校長室より

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

こんなに集中して読書したのは久しぶりだ。今まで語ってきた「多様性」がいかに浅いものだったかを思い知らされた。帯にあるように「一生モノの課題図書」だと思う。


「でも、多様性っていいことなんでしょ?学校でそう教わったけど」
「うん」
「じゃあどうして多様性があるとややこしくなるの」
「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃない方が楽よ」
「楽じゃないものが、どうしていいの?」
「楽ばっかりしてると、無知になるから」と私が答えると「また無知の問題か」と息子が言った。以前、息子がレイシズム的な罵倒を受けたときにも、そういうことをする人々は無知なのだと私が言ったからだ。
「多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う」

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 フレディみかこ 著 より抜粋