校長室より

2019年7月の記事一覧

夢八訓


「夢のある者には希望がある」
「希望のある者には目標がある」
「目標のある者には計画がある」
「計画のある者には行動がある」
「行動のある者には実績がある」
「実績のある者には反省がある」
「反省のある者には進歩がある」
「進歩のある者には夢がある」

 「夢八訓」 流通評論家 吉田貞雄 

夢や目標を達成するには1つしか方法はありません。小さなことを積み重ねること。今自分にできること、少し頑張ればできそうなこと、そういうことを積み重ねていかないと、遠くの目標は近づいてこない。

これはイチローの名言

小さなことを積み重ねていきましょう!

チャイムの鳴らない44日間

 長いと思っていた1学期が終わります。新入生を迎え448名でスタートした令和元年度の中原中学校も、もう3分の1が終わるわけです。そして迎える令和最初の夏休み。今年は44日間と少し長めの『チャイムの鳴らない44日間』が始まります。チャイムが鳴らないだけではありません。制服も校内服も着なくていい、掃除もしなくていい、担任の小言も聞こえない…。「さあ、エアコンの効いた涼しい部屋で、スマホで『荒野行動』だ!それともYou Tubeで『はじめしゃちょー』を見ようかな。えっ勉強?、宿題さえやっとけばいいでしょ、やりますよ、提出期限ギリギリに間に合えばいいんだから…まずは思いっきり羽を伸ばさなくっちゃ…」と考えているそこの君。もう一度自分自身を見つめ直して、夏休みの計画をしっかりと立てましょう。まとまった時間が取れる夏休みは、何か新しいことに挑戦し、自分を成長させるチャンスです。一方で君たちを取り巻く周囲の環境は、SNSも含めて決して安全とはいえません。甘い誘惑に負けて大切な物を失うということが無いように気をつけてください。早寝早起き、規則正しい生活を送ることが何よりです。まさかとは思いますが、夜中までオンラインゲームやYou Tube三昧で、昼夜逆転なんてことがないようにして下さい。1年生は中学校初めての夏休み。部活動や宿題など不安もあるかもしれませんが、計画的に充実した夏休みにしてください。2年生は9月からは中原中学校の中心として活動することになります。そのための準備をしてください。3年生は進路選択に向けて、説明会や体験入学に参加する機会があると思います。自らの進路を切り開くために、自分自身としっかり向き合ってください。みなさんひとり一人にとって充実した夏休みになることを祈っています。

 さて、夏休みを前に4つの約束を確認したいと思います。

① 夏休みにこれはがんばったと自信を持って言えることを必ず一つはやり遂げること。
② 自分と自分の周りの人の心と命を大切にすること。

③ 結果については自己責任が持てること(子どもだけで解決できないことは大人に
相談すること)。
  大切な人(家族、仲間、先生)たちを決して裏切らないこと。

  さあチャイムの鳴らない44日間のスタートです。9月2日にみなさんの元気な笑顔が見られることを楽しみにしています。

聴くということ

「・・・モモのところには、入れかわりたちかわり、みんながたずねてきました。・・・モモが、ものすごく頭がよくって、何を相談されてもいい考えを教えてあげられたからでしょうか。なぐさめてほしい人にしみいることばを言ってあげられたからでしょうか。何についても、賢明で正しい判断がくだせたからでしょうか。違うのです。こういうことについては、モモはほかの子と同じ程度のことしかできません。・・・ひょっとすると魔法が使えたのでしょうか。どんな悩みや苦労もふきはらえるような不思議な呪文でも知っていたのでしょうか。手相を占うとか、未来を予言するとかができたのでしょうか。これもあたっていません。小さなモモにできたこと、それはほかでもありません。相手の話を聞くことでした。・・・」
   「モモ」 ミヒャエル・エンデ より 一部抜粋


 誰かに自分の話・悩みを聴いてもらえるだけで、自分で自分の問題を解決する力がわいてくるものです。「聴く」とは,「あなたに関心をもっていますよ」という大切なメッセージを送る行為なのです。子どもたちの声に耳を傾けようと思います。

 

 

「未来の教室」

第二次世界大戦後の急激な人口増加をベースに続いた右肩上がりの経済成長は、経済的なパイの拡大によって、様々な社会的矛盾を吸収しながら、日本社会に大きな「成功体験」をもたらしてきた。しかし平成に入り、内外の環境は大きく変わった。少子高齢化に伴う人口構成の変化、デジタル産業技術を核とした産業構造の変化、そして目まぐるしく進化する技術革新。いずれも、我が国が抜本的に対応できていないのが現状だ。このような時代において求められるのが「創造的な課題発見・解決力」である。昨年6月に発表された第1次提言では、一人ひとりが未来を創る当事者(チェンジ・メイカー)に育つ環境づくりが必要であるとし、「50センチ革命」「越境」「試行錯誤」という3つの力の育成が、教育改革のキーワードとして設定された。「50センチ革命」とは、現状に満足せず変化に向けた小さな一歩を踏み出すこと、「越境」とは従来の分野や組織を超えて多様な人や知識に触れて協働すること、「試行錯誤」とは失敗を恐れずに挑戦し、その結果から学び次の一歩に進み続けることを意味している。

平成が終わり令和が始まった今、あらゆる環境の変化に適応した新しい教育のあり方を、過去の成功体験の呪縛にとらわれずに構想する必要があることから、今回、「未来の教室」の姿として上述の3つの柱をベースにした提言へと昇華されたというわけだ。

 

出典:「未来の教室」ビジョン(概要版) p2


経済産業省の提言「未来の教室」ビジョンからの抜粋である。変化の激しい時代において求められる「創造的な課題発見・解決力」をどのように子どもたちに身につけさせるか。子どもたち一人一人を未来を創る当時者(チェンジメーカー)として育てるにはどんな環境が必要か。5月に行った国際交流集会では、当事者意識の重要性を子どもたちに感じてほしくて、ライ・シャラドさんをゲストに招いた。今、学校は待ったなしの変革を求められていると思う。新しいことに挑戦していきたい。

物事と正対する

監督をしていて気づかされたことがある。伸びる人間は人の話をよく聞くということだ。

 自分で考えるという自主性と、人の話をよく聞くという姿勢は、一見したところ矛盾するように感じるかもしれない。事実はまったく逆である。考える力を養ったり、冷静な自己分析をしたりする上でも、人の話はよく聞くべきだ。

 人の話をよく聞くとは、言い換えると物事と正面から向き合う、正対するということだ。たとえばラグビーで、私が選手のミスについて指摘したとしよう。伸びる選手は注意をしている私と正対している。斜に構えて話を半分しか聞かないような選手は、たいてい同じようなミスを繰り返してしまう。成長のチャンスを逃してしまうのだ。

 正対するというのは、何も監督や上司の意見をすべて聞けという意味ではない。正面からしっかり受け止めるのであれば、どんな態度をとっても構わない。自分が正しいと思うのであれば、私に向かって正しいことを主張すればいい。むしろ反抗してくる人間は伸びる。物事としっかり正対しているからである…。

 

『監督に期待するな』 
    早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利 
              中竹竜二 著 講談社 より抜粋

中原中学校の生徒はしっかりと話を聞ける生徒が多いと感じています。集会などで話をする生徒も、自分の言葉でしっかりと主張できていると思います。話を聞いて疑問に思ったことはしっかりと質問したり、自分の意見を主張したりすることはこれからの社会で必要な力です。物事としっかり正対してほしいと思います。

すべては「生まれて初めて」であり「最初で最後」

「育てる」ということを思い描くとき、ぼくたちはつい、自分をゴールの側に置いてしまう。1歩ずつこっちに向かってくる子どもをゴールで待ちかまえて、正しい道を進むように導くことが、「育てる」ことなのだ、と。

 でも、ほんとうはそうじゃないのかもしれない。おとなも子どもも、「育つ」側も「育てる」側も、みんな「生まれて初めて」の日々を生きている。おとなは自分自身の「育つ」を終えてから子どもを「育てる」ことを始めるのではない。おとなだって、育てながら育っている。人生の長い道のりの途上にいることは、おとなも子どもも同じなのだ。

 ならば、試行錯誤もあるだろう。失敗して悔やむことだってあるはずだ。かまわないじゃないか、そんなのあたりまえですよ・・・あえて、そう言っておきたい。子育ての「正解」を見つけられない自分を責めて、悩み苦しんでいる親がたくさんいる時代だからこそ。

 人生を何度でもやり直すことができるなら、「正解」の数は増えるだろう。でも、それができないから、すべては「生まれて初めて」であり「最初で最後」だから、生きることはちょっと哀しくて、すごく愛おしい。

 ぼくは今年「生まれて初めて」四十二歳になる。二人の娘たちも、それぞれ「生まれて初めて」の中学三年生と小学三年生になる。いまはまだまっさらな二○○五年のカレンダーに、わが家の「生まれて初めて」の日々は、どんなふうに刻まれていくだろう。ぶつかったり、すれ違ったり、悔やんだり…家族で笑い合える曰が一日でも多ければ、いいな。

 

「うちのパパが言うことには」(角川文庫) 
            重松 清 著より抜粋

2008年に出版された本からの抜粋です。ちょうど同じころ、小学生と中学生になる3人の子どもを持つ同じ年ごろの父親だったので、痛く共感したのを覚えています。今読み返してみても、なるほどと腑に落ちました。校長としてもすべては「生まれて初めて」であり「最初で最後」の意識で令和元年を生きたいと思います。





壮行会に寄せて

総合体育大会・コンクールがいよいよ迫ってきました。みなさんはこれまで「総体・コンクール」をめざし、ひたむきに努力を積み重ねてきたと思います。今回のこの壮行会ですが、実は行事削減のためにいったんは実施しないことが決まっていました。しかし生徒会役員を中心とした3年生の、どうしても実施したいという強い思いから、生徒総会の議決を経て実施することとなりました。生徒会行事を自分たちの手で実現したプロセスには大きな意味があると思います。みなさんの入場の姿や決意表明を受け、みなさんからも総体・コンクールに向けた強い思いを感じました。また全力で歌った校歌2番や代表の応援メッセージから、応援する生徒のみなさんからも強い思いを感じました。私もできる限り会場に足を運び、中原中学校を応援します。

 

特に最後の総体・コンクールを迎える3年生のみなさん。みなさんが今意識すべきことは何でしょうか。私も長く運動部の顧問を続けてきましたので、最後の総体で自分のチームの選手たちにかけてきた言葉を君たちに贈りたいと思います。

 

一つ目は「準備」です。最後に勝負を決めるのはどれだけ準備をしてきたか。練習も戦術を練るのも、体を作るためにご飯を食べるのも準備です。試合まで残りわずかとなった今からできる準備は何か。気持ちの準備、心の準備です。時間がないと焦るのではなく、これまでをしっかり振り返り、自分の力を出し切るために心を整えてください。

 

二つ目は「敬意(リスペクト)」です。戦う相手、ジャッジをする審判に対するリスペクトを忘れないでください。相手をやじったり、ジャッジやうまくいかないプレーに対していらだちをぶつけたり、クレームをつけたりするのは恥ずかしい行為です。応援される中原中であるために、敬意を忘れないでください。

 

三つ目は「感謝」です。皆さんがここまで部活動を続けてくるのには、多くの人たちの支えがあったと思います。それを決して忘れないでください。熱心に指導してくださった顧問の先生、応援してくれた家族、担任の先生、ともに苦しい練習に耐えた仲間たち。君たちを支えてくれたすべての人たちへの感謝を忘れないでください。そして感謝を言葉にしてください。そして、自分の持っている力を十分に発揮して悔いのない戦いをしてください。

 

最後に皆さんにこんなメッセージを送ります。

「勝てると思うな、負けると思うな、心の中で強く勝ちたいと思え」 思いは届きます。

 

目標は勝つこと、でも目的は、君たち一人一人の成長です。結果はどうあれ、最後の試合が終わったあとは、胸を張って学校に戻ってきてください。

 

私は中原中学校を心から応援しています。

ホタルの里

先日、あいさつ運動が終わった後、小学校の周りを歩いてみました。すると小学校の奥の増尾の森でヘイケボタルの鑑賞会が行われるという案内を見つけました。蛍が飛んでいる姿を見たことがない生徒もいるのではないでしょうか。私自身最後に蛍を見たのはいつだっただろうと考えながら、本校の近くに今でも蛍の観賞ができる場所があることに驚きました。柏ホタル会のみなさんが遊歩道を整備し、幼虫から育て放流し観察ができるようになったとのこと。これからもきれいな里山を維持できるよう祈っています。