます。確かに学ぶことによって、知識や技能は身につきますが、それ以上にものの見方や思考力、表現力などが養われ、自分の可能性が広がっていくことが重要なポイントです。

〇先日も書きましたが、学んだことを確実に身に付けていくには、分からなかかったことや間違ったことを定期的に振り返り、その手当て(補充)を逃げずにやるかどうかで決まります。生徒によっては、「なぜ間違ったのか?」と自分が納得するまできちんと考えることができます。そのことを回避したままで、ただ表面的に「正解だけを丸覚えしよう」とするだけでは、意欲も継続できまでんし、理解も深まりません。

〇普段から授業の中で、どんなにささいなことでも、「おもしろい」「なるほど」などの興味を持ち、「やってみよう」「できるかも」と経験を積みかねていくこと(正のスパイラル:登りの螺旋階段)が得意な教科になるきっかけになります。一方で、逆の負のスパイアラル(下りの螺旋階段)に陥ると、なかなか抜け出すことが難しくなります。

〇少しの成果でも、準備に取り組んだプロセスを自分で、また周囲からも認められることで、やる気の持続につながります。学校でも職員がそれを意識して見守っていきますが、ご家庭でもお子様の成長面を確認していただき、夏季休業中の面談で担任にお伝えしていただきますようお願いいたします。

須藤昌英

7月10日(水)いじめアンケート

〇毎学期ごとに行う全校生徒対象の「いじめアンケート」を先日実施し、現在その対応中です。アンケートの冒頭には、「学校生活を送っていく上で、困っていることや、相談したいことがあったら、教えてください。」とし、いじめだけでなく、その他の相談事項も記入できるようになっています。

〇アンケートを行う際には、一斉に行い秘密を厳守することはもちろん、記入時間もしっかりと確保し、誰かが書いていることを周囲の人が勘ぐって、終わった後に変な噂が流れないようにすることまで配慮しています。

〇1学期は8件のいじめに関する相談がアンケートでありました。その内容は、「冷やかしやからかい、悪口や嫌なことを言われる」が多く、すべて当事者に事情を聞き、事実確認や必要に応じて当該生徒への指導、保護者への連絡を行なっています。

〇過去にはその他に、「仲間はずれ、集団による無視をされる」「ぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたりする」「金品をたかられたり、壊されたりする」「嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする」「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる」などがありましたが、いずれもいじめの解消に同じ手順で対応しています。

〇平成 25 年6月に「いじめ防止対策推進法」が成立し、同年 9 月から施行されました。この法の目指すところは、第1条に以下のように示されています。

「いじめが、いじめを受けた児童生徒等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童生徒等の尊厳を保持するため、(中略)いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。」

〇いじめは、相手の人間性とその尊厳を踏みにじる「人権侵害行為」であることを改めて共通認識し、生徒がこれから生きていく上で、人権を社会の基軸理念に据えて、社会の成熟を目指していくように促すことが重要です。

〇法第2条には「この法律において『いじめ』とは、児童生徒等に対して、当該児童生徒等が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒等と一定の人的関係にある他の児童生徒等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒等が心身の苦痛を感じているものをいう。」と規定されています。

〇つまり、相手に対して故意で意地悪をしたのか故意ではなかったかに関係なく、その行為によって相手が「嫌な気持ち」になったと感じたならば、すべて「いじめ」として扱います。時々「そんなつもりではなかった」と話す生徒がいますが、たとえそうであったとしても、法でそう決まっている限り、学校では事実を確認して、その状態が継続しないように対応していきます。

〇またこのアンケートでは、自分ではなく周囲の友達がいじめ被害にあっている、またはいじめに関与しているなどの第三者的な情報が書かれていることもあります。教職員がすべてのいじめを感知できるわけではないので、この場合にも前述のように事実確認から始めていきます。

〇またいじめの案件については、学級担任や学年職員だけにとどまらず、全職員でその後の見守りや声掛けをしています。大人の世界でもいじめは存在しますが、これから社会に出ていく中学生には、正しい人権意識と自分ならどう行動するかの当事者意識を育ててあげたいと思います。

須藤昌英

【柏市教育委員会「いじめ問題対応の手引き」より】

 

7月9日(火)夏の夜の楽しみ~蛍鑑賞会~

〇この時期に、優雅に空中を舞う蛍を見かけることがなくなったのは、何年前くらいからでしょうか?ポワンと小さな黄色い光がゆっくりと点滅して飛ぶ風景は、人工の花火とは一味違う夏の風物詩です。

〇私がこれまで最も鮮明に覚えている蛍の思い出は、大学生だった今から40年前のことです。当時地元の少年野球チームに、コーチとしてボランティアで参加していました。そのチームの夏合宿が、千葉県東部の東庄で行われ、夜は古民家みたいな宿に泊まりました。

〇夕食後、部屋には蚊帳(かや)が吊るされ、開放していた縁側から、無数の蛍が舞い込んできました。私も蚊帳の中で寝たり、その蚊帳の中に蛍が飛ぶ光景を見たりしたのは初めてでしたので、小学生と一緒に感動し、夜はなかなか寝付けずにいたのをはっきりと覚えています。

〇当時小学生だった子も今は50歳を超えていますが、きっとその思い出は忘れずにいてくれるのではないでしょうか。野球よりも蛍の思い出が強い子も多くいると思います。

〇蛍と言えば、本州ではゲンジボタルがヘイケボタルよりも大きく、発光も強いです。私は名前から、「源平の戦い」などをイメージしていましたが、どうやらそうではないようです。

〇源氏蛍は、もともと「験師蛍」だったそうで、「験師(ゲンジ)」とは、山伏、修験者のことで、夜に幽玄に光る様子が、修行中の修験者が使う妖術のように見えたため、そう呼ばれたとか。

〇ゲンジであるならば「源氏」となり、一方で元はコメボタルと呼ばれていた源氏蛍より小さな種類の蛍を「平家蛍」と名付けたとの説があります。

〇昨日、富勢地区学校運営協議会(富勢地区小中4校の応援団)から、蛍鑑賞会のお知らせがありました。富勢東小の児童が蛍の幼虫を育て、あけぼの山水生植物園に放流したお陰で、身近で蛍が見られます。

〇もちろん暗くならないと見えませんので、もし行く場合には、十分に気をつけて参加してください。夏の思い出に、私も行こうと考えています。

須藤昌英

 

7月8日(月)夏用制服としての紺ポロシャツの採用について

〇先月から希望生徒による柏市標準制服(ブレザータイプ)のモニター制度が柏市全体で始まり、本校でも来年4月の本格的スタートへ準備を進めています。また本校ではこれまで並行して、柏市標準制服の採用に伴い、夏用のポロシャツについても検討をしてきました。

〇具体的な方向性として、今般の猛暑に伴う生徒の熱中症対策への配慮、さらには汗の乾きが速く透け防止にもなるポロシャツを試験的に9月より採用し、生徒の登下校での着用を可とします。

〇もちろん、現在着用していますワイシャツ・ブラウスの着用を継続することも可能であり、あくまでも選択肢が一つ増えたとご理解ください。

〇来年の4月からは、ポロシャツの製造元や販売店の指定をしない方向ですが、現時点でどんなポロシャツを着用させたらよいか迷うことも考慮し、9月2日に販売店の協力を得て販売します。

〇なお、紺色は本校の校内服とも同じ色であり、今回は紺ポロシャツのみを用意します。今日から見本のポロシャツを各クラスごとに展示し、生徒に見てもらいます。もしご購入を検討される場合には、お子様とご相談してください。

〇来年度以降の詳細の扱いについては、今回の試験的運用を踏まえ、新たにご案内しますので、ご了承ください。

紺ポロシャツ代金   SS~LL  税込 1,639円

            3L~5L       税込 1,980円

販売日時  9月2日(月)PM 14:00 ~ 15:00  

販売場所  富勢中学校2号館昇降口

販売店   東京堂 柏市中央1-2-27 電話04-7167-2723

※当日購入されなくても上記店舗にて用意しています。

※販売するサイズの枚数を把握するため、購入の希望があるご家庭は、来週に「購入希望アンケート」を送付しますので、7月19日(金)までご回答ください。

※サイズについては以下の表を参考にしてください。

須藤昌英

7月5日(金)柏市総合体育大会&県コンクール壮行会

〇先週末から始まっている柏市総合体育大会(運動部活動)は、3年生にとって最後の大会となりますが、市内大会で上位の成績をおさめ、県大会への出場をかけて試合に臨みます。また吹奏楽部は、千葉県吹奏楽コンクールへ出場し、美術部は地域の文化祭に出品します。

〇その大会やコンクールの直前に、悔いのない試合や演奏をしてもらうため、午後は体育館に全校生徒が集まり、壮行会を行いました。熱中症の心配をしていましたが、幸いなことに体調不良者が出るまでの暑さはなく、選手たちに心のこもった応援をすることができました。

須藤昌英

【男子ソフトテニス】

【サッカー】

【男子バスケットボール】

【陸上競技】

【剣道】

【吹奏楽】

【美術】

【軟式野球】

【卓球】

【女子バレーボール】

【女子ソフトテニス】

【女子バスケットボール】

【バドミントン】

 

7月4日(木)3学年英語「使役動詞(make let help have」

〇「英語なんてどうして学ばなければならないの?」と思いながら、普段から授業を受けている生徒も多いかもしれません。もちろん高校入試の科目にあるから・・も一つの答えかもしれませんが、それだけでは、手元に翻訳機をもっていれば、外国人とも会話ができるこの時代に、苦労?して学習する意義にはなり得ません。

〇「生徒の言語能力」について、中央教育審議会答申では、「言葉は、学校という場において子供が行う学習活動を支える重要な役割を果たすものであり、全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となるものである。したがって、言語能力の向上は、学校における学びの質や、教育課程全体における資質・能力の育成の在り方に関わる課題」であると指摘しています。

〇このことを踏まえれば、中学校の英語科における言語の役割として、創造的・論理的思考の側面、感性・情緒の側面、他者とのコミュニケーションの側面があること、特に他者とのコミュニケーションに焦点を当てて指導することが重要だと思います。

〇取り扱う語数についても、小学校で学習する 600 ~ 700 語に加え、中学校では1600 ~ 1800 語程度となり、様々な文型や文法を身に付けて、話す・読む・書くなどのスキルを増やしていきます。

〇さすが3年生の授業です。導入からアクティビティまで、教師はナビゲーターに徹していても、自分たちで自主的に学んでいる姿が、「いつも通り」だとわかります。

須藤昌英

 

7月3日(水)2学年数学「連立2元一次方程式」

〇算数から数学に変わって1年3カ月。2年生は連立方程式を学んでいます。正式名称は、「連立二元一次方程式」で、1年次との違いは、未知数が2つ入った方程式を扱います。

〇1年次では、一元一次方程式について、その中の文字や解の意味を理解し、その解き方を考察することや具体的な場面で活用することについて学習しています。

〇2年次では、これらの学習の上に立って、二元一次方程式とその解の意味や二元一次方程式を連立させることの必要性と意味及び連立二元一次方程式の解の意味を理解し、解を求めることができるようにします。さらに、連立二元一次方程式を具体的な場面で活用することができるようにすることまで行います。

〇前述のように、一元一次方程式を活用する場合には、事象の中の数量の関係を式に表現するとき、一つの変数しか用いることができませんでした。しかし、日常の具体的な場面においては、一つの変数よりは二つの変数を用いた方が式に表しやすい場合が多いため、連立二元一次方程式を活用することにより、問題解決が容易になることが多いのです。

〇連立二元一次方程式を活用するに当たっては、一元一次方程式の活用と同様、方程式を活用して問題を解決するための知識を身に付けるとともに、解決過程を振り返り、得られた結果を意味付けたり活用したりしようとする態度を養うことが大切です。

〇特に立式の段階においては、数量の関係を捉えて、例えば、個数の関係、代金の関係、長さの関係、時間の関係、重さの関係など、ある特定の量に着目して式をつくるようにしたり、捉えた数量を表や線分図などで表してその関係を明らかにしたりすることも有効です。

〇また、方程式を用いて、具体的な問題を解決するに当たっては、着目する数量によって様々な方程式が立てられることや、変数の数と方程式の数が一致していることが方程式の解が一通りに定まるために必要であることなどに気付き、一元一次方程式や連立二元一次方程式を見通しをもって的確に活用することができるようにします。

〇私の経験からも、生徒の数学への好き嫌いは、このあたりから分かれていくことが多いので、丁寧に指導しています。

須藤昌英

 

7月2日(火)新札発行と生徒の学び

〇明日より、約20年ぶりの新しい紙幣が発行されます。この新札発行は、最新の3D印刷などの偽造防止技術を採用しつつ、日本の文化や歴史を反映したデザインが特徴だそうです。世界を見渡すと、日本における偽札印刷は極端に少なく、たまに偽造された紙幣が見つかったニュースを見るくらいです。

〇このように日本では、紙幣のデザインが数十年にわたりほとんど変わらず、生徒達も今の使用している紙幣に変わった後に生まれていますので、今回の変化は初めての経験です。ただ新札が私たちの手元にくるのはしばらく経ってからだと思います。

〇私なども昔は百円札や五百円札がありましたので、特に五百円玉が出てきたときには、その大きさにびっくりした思い出があります。また二千円札はなぜかあまり人気がでませんでしたが、私は二千円札に思い入れが少しありました。

〇それは幼いころによく遊んだ「人生ゲーム」の中では、二千ドル札があり、「何で日本には二千円札がないのだろう?」と不思議に思っていましたところ、実際にそれが現実になったからでした。今回は二千円札が無いのが残念です。

〇算数・数学的には、千円札と二千円札の両方で、色々な金額の組合せを考えるのは学習効果があります。例えば5千円の品物を支払うのに、千円札5枚か二千円札1枚と千円札3枚か、または二千円札2枚と千円札1枚にするかなどは、多面的な考え方に寄与します。

〇また発行される新しい紙幣は、経済や社会に新しい風をもたらすと期待されています。 新札の発行には、経済活動の活性化や国際的な信用度の向上という目的もあります。

〇ただ現在は、電子マネーが普及し、私なども買い物では現金を使うことが少なくなりました。生徒達には、この機会に電子マネーと現金との違いにも自分の考えをもってもらいたいです。

〇新札に登場する人物についても、生徒が興味をもって調べてくれることを期待します。その中で、日本の歴史や文化・美術などにも関心が広がってくれば、ますます生徒の学びが広がります。

千円札の北里柴三郎:日本の細菌学の父と称される科学者。感染症の予防と治療に大きな貢献を果たした。千円札の表面には、彼の肖像、裏面には、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)」が描かれている。

五千円札の津田梅子:日本の女性教育の先駆者。女子英学塾(現・津田塾大学)の創設者で、多くの女性に教育の機会を提供した。五千円札の表面には、彼女の肖像、裏面には、古事記や万葉集でも親しまれている花「フジ(藤)」が描かれている。

一万円札の渋沢栄一:日本の実業家であり、生涯に約500もの企業の創設に関わった。日本経済の発展に大きく寄与した。一万円札の表面には、彼の肖像、裏面には、「赤レンガ駅舎」として親しまれた歴史的建造物(重要文化財)の東京駅(丸の内駅舎)が描かれている。

〇このように学校での学びと社会生活とがつながりをもったとき、初めて「いつでも使える知識・技能」になるのだと思います。

須藤昌英

 

7月1日(月)第1回授業参観&柏市総合体育大会開始

〇一昨日の土曜日、三年生の最後の大会である総合体育大会が始まりました。ソフトテニスの大会で富勢グランドに行くと、今年初めての蝉の鳴き声を聞きました。本格的な夏の到来です。

〇1年生は初めての総体でしたが、先輩の真剣に戦う表情や姿を目に焼き付けていました。私も一緒に応援しました。

〇金曜日は雨が強い中にもかかわらず、ご参観いただきました保護者のみなさま、ありがとうございました。生徒たちの学びの姿をライブで見ていただくのが、家庭と学校の連携の土台となります。次の機会も是非お越しください。

 【寄せられた感想より:抜粋】は、トップページに掲載しています。ご覧ください。

 須藤昌英

 

 

6月28日(金)新着本展示会(味見読書)

〇今、全クラスの国語の時間を使って、図書委員会の司会進行により、新着本を並べての「味見読書(いろいろな新着本を手に取る)」を行っています。

〇最初に図書委員から説明があり、1テーブル5分ずつ6テーブルを班ごとにローテーションします。一つの本をじっくりと読むのではなく、料理を味見するように、気になる本をチェックしていく活動です。

〇今後もスマホやタブレット等で得る情報はますます増えていくでしょうが、そうなるとなおさら、紙の本や雑誌の価値も見直されています。私も日頃から本を手にとった質感やパラパラとページをめくる感覚は、手から脳に伝わり、読んだり見たりしている文字や写真などが、より現実味を帯びて目から入ってくるように感じています。

〇生徒達には、本とデジタル機材をハイブリットに使いこなしていける能力が十分にあると思っています。それぞれの長所を意識して、時と場合に応じて使い分けしていけば良いと思います。

〇例えば、興味のあることをデジタル機器でみかけたならば、それに関する専門書を図書館で調べる・・などは、効率的でしかも深い学びに向かっていくことでしょう。

〇本好きの人を見ると、どこか表情や佇まいに「知性」を感じるのは私だけではないと思います。生徒と本との出会いのきっかけも学校は担っています。

 須藤昌英

 

6月27日(木)いじめ防止授業(1学年)

〇昨日の午前、スタンドバイ株式会社の中台眞治先生をお迎えして「いじめを許容しない集団の雰囲気を醸成するため授業」を1学年全クラスで実施しました。

〇「私たちの選択肢」という教材をもとに、いじめなどで困っているときに自分自身や周りの友人などがSOSを出すことが大切だということをみんなで考えました。

〇本校は主に近隣の4つの小学校からそれぞれ複数の新入生があり、4月からの学校生活を一緒に送っています。この3カ月は、まだお互いに相手の様子を観察することも多かったと思いますが、そろそろ本音を言い合う時期になります。

〇柏市では、全中学生に、STANDBYアプリの活用をすすめています。STANDBYでは、報告・相談者はスマートフォンやタブレットのSTANDBYアプリから、専門の相談員に匿名で報告・相談することができます。

〇匿名で報告・相談できるため電話やメールよりもハードルが低く、いじめやハラスメント等の早期発見、早期対応だけでなく、より風通しのよい学校づくり、職場づくり等様々なシーンで活用できます。

〇スタンドバイ株式会社代表取締役の谷山大三郎氏は、私が以前に市教委に勤務していたときにも一緒に仕事をさせてもらっていたので、よく存じています。スタンドバイ株式会社のHPに掲載されている彼のメッセージを引用します。

「『助けたいとき、助けてほしいとき、いつでもどこでも報告・相談できる環境をつくる』、これがスタンドバイ株式会社のビジョンです。私は幼少期いじめを受けていました。また友人がいじめを受けているのを見かけても自分がいじめの対象になることを恐れて何も言えなかったことがありました。社会人になった後に仕事がうまくいかず、会社を長期で休む経験もしました。過去の自分に対する悔しさや情けなさが原体験となり、同じような思いをする児童や生徒、社会人を一人でも減らしたいと思い、スタンドバイ株式会社を立上げました。そしてビジョン実現のために、いじめに関する様々なテーマを扱った授業開発及び授業実践、企業向けの研修、友人や自分を助けたいと思ったとき、環境を変えたいと思ったときに信頼できる人にいつでも報告・相談ができるプラットフォーム「STANDBY」の普及に取り組んでおります。おかげさまでたくさんの方に支えられ、年間10万人以上の方に活用いただくまでになりました。今後もさらに発展し、誰もが心理的安心を感じて毎日を過ごせる、悩みや不安を抱いたときに信頼できる人に相談できる、仲間のため自分のために今いる環境をよくしたいと思ったとき行動できる、そして一人一人が自分らしく生きられる社会を目指し、活動を行ってまいります。」

〇どのクラスの生徒も真剣に取り組んでいました。

須藤昌英

 

6月26日(水)富勢中学校区特別支援学級合同交流会

〇昨日あすなろ1組の1年生7名で、富勢西小学校へ徒歩でうかがい、交流会を行いました。残念ながら富勢東小は参加できませんでした。活動内容は、小中学生で協力しての「ポテトチップスづくり」でした。各班に試食させてもらいましたが、どれも美味しくできていました。

〇作業途中に小学生から「さすが先輩」と言われて、まんざらではない様子だったり、最後に担当してくれた先生に「美味しかったです。今日はありがとうございました」と自主的にお礼を言う姿に、相手の先生が「中学生だとそういうことも言えるのですね」と感激していたりと、和やかな雰囲気でした。

〇私も4月からこの3カ月、7名の1年生と毎日、朝や給食の時間に話をしてきましたので、それぞれの個性はほぼ把握できています。そしてその成長ぶりにもびっくりしています。これからがまた楽しみです。

須藤昌英

 

6月25日(火)3学年確認テスト

〇昨日、3年生は確認テストを受けていました。5教科を一日で取り組むのは、体力勝負の面が強く、終わってほっとしている様子でした。

〇ではなぜ確認テストを行うのでしょうか。毎年実施される高等学校入試は、出題範囲が中学校3年間と広く、その対策が必要です。まず現在の自分の実力がどのくらいあるのかを把握し、次にそれを徐々に底上げしていくために、「自分の強み」はもっとのばし、逆に「自分の弱み」を補っていくことが必要です。そのためあらかじめ出題範囲が定められた定期テスト等ではなく、入試に近い形の「確認テスト」を行います。

〇例年ですと、3年生は夏季休業あたりから計画的に1・2年生の復習を行っていきます。時間をかけてじっくりと自分のペースで取り組んでほしいと思いますが、実際に今回の「確認テスト」も、ほぼ7~8割程度が1・2年生の内容です。多くの生徒が、昨年の2年生の内容はまだ記憶にあっても、一昨年の1年生の内容になると怪しい・・というのが本音かもしれません。

〇1・2年生の内容が統合的に出題されている問題には、大半の生徒はまだ慣れていないので、最初は混乱してしまうことがあります。ただ、終わってからきちんと「確認テスト」の解き直しをしなければ意味がありません。 中1と中2の復習をすれば、自然と知識が整理され、得意な教科はさらに強化され、その逆に苦手な教科への意識が薄まっていくはずです。また過去2年間の復習をすることで、それが今行っている授業にもいきてくることは間違いありません。

〇もちろん結果が返されると、「出来た」「出来なかった」と一喜一憂することもありますが、このテストの本当の目的は、自分の復習が足りない部分を明確にしたり、それをもとに復習計画の見直しをしたりすることです。あまり結果だけにこだわり過ぎない方が良いと思います。むしろ「瞬間風速」のようなものだと自覚しましょう。そしてその「風速」を「これから上げていくぞ!」と前を向きましょう。

〇冒頭にも書きましたが、5教科(各50分)を一日で行いますので、集中力を持続するにはいわゆる運動の体力とは別の「勉強に向かう体力」が必要です。これは簡単に言えば気持ちを持続させるための基礎ですので、そのためには普段から食べる、寝るなどの生活習慣を整え、身体の調子を安定させることが重要です。

〇3年生の奮闘ぶりを見て、「頑張れ!」と心の中で応援していました。

須藤昌英

 

6月24日(月)夏至と梅雨入り

〇一昨日は夏至でした。ご存じのとおり、「夏至」とは、二十四節気のうちの一つで、「太陽の中心が夏至点を通過し、北半球では一年の中で昼の時間が最も長く、夜の時間が最も短くなる日のこと」です。

〇一日の中で昼間が一番長いこの時期は、花や草の成長が著しいです。校長室前のプランターで育てているミニトマトも青い実をつけていますが、間もなく積算温度があがると、真っ赤に色づきます。

〇植物と同様に、初夏からは我々人間にとっても思い切って、いろいろなことにチャレンジできるような気持ちになります。おそらく身体の細胞が活発化し、その影響が心理面でもプラスに働いているのでしょう。

〇また同じ日に関東地方は、「梅雨」入りしました。これまでで3番目に遅い梅雨入りのようですが、ますます湿気が多くて不快な日々が増えます。これを何とか乗り越えていかなければなりません。

〇一番活発な時期だからこそ生徒たちの学校生活にも、これまで以上に注意を払っていきます。特に「熱中症」は即いのちの危険にかかわります。熱中症に特に注意が必要なのは、体が暑さに慣れていない状態で、暑い日が続くこれからのタイミングと言われています。本格的な暑さを迎える前に、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」をすることが大切です。

〇「暑熱順化」ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。暑熱順化には個人差もありますが、数日から二週間程度かかります。また、一度暑熱順化ができていても、数日暑さから離れると暑熱順化の効果は薄れてしまいます。

〇再度のお願いになりますが、登校時の適切な服装(長袖などはさける)、帽子の着用や日傘の使用、水筒持参(冷水、スポーツドリンクや麦茶、経口補水液などでミネラル分)、睡眠時間の確保(夜更かしをさける)などをご家庭で指導してください。

須藤昌英

 

6月21日(金)令和6年度教育実習終了

〇先月から3~4週間にわたって取り組んできた実習生4名(全員が本校卒業生)が、本日をもって実習を終了します。「教育」という仕事を身をもって体験し、それぞれの「学び」があったようです。

〇教育実習は大学で履修する単位ですが、我々にとっては、大切な後輩を育てる意味もあります。来月に行われる千葉県の教員採用試験で、見事合格し、来年からは同僚として一緒に働けることを願っています。

須藤昌英

 

 

6月20日(木)1学期期末テスト

〇ホームページのトップに、各学年の出題範囲表を掲載していますが、生徒は授業の中で、各教科担任から出題範囲に関するさらに細かい説明を聞いています。昨日もテスト前に提出するノート、ワークなどを職員室に届ける生徒も複数いました。また1学年では放課後に数学と英語の補習に自主的に参加している生徒も多かったです。

〇特に1年生は、入学して初めての定期テストです。小学校にはなかった「定期テスト」に対して、不安を感じる1年生も少なくないと思います。例年教室をまわると、少し緊張した顔で、真剣に取り組んでいます。

〇期末テスト準備として、4月からの授業内容を教科書やノート・ワークを使って復習しています。これは記録したことと自分の記憶をすり合わせたり、より正確な記憶を強化したりする作業といえます。1年生も2学期以降は、テスト準備の仕方に慣れることでしょう。

〇かつて私も教科担任として数学を教えていた頃は、生徒によく「定期テストが終わって、その答案用紙を参考に丁寧に復習することが重要で、一番勉強になるよ」と話していました。ただ自分もそうでしたが、人間はそれまで集中して取り組んだことや結果通りにならなかったことをすぐに振り返るのは、案外気乗りのしないものです。

〇繰り返しますが、定期テストの復習を行うのは記憶の鮮明な間が適しており、できればテストの当日が理想です。しかし、定期テストを採点するのに相当の時間がかかり、すぐには返却できませんので、少なくとも答案用紙が返ってきた時が最後のチャンスといえます。

〇定期テストの復習は、「どこが間違っていたのかの確認⇒正しい答えを知るなどの間違い直し」が中心になります。また間違えたところを確認する際は、問題を解いている時の自分が、「どの程度自信を持って解答していたか」を思い出しながら行うことがよいようです。

〇特に「これはできた!」と思っていたのに結果が不正解だった場合は、正確な知識の定着ができていないことになります。私の経験上も、そこをできるだけはやく改善しないと、その後も同じミスを繰り返す原因になります。

〇ただ今日と明日は「テストが終わった」という解放感があるので、問題用紙を再度見る気にはならないと思います。来週からのテスト返しで、しっかり見直しをしてほしいです。ガンバレ!富中生!!

【テストの朝の正門】

 

〇東京大学大学院の池谷裕二教授(薬学者、脳研究者)は、著書「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」で、次のような指摘をしています。

「人の脳の海馬という部分は、神経細胞の結合をつくる役割を果たしていており、『短期記憶から長期記憶』へと情報をつなげる中期記憶を担っています。海馬に入ってきた情報が溜まっている期間は、情報の種類によって異なりますが、短いと1か月程度です。海馬は情報を1か月かけて整理整頓し、『何が本当に必要な情報なのか』を選定しています。一日のうちに、新しい知識をあまりにもたくさん詰め込むのは避けたほうがよいですし、そもそも勉強は「復習」に主眼をおくべきで、覚えられる範囲をストレスなく覚えること、これが記憶の性質に適した学習方法です。比でいうと、『予習:学習:復習=0.5:1:4』が理想的です。」

〇さらに、「心理学者ビネーは、脳は入力よりも出力を重要視しています。海馬に『この情報はこれほど使用する機会が多いのか、ならば覚えねば』」と判断させること、つまり「詰込み型」よりも「知識活用型」の方が効率的だということです。ならば教科書や参考書を何度も見直すよりも、問題集を何度も解く復習法の方が良いでしょう。」

〇要するに、授業で得た知識をただ漫然と覚えようとするだけでなく、口で言ったり手で書いたり、問題集でおさらいすることで、短期記憶の中から繰り返しアウトプットしたものだけが、長期記憶となり、すぐに忘れにくいものになっていくようです。

〇生徒たちの努力が実を結びますように・・と祈っていますが、むやみやたらに復習するのではなく、上記のようなポイントを押さえた方法を試してほしいと思います。

須藤昌英

 

 

6月19日(水)柏市のすべての児童生徒に身に付けさせたい資質・能力

〇20世紀の天才理論物理学者のアルベルト・アインシュタインは、「学校で習ったことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。」という言葉を残しています。私は昔、この言葉を初めて知ったとき、その意味について深く考えたことを今でもはっきりと覚えています。

〇学校では教科書を中心に授業を行っていますが、それは生徒が学ぶために、効率よく配列・整理されているからです。するとその延長で、生徒及び我々大人も、一般の知識なども順番立てて学べるものだと思いこんでいるふしがあります。しかし当然のことですが、社会に出ればいつどこに、何かを学べる材料があるのかは誰にもわかりません。

〇生徒が学校を卒業してからも困らないように、教育の本質とは、教わった内容だけではなく、それを自分なりに解釈したり統合・分析したりすることができる資質・能力だと思っています。

〇そもそも学校で学習したことをすべて覚えている人はほとんどいません。もし内容を忘れてしまったとしても、その調べ方や考え方などを覚えていけば、疑問の答えにたどりつくことができます。調べ方や考え方を覚えているとは、過去の体験が経験となり、感覚として身体が覚えている状態だと私自身の経験から明言できます。あらためてまた、アインシュタインの言葉をかみしめています。

〇柏市も「第2次柏市教育振興画(~令和7年度)」の中で、この変化の激しい時代を生きていく生徒に、最低限身に付けて欲しい力を設定しています。それを4つの力(コンセプト、チャレンジ、コミュニケーション、コントロール)を「4つのC」と銘打っています。先ほどのアインシュタインの言葉のような教育の実現が、「4C」に込められています。

〇本校も毎年2学期に行う「柏市学力・学習状況調査(生徒アンケート)」を分析し、生徒一人ひとりの強みと弱みをはじめ、学級・学年・学校・学区全体、そして柏市全体の強みと弱みを,同じ尺度で測れるようにしています。

〇明日から期末テストですが、これはあくまでも知識の定着を測るものです。しかしその準備をする中で、生徒たちは、4つの力を徐々に蓄えていると信じています。

須藤昌英