サーバー室のとなりから

カテゴリ:授業分析

授業分析の結果6(教師発言率と生徒活動率)

   前回は生徒活動率を取り上げたが、この生徒活動率と以前に取り上げた教師発言率との間にはどんな関係があるだろうか、今回はこの両者の相関関係を見る。教師がしゃべり続ければ生徒の活動時間は当然短くなるから両者の間には負の相関が予想できる。

   相関関係をつかむにはエクセルグラフの散布図を使うと便利である。小中学校別に相関図を示す。さらにウィンドウズ7版では傾向線の式も表示できる。グラフから「生徒活動率=100-1.3×教師発言率」で傾向線の式が求まる。教師発言率をどれ位にすれば生徒活動率がどれ位になるか予想できる。


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授業分析の結果5(生徒活動率)

   無言の生徒の活動を生徒作業率と定義し、これに生徒発言を加えたものを生徒活動率という。この両者には小中とも正の強い相関がある。新学力観でいう生徒の活動を高めるということはこの生徒活動率を高めることである。 では授業における生徒活動率の平均値はどれ位になるだろうか。

   生徒活動率の平均値は、小学校が65.0%、中学校が56.0%である。これは教師発言率の約2倍にあたる。今回も分布図を示す。 このグラフから小学校の分布の山が中学校より高い方にずれているのがわかる。これは小学校の授業における児童の活動時間が中学校より明らかに多いことを示している。

 

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授業分析の結果4(生徒積極発言率)

   生徒 発言の中で積極的に発言している割合はどれ位だろうか。積極的かどうかは発言内容が賛成や反対意見など考えた結果であるか否かで判断する。従って授業における児童生徒の思考状況を知る目安にもなる。

   分析からは生徒積極発言率の小中学校平均値は、小学校が63.6%、中学校が51.2%である。小中ともに発言の半分以上は積極的なものである。教師の予想以上に子どもたちはよく考えて発言しているといっていいだろう。

   生徒積極発言率の分布図を見ると、小中ともに5%未満が大きなピークになっているが、それに加えて70%以上の部分に授業数が集中しているのがわかる。小中学生は授業中、よく考えて発言している。

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授業分析の結果3(生徒発言率)

   今回は生徒発言率である。教師が授業時間中、平均で1/4~1/3しゃべっていることを考えたとき、児童生徒はどれ位発言しているのだろうか。もちろん平均値での話で考えるが、教師より少ないことは予想できよう。

   生徒発言率の平均値は、小学校は10.7%、中学校は8.3%である。教師発言率の平均値が小学校26.5%、中学校33.7%であるから、児童は教師の40%、生徒は教師の24%にあたる。小学生は教師の半分以下、中学生は1/4しか発言していない。

今回も平均値ではわからない分布状況をグラフで示す。児童生徒の授業における活動は発言を伴わないものもあるが、これについては稿を改めたい。

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授業分析の結果2(教師発問率)

   今回は教師発問率の分析結果である。前回、教師は1時間の授業で平均1/4~1/3しゃべっていることがわかったが、この教師発言の中で発問にどれ位時間を使っているかが教師発問率である。 小学校では中学校より発問が細かく、回数が増える。一方、中学校では一回の発問が長く なることが多い。この回数と一回の長さがどう影響するのであろうか。

   小学校の平均値は16.4%、中学校は9.4%である。小学校は中学校の2倍近い。とはいうものの小学校でも教師発言全体の2割に満たない。中学校では1割に満たない。教師はこのごく少ない時間で生徒に問いかけるわけだから、発問を吟味することの重要さが納得できる。今回もより詳しい実態がわかるように分布図を示す。


 

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