校長室より

修了式に寄せて

 新型肺炎コロナウイルス感染拡大防止のために、学校が休校となる前代未聞の事態の中、令和元年度の修了式を迎えました。本来であれば、体育館で皆さんの代表に修了証書をお渡ししたかったのですが、このような形になってしまったことを理解してください。

 まず、3月12日に、無事卒業式を実施できたこと、皆さんにお伝えします。3年生の姿はとても立派でした。本当はその姿を皆さんに見てもらい、送辞や答辞、合唱をともに歌うことで、伝統を引き継ぐ大きな節目としたかったのですが、それでも立派に卒業式をやり切った卒業生の思いはぜひ受け止めてください。

 さて、今回のコロナウイルス感染拡大に伴う世の中の混乱は、まだまだ先が見えない状況です。新年度も、これまでのように通常の形で迎えることが難しいでしょう。修学旅行や林間学校も場合によっては延期もしくは中止の判断を下さなければいけない可能性もあります。当たり前に続くと思っていた日常が突然変わってしまう。あるいは消えてなくなってしまう。このことを、皆さんにはきちんと考えてほしい。それも個人の事情ではなく、国や社会の事情で変わってしまうことがあるのだということを、きちんと考えてほしいと思います。だからこそ皆さんには、主体的に今この時期を生きてほしいと思っています。

 大切なことは、どんな状況に直面しても、慌てたり、騒いだり、誰かのせいにするのではなく、よく考えて最善の行動をとることです。例えばウイルスに感染した時に、誰かにうつしてやると出歩くことは正しい行為でしょうか。うわさに惑わされて、マスクやトイレットペーパーを買い占めて、転売することが正しい行為でしょうか。困難や試練に直面した時に、初めてその人の意思の強さや、人間としての価値がわかるのです。困難に直面した時こそ、笑顔を忘れず、多様性を認め、謙虚に学び続け、勇気をもって挑戦することを忘れないでください。

 来るべき令和2年度も、中原中学校を素晴らしい学校にしていきましょう。
 進級おめでとうございます。