校長雑感ブログ

10月7日(月)テスト返しと自動採点システム

〇体育祭が終わり、今日から9月に実施した中間テスト答案用紙の生徒への返却が始まります。今回より柏市の中学校は、教育委員会が事業者と提携した自動採点システムを導入しています。教員の働き方改革の一つとして、採点の効率向上や集計ミスの根絶、採点基準ブレの低減が出来ることが導入の目的の一つです。

〇私は数学が担当で、過去にはだいたい1回の定期テストで150~200枚の生徒の答案用紙を採点してきました。問題の内容にもよりますが、すべてを採点し終わる時間ははやくても数時間、長い時には一クラス90分(5クラスで7時間以上)かかっていました。

〇当然の事、勤務時間内では終わりませんので、夜遅くまで職員室で行い、それでも終わらなかったり週またぎの日程の場合には、管理職の許可をもらい答案用紙を自宅に持ち帰り、ウィークディの夜半過ぎや週末の夜に採点していました。

〇前にも書きましたが、教員側はテストを採点することで生徒たちの理解度が把握できますので、正答率の低い内容は再度授業で取り上げたり、次からの授業のやり方を随時変えたりしています。つまり教える側への「評価(フィードバック)」としての役割があります。

〇今回の自動採点システムの最大の利点は、設問ごとに全生徒の解答がパソコンの画面に一斉表示されるので、全体としてどのくらいの正答があるかやどの生徒がどれを誤答しているかなどを一目で確認できるところです。もちろんこのシステムに採点させるだけでなく、最終的には教員が一つ一つを目で確認して、必要に応じて修正してから返却します。

〇またデータはクラウド上で一元管理されている為、設問ごとの採点者分担が一切の負担がありません。さらに今後は、担当教科・学年の垣根を越えた連携で、教科内の意識統一や、他学年の状況把握も可能になります。これはデジタル化・クラウド版ならではのチームワークの強化となります。

〇さらに弱点を補強するものとして、各生徒に応じて誤答した設問の類似問題を作成し、テスト後に行うこともできます。これはこれまで出来なかった個別最適化学習として、生徒個人を対象とした補習学習となります。

〇実際に使用した教員からは、「これまでの採点時間が半分から三分の一くらいまでに短縮できました」と聞いています。今回からの導入ですので、生徒からの反応もこれからまとめていきます。

須藤昌英

【数学の採点画面の例】