サーバー室のとなりから

カテゴリ:授業分析

十数回でも百回でも

   フランダース授業分析の結果をフェイス・ダイヤグラムで表す方法がある。授業を受けている児童生徒の身になって教師主導であれば耳が大きくなり、口は小さくなる。生徒主体であれば耳は小さくなり、目や口は大きくなる。

   しかし、この顔図を作るには多くの分析結果から言語比率を5段階基準表にする必要がある。25年以上前に中学校理科13回分で作った基準で描いた中一理科授業(1984年、昭和59年)の顔図を載せる。

  当時、気がかりだったのは13回分で基準表を作って信頼性はあるのかということだった。その後、分析数が100回を超えたので新基準で作り直してみた。目がやや垂れ気味になった以外はあまり変らないことがわかった。13回と105回の結果で作った基準表の差がこんなには小さいとは、新発見である。

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授業分析の結果10(理科の学年・経年変化)

   これまで授業の学年変化や経年変化をみてきたが、前回取り上げた理科について小学校から中学校まで一貫してどんな変化があるかを調べてみたのが今回のグラフである。分析当初は生活科はなく小学校低学年で理科が行われていたので若干データがある。なお、学年内では右ほど新しいデータである。

  青い線は教師発言率を示すが、各学年内では右にいくほど下がる傾向がある。この下がる傾向は中学校で著しい。一方、ピンクの線は生徒活動率だがこの変化は教師発言率と逆で右、つまり最近になるほど上がる傾向が見られる。このことから新学力観に基づく理科授業が小学校から中学校の全学年でも進んでいるといえる。なお、  今回で授業分析の結果シリーズは終了である。

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授業分析の結果9(理科の経年変化)

  今回は授業分析数の一番多い理科についてその経年変化をみる。教師発言率と生徒活動率が年を追うごとにどのように変わっただろうか。いろいろ言葉を並べるよりもまずグラフを見ていただこう。

 

  小学校の理科授業は9年間、中学校は29年間の変化である。黒い直線は教師発言率、赤は生徒活動率の傾向線を示している。両者とも新学力観に基づく授業への移行を表す結果になっている。教師が発言をおさえ、生徒に考えさせ、活動させる形の授業が行われつつある。中学校は期間が長いだけに変化がよくわかる。

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授業分析の結果8(授業の学年変化)

  今回は学年変化が見られなかった例を取り上げる。グラフは小学校算数の授業である。データは少々古いが、分析数を増やすのは簡単ではない。この例でも丸7年かかっている。算数は学年による変化が少ない授業だということがわかったのは興味深い。

       

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授業分析の結果7(授業の学年変化)

    新年明けましておめでとうございます。三学期が今日からスタート、授業分析結果はもう少し続きます。

授業は学年が上がると変わるのだろうか。変わる場合も変わらない場合もある。今回は変わった例を取り上げる。小学校のコンピュータリテラシーを育成する授業である。授業変化を今まで取り上げた教師発言率と生徒活動率で見る。

   グラフを見る前にまず予想してみよう。小学校低学年では児童の活動が高学年より多いだろうか、少ないだろうか。生活科的に考えれば活動が増えるだろうし、そこまで任せられる段階でないなら教師の発言や指示が多くなるかもしれない。分析した授業は平成元~4年度の「ロゴライター」を利用したリテラシー育成が多く含まれる。


 

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