校長雑感ブログ

2月2日(木)給食と音楽

〇今週に入り、インフルエンザの流行の兆しが見えます。先週までは隣の学区で流行しているとの情報がありましたが、いよいよ来たかという感じです。日曜日まで感染拡大防止のため、部活動を原則中止とします。ただし週末に大会が予定されている部活動は、個別に連絡しますが、対外試合ですので、十分に配慮して行います。

〇本校の給食の時間は、12:40~13:10です。その時には放送員会による昼の放送があります。最初に今日の献立を読み上げ、「残さず食べましょう!」と呼び掛けています。また時には、「○○委員会からお知らせ」などがあり、配膳が終わりちょうど食べ始めたころに、生徒からのリクエスト曲を流しています。

〇ジャンルとしては、映画音楽、J-POP、K-POP、洋楽、アニメソング、TV.CM、季節の音楽、卒業特集などですが、曲の年代は昭和から令和まで幅広いです。当然のこと最近の曲はあまり聞いたことのないものも多いですが、この10ケ月間でびっくりしたのは、天地真理やピンクレディー、島倉千代子など、私が子どもの頃に流行った歌謡曲や演歌などもあり、我々の年代は懐かしい思いがしますが、「果たして中学生はどんな気持ちで聞いているのだろう?」と思います。

〇ただ最近は、若い人たちの中で「昭和」を見直す機運がたかまっているようです。実際に大学3年生の娘(平成14年生まれ)も先日、自分のスマホで彼女が生まれるはるか前の歌を聞いていたので、「そんな古い歌をよく知っているね」と尋ねましたら、「友達とカラオケに行くと昭和の歌を歌う人が多いよ」「私も昭和の時代を生きてみたかった」とつぶやいていました。「昭和もそれなりに大変なこともいっぱいあったんだよ・・」とこちらは思いますが、面白い現象です。

〇気になるのは「食事にふさわしい音楽とはどういうものか?」ですが、私なども聞いている音楽のリズムとテンポによって、食べるはやさ(勢い)が変わってくる気がします。アップテンポなロックミュージックだと無意識にはやく食べたり、レストランなどの飲食店では、クラシックやジャズなどのBGMが流れていることも多く、ゆったりとした気持ちで食べられます。少し調べてみると、食事を味わう時、私たちは五感のうちの「味覚」だけを使っているわけではないらしいです。例えば、盛り付けが美しい料理を見て美味しそうと思ったり、シャキシャキという噛む音が心地よく食欲が増したり、視覚や聴覚あるいは気温や食べ物の温度といったさまざまな要素が関係しているそうです。

〇過去に日本家政学会が発表した『食事環境におけるBGMが食欲に与える影響について』という研究結果を見ると、「騒がしい洋楽」「穏やかな洋楽」「クラシック」「学生食堂の録音」「BGMを使用しない」という5つの音環境中、特に食欲が減退したのは「騒がしい洋楽」だったようです。やはり給食中もあまり好ましくないのでしょう。

〇一方で、食欲増加につながる「脳安静度」が高かったのは、「学生食堂の録音」と「クラシック」だったそうです。ただ前者に関しては、今黙食のため会話はほぼなく室内には食器の音しかしませんので、残念ながら当てはまりません。となると後者しかありませんので、たまには「クラシック」を私からリクエストしようかと思います。

〇音楽は人の気持ちに大きく影響を与え、明るい音楽なら明るい気持ちに、暗い音楽なら暗い気持ちになりやすいことを考えると、給食の美味しさを感じて心が和むことなどに、何かしらの影響を及ぼすと言えるのではないでしょうか。

須藤昌英