校長室より

校長のひとり言(令和元年度)

修了式に寄せて

 新型肺炎コロナウイルス感染拡大防止のために、学校が休校となる前代未聞の事態の中、令和元年度の修了式を迎えました。本来であれば、体育館で皆さんの代表に修了証書をお渡ししたかったのですが、このような形になってしまったことを理解してください。

 まず、3月12日に、無事卒業式を実施できたこと、皆さんにお伝えします。3年生の姿はとても立派でした。本当はその姿を皆さんに見てもらい、送辞や答辞、合唱をともに歌うことで、伝統を引き継ぐ大きな節目としたかったのですが、それでも立派に卒業式をやり切った卒業生の思いはぜひ受け止めてください。

 さて、今回のコロナウイルス感染拡大に伴う世の中の混乱は、まだまだ先が見えない状況です。新年度も、これまでのように通常の形で迎えることが難しいでしょう。修学旅行や林間学校も場合によっては延期もしくは中止の判断を下さなければいけない可能性もあります。当たり前に続くと思っていた日常が突然変わってしまう。あるいは消えてなくなってしまう。このことを、皆さんにはきちんと考えてほしい。それも個人の事情ではなく、国や社会の事情で変わってしまうことがあるのだということを、きちんと考えてほしいと思います。だからこそ皆さんには、主体的に今この時期を生きてほしいと思っています。

 大切なことは、どんな状況に直面しても、慌てたり、騒いだり、誰かのせいにするのではなく、よく考えて最善の行動をとることです。例えばウイルスに感染した時に、誰かにうつしてやると出歩くことは正しい行為でしょうか。うわさに惑わされて、マスクやトイレットペーパーを買い占めて、転売することが正しい行為でしょうか。困難や試練に直面した時に、初めてその人の意思の強さや、人間としての価値がわかるのです。困難に直面した時こそ、笑顔を忘れず、多様性を認め、謙虚に学び続け、勇気をもって挑戦することを忘れないでください。

 来るべき令和2年度も、中原中学校を素晴らしい学校にしていきましょう。
 進級おめでとうございます。

休校最終日

現在のところ、休校の延長はないようですが、春休み中の部活動は縮小の形となりそうです。本日の臨時校長会で今後の方針が示されます。明日の修了式も各学級での実施とします。それでも、生徒たちに修了証書を渡せることに感謝したいと思います。オリンピックも延期の可能性が示唆されています。次年度の修学旅行や林間学校も、すでに延期や中止の判断をした学校があると聞きました。はやく正常化してほしいものです。正門の桜は、この三連休のあたたかさで一気に開花しました。少しずつ、前進するしかないですね。




休校12日目


卒業式のダイジェスト版映像ができました。卒業生とその保護者の皆様はもちろん、在校生や、保護者の皆様にもぜひ見ていただきたいです。視聴用のURLは「すくすくメール」と「つながる連絡」で送付してあります。(なおURLについては、SNS等への掲載はご遠慮ください)卒業生の凛とした姿はとても素敵です。練習する時間がなくても、気持ちさえ整えばここまでできるのだということを、彼らが教えてくれました。特別な形の卒業式だからこそ、意味のあるものになったのではないでしょうか。卒業生の4月からの活躍に期待します。

休校11日目

24日の修了式も体育館に集合することはせず、各学級でスカイプを利用して映像で実施することにしました。30日に予定していた辞校式も中止としましたので、24日に異動する先生方を発表したいと考えています。(ただし、異動先については新聞発表までお伝え出来ません)

休校9日目


コロナウイルスの感染がヨーロッパで拡大しているようです。世界経済に与える影響は計り知れないと思います。ニュースではリーマンショックと同等かそれ以上とも言われています。東京オリンピック・パラリンピックの開催も不安視されています。学校もいつ正常化するのか、先行きが見えていません。まさに「答えのない課題」に向かわなければならないときです。生徒のみんなはどんな日々を過ごしているのでしょうか。ネット上には、休校中に活用できる無料コンテンツがたくさん紹介されています。今できることにしっかりと向き合ってほしいと思います。

 https://www.kyoiku-press.com/post-213719/

気象庁は東京の開花を宣言しましたが、正門の桜はまだ開いていません。正門の桜が満開のころに、入学式ができることを祈ります。

休校8日目

昨日、無事に卒業式を終えることができました。新型コロナウイルス感染予防のため、様々な制約がある中、卒業式の実施にご尽力いただいたすべての方々に改めて感謝いたします。保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。ライブ配信につきましては、電波の状況が悪く配信ができず、期待を裏切る形になってしまい大変申し訳ございませんでした。現在は、アーカイブで視聴できるようになっておりますので、是非ご覧ください。校長として何よりうれしかったのは、昨日145名全員に卒業証書を渡せたことです。様々な理由で、学校を欠席していた生徒たちも卒業式に参加できたことは本当にうれしく思いました。これからも卒業生の成長と今後の活躍を心から願っています。

お詫び


 本日の卒業式ライブ配信につきましては、本校体育館での電波の状況が悪く、リアルタイムでの閲覧ができなかったようです。誠に申し訳ありませんでした。このあと、15:00時過ぎからアーカイブ映像がご覧になれますので、先日お知らせしたユーザー名とパスワードでご覧になって下さい。ご期待に添うことができず、大変申し訳ありませんでした。

第34回柏市立中原中学校卒業証書授与式


今日は第34回柏市立中原中学校卒業証書授与式です。145名の卒業生のみなさん、そして保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。例年とは少し形が変わりますが、心を込めて145名を送り出したいと思います。卒業生の前途を祝福するような快晴です。式の模様は9時よりインターネットで生配信いたします。よろしくお願いいたします。

休校6日目(卒業式前日)


明日はいよいよ卒業式。朝から先生方は掃除を頑張ってくれています。昨日とは打って変わって今日は晴天。朝から暖かく気持ちの良い春の日です。明日も晴れの予想です。心を込めて、卒業式の準備をしたいと思います。


正門の桜はまだ開花していません。梅は散ってしまいましたが、正門横のあんずの花がきれいに咲いています。



休校5日目


今日は雨が降っていますが、気温が高めで春の雨という感じです。花を咲かせる雨、催花雨というそうです。花を咲かせるためには雨も必要です。休校も2週間目に入りましたが、見通しが立たないというのは不安ですね。でも、こういう時こそ、当たり前のことをしっかりとやることが重要です。

「疾風に勁草を知る」という故事成語があります。困難や試練に直面したときに、はじめてその人の意思の強さや節操の堅固さ、人間としての値打ちがわかるという意味です。

卒業生のために、できる限りの準備をしたいと思います。

休校4日目


正門の桜もつぼみを膨らませ、今にも咲き出しそうです。学校では三年生の先生方を中心に、卒業式の実施に向けて努力をしています。どんな形であれ、集大成としての素晴らしい卒業式にします。



休校3日目


今日は公立後期選抜の発表でした。今日で3年生の進路はおおむね決定しました。入試は合格・不合格という結果がはっきりと出ます。今回も全員が合格できたわけではありません。しかし不合格という厳しい結果を経験することも、進路選択で子どもたちを成長させる要素と考えるべきだと思います。「どの高校に行くのか」ではなく「行った高校で何をするのか」を考えるべきなのです。自分で決めた進路に誇りをもって進学してほしいと思います。

休校2日目


新型コロナウイルスへの対応が連日ニュースで取り上げられています。自治体によって対応がさまざまであることも混乱の原因になっているような気がします。ただこのような緊急事態の時に、誰かを批判したり、現状を嘆いても意味はありません。今やれることをしっかりと進めていくしかないと考えます。職員室の先生方、特に3年生の先生方は、卒業式に向けてできることはないかと最大限努力してくれています。明日はいよいよ公立高校後期選抜の発表です。まずは全員が進路を決定してくれることを祈ります。


※昨日に引き続き臨時休校対策情報をお知らせします。中原中生のみなさん見てますか?

https://scrapbox.io/TGU/臨時休校対策情報

 

休校一日目

おはようございます。中原中学校は今日から休校となりました。ニュースなどを見ると、休校中に暇を持て余した中高校生が都内の繁華街にあふれているという情報が流れています。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐことを目的とした休校措置です。目的をしっかり理解して自分の生活を自己管理してください。休業中の課題をアップしてあります。またインターネットのサイトには無料でアクセスできる学習コンテンツがたくさんあります。どんどん活用しましょう。

https://www.kyukogakushu-support.com/
http://www.kashiwa.ed.jp/it-katei/
http://www.it.kashiwa.ed.jp/index.php?page_id=184

※このメッセージを読んだ中原中生は下の「投票する」ボタンをクリックしてください。

卒業式に向けて


すでにお知らせしたとおり、明日から23日まで休校となります。12日の卒業式は実施しますが、卒業生と教職員だけの参加で時間短縮での実施となります。休校の措置も含めて、今まで経験したことのない非常事態だと思います。何より3年生は悔しい思いや悲しい思いをしているでしょうし、保護者のみなさんもお子様の成長した姿を見られないことは断腸の思いであると思います。今日3年生に話す機会を与えられたので、「現状を真摯に受け止め、批判したり、嘆いたりすることなく、今できる最大限の努力をしよう」と今の私の思いを伝えました。実行委員長の小出君からも「どんな形であれ、自分たちの集大成として、感謝の気持ちを伝えよう」と全員に呼びかけました。頭が下がる思いでした。これまでの卒業式と比べる必要はありません。今の中原中学校3年生のありのままの姿で卒業式に臨んでください。教職員一同、心を込めて送り出したいと思います。保護者の皆様に対しては、当日の卒業式の様子をLIVE配信する準備を進めています。できることを最大限努力したいと思います。  

お知らせ

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、様々な対応が迫られているところですが、本校では現在インフルエンザB型が流行しており、本日2年生の2学級を閉鎖したところでございます。何より生徒たちの健康と安全を最大限に配慮して、対応してまいります。現段階では、今年度内の部活動の対外試合(練習試合を含む)への参加の中止が決定されております。(柏市校長会及び小中体連より通知)3年生を送る会については、3年生に在校生からビデオによるメッセージを上映する形での実施に変更する予定です。卒業式につきましては、現在柏市教育委員会と校長会とで協議を進めておりますが、規模を縮小しての実施となることが予想されます。保護者、地域の皆様におかれましては何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

大切な仕事


本当に大切な仕事は「雪かき」や「どぶさらい」のようなものである。別に感謝もされないし、誰かに誇るものでもない。「やらないとまずいよな」と思う人が自分の家の前から始める。それだけのことである。

                     神戸女学院大学名誉教授 内田樹

四季の心



人に接するときは春のように暖かい心で
仕事をするときは夏のように燃える心で
物思うときは秋のように澄んだ心で
己を責めるときは冬のように厳しい心で

霜柱


今朝、いつものように正門に立って、子どもたちにあいさつをしていると、正門横の雑木林(と言っても駐車・駐輪スペースとして利用している場所)のところに小学1年生が集まっていました。みんなでしゃがんで、何かを手に取っています。虫でもみつけたのかなと近づいてみると、手のひらに霜柱をのせていました。「霜柱見つけたよ!」と見せてくれました。私が幼かったころは、学校までの通学路がまだ舗装されていない道もたくさんあったので、よく霜柱をザクザク踏んで歩いたものでした。足にしもやけができたりもしました。高度成長真っ只中のころで、コールタールを流し込んで道路を舗装する工事があちこちで行われていました。いまは道路のほとんどが舗装されて、霜柱も注意して見ないと見つからない時代なんですね。小学生をみてちょっとほっこりしました。

知識をアップデートするために学び続けよう!

Twitterでみつけたつぶやきです。

学生のときのテスト勉強で、教科書見ればわかる暗記モノって今の時代ネットですぐわかるのにわざわざ暗記する必要あります?と教授に聞くと「お前は教習所の教科書見ながら車を運転するつもりか。歩く速度なら問題ないが、変化が速い時代に知識がないなど論外だ」と言われたのを時々思い出す…。

テスト勉強は無駄ではありません。知識は武器になります。身につけて損はないのです。変化に対応するために必要なことは、知識をアップデートするために学び続けることです。

楽しそうにする

 楽しそうに聞いて
 楽しそうに話して
 楽しそうに遊んで
 楽しそうに仕事して
 楽しそうに生きて
 楽しいと思えば思うほど
 楽しくて仕方なくなり
 楽しいことを引き寄せる


 修学旅行の引率で奈良の薬師寺を訪れた時、お坊さんのお説教がとても面白く、腑に落ちたことを覚えています。「面倒くさい」は面(顔)が倒れるから光が顔に当たらずに暗くなる。だから面(顔)を上げて姿勢を正すと顔に光が当たって白く輝く。だから「面白く」なると…。なるほど、行動が気持ちを変えるきっかけになるということですね。これは脳科学からも証明されているようです。「楽しいから笑う」…「笑うと楽しくなる」…「面白いからやる」…「とりあえずやってみたら面白くなってきた」…前向きな行動で気持ちを上げていくのは一つのスキルかもしれません。

正しいということ


『言い負かして正しいことを言って満足しても一つもいいことはない』

『正論は相手の心を閉ざす「言葉の凶器」』


正しいという字は一つ止まると書きます。一つ立ち止まって、考えることが必要だということでしょう。また正論が相手を傷つけることもあるということは覚えておきたいですね。

活用するための力

 ヒンディー語に「Jugaad(ジュガール)」という言葉があります。日本語には該当する言葉がないので翻訳するのが難しいのですが、「最低限の道具や材料でどうにかして問題を解決すること」というような意味があります。
 フランス語にも「Bricolage(ブリコラージュ)」という言葉があって、「ありあわせの材料や持ち合わせた道具で現状を切り抜けること」というような意味です。もともとは「取り繕う」「誤魔化す」といったニュアンスがあったのですが、フランスの文化人類学者クロード・レヴィ=ストロースがブリコラージュには「創造性」や「機智」が必要で、それらは人類が古代から持っていた知の在り方であると紹介したことから、ポジティブな意味で使われるようになりました。
 この、自分が知っていることを活用する力こそ、「生きる力」の本質なのではないでしょうか。これはブルーム・タキソノミーの「適応」「分析」「総合」「評価」に対応します。もちろんベースとなりツールとなる知識や技術を習得していくことは基本なのですが、大事なのは、それを問題解決の手段にできること、それぞれの現場で活用できることのはずです。知らない・できないからあきらめる、というようなことがないようにするのがこれからの教育の中心課題だと言えます。


『先生、この「問題」教えられますか?教育改革時代の学びの教科書』石川一郎・矢萩邦彦 共著 より抜粋


「ありあわせの材料や持ち合わせた道具で現状を切り抜ける」ためには、持っている材料や道具は多いに越したことはないはずです。学校で学んだり経験したりすることは必ず役に立ちます。というより、自分が今現在持っている知識や経験をどう生かすのかということが重要になるわけです。つまり、一番よくない姿勢としていえることは「これはやっても意味がない」とか「受験に出ない」とか、今の価値観で学びを止めてしまうことだと思います。学び続けることで多くの材料や道具を手に入れることができるのだと思います。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

こんなに集中して読書したのは久しぶりだ。今まで語ってきた「多様性」がいかに浅いものだったかを思い知らされた。帯にあるように「一生モノの課題図書」だと思う。


「でも、多様性っていいことなんでしょ?学校でそう教わったけど」
「うん」
「じゃあどうして多様性があるとややこしくなるの」
「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃない方が楽よ」
「楽じゃないものが、どうしていいの?」
「楽ばっかりしてると、無知になるから」と私が答えると「また無知の問題か」と息子が言った。以前、息子がレイシズム的な罵倒を受けたときにも、そういうことをする人々は無知なのだと私が言ったからだ。
「多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う」

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 フレディみかこ 著 より抜粋


整理整頓は心の掃除に通じる

 ドイツには「整理整頓は、人生の半分である」ということわざがある。日ごろから整理整頓を心がけていればそれが、生活や仕事に規律や秩序をもたらす。だから整理整頓は人生の半分と言えるくらい大切なんだ、という意味だ。このことわざに僕も賛成だ。試合に負けた日などは、何もしたくなくなって、部屋が散らかってしまうときがある。あの場面でああすれば良かったという未練や悔しさが消えず、自分の心の中が散らかってしまっているのかもしれない。そんな時こそ整理整頓を面倒くさがらなければ、同時に心の中も掃除されて、気分が晴れやかになる。


(中略)


朝起きたら簡単にベッドメイキングする。本は乱れていたら整理する。ダイニングテーブルの上には物が散らかっていないようにする。ただあまり整理に気を使いすぎると精神的に負担になるので、100点満点で言えば80点くらいの清潔感を保つようにしている。 きれいになった部屋を見たら、誰だって心が落ち着く。僕は心がモヤモヤしたときこそ、身体を動かして整理整頓をしている。心の掃除もかねて。


 『心を整える』 長谷部誠 著より 抜粋

仕事が重なって忙しくなるとデスク周りが乱れる。その結果、使いたい資料が見つからなかったり、イライラしてミスを繰り返してしまうことがある。忙しければ忙しい時ほど、デスクの整理整頓を心がけ、心を整えたいものだ。

2学期を終えて

 本日、令和元年度の第2学期終業式を無事に終えることができました。終業式では「メタ認知」について、子どもたちに話しました。「客観的な自分」「もう一人の自分」の視点を持つことで多様性を認められる力をつけてほしいこと。また、多様性を認めるということは、「何でもよい」という短絡的なことではなく、「立場や価値観が違う人ともしっかりと向き合い、対話し、合意形成することである」ということを伝えました。
 また夏休み前と同様に①自分と自分の周りの人の心と命を大切にすること。②今年1年をしっかり振り返ること③結果については自己責任が持てること(子どもだけで解決できないことは大人に相談すること)。④大切な人(家族、仲間、先生)たちを決して裏切らないこと。以上4点を伝えました。思春期を迎え、気持ちが不安定になる子もいます。また特に3年生は受験を前に不安を抱えています。「大丈夫。何とかなる」と声をかけてあげてください。14日間の冬休み、ご家庭でも子どもたちの見守りをお願いいたします。2学期も中原中学校の教育活動にご理解とご協力をいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

チャイムの鳴らない14日間

【3年生へ】
 2学期が終わります。卒業式まで実質2ヶ月を切りました。休みを除けば45日で君たちは義務教育を終えます。義務教育とは,日本国憲法の26条に「すべて国民は,法律の定めるところにより,その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育はこれを無償とする。」とあるように,君たちの保護者に課せられた義務を表わします。義務教育までは保護者や教師といった大人の保護を受けながら,嫌でも学校で勉強しなければならないわけです。では義務教育を終えるということはどういうことでしょうか。別に無理に進学する必要はなく,学校に行きたくなければ社会に出て働くことだって可能だということです。もちろん未成年である君たちにはさまざまな規制は残っています。しかし義務教育を修了するということは,「一人の社会人としての資質を身につけることが出来た」ということになるわけです。どうでしょう。一人の社会人としての資質は身についたでしょうか。君たちの大部分は自分で進学する道を選びました。もしかしたら,そんな難しいことを考えもせず,親の言うままに,あるいは周りにあわせて当たり前のように進学していく人がほとんどかもしれません。でも考えてください。これから少しずつではあるけれど君たちにも責任が要求されるということを…。
 冬休みは進路決定に向けた最後の追い込みの時期です。プレッシャーもあるでしょう。どうしたってイライラするし,投げ出したくなることもあるはずです。でも,大丈夫。何とかなります。大切なのは客観的に自分を見つめる目を持つことです。自分の行動を考えて,それが本当に正しいことか,そのときにすべきことかを考えてください。一時の誘惑に負けて,自分自身や大切な人たちを傷つけることがないようにしてください。
 2学期は,まだ酷暑厳しい中行われた体育祭で幕を開けました。3年生のリーダーシップを頼もしく,うれしく思いました。文化祭ではどのクラスの歌声もすばらしいものだったし,各学級の「思い」が伝わりました。当日の歌声はもちろん,それまでの取り組みは評価に値するものだと思います。毎日の積み重ねを大切にして,卒業の歌につなげてください。
 3学期に入ると,進路決定者が続々と出てきます。進路が決定していない仲間が不安に思うことなく,最後の一人が進路決定するまで,みんなで学びあう雰囲気を維持してください。この学年の仲間,先生方と一緒に生活できるのもあと45日です。みんなと共有できる残りの時間を大切にしながら,誇りを持って卒業していくために一日一日を大切にしてください。
 充実した冬休みになることを祈っています。良いお年を。


【1,2年生へ】
 2学期が終わります。1,2年生のみなさんが新しい学年に進級するまで実質2ヶ月を切りました。休みを除けば52日で令和元年度の修了式を迎えます。
2学期は,まだ酷暑厳しい中行われた体育祭で幕を開けました。3年生のリーダーシップを2年生が支え,1年生が追いかける形で中原中の伝統が受け継がれていく様子がわかりました。
 10月終わりに実施された文化祭では,どのクラスも素晴らしい歌声を披露し,各学級の「思い」が伝わりました。当日の歌声はもちろん,それまでの取り組みは評価に値するものだと思います。毎日の積み重ねを大切にして,卒業式の送別の歌につなげてください。そして文化祭の最後に行われた生徒会引継式では3年生から1,2年生に伝統の襷が渡されました。2年生が中心となり,1年生がそれを支え,次年度に向けた準備を進めてください。
 3学期には「3年生を送る会」があります。この行事は学級を越えて,学年全体が一つにならなければならない行事だと思います。一人一人が自分自身を成長させるチャンスだと思って取り組んでください。
 1,2年生のみなさんにとって2学期は充実した時間だったでしょうか。成長することができたでしょうか。これまで経験してきたことを自分自身の成長の糧にしてください。14日間の冬休みが始まります。2学期の終了と令和元年の終りを期に,この1年間をしっかりと振り返って,来るべき2020年に向けての準備をしましょう。充実した冬休みになることを祈っています。3学期の始業式で元気な姿を見せてください。良いお年を。
                       

 

友だちとはどういう人のことか


 なにをするにも誰かさんといっしょにやるのが好きなタイプの人は友だちができやすい。友だちができにくいという人は、基本的に一人でやるタイプの人です。友だちを作りたいと思うことそのことについても一人でやるのです。ひとりで考えるのですね。いっしょにやりたいタイプの人は、友だちを作るにもだれかといっしょにやるわけです。つまり作る前から友だちがいるというわけです。誰かといっしょにやっていると、気づいたら友だちになっていたなんてこと、よくあることです。友だちの自然発生です。友だちとは自然発生です。できないから作るといった代物ではありません。できてしまうようなものだと言ったほうがよいかもしれません。なぜなら友だちというものは、いるから楽しいし、いるから豊かだ、いるから寂しくないといった側面もありますが、同時にいるから苦労する、いるから頭にくる、いるからいらいらする、などということもあるのです。そんな奴らは友だちじゃないといっても友だちなのです。何しろ自然発生するものですから。友だちができない、友達がほしいと悩む人は、友だちというもののいい面だけを求めすぎている傾向があります。自分が好むような友だちが欲しいと無理な注文をしているキライがあります。そううまくはゆきません。苦労もいらいらも覚悟の上で誰かといっしょにしたいということが少しはっきりすると、友だちは自然発生します。そして苦労します。


「じょうぶな頭とかしこい体になるために」 五味太郎 著 より抜粋


 4月に生徒たちに「人はそもそも仲良くすることが難しい」という話をしました。だから「自分と違う考えを認められるように努力してほしい、多様性を認められるようになってほしい」と伝えました。また最低限のルールとして「命と人権を大切にすること。差別をしてはいけないこと」を意識してほしいと伝えました。相手を嫌だなと思う心、差別をする心を完全に消し去ることはできないかもしれません。大人だってできないでしょう。でも意識をすれば差別をしないことは誰でもできるはずです。意識をすればいじめはなくせるのです。無理に仲良くする必要はないのです。相手に対する思いやりを持つのと同じくらい、自分自身も大切にしてほしいのです。お互いに尊重しあうこと、つまり多様性を認められるようになってほしいと願っています。そのためにはメタ認知が必要です。メタ認知については終業式に子どもたちに話をしたいと思います。

「寒青」

『寒青』とは漢詩の言葉で、風雪に耐えて青々と立つ「冬の松」を意味します。凍てつく風雪の中で、木も草も枯れ果てているのに松だけは青々と生きている。 一生のうち、どんな厳しい中にあっても、この松のように、青々と、そして活き活きとありたいものです。亡くなった俳優の高倉健さんも座右の銘にしているようです。

マナーは愛より強い 身だしなみについて考える

 五木寛之氏が『大河の一滴』(幻冬舎、1998年)のなかで、C・W・ニコルさんから聞いた、極地へ探検に行ったときの話というのを紹介しているのだが、それはこんな話である。

 南極などの極地では、長いあいだテントを張って、くる日もくる日も風と雪と氷のなかで、じっと我慢して待たなければいけないときがある。そういうときに、どういうタイプの連中がいちばん辛抱づよく、最後まで自分を失わずに耐えつづけたか。ニコルさんに言わせると、それは必ずしも頑健な体をもった、いわゆる男らしい男といわれるタイプの人ではなかったそうです。たとえば南極でテント生活をしていると、どうしても人間は無精になるし、そういうところでは体裁をかまう必要がないから、身だしなみなどということはほとんど考えなくてもいいわけです。にもかかわらず、なかには、きちんと朝起きると顔を洗ってひげを剃り、一応、服装をととのえて髪をなでつけ、顔をあわせると「おはよう」とあいさつし、物を食べるときには「いただきます」と言う人もいる。こういう社会的なマナーを身につけた人が意外にしぶとく強く、厳しい生活環境のなかで最後まで弱音を吐かなかった、というわけです。
極限状態でマナーを守れること。これが人間のサバイバルにとって単なる体力以上に重要な鍵になる、というのは非常に興味深い指摘である。ヴィクトリア時代のジェントルマンたちは、ものごころもつかない頃からマナーをきびしく体に叩きこまれてきた。文字どおり、スパルタ式で叩き込まれるのである。これは世 間 体(リスペクタビリティ)を保つため、というよりもむしろ、どんな過酷な条件下でも生き残り可能な人間としての底力を育てる知恵だったのかもしれない。
 
 マナーは体力より強いばかりでなく、おそらくマナーは愛よりも強い。
 熱烈な愛情表現の交換によって結婚したカップルが意外に早く破局(しかも泥沼の)を迎え、人として最低限のマナーを守りあって暮らしているカップルが結局末永く添い遂げていることが多い身近な事例を見ながら、そう思う。
                     「スーツの神話」中野香織 著 より

 頭髪や服装を整えよう。「人は見た目で判断される」のですよ。ONとOFFの切り替えをしっかりして、学校でのジャージや制服の着こなしからしっかり確認しよう。もちろん先生方もです。挨拶や言葉遣いも社会に出てからでは、なかなか身につかないものですよ。


 

新しい体操服


次年度から体操服のデザインを一新します。かねてから「重く乾きが悪い」「男女別の首元の色の違いによるリサイクル・リユースしにくい」などとご意見をいただいておりましたので、無地で速乾性があり透けない素材のものに一新します。肩口にハーフパンツと同様のロゴが入ります。値段もこれまでのものより安い1,800円(税別)となる予定です。もちろんこれまでのものをそのままご使用いただいてもかまいません。合わせて上履きについても新しいものに変わります。こちらは製造工場の閉鎖に伴うもので学年の色分け等はそのままになります。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

初心忘るべからず

「初心忘るべからず」というと「新人のころの、あるいは初めのころの感動や純粋な気持ちを忘れずに、ひたむきに物事に取り組め」という意味でとらえている人が多いのではないでしょうか。しかし本当の意味はそうではありません。この言葉は 世阿弥の書「花鏡」で述べられた芸術論であり、 「しかれば当流に万能一徳の一句あり。 初心忘るべからず。この句、三ヶ条の口伝あり。①是非とも初心忘るべからず。②時々の初心忘るべからず。③老後の初心忘るべからず。この三、よくよく口伝すべし」という一節からのものです。世阿弥は、人生の中にいくつもの初心があると言っています。若い時の初心、人生の時々の初心、そして老後の初心。その時々のダメな自分を忘れるなと戒めているのです。初心とは「段階ごとに経験する芸の未熟さ」のことなのです。未熟な時代の経験、無様な失敗やその時の屈辱感を忘れないように、常に自らを戒めれば、上達しようとする姿を保ち続けることができると教えてくれています。初心とは決して良いものではないのです。学び続けることの大切さ、常にアップデートする姿勢の大切さを改めて教えられる言葉です。校長として未熟な自分を戒め、精進しようと思います。

祝 20万アクセス突破


中原中学校ホームページの閲覧数が延べ20万を突破しました。いつもアクセスいただきありがとうございます。これからも積極的に学校の様子を配信してまいります。記事をご覧になりましたら、どうぞ【投票する】のアイコンを押していただけると励みになります。よろしくお願いいたします。                          

勉強することの意義2 積極的な受動性


本を読むということも、同じく聴く構えを要求される。著者に対して100%同意するのではないまでも、耳を傾け虚心坦懐に、つまり心をすっきりさせて、読むわけだ。もちろん反発もあるかも知れないが、まずは相手の言っていることを受け入れてみようという、「積極的に受動的な構え」を勉強・読書を通じて作り上げる。これが学ぶ構えの基本なのだ。
 学ぶ構えの基本は、受動的であることに積極的な「積極的受動性」である。自己表現の欲求があるのはかまわない。表現するためにいろいろなものを読んで、自分のものにしてそれで表現するのが、筋道なのだ。モーツァルトが音楽の技法・文法を習得して表現したように、である。
 知識や技術を吸収するときには、人の言っていることに耳を傾けるという素直な態度が必要である。素直であるということが、学ぶという活動そのものの持っている本質なのだ。
 もちろん反発しながら、ぶつかり合いながら学ぶというやり方もないわけではないが、基本的には学ぶという活動は「素直さ」を育てるものである。だから勉強すればするほど意固地になっているとしたら、これは学び方がどこか狂っているのではないか。偏狭な考え方になっていくようでは、学んでいる甲斐がないことになってしまう。
 そういうわけで、勉強すると素直に吸収する構えが技となる。これがすなわち頭自体が良くなるということだ。だから「頭がいいから勉強ができる」とか「頭が悪いから勉強ができない」などとよく言うが、そういう考えはあまり発展性のある考え方ではない。実際、「頭のよさ」はトレーニングによって明白に向上する。「頭」と私達が思っているのは、もちろん情報の高速処理もあるが、おもに文脈をつける力を指していることが多い。その文脈をつけて理解する力というのは、やればやるほど伸びていくものなのだ。
 勉強というものはそういう意味で、まず頭を良くするし、ある程度自制心をもって心をコントロールするということに大変役に立つ。もちろん、その上に知識そのものの価値ということが乗っかってくる。


                      「教育力」斉藤 孝 著より抜粋

 

勉強することの意義 自制心


 勉強するといいことがあるのだが、それがなんだかおわかりだろうか。勉強すると一番いいことは知識が増えること以上に、頭がよくなるということだ。「勉強すると頭が良くなる」ということは意外に見落とされているが、「なぜ勉強をするのか」とうい問いへの一つの端的な答えである。運動すると運動神経が良くなる。運動部に入って何年かやっていると、元はそんなに動きが鋭くなかった人でも、ある程度、体が動くようになる。それと似ている。勉強すると頭が良くなる。頭が良くなると同時に心のコントロールもうまくいくようになる、というのが大方の筋道だ。勉強しすぎてものすごくキレやすくなったという人の率よりも、ぜんぜん勉強しないでブチキレている人の率のほうが圧倒的に高い。勉強すると頭がおかしくなるかのような言説を撒き散らす人がいるが、基本的にそういうことはない。
 勉強というものをすることによって、ある種の自制心というメンタルコントロール(心の制御)の技術を学ぶことができる。そういう心の技がセットでついてくるわけである。これは、言ってみると人類長年の知恵である。考えてみれば当たり前のことに過ぎない。勉強することの基本は、人の言うことを聴くことである。耳を傾けて我慢して聞くという心の構えが求められる。「おれが、おれが」という自己中心的・独善的な態度を一度捨てる必要がある。「自分に理解できないことは全部価値がない」という、自分の好きか嫌いかが世界をすべて決めるという態度では何も学べないのだ。
 先人たちの発見したことに対して耳を傾け、しっかりと聴くということが、学ぶということの基本だ。そうした学ぶ構えができている人は、他の人に対しての意識を持つこともできやすい。人の言葉を聴いている間は自己中心的な態度をやめているということだからだ。

                       「教育力」斉藤孝 著より抜粋


学ぶ構えを身につけよう。勉強することで心のコントロールと相手の立場を尊重できる人になろう。勉強すれば価値観が変わり新しい自分が見えてくる…。

 

 

校長面接を終えて


3年生一人ひとりとの校長面接が一通り終わった。(欠席等でまだ実施できていない人も若干残っている)生徒たちと1対1で話ができたことはとても意味があったと感じている。一人ひとり自分の考えをしっかりと持っていて、それを表現することができる生徒がとても多かった。もちろん、緊張したり、自分をうまく表現できなかったりする子もいたが、何より生徒と直接話ができたことがうれしかった。一つ感じたことは、彼らが受験に対してとても大きな不安を抱えているということだ。進路保護者会でもお話をさせていただいたが、進路選択は彼らにとって初めての試練であり、それを乗り越えることは大人になるための一つの通過儀礼としての意味があると思う。悩みや不安を乗り越えることも一つの経験と言える。しかし悩みや不安を乗り越えるためには、周囲の支えが絶対的に必要である。家族や教師の一言がどれだけ彼らを支えることができるのか。私たち大人は彼らを追い詰めるのではなく支えなければならない。目標とする学校の偏差値や合否だけで彼らを追い詰めることはしたくない。「目標」は最後にその結果を自分では決められない。でも「目的」は違う。進路選択という試練を理解し自分自身を成長させることが目的であり、そういう意味では不合格から学ぶこともあるはずだ。三者面談も終わり、私立の入試相談の準備が始まる。私たち大人がもう一度、「目標」と「目的」をしっかりと理解して、子どもたちを支えていかなければならないと思う。

ライ・シャラドさん

5月に中原中に来てくれて、国際理解の講演をしてくださったライ・シャラドさんを覚えていますか。ネパールの子どもたちの未来のために、自らの手で学校を作るプロジェクトを進めているライさん。ライさんとソフトバンクによる「愛のランドセルプロジェクト」がTBSニュースで取り上げられました。下記のリンクから視聴できます。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3822489.html

※視聴期間終了したため上記リンクでは現在視聴できません。

ライさんがネパールに作った学校を紹介する映像です。ライさんのプロジェクトは確実に進んでいます。ぜひご覧ください。

言葉

 校長面接で3年生一人ひとりと話をしているが、彼らの感性に驚かされることがある。先日、ある女子生徒に「あなたが今、関心を持っていることは何ですか」と質問をした。するとその子は「言葉です」と答えた。言葉の意味や響きに「美しさ」を感じるという。「美しい大和言葉」が失われていくのはとても残念だと嘆いていた。言葉を美しいと感じる感性はこれからも大切にしてほしい。

 私たち教師は言葉で生徒に語りかける職業だ。もっと言葉を大切にしなければいけないと思う。「すべての争いは言葉から始まる」どんな水滴(言葉)を水面(職場)に落とすか。喜び、怒り、悲しみ、笑顔、不安、恐怖、反感、団結…その一滴(一言)から始まる。校長会での教育長からいただいた言葉である。喜びや笑顔、団結を生み出す言葉をかけているだろうかと自省する。自らの言葉を変えていきたい。

手賀沼エコマラソン

10月27日(日)、手賀沼エコマラソン(ハーフマラソン)に参加した。第25回を数え、参加者も1万人を超える大会だ。参加は今年で2度目になる。昨年の4月、高校の同級生に、ハーフマラソンのレースに出ないかと誘われ、勢いで「やるよ」と返事をしてしまった。4月に練習を始めたころは、1キロ走ると歩いていた。21キロは車で走る距離だと思った。それでもやると決めた以上、少しづつ距離を伸ばして練習を続けた。練習を重ねると、距離もタイムもどんどん伸びていった。50代でもまだやればできると少しだけ自信になった。8月に長崎県で行われた五島列島ゆうやけマラソンにはじめて参加し、2時間7分で完走した。続く10月の手賀沼エコマラソンに参加し、1時間51分で完走できた。決して自慢できるタイムではないが、最初は1キロ走ると止まっていた自分から考えると大きな進歩だと思う。50代でもやればできるのだ。今年は思うように練習時間がとれなかったが、出場することに意味があると思ってエントリーした。結果は1時間57分。去年よりタイムは落ちてしまったが、2時間を切れたことは満足だ。当日、駅伝部の生徒たち、橋先生、馬場先生が応援に来てくれた。一番苦しいラスト4キロくらいのところで「校長先生、頑張れ!」と声をかけられ、すごく大きな力をもらった。応援がこんなにうれしく、力になるんだと実感した。54歳になったけど、また何かに挑戦しようと思った。そしてこれからも中原中の生徒たちを応援したいと思った。

中原中学校を好きになってほしい


僕がキャプテンとして12年4月にチームのみんなに言ったのは、「チームのことを好きになってほしい」ということだった。そして「このチームはいいチームだ、と発信しよう」ということだった。ラグビーの細かい部分よりも、自分たちがナショナルチームとしてどういうマインドを持つか、ということを話したのだ。

ラグビーのスタイルがどうこうではなく、「こういう仲間と一緒に何かを成し遂げたい」「こういう仲間と一緒にラグビーをやりたい」という気持ちになるのだ。

「ラグビー知的観戦のすすめ」 廣瀬俊朗 著(角川新書) より抜粋

3年生との校長面接も、あと一クラスとなった。「あなたは中原中学校が好きですか」と質問をすると「大好きです」と答える生徒ばかりでうれしくなる。自分の学級、自分の学年、自分の部活、自分の学校を好きになってほしい。そして自分の所属するチームはいいチームだと発信してほしい。そのために自分がすべきことを考えてほしい。生徒たちだけでなく、先生方一人ひとりに言いたい。「中原中学校を好きになってほしい。中原中学校はいい学校だと発信しよう!」

【ラグビー憲章が掲げる5つの根本理念】
1.品位(INTEGRITY)
2.情熱(PASSION)
3.結束(SOLIDARITY)
4.規律(DISCIPLINE)
5.尊重(RESPECT)

文部科学省の問題行動調査

文部科学省が実施している問題行動調査の結果が発表され、2018年度(昨年度)の千葉県内の小中高校のいじめ認知件数は4万483件と発表されました。都道府県別では東京都に次ぐ2番目の多さということですが、これは積極的に認知を行っているためと考えられます。中原中学校でも「いじめ防止基本方針」に基づき、各学期にアンケート調査と教育相談を実施し早期発見に向けた取り組みをしています。またスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとも連携しながら、生徒たちや保護者のみなさんからも相談しやすい体制を整えています。また柏市教育委員会が導入している匿名相談アプリ「ストップイット」も生徒にダウンロードを促しています。何より大切なのは、生徒同士、生徒と教師、教師と保護者がそれぞれ話やすい環境であることと考えます。中原中学校は多様性を認められる学校を目指しています。ご意見があればいつでも校長までご連絡ください。

ラグビー日本代表に思う

試合の中では、相手の身体を壊そうと思えば壊してしまえるような状況がしばしばある。しかし、そこで人間としての最後の一線を越えることなく、どんなに激しい戦いの中でもお互いにルールを守り、その中で最大限の戦いを繰り広げようとする。そこがラグビーの素晴らしさであるし、そういう本質を理解しているチームを相手にするからこそ、対戦相手に対するリスペクトの気持ちも生まれてくる。

そういうラグビーの本質にあるのは「多様性」だと僕は思う。ポジションによって身体つきも、持っている個性も、みんな違っている。ゲームの性質から考えても、チームの中で自分だけがハッピーになればいいという気持ちでは、いい試合を戦うことはできない。

そして、仲間のために頑張ろうと思ってプレーするからこそ、見ている多くの方に勇気や感動をおとどけすることができる。

こうした経験を積んだラグビー選手の多くは、現実の社会に出ても、人に対してバリアを張ることなく、個性を認め合い、たとえば「この人のこういう良さを自分に引き入れれば、自分ももっと良くなるのでは」と考えるようになる。だからラグビーは社会的にも意義のあるスポーツと言えるだろう。


「ラグビー知的観戦のすすめ」 廣瀬俊朗 著(角川新書) より抜粋

現在3年生と校長面接をやっています。「あなたが今関心のあることは何ですか」という質問に対し、多くの生徒がラグビー日本代表の躍進を上げます。私自身、今までそんなに興味を持っていなかったこのスポーツに、圧倒的に魅了されています。紹介した本を読んだとき、相手に対する「敬意(リスペクト)」と「多様性」という言葉に強く惹かれました。ベスト8と言わず、オールブラックスを倒して優勝してほしいと思っています。

中原中学校の部活動

中原中学校は部活動がとても盛んです。どの部活動も一生懸命練習に取り組み、成果を上げています。現在、1,2年生中心となった新チームで新人戦に臨んでいるところですが、応援に足を運んだ会場で生徒たちにさわやかなあいさつと「応援ありがとうございます」と声をかけられると、とてもうれしくなります。また学校に戻ったあと報告とお礼のあいさつにきてくれる生徒もいます。今日も女子バスケットボール部と男子バスケットボール部の生徒が報告に来てくれました。ご家族をはじめ、支えてくださっているすべての方へ、感謝の気持ちを表すのはとても大切なことです。勝敗以上に子どもたちに身につけてほしいと考えています。

中原中学校 部活動の4つの『あ』
 ・あいさつ
 ・安全
 ・後始末
 ・ありがとう(感謝)

自分を元気づける方法

 

『自分を元気づける一番良い方法は、誰か他の人を元気づけてあげることだ』
『私がこれまで思い悩んだことのうち、98%は取り越し苦労だった』


マーク・トウェイン 『トム・ソーヤーの冒険』で知られる小説家・作家 
生前数々の名言を残しています。その中でも好きな2つを紹介しました。

 

 


 

今が一番


小学生高学年「低学年の頃は良かったわ―」 
中学生   「小学生の頃は良かったわー」 
高校生   「中学の頃は良かったわ―」
大学生   「高校の頃は良かったわ―」
社会人   「学生の頃は良かったわ―」
退職後   「働いてた頃は良かったわー」

いい加減気づけよ 今が一番楽しいって事に。

体育祭に寄せて(開会式あいさつ)

 本日、中原中学校体育祭を実施できることを大変うれしく思います。今日まで練習や準備でリーダーシップを発揮してくれた実行委員、応援係のみなさんに心から感謝します。

 

「全力 みんなの絆物語」のスローガンのもとに実施される令和最初の体育祭は、34回目の開催となりました。第1回は昭和61年11月9日に開催されています。以来、昭和、平成と学校の歴史と伝統を重ねながら、令和元年の今年、34回目の体育祭を迎えました。新たな時代を駆け抜けるために、新しい風を吹かせてください。

 

みなさん一人一人は、選手であると同時に、体育祭を支える競技役員であり、大会を盛り上げるサポーターでもあります。仲間を思いやるメンバーシップを大切にし、体育祭への思いを込めて活動すれば、見る人に感動を与えると同時に皆さんも感動を味わうことができるはずです。

何より安全と健康に最大限に留意をして全力で競技に取り組んでください。

 

おわりに朝早くから応援に駆けつけてくださいました地域の皆様、保護者の皆様、ありがとうございます。私たち生徒及び教職員一同は力を合わせて今日の体育祭に臨みますので、温かいご声援をお願いいたします。

 なお皆様も熱中症対策をしながらのご参観をお願いいたします。本部テントには養護教諭、保健室には看護師もおりますので何かありましたら遠慮なくご相談ください。

 

それでは生徒のみなさん、怪我無く安全に、思い切り楽しんでください。

ミライの授業

8月に急逝された瀧本哲史先生の著書「ミライの授業」もっと早く出会いたかった本です。「14歳のきみたちへ」から始まります。14歳のきみたちに、知っておいてほしいことがある。きみたちは、未来に生きている。そして大人たちは、過去を引きずって生きている。きみたちは未来の住人であり、大人たちは過去の住人なのだ。これは比喩ではなく、事実としてきみたちは、未来に生きている。
・・・・・
誰もがかつては14歳だった。自分の可能性をあきらめ、愚痴や不満ばかりこぼしている大人たちもかつては14歳だった。わたしはきみに、そしてすべての「かつて14歳だった大人たち」にこの本を贈りたい。たとえ何歳であろうと、未来をあきらめることは許されないし、わたし自身が未来を信じているからだ。

中学生にぜひ読んでほしい1冊です。

あなたの笑顔を守りたい。


チャイムの鳴らない44日間も残すところ4日となりました。終業式に生徒の皆さんにした約束は守れたでしょうか。守れなくてもいいんです。とにかく皆さんが元気に2学期を迎えてくれればそれだけでいいんです。充実した夏休みを過ごせた人、早く友達に会いたいと思っている人、宿題も完璧に終わっている人。そんな人ばかりでないですよね。宿題が終わらない、部活や学級の人間関係が不安。家族についても悩みがある。そんな人もいるはずです。でも大丈夫です。安心して学校に来てください。先生たちはみんなに会えることを楽しみにしています。9月2日の朝、私も正門で皆さんを迎えるのを楽しみにしています。もしも悩みがあるなら身近な大人に相談してください。校長室にきてくれてもかまいません。電話相談やSNS相談もあります。この動画をぜひ見てください。元メジャーリーガーの松井秀喜さんや車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾さんからのメッセージです。

動画URL https://youtu.be/Rq4S0J0V6nY  
#stsndbyyou 

学校に居場所がない子に言ってあげられることはありますか?

日本を代表するボーカリストの甲本ヒロトさん。THE BLUE HEARTSとして、「リンダリンダ」や「TRAIN-TRAIN」などのヒット曲はあまりにも有名ですね。現在もザ・クロマニヨンズとして活動を続けています。その甲本ヒロトさんの言葉です。ぜひ読んでください。

「学校に居場所がない子に言ってあげられることはありますか?」という質問に対して、

甲本ヒロトさん
「居場所あるよ。席あるじゃん。そこに黙って座ってりゃいいんだよ。友達なんていなくて当たり前なんだから。友達じゃねぇよ、クラスメイトなんて。たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけじゃん。」
 
「趣味も違うのに友達になれるわけないじゃん。山手線に乗ってて、『はい、この車両全員仲よく友達ね』って言われても、『いや、偶然今一緒に乗ってるだけなんですけど』って。友達じゃねぇよ。」
 
「ただ、友達じゃないけどさ、喧嘩せず自分が降りる駅まで平和に乗ってられなきゃダメじゃない?その訓練じゃないか、学校は。友達でもない仲よしでもない好きでもない連中と喧嘩しないで平穏に暮らす練習をするのが学校じゃないか。だからいいよ、友達なんかいなくても。」

※喧嘩しないで平穏に暮らすために、多様性を認められるようになりましょう。
 Smile  Diversity  Update  Challenge   

【#しんどい君へ】ゴルゴ松本さん「逃げていい。落ち着いたら挑んで」


人は、命ある限り人生を楽しむために生まれてくるんだ。好きなことも興味があることも、命ある限りにしかできない。父ちゃんも母ちゃんも、じいちゃんもばあちゃんも、ご先祖様も、つらいことや悲しいことを乗り越えてきて、今の自分につながっている。その命は、無駄にしちゃいけない。

 「兆」という字がある。例えば学校でいじめに遭って今、君は、生きるか死ぬか、その両方の兆しの中にいるぐらい悩んでいる。そんな時は今の自分の状態がどうか、目偏を加えて、「眺」めてほしい。つらいな、嫌だな、死にたい。そこまで追い込まれているのなら、今度はしんにょうに変えて、「逃」げていい。
 逃げることは、自分に差し迫った危険から逃れるということだ。逃げるという選択肢は、生きているからできる。自分の命を守るためなら、学校も行かなくていい。逃げて逃げ切って、周りをもう一度、眺めてみよう。落ち着いたら、今度は自分が成長できるように、手偏に変えて、人生に「挑」んでいけばいいんだ。
 「桃栗三年柿八年」と言う。3年で実がなるものもあれば、8年先まで待たなきゃいけない育ち方だってある。学校の3年間や6年間で人生は決まらない。
 本当は自分の意思や思いを言葉で伝えられるといい。「意」という字は、「音」に「心」と書く。自分にしか分からない心の音があるはずなんだ。その音を見せよう。両親や先生、周りの大人たちに気づいてもらえるように、手紙やメールで文字にして伝える。でも、それもできない時は、涙を流す。生きたいと思って下を向いて涙を流していたら、誰かが気づいてくれるから。

【#しんどい君へ】ゴルゴ松本さん「逃げていい。落ち着いたら挑んで」
8月20日 読売新聞オンライン

漢字を使った独特の解釈で少年院や学校で講演を行うタレントのゴルゴ松本さんの記事です。柏市内では柏中学校で講演をされたこともあります。

 ※ツイッターで #しんどい君へ で検索するとほかにも著名人のメッセージを読む ことができます。

偏った勉強は可能性を狭める

「進路に不要な勉強は邪魔だ」とお考えの高校生へ。ご自分の志望と無関係な勉強を強制される状況に対する違和感はよく分かります。私も高1の時、「数学など人生に不要」と判断し、家では一切学校の勉強はやらないことにして、世界の文学作品を乱読したことがありました。

 そのため数学はまったく分からず、赤点すれすれとなり、国立大学を受験する時に大変苦労したのですが、これはむしろ表面的なことです。

 大学卒業後、業務文書などの翻訳(英和・和英)を生業とするようになって、私のところに回ってくる仕事は技術関係のものばかりだったのです。そこで一番役に立ったのは、高校時代に意味を感じられないままに勉強させられていた、数学や理科の知識だったのです。

 「英語による仕事」といいますが、私は「純粋に英語にしかかかわらない仕事」というのは、そうそうないむのだと思います。一線で働く通訳の方も、日本語の能力、通訳する話題に関する知識の重要性を述べています。志望と無関係な科目を切り捨ててしまうことで、可能性を狭めてしまうことなく進んでいかれることを祈っています。

 

千葉市在住の翻訳家の方が、「受験に不要な勉強は必要ないのでは」と悩む高校生に贈った新聞への投稿記事です。
 今の発展途上の価値観で、自分自身の可能性を狭めてしまうことはとてももったいないことだと思います。好き嫌いなく、なんでも食べて栄養をつければ体が成長していくように、さまざまな分野の勉強をすることが後々の君たちにとっての大きな財産になるはずです。美術も音楽も一生懸命取り組めば、必ずプラスになるのです。受験のための勉強ではなく、自分を成長させるための勉強をしてほしいものです。

夢八訓


「夢のある者には希望がある」
「希望のある者には目標がある」
「目標のある者には計画がある」
「計画のある者には行動がある」
「行動のある者には実績がある」
「実績のある者には反省がある」
「反省のある者には進歩がある」
「進歩のある者には夢がある」

 「夢八訓」 流通評論家 吉田貞雄 

夢や目標を達成するには1つしか方法はありません。小さなことを積み重ねること。今自分にできること、少し頑張ればできそうなこと、そういうことを積み重ねていかないと、遠くの目標は近づいてこない。

これはイチローの名言

小さなことを積み重ねていきましょう!

チャイムの鳴らない44日間

 長いと思っていた1学期が終わります。新入生を迎え448名でスタートした令和元年度の中原中学校も、もう3分の1が終わるわけです。そして迎える令和最初の夏休み。今年は44日間と少し長めの『チャイムの鳴らない44日間』が始まります。チャイムが鳴らないだけではありません。制服も校内服も着なくていい、掃除もしなくていい、担任の小言も聞こえない…。「さあ、エアコンの効いた涼しい部屋で、スマホで『荒野行動』だ!それともYou Tubeで『はじめしゃちょー』を見ようかな。えっ勉強?、宿題さえやっとけばいいでしょ、やりますよ、提出期限ギリギリに間に合えばいいんだから…まずは思いっきり羽を伸ばさなくっちゃ…」と考えているそこの君。もう一度自分自身を見つめ直して、夏休みの計画をしっかりと立てましょう。まとまった時間が取れる夏休みは、何か新しいことに挑戦し、自分を成長させるチャンスです。一方で君たちを取り巻く周囲の環境は、SNSも含めて決して安全とはいえません。甘い誘惑に負けて大切な物を失うということが無いように気をつけてください。早寝早起き、規則正しい生活を送ることが何よりです。まさかとは思いますが、夜中までオンラインゲームやYou Tube三昧で、昼夜逆転なんてことがないようにして下さい。1年生は中学校初めての夏休み。部活動や宿題など不安もあるかもしれませんが、計画的に充実した夏休みにしてください。2年生は9月からは中原中学校の中心として活動することになります。そのための準備をしてください。3年生は進路選択に向けて、説明会や体験入学に参加する機会があると思います。自らの進路を切り開くために、自分自身としっかり向き合ってください。みなさんひとり一人にとって充実した夏休みになることを祈っています。

 さて、夏休みを前に4つの約束を確認したいと思います。

① 夏休みにこれはがんばったと自信を持って言えることを必ず一つはやり遂げること。
② 自分と自分の周りの人の心と命を大切にすること。

③ 結果については自己責任が持てること(子どもだけで解決できないことは大人に
相談すること)。
  大切な人(家族、仲間、先生)たちを決して裏切らないこと。

  さあチャイムの鳴らない44日間のスタートです。9月2日にみなさんの元気な笑顔が見られることを楽しみにしています。

聴くということ

「・・・モモのところには、入れかわりたちかわり、みんながたずねてきました。・・・モモが、ものすごく頭がよくって、何を相談されてもいい考えを教えてあげられたからでしょうか。なぐさめてほしい人にしみいることばを言ってあげられたからでしょうか。何についても、賢明で正しい判断がくだせたからでしょうか。違うのです。こういうことについては、モモはほかの子と同じ程度のことしかできません。・・・ひょっとすると魔法が使えたのでしょうか。どんな悩みや苦労もふきはらえるような不思議な呪文でも知っていたのでしょうか。手相を占うとか、未来を予言するとかができたのでしょうか。これもあたっていません。小さなモモにできたこと、それはほかでもありません。相手の話を聞くことでした。・・・」
   「モモ」 ミヒャエル・エンデ より 一部抜粋


 誰かに自分の話・悩みを聴いてもらえるだけで、自分で自分の問題を解決する力がわいてくるものです。「聴く」とは,「あなたに関心をもっていますよ」という大切なメッセージを送る行為なのです。子どもたちの声に耳を傾けようと思います。

 

 

「未来の教室」

第二次世界大戦後の急激な人口増加をベースに続いた右肩上がりの経済成長は、経済的なパイの拡大によって、様々な社会的矛盾を吸収しながら、日本社会に大きな「成功体験」をもたらしてきた。しかし平成に入り、内外の環境は大きく変わった。少子高齢化に伴う人口構成の変化、デジタル産業技術を核とした産業構造の変化、そして目まぐるしく進化する技術革新。いずれも、我が国が抜本的に対応できていないのが現状だ。このような時代において求められるのが「創造的な課題発見・解決力」である。昨年6月に発表された第1次提言では、一人ひとりが未来を創る当事者(チェンジ・メイカー)に育つ環境づくりが必要であるとし、「50センチ革命」「越境」「試行錯誤」という3つの力の育成が、教育改革のキーワードとして設定された。「50センチ革命」とは、現状に満足せず変化に向けた小さな一歩を踏み出すこと、「越境」とは従来の分野や組織を超えて多様な人や知識に触れて協働すること、「試行錯誤」とは失敗を恐れずに挑戦し、その結果から学び次の一歩に進み続けることを意味している。

平成が終わり令和が始まった今、あらゆる環境の変化に適応した新しい教育のあり方を、過去の成功体験の呪縛にとらわれずに構想する必要があることから、今回、「未来の教室」の姿として上述の3つの柱をベースにした提言へと昇華されたというわけだ。

 

出典:「未来の教室」ビジョン(概要版) p2


経済産業省の提言「未来の教室」ビジョンからの抜粋である。変化の激しい時代において求められる「創造的な課題発見・解決力」をどのように子どもたちに身につけさせるか。子どもたち一人一人を未来を創る当時者(チェンジメーカー)として育てるにはどんな環境が必要か。5月に行った国際交流集会では、当事者意識の重要性を子どもたちに感じてほしくて、ライ・シャラドさんをゲストに招いた。今、学校は待ったなしの変革を求められていると思う。新しいことに挑戦していきたい。

物事と正対する

監督をしていて気づかされたことがある。伸びる人間は人の話をよく聞くということだ。

 自分で考えるという自主性と、人の話をよく聞くという姿勢は、一見したところ矛盾するように感じるかもしれない。事実はまったく逆である。考える力を養ったり、冷静な自己分析をしたりする上でも、人の話はよく聞くべきだ。

 人の話をよく聞くとは、言い換えると物事と正面から向き合う、正対するということだ。たとえばラグビーで、私が選手のミスについて指摘したとしよう。伸びる選手は注意をしている私と正対している。斜に構えて話を半分しか聞かないような選手は、たいてい同じようなミスを繰り返してしまう。成長のチャンスを逃してしまうのだ。

 正対するというのは、何も監督や上司の意見をすべて聞けという意味ではない。正面からしっかり受け止めるのであれば、どんな態度をとっても構わない。自分が正しいと思うのであれば、私に向かって正しいことを主張すればいい。むしろ反抗してくる人間は伸びる。物事としっかり正対しているからである…。

 

『監督に期待するな』 
    早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利 
              中竹竜二 著 講談社 より抜粋

中原中学校の生徒はしっかりと話を聞ける生徒が多いと感じています。集会などで話をする生徒も、自分の言葉でしっかりと主張できていると思います。話を聞いて疑問に思ったことはしっかりと質問したり、自分の意見を主張したりすることはこれからの社会で必要な力です。物事としっかり正対してほしいと思います。

すべては「生まれて初めて」であり「最初で最後」

「育てる」ということを思い描くとき、ぼくたちはつい、自分をゴールの側に置いてしまう。1歩ずつこっちに向かってくる子どもをゴールで待ちかまえて、正しい道を進むように導くことが、「育てる」ことなのだ、と。

 でも、ほんとうはそうじゃないのかもしれない。おとなも子どもも、「育つ」側も「育てる」側も、みんな「生まれて初めて」の日々を生きている。おとなは自分自身の「育つ」を終えてから子どもを「育てる」ことを始めるのではない。おとなだって、育てながら育っている。人生の長い道のりの途上にいることは、おとなも子どもも同じなのだ。

 ならば、試行錯誤もあるだろう。失敗して悔やむことだってあるはずだ。かまわないじゃないか、そんなのあたりまえですよ・・・あえて、そう言っておきたい。子育ての「正解」を見つけられない自分を責めて、悩み苦しんでいる親がたくさんいる時代だからこそ。

 人生を何度でもやり直すことができるなら、「正解」の数は増えるだろう。でも、それができないから、すべては「生まれて初めて」であり「最初で最後」だから、生きることはちょっと哀しくて、すごく愛おしい。

 ぼくは今年「生まれて初めて」四十二歳になる。二人の娘たちも、それぞれ「生まれて初めて」の中学三年生と小学三年生になる。いまはまだまっさらな二○○五年のカレンダーに、わが家の「生まれて初めて」の日々は、どんなふうに刻まれていくだろう。ぶつかったり、すれ違ったり、悔やんだり…家族で笑い合える曰が一日でも多ければ、いいな。

 

「うちのパパが言うことには」(角川文庫) 
            重松 清 著より抜粋

2008年に出版された本からの抜粋です。ちょうど同じころ、小学生と中学生になる3人の子どもを持つ同じ年ごろの父親だったので、痛く共感したのを覚えています。今読み返してみても、なるほどと腑に落ちました。校長としてもすべては「生まれて初めて」であり「最初で最後」の意識で令和元年を生きたいと思います。





壮行会に寄せて

総合体育大会・コンクールがいよいよ迫ってきました。みなさんはこれまで「総体・コンクール」をめざし、ひたむきに努力を積み重ねてきたと思います。今回のこの壮行会ですが、実は行事削減のためにいったんは実施しないことが決まっていました。しかし生徒会役員を中心とした3年生の、どうしても実施したいという強い思いから、生徒総会の議決を経て実施することとなりました。生徒会行事を自分たちの手で実現したプロセスには大きな意味があると思います。みなさんの入場の姿や決意表明を受け、みなさんからも総体・コンクールに向けた強い思いを感じました。また全力で歌った校歌2番や代表の応援メッセージから、応援する生徒のみなさんからも強い思いを感じました。私もできる限り会場に足を運び、中原中学校を応援します。

 

特に最後の総体・コンクールを迎える3年生のみなさん。みなさんが今意識すべきことは何でしょうか。私も長く運動部の顧問を続けてきましたので、最後の総体で自分のチームの選手たちにかけてきた言葉を君たちに贈りたいと思います。

 

一つ目は「準備」です。最後に勝負を決めるのはどれだけ準備をしてきたか。練習も戦術を練るのも、体を作るためにご飯を食べるのも準備です。試合まで残りわずかとなった今からできる準備は何か。気持ちの準備、心の準備です。時間がないと焦るのではなく、これまでをしっかり振り返り、自分の力を出し切るために心を整えてください。

 

二つ目は「敬意(リスペクト)」です。戦う相手、ジャッジをする審判に対するリスペクトを忘れないでください。相手をやじったり、ジャッジやうまくいかないプレーに対していらだちをぶつけたり、クレームをつけたりするのは恥ずかしい行為です。応援される中原中であるために、敬意を忘れないでください。

 

三つ目は「感謝」です。皆さんがここまで部活動を続けてくるのには、多くの人たちの支えがあったと思います。それを決して忘れないでください。熱心に指導してくださった顧問の先生、応援してくれた家族、担任の先生、ともに苦しい練習に耐えた仲間たち。君たちを支えてくれたすべての人たちへの感謝を忘れないでください。そして感謝を言葉にしてください。そして、自分の持っている力を十分に発揮して悔いのない戦いをしてください。

 

最後に皆さんにこんなメッセージを送ります。

「勝てると思うな、負けると思うな、心の中で強く勝ちたいと思え」 思いは届きます。

 

目標は勝つこと、でも目的は、君たち一人一人の成長です。結果はどうあれ、最後の試合が終わったあとは、胸を張って学校に戻ってきてください。

 

私は中原中学校を心から応援しています。

ホタルの里

先日、あいさつ運動が終わった後、小学校の周りを歩いてみました。すると小学校の奥の増尾の森でヘイケボタルの鑑賞会が行われるという案内を見つけました。蛍が飛んでいる姿を見たことがない生徒もいるのではないでしょうか。私自身最後に蛍を見たのはいつだっただろうと考えながら、本校の近くに今でも蛍の観賞ができる場所があることに驚きました。柏ホタル会のみなさんが遊歩道を整備し、幼虫から育て放流し観察ができるようになったとのこと。これからもきれいな里山を維持できるよう祈っています。

期末テストが終わりました。

期末テストが終わりました。テストの意義について確認しましょう。テストとは日本語にすると試験とか検査となります。つまり現時点での学習の到達度を検査しているわけです。病院で検査をするのは何のためですか?検査で病気が見つかったら治療をするためですよね。期末試験も同様に、できなかった問題をできるようにやり直すことが重要だということです。テストは終わってからのほうが大切というのはそういう意味です。病気や虫歯をそのままにしておいたら検査の意味はないですよね。トライ&エラーを繰り返すことで本当の実力が身につくのです。3年生は来週実力テストもあります。弱点克服のためにテストが終わってからの時間を大切にしてください。

練習はウソをつく?

「練習はウソをつかないって言葉があるけど,頭使って練習しないと普通に嘘つくよ」

メジャーリーガーのダルビッシュ投手が言っていた言葉です。目的をしっかり持って、練習の意義を理解していないとだめだということですよね。部活動の総体が近づいています。嫌々やらされる練習では効果はありません。今やっていることの意義をしっかり考えた練習をしてください。

努力したから幸せになるとは限らない

努力したから幸せになるとは限らない。努力すれば必ず幸せになるというのはウソ。努力して幸せになることもあれば、幸せにならないこともある。結果はコントロールできない。コントロールできるのは努力する行動。そしてもっと大切なことは、努力できることが幸せであることに気づくこと。

ネットで見つけた文章です。その通りだなぁと思いました。