校長雑感ブログ

9月10日(火)日常生活での自転車の利用について

〇先週末の夕方、1年生徒が自宅付近で自転車に乗っていた際、前に転倒し顔に擦過傷を負う事故がありました。登校中ではなかったので、学校としては月曜日にその情報を得て本人から話を聞きました。そこからその事故を想像すると、背筋が寒くなるくらいの思いがしました。

〇幸いにも頭部を打つことはなかったのですが、もし頭部であれば、精密検査などが必要になり、場合によっては入院措置になります。自転車は便利で、適度な運動にもなるので乗ることはたいへんけっこうですが、もう一度道路交通法上では「軽車両」となり、公道での事故は「交通事故扱い」になることを再認識する必要があります。

〇特に気を付けて欲しいのは、対自動車の事故で、その原因は、交差点などでの「出会い頭での衝突」となっています。ある統計によると自転車事故については,対自動車との事故の割合が約8割にも及びます。事故の背景には、自転車側の「気の緩み」が関係しているケースも少なくありません。

〇例えば次のような行為をした経験のある人もいるのではないでしょうか。「スマホを操作しながら運転した」「音楽を聴きながら運転した」「考え事をしながら運転した」「今なら渡れると急いで走行した」「友人と話しながら並列走行した」「傘をさして片手で運転した」。どれも危険な行為であることは冷静に考えればわかりますが、実際には「安全に気を付けていれば大丈夫」「車がよけてくれるから大丈夫」と思いこみ自転車を利用していることが多いのだと思います。

〇私も今朝は自宅から自転車で通勤しました。健康のためもあるのですが、車ではなくたまに自転車に乗ると、自転車視点での危険性が感じられ、生徒にも具体的に声をかけやすくなるからです。やはり歩道のある場所は歩行者に配慮して走れますが、歩道のない場所は後ろから来る車の気配を敏感に感じながら運転しないと怖いです。

〇自転車通学者にはヘルメット着用を条件に、登下校での使用を認めていますが、普段の生活ではまだヘルメットの着用は「努力義務」となっています。ただホームセンターなどでは前に比べて、ヘルメットを販売するコーナーが増えていますので、ご家庭でも一度ご検討ください。

〇ヘルメットと言えば、私も16歳から免許を取得し、原動付自転車(50ccの原付)に乗り始めましたが、当時はまだバイクでも原付だけはヘルメットを着用しなくても一般道を走行できていました。その後数年経って、原付にもヘルメット着用が義務付けられました。その時私はもう車を運転するようになり、原付に乗っていませんでしたが、心の中では「ヘルメットを着用してまで原付に乗る人はいるのだろうか?」と思っていました。

〇実際に友人の一部では、同じようなことを言っている人もいました。しかし段々と原付のヘルメット着用が浸透し、今では当たり前になっています。ですので今後自転車にヘルメット着用義務が課せられても、同じように少しずつ普及していくのでは・・と予想しています。

〇ともかく自転車の利用については、中学生と言えども歩行者に対しての自己責任が問われます。過去には数千万円の損害賠償を中学生の保護者が支払う旨の判決も出ています。十分に気をつけて運転してください。

須藤昌英

【富勢中の折り畳み自転車】