校長雑感ブログ

8月13日(火)パリオリンピックが終わって2(自宅から投稿)

〇オリンピックが終わり、続々と選手たちが帰国し、テレビなどでインタビューを受けている場面をよく見かけます。個人的には、入賞した人たちは現地でも多くの取材を受けていたので、どちらかというと入賞できなかった選手の話も聞いてみたいと思ってしまいます。

〇全校の生徒達には、「人生は思い通りにいくときと思いとおりにいかないときが交互にやってきます」とよく話しています。オリンピックで入賞できたということはやはり「思い通りになった」でしょうが、むしろ「思い通りにならなかった」ときの方が、人生において自分の成長につながるような気がするからです。

〇「思い通りにいかなかった」場合、これまでの努力したことについて振り返り、「では明日からは●●してみよう」と次のステップについて思いを強くすることでしょうし、そこに悔しさが加わるとすぐにでも次の行動に移っていけるような気がします。

〇また多くの選手がインタビューなどで、「ここまで頑張れたのは、周囲のたくさんの方々のサポートや応援のおかげです」と感謝の意を述べていることからも、たとえ「思い通りにならなかった」としても、その支えられた部分はその人に一生残り、「今度は自分が誰かを支える立場になりたい」となるのではないでしょうか。

〇昨日、昔の学級だより「みんな一番」のことを書きましたが、私が学級担任をしていたときに常に意識していたのは、生徒の人間関係は「網の目のようにつながりあっている」ということです。網の目は縦糸と横糸が交差している部分が玉となり、その玉が四方八方に張り巡らされています。そしてその玉の一つひとつが学級に在籍している生徒達です。

〇網の目の中のどれかの玉が上に引き上げられれば、当然それにつれて網全体が上に引き上がります。逆に下に引き下げられる玉があれば、網全体が下に下がります。つまりクラスに所属する生徒同士も互いに常に影響しあい、誰かが成長すればクラス全体も成長し、誰かが落ち込めば全体も落ち込みます。担任時代には、この「網の目の原理」を上手に活用できないかを模索し、学級経営を行っていました。

〇確かに今は昔よりも人間関係はサラッとしていますし、昔のようにお互いに本音で語り合うような「濃い人間関係」はどちらかというと避けられる傾向にあります。しかしこの「網の目の原理」は、クラスだけでなく、人が集団をつくる場合にはすべて成り立っています。日本人がオリンピックでメダルを獲得すると、同じ日本人として嬉しくなるのもこの「網の目の原理」が働いているからでしょう。

〇富勢中全体も大きな網の目であり、その中の生徒一人ひとりが自分の良さを知り自分を成長させていけば、学校全体も成長できます。もちろん私たち教職員もその網の目の一員ですので、一緒に成長していくことを心掛けています。

須藤昌英