校長室より

【#しんどい君へ】ゴルゴ松本さん「逃げていい。落ち着いたら挑んで」


人は、命ある限り人生を楽しむために生まれてくるんだ。好きなことも興味があることも、命ある限りにしかできない。父ちゃんも母ちゃんも、じいちゃんもばあちゃんも、ご先祖様も、つらいことや悲しいことを乗り越えてきて、今の自分につながっている。その命は、無駄にしちゃいけない。

 「兆」という字がある。例えば学校でいじめに遭って今、君は、生きるか死ぬか、その両方の兆しの中にいるぐらい悩んでいる。そんな時は今の自分の状態がどうか、目偏を加えて、「眺」めてほしい。つらいな、嫌だな、死にたい。そこまで追い込まれているのなら、今度はしんにょうに変えて、「逃」げていい。
 逃げることは、自分に差し迫った危険から逃れるということだ。逃げるという選択肢は、生きているからできる。自分の命を守るためなら、学校も行かなくていい。逃げて逃げ切って、周りをもう一度、眺めてみよう。落ち着いたら、今度は自分が成長できるように、手偏に変えて、人生に「挑」んでいけばいいんだ。
 「桃栗三年柿八年」と言う。3年で実がなるものもあれば、8年先まで待たなきゃいけない育ち方だってある。学校の3年間や6年間で人生は決まらない。
 本当は自分の意思や思いを言葉で伝えられるといい。「意」という字は、「音」に「心」と書く。自分にしか分からない心の音があるはずなんだ。その音を見せよう。両親や先生、周りの大人たちに気づいてもらえるように、手紙やメールで文字にして伝える。でも、それもできない時は、涙を流す。生きたいと思って下を向いて涙を流していたら、誰かが気づいてくれるから。

【#しんどい君へ】ゴルゴ松本さん「逃げていい。落ち着いたら挑んで」
8月20日 読売新聞オンライン

漢字を使った独特の解釈で少年院や学校で講演を行うタレントのゴルゴ松本さんの記事です。柏市内では柏中学校で講演をされたこともあります。

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