校長雑感ブログ

校長雑感ブログ

5月17日(金)2学年英語「助動詞(must)」

〇英語の助動詞は、まとまりの慣用的な句を作り,コミュニケーションを図る上で様々な機能を実現する重要なものです。小学校で扱われる助動詞は can のみですが,例えば次のような「能力」を表す場合に限られています。

Can you dance well? Yes, I can.

〇中学校では,加えて次のような「許可」や「依頼」を表す場合が加わってきます。

You can use my pencil. / Can I use your phone?

Can you open the window?

さらに must(義務),must not(禁止),may(許可),should(義務)などが扱われます。

〇昨日の授業でも生徒たちは何度もmustの入ったさまざまな文を発音することにより、少しずつそのセンテンスを身体にしみこませていました。この経験を積み重ねれば、外国人ともさりげなく日常会話ができるようになっていくことでしょう。

須藤昌英

 

5月16日(木)1学年理科「植物の葉と根のつくり」

〇不思議に思ったことを探究していく楽しさは、子どもも大人も同じです。自分の知らない世界を発見し、驚きと感動を積み重ねることにより、自分の枠が大きくなりそれがその人の魅力となっていきます。

〇科学的に探究する力を育成するにあたっては、自然の事物・現象の中に問題を見出し、見通しをもって観察・実験などを行い、得られた結果を分析して解釈するなどの活動を行うことが重要です。そのために理科という教科があります。

〇生徒の観察力やスケッチ力は多種多様でしかもなかなかのモノです。そばで観ていて飽きませんし、その鋭い感覚に学ぶことも多いです。

〇教科書に書いてある内容と本物を観察してわかった結果がリンクして、はじめて納得したりこれからも自在に活用できたりする「生きて働く知識」になります。

須藤昌英

 

 

5月15日(水)1学年国語「説明的文章:形式段落と大段落」

〇国語の教科書に掲載されている文章は、大きく分けると現代文と古典文の2つになります。さらに現代文を2つに分けると、文学的文章と説明的文章になります。前者は詩や小説・随筆、後者は論文や報告・解説・記録文などです。

〇1年生は今、中学校で初めて後者の説明的な文に触れ、筆者の一番言いたい部分とそれにかかわる付加的な部分を読み取ったり、事実と意見の違いを捉えたりする学習を行っています。

〇今の教科書は、我々の頃とは違ってオールカラーで紙質も格段に良くなっています(ただしその分重さが増していますが・・)。パラパラとページをめくるだけで、何となく楽しくなってきます。保護者の方も一度手に取ってください。

須藤昌英

 

5月14日(火)1学年数学「正負の数の計算」

〇小学校の算数から中学校の数学に変わって、最初の壁が「正負の数」という概念です。日常生活でも「プラス、マイナス」という言葉はよく使われますが、数学的に言うと、180°向きが逆という意味があります。

〇上と下、善と悪、甘と辛・・など、人間は二項対立によって考えることで、いろいろな概念を獲得してきました。例えば、明るい方(正)を「+(plus)」とし、その真逆の暗い方(負)を「-(minus)」と定めます。そしてその丁度真ん中を「ゼロ(ZERO)」とし、そこにさらに「数字(絶対値)」を使って、どちらにどれだけ傾いているのかを表すのに、「+3」とか「-10」と表すことで、今がどれだけ明るいのか(暗いのか)を明確にすることができます。

〇今一年生は、その正負数を使った計算を学習しています。計算は四則(加・減・乗・除)ありますので、その順番で計算ができるようにしていきます。自分で考え、友達と教えあうことで、どんどん力をつけていきます。

須藤昌英

 

5月13日(月)楽しく学ぶ土台は「アハ体験」

〇5月2日のブログに、人間の脳は、「ボーッ」としている方が、何かを考えているときよりも多くのエネルギーを使っていて、そのデフォルト・モード・ネットワークが働いているときは、あらかじめ蓄えられた情報がそれぞれ結びつきやすくなり、新しいアイデアや発想が生まれやすくなる、つまり「創造性」に富む可能性があると書きました。私もこの前の連休で、「そうだ!次は~をやってみよう」などの思い付きがいくつかありました。脳の働きは、まだまだ神秘的で、未解明なことが多いそうです。

〇同じく脳の不思議な能力として、昔一時期、テレビなどで話題になりましたが、「アハ体験(a-ha experience)」があります。簡単に言うと、「あ、そうか、わかったぞ」という心のつぶやきや体験を表す言葉で、やはり「ひらめき」や「創造性」に関する脳のはたらきのことです。よく使われる例として、古典物理学者のニュートンが、木から落ちるリンゴをみて万有引力の法則を発見したことがありますが、もちろんあれも常に一つのことを考え続けた末、フッとした瞬間に知識どうしが結び付く一つのアハ体験だと言えます。

〇少し調べてみると、人間はアハ!体験の最中に、0.1秒ほどの短い時間に、脳の神経細胞がいっせいに活動して、世界の見え方が一瞬で変わってしまうそうです。大げさに言うと、それまでわからないで悩んでいる時の不安感や焦燥感が、ひらめいた時の「ああ、そうか!」一気に消え去り、と同時に大きな喜びや解放感を感じることによって、今までとは違った自分になってしまうということです。そのような感覚を体験することで、関係する脳の回路を強化され、その後は、わからないことが出てきてもじっくりと考え、ひらめきを育むことの大切さを、楽しみながら学ぶことができるようになります。

〇ただし、アハ体験は、いつ起こるかなど予測は不能で、コントロールもできないという面があります。またそれに近い体験を実際にしても、いつのまにか見過ごしていることもあります。やはり今の自分が何を感じているのかを、常に意識しておく必要がある気がします。生徒達には、毎日の授業の中で、何か一つでいいので、小さなアハ体験をしてもらいたい・・と思っています。「この漢字はこういうときに使うのか!」とか「この数学の公式は確かにこの場合には便利だ!」など、自分で感じたことを書いたり、人に話したりするアウトプットを積み重ねると、普段の学習への意識が高まります。

〇脳科学者の茂木健一郎氏は、インタビューで次のように語ります。

「生きていくのは何が起こるか分からないこと。学校では答えの決まっていることは教えてくれますけど、人生をいかに生きるべきかという教科はありません。何が起こるか分からない人生をどう生きるかという時に、感情がフル回転するんです。脳にはうれしいことが起こった時に放出される『ドーパミン』と呼ばれるものがあります。何か行動してドーパミンが出ると、その回路が強化される。これを強化学習と呼びます。ですから、頭を良くしようと思ったら、何かを学んで喜ばなくてはいけないんです。アハ体験は気付くことに喜んでドーパミンを出してほしいというもの。気付くということに対して、トレーニングする機会はないんです。答えが決まっていることを素早くやることも大事ですけど、それだけでは今の世の中はやっていけない。何か新しいことに気付くことがすごく大切なんです。脳はオープンエンド、一生学び続けるものですから」

〇生徒達にとって学びの日々が続きます。

須藤昌英

 

5月10日(金)3学年社会「アジアの民族運動」

〇3年生の歴史の学習は、第一次世界大戦終結から第二次世界大戦勃発まで(1919年から1939年)に進んでいます。この時代を「両大戦間期」とも言い、近代史の中では重要なところです。

〇第一次世界大戦で勝利国側にいた日本が、なぜ第二次世界大戦では敗戦国になったのか。背景を知ることで、今の世界情勢で勃発している紛争や戦争の原因を想像することができます。「歴史から学ぶ」とは昔からよく言われていることです。

〇さすがに3年生ともなると、説明を聞き、自分で調べ、仲間と意見交換する流れを自然に身に付けており、深く考えることの大切さを感じています。

須藤昌英

 

 

5月9日(木)1学年保健体育「体力テスト」

〇現在、保健体育の授業では全学年で体力テストを行っています。成長期の中学生にとって、日常生活における運動習慣と生活習慣の改善を促進させることが、「学び続ける」ためには欠かせないものです。

〇特に生活習慣の改善は、健康の三原則である「運動・食事・休養(睡眠)」を中心とした生活習慣を見直すことで、また運動習慣の改善は、運動やスポーツを実践することを中心として「運動時間を増大すること」です。そして、ご家庭においても「スポーツをすること」「スポーツを見る(観る)こと」や「スポーツについて話すこと」を生活の中に取り込み、「日常化」を意識していただきたいと思います。

〇体力テストは、8種目(握力 、上体起こし 、長座体前屈 、反復横とび 、20mシャトルラン(往復持久走 )、50m走 、立ち幅とび 、ハンドボール投げ)を行いますが、とても1時間ではできないので、複数時間で取り組んでいます。1年生も張り切っていました。

須藤昌英

5月8日(水)授業の目的と設計&1学年英語「Be動詞」

〇国の学習指導要領においては、各教科の指導に当たって、生徒に育成すべき資質・能力を育むことが明示されており、そのために本校では日頃より「主体的・対話的で深い学び」を目指した授業を展開し、常にその改善を図っています。

〇また千葉県教育委員会は、そのための手立てとして「『思考し、表現する力』を高める実践モデルプログラム」として、授業を4つの段階で構成することを提唱しています。

〇今日から本校の授業の様子を、先ほどの「見い出す」「自分で取り組む」「広げ深める」「まとめあげる」の起承転結で紹介していきます。それをご覧の上、6月の授業参観では生徒が実際にどんな学びをしているのかに注目してください。

〇昨日は入学して1カ月が過ぎて、徐々に学校生活にも慣れてきた1年生が、英語の授業に集中して取り組んでいました。もうすっかり中学生らしくなってきたのを見て、頼もしく感じました。

須藤昌英

 

5月7日(火)連休明けの観察と最優先の熱中症対策

〇ゴールデンウィークが終わり、また本日から通常の学校生活が再開しました。昨晩から今朝にかけてのお子様の様子はいかがでしたでしょうか?大人でさえ気持ちを切り替えるのが難しいですので、生徒たちも登校するにあたって様々な気持ちや葛藤があったかと思います。

〇今朝も正門で交通安全指導をしていると、富勢小の3年生が泣きながら歩いていました。声をかけると、すぐ手前まで母親と一緒に歩いてきましたが、急に不安になり足取りが重くなったそうです。富勢小の教頭先生に正門まで迎えにきてもらい、引き渡しました。おそらく中学生も大半が同じような心境でいると思います。

〇この時期にはよく「五月病」という言葉が聞かれます。主な症状としては、無気力・不安感・焦燥感などがあげられ、病名でいうと「適応障害」と診断されます。似ている症状に「うつ状態」がありますが、「うつ状態(病)」が、原因不明のストレス要因によって発症することがあるのに対して、適応障害は、生活・職場環境などの外的なストレス要因で発症します。

〇今週は学校でも生徒たちの様子をいつもより細かく観察しますが、ご家庭でもお気づきの点がありましたら、担任等にご相談ください

【連休明けの朝の教室風景】

〇連休中には最高気温が30℃を超える真夏日となる地域もあり、湿度が低ければ日陰では快適ですが、これからますます蒸し暑く不快な日が多くなると思います。昨年の猛暑を思い返すと、普通に生活しているだけでも大変です。大人でも体調管理が難しい時期ですので、服装の最適化(長袖などはさける)、帽子の着用(日傘の有効性も)、水筒持参(冷水、スポーツドリンクや麦茶などでミネラル分)、睡眠時間の確保(夜更かしをさける)などをご家庭で指導してください。

〇特に「熱中症」は、即いのちの危険にかかわります。本格的な暑さを迎える前に、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」をすることが大切です。「暑熱順化」ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。

〇暑熱順化には個人差もありますが、数日から二週間程度かかるそうです。また、一度暑熱順化ができていても、数日暑さから離れると暑熱順化の効果は薄れてしまうようなので、常に意識の継続が必要です。

須藤昌英

 

5月2日(木)失敗や葛藤は時間の無駄??

〇今日は柏市内一斉に教員の研修会があるため、生徒は3時間授業(給食無し)で下校となります。しかも明日からゴールデンウイークも後半で、4連休に入ります。時間をもてあまし「何もしないで一日ボーッと過ごすことが多い」という生徒もいるかもしれません。保護者会でも話しましたが、生徒の成長には失敗や葛藤があり、むしろその失敗や葛藤から学ぶ必要があります。失敗や葛藤を「時間の無駄」と切り捨てるのではなく、生涯にわたって学び続ける上には、この無駄と思われることが、案外科学的にも意味があるということがわかってきています。

〇それが脳科学の分野で研究が進んでいる「デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)」という状態で、端的にいうと、「ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動」のことです。ある一つのことに集中したり注意が払われたりするのではなく、ただぼんやりとしてあれやこれやと雑念している時や睡眠中の脳が示す神経活動のパターンのようです。

〇これはよく車のイメージに例えられ、デフォルト・モード・ネットワークは、車のエンジンのスイッチはONですが実際には走行していない時の「アイドリング状態」です。日常生活の中で、何も考えずにボーッと散歩しているとき、一息つくために好きな飲み物を飲んでいるとき、身体がリラックスした状態で入浴をしているときなどに、デフォルト・モード・ネットワークは活発化しています。

〇脳神経外科医の奥村歩氏によると、脳は以下のプロセスで情報を処理しているのだそうです。

1 入力(インプット):五感を通して情報を収集する

2 整理:(DMN)入力した情報を取捨選択する

3 出力(アウトプット):言葉や行動として表す

デフォルト・モード・ネットワークが重要になるのは、2番目の「整理」段階で、この状態で自分の過去の経験や記憶を整理・統合したり、これから起きる出来事にどう対応したりするかを想定しています。

〇逆にデフォルト・モード・ネットワークの働きが弱いと、脳内で情報が整理されず、物が散乱した机上のような「脳過労」状態になり、インプットした情報が脳に定着しづらくなったり、脳の活動自体が低下してスムーズなアウトプットにつながらなかったりするといった恐れがあるそうです。脳内にたまった情報をスッキリと片づけ、脳疲労を防ぐためにも、DMNをオンにすることは重要です。

〇一番注目したいのは、デフォルト・モード・ネットワークの働きは「創造性」と関係しているらしいことです。これが活発になるとあらかじめ蓄えられた情報がそれぞれ結びつきやすくなり、新しいアイデアや発想が生まれやすくなります。私も先ほどのように散歩などをしてリラックスして過ごす時間に、フッと「そうだ!あれをやってみよう」などの思い付きがあります。これを実行に移すアウトプットは、どこか楽しくたとえ予想通りの結果が得られなくても、次のチャレンジの意欲につながっていることが多いです。

〇ただデフォルト・モード・ネットワークが活発化していると、脳内では通常時よりも数倍以上のエネルギーを必要としているそうです。つまり「ボーッ」としている方が、何かを考えているときよりもエネルギーを使っていることは意外な感じがしますが、それほど重要だともいえます。

〇4月からの新生活でどの生徒も心身の疲労があります。明日からの連休中、もしお子様が自宅でボーッとしていてもあまりとがめないでください。その時間、脳はその子に新しいアイデアを用意してくれているかもしれません。ぜひ「何か思いついた?」のような声掛けをしてあげてください。

須藤昌英

5月1日(水)対話活動の大切さ(学びはわからないことから始まる)

〇昨日と今日、明日は、連休の間ということもあり、朝登校する生徒の表情も様々です。「明後日からまた休みだから、今週はこの3日間だけ頑張ればいい」と思っている生徒、「この3日間も休みなら、もっとゆっくりできるのに・・」と思っている生徒。言葉にはしませんが、だいたいそんなところではないでしょうか。

〇先月から行っている教職員との面接の中で、生徒の授業中の様子を聞き取っています。特に気になるのが、答えがわかっていても発言を避けたり自分の考えを表現することが苦手だったりする生徒がどのクラスにもいることです。生徒の心理面からすると、自分の考えに自信がないことで、発表や質問をしたがらない傾向がありますので、授業の中で意図的に、2人組のペア学習・それ以上の複数人のグループ学習などの小集団交流を取り入れることで、生徒が自分の考えを表現しやすくしたり他者の考えを取り入れたりすることを行っています。

〇指導者側からすると、生徒にペアやグループでの学習による深め合いのよさを実感させることが一番難しく、もしそれが理解できれば、生徒は自ら進んで対話活動をすると思います。学習指導要領が唄う「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、自分の考えを表現し、考えを深め合うことが欠かせません。

〇特別支援学校の主任教諭である川上康則氏は、その著書「教室マルトリートメント」の中で、ペアでの活動等のメリットを次の5つで示しています。

①インプットしたことをアウトプットして記憶に残す

②理解レベルや活動の進捗状況をそろえる

③他の人のフィルターを通して学ぶ

④集中を続けるために、いったんガス抜きする

⑤考えを整理させたり、発表に自信をもたせる

〇教職員には授業を進める中で、次のようなことを意識してほしいとお願いしています。

・意見の交流をためらいなくできるクラスの雰囲気(生徒同士の人間関係を含む)を構築しつつ、各自の発言を共有し、「分からない」や「間違い」から学びが始まることや意見や質問し合うことが深め合うことにつながることを理解させていく。

・生徒自身の気付きや考えから、授業を構成する視点をもち、冒頭の学習問題を工夫して提示し、既習事項との違いに気付かせ、生徒自身に今日のめあてを設定させる。聞く、読む、書く、話すなどの言語環境を整備し、自分の考えをもたせ、自分なりの納得解(まとめ)へと導く。

〇私達教職員の間では、昔から「授業は生もの」といわれ、その時間のゴールは設定しますが、生徒の反応によってどっちに転ぶかわからない面もあります。それが面白いところでもあります。

須藤昌英

4月30日(火)教職員と面接を行っています

〇本校には私を含めて46名の職員がいて、それぞれの役割や仕事を担うことにより、生徒の健やかな成長・学びに資するように努めています。職員とは職員室などで毎日、予定の確認や連絡事項などの会話をしていますが、なかなか座ってじっくりと意見交換をすることは4月に入ってこれまで出来ていません。そこで先週から、私と職員一人ひとりと年度当初の面接を行っています。

〇生徒にも個性があるように、職員にも一人ひとりいろいろな持ち味が違います。しかし生徒と一緒に学び成長したいという気持ちから共通していることも多いです。例えば明るく誠実さをもって、生徒の考えや意見をしっかりと受け止めようとする「人間性」、また教育公務員として自覚と情熱をもち、生徒の興味関心や発言を引き出すための工夫をする「資質・情熱」、そしてさらに教員としての識見を一定以上に備え、授業のねらいを明確にして、生徒の発達段階と場に応じた指導をする「指導力」などです。

〇ただしこれらはすべて最初から身に付けているわけではなく、私も過去にそうでしたが、日々目の前の生徒と接している中で、嬉しいことやうまくいかずに悩んだことなどを自ら内省し、それを次にいかしていこうとする努力によって、段々と自然に仕込まれていくものです。 

〇校長にとって、職員との面接の機会は貴重な時間です。まずは次のような学校経営の理念を理解してもらうことを目的にしています。

①   生徒の学びを引き出すファシリテーターの教職員

基礎・基本となる知識・技能の定着を図り、それを応用する力、活用する力を育む学習指導を行い、「確かな学力」を身につけさせる。

②   生徒の生活に寄り添うアドバイザーの教職員

生徒一人ひとりの個性や能力を生かした集団づくりに努め、個と集団の成長を促す生活指導を推進し、豊かな心と健やかな体を育む。

③   教職員組織の一員(調整・連携)

校務に関する業務内容と意義を理解し、計画的に取り組み、情報と課題を共有し、的確に業務を遂行する。

〇そしてそれ以上に、職員が先ほどのような自分の良さを気づいていない場合にはそれを伝えつつ、可能な限り本音の部分を傾聴していくようにします。職員の個性やもっている力を把握し、さらに伸ばしてもらい生き生きと働いてもらうことが、必ず最後はそれが生徒への教育にも還元されていくと思います。

〇学校を企業に例えると、「主力商品は授業」でありますので、授業を担当する職員から、「単元のねらいや生徒に身につけさせたい資質能力」、「生徒が困難と感じる点やその克服のための指導上の工夫」などを聞き、私がその授業を来月からホームページで紹介していくための日程を調整しています。

 須藤昌英

【正門わきのハナミズキ】

4月26日(金)部活動結成式

〇昨日の放課後、1年生も正式に部活動入部し、結成式を行いました。

男子バスケ 女子バスケ 女子バレー 男子テニス 女子テニス バドミントン サッカー 卓球 野球 剣道 吹奏楽 美術

〇そもそも学校の部活動は、スポーツや音楽などに興味・関心のある同好の生徒が参加し、教師等の指導の下、学校教育の一環として行われ、我が国のスポーツ振興を大きく支えてきました。また体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、生徒の多様な学びの場、そして活躍の場として、教育的意義を有したりしています。

〇しかしながら、今日においては、社会・経済の変化等により、教育等に関わる課題が複雑化・多様化し、学校や教師だけでは解決することができない課題が増えています。とりわけ、少子化が進展する中、部活動においては、従前と同様の運営体制では維持は難しくなってきており、学校や地域によっては存続の危機にあります。

〇将来においても、全国の生徒が生涯にわたって豊かにスポーツや音楽などを楽しむ資質・能力を育む基盤として、部活動を持続可能なものとするためには、各自のニーズに応じたスポーツ・音楽などを行うことができるように、抜本的な改革に取り組む必要があります。

〇柏市では、昨年9月より土・日曜日の活動をNPO法人から派遣された指導者(コーチ)指導する方法を、他市に先駆けて行っています。その成果等は、KSCA(柏スポーツ文化推進協会)のホームページ等をご覧ください。本校といたしましても、今後は陸上競技や吹奏楽についても市の方針を受け、教育委員会と連携し、地域移行に向けて準備していきます。

須藤昌英

4月25日(木)各教科で身に付けたい見方・考え方について

〇今週から正規日課の授業が始まり、各教科とも教科書を使った授業が始まっています。ただ教科書を使うと聞くと、教科書の内容を最初から最後までを生徒に「教え込む」というイメージをもつ人も多いと思います。しかしそれは生徒を受動的な存在として見ていることになります。

〇本来生徒は、能動的学習者です。生徒(というよりも人間)は、人間は皆、生まれながらに「考える」や「学ぶ」ということから逃げられない生き物です。そして「学び」は決して完結することはありません。常に何かを知ろうとし、分かろうとし、できるようになろうとしています。

〇ですから、各教科では、教える内容を通して、身に付けさせたい見方や考え力を設定して、授業を行っています。5教科について、私見も入っていますが、その一部を紹介します。

〇国語は新学期は各学年とも、ぞれぞれ「詩」の学習から入っています。1年は、金子みすゞ、2年は吉野弘、3年は谷川俊太郎などの著名な作品ばかりです。詩を読み慣れることで、国語に必要不可欠な力が養われます。その力は、「映像化力」と呼ばれ、目の前に詩の情景をイメージしていく力です。詩を難しいと感じる人が多いのは、少しの言葉で表された世界を、十分につかみとれないのが一つの原因で、生徒たちは暗唱することを繰り返したり、自分なりのイメージづくりをしたりして、作者が何に感動してその詩をつくったかを想像しています。

〇数学では全学年が、「数と式」の領域から始めています。これは「数」と「式」が、「図形」や「関数」などの数学全体の下支えをしているからです。算数や数学では学年が進むほど「新しい数」を定義し、その世界をひろげていきます(例えば、小数、分数、正負の数、平方根など)。数学に苦手意識をもっている生徒はどの学年にも一定数いますが、原因の一つが、「数学の独特の世界に違和感がある」からです。でもその違和感は当然とも言えますので、私はその昔生徒には、「数学という国へ旅行したつもりで、その数学の文化や風習に徐々に慣れ、楽しむくらいに思っていればいいよ」と話していました。

〇英語科の目標は、「簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝えあったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成すること」です。コミュニケーション能力で最も大切なことは、相手への伝達だけでなく、相手からの情報をいかに上手に受け取るかという観点も持っていなければなりません。世間では、高機能でコンパクトな翻訳機があり、困ることはない時代になっていますが、一つ言えるのは、コミュニケーションのツールとして、英語は日本語よりもある面は適していると思います。

〇社会科は、「地理」「歴史」「公民」の分野があり、前の2つは1~2学年に、並行して学び進めます。地理は世の中で起こっている現象について様々な角度から体系的に学習し、歴史は今ある政治体制や文化を正しく理解するために、まずは過去にさかのぼって背景を知る学習し、公民は「法律」「政治」「経済」などの現代社会のしくみや在り方について学びます。分野は違いますが、これらに共通するのは、「すべて人の生活や営みから派生している」のであり、最後は自分の生活にどのように活用していくかだと思います。

〇理科を学ぶ過程は、仮説や予想を立て、自分の問いを追求し、それをみんなに説明したいために、実験・観察をすることがあります。この力は生徒が大人になって社会に出てからもよく使われるもので、成功しても失敗してもその原因を考え、そこからまた新しいアイデア(仮説)を立てていく・・この繰り返しが大切です。ただし、実験・観察などには多くの器具を使用しますので。安全性の確保が欠かせません。年間を通して理科室での授業は、理科支援員さんのバックアップを受けて、安全面に最大の配慮をしていきます。

〇来月からどのような授業が実際に行われているかを紹介していきます。

須藤昌英

 

4月24日(水)「不思議」への憧れ

〇今、校庭には咲き終わったタンポポの綿毛が一面に広がっています。私は幼い頃からこの綿毛を飛ばすのが大好きでした。何十もの綿毛を集め、一気に吹き飛ばしてよく遊んでいました。当時もそれがタンポポであることだけは知っていましたが、なぜそのような形になっているのかは知らないというか興味はありませんでした。ただ遊び道具の一つでした。

〇ご存じの通り、咲いたタンポポの花がしぼむと、綿毛ができます。花が咲いて種が作られるのと並行して、綿毛も徐々にできあがります。綿毛になったあとは時期がくると風で飛ばされるようになります。勢いよく遠くへと飛ばされて、広範囲へ定着します。たんぽぽの綿毛はとても不思議な存在ですが、これは種を遠くに飛ばすためにできたものです。

〇先日校庭で昔のように綿毛を飛ばしていると、生徒達から「校長先生何をしているのですか?」と声をかけられました。「見ての通り綿毛を飛ばしているんだよ。一緒にやるかい?」と答えると、彼らは笑いながら「遠慮しておきます。」と言いながら立ち去っていきました。もちろん彼らも幼い頃は「綿毛飛ばし」をやった経験もあるでしょうし、綿毛が子孫を残すために飛ぶことも知っているでしょう。

〇その時思ったことは、大人になってその仕組みや理屈がわかっても、やはり綿毛があのような形で風に飛ばされるのを待っていることが、今でもとても「不思議」だということでした。むしろ大人になってからの方が一層、知識としてではなく、けなげに自分のいのちを全うしようとしているタンポポの姿に、学べるような気がします。

〇同様に何でも幼い頃からに不思議と思ったことを大人になってからも大切(憧れる)にするようにした方が、人生の深みが増すのではないでしょうか?新しい視点で同じものを見ると、まったく違うように見えるという経験も、生徒たちはこれから味わってほしいものです。

〇生徒たちに「綿毛飛ばし」を遠慮されてしまったので、孫娘と一緒に楽しんでいます。

須藤昌英

4月23日(火)正規日課開始と朝の10分間読書活動

〇昨日より正規日課、つまり時間割通りの授業となりました。生徒たちは、6時間目の終了時刻(午後3時25分)まで、自分の学びを深めようと取り組んでいます。

〇特に1年生は、50分授業6コマを受けることには不慣れで、しばらくは大変かもしれません。まだ中学生の体力はないので、睡眠時間の確保や栄養補給などに気を配ってあげてください。

〇朝の10分間、生徒は静かに自分で選んだ本と向き合い読書を行っています。これは2つのソウゾウ力(想像力・創造力)を養っています。想像力(イマジネーション)により、実際に見聞していないことについて考えを巡らすことで、創造力(クリエーション)につながり、独自の方法で新しい何かを創り出せる大人になっていきます。

〇日本人はかつて世界有数の「本を読む国民」でした。しかし昨今、若者を中心に「読書離れ」が広がってきています。確かに電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、人間性を育てるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚で「本とのつきあい方」を考えていく絶好の機会です。

 須藤昌英

 

4月22日(月)柏市標準制服(ブレザータイプ)のモニター募集

〇令和7年4月から、柏市では市としての標準制服を全校で導入します。これに先駆け、令和6年6月頃から、プレ標準制服を着用する生徒モニターを募集します。モニターに選ばれた生徒には、無料でプレ標準制服を配付します。着用後、「制服の見直し」に関する生徒アンケートに回答してもらいます。また着用後(卒業時)は制服リユース(柏市制服バンクへの登録等)に協力をしてもらいます。以上の内容で本人と保護者の同意が得られた上でモニターを希望する場合は、柏市の回答フォームから応募してください。

〇尚、現在はもちろん、来年度からもこれまでの「詰襟学ラン(Aタイプ)」と「セーラー服(Bタイプ)」は制服として認めていきますので、あくまでの第三の選択肢として、柏市の標準制服(Cタイプ)を考えてください。またこれからブレザー用のネクタイとリボンを業者と話し合いながら決めていきます。生徒の意見も反映できるように工夫していく予定です。

須藤昌英

 

4月19日(金)新入生歓迎会(生徒会行事)

〇新入生に富勢中の諸活動を紹介し、富勢中の一員としての生活を知った上で、来週から正規日課として本格的にスタートできるように、2学年と3学年生徒が準備をしてくれました。

①   はじめのことば

②   委員会紹介

③   部活動紹介

④   記念品贈呈

⑤   歓迎の言葉

⑥   お礼の言葉

⑦   校歌斉唱

⑧   校長先生の話

⑨   終わりのことば

〇校長の話では、「人間は体験してそれをその後に活用できる経験にしていくことが一番大切です」「憧れの先輩を一人もって、その人をこれから超えられるように努力するとよいです」などと話しました。あたたかい雰囲気の会でした。

須藤昌英

4月18日(木)個人写真撮影&学年レク

〇生徒全員の肩から上の写真(制服着用)を撮影しました。1年生は初めての経験で、少し緊張していました。カメラマンさんからも「固くならないでいいですよ」と声をかけられていました。

〇各学年で、クラスの親睦を深めたり団結を高めたりする目的で、レクレーションを行いました。全員リレーやドッジボール、綱引き、台風の目、クイズ、障害物競走など体や頭を使った種目で、楽しんでいました。

須藤昌英

【1学年】

【2学年】

【3学年】

4月17日(水)睡眠の大切さ

〇始業式から12日、入学式から一週間が経ちました。生徒は環境や人間関係の変化など、最初の緊張感からくる疲労が出やすくなってくる頃です。

〇東京大と理化学研究所の調査で、小中高生の半数以上で睡眠時間が不足している実態が明らかになったニュースがありました。塾や習い事による多忙化や夜間のスマートフォン使用などが背景にあるとみられます。特に成長期の睡眠不足は心身の発達に悪影響を与え、生活リズムが乱れます。東大と理研の研究チームは2022年9月から、小中高生計約5万人を対象に睡眠の実態を調査していたようです。

〇3月に公表された中間結果によると、平均睡眠時間は小学6年生7・90時間、中学3年生7・09時間、高校3年生6・45時間で、当たり前ですが学年があがるごとに睡眠時間は減っています。私の印象では中3の7時間は予想よりも長いと感じました。もちろん平均値ですので、バラつきはあるでしょうが、平均よりも短い人と長い人の二極化になっているとしたら、その方が問題です。

〇厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」は、中高生は8~10時間の睡眠時間を推奨していますが、研究チームの調査では、全体の半数以上が推奨時間を満たしていなかったようです。小児睡眠障害を扱う病院では、患者数が近年増加傾向にあるようで、専門医師によると、睡眠障害の子どもには〈1〉部活動や塾、習い事でスケジュールが過密〈2〉スマホやパソコンなど電子機器使用が多い――といった傾向がみられるそうです。

〇関西の堺市では以前から、適切な睡眠のあり方を教える「眠育」に取り組んでいるのは知っていました。児童生徒に睡眠時間を記録させたり、授業で睡眠の意義を教えたりしています。不登校対策から始まったもので、生活リズムが乱れていると思われる児童生徒には個別に面談もしているようです。本校でも参考にしています。

〇日本睡眠学会理事長の内村直尚氏は「学校で居眠りが続く子どもがいれば家庭と情報共有するなど、子どもの睡眠が足りているかを把握してほしい」と呼びかけています。もしお子様で気になる状況がありましたら、明後日の保護者会で担任や養護教諭などにご相談ください。

 須藤昌英