校長雑感ブログ

8月19日(月)子どもの目の健康を守るための啓発資料について

〇ちょうど1カ月前に1学期の終業式を行い、はやいもので夏季休業も残り2週間余りとなりました。少しずつ規則正しい生活のリズムを取り戻そうと考えている生徒も多いことでしょう。暑い中ですが、睡眠と栄養をしっかりと整え、少し汗ばむような適度な運動も心掛けましょう。

〇休み中は、いつもよりも多く本(漫画を含む)読んだり、タブレット端末(スマホを含む)の画面を見つめたりすることがあると思います。しかし私たち(大人も子どもも)は一日中、目を酷使して、普段からそのケアにはあまり関心を向けることがありません。

〇文部科学省の学校保健統計調査結果によると、児童生徒の裸眼視力 1.0 未満の者の割合は調査開始の昭和 54 年から一貫して増加傾向にあり、令和元年度には小学校・中学校・高等学校で過去最高を更新しました。

〇また、社会のデジタル化の進展に伴い、児童生徒が ICT 機器に接する機会は増加しており、GIGA スクールやデジタル教科書の使用などの取組も進む中で、ICT 機器の利用による視力への影響に対する関心が高まっているところです。

〇一方で世界に目を向けると、東アジアを中心に近視人口は爆発的に増加しており、オーストラリアの研究者らは 2050 年には世界の人口の半数が近視となると警鐘を鳴らしています。

〇このような中、お隣の台湾では、2001 年から児童生徒を対象とした大規模な視力の調査研究が開始されており、2010 年から近視の進行抑制を目的に学校教育活動における児童生徒の屋外活動を2時間確保した結果、視力0.8 以上の児童生徒の割合は増加に転じています。

〇ただ日本では、児童生徒等の健康診断によって毎学年児童生徒等の裸眼視力を把握しているものの、その詳細(近視か、遠視か等)が判明していないため、有効な対策を講じることができていない状況にあります。

〇特に近視は、メガネなどで矯正すれば視力がでるものとして、これまであまり問題視されてきませんでしたが、さまざまな疫学データの蓄積から、近視が将来の目の病気のリスクを高める可能性があることが分かってきています。近視について理解し、子供たちを近視のリスクから守っていく必要があります。

〇近視は、遺伝要因と環境要因の両方が関係すると言われていますが、近年の近視の増加は、環境による影響が大きいと考えられています。近視実態調査では、どちらか一方の親が近視である場合、両親とも近視ではない場合と比べ、近視の新規発症との関連が大きいことが示唆されました。一方、環境要因として屋外で過ごす時間の減少や近業(近い所を見る作業)の増加等が指摘されています。

〇次の文部科学省の啓発資料を参考に、自分の目の健康を守り、2学期からの学習に備えるようにしてください。

須藤昌英