校長雑感ブログ

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12月7日(水)「2学期いじめの状況調査」より

〇先日、全校生徒を対象とした「いじめ」を把握するためのアンケートを行いました。通常、学校がいじめを認知するのは、「本人からの相談、他の生徒からの情報、職員による観察、保護者や地域の方々からの情報」となっていますが、定期的にアンケートによる状況把握を行っています。そもそも「いじめとは、日常的なトラブルでも、本人が『いじめられた』『不快な思いがした』などと感じるものをすべて」と定義されており、生徒も職員もそれを意識しています。

〇集計した2学期の認知件数は6件で、その内訳は「冷やかしやからかいを受けた」「仲間外れにされた」「傘を隠された」「インターネットで嫌がらせをされた」となっており、最初の「冷やかしやからかい」が一番多く3件で、あとはそれぞれ1件ずつでした。それぞれの案件で、職員が本人及び関係生徒から事情を聴きとり、謝罪や今後についての話し合いを行いました。

〇1学期の認知件数は18件でしたが、例年1学期は進学、進級などで新しいクラスになったり、各学年とも旅行的行事があったりと、まだ人間関係が不安定な面があり、多くなる傾向にあります。ただ1学期と2学期の認知件数を比べると、「冷やかしやからかい」が11件から3件、「仲間外れ」が2件から1件、「軽くぶつかられた」が3件から0件、「物を隠された」が2件から1件、「嫌なことを強要された」が1件から0件とそれぞれ減少しています。

〇柏市では、「いじめが解消した」とする条件の1つが、「発生から3カ月以上当該生徒の関係の中で継続したいじめはない」となっていますので、先ほどの2学期6件の場合も、これから3カ月間は経過観察を行います。謝罪などをもって安易に「解消」としないことは、やはり人の心の中までは見えませんので、仕方ない部分もあります。

〇ひと昔前のように、二人で喧嘩しても「喧嘩両成敗」とはいかず、お互いがそれぞれ嫌な思いを抱くと、それはすべて「いじめ」とカウント(2件)しなければならず、簡単にその場で相手に謝って終わりとできないところが、正直難しいです。ただ大人も含めて生きていく上で一番の悩みは「人間関係」ですので、「こうすればいじめはなくなる」のような究極の方法はなく、丁寧に対応していくしかありません。

須藤昌英

12月6日(火)サッカー日本代表監督のメモ

〇昨晩のサッカーワールドカップは、私はさすがに起きている自信がなかったので、朝のニュースで結果を知りました。ご覧になっていた方々は、さぞ悔しい思いをされたことでしょう。ただ、強豪のドイツ、スペインを破ってリーグ1位で決勝トーナメントに進み、前回準優勝のクロアチアに延長及びPK戦での負けですので、見事だったと思います。また怪我から復帰した本校卒業生の酒井選手も、ドイツ戦以来の途中出場ができたようで、何よりも良かったと感じました。次の4年後の大会のときは、今の生徒たちが全員それぞれ、高校生、大学生、社会人となっているはずですので、先のようですがアッという間にくる気がします。

〇ここまでの試合を観ていて、私が一番気になったのが、森保代表監督が試合中に仕切りにメモを取っている様子が映されたシーンです。私の想像では、その場で気づいたことを忘れないためと、試合を冷静に俯瞰的に分析しようとしてあえて行っているのかと思っていました。

〇インターネットでも、視聴者からの質問として「何をメモしているのか?」というものが多く寄せられたと書いてありました。すると森保監督は「前半が重要」と語り、その内容は選手のプレー内容を記録しているとのこと。例えば「◇◇がシュートを打った、サイドからの攻撃。サイドからやられた〇〇がやられた」という、プレーの流れを書いていると明かしたようです。またその理由について森保監督は「コーチとハーフタイムの時にロッカーに入る前に話をする」とし、「ポイントを言ってもらい、メモと一致していることは、チームに伝えた方が良いので選手に伝える」と語ったといいます。つまり、自身が試合を見ていて気になったポイントをメモし、コーチ陣と気になるポイントが重なったらこれは問題点だと考えて修正するということなのです。

〇それぐらいなら覚えていられると一瞬思う人もいると思いますが、実際の試合では監督といえども興奮度があがり、次に何が起こるか分からず、全て気になったところを覚えていられる保証はないのではないでしょうか?見ていると監督は常に声を出して指示し、すぐに修正しなければいけないポイントは別として、後半に向けての作戦にはメモは欠かせないのだろうと素人ながらに想像しました。

〇森保監督は私よりも5歳年下ですが、その表情や言動、たたずまいなどは、これから新しい時代のリーダーなのだろうと思います。あえて威厳を示さず、選手たちを信頼し、自分の言葉で自分の思いを率直に語るなど、私などもお手本にしたい部分が多いです。

〇メモをとることに関しては、授業中などにも有効なことを、人生の中で一番記憶力が抜群である中学生にもわかってもらいたい気がします。メモをとることの大切さはいくつかありますが、まず情報が整理されるメリットがあげられます。確かに書くことは時間はかかりますが、人間は見ただけや聞いただけの情報を忘れるもので、基本的に生命の危険にかかわる情報以外は忘れるようにできています。そこで文字にすれば、情報の可視化ができ、複数の情報がある場合はそれらの整理も可能となります。

〇私もそうですが、日々の生活の中で感じる「こうしたらいいかも・・」という思いつきは、できるだけメモするようにしています。そのときは「これは今までにない発想かも・・」と喜んでいても、メモを忘れしばらくたつとすぐに思い出せずに後悔することがあります。その他ちょっとした違和感やひっかかる点こそ、新しいアイデアの源になる可能性が高いと思います。

〇サッカーの内容よりも、監督のメモの方が気になるのは、私がサッカー素人であることが要因ですが、そのようにその専門以外の人が抱く疑問などは、尋ねてみると意外なことが多いかもしれません。ですので一応「教育のプロ」として働いていますので、教育の専門以外の方の声を聴くことも大切にしています。それにしても今日は、「寝不足」な生徒や職員も多いことでしょう。

須藤昌英

 

 

12月5日(月)柏市議会(第4回定例会)が開会中

〇中学3年生が社会科(公民)で,「三権分立」を学習していますが、国及び我々にもっと身近な都道府県や市町村などの地方公共団体は、大きく2つの組織から成り立っています。一つは「議決機関(地方議会:条例の制定や予算の決定などを行う)」、もう一つは「執行機関(市長と市役所:予算に基づきそれぞれ担任する事務を行う)」です。簡単に言うと、「前者は後者のやっていることをチェックする機能を果たす」ということです。

〇柏市には36名の市議会議員が市民からの負託を受けており、柏市議会定例会は年4回(3月、6月、9月、12月)開催しています。そして現在第4回定例会が開会中(一般質問:12月1日~8日)です。その様子は直接市役所7階の議場に行かなくても、インターネットでも視聴することができます。市役所の各部へは、事前に質問する議員から質問事項として通告され、それに対して各担当が答弁書を作成します。

〇私も教育委員会事務局に勤務している時は、いろいろな答弁書を作成していました。前述のように、市議会は市役所業務のチェックをするのが役割ですので、答弁書には誠実に、各業務の進捗状況や今後の方向性を盛り込みます。国会での答弁も同様ですが、質問が多い際には、期限日の夜中までかかって作成しています。

〇今回の定例会でも、多くの議員が、教育に関する質問をしています。その一部が、「学校での感染症対策、特別な支援を要する児童生徒、不登校児童生徒支援、タブレット端末活用、部活動地域移行、小中一貫教育、リカレント教育、コミュニティースクール、子どものネット依存、子どもの運動能力、いじめ対策、交通安全対策、アレルギー反応、学校給食、給付制奨学金、教員不足と働き方改革、ヤングケアラー、市立柏高校、公立夜間中学」など多様です。

〇現在行っている本校の体育館改修工事などもすべて、昨年度までの市議会で予算案の承認を受けています。またその建設費は、もともと市民の税金があてられています。生徒たちにもその仕組みを教えていくことは大切であり、終業式に私から話をしようと思います。

須藤昌英

 

12月2日(金)柏市学力・学習状況調査(第1・2学年)

〇柏市学力・学習状況調査は昨年度までは全学年を対象とし、年度初めの4月に行っていましたが、今年度からこの時期に1・2年生のみ行う(3学年はアンケートのみ)ことに変更となりました。この調査の目的は、「義務教育期間を通しての各児童・生徒の経年変化や傾向を見取ることにより、教育指導の充実や学習状況改善を図ること」で、大きく分けると、学力状況調査 4 教 科 ( 国 語 , 数 学 , 英 語 , 理 科 )と生活・学習意識調査(アンケート)になります。

〇柏市は「第2次柏市教育振興画」の中で4つの力(コンセプト、チャレンジ、コミュニケーション、コントロール)を4Cと銘打ち、バランスのとれた児童生徒の育成を目指しています。本校の昨年度の「児童生徒の生活・学習に関する意識況調査」の結果から、4Cについては次の分析がありました。

・コンセプト(見通す力)については、分からないことは、そのままにせず、人に聞いたり、自分で調べたりすることができる生徒が多い。その反面、計画的に取り組むことは、若干弱い。

・チャレンジ(挑戦する力)については、物事に取り組むときに、あきらめずに粘り強く取り組み事ができる生徒が多い反面、失敗を恐れずに挑戦する意欲は、若干弱い。

・コミュニケーション(関わり合う力)については、地域の行事やボランティアに参加する生徒は、少なくなってきている。しかし、他人の話をしっかり聞く姿勢を持っている生徒が多い。自分の考えを説明することが、若干苦手な生徒が多い。今後の課題といえる。

・コントロール(自律する力)については、どの学年も学習に意欲を持って取り組む生徒が多い。学校の決まりやクラスで決めたことを守っている。

〇これを受けて、今年4月からここまで8カ月間、授業改善を図ってきました。14日の保護者会で詳細は説明いたしますが、ただ知識を授ける授業ではなく、問題解決型授業への転換を職員と一緒に目指した結果が、この調査でどのように評価されるかをまた分析し、来年の糧にしたいと思います。

須藤昌英

12月1日(木)給食の時間の「黙食」について

〇今週に入り、文部科学省は給食の時の過ごし方について、「適切な対策を行えば会話は可能」とする通知を都道府県の教育委員会などに出しました。具体的には、「座席配置の工夫や適切な換気の確保などの措置を講じた上で、給食の時間において、児童生徒などの間で会話を行うことも可能」などとして、地域の実情に応じた取り組みを検討するように求めています。

〇ある報道によると、文科省へのインタビューとして、「これまでも文科省の感染対策マニュアルでは、給食時に飛沫を飛ばさないよう『机を向かい合わせにしない』『大声での会話を控える』といった対策を示しているが、全く会話をしない『黙食』という言葉は使っていない」との記事があり、違和感を覚えました。学校現場では常に最悪の事態を避けることを優先してきたからです。また「飛沫を飛ばさないように上手に話しながら食べなさいなど」を子どもたちに指導するのは困難です。目的はわかっても、ではどうするかの手段も一緒に提示してあげなければいけないからです。

〇今も給食の時間になると生徒たちが一斉に前を向き、配膳を終えると黙って給食を食べています。そして20分ほどで食べ終わると再びマスクをつけて食器を片づけています。2年半黙食を徹底してきたので、生徒の中には話しながら食べることに抵抗を感じる子もいると思います。ここにきて感染者も再び増えている状況なので、まずは教育委員会の方針も含めて校内で検討していきます。

〇学校でのコロナ対策をめぐっては、「継続した対策が必要だ」という意見もある一方で、「黙食やマスクなどが生徒たちのストレスやコミュニケーション不足の一因になっている」という声もあります。私としましては、保護者へのアンケートが終わったので、今月中に生徒への学校評価アンケートを行う予定でいますので、その中で、「あなたは今後も給食時の黙食を続けていくべきだと思いますか?」の質問項目を入れ、生徒の意識を把握していきたいと思います。

〇コロナについては、これまでわからないとことが多く、生徒たちを守るために、専門家などの意見を参考にした行政機関の方針に疑いを持たずにとにかく従うことを優先してきました。それはそれで仕方がない面もあったと思います。ところがその中で一番感じたことがあるのは、生徒たち自身であり、彼らに「自分たちが学校生活の主役であるという当事者意識」をもってもらうことが、彼らのこれからの時代を生き抜く力の育成になると感じています。もちろん生徒アンケートの結果のみをもって判断はしません。方針が決まりましたらお知らせします。

須藤昌英

(昨日の黙食の様子)

11月30日(水)リフレーミング

〇2号館2階の心の相談室前の掲示板に、「リフレーミング」に関する啓発ポスターが貼られています。ちょうど階段の踊り場からも正面ですので、私も通りかかるたびに目にとまります。

〇リフレーミングという言葉は、「認識のフレーム(frame)を改める(re)」ことを意味します。リフレーミングとは、物事を別の角度から解釈し直すことで、簡単に言えば、「一つの視点ではなく、いろいろな角度からの見方をすることにより、嫌なことや苦手なことをポジティブ変換する思考テクニック」です。

〇よく使われる例えとして、目の前に水の半分入ったコップがあったとして、これを「なんだ半分しかない」と思うか、それとも「まだ半分もある」と思うか。水の量という事実を変えることはできなくても、その事実をどう解釈するかで、感じ方は大きく変わります。これはだれもが日常生活で経験すみだと思います。

〇リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。モチベーションアップや自分に自信がつく、ものごとへの苦手意識が弱まったり人間関係が良くなったりすることが心理学の面から報告されています。3年生の校長面接では何人かの生徒に、「確かに苦手なことに取り組むのは気がひけますが、『何でも初めから完璧にできる人はいない!』『自分の可能性をのばす絶好のチャンスかも!』ととらえると、『まずはやってみよう!』となりますね。」とアドバイスしました。

〇リフレーミングは主に2種類あり、一つは「今の自分の状況・事実」をリフレーミングしてみること。例えば、私も先日コロナ陽性で7日間の自宅療養をしましたが、最初は「あれもやっていない、これも遅れてしまう」ばかり思っていましたが、「休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられる」と気持ちが変わると「自宅でできることをやろう」と思えました。

〇また「自分の性格や行動の傾向」をリフレーミングすることも多いです。例えば、いつもいろいろなことに心配性な人も、「想像力があり慎重にものごとをすすめることができる」と切り換えると、また違ってきます。ただこれは、なかなか自分では気が付きにくく、他人からのアドバイスが大きなポイントをしめると思います。

〇昨日冒頭のポスターを見つめている生徒がいました。あえて声をかけませんでしたが、今度見かけたら「何か参考になることがありますか?」と尋ねてみようと思います。

須藤昌英

11月29日(火)2学期学校教育診断アンケートについて

〇先日ご依頼した「2学期の学校教育活動に関する保護者アンケート」は、生徒にとってよりよい教育環境作り・わかりやすい授業を目指すための参考資料とするためにお願いしています(アンケートは、QRコードからお答えいただくか、文書裏面にご記入いただき、封筒に入れて担任にお渡しください。)。回答期間を昨日の「11月28日(月)まで」としておりましたが、まだ未回答の方は、本日と明日(今月中)にお願いしたいと思います。

〇アンケート10項目のうち、次の4項目は富勢小、富勢東小、富勢西小と共通項目になっています。同じ学区にある学校として、教育内容は異なりますが、目指す方向性は同じにしたいと日頃から4校の校長では話し合っています。

・生徒は、進んで学習したり、本を読んだり、調べたりしながら自ら学ぼうとしていましたか。

・生徒は、自分や周囲の人を思いやる行動や言葉がけをしていましたか。

・生徒は、進んで体を動かしたり、規則正しい生活をしたりして、心身ともに健康に過ごせましたか。

・学校・家庭・地域は連携して学校運営を行っていたと思いますか。

〇学校はこのアンケート結果を受け、来年の1~3月にかけて、新年度の教育計画を立案していきます。私としましては、今年度の成果と考えられる面はその要因となる部分に新たなアイデアを注入し、課題となった面は地域や保護者、教職員の思いや願いはどこにあるかを分析しながら、「ゼロベース」で再検討していくつもりです。

須藤昌英

11月28日(月)「いじめ防止サミットKashiwa」

〇26日(土)に、柏市沼南庁舎において、柏市内の中学校21校の代表生徒が2名ずつ集まり、「いじめ防止サミットKashiwa」が開かれました。テーマは「いじりといじめの境目は?」で、柏市の田牧教育長の挨拶に続き、株式会社スタンドバイ代表取締役の谷山さんがファシリテーターとなって、参加者がグループで話し合う形式の学習でした。

〇本校からは、生徒会長の原 心渚さん(2年2組)と副会長の新倉 未菜(2年1組)さんが、富勢中を代表して参加しました。二人とも積極的に自分の意見を発表したり、他の中学校の生徒の話を真剣に聞いたりしていました。

〇最初にアニメによる問題提起がありました。そのシナリオは、「仲良し男子3人組の中で、一番気の優しいジュンが他の二人(アキラとカンタ)から『芸能人のモノ真似をやってよ』と言われた。ジュンは、気乗りしないものの二人に気兼ねして、いろいろな場でそのモノ真似をした。するとその他の友人からも『似てる!』とけっこう反応があったので、ジュンは心の半分ではまんざらでもなかったが、そのうち『いつまでこれをやらなければならないのだろう?』と疑問をもつ」という内容です。

〇これを題材に、ジュンにモノ真似をやらせた二人の気持ちやジュンの気持ちの変化について話し合いました。当日の意見の一部には、「アキラとカンタは最初は軽い気持ちでやっていたが、友達ならば途中からジュンが嫌がっているのをわかっていたはず」「ジュンはやりたくはないけど、断ったら仲間たちが楽しんでいるその場の空気をこわすから、今さら嫌だと言えないのだろう」などがありました。

〇大人の私でも考えさせられるテーマでした。普段からお互いに仲が良いからといって、どこまでこちらが相手にしてほしいことを強要できるのか?相手にどのタイミングで「あなたの本当の気持ちはどう?」と尋ねるべきなのか?仲の良かった人間関係が、ちょっとしたことで悪化していくのは、大人の社会でも気をつけていかなければなりません。

〇よい機会をもらったので、この教材を使って、12月23日の終業式に、オンライン形式で生徒会が中心となって、全校生徒に「いじめ」について考える時間を設定しようと計画しています。

須藤昌英

11月25日(金)2学期期末テスト(1・2学年)

〇昨日と今日は、1・2学年は定期テスト、3学年は実力テストを行っています。今日は特に給食もなしで下校となり、午後は家庭で過ごしますので、安全などに気を付けるように、声をかけてください。時より近隣の方から「中学生の自転車の乗り方が悪い」などの電話や情報をいただきますが、ほとんどが放課後に自宅から出かけた場合のことですので、学校でも指導をしますが、ご家庭でもよろしくお願いいたします。

〇先日、「2つの記憶」について書きましたが、私も有効だと感じている「経験記憶」にも弱点があり、それは放っておくとしだいに単なる「知識記憶」に置き換えられてしまうこと(体験がそぎ落とされていつかは知識記憶になってしまう)です。

〇そこでそれを補うためには、ときどきその知識を人に説明し、新たな経験記憶として鍛え直す必要があります。一説によると生物の進化の過程では、視覚よりも聴覚をより発達させてきたという事実があるようですので、一般に耳を使った学習は、目を使った学習よりも効率が良いと言われています。つまり、人に説明するときに「声を出す」というのは、脳にとっても刺激がありそれによって記憶が強化されるのです。

〇中学生も前半は、知識記憶(丸暗記)に頼っても良いと思いますが、後半は経験記憶(理論的)を積みあげるために自分なりの勉強方法を確立していく変える必要があるのではないでしょうか。

須藤昌英

11月24日(木)「子どもの学び応援事業」(柏市)について

〇まずは昨晩の「FIFAワールドカップカタール2022」の日本対ドイツ戦は、幸い深夜ではなかったので、私もすべて観戦しました。後半の見事な逆転勝利で、本校卒業生の酒井宏樹選手もディフェンダーとして活躍していました。ゴールを決めた選手が注目されるのは仕方ありませんが、彼のチームへの貢献度は、サッカー素人の私でもわかりますので、誰もが認めるところでしょう。次回の試合も期待しましょう。

〇本題に移りますが、先日の市内小中学校校長会議において、市内の小・中学生全員に、「本の贈り物」として、自宅学習等で使用できる図書カード(5,000円)が、来年1月中旬以降に配付される予定との情報提供がありました。

〇目的は、「新型コロナウィルスの影響等による物価高騰等で、家計への圧迫がある中で、子どもたちが豊かな教養を育むことが継続できるように支援する」であり、本事業の案内チラシを12月中旬までに学校を通して、各家庭へ配付(事前の申請は不要)するそうです。

〇五千円の使い方を各家庭でも生徒と話し合っていただきたいと思います。普段は手軽に買えない高価な本(大型の図鑑、各専門雑誌、シリーズ本など)を事前に調べ、自分の興味・関心をさらに広げたり深めたりできることが理想だと感じます。

〇もちろん、家庭学習で使用できる学習参考書なども有効だと思いますが、少なくとも無計画に書店で目に付いた本を手に取っていたら、いつのまにか五千円になったなどは避けたいものです。書店でじっくりと本を探すのも、よい学びの経験になります。

須藤昌英

 

11月22日(火)「富学協」会議

〇19日(土)の15時より、「第10回柏市立富勢中学校区学校運営協議会全体会議(富学協)」をオンラインで行いました。中心の議題は、8月に協議会委員の方々と4校の教職員が行ったグループワーク「熟議」の結果報告と今後「4校合同の挨拶運動」を行っていくという提案があり、了承されました。

〇またその際、「富学協(ふがくきょう)」のロゴマークが入った「のぼり旗」をつくることになり、その8案が示され、子どもたちの意見も取り入れながら、ロゴを決定していくことになりました。デザイン案は、地域にお住いのデザイナーの方にお願いしましたところ、「富学協」ですから、富士山の入ったデザインもあり、洗練されたものばかりです。何に決まるか楽しみです。

須藤昌英

11月21日(月)花鉢配付ボランティア活動

〇19日の土曜日、富勢地域ふるさと協議会及び各町会・自治会の皆さまとボランティアの生徒が一緒に、これまで育ててきたビオラの花鉢をお手紙と一緒にお宅に伺って、配付してきました。

〇受け取っていただいたご高齢の方々からは、3年ぶりに中学生が届けてくれたことに、感謝の言葉がありました。中には、「孫が富勢中にお世話になっています。」との話から、そのお孫さんが届けた生徒と同じクラスだったことが偶然わかり、びっくりしていました。同じ地域に住んでいるからこその「こぼれ話」です。

〇11月としては暖かく小春日和で、参加した生徒たちも「最初は緊張しましたが、あたたかく迎えていただき、良い経験ができました」と感想を言っていました。これからこの地域を支えてくれる生徒たちに、地域への愛着心が芽生えてくれると、このボランティア活動の目的にも沿ったことになります。

須藤昌英

11月18日(金)記憶の種類と学習

〇昨日のブログで、「学習の基本はまずは覚えることから」と書きましたが、人間の「記憶」とは大きく分けると、「自由に思いだせる記憶(経験記憶)」と「自由に思い出せない記憶(知識記憶)」があります。いわゆる「ド忘れ」は、ほとんどが人の名前などの知識記憶で、スムーズに思い出すには、何かのきっかけが必要です。私なども最近人の名前が覚えにくくなったので、初対面の相手の苗字が、だれか他の有名人と同じならば、心の中で、その人の顔とその有名人の苗字をセットで繰り返し覚えようとしています。すると後になって有名人の苗字がきっかけとなり、その人の苗字を思い出しやすくなります。これは単なる人名という「知識記憶」を、有名人(一種の過去からしっているという「経験記憶」)の力をかりて記憶を強化していると言えます。

〇そこでそれを応用として、テスト範囲の内容も知識記憶ではなく、経験記憶にすればよいと考えられます。単純な知識記憶も個人的な情報や周辺の環境に関連付けて覚えると忘れにくくなります。例えば、脳にとっては負担が少なく、効率の良い暗記法として、昔から「語呂合わせ」があります。その際、言葉の音声のリズムやノリだけでなく、意味していることをきちんと「想像」することが大切だと私の経験からも感じます。

〇有名なのが、理科の「周期表にある20番目までの元素記号」があります。それは、次のように並んでいます。

H(水素)He(ヘリウム)Li(リチウム)Be(ベリリウム)B(ホウ素)」、C(炭素)N(窒素)O(酸素)F(フッ素)Ne(ネオン)Na(ナトリウム)Mg(マグネシウム)Al(アルミニウム)Si(ケイ素)P(リン)」、S(硫黄)Cl(塩素)Ar(アルゴン)K(カリウム)Ca(カルシウム)

これをいろいろな「語呂合わせ」があるようですが、私などは、「水兵リーベ僕の舟 7曲がりシップス クラークか」とつぶやきながら覚えました。語呂に合わせて、「海軍」や昔のテレビドラマ「太陽にほえろ」、「クラーク博士」などの画像イメージを頭で再現していました。

〇ただ一番大切なのは、なんでも面白がって覚えることです。元素記号などもその重要性も考えず、ただ語呂合わせで覚えても、あまり定着することはありません。授業中に、「ここって不思議だけど、何となく面白い」という感情があって、それを足掛かりにして、家庭学習などで覚えていくことが理想だと思います。

須藤昌英

 

11月17日(木)期末テスト1週間前(1・2学年)

〇来週の24日(木)と25日(金)は、1及び2学年の期末テストが行われます。すべての学習の基本は、「まず覚えられる範囲で基礎的な事項を覚えつつ、次に理解できた事項を確実にいつでも使える知識にする」ことです。脳の海馬については前にも書きましたが、テスト準備の期間中もしっかりと睡眠を確保し、海馬の活躍に期待するのが鉄則です。

〇昔から「一夜漬け」つまり直前に詰め込むやり方の是非が議論されてきましたが、「一夜漬け」のようなものを「集中学習」と呼ぶに対し、逆に毎日コツコツ勉強することを「分散学習」といいます。ただし「分散」とは注意力が散漫で集中していないという意味ではなく、時間を区切って少しずつ行うことです。また学習とは、「ものごとの関連性を習得すること」でもあり、今まで独立していた事実が頭の中でつながることです。簡単な例では、「GO」と「行く」のように、英語と日本語の意味の結び付けを行うことがあげられます。このつながりを強固にするには、繰り返し「学び続ける」しかありません。

〇「上手に覚える」ような成功を導き出すためには、それだけ多くの失敗が必要で、記憶とは「失敗」と「繰り返し」で形成・強化されます。何度も失敗すると、それでやる気がなくなっていきそうになりますが、その解決策の一つが、「得意な面を活かして学習する」ことです。苦手な教科は誰にでもあるもので、その苦手分野でクヨクヨせず、逆に得意を素直に活かすと、全体として成績が上昇することが知られており、教育心理学では「特恵効果」といいます。

〇これはテスト当日にもあてはまります。、テストを受けている際中も、自分の得意な問題から手を付け、そこから自信がつくと、やる気や集中力が高まります。よく食事で、「美味しいものを最後に食べる」「美味しいものは最初に食べる」のような話がありますが、学習については圧倒的に後者が有利で、「得意なものは最初にとりかかる」です。

須藤昌英

11月16日(水)初めての感染で思ったこと

〇実は先週の火曜日の夜に自宅で発熱し、その晩にコロナの陽性が発覚、次の日から昨日までの7日間自宅で療養していました。今朝から勤務に復帰しました。この間この「校長雑感ブログ」も自宅から更新していました。

〇家族の中で最初に、87歳の母が喉の痛みを訴え、咳をし始めたので、家の中で生活する動線をわけるなどの警戒をしていました。ところがその母はその後発熱はせず、回復に向かいました。それと代わるように、私と妻が喉に違和感を覚え、咳が始まったのちその晩のうちに発熱しました。夜は発熱外来は受け付けしてもらえず、薬局で抗原検査キッドを購入して、すぐに「陽性」が判明しました。コロナそのものに対する薬は手に入りませんので、喉、咳、鼻水への処方箋を服用しつつ、幸い食欲はありましたので、お粥を中心に食事はとれました。

〇健康な時には気づきにくいですが、生きる上でいかに「呼吸」が大切かということがこの療養で身にしみました。高熱や咳が出ているときも、無意識に呼吸はしていますが、そういうときこそ少し呼吸に意識を向けて、まずはゆっくりと身体中の息を吐き出しますと、その反動で新しい空気が自然と入ってきます。呼吸が深くなると精神的な不安も少し和らぎます。

〇よく病院の診察時などでも、まずは「吸って」、次に「吐いて」の順で医師から指示されますが、本当は順番が逆で、しっかりと「吐く」と、自然と「吸える」のか?と思いました。咳止めなどの処方箋も確かに有効ですが、局所的ではなく、身体全体をケアし、本来もっている「自然治癒力」を最大限に引き出すには、呼吸を整えることが一番簡単にできることだ!と感じました。

〇そしてこれは人間関係も同じで、まずは自分から相手に何かを「Give(与える)」ことから、それによって相手から何かを「Get(得る)」させてもらうような関係が理想かもしれません。なぜ呼吸から円滑な人間関係へと考えたのかは自分でも不思議ですが、身体がつらいと普段とは違う思考過程になるようです。

〇最後に心配なのは、私のような年齢の高い者ではなく、若者は重症化リスクは高くないものの、「軽症」で済んでも後遺症が続く方が増えていると聞くことです。後遺症は嗅覚・味覚障害や強い倦怠感が多く、中には発熱や呼吸困難など日常生活に支障をきたしているという相談事例も増えているようです。私の経験からも、「もしかして自らが感染者かもしれない・・」という意識を持って、他人に感染させないように行動することの大切さを再認識しました。

須藤昌英

 

11月15日(火)「人生、遅すぎることはない」というメッセージ

○3年生と校長面接をしている中で、時々「自分自身に自信をなくしているのでは・・」と感じる生徒がいます。面接時間は一人10分間ですので、その原因を詳しく聞いたり、アドバイスをしたりすることはなかなか難しいのですが、そんなときいつも私の頭の中をよぎるのが「人生、遅すぎることはない」という言葉です。

○この言葉は、野球漫画で有名な水島新司(1939年~、現在83歳)作「あぶさん:84巻第3話」の題名です。この「あぶさん」もプロ野球を題材にした超大作の漫画で、41年間で全107巻、今から10年前の平成24年に幕を下ろしました。私も全て読破したわけではなく、たまに見かけると読んだくらいですが、プロ野球選手の主人公が野球だけでなく、身近な人達との人情的なやりとりがクローズアップされた作品で、読むと深くその物語に入り込んでしまいます。

○この「人生、遅すぎることはない」との出会いも、まだ私が三十歳代後半だったと思います。具体的には覚えていませんが、仕事で何かの壁にぶつかって悩んでいた時、たまたま家族と行っていたスーパー銭湯のソファーの横の本棚にあったコミック雑誌をパラパラとめくっていました。するとその中に、主人公が成績不振にあえぎながらもある人の言葉からまた立ち上がろうとする物語が目にとまり、その場で何度か読み返したのを今でもはっきりと覚えています。

○読み終えるとすぐに、「やってもみないことをくよくよ悩んでも仕方ない、とりあえずやってみて、もしうまくいかなかったら、またそこで考えよう」と思え、明るい気持ちで帰路につきました。私はそれまでは「漫画やアニメなんて・・」と勝手に遠ざけていましたが、それをきっかけに、メッセージ性やストーリーが優れているものがけっこうあることを再発見し、注目するようになりました。

○前振りが長くなりましたが、話をもとに戻します。冒頭の生徒達には、次のような言葉がけをしてあげたいと思っています。「今まで何度かやろうとしたけれど出来なかったこと、今の自分では到底出来そうもないとあきらめてきたことなどは、誰にでも1つや2つはあります。しかしそれらは多くの場合、『本気』で取り組もうとする前に、尻込みしてしまったことがほとんどではありませんか?「あの人だから出来るんだ」とか「自分にはそんな能力はない」と思い込んでいませんか?生きているかぎり、何でも「手遅れ」ということはありません。周りからは簡単そうにやっているようにみえることでも、その人は他人が見ていないところで必ず努力しています。その表面だけの姿で判断せず、まずは自分の出来ることから始めてみること。そしてそれを工夫しながら続けてみること。そのきっかけが一番重要であり、まさに今、新たなチャレンジをする勇気をもってほしい。」

須藤昌英

 

11月14日(月)「個性を鍛える」について

○3年生との校長面接では、生徒は制服を着て校長室に入室し、迎える私は必ず上着を着用しています。生徒とは着ている制服の話をする時間はほとんどありませんが、ふと思い出したことがありました。

○今から20年前くらいに学級担任をしていたころ、生徒達と当時の学校の制服について、何度か話し合いしたことがありました。生徒達は、「決められた制服や頭髪の基準、またそれらの身だしなみなどの約束があるのは窮屈な気がする」と言っていました。もちろん私が中学生の頃も同じでしたが、「中学校の時だけの決まりだし、みんな同じだから」と感じるくらいで、当時の生徒のように「自由がない、窮屈」とまでは思いませんでした。

○そこで当時、あるインタビュー記事で映画監督の大林宣彦さんが、「制服」について学生に語っている文を見つけ、学級通信に掲載しました。引用します。「確かに制服はみんな同じで変わらないかもしれないけれど、その人が読んだ本、聴いた音楽などによって、まずその人の目の輝きや語る言葉が変わってきます。そうするとその同じ制服を着ていても、『個性』が出てくるんです。制服はファッションではなく、【心のあらわれ】です。同じものを着て窮屈で嫌と感じるとすれば、君の言葉を磨きなさい。君の目の輝きを磨きなさい。そうすると君の着ている制服は、君だけに似合う『個性』になるよ、と言いたいですね」

○映画監督は一つのテーマをいかに表現するかをいつも考えてそれを仕事としており、その「表現のプロ」が言っているので、言葉に重みがありました。私は学級通信に、その解釈として「つまり表面ばかりに目を奪われて本質を磨くことを忘れてはいけないということを教えてくれていると思います」と添えました。もちろん生徒達はすぐに納得していたわけではありませんが、生徒達の疑問に寄り添うかたちで、教員として一緒に学んでいたことは忘れることはありません。

○また大林さんはこうも言っていました。「制服というのは対話の手段なんです。人間どうしは対話をすることでお互いを理解しようとします。対話とはお互いの違いを知る作業で、君と僕はこれだけ考え方が違うんだね。だからお互いに価値がある。これが共存共栄の意味だと知るわけです。違いを知るためには、一つの同じ土壌にいなければダメなんです。そのルールが制服だと思えば、制服を着せられたからみんな同じだと思うのではなく、同じ制服を着ているけれど、僕はこういう言葉を語るし、君はこういう言葉を語る、そうするとその制服が違って見えるということからも、個性を鍛えることができると思いますね」

○後半の言葉は、当時大人であった私も深くうなづくものでした。今の中学生は、制服についてどう思っているのか。何かの機会で、今度聞いてみたい気がしました。

須藤昌英

11月11日(金)3学年期末テスト

○今日と来週の月曜日は、3年生のみ2学期の期末テストを行います。今日は、国語、理科、英語の3教科、月曜日は社会と数学の2教科です。

○なぜ3学年だけはやく行うのかは2つの理由があります。一つ目は、高校入試の際に中学校が高等学校へ提出する「調査書(生徒の3年間の生活及び学習の記録)」を作成するために、3学年の学習評定を確定することが必要になります。1及び2学年の学習評定はすでに確定していますが、3学年は1学期及び2学期の学習の様子を総合的に勘案します。そしてまず、そのもとになる「保護者連絡票」を作成し、本人及び保護者に内容を確認してもらった上で、正式な「調査書」を年開けまでに作成します。

○もう一つの理由は、特に私立高校の場合、その学校独自の「推薦制度(第一志望または第二志望以下もある)」があり、その推薦制度の条件に志望した生徒の成績が見合っているかを、来月から中学校の教員が高等学校へ出向き、「入試相談」を行います。この際に、先ほどと同様に、1及び2学年の成績に加え、3学年の1学期及び2学期の評定が必要になってきます。もしこの「入試相談」で、高等学校側がその生徒が基準を満たしていることを認めれば、その生徒は願書などを出す時に、「○○推薦」を利用した出願が認められます。一番早い出願は、12月から「茨城県私立高等学校」となり、その後、「千葉県」「東京都」「埼玉県」と続きます。

○生徒の皆さんには、これまで努力した成果があらわれることを願っています。

須藤昌英

11月10日(木)「超・進化論」

○日曜日の夜9時からの「NHKスペシャル」は、政治・経済から文化、大きな事件・事故の検証分析など、多様なテーマを新しい視点から学べるので、毎週視聴しています。

○特に自然科学に関する内容は、一番興味深く、先週は「超・進化論」として、これまで見ることができなかった生き物たちの驚くべき世界を、映像化していました。植物がまるでおしゃべりするかのようにコミュニケーションをしている様子や、幼虫からまるで違う成虫の姿へと大変身するサナギの中の透視映像は、世界で初めて撮影されたものでした。

○この番組の主旨は、「生き物たちの営みの大半は、私たち人間には見えていない」ということと、「生き物たちは、人間とは違うやり方で世界をとらえている」ということでした。人間の目線から脱却して、「生き物たちが感じているもうひとつの世界に近づきたい」というアプローチでした。

○これまでの進化論の中心的な存在であったダーウィンは、その著書「種の起源」の中で、「唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」と主張していますが、これからはすべての生き物は自分の種の保存だけを目的に争って生きているという解釈になります。

○しかし生き物たちは、厳しい生存競争を繰り広げる一方で、種を超えて複雑につながり合い、助け合って生きているというのです。「人間は最も進化した生き物だ」という思いこみをやめて、地球を支える「生物多様性の本当の姿」が今後明らかになってくるでしょう。

○具体例として2つが印象に残りました。まず植物の「感覚」とも言うべき、周りの環境を感知する能力として、虫が葉をかじる音に対して、植物が防御の反応を起こしているという事実です。植物は人間が持つ目や耳のような感覚器官を持っているわけではないため、私たちは彼らの能力を過小評価してしまいがちです。目も耳もなく、動くこともない彼らは、「ただ黙って立っているだけの、鈍感な存在」とも思ってしまいがちです。しかし最先端の研究者たちからすると、むしろ逆で、植物は動けないがゆえに、周囲のあらゆる環境の変化を、時に動物以上に敏感に感じ取って対応している可能性があるというのです。

○もう一つが、森の地下には、木と木をつなぐ巨大な菌のネットワークが存在しているという事実です。この目に見えない地下でのつながりは、遺伝子解析技術によって明らかになってきており。数十メートル離れた植物どうしが、同じ菌糸(細い糸状の菌)のネットワークでつながっているようです。加えて植物が光合成で得た養分が、その菌糸のネットワークを介して、他の植物へと送られているという研究結果が発表されていました。

○これまで暗い森の中で生きることが難しいはずの小さな幼木が、どうして成長できるのかや、広葉樹と針葉樹の共栄については、謎の部分が多かったのですが、大木の地下で育まれた菌糸のネットワークにつながり、そのネットワークを通して小さな木に栄養を送ったり、冬場に葉を落とす広葉樹に針葉樹が栄養を提供したりしていることがわかり、その謎が解明されつつあるようです。

○「食う・食われる」だけではない、このような植物の「支え合いの世界」のように、お互いに助け合って生きていることが「超・進化論」であるならば、我々人間も争うのではなく、一緒に生きていくことをもっと意識すべきだと視終わった後に感じました。

須藤昌英

11月9日(水)宇宙の神秘

 

○昨晩の皆既月食は、雲も少なく自宅からもよく見られました。通常は太陽の光を反射して明るく見える月ですが、地球の影に入るとその姿が当然見えなくなります。

○そのような知識をもって観察することも大切ですが、それ以上に宇宙の雄大さ、美しさ、神秘性を感じることができます。よく「天体ショー」などと言われますが、少し違和感を感じます。宇宙や自然は決して人間のために存在しているわけではなく、人間がその空間を「間借り」して生きていると思うからです。

○地球上の干潮や満潮などの潮のみちひきの現象は、もともと月の引力によるものです。中学生の頃、月も地球に引っ張られ、地球も月に引っ張られていると教わったとき、そのイメージをふくらますためによく月を眺めていたのを思い出しました。生徒など若い頃の探究心は大切にしてあげたいです。

須藤昌英

 

11月8日(火)秋の収穫(サツマイモほり)

〇秋の味覚の代表格の一つにサツマイモがあります。昨日の午後、富勢東小学校の児童が来校し、あすなろ学級の生徒と一緒に、「紅はるか」と「紅あずま」の芋ほりをしました。予想以上に大きな芋もあったので、小学生ではなかなか抜けずに、中学生が活躍しました。

〇芋ほりで大切なことは、いきなりスコップを土に差し込まないことです。スポッと引き抜くためにも、掘り起こす時は少し広い範囲で周りの土を手などで柔らかく崩しておきます。この時に土を触る感覚を子どもたちは楽しんでいました。

〇芋の他には、たくさんのツルが残りましたので、乾燥させてクリスマス用のリースを作ります。

須藤昌英

 

 

11月7日(月)柏市技術・家庭科作品展

〇一昨日と昨日、さわやかちば県民プラザにて、柏市技術・家庭科作品展が行われ、本校から16点の作品を出品しました。

〇県民プラザの隣は、県立柏の葉公園ですので、久しぶりに見学後に公園内を散策しました。県民プラザも柏の葉公園も、前任校の西原中の学区内にありありましたので、在任当時はよく行っていました。この時期は木々の紅葉も進み、バラ園では色々な種類のバラが、香りの高さを競っていました。

〇作品展では生徒たちの造形美、公園では自然美を感じることができました。今日は「立冬」です。冬の足跡が近づいています。

須藤昌英

 

11月4日(金)文化の日に「平和」について考える

〇昨日は朝から澄み渡る青空が広がり、暑くも寒くもない過ごしやすい一日でした。「このような気候が一年中続けば・・」などと思わず思ってしまいます。

〇ところがニュースでは、北朝鮮がミサイルをこれまで以上に危険な状態で発射し、日本、韓国、アメリカへの対抗意識をましているとの見方が強まっています。今年の2月からの継続しているウクライナとロシアの争いは、まだ遠い大陸の話と関心を寄せながらもそこまで緊迫感はありませんでした。しかし実際には連日、市街地にミサイルが着弾し、住居やインフラが破壊され、市民の悲痛な表情が報道されています。

〇この北朝鮮の動きや中国と台湾間でのキナ臭い関係は、日本の近海での話であり、その危機感が日本国政府が防衛費を増大させることにつながっている事実は、私たちの生活に直結してきます。政府与党内では、「北大西洋条約機構(NATO)諸国が国防費予算をGDPの 2%以上とすることを目指していることを念頭に、日本でも防衛費を5年以内にGDP比2%以上とすること」を求める声が強まっているようです。2022年度当初予算で防衛費はGDP比1%の5.4兆円でした。これを5年間でGDP比2%まで引き上げるには、単純計算で毎年約1兆円程度ずつ増額していくことが必要となるそうです。

〇私は2月からの8カ月間、「教員としてこの状況から中学生に何を伝えていけばよいか」をずっと考えています。夏ごろにある調査から、日本の若者の7割以上が、「日本の防衛力を強化することに賛成している」と知ったとき、正直「これでいいのか」と呆然としました。

〇私が教員になった昭和の終わり頃には、まだ先輩の先生方の中には、「教え子を戦場に送らない」ことを常に念頭におき、絶対非戦の考えを中心に、「民主主義の精神を生徒達に伝えたい」と強く願っている方がいました。しかしその後、平成の30年間と令和の4年間が過ぎ、そのような意識をもつ教員は私も含め皆無といってよいほどです。

〇もちろん歴史的・政治的なイデオロギーを生徒に教え込むというのではなく、もっと身近な日頃の生活の中で、他人を排除したり仲違いすることの延長が、大きな戦争につながるということを考えさせることは必要だと思います。少なくとも、「やられたらやり返す」「やられる前にやる」などのような短絡的な考えではなく、お互いが今の問題に向き合い、相手の話に耳を傾け、どうしていったらよいかの話し合いを継続していく姿勢をもってもらいたいのです。

〇昨日は「文化の日」でしたが、1948年 (昭和23年) に、「自由と平和を愛し、文化を進める日」として国が制定した国民の祝日です。この日は、1946年 (昭和21年) に日本国憲法が公布された日であり、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、1948年 (昭和23年) に公布・施行された祝日法で「文化の日」と定められました。

〇「文化」は英語で表すと、「カルチャー:culture」ですが、それは「耕す」が語源であり、音楽、美術、書画、映像などの芸術により、人間の心を豊かにしてくれます。しかし、その前提は、「自由と平和を尊重する」世の中でなくてはなりません。自宅近くの手賀沼や北柏ふるさと公園を散歩しながら、そんなことを思いました。

須藤昌英

(手賀沼と青空に浮かぶうろこ雲)

11月3日(木)頑張れ!酒井選手(サッカーワールドカップ)

〇先日の1日に、今月中東のカタールで行われる「FIFAワールドカップカタール2022」の日本代表メンバーに、本校卒業生の酒井宏樹選手(現浦和レッズ所属)が選ばれました(3度目)。翌日の千葉日報には、本校のサッカー部と若いころ一緒のチームでプレーしていた郡司先生(保健体育)のインタビューが掲載されました。

〇酒井選手は1990年生まれの32歳、平成18年に富勢中を卒業しています。当時の卒業アルバムには、学ランを着て満面の笑顔の酒井選手が掲載されています。卒業後柏レイソルをはじめ、サイドバックとして、これまで数多くの日本や海外のチームで活躍しています。

〇11月20日が開幕ですので、富勢地域及び全校で応援していきましょう。

須藤昌英

 

11月2日(水)来年度の合唱コンクールについて

〇昨日の合唱コンクールは、柏市民文化会館大ホールで午前中にプログラムを詰め込み、保護者の方々には学年入れ替えで鑑賞していただきました。「お知らせ」には、感想を掲載しています。

〇来年度の合唱コンクールですが、現時点でまだ会場である柏市民文化会館大ホールの予約が確定していません。例年明日の「11月3日文化の日」の前後は、他の団体も使用することが多く、令和5年11月1日は、抽選になる可能性が高いです。

〇9月の体育祭後、約1か月半程度の練習期間が最低でも必要ですので、この時期に行うことが多いのですが、本校も今日から「三学年の三者面談」が始まりますので、11月中旬に合唱コンクールを設定することは、進路指導(進路事務)の日程に影響があるので、難しい状況です。

〇もし、来年度11月の初旬に柏市民文化会館大ホールの予約が取れない場合には、学校の体育館で開催するしかありません。抽選結果は今月中にわかりますが、何とか当選するように願っています。

須藤昌英

(昨日の朝、柏市民文化会館に集合した生徒たち)

11月1日(火)令和4年度合唱コンクール

〇本日の午前中に、3年ぶりの合唱コンクールが、柏市民文化会館大ホールで行われます。生徒たちは現地に9時までに集合します。途中経過を少しずつお知らせしていきます。

   【結果速報】                         1学年 優良賞1組 優秀賞3組                2学年 優良賞1組 優秀賞5組                3学年 優秀賞4組 全校最優秀賞1組

ご来場いただき、ありがとうございました。

須藤昌英

 

 

 

 

 

 

10月31日(月)高校生インターンシップ(職場体験実習)

〇先週の3日間、県立柏中央高校の1年生3名がキャリア教育の一環として、本校に実習に来ました。3人はまだ高校へ入学して7か月、また松戸市や流山市の中学校を卒業しており、しかも本校のことはよく知らないこともあり、少し緊張していました。感想を聞いたので掲載します。

【青山航成さん】

先日お世話になりました、この度はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。先生方のご指導を生徒としてではなく、教員の立場で見させていただいたことは、とても新鮮で、自分にとって、大変勉強になる3日間でした。実習前は、教師という仕事に対し、「辛い仕事」というイメージ持っていましたが、実習を通して、人に教える事の楽しさを感じました。また、先生方の生徒たちの事を第一に考え、常に自己を高めていくその姿勢を肌で感じとることが出来ました。この経験を活かして、将来、教育の世界を目指す事になった際、常に生徒に寄り添える先生になれる様、頑張っていきます。

【菊田妃七さん】

実習前は教師という職業について「ただただ大変」という想像しかありませんでした。しかし実際に体験をして、生徒の方から挨拶をしてもらったり、勉強を教えてわかったと言ってもらったりした事が本当に嬉しくて、まだ教師の"体験"ですが「大変なのは勿論だが楽しいと思える仕事」なのではないかと感じました。今後の高校生活ではこの経験を忘れず自分から挑戦、教師という職業にもっと関心をもっていきたいと思いました。インターンシップ期間中、多くの先生方に一方ならぬご丁寧なご指導をいただきました。本当にありがとうございました。

インターンシップ制度はいろいろな職場で行われていますが、やはり「百聞は一見に如かず」で、現場で感じることが大切だと思います。若者のポテンシャルの無限だと思います。

須藤昌英

10月30日(日)田嶋勉氏「還暦記念演奏会」

 

〇本校の11月1日の合唱コンクールで審査員をお願いしているお一人の田嶋勉先生が、昨日柏市民文化会館大ホールで「還暦を祝う演奏会」を開いたので、花束を持って聴きに行かせてもらいました。田嶋先生は、この3月まで市内の小学校の校長をされていましたが退職後、以前からの作曲家としての仕事を本格化させて活躍されている方です。

〇田嶋先生とは今から30年以上前、市内の同じ中学校で勤務して以来、仲良くさせてもらっています。当時はお互いに20代の若手教員でしたので、放課後などに夜遅くまで「今の生徒達に何をしてあげたらばよいか」など、お互いの教育論を語り合ったことを今懐かしく思い出します。

〇田嶋先生は教員として活躍される傍らで、若い頃から作曲・編曲を手がけられ、全国吹奏楽コンクールの課題曲や市内の中学校の校歌などを何曲も作曲しています。以前に市立柏高校で吹奏楽部も指導していたので、現在はその当時の教え子が何人もプロの演奏家になっており、その人たちが発起人となり、仲間のプロの音楽家仲間に声をかけ、今回の「還暦記念演奏会」が企画されました。ステージいっぱいに、普段は別々のソロ活動をしている演奏家たちがズラッと並んだ光景は圧巻でした。

〇また驚いたのが、1部と2部の合計3時間近い演奏時間の全てが、田嶋先生が作曲・編曲をした曲であったことです。これまで600曲以上の曲を手がけていますので、それでもほんの一部です。また全ての曲について演奏前に、司会者が田嶋先生にその曲への想いやエピソードをインタビューしてくれたので、音楽に疎い私でも聴いていてまったく飽きることはありませんでした。

〇そして最後の曲が、この8月にピアノ協奏曲として田嶋先生が新曲としてかき上げた曲でした。ステージ中央に田嶋先生が弾くピアノがあり、その後ろに陣取るオーケストラとの素晴らしいハーモニーは感動を呼び、会場は割れんばかりの拍手がしばらくは止みませんでした。

〇またもう一つ私が感心したのは、演奏した23曲(8月の新曲を含む)をたった2日間のリハーサルで仕上げたということです。指揮者と50人近い演奏家は、普段はまったく別々の活動をしているにもかかわらず、短い時間でそれぞれのパートをマスターしつつ、指揮者の曲想に合わせながら、見事に演奏しきったことは、「さすがプロ」と思わざるを得ませんでした。

〇週末の秋空が気持ちの良い午後、心が洗われる時間でした。その田嶋先生に審査員をお願いした合唱コンクールが明後日に迫っています。生徒達には、明日までの練習をいかし、スポットライトを浴びながら臆せず楽しんで歌ってもらいたいです。

須藤昌英

 

 

10月28日(金)新聞を読むことで身につく力

〇昨日は読書について書きましたが、ある調査で「新聞をまったく読まない」という中学3年生が約79%いるという結果があります。一方で各種SNSやYouTubeなどで、自分が関心のある情報だけ、ある意味際限ないほど多量の情報を多くの子どもたちは簡単に得て暮らしています。

〇スマホやタブレットなどで、知りたいことをすぐに調べられることはよく考えてみると、今の学校教育が目指す「主体的、対話的で深い学び」の中の「主体的」に関しては即していると思います。ところが「対話的で深い学び」については、自分の関心があること以外には興味をもたず、みんなで一つのテーマについて考えて協働していく場面では、それについてはあまり興味がないので消極的になってしまうという心配もあります。難しい問題です。

〇新聞は各面の見出しをサッと見渡すだけでも、社会で起こっていることが大まかにつかめるという利点があります。読めば読むほど、世の中や人間は複雑で簡単には理解できないことに気づきます。しかしそのモヤモヤした気持ちが重要ではないでしょうか?新聞を読むという一見非効率に見える時間も、少しずつ自分の引き出しを増やし、じっくりと深く考えてみる機会になるととらえると、前述のまったく新聞を読まないことのもったいなさを感じます。

〇現在の中学校学習指導要領でも、「新聞を活用した学習」が明記され、国語の授業の一部では、新聞の記事を使った教材も使用しています。本校では全国紙(朝日新聞)と地方紙(千葉日報)の朝刊に加え、中高生新聞(読売新聞&小学館)を定期購読しています。全国紙と中高生新聞は、図書室でいつでも生徒は閲覧できます。

〇特に中高生新聞は、週に一度の発行ではありますが、今の社会問題を写真や図を入れたり、難しい用語をできるだけ使わずに説明したりと、大人の私が読んでも「なるほど」を思うときがあります。今朝の中高生新聞の第1~3面は、「習氏 現代の『皇帝』」と銘打ち、異例の3期目となった中国共産党のトップである習近平氏について、その生い立ちや中国共産党の組織について詳しい記事がびっしり掲載されています。これを読むと、「我々大人でもわかっているつもりのことが多いなあ」とつくづく感じます。

〇本と新聞のそれぞれの良さをいかして、生徒の情操や課題解決力を伸ばしていくのが、学校の役割だと認識しています。

須藤昌英

(10月28日の読売中高生新聞のデジタル面より)

10月27日(木)読書週間が始まります「この一冊にありがとう」

〇今日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。昔から「秋の夜長に読書」と言われ、確かに近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪くはありませんが、本を手に取ってみることも楽しいものです。また特に11月3日(火)は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くの大きな書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。

〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和4年の標語は、「この一冊にありがとう」で、ポスターの大賞は上記のポスターです。本と向き合って心が和んでいる様子が表現されています。

〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。

1 語彙や知識が増える

これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれからさまざまな表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒たちには、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。さらに深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。

2 想像・創造力や共感力がアップ

次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでで自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。

〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?

 須藤昌英

10月26日(水)ビオラの花鉢育成中

 

〇10月3日に富勢地域ふるさと協議会の皆さんと一緒に3年ボランティア生徒たちが移植したビオラが、秋の日差しを浴びて成長しています。正門わきのスペースは、歩道からもよく見えます。

〇毎朝登校したらすぐに、当番の3年生が愛情込めて水やりを行っているおかげで、紫の色が段々と濃くなってきています。来月の19日に、ご高齢の方のお宅にお届けする頃には、満開となっていることでしょう。

〇配付当日の11月19日(土)には、80名位の生徒数が必要なので、1・2年生に以下のようなボランティア募集をかけています。協力をお願いします。

須藤昌英

10月25日(火)県立柏高等学校の教諭2名が「他校種体験」

〇昨日、学区内にある千葉県立柏高等学校の若手教諭2名が、「他校種体験」として、朝から本校に学びに来ました。以前には本校の若手職員が富勢小学校へ同様の「他校種体験」をさせてもらいましたが、それぞれ高校や中学に入学する以前に、児童生徒がどんな学びをしているのかを、実際に見聞したり、発達段階の違いを肌感覚で感じ取ったりする経験はとても貴重で、教諭のキャリアアップにつながります。

〇理科の柴戸先生と書写・国語の牧島先生に話を伺うと、いろいろと高校と中学の違いが浮き彫りなります。まず中学生は朝からジャージなどに着替えて授業を受けていますが、高校では体育以外は制服が原則です。もちろん給食も高校はありませんので弁当持参です。また県立高校では一人一台のタブレット端末は貸与されておらず、必要に応じて自分のスマホなどを学習に活用していますので、2人の先生方は、「中学校はいいですね」と感心していました。

〇一人の先生はサッカー部顧問で、大勢いる部員の中で、新チームのキャプテン(高校2年生)は富勢中出身だそうです。もう一人の先生は書道部顧問ですが、大きな筆を使って字を書くパフォーマンスはせず、いろいろな書体の字を教室で丁寧に書いているそうです。

〇終わってから最後に一日の感想を尋ねると、やはり「生徒のタブレット端末や備え付けのプロジェクターなど、柏高校にはないのでうらやましいです」「柏高校も生徒には弁当を黙食をさせていますが、なかなか難しい状況です。しかし富勢中は徹底されていてびっくりしました」とありました。

〇来年4月からは本校3年生もお世話になるので、今後も連携していくことは大切です。

須藤昌英

(千葉県立柏高等学校ホームページより)

 

10月24日(月)第53回柏市小中学校音楽発表会

〇先週は3年ぶりに柏市民文化会館で、柏市内小中学校63校が集い、4日間かけて発表会を行いました。富勢中学校は最終の21日のラストに発表するという「大トリ」を務めました。

〇私は閉会式で、柏市校長会を代表してあいさつをさせてもらいました。「皆さん、演奏ありがとうごさいました。終えてみて今の気持ちはいかかでしょうか?事前に係りの方からは、皆さんの演奏を聴いての感想をお願いしますと言われましたが、さきほどまで演奏を聴いているうちに、以前にある人類の歴史に関する本に書いてあったことをふと思い出していました。それは、人間は古来から普段の生活の中で、「言葉と音楽を発達させてきた」という内容でした。まず「言葉」は自分の意思を伝えることにものすごい威力を発揮しますが、一方で音楽は人間の感情(楽しさ、悲しさ、怒りなど)を伝えるまたは互いに共有することに長けています。つまり人間にとっては、その両方大切だということです。私は正確に楽譜は読めません。この楽譜も正しく伝えるということでは、一種の「言葉」にあたりますね。しかし楽譜が読めなくても、その楽譜を楽器で演奏してくれれば、今日の皆さんの演奏のように、人の感情は動かすことができます。演奏した皆さん自身も何らかの感動があるのではないでしょうか?そしてこの柏市民文化会館は柏市の財産ですので、これからも機会があればこのステージで発表してください。実際富勢中は、11月1日にこの会館をお借りして、「全校合唱コンクール」を実施します。今全校生徒500人以上で練習しています。最後にこの4日間、児童生徒のためにご尽力をいただいた柏市教育委員会指導課並びに柏市小中学校音楽主任会の皆様に御礼を申し上げます。ありがとうございました。」

〇そしていよいよ来週の11月1日は、本校の3年ぶりの「全校合唱コンクール」が待っています。

須藤昌英

10月21日(金)合唱活動がピークを迎えています

〇3年ぶりに実施する11月1日の合唱コンクール(柏市民文化会館大ホール)に向けて、毎日各クラスとも練習に余念がありません。帰りの会を延長し、パート練習や部分的に合わせての合唱に取り組んでいます。1・2年生は混成3部ですが、3年生だけは混成4部(バス・テノール・アルト・ソプラノ)なので、レベルが少し上がっており、大変ですがよく頑張っています。

〇合唱については、私も昔児童・生徒だった時代にいろいろな思い出がありますが、私のように多くの生徒が正確に楽譜が読めない又はその音がなんの音がわからなくても、楽しむことができるところがよいところだと思います。もちろん練習の際には、手持ちの楽譜に注意点などをいろいろと書き込みをしたりしており、自分としては何となく読めている程度で十分であり、まずはみんなで声を合わせるなどの気持ちの高揚感に触れることで十分だと思っています。

〇また音楽(合唱)の力の一つとして、「聴いている人の感情に訴えかける」があります。音楽を聴いていると、楽しいや悲しいなどの喜怒哀楽が出てきたり、普段あまり考えないことも考えさせられることがあったりします。同じクラスのメンバーとして歌うことで、聴いている人たちへ何かを訴えかけることができますが、それはつまり、あらためて自分と向き合える場面でもあるのではないでしょうか?

〇運動でいえば先日の駅伝は、何も道具を使わずに自分の身体能力だけで挑む競技ですが、同じく音楽の中でも合唱は、自分の声だけを一つの楽器として響かせ、クラスの仲間とハーモニーを奏でることでは、共通点があると思います。当日生徒たちは、柏市民文化会館のステージでスポットライトを浴びて歌いますが、きっと中学校時代の良い経験として残るのではないかと期待しています。

須藤昌英

10月20日(木)柏市PTA連絡協議会研修会での学び

〇今朝はこの秋一番の冷え込みで、初めて正門前の「富士見坂」から黒いシルエットの富士山が見えていました。空気が乾燥してくる季節が近づいています。

〇先日、アミュゼ柏で行われた柏市PTA連絡協議会主催の研修会に、本校PTA会長の神長さん、副会長の下村さんと私の3人で参加してきました。講師は「思春期子育てアドバイザー」の道山ケイさんでした。道山さんは元中学校教諭で、その後自分の体験から、思春期子育て法(愛情バロメーター理論・仲良し貯金理論)を確立し、年間300組の親子を主に親子関係の改善に向けてサポートしていらっしゃる方で、著書も数冊あります。以下に2時間の講演会の要約を書きます。

・子どもの9割は、「自分の親は自分を理解してくれていない」と感じている一方で、親は「自分は子どもに十分に愛情をかけている」と思っており、この意識のズレが様々な問題行動の背景にある

・子どもは失敗からしか学べないので、親は子どもが失敗したときだけ助ける、しかし「人に迷惑をかける、人を傷つける、法律を破る」ような場合は、その場で躊躇なく叱るべきであること

・思春期の子どもは自分の感情を完全にコントロールできないので、親は遠くから見守りつつ、いつでも助けられるような距離感をもつこと

・子どもは物を与えられてもあまり感謝しないが、「子どもの好きな料理をつくってあげる」など、あえて時間や手間のかかることには感謝の心がわく

・親子関係が良好になる方程式は、「子どもが望むことをして、子どもが望まないことはし過ぎない」ことに尽きる

〇私が一番参考になったのは、「母性と父性の違い」のところです。配付された冊子から引用させてもらいます。

・母性とは無条件の愛情(保護)で、子どもが何か要求をしてきたときに「いいよ」と言って要求を叶えてあげること。それに対し、父性とは条件付けの愛情(干渉)で、子どもが何か要求してきたときに、「〇〇をやったらいいよ」とか「それは〇〇だからダメ」とか条件をつけて対応すること。

・子育てにおいて母性と父性は両方重要。母性が欠けると子どもは親のことを信頼できなくなる。父性がないと子どもは善悪がつけられない人間になる。親は子どもに対して、この2つのバランスよく与えていく必要がある。子育てが上手くいかないときは、どちからがかけていることが多い。

〇私もこれまで28歳(長男)、25歳(二男)、21歳(長女)の子育てをしてきましたが、これを聞いて、もう過去に戻ってやり直すことはできないので、「今からでもできることはないか?」と考えるきっかけをもらいました。

須藤昌英

 

 

10月18日(火)ワクチン接種に思うこと

〇厚生労働省のホームページに、「新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種することはできますか?」という問いに対し、「新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種は可能です。ただし、インフルエンザワクチン以外のワクチンは、新型コロナワクチンと同時に接種できません。互いに片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。」との回答がありました。

〇コロナに対する4回目のワクチン接種に関し、接種券が配付され、私も自宅近くの医院へ予約を入れている状況です。来年に還暦を迎えますので、以前よりも用心深くなっています。ただ確か2年前の冬の直前の時期には、「新型コロナに対し、インフルエンザはほとんど広がる可能性はないので、インフルエンザ予防接種は不要」のような意見が主流であった記憶があります。

〇次の第8波といわれる際は、「新型コロナとインフルエンザが同時に流行する可能性が極めて高い」との報道があります。つまり過去2年間にはなかったインフルエンザの流行が懸念されます。その要因はいろいろあるようですが、実際に日本とは季節が逆で、インフルエンザの流行の時期が半年ずれる南半球・オーストラリアでは2022年、コロナが拡大する前と同じ程度のインフルエンザの流行が2年ぶりに起きたようです。

〇特に受験生はとても悩ましい時期になります。コロナ禍前であれば多くの受験生がインフルエンザ予防接種だけを受けていましたが、今年はどうすべきかと判断が難しいことでしょう。もちろんコロナ禍前よりは、感染対策(マスク、手洗い・消毒など)は習慣化されてはいますが、「万が一のことを考えると接種しておいた方が・・」と考えるのが普通なのかもしれません。

〇3年生との校長面接でも何人かには、「インフルエンザ予防接種は考えていますか?」と尋ねていますが、まだはっきりと答えられない生徒ばかりです。ご家庭でも接種した場合としない場合の違いなどの情報をもとに、本人と話し合っていただきたいと思います。中学生ですから、自分の行動を決める際の根拠を明らかにしておくことも、これからの時代を生きる資質・能力として大切だと思います。

須藤昌英

10月17日(月)東葛飾地方中学校駅伝競走大会のちょっと裏話

〇小雨が降り少し肌寒い朝でしたが、選手は朝6時過ぎに学校に集合し、マイクロバスで各走区間へ出発していきました。スタート地点の松戸市立中部小の周囲には、多くの選手と付き添い、応援の方々が集まっていました。3年ぶりに行われる東葛駅伝であり、3年前は前任校の西原中にいましたので、ピンクのユニホームでした。今年は富勢中のオレンジのユニホーム(ゼッケン番号204)を目印に、応援をしました。

〇午前10時一斉にスタート、コースには、広報車、審判車、白バイが先導し、最後は救急車も走っている本格的な駅伝です。31㎞の沿道には東葛6市から交通整理員として応援に駆け付けた教職員、各市の警察署および交通安全協会の方々が等間隔でズラッと並び、特に選手が通過する時間帯のみ、大きな交差点の信号は常に青になるように警察官が信号機を操作しています。ということは、しばらく信号が赤のままの車線にいる車は、次第にイライラし始めて、時には警察官などに文句を言っている姿もあちこちに見られます。

〇私はスタートを見届けた後、近道をバイクで走り、一足先に野田市営陸上競技場でゴールを待っていました。途中の順位は、付き添いの各職員からLineで報告がありましたので、目標の40位以上は、何とか達成できるだろうと思っていました。野田市立陸上競技場に、本校の10区の生徒が滑り込んできました。ここまで「紺色の襷」を30㎞以上にわたってつないできたことを目の前でみると、毎回のことですが選手も応援する私たちも感動するものです。結果は、73校中38位(1時間51分03秒)と立派な成績でした。

〇私は以前、9つある中継所の一つの責任者をしたことがありました。中継所では70校以上の選手と付き添い生徒、引率の教職員が狭い場所にごったがえしています。まず各校でシートを敷いて、荷物置き場と選手の待機スペースを確保することから競いあいます。そして特に「コール(スタートまえの出場選手本人確認)」が2回あり、もし遅れると失格になりますので、各校ともその時間はピリピリした緊張感があります。またコールの際には、大会専用のゼッケンが身体の前と後ろの規定の位置にきちんと装着されているかも厳密にチェックされます。並行して前区の選手が通過する予定時間を常に頭に入れながら、中継所の近くでアップをしたり、体温が下がらないように毛布で身体をくるんだりと、選手はもちろん付き添いの生徒や引率の先生方も大変で、「一つのチーム」にならないと、選手をサポートできません。

〇そして襷の受け渡しの際は、大きなスピーカーで前区の速い学校のゼッケン番号が呼ばれ、そこでやっと中継地点に立てます。もし前区の選手が団子状態で走ってくると、次の選手は大きな声と手を挙げて、自分の学校の選手を呼びます。そしてひったくるようにして、襷をもらいダッシュしていきます。この風景は、箱根駅伝などでもよく見ると思いますが、そのように実際に観戦の皆さんが見ている選手の走っている姿の裏に、様々なドラマがあるのです。

〇終わってから、同じ「駅伝」でも気になったことがありました。同日に「箱根駅伝」の予選会が東京で行われていましたが、事前に同大会を主催する関東学生陸上連盟は、新型コロナ影響下での開催に、大学関係者やOB・OG、保護者、ファンに対して「選手を応援する熱い気持ちは、コース沿道から離れていても届きます。今回もテレビなどを通しての応援を頂ければと思います」とし、応援のための外出を控えるように求めていたようです。しかし実際には、沿道には人が集まり、選手らに拍手を送る様子があったようです。

〇そこでSNS上では、「沿道に人いすぎ」、「応援だめっていうから家で観戦してるのに」、「真面目な人がバカをみる」、「保護者が我慢してるのに」と批判的な声とともに、「今さらとがめるのもな」、「そりゃもう応援に行くよ」と、理解を示す声もあったとネットニュースにあがっていました。

〇このことを通しても、日本人は駅伝が好きことがよくわかります。

須藤昌英

10月14日(金)パソコンのリプレイスに思う

〇私たち教職員が業務で使用しているPCは、市から一人一台貸与されているものですが、市は業者と5年のリース契約を結んでおり、今年はその5年が経過し、新しいPCとリプレイス(新しいものに入れ替える)になりました。

〇私も平均すると1日あたり2~3時間はPCを使用しており、リプレイス前に使っていたPCは、画面の一部の液晶が暗くなったままで、やりづらいことも多かったので、新品になって助かりました。特に今回は、OSとしてこれまでの「Windows 10」から「Windows 11(6年ぶりにリリースされたWindowsの最新バージョン)」が搭載されており、従来のスタイルを継承しつつ、デザインが刷新されたり、起動やレスポンスのスピードが格段にあがり効率が上がりやすくなりました。

〇ただその反面、最初は「はやくていいな」と思っていても、徐々にとその速さに慣れて、それが当たり前になってきます。そうするとその他のことでも、今までならば「少し待って考えてから動く」ことが出来ていたことでも、段々と「待つ」ことができなくなっている自分に気が付きます。これは世の中も同じで、すべてに便利で効率の良さばかり求めている風潮の中ですと、お互いに余裕がなくなったり、それによって人間関係が希薄になったりすることもあるのではないでしょうか?

〇昔から「教育には時間がかかる」と言われてきました。コロナ禍で今まで行ってきた教育活動をストップせざるをえなかったり、生徒全員にタブレットが貸与され、個別の対応ができるようになったり、自分で様々なことを検索できるようになりました。でもその以前には、しばらくはわからないことを自分で考え続けたり、それを解決するために友達に相談したり、図書館に行って調べたりしていました。

〇確かにこれらは、効率が悪いかもしれません。手元のディバイスですぐに何らかの一応の知識は得られる方が、その時は確かに満足感があります。でも果たしてそれで得た知識が本当に自分にとって「その後の人生で繰り返し使える知識」となっているのか?は、はなはだ疑問です。やはり友達と話し合ったり、時には専門書などの本で調べたりすることで、深い学びになっていくのではないでしょうか?

〇そんなことを考えつつ、新しくなったPCに感謝しながら使用させてもらっています。

須藤昌英

(中央が新しくなったPC)

10月13日(木)公園はみんなの憩いの場

〇本校学区には、あけぼの山公園をはじめ、学校近くの宿連寺第一・第二公園や比較的広いスペースの高野台公園などの公園施設が多くあります。

〇昨日、毎朝高野台公園を清掃されている近隣の方から相談があり、「最近公園を汚したまま立ち去る人が多く、小中学生とは限らないのですが、学校でも公園の利用について、みんなが気持ちよく和めるように声をかけてください」との内容でした。

〇中学生も暑いときは、水道の水をお互いに掛け合って遊んでいたり、寒くなると、コンビニなどで買った身体を温める飲食物のゴミを放置したりしてしまうことがこれまでもあった事実があります。

〇本日は学校でも各クラスで呼びかけと指導を行いますが、ご家庭でも「お子様が普段どのように公園を利用しているか」などの話をしながら、「公園は地域の宝だから大切にする」などを教えてあげるようにお願いいたします。

須藤昌英

(高野台公園)

10月12日(水)東葛駅伝壮行会

〇昨日の6校時に、15日に行われる東葛飾地方中学校駅伝に参加する選手を激励するための壮行会は、校長室からオンライン形式で行いました。まず顧問の山口教諭よりコース及び出場選手の紹介をし、その後各選手の決意表明をしてもらいました。次に当日用の「襷(たすき)」を私からキャプテンに授与しました。

 

最後に私から、次のような話をしました。

〇日本では古来から中央と地方の情報伝達の方法として、飛脚が文書などを運んでいました。江戸時代には飛脚の健脚を競うコンテストがあったらしく、優勝すると皆からの憧れの的になったとの記録もあります。

〇襷(たすき)は、武士が真剣勝負するときに両肩にすることからきているといわれており、そこから1本のたすきをつなぎゴールを目指すことが、日本人には性に合っていたのかもしれません。

〇駅伝は日本発祥のスポーツで、その他の相撲、剣道、柔道、空手等と同じく世界に知られており、最近は「EKIDEN」でと書けば世界に通じるようになっています。

〇近代駅伝の歴史は、約100年前に、京都から上野(514km)を昼夜かけてを走り、3日間で競い合ったそうです。

〇東葛駅伝は、今年(令和4年)は昭和97年であり、昭和23年(12校参加)から始まっているので、74年の歴史があります。富勢中が昭和22年創立ですから、ほぼ同じ時期にスタートしています。当時の中学生は、現在90歳くらいになっているのを考えると、歴史を感じます。

〇東葛飾6市(柏市 松戸市 流山市 野田市 鎌ヶ谷市 我孫子市)から73校が参加します。箱根駅伝でさえ20校ですから、その3倍以上の出場校数です。

〇東葛駅伝はおそらく、日本で唯一(中学生が一般公道を白バイが先導で、一人約3kmを10人で約30kmを走る)の大会で、毎年沿道には多くの人が応援に来ています。

〇私が思うに「駅伝の魅力」は、ルールがシンプルだからこそドラマがあり、ごまかしがきかない(選手どうしの駆け引きが難しい)ことです。また「駅伝の魔力」みたいなものもあり、それはその日の選手の体調や心の状態に大きく左右されることが多く、最後まで結果はわからないことです。

秋の空の下を各選手が無事に完走できることを祈ります。

須藤昌英

 

10月11日(火)自分の言葉で語ること

〇先月から3年生との「校長面接」を行っていて、ここまで50人くらいの生徒とそれぞれ約10分間くらいのやりとりが終わりました。あらかじめ質問シートを配付してあり、生徒がそれに自分の回答を書いてあるのを事前に回収し、こちらも参考にしながら、質問をその場で考えています。

〇もちろん個性がありますが、気になるのは、あらかじめシートに書いた自分の回答を覚えたままに答える生徒とそれはそれとして、その場で思ったり考えたりしたことを自分の言葉で言える生徒の違いです。もちろん前者の努力は認めますが、時々シートにない質問もしています。その際、後者の生徒は慌てることなく、「少し考えさせてください」と断ってから、しっかりと考えた後で「~だと思います」と答えています。

〇不測の質問にその場で自分の経験を土台にして、自分の言葉で語れるというのは、やはり普段の生活や授業の中で、自分の考えを書き留めたり、それをもとに発言しているからだと思います。それを繰り返す中で、段々と自分の考えの方向性が固まってきたり、逆に他人の考えと自分の考えを比べて、取り入れたいことは柔軟に学んでいるのではないでしょうか?

〇ここまでの中で、個性的なキラリと光る生徒の回答を一部だけ紹介します。

質問1「この高等学校を志望する理由を教えてください」

回答1「はい、この学校へ夏休みに見学に行った際、学校全体が明るい雰囲気で、あちらの説明では「文武両道」を目指していると聞き、この学校で充実した高校生活を送りたいと考えたからです」

質問2「どうしてその学校を志望しているのですか?」

回答2「私は読書が好きなのですが、たまたま私の好きな作家の出身校であることを知り、私も同じ学校で学びたいと思ったからです」

質問3「あなたが将来、看護の仕事をしたいと思ったきっかけはなんですか?」

回答3「小学校2年のとき、怪我で入院した際、優しく接してくれた看護師の方のように、人のために働きたいと思ったからです」

質問4「あなたの特技はなんですか?」

回答4「特技ではないですが、英語が好きなので、11月頃に英検準2級に挑戦するつもりで、今問題集で勉強をすすめています」

質問5「得意(好きな)教科を教えてください」

回答5「社会です。地理や歴史は暗記も必要ですが、その事実のつながりや流れを考えるのがとても楽しいからです」

質問6「あなたの長所と短所を1つずつ教えてください」

回答6「長所は粘り強く何かに取り組むことです。ただ短所は夢中になると周囲が見えなくなり、人の話が聞けなくなるところです」

質問7「中学校生活での一番の思い出はなんですか?」

回答7「修学旅行です。コロナ禍で多くの行事が中止になり、やっとの思いで行くことができ、班員と協力して目的地にたどり着いた時の達成感が忘れられません」

質問8「尊敬する人物は誰ですか?」

回答8「両親です。体調を崩しているときでも、家族のために文句も言わず働いてくれ、自分のことも気遣ってくれるからです」

〇お気づきだと思いますが、回答は最初に「結論(考えたこと)」を言い切り、その後に「理由(思っていること)」を言うと、相手に伝わりやすく好印象になります。これは一朝一夕で身に付くものではありません。でもそれを意識しながら生活していると、いつの間にか相手に伝えるにはこれが一番伝わりやすいことがわかってきます。「入試」と言う目先の関門もありますが、卒業後の「人生」にも、自分の言葉で、相手にわかりやすく語ることは重要になってくると思います。

須藤昌英

10月10日(月)「スポーツの日」に因(ちな)んで

 

〇先日紹介した精神科医のアンデシュ・ハンセンさんの別の著書【最強脳―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業―】から、スポーツつまり運動と子どもの成長について、要約をしてみました。

〇まず運動の後は、ドーパミン(幸せを感じる)やエンドルフィン(気分が高揚する)というホルモンが分泌されます。そのことで何とも言えない満足感が得られます。また運動したことで得られるドーパミンの方がスマホを見たときのドーパミンの量よりもずっと量が多いことが知られており、脳は臓器の中で心臓や肺などと比べても、一番運動から良い影響を得ていると指摘されています。具体的には、人間の認知機能やその他(記憶力、集中力、創造力)、つまり「知性」そのものが運動から良い影響を受けています。それが強いては「学力も向上する」ことにつながっています。

〇最近の子ども達は生活の中で、「座りがち」になっている傾向があり、データとして20年前に比べてスウェーデンの若者の歩数は25~30%減少しているそうです。またフィンランドの調査でも、よく歩いている子どもの方が集中して学ぶため学力が高く、ストレスも感じにくいことが発表されています。さらに別の研究では、運動が不安や鬱(うつ)のリスクを軽減しているデータが多い、つまり心理的な問題と戦うことができ、「ストレス耐性」があがることになります。

〇特に本来人間は生き延びるため無駄なエネルギーを使わないように、怠惰に生活することを遺伝子レベルで継承しています。つまり、有酸素運動は人間にとって「一種のストレス」であり、本心ではあまりやりたがらないのが普通なのです。しかしそこをあえて運動するとその最中は、大量のコルチゾール(エネルギーを動かすホルモン)が出ます。そして運動が終わるとコルチゾールの値が一気に下がります。これを身体で経験しておくと、運動以外でストレスを感じても、運動している人は運動していない人に比べてコルチゾールの量が少ない、つまりストレスに強くなっているということです。

〇運動量が減った要因はいくつかありますが、最大の要因はスマホであり、スマホは有効な情報を提供してくれるが、その反面「中毒性が強い」、そしてそれにより我々の時間を奪っていることになります。実際に15分のランニングは60分のウオーキングに相当する(つまり効果が4倍)そうで、ランニングでなくても、特に運動しない子には、学校まで歩いて登校することや休みの日に自転車で出かけることがとても効果があるそうです。学校でも昼休みにグラウンドで身体を動かしている生徒は、5時間目に溌剌としている姿が多い気がします。

〇家庭学習ではスマホを別の部屋におくこともハンセンさんは指摘しています。他国の精神科医ですが、世界でも日本と同じように、子どもの成長に不安を感じていることを強く思いました。

須藤昌英

 

10月7日(金)ストレスは誰にでもある

〇「プレジデント」という雑誌の先月号に、世界的ベストセラー『スマホ脳』の著者である精神科医のアンデシュ・ハンセン(スウェーデン)さんが、「なぜ脳はストレスを求めるか」「「ストレスがなければ人類は絶滅する」という題の文を投稿しています。少し長いですが引用させてもらいます。

「私たち人類は『幸せ』になるためではなく『生き延びる』ために進化してきました。人類としての長い歴史の大半を、食料が限られ、身の危険も多い過酷な環境の中で暮らしてきましたが、そのような環境下を耐え勝ち抜いてきた者の末裔が、今の私たちなのです。目の前に食べ物があればついつい食べてしまうし、運動したほうがいいとわかっていてもついソファーでだらだらしてしまうのは、私たちの祖先が常に飢餓の脅威にさらされ、カロリーを節約する必要に迫られていたからです。あれやこれやと気が散りやすいのは、いつも周囲を警戒して自衛しなければならなかったから。生存の可能性を高める特性といえます。実はストレスや不安が生じる理由も、生き延びるため。脳が危険だと感じる状況からあなたを遠ざけるために起きる現象です。目の前にいる上司が怒ってあなたを怒鳴りつければ、ストレスを感じることでしょうし、『明日も上司に怒鳴られるかもしれない。嫌だな』と不安に思うことでしょう。これは怒鳴りつけてくる上司のことを、あなたの生存を脅かす存在と認識しているから。不安とは、あなたを守るための感情なのです。」

〇非常に合理的に納得のできる解説で、読んでいると自分にもあてはまるところが多くあります。後半は大人の例が示されていますが、生徒も同様だと思います。ハンセンさんは、自著の『スマホ脳』という本でも、「自分の脳をよく理解することで、ストレスと上手く付き合うことができるようになるはず」と説かれています。

〇生徒達も昨日までの定期テストで、相当なプレッシャーやストレスを抱え込んでいたと思います。上記を読んでいると、ストレスがないことが良いのではなく、ストレスは自己防衛としてあって当たり前であり、自分なりのストレス解消の方法をもっていることが大切なのではないかと感じます。ハンセンさんはその一つとして、運動(散歩なども含む)で、心拍数をあげることを提唱しています。

〇今朝は肌寒いですが、テスト明けでグラウンドでは部活動の生徒たちが走っています。身体を動かしていれば、ストレスも発散でき、また新たなやる気も湧いてくることでしょう。

須藤昌英

 

10月6日(木)進路保護者説明会

〇昨日の生徒が下校した時間より、来年度の入試に向けた保護者対象の説明会をオンライン形式で行いました。3年生の保護者だけでなく、1,2年生の保護者にも参加いただきありがとうございました。今後も内容に関しての質問は、各担任を窓口としてお答えさせていただきます。

〇配布資料につきましては、「メニュー」⇒「進路指導(保護者会資料)」に掲示してありますので、ご参照ください。

須藤昌英

10月5日(水)第2学期中間テスト

〇「お知らせ」に提示したある通り、本日と明日は中間テストです。出題範囲は、前回の1学期期末テスト(6月)以降から昨日末までの授業内容が中心です。本日は給食有り、明日は給食無しです。テスト期間中は、生徒は制服を着用しています。普段よりもキリっとした姿に見えます。生徒の頑張りを見守ります。

須藤昌英

図書室の掲示板

 

10月4日(火)ビオラの苗を鉢へ植え替え(3年生ボランティア)

〇昨日の放課後、11月に富勢地区にお住まいのお年寄りの方々へ、鉢植えの花を届けるため、ビオラの苗を鉢へ植え替える作業をしました。40人の3年生のボランティアと民生委員・ふるさと協議会の方々との協働でしたが、生徒は楽しそうにやっていました。今日から毎日、交代で鉢へ水やり(10/4~11/18)を行います。

〇正門横のスペースで作業をしていたら、たまたま近くに住んでいる孫娘(1歳2か月)が通りかかったので、一緒に土いじりをしていました。生徒は代わる代わる「可愛い」と声をかけてくれましたが、「君たちも14年前はこんなだったんだよ」と私から話しました。子どもの成長はとても神秘的です。

須藤昌英

10月3日(月)生徒会本部役員選挙での経験と学び

〇9月30日に、柏市選挙管理委員会と明るい選挙推進協議会の方々合計9名に来校していただき、本校の生徒会本部役員選挙の実施について、お手伝いしていただきました。皆さんは、実際の選挙においても、投票所運営や立会人を務めていらっしゃいますので、本物の選挙と同じ雰囲気と形式で行いました。

〇まず最初に選挙管理委員会の方からは、生徒に向けて「政治・選挙とは?」「選挙は義務?権利?」「柏市の選挙について」「若者の投票率について」などの講義をしていただき、18歳になったときに「選挙権を行使する」ことの大切さを教えていただきました。3年生ですと、3年後には有権者となりますので、とても貴重な経験でした。

須藤昌英

 

10月2日(日)キンモクセイの香り

〇今道路を歩いていると、あちこちでキンモクセイの甘い香りが漂っており、まだ昼間の日差しが強くても秋を感じます。残念ながら、本校にキンモクセイの木があるかと探しましたが、見当たりませんでした。昨日、学区のあるお宅で、背の高い花満開のキンモクセイの木をあえて高所作業車で伐採しているのを見かけましたが、何かしらの事情があるのでしょうが、少しもったいないと思いました、

〇金木犀(キンモクセイ)は芳香剤としてもおなじみの強い香りを放つ花が特長です。 調べてみると、その香りは、遠くまで届くことから古くは「千里香」とも呼ばれていたようです。 秋にオレンジ色の小花をいっぱいにつけた姿は、日差しを受けると名前の通り金色に輝いて見え、秋の風物詩となっています。本校の中庭に、今度苗木を植えてみようかと思います。

須藤昌英

 

10月1日(土)市内駅伝・ロードレース大会

〇9月30日(金)県立柏の葉公園と競技場において、令和4年度柏市内駅伝大会が行われました。公園内の巡回コースを、一人が約3000m、合計6人でタスキをつなぎました。結果は女子Aチームが16位(19校中)、男子Aチームが10位(19校中)、男子Bチームが9位(19校中)でした。

〇公園内には、各校の多くの保護者も応援に来ており、生徒はその声援を受けながら、これまでの練習をいかし精一杯力を発揮しました。次は10月15日(土)の東葛飾地方中学校駅伝大会です。こちらは32kmにわたる公道を警察の白バイを先頭に、10人でタスキをつなぎます。また応援をお願いいたします。

 須藤昌英

9月30日(金)花鉢配付事業の準備

〇富勢地域ふるさと協議会と富勢地区民生・児童委員会の主催で、11月に地域のご高齢の方々のお宅に、ボランティアの中学生が育てた花鉢を贈る活動があります(下記の案内で、40名の生徒が応募してくれました)。来週の月曜日に苗の植え替えをして花鉢をつくり、その後約1か月半の間水やりをしていきます。

〇昨日は地域の方々9名と一緒に、正門を入って右のプール脇のスペース草刈りと防水シート敷きを行いました。ありがとうございました。来週の3日の放課後に、3年生のボランティア40名で、苗を鉢に植え替える活動をします。11月19日まで、良い花の育成にみんなで取り組みます。

須藤昌英

9月29日(木)柏市保健所による給食施設巡回

〇本校の給食施設を柏市保健所及び教育委員会事務局の職員が現場の状況を把握するために、巡回してきましたので、校長として同伴しました。給食室に入るためには、専用の帽子と白衣、マスクを着用し、手洗いと消毒を複数回行わないといけません。調理場の昨日の気温は30度弱でしたが、夏場は40度を軽く超え、灼熱状態らしいのは調理員さんから前から聞いています。

〇今日のメニューの中でも大釜でつくる呉汁(大豆、油揚げ、豚肉、小松菜、人参など)は、具だくさんで、かき混ぜだりクラス別の容器によそったりする作業が大変そうでした。そのようにして、いつも安全でおいしい給食をつくっていただき、あらためて感謝の気持ちがわいてきました。

須藤昌英

9月28日(水)生徒会役員選挙運動

〇今週の金曜日の生徒会本部役員を決める投票による選挙に向けて、朝や帰りの会で候補者とその推薦者による呼びかけや演説活動を行っています。

〇朝は各学年の生徒昇降口で立っての投票の呼びかけ、帰りの会ではリモート(図書室から配信)で、各教室に向けて演説(立候補の動機や当選した後の公約など)をしています。

〇生徒会活動は生徒による自治活動(当事者として自分たちの学校生活を点検&改善していく)ですので、このような民主的な活動によって、将来社会に出ても、自分たちの代表を決める選挙などに「無関心」にならないようにするのが目的です。

〇立候補している生徒も推薦している生徒も、真剣に取り組んでいます。そういう姿を見て、他の生徒も自立・自律することの大切さを学んでいると感じます。

須藤昌英

9月27日(火)警察と教育委員会事務局からの注意喚起情報

〇今朝七時半過ぎ、教育委員会事務局からの電話で、「柏市布施(京小町あられ工場付近)で、大型の甲斐犬が逃げているので、生徒の登校に注意を」との連絡があり、すぐに現場に向かいました。ちょうど現場近くで登校途中の生徒に会い、話を聞いたところ、「昨日あたりから家の人と犬が土手にいるね」と話していたようです。

〇パトカー数台と警察官が複数いましたので、話を聞きました。「近くに犬を多数飼育しているお宅があり、逃げ出した犬が戻っているか現在確認中です」とのことでした。8時を過ぎると生徒の登校はほぼ終わっており、教育委員会事務局と近隣の小学校へもその旨の連絡を入れ、学校に戻りました。

〇警察からは児童生徒の下校時刻までに、新しい情報があれば学校に連絡をしてもらうことになっています。無事に見つかってくれれば・・と思います。

須藤昌英

9月27日(火)ヒマワリで数学

〇この夏正門付近に、あすなろ学級の生徒が育てて咲いていたヒマワリを校長室に持っきてもらいました。種がびっしり詰まっているヒマワリの頭花を観察したことはありますか?よく見てみると、種が中心から外に向かってらせん状にびっしりと並んでいます。

〇この中に、数学では有名な「フィボナッチ数列」が隠れています。言葉で説明すると、「直前の2つの数の和が次の数になって、これがずっと続いている数の列」となり、実際には、

1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 ・・・

と数字が並んでいます。この数列は、12~13世紀のイタリアで活躍した数学者レオナルド・フィボナッチが発見したということでこの名前が使われています。

〇ヒマワリに話を戻すと、その種は中心から外側に押しながら生まれます。そしてフィボナビッチ数列に従う事で、種は真ん中だけがびっしりなっていたり、外側だけがはげた状態にもならず、平均的に隙間なく、ヒマワリの顔の部分の面積に最大限詰められているのです。この不思議な法則は、ヒマワリ以外にも、植物の葉や花びらの付き方,木の枝分かれ,更には台風の渦の形など自然界に沢山隠れています。ある本には、「ヒマワリは種を少しでも多くつけて子孫を残そうとして、このように効率のよい種の配置になっている」とも書かれていました。

〇さらに若い頃、このフィボナッチ数列に関することを調べていた際、「ヒマワリの描くらせんを拡大すれば、その形は銀河系宇宙のらせんとも重なるという」という部分を読んだ時、その壮大な話になかなかその時は想像がつかなかったのですが、今ではこれは理屈ではなく、「フィボナッチ数列は、生命の根源をも担う神聖な数なのかも逸しれない」と少し情緒的に理解するようになりました。身近な自然と数学のつながりは不思議ですが、面白いです。

須藤昌英

 

9月26日(月)校長面接を開始しました(3学年)

〇先週から校長室を面接会場にして、3年生一人ひとりと「面接練習」を行っています。一人あたり10分以内ですが、こちらからいくつか質問をし、その受け答えに対してアドバイスをしています。生徒は真剣な表情で、取り組んでいますので、こちらも一層真剣になります。

〇来年の3月10日の卒業式まで、あと半年をきりましたので、教職員とともに生徒の進路決定にかかわっていきます。

須藤昌英

9月22日(木)教職員の授業研修を行いました

〇昨日は午前中で生徒を下校させて、午後柏の葉中学校に移動し、近隣の中学校の教職員が集まり、授業についての研修を行いました。柏の葉中は、平成30年(2018)に創立された柏市内で一番新しい学校で、道路を挟んだ柏の葉小学校とは、ガラス張りの通路でつながっています。教室や特別教室、体育館・武道場など、明るく機能性を重視したつくりになっています。

〇開校の数年前から、私は当時教育委員会事務局に勤務しておりましたので、柏の葉中の校舎設計や設備・備品の選定に、建設委員会のメンバーとしてかかわっていました。市内には小・中・高等学校あわせて64校も学校がありますが、一つの学校を建設するのは、大変な労力を必要とするのだなとしみじみ感じたのを今思い出しました。

〇柏の葉中の授業を参観し、その後各教科に分かれて、授業のねらいや生徒たちの学びの様子について、話し合いをしました。教職員にとって自分の学校だけでなく、今日のように他校の授業を題材に研修していくことが、明日からの自分の授業に役立つので、有意義な時間でした。

須藤昌英

9月21日(水)台風が通り過ぎました

〇日本列島を縦断した台風14号は、昨日の午前中に太平洋に出たとニュースで流れていましたが、いわゆる「台風一過の晴天」とは違い、その後も昨晩まで雨が断続的に降っていました。一夜明け、お陰様で学校には大きな被害がなく、曇ってはいますが、静かな朝を迎えています。先日の体育祭で、生徒たちの活躍した姿の余韻が残っています。

〇昨日、本校は体育祭の振替休業日となり、朝の登校を心配することはありませんでしたが、学区の小学校では登校時間の判断は難しかったことと思います。朝よりもむしろ正午前くらいに、スコールのような雨が降っていました。私も昨日の午前中は、校長室で様子をうかがっていましたが、事故などの連絡がなくてホッとしました。

〇本日は、教職員の研修(柏の葉中に行きます)の為、生徒は3時間授業(給食有り)で、12時45分に下校となります。昨日から急に涼しくなりましたので、夏や体育祭の疲れが出てくることもありますので、体調管理をお願いします。

須藤昌英

(静かな今朝の校庭と校舎)

9月17日(土)第28回東関東吹奏楽コンクール出場

 

〇体育祭と同日の夕方、千葉県文化会館において、東関東吹奏楽コンクールがあり、本校吹奏楽部が出場しました。参加中学校35校の最後に、「千葉県代表:柏市立富勢中学校」と紹介され、「秘儀Ⅱ(西村 朗作曲)」という難しい曲を見事やり遂げました。私もこれで千葉県予選、本選と今日の合計3回聴きましたが、今日が一番良かったと素人ながらに思ったほどです。結果は35校中、見事10位!の成績でした。午前中は体育祭に参加し、その後バスで移動しての演奏でしたので、相当疲労があったと思います。お疲れ様でした。

〇吹奏楽部の生徒が頑張れたのは、大きな理由があります。実は吹奏楽部の生徒は、早めの昼食と練習の為、閉会式は4階の音楽室にいました。結果発表と表彰が終わり、校歌を全校生徒で歌ったあと、応援リーダーの和田君と飯島君の発案で、校庭の全校生徒から4階の吹奏楽部員に向けて、エールを送ったのです。それを受けて吹奏楽部員は手を振っていました。私は開会式で、「今日の主役は君たちです。自分たちで結果を含めて責任をもってやり遂げてほしい」と呼びかけましたが、このリーダー達のように、自分たちの仲間を思い、自分たちの考えで行動できる生徒が育っていることを目の前で見ることができるのが、我々教職員にとって最大の喜びであり、役得だと思っています。

〇このシーンをご覧いただいた保護者の方々にも、本校生徒の優しさを感じ、ジーンと胸にせまるものがあったかと思います。やっぱり中学生は素晴らしいですね。

須藤昌英

9月17日(土)第76回体育祭

【開会式:校長の話】

生徒の皆さんおはようございます。大変お待ちどうさまでした。ステージは整いました。いよいよ今から体育祭が始まります。体調は万全ですか?やる気はどうですか?私をはじめ先生方も今日を楽しみにしていました。予行練習でも言いましたが、先生方はあくまでも補助役であり、君たちが主役(主人公)です。主役とは、いろいろな条件を人に揃えてもらうのではなく、すべてを自分たちで準備し、結果も自分たちで責任を負うということです。そのためにはまずは、楽しむこと。楽しむには、今の持てる力を精一杯発揮すること。そして、総合優勝や応援賞などの結果にも、精一杯やった結果として、お互いに爽やかに讃え合うことです。一つだけお願いがあります。マスクは競技の特性を考え、自分で外すことを判断してください。その判断力も主役として求められる力です。

 ご来場の保護者の皆様、またYouTubeでご覧の皆様、3年振りに体育祭を実施できますことにまず感謝したいと思います。また日頃から多方面にわたる本校教育へのご理解・ご支援をいただいておりますことを深く感謝申し上げます。ここにいる本校生徒500名あまりは、この富勢地域で育ち、多くが今後の富勢地域を支えていく子たちです。毎朝自宅を出て、地域の中を通学し、夕方また自宅に帰ります。つまり生活の基盤は地域にあります。私たち教職員45名は、昼間この子たちをお預かりし、学校教育というフィルターを通して教育を行っていますが、それは生徒の成長をあくまでも手助けしているに過ぎません。

本校は「地域とともにある学校」として、この子たちが10年後の社会でたくましく生き抜いていける力を身に付けられるようこれからも尽力してまいります。今日はその中でも「目の前の課題に仲間と知力と体力を合わせ、最後までやり抜く力」の育成がねらいです。今日は、その中学生のS・・スピード P・・パワー S・・スピリットをご覧ください。本日はお時間の許す限り、躍動する姿をご覧ください。

最後に、今回のテーマは、「深紅(しんく)の刃(やいば) 純白(じゅんぱく)の盾(しーるど) 切り開け 勝者への道」です。赤組リーダーの和田さん、坂巻さん、自信はありますか?白組リーダーの飯島さん、長谷川さん、準備はいいですか?「富勢中スピリット」を保護者の皆様にお見せしてください。それでは生徒のみなさんよろしくお願いいたします。

 

9月16日(金)体育祭前日準備(全校表彰)

 

〇明日の体育祭のために、全校生徒で最終準備をします。明日は夕方から雨の予報が出ていますが、なんとか午前中は雨が降らないように、「てるてる坊主」に願いをかけたい気持ちです。ただ今日のように暑くなるほど晴れなくていいので、曇り空が理想なのですが・・・。人間の願いは身勝手かもしれません。

 

 

〇最後の練習の後に、一学期から夏季休業中に活躍した部活動や各コンクール参加者の表彰を行いました。おめでとうございます!

須藤昌英

9月15日(木)体育祭予行練習

〇明後日の本番当日を想定し、予行練習を行いました。昨晩から涼しくなり、グラウンドにも爽やかな風が吹いていて助かりました。目的の一番は、係り生徒の動きを確認し、それをもとに本日中に改善点を洗い出し、修正案を検討することです。午後の職員の反省会で、各担当からそれについての提案がありました。

須藤昌英

 

9月14日(水)校庭の草と格闘中

〇今月に入り、用務員、教員、教頭、校長で手分けして、夏の間に伸び放題だった雑草を刈っています。使うのは「刈払機」という、2サイクルエンジンの付いた機械で、肩にかけて左右に振って草を刈るものです。よく道路でも街路樹の下で作業している人を見たことがあると思います。

〇10年くらい前までは、この機械で草刈りしてもなんともなかったのですが、今年は久しぶりに行ったこともあり、次の日に前の日の疲労が身体に残っているのがはっきりとわかります。「年齢には勝てない」ことはわかっていますが、かといってやらないと今後もどんどん体力は落ちていくばかりですので、「自分のための筋トレ」と思っています。

 

 

〇練習開始は強い日差しでしたが、しばらくすると大きな雲が上空を覆い、少し涼しい風も吹いてきました。熱中症対策はしていきますが、明日以降もこうだとありがたいのですが・・・。

須藤昌英

9月13日(火)栄養補給と休養促進をお願いします

〇昨日の午前中は、天気予報よりも晴れて日差しも強く、途中の休憩も長めに設定して体育祭練習をしましたが、生徒も疲れが出たと思います。直後の給食もいつもよりも残渣(食べ残し)が多く、栄養士も「暑さで食べられないのはわかりますが、きちんと栄養を摂取できていない生徒もいるのが心配です」と言っていました。

〇疲れが蓄積されると、集中力が続かなくなり、ちょっとした動きでも怪我が発生する確率が高くなります。今朝もある生徒は、「昨日の練習で身体のあちこちが筋肉痛です」と言っていました。次の日に筋肉痛になるのは、新陳代謝がよい証拠なので、少し羨ましいですが、「今日は無理しないでやりなさい」と声をかけました。

〇ご家庭でも朝食や夕食をしっかりと食べ、夜も早めに就寝するようにしてください。「教科の授業ではないので、夜遅くまで起きていても大丈夫」みたいな過信をもっている生徒もいるだろうと想像します。

 

 

〇午前中は雲が多く、昨日のような強烈な日差しはなく、多少は楽に感じました。本日も学年ごとに練習したり、色別に応援の練習に余念がありませんでした。

〇今日の給食メニューは、「ピザトースト、かみかみ海藻サラダ、豆乳入りコーンポタージュ、冷凍ミカン」です。私はいつものように、「検食で」生徒達よりも30分早く食べましたが、ピザトーストの程よい塩分が汗をかいた身体にはピッタリです。また生徒達は特に冷凍ミカンに大喜びすることでしょう。たくさん食べてほしいです。

須藤昌英

 

9月12日(月)体育祭練習&準備(~16日)

〇今日から体育祭練習が本格的に始まりました。基本的に各学年ごとに、「徒競走」「レク走」「団体種目」の選手決めやルールの確認をしたり、全校綱引きや色別対抗リレーの練習を行ったりしています。

〇雨でないのはありがたいですが、まだ夏の終わりの蒸し暑さが残っていますので、少し動いただけでも汗をかいたり喉が渇いたりします。適宜木陰で休むなどの休憩を入れ、水分補給をしながら進めていきます。

〇当日の仮のプログラムです。多少の変更はあるかもしれませんが、前日までには正式のプログラムを配付します。参考にしてください。

須藤昌英

9月9日(金)体育祭応援色別集会

〇5校時の避難訓練後、晴れてきた校庭において、初めて体育祭の色別で集まりました。応援リーダーの自己紹介と応援練習を行いました。マスクはしたままでしたが、3年振りに太鼓のリズムに合わせ、生徒たちの掛け声と手拍子が響くのを見聞し、職員の多くも感動していました。

〇来週は体育祭練習が本格的に始まります。タオルや水筒などの用意を忘れずにお願いします。

 須藤昌英

9月9日(金)第2回避難訓練

〇4月に続いて、2回目の避難訓練を行いました。今回は事前に何時に行うかの予告をしない状況で、突然給食後の昼休みに「緊急地震速報」を流し、その後第1次及び第2時避難を行いました。蒸し暑い中でしたが、ふざけて参加する生徒は皆無でした。

〇生徒たちが教室に戻ってから、私から放送で、いつくるかわからない大地震に、繰り返し練習することの必要性、自分で命を守るためには日頃からの心備えが必要なことを伝えました。

須藤昌英

9月9日(金)第36回柏市小中学校科学展へ出品と科学展のご案内

〇明日10日と明後日11日に、さわやかちば県民プラザの回廊ギャラリーで行われる科学展では、各校から夏休みの自由研究の代表として出品された作品や論文が展示されます。

〇本校からは3作品をエントリーしました。

「雑草から紙を作る」1年5組宇賀神日菜乃さん

*雑草を単子葉類と双子葉類に分け、紙とその植物で作った比較実験

「十円硬貨の汚れの性質と分解について」1年5組城代日咲さん

*十年玉の汚れを様々な物質を用いて落とせるか調べる実証実験

「地球温暖化と二酸化炭素~身近な二酸化炭素を調べる」1年5組渡部遥斗さん

*地球温暖化と二酸化炭素の関係を調べるため、いろいろな場面で二酸化炭素排出量を計測

〇どれも科学的思考により、仮説(予想)をもとに、実験観察の結果(事実)と考察(仮説の検証とその判断根拠)をわかりやすくまとめてあります。理科の実験観察だけではなく、いろいろと人を納得させる文章は、すべて上記の要素が含まれています。各教科でもそのような力を身に付けることが目標の一つになっています。

〇身近な事象に疑問をもち、「自分で調べてみたい」という自主的な動機をきっかけに、未来の科学者が育っていくことを楽しみにしています。もしお時間がありましたら、他の小中学校の作品もご覧になれますので、さわやかちば県民プラザまで足を運んでみてください。

須藤昌英

9月8日(木)令和4年度体育祭スローガン

〇今年の体育祭のスローガンは、2年4組からの提案された次の文言が、体育祭実行委員会(委員長:3-3梅崎琴美さん、副実行委員長:泉 悠太さん)で承認&決定されました。

深紅(しんく)の刃(やいば)

純白(じゅんぱく)の盾(しーるど)

切り開け 勝者への道

いかかでしょうか?語呂もいいですし、紅白のコントラストが上手に表現されており、何より若者らしい潔さが感じられます。

〇2年前に漫画や映画で大ヒットした「鬼滅の刃」を、私は題名だけは聞いていましたが、ストーリーなどはまったく知りませんでした。そこで少し調べてみました。引用します。

〇「物語の舞台は日本の大正時代で、“鬼”に変えられてしまった妹を人間に戻すため、主人公が“鬼”に立ち向かう姿を描いた和風ダークファンタジー」だそうです。また「ヒットした理由としてまず最初に考えられるのは、敵味方問わず登場人物が深く掘り下げられていること。『日本一慈しい鬼退治』というキャッチコピーからも分かる通り、敵である鬼にも善良な人間だった過去があります。“鬼退治”というシンプルなストーリーの中で、家族愛や兄妹愛、勧善懲悪ではない複雑で奥深い心理描写を描いたこと。この点が、年齢や性別を超えて読者の共感を集め、幅広い層のファンを獲得することに繋がった」とありました。今度機会があれば、観てみようと思いました。

〇体育祭でも、生徒一人ひとりが自主的に参加しつつ、仲間とのつながりの良さを感じてもらいたいと願っています。

須藤昌英

9月8日(木)うれしい情報が入りました

〇昨日、地域の方からお礼の電話が学校にありました。本校3年女子のUさんが、自宅近くで泣いていた小学校2年生に声を掛け、自宅に帰ることができように手配したということです。

〇概要は、「一昨日の夕方、我孫子市の小学2年生が、放課後に友達の家に遊びに行った帰り、道がわからなくなり途方にくれて道端で泣いていました。そこへUさんが通りかかり、「どうしたの?」と声をかけました。迷子だとわかったので、すぐ近くの自分の家にいた祖母と隣の方に相談し、当初は警察に連絡しようと思いましたが、学校名がわかったので、小学校へ連絡して事情を説明し、その後は小学校から保護者に連絡をいれてもらい、保護者の方が迎えにきて自宅に戻った」とのことです。

〇先日も他県で2歳の男の子が自宅から行方不明になったというニュースもありました。小学生とはいえ、泣いている子に声をかけるのはとても勇気のいることです。Uさんの行動は、さすが中学生と思わせるものです。本校には素直で優しい生徒(他にも大勢います)がいることを知り、うれしくなりました。

須藤昌英

9月7日(水)応援リーダーは昼休みに練習しています

〇17日(土)の体育祭に向けて、赤組と白組の応援リーダーたちが昼休みにそれぞれ理科室と被服室に集合し、打合せや練習を行っています。

〇彼らは自分の体と声を使って、仲間を鼓舞し、チームの一体感を得ようと努力しています。どの中学校も3年前までは、衣装や小道具も揃えて、盛りあがっていましたが、コロナ禍&熱中症対策では時間短縮が求められているため、そこまで出来ません。各組ともそれぞれ5種類ずつの応援を考案し、それを覚えることから始まります。パソコンから映像を何度も映し出し、掛け声と振付が身体にしみこむまで練習しています。覚えるのは大変そうですが、その反面精一杯楽しんでやってもらいたいと思います。

須藤昌英

(白組応援リーダー)

(赤組応援リーダー)

9月6日(火)水道(手洗い場)増設

〇富勢中に赴任して5ヶ月、やっと校舎の全体図が頭に入りました。本校は校庭からみで右から、1号館(二階建て:3学年教室)、2号館(三階建て:特別教室)、3号館(四階建て:1学年教室)、1号館の裏に中庭をはさんで4号館(二階建て:2学年教室)があり、それぞれを通路でつないでいます。

〇私もこれまで市内の数校の中学校で勤務してきましたが、ここまで複雑なつくりの学校はありませんでした。4月当初はどの教室に行くにも校舎配置図を手にもち、歩きながら必死に覚えていました。ただその後も、急な用事である教室に向かうも、何度か間違えて遠回りをするなどの失敗をしてきました。先月の夏季休業中、生徒がいない校舎内を点検してまわり、ようやくここにきて全体像をはっきりと把握し、間違えることもなくなりました。

〇創立76年目ですので、当初の木造校舎から何度となく建て替えや増築を繰り返してきたため、このような校舎配置図になっているのでしょう。ただ校舎内を巡回していると、建築された年代が違うので、どの校舎も統一感は少なく、それぞれ独特なつくりをしています。1号館などはいまだ、廊下と教室の境の窓枠は、木造のところもあります。

〇また一番驚いたのは、廊下に水道(手洗い場)がとても少ないことです。もちろんトイレにはありますが、今までの勤務校でも各階に何ヶ所かまとまった手洗い場が設置されていました。これでは生徒に手洗いを奨励しても、物理的に難しいと感じていました。昨年度中から教育委員会に要望し、この夏季休業中に、1号館の二階に小さいですが、水道を設置してもらいました。

〇決してこれで十分というわけではなく、まだまだ足りない状況ですが、今後も教育委員会へ水道増設の要望を行っていきたいと思います。

須藤昌英

*左が従来の手洗い場で、右が新たに設置した手洗い場です。

 

9月4日(月)天気予報の確認とジャンボカボチャ収穫

〇2学期のスタートであった先週の木曜日と金曜日は、ちょうど生徒の登校時間に土砂降りとなり、傘がない生徒は朝からずぶ濡れになってしまいました。何人かに声をかけると、「自宅を出た時には降っていなかったので、傘がありません」「制服ではなく、体操服なのですぐに乾くと思います」などと答えてくれました。今週は幸い台風の直接の影響はなくてすみそうですが、大気が不安定だと局地的な豪雨もありそうなので、毎朝自宅で天気予報を確認するようにしてください。

〇6月に紹介したジャンボカボチャ(アトランティックジャイアント)を、プール前の花壇で育ててきましたが、相当な大きさになったので、収穫しました。この苗は、JAちば東葛富勢支店からいただき食べられませんが、一番大きなもので直径30cm以上あります。秋にはその大きさを富勢中学校区の小中4校(富勢小、富勢東小、富勢西小)で競い合う予定です。果たして優勝できるでしょうか?

須藤昌英

 

 

9月2日(金)確認テスト(3学年)

〇本校では各学年とも、授業での理解度・定着度を判定する目的で、定期テスト(1学期1回、2学期2回、3学期1回:計4回)を行っています。これは、約2か月間ほどの授業内容から出題範囲が示され、生徒はその範囲で授業の復習等を行った上で、テストに臨んでいます。

〇以前にも書きましたが、東京大学池谷教授はその著書の中で、「人の脳の海馬は、『短期記憶から長期記憶』へと情報をつなげる中期記憶を担っています。海馬に入ってきた情報が溜まっている期間は、情報の種類によって異なりますが、短いと1か月程度です。海馬は情報を1か月かけて整理整頓し、『何が本当に必要な情報なのか』を選定しています。」と書いていますが、やはり1~2ヶ月間で習ったことをきちんと復習し、「いつでも使える知識」にしておくことが必要です。

〇一方で、高等学校入試はその「出題範囲が中学校3年間」と広く、上記の定期テストと同様な対策では追いつかない場合が多いです。3年生はこの夏季休業あたりから徐々に計画的に1・2年生の復習を行っています。じっくりと自分のペースで取り組んでほしいのですが、今日で4回目になる「確認テスト」もほぼ7~8割程度が1・2年生の復習問題です。朝から、国語・数学・理科・社会・英語の順で、各自精一杯取り組んでいます。

〇もちろん結果が出ると、「出来た」「出来なかった」と一喜一憂することもありますが、このテストの本当の目的は、自分の復習が足りない部分が明確になったり、それをもとに復習計画の見直しをしていったりすることです。また過去2年間の復習をすることで、それが3年次の授業にもいきてくることは間違いありません。

須藤昌英

 

9月1日(木)第2学期始業式での校長の話

【オンラインによる始業式での校長の話の要約】

〇生徒の皆さん、お久しぶりです。元気にしていましたか?昨日までの42日間の夏休みはどうでしたか?久しぶりの学校の様子はどうですか?体育館改修工事が着々と進んでいますが、そのため2年生は昇降口まで中庭を通ることになったことが変化ですね。

〇唐突ですが、1,2,3と数字が並んでいます。次にくる数字は何だと思いますか?ちょっと近くの人と話合ってみてください。(間をとる)話し合った中で、答えは「4」が一番多かったですか?では、その理由はなんでしょうか?そうですね。1から始まり、1つずつ増えていく「自然数」だとすれば、確かに「4」ですね。するとその次は「5」ですね。これは正解ですね。それでは、他に答えはありましたか?

*この流れで、答えが「5」「6」「7」の場合も全て正解と確認する

〇いかがでしょうか。少し頭の体操になりましたか?もう一度最初の問いをみると、1,2,3と数字が並んでいます。次にくる数字は何だと思いますか?でしたね。それに対し、「4」「5」「6」「7」と4つの答えの可能性があります。私が何を言いたいのかというと、

・一部が同じように見えていても、全く同じでない可能性もあること、なぜそうなるのかの理由をしっかりと考えること

・可能性は1つではないこと、これと思い込んでしまうと他の考えが見えなくなる、「もしかして他にもあるかも・・・?」が大切 ということです。

〇次に、色々な角度から見てみることとして、図形を考えます。右のような2つの立体があります。なんていう立体ですか?そうです、円柱ですね。ただ円柱には、斜めのもの(斜円柱)もあります。

〇では、1つの円柱を別々に、横と上から見ると、どんな図形に見えるでしょうか?

横から見ると ⇒ 長方形に見える(立面図といいます)

上から見ると ⇒ 円に見える  (平面図といいます)

どうですか?同じ立体でも角度を変えてみると、元の図形の印象が異なってみますね。

〇では、どこから(だれから)見ても同じ、つまりどの角度から見ても全く同じに見える立体はなんでしょうか?それは「球」しかありません。どの方向からみても円になります。何が言いたいのかというと、

他人を見る時 ⇒ いろいろな角度から見ていこうとした方が、本当の姿が見られます。

自分が他人から見られる時 ⇒ 誰からも同じように見られるようにした方が、普段の生活で楽に生きることができます。

〇大切なのは、自分の見方や考え方以外にも、色々な見方や考え方があることを知ること。一つの見方や考え方だけにこだわらずに、別の見方や考え方もない?か疑ってみること。自分の考えと友達の考えを比べて、その良さや理由の違いを分析していくこと、いろいろな見方・考え方には、思いこみは一番禁物であることなどです。

〇私の話を聞きながら、「校長先生が言っていることは本当?」と疑ってみることも大切です。YouTubeやSNSの情報に対し、それを鵜呑みにせず、「これっておかしくない?」と考えてみること。この姿勢がこれからの時代を生きる君たちにはますます必要になってきます。私も普段からテレビやインターネットから得られた情報を、「その確かな根拠があるか否か?」「その根拠の出どころはどこか?」「自分の感覚とのすりあわせでどう受け止めたらいいか?」などを常に考えながら見ています。

〇悪く言えば、そういう批判的な見方は「素直じゃない」とか「斜にものごとをみている」などとなりますが、この情報過多の時代には、そのくらいで丁度いいのかもしれないと思うようになりました。明日からの授業でも、「先生や友達は~と言うけど、私は~思う」とか「友達の意見の理由は~ということかな?」と考えてみましょう。

〇2枚の写真は3年前(令和元年度)の体育祭と合唱コンクールです。写っている君たちの先輩は、全員今は高校生となっています。今年は3年ぶりの全校行事となるように計画しています。9月の体育祭、11月の合唱コンクールと成功することを祈っています。

〇最後にこの2学期は、3年生は進路選択の時期になり、今月から一人一人と校長面接を行います。卒業後の自分のやりたいことや夢などを話せるように準備しておいてください。2年生はいろいろな役目を3年生から引き継ぐ時期です。委員会活動や部活動での活躍を期待します。そして1年生はもうお客様ではなく立派に富勢中を支える立場を自覚する時期になります。それぞれの立場で、一段と成長した姿を実現し、楽しい富勢中を一緒につくっていきましょう。

須藤昌英

8月31日(水)「防災週間」に思う

〇内閣府は、台風、豪雨、地震などの災害の未然防止と被害の軽減に資するよう、「防災週間(8月30日から9月5日まで)」と「防災の日(9月1日)」を設けています。

〇特に明日の9月1日は、関東大震災(1923年:大正12年)が発生した日であり、今年はそれから99年目になります。関東大震災については幼い頃、明治生まれだった祖母から実体験を直接聞いたことがあります。当時東京に住んでいた祖父母は、正午近くに大きな揺れを感じ、その後倒壊した建物やあちこちで発生した火災から一晩中逃げ続け、ようやく隅田川のほとりで夜を明かしたそうです。その際は大勢の犠牲者を目にしたと悲しそうに話していました。記録によると、関東大震災で主として火災により約10万5千人の死者、全焼家屋は約21万2千棟だったようです。

〇私はまだ小学校低学年くらいでしたので、話を聞いていろいろとその場で想像してはいましたが、まだそれほどの人生経験もなく、こちらから祖母にそれ以上にいろいろと質問して尋ねることはしませんでした。今思えば、もっと当時の詳しい様子を聞いておけば良かったと後悔しています。その関東大震災の2年後に生まれた私の父(生きていれば現在97歳)も実際には体験しておらず、父からは太平洋戦争の話は聞いたことは何度もありますが、関東大震災については記憶にありません。

〇色々調べてみますと、関東大震災(1923年)の前には、元禄関東地震(1703年)、明応関東地震(1498年)、永仁関東地震(1293年)と約200年の周期で発生しているようです。であるならば、2130年頃に関東大震災並みのM8クラスの地震が起きるという周期説になりますが、最近はそれとは別にM7クラスの「首都直下型地震」というもっと周期の短い地震の発生も指摘されているので、予断はゆるされません。

〇明日から2学期ですが、大きな災害がないことを願わずにはいられません。特に本校は現在、体育館改修工事(来年2月まで)を行っており、災害の際、地域の避難場所としては使用できません。広さが半分以下の武道場と一部の教室のみです。ご家庭でも防災について、話し合いをしていただけたら・・・と思います。

須藤昌英

8月30日(火)「寒暖差疲労」にご注意ください

〇今週に入り、朝夕の涼しさが感じられ、以前の猛暑を考えれば体調的に助かると思う反面、気温の寒暖差が大きいことで、自律神経の働きが乱れ、体が疲れる「寒暖差疲労」が出てくるようです。

〇気温の変化に伴い身体は体温を一定に保つため自律神経を働かせて血液量を調整したり、筋肉で熱を発出したり、逆に発汗して体温を下げたりします。気温差が大きいと自律神経が過剰反応し、大きなエネルギーを消耗することによって疲労が蓄積し、頭痛、めまい、倦怠感、便秘、下痢、不眠などの様々な心身の不調が出てくると言われています。さらに慢性化すると、わずかな気温差でも不調を感じやすくなる恐れもあります。

〇寒暖差疲労をケアするためには乱れた自律神経を整えて、日常生活に適度な寒暖のリズムを作り、自律神経をトレーニングすることが大切です。例えば、散歩などの軽い運動をする、規則正しい生活(適度な睡眠と朝に太陽の光を浴びる)、筋肉をストレッチする 、身体を温める食べ物をとる、ぬるま湯に首までつかり体の芯まで温めるなど。

〇ただまた残暑が厳しい日が戻ってくることも考えられます。日頃のお子様の体調を観察していただき、若いからといって無理をせずに、徐々に身体を慣れさせていくように配慮してください。

須藤昌英

 

8月27日(土)特設駅伝部の練習

〇1学期中に特設駅伝部員を募集し、徐々に練習をしていましたが、この夏季休業から本格的な練習を始めました。もともと陸上の長距離専門の生徒もいますが、そこへ他の部活動からも複数のメンバーが集まっています。

〇朝の涼しいうちに練習をするため、練習開始時間は朝の7時です。準備運動から軽いジョギング、2000mや3000mのタイムトライアルで記録を残し、持久力と精神力を向上させています。今日は県立柏の葉公園内で、他校の生徒と合同練習を行い、より刺激を受けていました。

〇柏市中学校駅伝大会は9月30日(金)、東葛飾地方中学校駅伝競走大会は10月15日(土)に予定されています。選手たちの活躍が楽しみです。

須藤昌英

8月23日(火)柏市中学校英語発表会に向けての練習

〇明日、アミュゼ柏のクリスタルホール及びプラザにおいて、市内中学校の代表者による「英語スピーチコンテスト」が行われます。本校からは、3年生の梅崎琴美さん(暗唱の部)がと3年生落合真友美さん(スピーチの部)が出場します。前日の今日は、本番に向けて最終リハーサルを校長室で行いました。

〇そもそも日本語と英語は、主語と述語の順番をはじめ文法がまったく異なる言語なので、難しく感じるのは当然ですが、「とにかく話したい! 」「絶対話せる! 」という気持ちさえあれば、最後には話せるようになると、昔ある英会話の講師から聞いたことがあります。また難しい単語を使おうとすると、頭の中で適切か考えてしまい、スムーズな会話が成り立たないこともあるそうで、むしろ中学で学んだ基本的な英単語や文法だけでも、テンポよく会話を楽しむほうがずっと上達するそうです。

〇二人とも堂々たる3分間弱のスピーチでした。明日本番での健闘を祈ります。

須藤昌英

8月19日(金)富勢地区学校運営協議会研修会(塾議)兼教育ミニ集会

〇富勢中学校区学校運営協議会の涌井会長のもと、運営協議会委員、地域住民、4校教職員(富勢中、富勢小、富勢東小、富勢西小)が富勢小に集まって、グループワークを基本とした「塾議形式」の研修会を行いました。

〇この研修会は、地域と学校がお互いのもっている情報を共有しあい、この学区の子ども達が将来、この富勢地区に誇りをもち、愛してくれるようになるために、これから何ができるか、何をすべきかについて、顔と顔を突き合わせて考えていこうという目的があります。

〇各グループ5人~6人で、16グループをつくり、円陣を組みながら3色の付箋紙を使って、活発な話し合いが行われました。日頃はあまり顔を合わせて話のすることのない地域の方々や小学校の先生方とも気軽に話ができ、この富勢地区の良さや小学校の様子がよくわかりました。

〇今後は各グループが作成したシートを分析し、それを元に学校運営協議会で2学期以降、富勢地区の各学校が連携し、子どもたちのためにできることは何かを絞っていくことになります。お忙しい中、ご参加いただいた地域住民の方々、ありがとうございました。

8月17日(水)定例の市内校長会議を行いました

〇夏季休業も残りあと2週間となり、「9月からの2学期をどのように迎えるか」をテーマとしたWebによる校長会議が行われ、校長室で参加しました。主な内容をお伝えします。

1 9月1日の始業式を迎えるための準備

 三者面談などの中で伝えられた生徒の家庭での過ごし方の様子を踏まえ、もし新学期に不安を抱いている生徒がいる場合、家庭と連絡をとりあい、不安を取り除く方法を家庭と連携しつつ検討する。

2 変化していくコロナに対応した感染防止

 爆発的に増加した第7波の状況を今後も注意深く見守り、継続した感染防止対策の再確認を行う。特に体育祭などの実施にあたり、学校内でのクラスター発生をさけるための方策を優先する。

3 熱中症対策予防優先の徹底

 暑さ指数(WBGT値)を注視し、活動計画は体力面を考慮しつつ、こまめな水分補給と休憩を促す。また屋外の運動では適宜マスクを外し、その際は極力お互いの距離をとり、会話は控える。

4 台風シーズンにおける防災への備え

 先日の台風8号の接近の際は、本校に幸いにして大きな被害はなかったが、例年10月ころまでは幾つかの台風が発生し、近づくことも考えられる。地震(9月1日の防災の日)や線状降水帯などの風雨災害も含めて、自然災害への備えをしておく。

〇上記の1に関して、もしご心配ごとがあれば、学校へ連絡してください。また9月17日を予定している体育祭につきましても、実施方法の詳細がきまりましたら、お知らせいたします。

須藤昌英

 

8月8日(月)サルスベリ(百日紅)の花が満開

〇正面玄関前にあるサルスベリの木に、濃いピンクの花が咲き誇っています。本校のサルスベリはその大きさから、相当の樹齢だと思われます。

〇サルスベリの花について調べてみると、「咲く季節は夏で、その花は非常に開花期が長く、6月から咲き始め、9月の終わりから10月初旬まで咲いています。サルスベリの魅力は何よりもその花です。よく見るととても変わった形をしています。花は円錐花序(えんすいかじょ)といって、小さな花の集合体を枝の先に房のように咲かせます。」とありました。

〇また本校の濃いピンクの他、「花の色は多彩で、赤、淡いピンク、紫、白、褐色がある」そうです。確かに自宅近くを散歩していると、多くのお宅の庭に色々な色の花が咲いています。

〇本校のサルスベリの木の真下に、「友愛の像」という若者二人が両手をとりあっている白像があります。校長室の古いアルバムをめくってみると、少なくとも昭和三十年代にはあったらしく、となると60年以上前から、本校の歴史をみてきたと思われます。

〇先週はグッと気温が下がり、過ごしやすい日が2~3日ありましたが、今週からまた猛暑の日が復活するようです。涼しいと夏の疲れが出てきますし、コロナの感染症状況も予断を許しません。どうぞお身体をご自愛ください。

須藤昌英

1学期ありがとうございました

〇赴任した4月1日より、実際に目の前で見たことや思いついたままのことをあえてまとめずに、「雑感」として書いてきましたが、今振り返ると、この3カ月半は、本校の「素晴らしさやもう少しここをこうするともっとよくなる」ことを単に知るだけでなく、体感しつつ理解してきた日々だったと感じています。

〇この間、特に思い続けてきたことは、中学生に「自ら主体性をもつ」ようにしてほしいと願いながら教育活動をするには、まずは私も含めて大人である教職員が「自立から自律」へと意識を変えていくしかないということです。

〇前者の「自立」は、「他人に頼らず、自分で独立した状態」ですが、後者の「自律」は、「自分で考え、行動の主体となった状態」です。となると「主体性をもつ」に関しては、「自立」よりも「自律」が求められており、教職員には「教育活動の一丁目一番地である『授業』に全力を注いでほしい」と言い続けてきました。その上で、今日の終業式で生徒たちには、「これからも授業の中で、自分で考えたことや友達の考えを相互に承認しあい、時には批判的な見方もしつつ、何か一つでも心が動く(感動)経験をしてほしい」と話をしました。

〇明日から8月いっぱいまでの夏季休業中、家庭が生活の中心となります。学校へ行けば友達がいたり、スケジュールが決まっていたりと、それに合わせて生活のリズムをつくっていた生徒は、それが一時的になくなって、戸惑うこともあるかもしれません。逆に、人や時間に縛られないで、自分の好きなことをトコトンやっていきたいと思っている生徒もいるかもしれません。いずれにせよ、私たち大人も中学生の頃はかつてそうだったように、「人生は自分探しの旅である」、「己事究明(自分とは何かを明らかにしていくこと)」の言葉とおり、日々自分と向き合い自分らしさを見つめていくことは、中学生という青年前期にはとても重要であると思います。

〇1学期間の御理解と御協力に感謝いたします。夏季休業中も、8月6日~16日を除くウィークディの8時半から16時半までは、職員が学校におりますので、ご相談等があればご連絡ください。

須藤昌英

7月20日(水)第1学期終業式

〇4月5日にスタートした1学期の授業日数は、今日までで71日間でした。さらに詳しくは、2・3年生は入学式に参加していないので70日、1年生は始業式から3日後の入学式からの登校になるので68日です。いずれにせよあっという間でしたが、振り返るといろいろなことがあった気がします。

〇終業式は、明日から体育館が改修工事のために使用できないこともあり、2及び3学年は体育館、1学年は感染防止策として教室で行いました。予定では「校歌斉唱」も行いたかったのですが、「校歌静聴」に切り換えました。

〇私からは、まず先日も書きましたが、1時間の授業を通して、生徒と一緒に授業に参加していると、生徒の表情やつぶやきから、その授業への興味関心や理解の度合いがある程度わかること、そのときに、「あ、い、う、え、お」のような生徒の反応がよく見られることを伝えました。次に、先日の保護者アンケートの結果からも、「学び続ける富勢中」の一員として各自が授業に前向きに取り組んでいたこと、各学年とも3年ぶりの校外学習ができたことを保護者も喜んでいることを話しました。また体育館は来年2月まで改修工事で使用できないので、2学期の始業式・終業式、3学期の始業式はオンラインでおこなうこと、3月の卒業式は新しい体育館で気持ちよく行えることなどを話しました。

〇生徒指導主任の古島教諭からは、「夏休みは暑いことから例年水の事故が心配されます。気持ちが大きくなって大胆な行動にならないように。また人間関係が壊れていくのは、ほとんどがSNS上の問題からの場合が多いので、十分に気をつけて使用すること、もしトラブル等が起きたら身近な大人に相談すること」を話しました。

〇最後に、9月17日の体育祭における「組の色決め」の抽選を行いました。結果は、

赤組 応援リーダー:和田さん(3-2) 副リーダー:坂巻さん(3-1)

白組 応援リーダー:飯島さん(3-5) 副リーダー:長谷川さん(3-4)

その後、一人一人から当日に向けての熱いメッセージが全校生徒に向けてありました。さすが3年生で、しっかりと自分の言葉で聞いている生徒に投げかけるような話し方でした。

すべてを30分以内で終了し、教室で学級活動を行いました。

須藤昌英

 

7月19日(火)体育館の長寿命化改良工事が始まります

〇夏休みから来年の2月にかけて、体育館の工事を行います。その為早速、体育館を囲むような柵を設置しています。工事期間中は、体育館玄関前の通用門は閉鎖されたり、体育の授業や部活動は使用できなかったりと支障が出てきますが、安全を最優先していきますので、ご了承ください。

〇近隣の方々にも、工事車両の出入りや多少の騒音でご迷惑をおけけしますが、よろしくお願いいたします。

須藤昌英

〇2,3年生の部活動に入っている生徒たちが、体育館内のすべての用具等を校舎に移動させてくれました。倉庫内のボールや支柱・ネット、卓球台、パイプ椅子など、こんなに多くの物品が入っていたのかと驚きました。

〇体育館は骨組みや窓枠などは残しますが、その他はいったんすべて取り外しまたは廃棄し、リニューアルする予定です。来年の卒業式は、真新しい体育館で行うことができます。

7月18日(月)成功よりも成長を!

〇今月に入り、昨日まで3度の週末がありましたが、連日、岡本教頭と運動系部活動による柏市総合体育大会の各会場を分担して回り、生徒たちの躍動する姿をみてきました。校長としては、授業やその他の活動では見られない生徒たちの姿をみると、好きなことに一生懸命取り組んできた若者の姿は、「美しく、輝いている」と感じます。

〇先日の壮行会で生徒たちには話しましたが、この柏市総体は県大会、関東大会、全国大会へとつながるもので、そのために柏市の代表を決めることが目的であり、県大会に行けるのは、柏市の21校中1校か2校です。勝敗がつくのは仕方ありません。勝っては「これまでの努力が実った」と喜び、負けては「もう少しこうすればよかった」と悔やんでしまうのは人情です。

〇しかし部活動の真の目的は、「成功(優勝)ではなく、成長(人間性)をする」ことにあります。特に3年生は大会が終わってから、受験準備などに気持ちを切り換えるのに、しばらくは時間が必要だと思います。どうぞご家庭でも、本人の成長を見守り、次のステップに踏み出せるように声をかけてください。

須藤昌英

(柏市総合体育大会の様子:抜粋)

7月15日(金)1学期給食最終日

〇1学期は4月から今日まで、64回の給食を提供することができました。本校の鹿野栄養士と委託業者の北総プランニングサービス株式会社が連携し、栄養バランスや多彩なメニューを工夫して、生徒の活動や成長を支えてくれました。

〇「黙食」はしばらく続きそうですが、黙って食べることに集中すると、食材の味がより感じられるというような意外な利点もあるようです。夏休み明けは、9月2日(金)より2学期の給食をスタートする予定です。

〇本日の「広報かしわ」に、市の補正予算で、今月から来年3月まで、1食あたり約30円の補助をしてもらえる記事があります。生徒たちの成長と健康のため、市民の税金が使われていることを、来週の終業式に全校生徒に話をしようかと考えています。3年生は社会科の公民で「税の仕組み」について学習しますが、2年生及び1年生も、大人になるための知識として、この社会の成り立ちについても知っておくべきだと感じます。

須藤昌英

7月15日(金)授業風景21(3学年音楽)

〇音楽の授業では、鑑賞の活動を通して,次の事項を指導しています。

ア 音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを感じ取って聴き,言葉で説明するなどして,音楽のよさや美しさを味わうこと。

イ 音楽の特徴をその背景となる文化・歴史や他の芸術と関連付けて,鑑賞すること。

ウ 我が国や郷土の伝統音楽及び諸民族の音楽の特徴から音楽の多様性を感じ取り,鑑賞すること。

〇3年生ともなると、「ブルタバ(モルダウ)」という曲を、オーケストラが約12分間演奏するのを聴きながら、スラスラとしかも何行も「自分の感じたことを自分の言葉」で書いていました。私も一緒に聴いて書いていましたが、感じたことを文字にすることにとても苦労しました。彼らの感性の豊かさと表現力にはびっくりしました。

須藤昌英

7月14日(木)授業風景20(3学年保健体育)

〇近年、医療技術の進歩などにより、日本人の平均寿命が延びていく一方、食習慣、運動習慣等の生活習慣が深く関与して発症する「生活習慣病」が、若年層でも増加しています。

〇生活習慣病の多くは自覚症状がほとんどなく、不調を訴え病院に行った頃には重大な結果を招く事もあります。誤った生活習慣の積み重ねによって起こりますが、正しい生活習慣で予防が可能な病気でもあります。

〇寝不足、脂質塩分の多い食べ物ばかり摂取する、野菜を食べない等の生活をくり返している人は生活習慣を見直し、少しでも身体を動かす事や早寝早起きなど、できる事から生活習慣を改善することを生徒たちには学んでもらいました。

須藤昌英

7月13日(水)授業風景19(3学年数学)

〇柏市教育委員会では、生徒に貸与しているタブレットで、主に算数・数学の自主的な学習に役に立つ「ミライシード」という「デジタルドリル」を使用できるようになっています。授業中はもちろん、自宅の家庭学習でも使用できます。

〇自分で勉強する中でわからないところが出てくるとき、小学校からの復習や映像コンテンツもあります。授業でも繰り返し挑戦するなど、自分の目的や進度ペースを工夫してみるように指導しています。

須藤昌英

 

7月12日(火)授業風景18(3学年国語)

〇3年国語の「薔薇のボタン」(梯久美子・作)の単元では、戦争史に光をあててきたノンフィクション作家の梯(かけはし)久美子さんが、被爆者の遺品を取り続ける石内都さんの作品に出合って、広島の原爆で犠牲となった方々の思いをあらためて考え直していくという内容を学習しています。

〇「遺品」というとモノクロの世界で表現されてきたものが多いですが、石内さんは広島に投下された原爆で亡くなった女性たちの「遺品(ふわりとして透き通ったアバンギャルドなドレス、小花模様のブラウス、やわらかそうな靴、刺繍のはいった布のバッグなど)」をあえて華やかさを感じるような写真にしています。その写真に梯さんが感動し、石内さんの真意を明らかにしていきます。

〇生徒たちは、来月6日の広島平和記念日を前に、戦争の悲惨さとその中で懸命に生きていた少女たちに思いをはせていました。

須藤昌英

ミストシャワーを設置しました

暑さ対策として、校舎からグランドへ入る入口に、ミストシャワーを取り付けました。体育の授業や9月の体育祭に向けて、少しでも生徒の体感温度が下がるようにしていきます。

*写真では見えにくいですが、上から大量のミストが降っていて、下を通ると頭から濡れてきます。

須藤昌英

7月11日(月)1学年「いじめを許容しない授業」

〇先週の金曜日、スタンドバイ株式会社から講師をお招きし、オンライン形式で、「いじめを許容しない集団の雰囲気を醸成するため授業」を全クラスで実施しました。冒頭の10分間のドラマ「私たちの選択肢」をもとに、身近なところで、いじめなどで困っている自分自身やクラスメイトが、相談したりSOSを出したりすることが大切だということを学びました。

〇最後に、顔を知っている人よりも知らない人の方が相談しやすいと感じる生徒が一定するいることから、柏市教育委員会と連携し、匿名で相談できる「スタンドバイ」への投稿の仕方も教えてもらいました。

須藤昌英

お子様の様子の見守りをお願いいたします

安倍晋三元首相が亡くなられたというニュースが伝えられています。ご冥福をお祈りいたします。

しばらくは同じような報道が続くと思います。衝撃的な映像はストレス反応を高めることが指摘されています。お子様の心の状態を観察していただき、もしご心配なことがあれば、専門家に相談するなどしてください。

またそのようになった場合には、週明けに学校にもご連絡ください。

須藤昌英

 

7月8日(金)授業風景17(3学年英語)

〇「かわいそうなぞう」という絵本があります。その英訳本の題名は、「Faithful Elephants(従順な象たち)」で、その英文を読解していく授業でした。

〇参考までにあらすじです。

「第二次世界大戦が激しくなり、上野動物園では空襲で檻が破壊された際の猛獣逃亡を視野に入れ、殺処分を決定する。ライオンやトラ、クマが殺され、残すはゾウのジョン、トンキー、ワンリーだけになる。ゾウに毒の入った餌を与えるが、ゾウたちは餌を吐き出してしまい、その後は毒餌を食べないために殺すことができない。毒を注射しようにも、象の硬い皮膚に針が折れてしまうため、餌や水を与えるのを止めて餓死するのを待つことにする。ゾウたちは餌をもらうために必死に芸をしたりするが、ジョン、ワンリー、トンキーの順に餓死していく。・・・」

〇内容を絵本で知っている生徒たちも半数くらいいましたが、真剣に英単語を調べ、英訳にグループで協力して取り組んでいました。このような作業をきっかけに、将来に向けて、英文をスラスラと読む力を身につけてほしいものです。

須藤昌英

 

7月7日(木)教員研修(授業研究:道徳)を行いました

〇昨日の午後は、2年3組と3年2組以外のクラスは給食後に下校してもらい、薄井教諭と中居教諭の「特別の教科 道徳」の授業を通し、全職員で授業の設計の仕方や進め方について、研修しました。

〇柏市教育委員会から2名の講師(お一人は柏市の麗澤大学でも大学生に対して教鞭をとっておられる)をお招きし、2人の授業について、「ねらい通りに生徒の話し合いなどが進んだ点」や「ここはもう少しこうするとさらに良くなる点」について、教えていただきました。

〇前にも書きましたが、我々教職員にとって、研修は義務であり、「自ら学び続けていく」ことが、生徒への責任であります。

須藤昌英

7月5日(火)柏市総合体育大会&コンクールへむけての全校壮行会

〇午後の体育館は全校生徒が集まっても、風通しがよく、熱中症の心配は少なくてすみました。今年度初めての校歌を全校生徒で歌うことができました。感激しました。

〇2年生が20名の有志の応援団(団長2年4組小泉さん)を結成し、彼らが中心となって全校生徒から応援をもらいました。これまで努力してきたことを、それぞれの大会&コンクールで精いっぱい発揮してください。 

須藤昌英

 

 

吹奏楽部

柔道部

サッカー部

剣道部

男子ソフトテニス部

美術部

男子バスケットボール部

陸上競技部(短距離、長距離)

 女子ソフトテニス部

バレーボール部

バドミントン部

 卓球部

女子バスケットボール部

野球部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7月4日(月)富勢中校歌について

〇2年以上続いたコロナ禍での学校において、始業式や入学式では、「校歌斉唱」がまったく行われていません。ただ、先月あたりから1年生の音楽の授業でも、校歌斉唱の練習が始まり、その歌唱テストも行われています。実際私もまだ、全校生徒で歌う富勢中の校歌を聞いたことがありませんので、1年生の歌を聞いて、歌詞をほぼ覚えた状況です。

 

〇歌詞には、約70年前のこの地域の様子が描かれています。特に1~3番までに「ああこの丘」が入っており、かつては軍隊の駐屯地であったと聞いているこの土地は、昔から「良い土地」とされてきたと想像しています。また私の勝手な解釈では、1番が学校の朝方、2番が昼間、3番が夕方の様子をあらわし、一日を通して生徒たちの学びが多いことを願ってつくられたと感じています。

〇また徐々にコロナの感染が広がっているようですが、1学期の終業式には、全校生徒の歌う校歌を聞くことのできる状況であってほしいと願っています。

須藤昌英