校長雑感ブログ

令和5年1月5日(木)新年おめでとうございます

〇明けましておめでとうございます。令和五年「癸(みずのと)卯(う)」が幕をあけ、穏やかなお正月でした。昔から「正月は己(おのれ)を正(ただ)す月」と言われますが、これから始まる一年間をどのように過ごしていきたいか!?を考える時期だと思います。1日に家族と布施弁天に初詣に行きましたが、青空で寒風もなく大勢の方が参拝していました。平和な日本であることに感謝です。

〇年末にも書きましたが、私は昭和38年生まれのウサギ年で、今年還暦を迎えます。それだからではありませんが、正月三が日で布施弁天の他に、4か所の神社仏閣に参拝し、本校生徒の成長を祈願してきました。その内容は生徒たちにもっと「ああなってほしい」とか「こうあってほしい」ではなく、「生徒たちが自分自身の可能性を信じ、失敗を恐れずにチャレンジしてほしい」ということです。たとえ失敗したとしても、「失敗はこれまでのやり方ではダメだと教えてくれるメッセージ」と受け止めれば、次への意欲となります。

〇これも年末に書きましたが、教科書の内容は「長年の人類の英知、世界の仕組みのエッセンス」ですので、「困ったときに戻って確かめる」のが本来の役割です。よく「教科書さえ学んでいれば大丈夫」と言われますが、それが「生きて働く知識」になるためには、実際の生活の中でその知識がどのように活用されているかを生徒自身が実感しなければなりません。

〇一例として、私が昔小学校算数の「最小公倍数」を習った直後、教科書以外の本で、干支(えと)は、十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と 十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の組み合わせからできていて、その10と12の最小公倍数が60だから、元の暦に還る(還暦)は60年に一度なのだと読んだことを覚えています。そのように身近に習ったばかりの算数の知識が使われていることを知ると、その後は絶対に忘れずに今日まできましたし、「最小公倍数」と聞くと必ず「干支」のイメージが頭に浮かんできました。つまり強い印象・記憶になっています。

〇また当時は私は、古来の中国から日本に伝わってきた「干支」に、とても数学的な印象をもち、「人生にも規則性みたいなものがあるのか?」と思いました。振り返ると同様な積み重ねもあって、私の場合は数学の教員を目指すきっかけになったのでした。もちろん生徒は一人ひとりみんな違いますから、何がきっかけでその生徒の一生の興味や特技となるかは千差万別で、誰にもわかりません。もしかしたら自分でもまだ気が付いていない場合も多いかもしれません。ですから自らその可能性を信じ、「私はこれから~がやりたい」「~をもっと深く学んでいきたい」というものが一つでもいいので見つかってほしいと思います。その手助けをするのが学校の役割です。

〇今年も生徒の2つの「ジリツ」を育成していきます。1つ目の「自立」は「他人に頼らず、自分で独立した状態」、2つ目の「自律」は「自分で考え、行動の主体となった状態」です。富勢中の生徒が「ジリツ」するために、2学期終業式後の職員会議で私から教職員には、「新しい年を迎えたら、生徒全員が『自分だけの看板(長所)』を堂々と言えるようにしてほしい」とお願いしました。

〇どうぞご家庭でも同様に、「こんなことくらい中学生だから出来て当たり前だ」ではなく、「以前は出来なかったこともいつの間にか出来るようになっているね」や「あなたは~が好きなようだから得意になるくらいまでとことんやってみたら」などと声をかけていただきたいと思います。

〇本年もよろしくお願いいたします。

須藤昌英