校長雑感ブログ

11月30日(水)リフレーミング

〇2号館2階の心の相談室前の掲示板に、「リフレーミング」に関する啓発ポスターが貼られています。ちょうど階段の踊り場からも正面ですので、私も通りかかるたびに目にとまります。

〇リフレーミングという言葉は、「認識のフレーム(frame)を改める(re)」ことを意味します。リフレーミングとは、物事を別の角度から解釈し直すことで、簡単に言えば、「一つの視点ではなく、いろいろな角度からの見方をすることにより、嫌なことや苦手なことをポジティブ変換する思考テクニック」です。

〇よく使われる例えとして、目の前に水の半分入ったコップがあったとして、これを「なんだ半分しかない」と思うか、それとも「まだ半分もある」と思うか。水の量という事実を変えることはできなくても、その事実をどう解釈するかで、感じ方は大きく変わります。これはだれもが日常生活で経験すみだと思います。

〇リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。モチベーションアップや自分に自信がつく、ものごとへの苦手意識が弱まったり人間関係が良くなったりすることが心理学の面から報告されています。3年生の校長面接では何人かの生徒に、「確かに苦手なことに取り組むのは気がひけますが、『何でも初めから完璧にできる人はいない!』『自分の可能性をのばす絶好のチャンスかも!』ととらえると、『まずはやってみよう!』となりますね。」とアドバイスしました。

〇リフレーミングは主に2種類あり、一つは「今の自分の状況・事実」をリフレーミングしてみること。例えば、私も先日コロナ陽性で7日間の自宅療養をしましたが、最初は「あれもやっていない、これも遅れてしまう」ばかり思っていましたが、「休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられる」と気持ちが変わると「自宅でできることをやろう」と思えました。

〇また「自分の性格や行動の傾向」をリフレーミングすることも多いです。例えば、いつもいろいろなことに心配性な人も、「想像力があり慎重にものごとをすすめることができる」と切り換えると、また違ってきます。ただこれは、なかなか自分では気が付きにくく、他人からのアドバイスが大きなポイントをしめると思います。

〇昨日冒頭のポスターを見つめている生徒がいました。あえて声をかけませんでしたが、今度見かけたら「何か参考になることがありますか?」と尋ねてみようと思います。

須藤昌英