校長雑感ブログ

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2月8日(木)卒業式まであと1カ月

【保健室前の白梅と武道場前の紅梅】

〇先日の雪とはうって変わり、昨日は日差しが暖かく、過ごしやすい日でした。校庭の梅の花も淡くて良い匂いを漂よわせています。確実に春が足音もたてずに近づいていると感じます。

〇梅は桜とよく比べられますが、梅の方が開花時期がはやく、「寒さを耐え忍んで咲く」というイメージがあります。厳しい状況でも美しく咲くので、つつましくても昔から人々の思いが寄せられてきたのだと思います。事実、平安時代には梅に関する多くの和歌が詠まれました。

〇特に有名なのが、学問の神様と言われる菅原道真(845年~903年:平安時代の公卿・漢学者・文人)が詠んだ

「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主(あるじ)なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)」です。

〇この和歌は、菅原道真がいいがかりともいえる罪をきせられ、九州の太宰府へ左遷される際、大事にしていた梅の木を前にして心をよせたるように詠んだ作品だと、今から45年前の中学校の国語の時間で習い、当時暗唱して覚えたので、今でも強く印象に残っています。

〇おおよその意訳としては、「春風が吹いたら、お前の匂いを(京から太宰府まで)送っておくれよ、かわいい梅の花。私(主人の菅原道真)がいないからといって、春を忘れてはならないぞ」くらいでしょうか?「東風(こち)」がなぜ春風のことであるのかは、少し調べましたら中国の自然哲学「五行説」からきているそうです。春という季節は、東の方角と関係が深く、同様に「東南西北」が「春夏秋冬」にあたるそうです。

〇菅原道真は天才的な学問の大家で人柄もやさしく、多くの人々から尊敬されていましたが、当時の政権幹部からその名声を疎まれ、あらぬ罪で左遷されました。本人には政治的な意図はなかったとされますが、京の都で学問を究めるという本懐を果たせず、さぞ悔しい思いをしたことでしょう。

〇その大宰府での生活は大変きびしくみじめで、気候や風土が変わったためもあり、最後は体調をこわし、都に残した妻子にも会えず、一説によると西暦903年2月に59才で亡くなったそうです。今から1120年前の2月です。その後、京都では雷が落ちて火災がしきりに起こったり、伝染病がはやったり、よくないことがつづいたので、人々は菅原道真の霊がこのようなたたりをしているのではないかといっておそれたという話も有名です。

〇昨年の修学旅行でも、何クラスかは3日目に、京都の北野天満宮(菅原道真公を御祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社)に受験祈願供養で参拝しています。個人の参拝ですとお守りが多いですが、団体での参拝でしたので、学業成就の札をいただいてきました。

〇卒業式まで残り1カ月。3年生には目の前の受験に立ち向かってもらい、下級生にはそれぞれ進級する心構えをこの時期につくってもらいたいと思います。

須藤昌英

 

 

2月7日(水)防寒着あれこれと社会的マナー

【今朝の朝焼けと霧の校庭】

〇今朝はまるで冷凍庫にいるような気温ですが、東の空が明るくて晴天が戻ってくるようです。ただ霧が濃くなっていますので、路面の凍結もあり心配されます。自転車通学者の生徒は、登校の際は特に転倒などに気をつけてもらいたいです。

〇学校関係者の間では、3学期を「行く一月、逃げる二月、去る三月」とよく言います。3学期は気持ち的に多忙で、「あっという間に」4月の新年度を迎えるという気がします。そして2月になると、まさに来月の卒業式や年度を終える修了式が目の前に迫っているのだと落ち着かない気がしてきます。

〇昨日の朝、正門で雪かきを行っていると、いろいろな防寒着を着た生徒が登校してきました。マフラー、手袋、ネックウォーマーももちろんですが、この時期はマスクも一つの防寒着になっているようです。外着としては、部活用のウィンドブレーカー、市販のダウンウエアー、足もとまでのグランドコードなど、様々です。ただ今日の個人ロッカーが大きくないので、教室内での保管ができるものに限られています。

〇手にもった携帯用の使い捨てカイロも有効です。手がかじかんでいると、身体全体まで寒い気がしますので、もっと使ってもいいと思います。ただ生徒には、使用が終わって不要になったら、自宅へ持ち帰って捨てるように指導していますので、もしかしたらそれが面倒?なのかもしれません。以前に勤めた学校では、その使い捨てカイロが教室のゴミ箱に大量に捨てられ、処分に困った経験もありますので、そのような指導も致し方ないこともご理解ください。

〇またマナー面では、自宅に帰る以外は、「防寒着等は玄関で脱いで手にもって建物に入る」のが社会人の常識ですので、現在はそれを生徒に強いてはいませんが、知識として覚えておいても損はないと思います。「大人になって初めて聞いた」ではなく、知っておいて必要な場面(将来の会社訪問や就職面接など)になったら実行すればいいと思います。

〇防寒対策には重ね着が必須であると言われており、調べてみると今は、重ね着をレイヤリングとも言うそうで、「ベース、ミドル、アウター」と分かれており、それぞれ「〇〇レイヤー」ということを初めて知りました。ベースとは要するに、肌に密着する1番下に着る防寒インナー(アンダーウェア)のことで、最近は汗や水蒸気を熱に変えて発熱するものが主流になっていますね。

〇また寒さ対策には、暖かい空気をうまく体の近くでためることも重要で、その状態を羽毛を使った衣類(ダウンのコートやジャケット)が有効のようです。私も以前はジャケットや背広の下にベストを着用していましたが、近年は「インナーダウン」として、薄手のダウンを着始めましたら、暖かいので脱げなくなりました。そのようにアウターの中に着る防寒服のことを、ミドルと呼び、これにより防寒効果はぐーんと上昇し、暖かさを持続することができます。

〇生徒は制服やジャージの下に、カーディガンやセーターを着用しています。ただし色は、白、黒、グレー、ネイビーなどを基調としたものとしています。休日に私用で外へ出かけるのであれば、特別に規制はなくてもいいと思いますが、生徒にとって学校生活は、一応「公用的な場所」ですので、使い分けをすることも学びだと思います。

〇最後のアウターレイヤーは、保温性もそうですが、防水や防風に優れたものが理想ですね。ぴったりフィットするサイズ感よりも、少し余裕があり、空気をたくさん含めるサイズを選ぶことで、より保温力がアップします。

〇よく「フォーマル」と「インフォーマル」と区別しますが、それぞれの場面で服装を適切に切り替えることが、気持ちを切り替える一助にもなります。生徒には、「決まりだから守る」ではなく、「どうして使い分けるのか?」を、自分事として考えてもらいたいです。

須藤昌英

2月6日(火)千葉県立・柏市立公立高等学校入学者選抜にかかる出願

【今朝6時半の校庭の雪景色】

〇昨晩は予想を超える積雪で、歩道もグラウンドも白一色です。お知らせしたように、生徒のみなさんは足元に十分に気をつけて登校してください。

〇今日から3日間(8日は午前中のみ)、千葉県立及び柏市立高等学校の出願手続きがあります。基本的に公立高等学校へ出願できる条件は、「県の内外を問わず、他の公立高等学校を出願していないこと」ですので、入学願書にはそのことを校長が証明する欄があり、私がすべて捺印しています。出願方法は一部のWeb出願を除いては、郵送か直接持参になりますが、本校では生徒本人が受検する高等学校に出向くことにしています。出願をしない3年生については、1時間授業の後、下校となります。

〇出願する高等学校の所在地は、柏市9校、我孫子市2校、鎌ヶ谷市2校、流山市4校、野田市3校、松戸市6校、習志野市1校、千葉市1校と広域になります。朝から出願書類を受け取って、志願先の高等学校へ徒歩や公共交通機関等を使って行きます。雪による交通機関の乱れもありますが、慌てないで行ってもらいたいです。学力検査等の当日の下見を兼ねるねらいもありますので、身なりを整えて礼儀ある態度で行くように、学年職員で指導しています。

〇出願期間が終わる9日の金曜日に、志願倍率が発表されます。その倍率を参考にし、1回に限り、志願の変更の手続きをすることができます(2月14日、15日)。ただしこれは無暗に行うと返って生徒本人に心の動揺(変えることにはチャンスとリスクの両方がある)が残ることもありますので、慎重に行わなければなりません。

〇この2つの手続きが終わったら、あとは20日と21日の学力検査等の当日になります。生徒のみなさんには、「最後は自分のやってきたことを信じて」と言ってあげたい気持ちです。不安を感じない人など一人もいませんので、自分だけが不安だと思わないでほしいと校長面接でも伝えました。私の経験からは、他の学校から出願した人はみな「自分よりも出来そう」などに見えるので、たまたま同じ学校を受検した人は、ライバルというよりは「同志」だと思って、「お互い頑張ろう」くらいの気持ちでいる方が、気が楽になると思います。

〇本番直前にあえてこれまでの生活スタイルを変えるのは好ましいことではありません。気持ちはわかりますが、最後の追い込みとして深夜まで勉強をしようとする生徒が時々いますが、そのことが自分にあっているのか否かと思いあぐんだり、寝不足になったりと精神的・身体的負担がかかります。新しいことを取り入れようとする気持ちをあえて抑えて、今までの生活リズムを貫いていった方が良いと思います。

〇伝統的に中学校の教員には、『十五(歳)の春は泣かせない』いう言葉が伝わってきています。義務教育9年間を終え、新たな進路先を自分で選ぼうとしている3年生。合否の結果は我々にはどうすることもできませんが、本人が努力してきた力を精一杯出し切れるように祈るしかありません。

須藤昌英

2月5日(月)節分と立春

〇3日の節分と昨日の立春を過ぎて、いよいよ春が近づくと思いますが、今日の午後から雪の予報も出ています。

〇立春の他にも立夏、立秋、立冬の前の日はすべて「節分」の日ですので、本来「節分」は年4回あります。その中でも春は新年の始まりでもあることや希望をもつという意味合いから、一説によると室町時代以降、特に春の節分が重視されるようになり、一般的に「節分」というと立春の前日を指すようになったそうです。

〇「節分」とは「季節を分ける」という意味ですので、昨日からは「新年(初春)」となることから、3日は太陽暦のカレンダーにおける大晦日にあたるそうです。この時期には中国などで、「春節」としてお祝いを盛大にするのをニュースでよく見かけます。

〇新年を迎えるにあたり、鬼を退治するために豆が使用されますが、一説によると、「魔(ま)を滅(めっ)する」という語呂合わせから「まめ」をまくようになったようです。また日常でも「まめによく動く」などで使われるように、「まめ」という言葉には「体が丈夫で気が利く」という意味もあり、節分に使われる豆は「福豆」と呼ばれ縁起が良いものとされています。千葉県などは特産の殻付きの落花生を使うところもあると聞いたことがあります。

〇ではその鬼とは何を象徴しているのでしょうか?よく言われるのが、自分の心の汚い部分や弱い部分です。自分だけが得をしようとしたり、相手を貶めたり意地悪をしたりする人は、あらためることも必要でしょう。ただそれに自分でも気が付いていない場合も多いので、少なくとも人に指摘されたら、「素直」に自分を振り返ってみることだと思います。これは子どもたちへの戒めとしてではなく、私たち大人の心に棲みつく鬼ともどう向き合うかが問われています。

〇誰しも「心の弱さ」はありますので、それから目をそらさずに、気づいたことはためらわずに、自分に取り入れていくことが「学び続ける」ことだと思います。自分の行動面で、普段からだらだら過ごしたり、なまけ心に勝てなかったりすることなども一つの鬼と捉えられるかもしれません。いずれにせよ自分を制御(コントロール)できるか否か、生涯の課題とも言えます。

〇「豆まきの時には一般的に「鬼は外、福は内」と言いながら豆を投げますが、これはご存じの通り、鬼(厄や邪気)は家の外へ、福(幸運や福の神)は家の中へどうぞ、という意味が込められています。私も子どもの頃は単純な構図でわかりやすかったですが、中学生くらいになると、「そんなに都合よく悪いものは遠ざけ、良いものだけ近くにもってくるなんて、横着だ」などの考えも出てきたり、さらに大人になると、ありのままの自分を受けとめて「福は内!鬼も内!」の方がしっくりくるようになりました。年齢によって変化があるものです。

〇先週の給食には節分にちなんで、鰯のフライと入り大豆がメニューにありました。昔は家庭でも鰯の頭を焼いて柊の枝で刺した「柊鰯(ひいらぎいわし)」を家の玄関などに飾る風習があった記憶があります。鬼が家に入ろうとした時に、鰯を焼いた強烈な臭いで驚かせ、柊の棘で鬼を刺し追い払うための魔除けの儀式だと親から教わりました。また年齢の数だけ豆を食べることも、大豆は良質なたんぱく質ですから身体に良いとわかっていても、さすがに私も数え歳の62個は食べられませんでした。

〇雪が積もって、生徒たちの登下校に影響が出ないことを祈っています。

須藤昌英

2月2日(金)能登半島地震の支援のための募金活動

〇昨日で能登半島地震から一カ月となりました。あらためてお亡くなりになった方のご冥福をお祈りします。また今も避難していらっしゃる方にお見舞い申し上げます。そして一日も早く復興されるために自分たちになにが支援できるかを考え続けていく必要があると思います。

〇先日、学区内にある千葉県立柏高等学校の生徒会の皆さんより、被災者への支援のため、本校の生徒会と一緒に、街頭募金をしたいとの提案がありました。本校としてもこの取り組みに賛同し、昨日、県柏高の生徒会の皆さんが本校に来てくれて、本校生徒会と話し合いを行いました。実は県柏高の生徒会長さんが、富勢中の卒業生であり、後輩の中学生にも声をかけてくれたのがきっかけでした。

〇私も若い頃、当時勤務していた中学校の生徒たちを引率し、年末にJR柏駅でユニセフ募金を行った経験があります。生徒たちははじめ恥ずかしそうに「ご協力をお願いします」と小さな声で呼びかけていましたが、募金して下さる方々に「がんばってね」「すごいね」などと声をかけてもらううちに、段々と自信をもって声を張り上げていたのを今でも思い出します。

〇大切なことは集まった金額ではなく、今回は支援をされる側ではなく支援をする側であることや当日は自分たちで考えた方法で、募金の目的等についても誠意をもって説明する経験ができることです。もし関東地方に同様な地震が発生すれば、今度は支援を受ける側になる可能性があるわけです。

〇昨日の話し合いでは、中学生よりも高校生の方が人数が多く、高校生の物怖じしない発言や行動に、最初は少し緊張していた中学生も段々と打ち解けて、活発な意見交換となりました。

〇実施する日時や場所の候補日を確認し、道路使用許可書なども警察署に申請した上で、今月や来月に実施することになりました。また募金箱や募金パネルなどの用意も、お互いに分担し、当日は中学生と高校生がいくつかのグループに分かれて行うことになりました。

〇募金活動を通して、被災地の方々の苦労を当事者意識で想像しながら、小さくても自分たちのできることを考えて行動する経験は、今後に必ずいかされると思います。そして打ち上げ花火のような活動ではなく、息の長い支援を彼らには考えてもらいたいです。

須藤昌英

2月1日(木)授業を研究する

〇2月になりました。水仙の花や梅の花も開花しています。今日の日中は春の陽気であたたかいようですが、夜から寒気が入り急に寒くなる予報が出ています。近隣の小中学校でも、インフルエンザや新型コロナによる欠席が増加しているようです。用心していきたいと思います。

〇一昨日の授業参観の前後には、5つの教科・領域で、7つの研究授業を行いました。研究とは一般的に、「物事を深く考えたり、詳しく調べたりして、真理、理論、事実などを明らかにすること」です。私なども長年授業を行ってきましたが、「授業は生き物」という感覚があります。要するに、授業は物ではなく、目の前の子どもたちを相手にしているので、計画通りに進まないことがあったり、逆に意図しない部分で生徒の理解が進んだりするような経験を何度となくしてきました。

〇教員としての研修は多方面にわたりますが、その中で「一丁目一番地」は、やはり授業の進め方&生徒の学びの支援です。著名な教育者の斉藤喜博氏の「授業は真剣勝負である」や「教員は授業で勝負する」というフレーズは、教員であれば一度は聞いたことがあり、それを毎日実感している本校の教員も多いと思います。

〇伝統的に日本の教員は、より良い授業を目指し、各学校やグループ、地域などでの自主的な授業研究の取組を続けてきています。私も日々の教材研究(授業内容をどの視点でどのアプローチで生徒に学ばせるか)する時間は、若い頃から楽しい時間でした。何よりも教える教員がその教科の本質的な楽しさや実社会とのかかわり(有用性)をわかっていることが、たとえ思い通りに授業が進まなくても、生徒達には伝わるもの(この先生は本当にこの教科が好きなんだなど)が多かった気がします。

〇国の中央教育審議会答申でも、「日本の教員の自己研鑽の意欲は高いものがあり、日本の授業研究の伝統は諸外国からも注目され、こうした自主的な資質能力向上の取組がこれまで日本の教育の発展を支えてきた」と評価されています。

〇特にその授業のねらいである「学習問題(課題)」は、生徒の学びのゴールを言葉であらわしたものであり、研究授業後の振り返りの会でもその大切さを学んでいます。本校にも若い教員が多いですが、彼らは日々生徒から学び、着実に授業力をつけていることを校長として嬉しく思いつつ、今後もサポートを続けていきます。

須藤昌英

1月31日(水)授業参観

〇昨日は授業参観を行いました。外は春の気温に近かったとは言え、校内の廊下・階段等は寒くて大変だったと思います。ご来校いただきありがとうございました。

〇いただいた感想の一部だけ紹介します。

・身近な話題や興味を持てる話から授業を進めてくださっており、より学習内容が入りやすいだろうなと感じる授業でした。

・丁寧で授業の流れもとても良かったです。

・騒がしくなく静かに授業を受けていました。先生方も明るく丁寧な授業でした。

・子供達が授業に一生懸命取り組んでいる姿が見られて、とても嬉しかったです。終わった後の友達との楽しそうな交流も見られて安心しました。仕事が終わってから行ける時間に自由参観でとても助かりました。ありがとうございました。

〇教育者で住職でもあった東井義雄氏(1912~1991)の言葉に、「私は 私を創っていく 責任者」があります。「私を創る」とは、もちろん学習して知識を身に付けることもありますが、自分と向き合い自分の良さを大切にしながら、友人の良さも同時に尊重していくことだと私は考えています。授業も一人でオンラインで行うことも効果がありますが、教室で一つの課題をみんなで考えていく授業スタイルにも、知識や考えを深めるという点において、これからも大切にしていくべきものだと思います。

須藤昌英

 

 

 

1月30日(火)食の面から身近な生活を見つめなおす

〇1学年は昨年の12月に埼玉県川越市に行き、校外学習を行いました。ただ例年ですと1学年の校外学習中に、飯盒でご飯を炊いたり、カレーをつくったりする実習なども入れていましたが、今回は目的や場所の関係で行いませんでした。

〇そこで昨日から家庭科の時間に初めての調理実習を行っています。家庭科の目標には、「健康・安全で豊かな食生活に向けて考え、工夫する活動を通して、中学生に必要な栄養の特徴や健康によい食習慣、栄養素や食品の栄養的な特質、食品の種類と概量、献立作成、食品の選択と調理などに関する知識及び技能を身に付け、これからの生活を展望して,食生活の課題を解決する力を養い、生活を工夫し創造しようとする実践的な態度を育成すること」があります。

〇特に食事の役割と中学生の栄養の特徴については、生活の中で食事が果たす役割について理解すること、中学生に必要な栄養の特徴が分かり,健康によい食習慣について理解することがあります。また食品の不適切な扱いによっては、食中毒などにより健康を損ねたり、生命の危険にもつながったりすることから、健康で安全な食生活を営むためには、調理における食品の衛生的な扱いに関する知識及び技能を習得する必要があることにも気付くようにします。

〇今回は、スパゲティミートソースとフルーツポンチをつくりました。指導に当たっては,食生活調べや話合いなどの活動を通して,食事の役割について具体的に理解できるよう配慮しています。例えば,毎日の食事や様々な行事などでの食事場面を振り返り,その時の様子や気持ちを思い出して,生活の中で食事が果たす役割を考えたり、小学校家庭科や保健体育科等との関連を図り,食事と健康に関する調査結果等を活用して,食事が果たす役割を考えたりする活動などを行なったりしています。

〇生徒たちは班で協力し、時間内に準備、調理、飲食、片づけなどを手際よく行っていました。また並行してリンゴの皮むきテストも実施し、「廃棄する芯や皮が15%以下」になるように目標を掲げていました。私が小学生の頃とは違い、今の男子中学生は包丁の扱いや盛り付けの工夫などが手馴れている印象を受けました。数人の生徒に話を聞いてみると、自分の食事について考える良い機会になったようです。

須藤昌英

1月29日(月)自分の成長と家族・家庭生活の関り

 〇3学年の家庭科において、各自が幼児向けの絵本を作成し、図書室に展示しています。これは、家庭科の学習目標に、「生活の営みに係る見方・考え方を働かせ、衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し創造する資質・能力を次のとおり育成することを目指す」とあることから行っているものです。

〇特に自分と家族、家庭生活と地域との関わりを考え、家族や地域の人々と協働し、よりよい生活の実現に向けて、生活を工夫し創造しようとする実践的な態度を養うために、自分の成長と家族や家庭生活との関わりが分かり、家族・家庭の基本的な機能について理解するとともに、家族や地域の人々と協力・協働して家庭生活を営む必要があることに気付くことが重要です。

〇2学期に行った校長面接でも、自分の成長と家族との関わりについて、自分がこれまで成長してきた過程を振り返り、自分の成長や生活は、家族に支えられてきたことを発言している3年生も多かったです。さすがに15歳になると、家族・家庭の基本的な機能については、子供を育てる機能、心の安らぎを得るなどの精神的な機能、衣食住などの生活を営む機能などを理解できるようになっており、その際、中学生までの自分の成長も,現在の生活も家族・家庭の基本的な機能が果たされることによって支えられていることが分かり、家族・家庭の重要性についてあらためて実感していると感じます。

〇今回の絵本作成は、「幼児の発達と生活の特徴が分かり、子供が育つ環境としての家族の役割について理解すること」が目的であり、幼児の心身の発達とそれを支える生活や幼児期における周囲の人との基本的な信頼関係や生活習慣の形成の重要性が分かり、幼児にふさわしい生活を整える家族の役割について理解できるようになります。

〇特に幼児の発達の特徴については,身体の発育や運動機能、言語、認知、情緒,社会性などの発達の概要について理解したり、これらの発達の方向性や順序性とともに個人差があることを理解できるようにしたりします。また認知については、ものの捉え方について扱い、幼児は自己中心的に物事を、えたり、生命のないものにも命や意識があると捉えたりするなどの特徴があること、幼児は遊びを中心とした一日を過ごし,食事・睡眠・排泄・着脱衣・清潔などの基本的な生活習慣については,生活の自立の基礎となるので、幼児の心身の発達に応じて、親をはじめ周囲の大人が適切な時期と方法を考えて身に付けさせる必要があることを理解できるようにします。

〇要するに今の自分がこれまでどれだけ家族や周囲の方々のお世話になってきたかを振り返ることで、4月からの進学先でも自立した生活が意識できるようになると思います。

須藤昌英

1月26日(金)今年最初の満月

【今朝7時前の富勢中から西の空に浮かぶ満月】

〇昨夜から今朝にかけては満月がよく見えました。特に日付が変わった今朝の未明に満月の瞬間を迎えました。

〇新年を迎えてから最初に見られる1月の満月は、「ウルフムーン」と呼ばれているそうです。日本語では「オオカミ月」です。私も幼い頃から月と言えばオオカミと結び付けるイメージが強いですが、その関係性についてはこれまであまり調べたことはありませんでした。

〇この名称は、アメリカ先住民が満月に独自の名前をつけたことが由来のようです。アメリカ先住民が暮らす地域では、夜が長く寒い時期に1月の満月を迎えます。木々や低木が休眠期に入り、野生の花の種が発芽を待つこの時期は、生命を育む次の季節に備えて土壌を休ませる時期です。

〇スキー場に行くと感じますが、雪は音を吸い込んでしまい、怖いほどの静けさがあります。何の音も聞こえない静かな夜、地上では静寂を破るオオカミの遠吠えが響き渡ったことから、1月の満月の名称「ウルフムーン」が生まれたとされています。まだ人間も少なく未開の地が多かったアメリカの大地を想像するだけでも楽しいものです。

〇昨晩退勤する時には、東の空に見えていた月は、今朝出勤するとまだ西の空に見えていました。寒さが厳しい朝ですが、今日も一日、良い日でありますように祈りながらと写真を撮りました。

須藤昌英

1月24日(水)市内新人駅伝・ロードレース大会

〇昨日、県立柏の葉公園と総合競技場において、令和5年度柏市中学校新人駅伝大会が行われました。公園内の巡回コースを、一人が約3000m、女子は5人、男子は6人でタスキをつなぎました。

〇結果は女子Aチームが24位、男子Aチームが14位、男子Bチームが24位(Bチームの中では5位)でした。風もなく太陽の暖かさを感じる中、普段の練習の成果を出しきりました。

〇午後はロードレースが行われましたが、9名の選手が駅伝と同じコースを走り、良い経験となりました。長い距離を走ることのためには、強靭な体力(健康的な体)さえあればいいものではありません。

〇走っている間は、他の人を競うというよりも、自分自身と向き合い続けるメンタルが必要です。「こんなにつらいのになんのために走っているのか?」「もう今すぐにやめてしまおうか!」などの自分自身の中にある『甘い』誘惑に打ち勝つことは、学習面やその他の面で必ず役にたっていきます。

須藤昌英

1月23日(火)寒さの中で鍛える

〇昔から「大寒」前後には、武道では「寒稽古」、神事では「寒中水泳」などをして、自分の心身を鍛えるの風習があります。あえて厳しい条件で自分を磨くことは、自分の可能性を伸ばすことになるということでしょう。

〇「鍛える」と言えば、有名な徳川家康の遺訓の一部があります。

「人の一生は重荷を負ふて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。不自由を常とおもへば不足なし。心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。(略)」

〇読めばわかりますが、おおよそ「人の一生というものは、重い荷を背負って遠い道を行くようなものだ。急いではいけない。不自由が当たり前と考えれば、不満は生じない。心に欲が起きたときには、苦しかった時を思い出すことだ。」という意味です。不自由なことや苦しかったことが逆境になると味方してくれるという教訓だと思います。

〇寒いのにあえて自分を鍛える・・など、一見すると不合理かもしれませんが、昨年の経験したことのない猛暑を思い出すと、暑い中では熱中症などから命にかかわる危険もありますが、いくら寒いからと言って日本では凍死することはありませんから、寒い時の方が合理的と言えるかもしれません。

〇コロナ禍前までは、多くの中学校で「冬季合同トレーニング」を実施していました。日没がはやい冬季は、各部活動の放課後の活動時間が短く、練習量の確保が難しいのですが、部活動の枠を超えて、希望者が部活動終了時間からグラウンドに集まり、夕闇のなかを走ったり筋力トレーニングをしたりして、基礎体力を養っていました。各競技の基盤となる足腰を鍛えることで、春からグンとスキルを伸ばした生徒を私も過去には多く見てきました。よく観察していると、体力もそうですが苦しいことに自ら向き合うことで個人が精神的にも成長します。

〇またある意味走ったり筋トレしたりすることは単純作業なので、一人ではなかなか継続しにくいものです。そこで仲間同士で励ましあい、目標達成する連帯感が生まれ、それが夏の総合体育大会でもそのチームの絆が発揮されていました。

〇今の状況では前のように、合同でトレーニングをすることは難しいですが、昨日に触れましたが、お酒もこの時期に仕込むと美味しくなると同様に、人間もこの時期に「自分磨き」をするとよい・・かなと感じています。

須藤昌英

 

1月22日(月)寒さと乾燥に注意しましょう!

〇一昨日の20日は二十四節気の一つである「大寒」で、一年でいちばん寒さが厳しくなるころとされます。

〇日本の二十四節気は、立春、立夏、立秋、立冬など4つの季節を表す言葉の他、春分、夏至、秋分、冬至などが良く知られています。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたので、4×6の「節気(せっき)」があります。

〇私は普段は飲酒の習慣はありませんが、さすがにお正月はお客様などと一緒にお酒をいただくことが多かったです。特に日本酒に詳しい方から、日本酒は「寒仕込み」のものが美味しいという話をよく聞きます。「寒造り」とも呼び、冬場の寒い時期に仕込むのが、日本酒伝統の製法らしいのです。

〇なぜ、冬場に仕込むのか?少し調べてみると、まずは原料である新米が秋に収穫されることや寒い時期だと雑菌が繁殖しにくいことあげられるそうです。また日本酒の仕込みは、温度管理がとても重要で、低温だと余計な雑菌の繁殖を抑え、お酒をつくる微生物が、よい働きをしてくれる(もろみをゆっくりと時間をかけて発酵させる)そうです。少しそういう知識があると、今度飲むときには、違った味わいになるかもしれません。

〇今朝は雨上がりの快晴なので気分が良いですが、先日までは連日の乾燥続きで、空気が潤うのはいつになるのか・・と不安になっていました。ただ週末の雨で、今日は湿度も上がっています。例年日本は冬型の気圧配置となり、太平洋側は晴れている所が多く、空気が乾燥していますが、特に関東は湿度が低く、最小湿度は10パーセント台になる所も複数あり、よく「乾燥注意報」が発表されています。

〇ニュースで見る冬場の火災の状況は、火の勢いが激しく、そこへ風も強くなれば、あっという間に広がってしまうことも容易に想像できます。火の取扱いにいっそう注意が必要です。

〇教室のエアコン暖房により、さらに空気が乾燥してしまいます。少し調べてみると、冬に暖房器具を使うと多くの場合に空気が乾燥しますが、空気中の水分量が減少するわけではないようです。部屋の温度が上がることで、相対湿度が低くなり「部屋が乾燥している」と感じるようになるのだそうです。そして湿度が低いと体感温度も低くなるのが理論的には正しいようです。

〇暖房使用時にはタオルを濡らして室内にかけるなど乾燥対策をすることで、少し改善することができますが、8m×8mの広さで天井も高い教室で、その効果を期待するには、タオルが何十枚も必要となります。また私も校長室でやってみましたが、半日もたたないうちにタオルはすぐに乾いてしまいます。

〇もっと心配なのは、口呼吸による口やのどの乾燥です。のどや口、鼻などの空気が通るところは水分を含む粘膜でおおわれており、平常時は常に潤っています。しかし、上記のような要因があるとのどが乾燥しやすい状態となり、ウィルスへの対応が弱くなってしまいます。また最近はマスク着用が当たり前になったことにより、日中も息のしづらさから口呼吸になったり、寝ている間も無意識に口で息を吸ったりすることで乾燥します。また今後は花粉症などによる鼻づまりの影響で口呼吸になる人もいるようです。

〇夏ではなく冬でも乾燥からか、喉が渇くことが多いです。登校時に数人は水筒を持参しているのをみかけますが、できるだけ水筒で水分補給や、水道でうがいだけでもした方がよいと思います。3年生は受験もあり精神的な面と身体的な面の双方に気を使って、大変なことと思います。もちろん1・2年生も日常生活の中で対策をしていることと思いますが、またしばらくは雨が降りそうにもないので、引き続き工夫をお願いします。

須藤昌英

 

1月19日(金)校歌のレリーフが体育館に設置されました

〇体育館は令和4年度中に改修され、その後昨年の3月から使用していますが、旧体育館に設置してあった校歌の歌詞は、先日まで未設置のままでした。しかも以前のものは1番の歌詞のみでしたので、このたびPTAからの補助をいただき、3番までが書かれた新しいものを設置することができました。ありがとうございました。

〇本校の校歌は、作詞が五味保義氏、作曲が下総皖氏で、昭和24年10月30日制定されました。

【富 勢 中 学 校 校 歌】

1.利根の流れのつらぬける  美し国原 吹く風かおる ああこの丘 見よ 湧きいずる希望の象徴と 聳ゆる母校 高し 永久の学び舎

2.筑波の山の ひんがしに 紫におう 曙きよし ああこの丘 見よ 目覚めゆく時代の象徴と 瞳かがやき 集うわれら若人

3.青葦原に夕陽の 光暮れゆく 黄昏ながし ああこの丘 見よ 生まれゆく日本の象徴と 甍気高く 立てり  永久の学び舎

〇歌詞には約70年前のこの地域の様子が描かれています。特に1~3番までに「ああこの丘」が入っており、かつては軍隊の駐屯地であったと聞いているこの土地は、昔から「良い土地」とされてきたと想像しています。また私の解釈では、1番が朝方、2番が昼間、3番が夕方の様子をあらわし、一日を通して生徒たちの学びが多いことを願ってつくられたと感じています。

〇一方で体育館脇には、今から34年前に、第35回卒業生からの記念碑として、石碑があります。この石碑は、あと何十年も本校の生徒たちの登下校の様子を見守っていくのでしょう。

須藤昌英

1月12日(金)学校連絡システムの一斉導入について

〇昨日の市内小中学校校長会議で、4月より現在各校で使用している連絡システムを市内の小中学校で統一することが示されました。理由としましては、小中学校に兄弟姉妹が在籍する保護者の方々が、複数のシステムを利用していることの煩雑さが緩和されることがあります。

〇本校ではこの2年間、「つながる連絡」を使用し、保護者の皆様方からもおおむね好評をいただいておりましたが、朝の欠席連絡等や学校からの一斉連絡やお便り等の配信は、これまで通りの使いやすさだと聞いています。

〇新しいシステムは「sigfy(シグフィー)」で、主な機能として、以下が可能です。

(1) 欠席,遅刻,早退の連絡

(2) お便り等の文書の配付

(3) アンケート

(4) 学校と保護者間での個別連絡機能

(5) 教育委員会から保護者に向けた一斉連絡及びお便り等の配

〇またこれにより、長い間活用してきた「すくすくメール」についても、令和6年3月31日をもって利用を停止することになります。詳細は追って教育委員会からの通知がくると思います。最初は使い慣れないところもあり、ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

須藤昌英

 

1月11日(木)給食についての課題

〇昨日から3学期の給食が始まり、生徒も美味しそうに食べています。

〇柏市の中学校の給食は1食330円ですが、これは14年前の平成21年から1度も改定がされていません。この間に、消費税が5%から8%に引き上げられたり、特に昨年以降の物価高騰が著しいかったりと大きな変化がありました。

〇給食で使用する食材の平成21年から令和5年にかけての物価上昇率は約36%となっていて、特に生鮮魚介、生鮮野菜、生鮮果物、牛乳の値上がりは顕著です。中でも牛乳は毎日提供しており、一食に占める割合も大きいため、給食のやりくりに大きく影響しています。

〇柏市はこれに対応するため、令和4年度以降は、補助金を出して給食費を支援してくれています。ただ今後はそれだけでは難しい面もあり、給食費の改定を考えなければならない状況にあります。

〇給食の役割として、生徒にとって必要な栄養素や食育に結び付く多種多様な献立を提供することは避けられません。少しネットで検索しても、全国の自治体でも給食費の値上げをしている場合が見られます。

〇生徒が食べてホッと心が休まったり、普段家庭は滅多に食べないメニューを味わったりする給食を今後もどのように維持していくか。我々大人が真剣に考えていくべき課題だと思います。

須藤昌英

 【昔から生徒に人気ナンバー1のカレーライス】

1月10日(水)富勢中学区4校合同あいさつ運動

〇今日から金曜日まで、富勢中、富勢小、富勢小、富勢西小が一緒に、朝の「おはようございます!」の声掛けを行っています。本校では正門に、「ガンバレ富勢中」の登り旗をもった生徒会役員の生徒が立ってくれています。

〇朝の8時前後には、本校生徒や富勢小児童、地域の方々が頻繁に使用するため、正門前の押しボタン式信号機は定期的に横断者に向けて「青」になります。短い時間で横断歩道いっぱいに広がってやっと渡れることも多く、正門の前の信号機はありがたいです。

〇毎日同じ時間に同じ場所で、生徒の顔をみているとその変化がすぐにわかります。これを私は勝手に「定点観測」と呼んでいます。本来の定点観測は、天文学の中で、「同じ場所で同じ方向を観測し続け、動いた天体の軌跡を追うこと」ですが、そこから派生して、「人間社会の観測を通して、人々の生活や環境、感情などがどのように変化していくかを調べ、社会の動向や情勢によってどのように遷移するかを知る」ことの意味にも使われます。

〇つまり同じ生徒でも「今日は顔をあげて登校しているな」とか「何となく今日は足取りが重そうだな」という変化がわかりやすいのです。同じようなことはご家庭ならば、毎朝の起きた顔で、お子様の気持ちがだいたいわかるのではないでしょうか?

「交通安全誓いの碑 交通違反をしない、させない、ゆるさない

この日は昭和61年度に在校する生徒職員及びPTAが交通安全を誓い合い建立したものです 昭和62年3月吉日」

 

〇正門に入ってすぐ右に、「交通安全誓いの碑」と書かれた石碑があります。これは昭和61年5月に当時の本校女子生徒2名が、部活動の練習試合の帰りに、歩道を自転車で走行中、そこへ猛スピードの車が突っ込んできて、命を落としたという大きな事故があり、「そのような交通事故がないように」と願いを込めて造られたものです。

〇私も当時は大学4年生で、柏市内で悲惨な事故があったことは大きく報道されましたので、記憶にはっきりと残っています。その翌年4月に柏市の教員となりましたので、教員として生徒の命を預かる重い責任を実感し始めるとともに、当時その事故現場を車で通るたびに、心の中でご冥福を祈っていました。その女子生徒さんたちもご存命であれば、今50歳台前半になっています。

〇生徒たちの登下校が安全でありますように・・・。

須藤昌英

 

1月9日(火)第3学期始業式

〇令和六年「甲(きのえ)辰(たつ)」になりました。本年もよろしくお願いいたします。

〇元旦は穏やかなお正月と思いきや、能登半島で大きな地震が発生しました。なかにはご親戚や知り合いの方が被害に遭われている人もいると思います。お見舞い申し上げます。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、捜索中の方々が一刻もはやく見つかりますようにと願っています。また現地の気温は厳しいので、避難生活をされている方々の健康が保たれますように。

〇私は当日、生徒の安全や3年生の受験が無事に終わりますようにと、布施弁財天(紅龍山東海寺)に参拝し、帰宅するために車に乗った瞬間に揺れを感じました。気象庁の発表では、震度7(M7.6)、輪島地方で最大4m近く動く変動があったそうです。13年前の東日本大震災や29年前の阪神淡路大震災を思い出しました。

〇本日から3学期が始まります。約半月ぶりに正門で生徒が登校する様子を見ていましたが、多くの生徒が大きな声で挨拶をしてくれました。始業式では、「確かに勉強や受験などは大変ですが、幸いに災害にあっていないからこそできるのであり、『~しなければならない』と思うか『~することができてありがたい』と思うかでは、雲泥の差がありますね」と話しました。

〇一方で今日から高校入試がスタートしています。都道府県によって私立高等学校の日程がほぼ決まっており、茨城県から始まり、千葉県、東京都、埼玉県と続きます。私立高等学校はその学校独自の入試を行いますので、大別すると「一般入試」「推薦入試(単願・併願)」ですが、その他日程も「A日程」「B日程」などと、入試の機会をAとBに分けることで受ける回数が増るようにしている学校もあります。また私立高等学校は公立高等学校と違い、発表している「募集定員」よりも多くの「合格者」を出します。理由としてはやはり学校を経営するという面がありますので、もしその後に入試のある公立高等学校へ多くの生徒が流れてしまうと、募集定員を下回る可能性があり、それを避けるためです。

〇千葉県公立高等学校は2月6日~8日の「出願」、2月14日~15日の「志願(希望)変更」、2月20日~21日の「学力検査等」、3月4日の「発表」と続きます。ただし私立高等学校と違うのは、先ほど書いたように「1回しか受けられない」「募集定員数通りしか合格者を出さない」ことです。

〇その為1回に限り、まず出願確定した後にネットや翌朝の新聞に掲載される「志願倍率」を見て、最初に志望した高等学校への願書を引き下げ、新たな高等学校へ出願することができます。ただしこれは無暗に行うと返って生徒本人に心の動揺が残ることもありますので、慎重に行わなければなりません。

〇上記の4つ「出願」「変更」「学検」「発表」とも基本的には、生徒自身が志望校に行くことになりますので、担任からは必ず事前に行き方を調べたり、実際に足を運ぶように指導したりしています。ただ2月ですので、過去には入試日に雪が降り、交通手段がストップしたり開始時間が遅れたりしたこともありました。最悪の状態も想定し、どうやって入試会場までいくかは複数の案をもっていた方が良いと思います。現在3年生は体調管理と試験準備の両方に気を使っていますので、学校としては無事に終わるようにサポートしていきます。

〇3学期は全校生徒で集うのは、3月1日の生徒会主催「3年生を送る会」のみで、3月8日の「第77回卒業証書授与式」で3年生は巣立っていきます。災害もそうですが、インフルエンザやコロナ等の感染症も大きく広がらないように祈っています。

須藤昌英

12月22日(金)第2学期終業式

〇2学期のスタートの9月1日は、最高気温34°Cで、まだまだ暑さが続いていましたが、今朝の気温は0°Cで、通勤時にはダウンのアウターを着て寒さをしのぎました。この気温差が示すように、それだけの月日が流れたことになります。

〇2学期の授業日数は、77日間でした。いつも思いますが、先ほどのように、夏のおわりの残暑厳しさと冬のはじめの寒さの季節の違いもありますが、加えてこの時期はまた年末が近づいていることもあり、2学期終業式は独特の雰囲気があります。

 

〇終業式は、2学期の表彰式に続き、生徒会主催の「いじめ防止授業」を行いました。これは先月に柏市教育委員会主催の「いじめ防止サミットKashiwa」に参加した生徒会役員の柏原さんと高橋さんが、そこで学んだ内容をアレンジしたものです。昨年は校長室からオンラインで行いましたが、今年は体育館で全校生徒が話し合いをしやすいような工夫をしてくれました。

須藤昌英

 

12月21日(木)年末の大掃除

〇今年も残り10日となりました。日本では年末に大掃除を行い、「心機一転して新年を迎える」という「しきたり」のようなものがあります。しかしこれに異を唱える人をあまり見たことがありません。

〇普段は汚れていても見逃している(見て見ないふり)場所もきれいにしますと、新しい発見があったり何より気分が明るくなったりします。今日の3時間目、全校生徒で大掃除を行いました。

〇「仕来り(しきたり)」を辞書で調べますと、「昔からの習慣、ならわし、慣例」とあり、用法としては「~を守る」「~に縛られる」とありますが、この2つでは180度違う姿勢になります。

〇「~守る」は、正しいと信じていることを今まで通りにやることですが、さらに自主・自律的に自らやろうとする意志のもと、「どうせやるなら楽しく」なるように、創意工夫をしていくまでになると、たとえ友達に「そこまでやることないよ」と言われたとしても、全く意に介せず、続けていくことができると思います。

〇その一方で「~に縛られる」の方は、自分の気持ちに関係なく仕方なくやることになり、創造性・想像性は生まれません。むしろやる意義や意味、それをやることによる効果などを考えていないので、とにかく「はやくやってはやく終わればいい・・」しかないと思います。

〇学校の清掃も世界の多くの国々では、雇われた清掃人が仕事として行っており、生徒自身が清掃をするのは稀だそうです。しかしその日本型教育が注目され、近年になり新たに生徒による清掃を取り入れた国もあるそうです。

〇部屋の窓は開けっぱなし、しかも水道の水は冷たい状況でも、自分たちの分担をキレイにしようと、黙々と身体を動かす生徒たち。この経験により、意図的にゴミを落としたり汚れている場所をさらに汚したりすることのない大人に成長してくれると信じています。

須藤昌英