校長雑感ブログ

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2月12日(木)青ペンで「書きなぐる」効果とは?

〇昨日の建国記念の日は、「建国をしのび、国を愛する心を養う国民の祝日」として、1966(昭和41)年に定められました。この日は、明治時代の祝祭日「紀元節(きげんせつ)」が元になっています。

〇「建国記念日」ではなく「建国記念の日」となっているのは、「建国された」という事実、つまり「初代とされる神武天皇の即位より連綿と続く126代の皇統と日本国の建国をお祝いする日である」という考えに基づいているからだそうです。

〇いずれにせよこの日は、古くからの歴史や先人の努力に思いを馳せ、日本の繁栄と平和を願う国民の祝日です。古代の歴史書である『古事記』(712年)や『日本書紀』(720年)において、神武天皇が橿原宮(奈良県)にて即位し、日本国の基礎を築いたと記されている神話を国民としては知っておいた方が良いでしょう。

〇外国人の方と会話していると、彼らの方が日本の歴史などをよく調べており、日本人のこちらの方がタジタジになることもあります。神話レベルのことでもそれを「ただの言い伝え」としてとらえるのではなく、神話がある国は世界でも少ないことを認識するべきだと思います。

〇古事記の「国生み・神生み」を題材にした絵本なども出版されており、若者もそこから歴史に興味をもつこともあるでしょう。イザナキとイザナミという二柱の神が試行錯誤して島々を生む様子から、死と生、男女の対話や亀裂といった深い内容が、美しい文章と絵で描かれていますので、一度読んでみるのもよいかもしれません。

〇私は小学生の頃から、赤と青の2色鉛筆をよく使っていました。半分が赤で半分が青なので、どちらかを多く使って削るとバランスが悪くなるので、気を付けて使っていました。マイルールとして、普通の鉛筆は主に授業の黒板の内容をノートに書き写す際に使用し、加えて赤鉛筆はその授業の重要ポイント、青鉛筆は自分の疑問や考えと仕分けしていました。

〇また小学校の算数ではよく、学習問題を青枠で、学習のまとめを赤枠で囲っていることがよくあります。色の使い分けによって、1つの授業内の問題解決の課程がよくわかるからだと思います。光の三元色は、「赤RED、緑GREEN、青BLUE」ですが、さすがに緑は少し見づらいので、ノートには適さないのかもしれません。

〇少し前に、青色ペンに意外な効果(ストレスを軽減し、集中力を高める)があることを知りました。2014年に長岡技術科学大学の野村収作准教授は、被験者に赤・青・透明の色つきメガネをかけた状態で計算問題を解かせる実験を行ない、その結果、青い色眼鏡をかけていると、課題への「集中」の値が高くなることが判明したそうです。

〇さらにストレスによって増加するホルモン「コルチゾール」の値も低下することがわかったようです。つまり青色には、精神をリラックスさせ、集中力を高めてくれる効果があるということで、それ以来私も「青ペンで何となくストレスレスになれるか?」と感じています。

〇また「青ペン書きなぐり勉強法」というのもあります。早稲田塾創業者の相川秀希氏が考案した、効率的な暗記やモチベーションアップに有効とされる学習法です。青ペンでノートに書きなぐるだけで、とてもシンプルですが、興味深いので引用します。

〇相川氏は次のように指摘しています。「意識しないと、私たちは自分の【主観】勝手に情報の取捨選択をしてしまいます。でも、何が重要で、何が重要でないかなんて、通常、瞬時に判断できるはずがありません。だから効率よく復習したいと思ったら、まずは【全部書く!】と決める。そこから、再現性の高いノートが生まれるのです。」

〇私もまだ「本当に効果があるのか?」と疑問を持っています。でもやらないで批判するのは非科学的なので、少し継続していたことがあります。青ペン(私はボールペンとインクペンの2種類)とノートを用意して、ひたすら書きなぐる、これだけです。きれいに整理する必要はなく、ノート全面を使って、知った知識や考えたことなど、とにかく全てを隙間なく書き込みます。出来上がったノートは、見開きいっぱいに青文字がびっしりで、インパクトが強いです。

〇ただ私のようにもう脳の能力が衰退している年齢では、果たしてこの方法がストレスを軽減したり、集中の度合いが増してその分記憶の定着を促していたりしたかの実感までは得られませんでした。ただ、使ったノートのページ数やインク減りを見ると、「ここまでインプットした」という達成感を得やすいのは確かです。

〇生徒たちは今、定期テスト前で家庭学習(「土の音」を含む)に取り組んでいます。もし余裕があったらこの「青ペン書きなぐり勉強法」を一度試してもらい、その手応え(あった、なかったの両方)などを私に教えてほしいです。

須藤昌英

2月10日(火)丘の上の学校

〇始まったばかりのミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで、スノーボード、スキージャンプ、フィギュアスケート、スピードスケートの種目で、日本人選手の活躍が目覚ましいです。7個のメダルはもちろんメダルを獲得できなかった選手も含め、見えないところでの努力に敬意を表します。

〇昔からオリンピックは「平和の祭典」と称され、スポーツを通じて世界平和と国際相互理解の推進を目指す国際的なイベントとされてきました。しかし今は、2020東京オリンピックの時もそうでしたが、開催による経済的効果の面がクローズアップされています。

〇メリットとして、都市整備の基盤であるインフラ整備や観光需要により一時的な経済波及効果(国内消費・雇用増加)をもたらす一方、競技場や選手村の施設建設費や警備費による巨額の公費投入及び財政負担や大会終了後の施設等の廃棄物化(負の遺産)が最大のデメリットとなっています。

〇ただ多様性の理解という面では、東京2020オリンピック・パラリンピックの基本コンセプトが「多様性と調和」だったりして、人種、性別、性的指向、障害の有無など、あらゆる違いを認め合い、尊重することで共生社会を実現し、次世代へ引き継ぐレガシーとして掲げられました。

〇いずれにせよ人間の能力の限界に挑戦し、超人的なパフォーマンスを見せてくれる機会はとても貴重で、観る人はみんなワクワクします。たとえスポーツではなくとも、一つのことに挑み続けることを、中学生にも自分事にしてもらいたいです。

〇先月の18日、2026冬季オリンピックのTEAM JAPAN結団式・壮行会が、船橋市のららアリーナTOKYO-BAYで開催されました。先に日本選手団の結団式が行われ、秋篠宮さまご夫妻も臨席されました。その後に開かれた壮行会には日本選手団と役員のほか、日本オリンピック委員会会長・橋本聖子さん、応援リーダーとしてタレント・松岡修造さん、サブリーダーとして元卓球選手・石川佳純さんに加え、応援パフォーマンスには歌手・中島健人さんも登場しました。

〇そこへ本校の教員も参加し、カーリング女子の選手たちが手書きでサインを書いたボールを投げた際、ラッキーにもそれを拾い、それを私に見せてくれました。女子カーリングのチーム名は北海道を拠点とした「フォルティウス(FORTIUS)」で、ラテン語で「より強く前進し続ける」という願いが込められています。期待しましょう。

〇昔ある先輩からかけてもらった言葉が今も記憶に残っています。「生徒たちやその保護者に【希望の登校と満足の下校】を叶えてあげるのは理想の学校だよ」と。当時はあまりピンときませんでしたが、今は私もその通りだと思います。そして少しでもそれに近づきたいと常に心掛けています。

〇ところでそもそも自宅から学校へ行くことを「登校」、その逆を「下校」というのは、何故だろう?と思っていた頃がありました。英語では登校を「Go to school」または「Attend school」といい、後者は少し形式ばった言い方です。

〇一方で下校は英語で「leave school」が最もシンプルでよく使われる表現で、「学校を離れる(出る)」という意味合いになります。どちらも「登る(上る)」や「下がる」とは違った言い方です。何かしら意味があるのだろうと疑問に思うと調べたくなります。

〇日本での「登校」「下校」という言葉は、かつて学びの場が寺や山の上にあり、そこへ通うことを「登山」と呼んでいたことに由来するようです。江戸時代の寺子屋教育では、寺へ入門することを「登山」や「入室」と言い、 学ぶという行為を「山を登り高みを目指すこと」になぞらえた経緯が本当なのでしょう。

〇また、知識や学問という「高い場所」へ向かうという意味や、教育の場所が崇高で特別な場所であるという敬意が、この表現の背景にあります。私は低いところから高いところへ登る際には必ず、顔が上がり顔に光があたることから、面(おもて)が白い➡面白いと言われるので、「学校は面白い場所」となることが理想だと考えています。

〇柏市立土中学校(千葉県柏市増尾1丁目23番地)の標高は、約20mです。周辺は下総台地に位置する安定した地盤のエリアであり、手賀沼につながる川などによる浸食で起伏が大きいです。20メートルは、一般的なマンションやビルにおいておおよそ6階から7階建てに相当しますので、東から南側方面の眺望はよく、増尾駅からも校舎がよく見えます。

〇生徒たちは、南側の正門や東側の通用門から登校するには、最後に必ず坂を登ります。何人かの生徒からは、「校長先生、この最後の坂がきついんですよ」と言われたことがありますが、そんな時は私から「でも帰りは下りだからスイスイでしょう」と返します。すると生徒は大抵苦笑いしています。

〇学校は、教員が児童・生徒・学生に対し、カリキュラムに基づいて継続的な教育を行う「学術的(アカデミック)」かつ教育的な場所です。知識の習得に加え、社会性や規律を養い、自主性を持って人格の完成を目指す場として機能しています。

〇アカデミックな場所と言えば、博物館や美術館を連想します。博物館・美術館は、研究成果に基づいた高い学術性と専門性を持つ、極めてアカデミックな場所です。歴史資料、考古遺物、美術作品が豊富で、教員や学生の研究拠点でもあり、一般の人も気軽に知的好奇心や探究心を刺激できます。学校もそこまでの施設はありませんが、本校にも2つの図書室に約1万冊の蔵書があります。

〇「希望の登校、満足の下校、また来たくなる学校をめざして」は、学校運営をする上で、最大のテーマです。

須藤昌英

2月9日(月)「CO2 CO2(コツコツ)と省エネ」と民主主義

〇週末の雪で少し乾燥が和らぎ、寒いですがしっとりとした朝を迎えました。朝6時半の校庭には、ほぼ雪は残っていませんでしたが、南の上空の晴天にきれいな半月があり、これから太陽と空の主役を入れかわろうとしていました。

〇昨日、衆議院選挙の結果が公表されました。私の立場では選挙に関する発言は出来ません。しかし逆に校長としては、政治、経済、外交、福祉もすべて、その最終目的は、「未来を生きる子どもたちのためのもの」と言い切りたいです。

〇私もよく考えてから期日前に、有権者として大切な一票を投じましたので、今後の政府の動向(特に教育・子育て支援政策)を注意深く観察していきます。それが大人としての責任だと思います。

〇一つだけ気になったのは、街頭インタビューを受けた若者が、「投票する政党に迷ったので、AIに相談してAIが【あなたの考えは●●政党が近いと思います】と教えてくれたので、それに決めました」と答えていたことです。残念よりも不安になりました。

〇それ以外でも最近の選挙は、SNSの影響が大きいと指摘され、立候補者の生の演説を聴いたりその党の政策を調べたりせずに、ネット上の評判を一番頼りにしている大人が多いそうです。SNSを批判するつもりはありませんが、「その情報は本当に正しいのか?」と常に批判的な考えも頭の片隅になければいけないと思います。

〇中学生が有権者となる数年後は、技術の進化や国際情勢の激変に伴い、これまで以上に多様な情報が氾濫し、選挙を取り巻く環境は複雑性を増していくと考えられています。

〇学校の授業等でも今後ますます、正しい情報を調べるには、情報の発信源を確認し、複数のソースを比較する(情報リテラシーの育成)などの場面を増やしていく必要があると感じています。

〇柏市では「柏市公共施設環境配慮指針」に基づき、公共施設への太陽光パネル設置を推進しており、2030年度までに照明のLED化とあわせて脱炭素化を図っています。この計画の一環として、先月までに本校校舎の屋上に太陽光パネル設置工事が完了しました。

〇太陽光発電とは、太陽光がもたらす光エネルギーを電力へと変換する仕組みで、発電時に石油や石炭、天然ガスなど有限の化石燃料を原料とせず、CO2(二酸化炭素)が発生しないことから、環境にやさしい再生可能エネルギーとして注目されています。

〇太陽光発電の導入の主なメリットは、

①気候変動に配慮したエネルギーを利用できる

②電力市場価格の影響を受けにくい

③災害時の電源を確保できる

④余った電気を売却できる  などです。

〇課題としては、太陽電池技術が今後どこまで発達するかがあります。まずは「耐久性と寿命」で、現在主流のシリコン系は20〜25年程度ですが、途中に定期的なメンテナンスが必要です。また次世代型も開発中ですが、軽くて柔軟な反面、湿気や酸素に弱く長期間の性能安定が課題です。

〇先日、柏の葉公園内で、題にある標語を見かけました。「CO2 CO2(コツコツ)と省エネ」と二酸化炭素の化学式を「コツコツ」と読ませるのが上手だと思います。化石燃料を用いた火力発電は、燃焼時に多量の二酸化炭素を排出します。これが温室効果ガスの主要因であり、気候変動を加速させるため、最新技術による回収・貯留や、再生可能エネルギーへの転換が急務です。

〇また15年前の東日本大震災の津波で、福島県の原子力発電所が壊滅的な被害を受けてから、初めて東京電力内の新潟県柏崎刈羽原発が再稼働するというニュースがありました。そもそも千葉を含む関東地方で消費する電力が、福島県や新潟県でつくられていることに、私はこの15年間、引き目を感じてきました。

〇「もしこの柏市に原子力発電所をつくる計画が出てきたら・・、私たちはどういう行動をとるのだろうか?」などとたまには考えてみるのも必要な気がします。ただますますAI(人口知能)が発達すると、それにますます多くの電力が必要となります。

〇原子力発電所が立地する自治体(地元)やその周辺地域には、国から「原発マネー」と呼ばれる交付金や補助金がおりる仕組みがあります。もちろんそれにより柏市の財政は潤い、市民サービスも向上しますが、それだけでは不安は解消されないでしょう。多くの反対も予想されます。

〇本校の卒業生で東京大学大学院教授の國分功一郎氏は、哲学の観点から原発問題を論じ、「原子力時代における哲学(2019)」などでの著書で、明確な脱原発を主張する哲学者です。原発は「核の平和利用」という幻想や「技術的リスクの象徴化」を招くとし、哲学的視点でその構造的な依存性や責任回避を批判しています。

〇先ほどの情報リテラシーと同様に、このエネルギー問題についても、生徒たちが真剣に考える場もつくってあげたいと思います。いずれにせよ真の「民主主義」は、原則として多数決によって最終的な意思決定を行いますが、同時に「少数意見の尊重」や「基本的人権の保障」を不可欠な要素としており、弱者やマイノリティの意見に耳を傾ける仕組みを持つとされています。

須藤昌英

2月6日(金)合格祈願と梅の開花

〇イタリアで行われるミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの開会式が、日本時間の明日の早朝に予定されています。前回の北京で日本は、過去最高の18個のメダルを獲得していますので、今回も期待が大きいようです。日本人選手の活躍が楽しみです。

〇インフルエンザ感染の第2波がきています。昨年は年末年始にかけて集中していたインフルエンザの流行ですが、今シーズンは早めに流行した分、第2の波が来ている状態だといいます。A型に加えてB型も急増中で、一般的にA型は激症型(1日、2日の間に高熱)なのに対し、B型はステルス型で、いつの間にか始まり、吐き気、嘔吐、下痢、もしくは食欲不振などの症状を伴うケースも比率としては多いようです。用心してください。

〇昨夕、千葉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校別の志願倍率が発表されました。倍率はあくまでも参考として知っておくのはかまいませんが、あまり一喜一憂しすぎない方が良いと思います。またこれにより1回に限り、志願の変更(志望校を変える、同じ高校内の志願学科を変える)の手続きをすることができます。手続き日は、2月12日、13日(ただし午後4時まで)です。

〇今日から本人と家族の意向を受け、担任と3学年職員は志願変更の手続きの準備に入ります。前にも書きましたが、私の経験からもこれは無暗に行わず、慎重に考える必要があります、理由として志願変更は「チャンスとリスクの両面」があり、場合によっては本人に心の動揺が残ることも過去にはありました。

〇手続きは本人とご家庭にしてもらいますが、少し複雑なので注意が必要です。まずすでに出願している高等学校へ行き、書類を引き取ります。次にインターネットによって新たに出願する高等学校へアクセスし手続きします。最後に中学校が作成した書類を新たに出願する高等学校へ出向き、提出して完了です。

〇正面玄関前の紅梅は、咲き始めてからしばらく経ちますが、いまだに満開を保っています。数週間前に咲き始めた時は、喜びが感じられましたし、その後も冷たい風の中でも、日差しをたっぷりと浴びてどこか誇らしく堂々と咲いています。

〇梅は桜とよく比べられますが、梅の方が開花時期がはやく、「寒さを耐え忍んで咲く」というイメージがあります。厳しい状況でも美しく咲くので、つつましくても昔から人々の思いが寄せられてきたのだと思います。事実、平安時代には梅に関する多くの和歌が詠まれました。

〇特に有名なのが、学問の神様と言われる菅原道真(845年~903年:平安時代の公卿・漢学者・文人)が詠んだ

「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主(あるじ)なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)」です。この和歌は、菅原道真がいいがかりともいえる罪をきせられ、九州の太宰府へ左遷される際、大事にしていた梅の木を前にして心をよせるように詠んだ作品だと、中学校の国語の時間で習い、当時に暗唱して覚えたので、今でも強く印象に残っています。

〇おおよその意訳としては、「春風が吹いたら、お前の匂いを(京から太宰府まで)送っておくれよ、かわいい梅の花。私(主人の菅原道真)がいないからといって、春を忘れてはならないぞ」くらいでしょうか?「東風(こち)」がなぜ春風のことであるのかは、少し調べましたら中国の自然哲学「五行説」からきているそうです。春という季節は、東の方角と関係が深く、同様に「東南西北」が「春夏秋冬」にあたるそうです。

〇菅原道真は天才的な学問の大家で人柄もやさしく、多くの人々から尊敬されていましたが、当時の政権幹部からその名声を疎まれ、あらぬ罪で左遷(させん)されました。本人には政治的な意図はなかったとされますが、京の都で学問を究めるという本懐を果たせず、さぞ悔しい思いをしたことでしょう。

〇その大宰府での生活は大変きびしくみじめで、気候や風土が変わったためもあり、最後は体調をこわし、都に残した妻子にも会えず、一説によると西暦903年2月に59才で亡くなったそうです。今から1123年前の2月です。菅原道真は自らの弁明などを一切聞き入れられることのないまま、ほぼ囚人同様の扱いで左遷から2年で亡くなったそうです。。

〇その後、京都では雷が落ちて火災がしきりに起こったり、伝染病がはやったりと不吉なことが続いたので、人々は菅原道真の霊がこのようなたたりをしているのではないかといっておそれたという話はとても有名です。「怨霊(おんりょう)」を鎮めるための儀式を、政権を握っていた藤原氏は何度も行ったようです。

〇昨年の修学旅行でも、何班かは、京都の北野天満宮(菅原道真公を御祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社)に受験祈願供養で参拝しています。個人の参拝ですとお守りが多いですが、団体での参拝ですと、学業成就の札をいただけます。職員室には過去に参拝した際に授けられた札が残っていたので、今は校長室に安置しています。

〇学問の神様の菅原道真公と比べることはおこがましいですが、私も校長として生徒の「学び続ける姿」をかげながら応援しています。特に再来週の公立高校受検には、3年生全員が自分の力を出し切れるようにと願っています。

〇合格することをよく「桜咲く」と言いますが、梅は可憐な花が咲いてその香りに特徴がありますので、合格を「梅香る」と表現した方がぴったりだと思っています。それでも河津桜もさらに咲き進んでおり、来週は満開でしょう。

須藤昌英

【北野天満宮の学業御守護札】

 

2月5日(木)無駄な時間はない!?「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)

〇昨日、校地東側斜面にある河津桜(濃いピンク色の早咲き桜)の数輪が、咲いているのを発見しました。先週あたりからつぼみが大きくなっていましたが、この暖かさが桜を目覚めさせたようです。調べると、河津桜は、伊豆半島・河津町で発見され、大島桜(オオシマザクラ)と寒緋桜(カンヒザクラ)の自然交雑種のようです。満開時は鮮やかですので、今からが楽しみです。
〇人は時として時間をもてあまし、何もしないで一日ボーッと過ごすということがあります。いわゆるコスパ・タイパ・スぺパなどの効率を優先する傾向の現代では、これを「時間の無駄」と切り捨てる風潮が強い気がします。
〇しかしその一方で、人が生涯にわたって学び続ける上には、この「無駄」と思われることが、脳科学の分野での研究がすすんだことにより、案外意味があるということがわかってきています。
〇それが「デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)」(*以下DMNと示します)という脳の状態で、端的にいうと、ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動のことです。
〇ある一つのことに集中したり注意が払われたりするのではなく、ただぼんやりとしてあれやこれやと雑念している時や睡眠中の脳が示す神経活動のパターンのようです。
〇これは車で例えられるとわかりやすいです。DMNは、車のエンジンのスイッチはONになっていても実際には走行していない時の「アイドリング状態」です。車を運転しない方でも信号待ちの車のエンジンをイメージするとわかると思います。
〇日常生活の中で、人が何も考えずにボーッと散歩しているとき、一息つくために好きな飲み物を飲んでいるとき、身体がリラックスした状態で入浴をしているときなどに、DMNは活発化しています。
〇脳神経外科医の奥村歩氏によると、脳は以下のプロセスで情報を処理しているのだそうです。
1 入力(インプット):五感を通して情報を収集する
2 整理:(DMN)入力した情報を取捨選択する
3 出力(アウトプット):言葉や行動として表す
〇DMNが重要になるのは、2番目の「整理」段階で、この状態で自分の過去の経験や記憶を整理・統合したり、これから起きる出来事にどう対応したりするかを想定しています。逆にデフォルト・モード・ネットワークの働きが弱いと、脳内で情報が整理されず、物が散乱した机上のような「脳過労」状態になり、インプットした情報が脳に定着しづらくなったり、脳の活動自体が低下してスムーズなアウトプットにつながらなかったりするといった恐れがあるそうです。
〇散らかった部屋を掃除すると自然と気分が爽快になります。同じく脳内にやたらにたまった情報をスッキリと片づけ、脳疲労を防ぐためにも、DMNをオンにすることは重要です。
〇一番注目したいのは、DMNの働きは「創造性」と関係しているらしいことです。これが活発になるとあらかじめ蓄えられた情報がそれぞれ結びつきやすくなり、新しいアイデアや発想が生まれやすくなります。私も散歩や自転車に乗るなどのリラックスして過ごす時間に、フッと「そうだ!あれをやってみよう!!」などの思い付きがあります。ただすぐにメモなどをしておかないと、後で容易に思い出せないこともあります。
〇早速このアイデアを実行に移してみるとどこか楽しく、たとえ予想通りの結果が得られなくても、「次はこうやってみようか」などのチャレンジする意欲につながっていることが多いです。
〇ただ留意点として、DMNが活発化していると、脳内では通常時よりも数倍以上のエネルギーを必要としているそうです。つまり「ボーッ」としている方が、何かを考えているときよりもエネルギーを使っていることになり、意外な感じがします。
〇この話を書きながら、漢字の「閑(かん・しずか・ひま)」を連想します。「閑」は、「ぽかんとしている」というニュアンスを含んでいますが、単に漫然とぼんやりしている状態だけでなく、「真空のようなに静かで、新しいものが生まれる」という状況や情緒を指す言葉ではないでしょうか?
〇「忙中閑あり(ぼうちゅうかんあり)」ということわざは、忙しい日々の中でも目を凝らせば、必ずふっと一息つける時間、空き時間があることを意味しています。そんな時間こそが本当の「閑(=平穏無事、心静かに過ごす時間)」なのかもしれません。
〇今は少し時間があると、大人も子どもスマホとにらめっこして、ボーッとする時間が少ないようです。残念ながら暇をしていてもスマホを操作している時には、脳内が整理されるのではなく、逆に情報が入ってきて散らかしていることになってしまいます。
〇もしご家庭でお子様が何もせずボーッとしていても、もしかしたら脳はその子に新しいアイデアを用意してくれているかもしれません。今度はぜひ「どう何か思いついた?」のような声掛けをしてみてください。
須藤昌英

2月4日(水)千葉県公立高等学校入学者選抜にかかる出願

〇今日から金曜日まで、日中は三月並みの気温で春のような陽気になるようです。ただ空気は乾燥しきっているので、肌がガサガサになったり一足早い花粉症に悩まされたりする人も多いことでしょう。「立春」は節分の翌日ですので、暖かい日差しを楽しみながら、良い一日にしたいものです。

〇昨日から3日間(ただし5日は午前中のみ)、千葉県立及び柏市立柏高等学校の出願に係る手続き期間となります。昨年から生徒本人が事前にWEB上の出願登録サイトでの受付を完了させ、それを中学校が確認した後、志望先の高等学校へ調査書等の必要書類を郵送するかたちに変わりました。

〇基本的に公立高等学校へ出願できる条件は、「県の内外を問わず、他の公立高等学校を出願していないこと」です。以前は入学願書にそのことを校長が証明する欄がありましたが、改定後は調査書の下欄に、「本書の記載に誤りのないこと及び貴校に応募する資格のあることを証明する」とあり、それに私がすべて校長印を捺印しています。

〇出願する高等学校は、柏市、我孫子市、鎌ヶ谷市、流山市、野田市、松戸市と広域になります。以前ですと本人が朝、学校で出願書類を受け取り、志願先の高等学校へ徒歩や公共交通機関等を使って行き、直接出願していました。それは学力検査の当日の下見を兼ねていましたが、今は郵送ですので、本番までに再度経路を確認しましょう。

〇出願期間が終わる5日の夕方または6日金曜日に、ネットや新聞等で志願倍率が発表されます。その倍率を参考にし、1回に限り、志願の変更の手続きをすることができます(2月11日、12日)。ただしこれは無暗に行うとかえって本人に心の動揺(変更することにはチャンスとリスクの両面がある)が残ることも過去にはありましたので、慎重に行わなければなりません。

〇この2つの手続きが終わったら、あとは17日と18日の学力検査等の当日になります。生徒のみなさんには、「最後は自分のやってきたことを信じて」と言ってあげたい気持ちです。不安を感じない人など一人もいませんので、自分だけが不安だと思わないでほしいと昨年の校長面接でも何人かには伝えました。

〇私も昔に受検した経験から思い出すことは、他の学校から出願した見知らぬ人は皆、「自分よりも出来そうだ」とか「自信がありそうだ」などと思えます。しかしその人たちもすべて同じような気持ちでいます。できればたまたま同じ学校を受検した人は、「ライバル」というよりは「同志」だと思って、「お互い頑張ろう」くらいの気持ちでいる方が、気が楽になると今は思います。

〇本番直前にあえてこれまでの生活スタイルを変えるのはあまり好ましいことではありません。直前まで踏ん張って準備したい気持ちはわかりますが、最後の追い込みとして深夜まで勉強をしようとするのはやめた方が無難です。これも自分の経験ですが、そのことが果たして自分にあっているのか否かと思いあぐんだり、寝不足になったりと精神的・身体的負担がかかります。新しいことをする気持ちをあえて抑え今までの生活リズムを貫いていった方が良いと思います。

〇中学校の教員には、『十五(歳)の春は泣かせない』いう言葉が先輩の先生方から伝わってきています。義務教育9年間を終え、新たな進路先を自分で選ぼうとしている3年生。合否の結果は我々にはどうすることもできませんが、本人が努力してきた力を精一杯出し切れるように祈るしかありません。学校(すべての在校生・教職員)をあげて3年生の健闘を祈っています。

須藤昌英

 

2月3日(火)節分&立春と鬼退治

〇今日は「節分」で、明日は「立春」です。北風が吹くと寒く感じますが、それでもこの冬は例年よりも少し暖かい気がします。今週も寒さは落ち着くものの週末は寒の戻りが予報されています。ただ「立春」と聞くとますます春が近づいている気がします。

〇節分の日は、全国各地の大きな神社仏閣で、著名人などが参加して盛大な豆まきを行っているところがテレビなどで映し出されます。節分はもともと、平安時代の宮中で行われた「追儺(ついな)」という厄除け儀礼が、季節の変わり目である立春の前日に行われるようになったものです。それが時代を経て民間にも広がったものです。

〇豆をまいて鬼を追うというのは、鎌倉時代以降、疫病や災厄を払うことからきているようです。それだけでなく、人の心にある穢れや乱れを祓い、新しい春を迎えようとする祈りが込められていると言えます。

〇もともと鬼には姿はありませんでした。少し調べると、古来死者の霊を一般には「鬼(き)」といい、人の認識を超えて、人に働きかけてくる超人間的作用のうちの忌避すべき観念に連なるものを「鬼(おに)」と呼ぶようになりました。それが江戸時代で、今の「赤鬼・青鬼」の姿が完成され、それぞれ角があり虎の皮の腰巻をつけて、金棒を持っている姿を、現代の我々はイメージするようになりました。

〇今日の給食メニューは、節分にちなんで、「豚丼、鰯(いわし)のつみれ汁、鬼まんじゅう、入り大豆、牛乳」です。昔は家庭でも鰯の頭を焼いて柊の枝で刺した「柊鰯(ひいらぎいわし)」を家の玄関などに飾る風習があった記憶があります。

〇鬼が家に入ろうとした時に、鰯を焼いた強烈な臭いで驚かせ、柊の棘で鬼を刺し追い払うための魔除けの儀式だと親から教わりました。今は恵方巻と呼ばれる巻物などがスーパーで大量に陳列され、良い方角を向いて食べることが浸透しているようです。

〇また年齢の数だけ豆を食べることも風習としてあります。大豆は良質なたんぱく質ですから身体に良いとわかっていても、さすがに私も数え歳の64個は食べられません。

〇「節分」はその名の通り季節を分ける意味で、立春の他にも立夏、立秋、立冬の前の日はすべて「節分」の日です。つまり「節分」は年4回あります。その中でも特に春は新年の始まりでもあることや希望をもつという意味合いから、特に春の節分が重視されるようになり、一般的に「節分」というと立春の前日を指すようになったそうです。

〇節分の日は太陽暦のカレンダーにおける大晦日にあたるそうです。この時期には中国などで、「春節」としてお祝いを盛大にするのをニュースでよく見かけます。私の自宅の近くにも中国の方がお住まいで、この時期は中国に帰っていることも多く、会うと楽しそうにその様子を話してくれます。

〇節分の日は新年を迎えるにあたり、鬼を退治するために豆が使用されます。昔はどの家庭でも豆まきを行っていました。一説によると、「魔(ま)を滅(めっ)する」という語呂合わせから「まめ」をまくようになったようです。

〇また日常でも「まめによく動く」などで使われるように、「まめ」という言葉には「体が丈夫で気が利く」という意味もあり、節分に使われる豆は「福豆」と呼ばれ縁起が良いものとされています。千葉県などは特産の殻付きの落花生を使うところもあると聞いたことがあります。

〇ではその鬼とは何を象徴しているのでしょうか?よく言われるのが、自分の心の汚い部分や弱い部分です。自分だけが得や楽をしようとしたり、相手を貶めたり意地悪をしたりする人は、少し反省することも必要でしょう。

〇誰しも「心の弱さ」はありますので、それから目をそらさずに、気づいたことはためらわずに、自分に取り入れていくことが「学び続ける」ことだと思います。自分の行動面で、普段からだらだら過ごしたり、なまけ心に勝てなかったりすることなども一つの鬼と捉えられるかもしれません。いずれにせよ自分を制御(コントロール)できるか否か、誰にとっても一生涯の課題とも言えます。

〇豆まきの時には一般的に「鬼は外、福は内」と言いながら豆を投げますが、これはご存じの通り、鬼(厄や邪気)は家の外へ、福(幸運や福の神)は家の中へどうぞ、という意味が込められています。鬼も「赤鬼は貪欲、欲望、渇望」の象徴で、「青鬼は瞋恚、悪意、憎しみ、怒り」を表しているそうです。自分自身の悪い心に豆をぶつけることで、福徳に恵まれることを信じて行われてきたのでしょう。

〇詩人の坂村真民(さかむら しんみん1909~2006)氏は、教員を終えた後に詩人になられた方です。多くの胸に刺さる詩を残していますが、その中に「節分」という短い詩があります。

追っ払われた  鬼の子たちが  お母ちゃんと  呼んでいる

それがつらくて  節分は  さびしい  何度も  目が覚める   

〇人間が鬼を追い払うのは、正義のつもりなのでしょうが、追い払われた鬼の子たちはかわいそうだというのです。私はこの詩から、「多様性はあらゆる方向から見ないとその感覚を保つことは難しく、決して小さな世界で語ってはいけない」と感じます。「人間も鬼も多様性の中では平等な存在」だということを納得するのは容易ではありません。

〇なおさら坂村真民氏の優しく大らかで繊細な心が伝わってきます。坂村氏の代表作「念ずれば花ひらく」は有名で、昔高校野球の名物監督がチームのスローガンとして掲げていましたので、私も知っていました。一心に願い努力を続ければ、必ず良い結果が出るという信念を詠い、多くの人の心をとらえました。

〇今日から千葉県公立高等学校入学者選抜にかかる出願が始まります。中学校では豆まきはしませんが、受検生が無事に自分の力を出し切れるように、今晩自宅で豆まきをしようと思います。

須藤昌英

2月2日(月)第56回柏っ子造形展

〇二月に入りました。今日の二月二日や二月二十二日は「にん(2)にん(2)にん(2)」などの語呂合わせから、「忍者の日」となっているそうです。中心は日本忍者協議会で、立派なホームページもあります。

〇よく勘違いされていますが、忍者の本来の主たる役割は戦うことではありませんでした。敵対する相手の情報を収集(諜報)し、その情報を主君(殿様)に速やかに届ける「情報伝達」が第一の任務であり、戦国時代において不可欠な存在でした。

〇彼ら忍者は敵地へ変装やなりすましで潜入し、地形、兵力、食料、さらには敵の動向といった戦略的価値の高い情報を収集・分析したり、味方に有利になるような噂をわざと流すように行動したりしていました。

〇今ならばスマホの代わりを生身の人間がしている「人間スマホ」とでも言えるかもしれません。時代が変わっても「情報」は重要で、その内容の正しさや伝わる速さを人間は追い求めています。また人の噂話が好きなのも、時代を超えた人間の共通点だと思います。

〇柏市教育委員会の主催で、市内の小中学校の児童生徒の作品を展示する3つの展示会があります。9月に科学展、11月に技術・家庭科作品展、そして先週末は美術科の作品(柏っ子造形展)がさわやかちば県民プラザの回廊ギャラリーでありました。

〇学年ごとに出品した作品が異なっています。今回は特に優れている作品を学校代表として出品しているので、どの作品も個性が豊かで、創作した生徒の気持ちがよく表現されています。モノづくりの楽しさを感じているようでした。

【1学年】

下村 琉伊さん つながる模様「10色のトンボ」

高橋 希菜さん つながる模様「冬の花」

成嶋 幸さん  つながる模様「紅葉」

池澤 莉央さん つながる模様「つながる色」

知念 優和さん 絵文字「自由の絵」

金定 明希さん 絵文字「カメラと撮った思い出」

原 ひなのさん 絵文字「夏の音」

【2学年】

門田 龍誠さん ゼンタングルのキーホルダー「経験」

若佐 瞬さん  ゼンタングルのキーホルダー「クラゲ」

篠崎 琉華さん ゼンタングルのキーホルダー「アウル」

関根 涼さん  ゼンタングルのキーホルダー「かめ」

藤﨑 珊瑚さん ゼンタングルのキーホルダー「ジンベイザメ」

渕上 佳栄さん ゼンタングルのキーホルダー「蝶」

丸山さくらさん ゼンタングルのキーホルダー「青りんご」

張 湘嚀さん  だるま「ラッキーだるま」

村上 葵さん  だるま「しあわせな猫」

【3学年】

今野 沙羅さん リサイクルフラワー「華」

砂川 心望さん リサイクルフラワー「丸い花」

木下香里奈さん リサイクルフラワー「Flin」

髙橋陽太郎さん リサイクルフラワー「葵」

笠原 娃花さん リサイクルフラワー「でっかい花」

森 愛英さん  リサイクルフラワー「青い花」

〇冒頭の忍者の「忍」は、訓読みは「しのぶ」です。意味は「我慢する」や「過去や遠くの人を慕う」などがありますが、まさに3年生は今、忍(しのぶ)耐える生活を余儀なくされています。生活サイクルを「朝型」に切り替え、夜は早めに就寝し、体調を整えてほしいです。

〇在校生も今月は、3年生の公立高等学校の受検日にあわせて、後期期末テストがあります。定期テストは主に授業の内容から出題されます。その日の授業で疑問があれば、積極的に先生やクラスメイトの力を借りて、明らかにしておきましょう。

須藤昌英

1月30日(金)3学年後期期末テスト

〇昨日の「早春賦」は唱歌ですが、この増尾の地にゆかりのある画家の高島野十郎氏(1890~1975)の作品も、春の情景を見事に描いたものがいくつかあります。

〇高島野十郎氏は、過去に住宅開発が始まる前の増尾の原野が気に入り、現在の増尾西小あたりに、自ら家をつくり暮らしていました。その頃の風景画は、昔の増尾周辺の自然を見事に映し出していて、鑑賞していると懐かしい気持ちになります。

〇特に春の桜や秋の月を柔らかなタッチ(幻想的で穏やかな雰囲気を醸し出す表現技法)で描くスキルは、圧巻です。過去には柏市教育委員会が主催した個展も開かれており、私も名前だけは知っていましたが、増尾に由来があるのは初めて知りました。

〇晩年は田中農協病院に入院し、その後野田の特別養護老人ホームで亡くなっています。生徒たちにも見せたい作品があります。

〇昨日と今日、3年生は最後の定期テストに臨んでいます。公立高校の受検日程に合わせており、本番前のリハーサルになればよいと思います。

〇来月からの受検日程は次のとおりです。

【出願書類等の提出】2月3日(火)から5日(木)正午まで

【志望または希望の変更受付】2月10日(火)及び12日(木)午後4時まで

【本検査】2月17日(火)国語・数学・英語

18日(水)理科・社会・その他(面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題)

【追検査*感染症等の罹患や忌引き等の止むおえない場合】

2月20日(金)及び24日(火)出願 ➡ 2月26日(木)受検

【入学許可候補者の発表】3月3日(火)午前9時

〇受験生のための感染予防は、「日々の対策を積み重ね、早めの対処」が基本です。ワクチン接種、手洗い、うがいなどの感染症対策はもちろんですが、ここまできたら夜間の勉強時間を減らし、生活サイクルを朝方にした方が良いと思います。よく言われるのが、受検当日のスケジュールに合わせて起床・就寝時間や食事の時間を調整していくことです。

〇またバランスのとれた食事や夜食(おやつなど)の補食も大切です。私は自分が受験生の頃は、温かいミルクをよく飲んでリラックスを心がけていました。焦ったりイライラしたりする気持ちには、身体が少しでも落ち着くようにすることが一番です。

〇この時期のメンタルコンディションも、受験に大きく影響します。ここまで勉強に毎日長時間取り組む生徒たちは、大きなストレスを抱えています。生徒は基本的に学校や塾など自宅外で勉強していたので、家に帰ってきたらできるだけ気持ちがホッとするように配慮してあげてください。

〇私も息子や娘が受験生の頃は、「ちょっとのんびりしすぎているかな」と気になることもありましたが、そこはグッと我慢して、まったく受験と関係ない話をすることを自分に課していました。

〇とにかく「健体康心」が第一なので、お子さんが疲れているように見える時は、「とにかく寝て、明日に備えよう!」と声をかけ、ON・OFFのメリハリをつけることを重点にサポートをお願いします。

須藤昌英

 

 

1月29日(木)令和7年度学校評価の結果より(その3)

〇はやいもので1月もあと3日となりました。寒さもありますが、時々春の香りも漂っています。「早春」は、来月の立春から3月上旬頃までを指しますが、この時期はいつも「早春賦(吉丸一昌 作詞、中田章 作曲)」という歌を昔に教わったことを思い出します。

〇その1番は有名で、「春は名のみの 風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど 時にあらずと 声も立てず」ととても美しい日本語から春の情景が思い浮かびます。1913年(大正2年)に発表され、「日本の歌百選」に選ばれています。生徒にもYou-Tubeなどで聴いてもらいたいです。

〇一昨日に引き続き、次の3項目は、学校を支えてくれる家庭や地域との関連項目です。私としてはホームページ及びこのブログは、家庭や地域の方々に向けて発信してきましたが、生徒たちにももっと閲覧してもらう手立てを講じて、特に社会と学校のつながりなども知ってもらいたいと思いました。

【家庭や地域面】

〇子どもにとって家庭とは、「心の安全基地」であり、人生最初の学びの場です。安心・安全な場所で愛情と信頼感を育み、社会で生きていくための基本的な生活習慣や思いやり、自立(自律)心を身につける土台となります。親の生き方(後ろ姿)が模範となり、挑戦する意欲や人生を楽しむ姿勢を教え、社会へと羽ばたくための出発点であり、疲れた時に戻り癒される心のふるさとでもあります。

〇子どもにとって地域も、自宅と同じく安心できる「居場所」であり、地域の多様な大人たちや環境との出会いを通じて、「生きる力」や「つながり」を育む土台です。安全な見守りや支え合い、多様な学びの機会を提供し、自己肯定感や地域への愛着、人を思いやる心を育む一方で、孤立を防ぎ、困難を抱える子どもを支えるセーフティネットとしての役割も担います。

〇子どもが相談しやすい人とは、笑顔で親しみやすく、話を聞く姿勢があり、共感を示しつつも「こうあるべき」と決めつけず、一緒に解決策を考えてくれる人です。具体的には、保護者や兄弟姉妹などの家族、学校の教員、地域の人などが挙げられ、自分の意見を尊重され、安心感を得られる存在が信頼されます。

〇子どもの人権については、12月8日に「子どもの権利条約」について書きましたが、1989年に国連総会において採択されたこの概念は、子どもが守られる対象であるだけでなく、権利をもつ主体であることが明確に示されています。また子どもが大人と同じように、ひとりの人間としてもつ様々な権利を認めるとともに、成長の過程にあって保護や配慮が必要な子どもならではの権利も定めています。

〇具体的には「生きる権利」「成長する権利」「暴力から守られる権利」「教育を受ける権利」「遊ぶ権利」「参加する権利」など、世界のどこで生まれても子どもたちがもっている様々な権利が定められました。この権利を家庭や地域、学校が一丸となって保証していくことが、何よりも子どもの幸せにつながると思います。

〇また幾つかの項目で生徒と保護者の「ほぼ良好」と回答した割合のギャップが見られます。たとえば学習面で「あなたは(お子さんは)、授業中にわからないことを、自ら先生や友達に質問していますか?」では、生徒の83%が「そう思う」「ややそう思う」と答えたのに対し、保護者は49%です。もちろんこれは実際に授業に参加している生徒と学校公開日にしか授業を参観していない保護者との意識の差も大きいですが、できる限りこのギャップを埋めていくことも必要だと思います。もっと学校の様子を詳しく伝えていく手段を検討します。

〇今後も3月までこの学校評価の結果を受けて、学校教育の本来の目的等を振り返っていきます。昔は学校はある意味「何でも屋」的に、あれもこれも引き受けていましたが、それでは何をするにも、ただ漫然と行うことになってしまいます。優先順位が大切だと痛感しています。

須藤昌英

1月28日(水)令和8年度新入生保護者説明会

〇一昨日は、4月から入学予定の新入生の保護者の方々にお越しいただき、本校の学習・生活・保健・インクルーシブ教育について、説明させていただきました。またPTAサポーターの活動紹介も行い、ご協力を仰ぎました。

【校長の話のスライド】

須藤昌英

1月27日(火)令和7年度学校評価の結果より(その2)

〇本日は、衆議院選挙の公示日で、来月の8日が投票日です。私もかつての教え子が数人、柏市役所に勤務していますが、その一人が選挙関係の仕事に携わっていて、毎日夜半過ぎまで選挙準備に追われているそうです。雪国はもっと大変なことでしょう。

〇私は通常、期日前投票をしています。前は選挙当日の朝一番に、投票所に行っていましたが、急な予定が入ることも多かったので、それ以後は事前に行っています。最近は期日前投票をする人が増えていると聞いています。中学生も数年後は投票する有権者となるので、今から意識している方が良いと思います。

〇「学習・行事面」に続き、それらを下支えする「生活・安全面」も分析中です。学校において生徒が安全で安心な環境で学習活動等に励むことができるようにすることは、公教育の実施において不可欠なものであり、学校において、事件、事故あるいは災害に対して、生徒の安全の確保が的確になされるようにすることを目指しています。

〇特に自他の生命尊重・尊厳の理念を基盤として、生涯にわたって健康・安全で幸福な生活を送るための基礎を培うとともに、進んで安全で安心な社会づくりに参加し貢献できるような資質や能力を育てることは、学校教育の重要な目標の一つです。

【生活・安全面】

〇挨拶と思いやりの心は、良好な人間関係を築き、人生を豊かにするための基礎的な力(非認知能力)です。これらを身につけることで、信頼感の向上、コミュニケーションの円滑化、自己肯定感の向上といった多くのメリットが得られます。挨拶はまずは形からでも、実践することであとからその良さがわかってきます。

〇私は挨拶にも以下のような3つがあると思っています。ただこれは個人差よりも発達段階に応じて、徐々に変わってくると思います。私自身が小学校、中学校、高等学校とあがるにつれ、挨拶に関する認識が変わってきたこともあり、生徒にはこれを強制するというよりも、「この生徒は〇〇の段階かな?」と目安にしています。

〇また週1回の道徳科の授業では、読み物資料などを通して、登場人物等への単なる「シンパシー(同情・思いやり)」ではなく、それに「自分だったらどうするか?」の「エンパシ―(感情移入・共感)」を重要視しています。そのことから生徒の当事者意識を引き出し、今後の実際の生活にどのように結びつけていけばよいか?を想像させています。

〇次に「決まりを守る」「安全に気を付ける」ことを通じて身につけたい力は、単なるルール遵守にとどまらず、自立し、他者と協調し、リスクを予測して行動する総合的な人間力です。基本的には「このルールは何のためにあるのか?」と疑問をもつことから始まり、「こういうルールの方がよりその目的を達成できるのでは?」の視点では話し合うことが理想です。

〇歩行中の事故は、時間帯別では月~金曜日の16時~17時台が最も多く、事故類型別では道路の横断中や飛び出しが最も多く、全体の9割超が相当します。自転車乗用中の事故も、時間帯別では同じですが、学齢別では歩行中と比較すると小学生よりも中・高学年が圧倒的に多く、これも信号のない交差点などでの出会い頭が7割超です。

〇小学校では地域住民がボランティアとして、登下校時の児童の安全を見守るスクールガードさんが、通学路での立ち番、パトロール、不審者監視を通じて、子どもたちを犯罪や交通事故から守る活動をしてくれています。

〇中学校ではその活動は少ない分、自分で自分の命を守る意識(これも当事者意識)を身に付け、予測不能な危険を事前に察知し、正しい判断で回避する能力を身につけることです。

須藤昌英

 

1月26日(月)令和7年度学校評価の結果より(その1)

〇上野動物園の双子のジャイアントパンダのシャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)に会えるのは昨日で最後だったと、ニュースが伝えていました。1972年の日中国交正常化にあわせてパンダが来日して以来、54年ぶりに日本からパンダがいなくなります。

〇初めてパンダが日本に来た時は、私は小学校3年生でしたので、テレビで大々的に紹介しているのを見て、「早く観に行きたい」と思っていました。今後いつパンダが日本に来るかは未定らしく、昨年12月の校外学習で観ることのできた1年生はラッキーでした。

〇そもそもパンダは中国から期限付きで借りている動物です。調べると、中国と日本間での「パンダの貸借契約」は繁殖研究が第一目的であり、日中関係の改善やパンダの「外交カード」としての利用が、今後日本へパンダが来るかどうかの鍵となるようです。

〇上野動物園もパンダのために、立派な施設を維持してきましたので、今後はそれらをどう活用するのかも注目です。来年度の新1年生の校外学習場所も、「今から検討に入らなければ・・・」と思っています。

〇昨年末にご協力いただいた今年度の学校評価の結果を、現在分析中です。学校評価の目的は、「学校運営と教育活動の状況を評価し、その結果に基づいて継続的な改善を図る」ことで、教育水準の向上を実現することにあります。

〇具体的には、学校として「諸活動の成果と課題」についての説明責任を果たすこと、保護者や地域との連携を深め協力体制を築くこと、さらに学校の課題を保護者や地域と共有し、支援を得ることなどがあります。

〇生徒と保護者の皆様には、同項目でのアンケートに回答してもらい、すぐに改善すべき点と長期的な視点で改善を検討すべき点とに分け、「何をいつまでにどうして改善するか」を教職員と議論しています。

【学習・行事面】

〇「授業がわかりやすい」と回答している生徒を増やすのは教職員の一番の目標です。ただわかりやすい授業とは本来、学習者が「わかった!」「できた!」という達成感を得られるように、目標を明確にし、興味を引き出し、具体的な活動や多様な工夫(視覚化、反復、個別最適化など)を通じて、思考を深め、自力で解ける「生きた力」を育む授業のことです。

〇また「わかる」も色々あります。漢字で書くと、「分かる」、「判る」、「解る」ですが、2つ目と3つ目は少し特別な「わかる」です。授業で教師や友達の説明を聞いて内容が「分かる」のは、それまで無かった知識が新たに身についたり、今まで考え方と異なる考えで視野が広がったりすることです。

〇難しいのは、そのわかりやすさには個人差があることです。文部科学省が提唱する「個別最適な学び」とは、生徒一人ひとりの個性、学習進度、興味・関心に合わせて、学習内容や進め方を最適化する学び方を指します。これは「誰一人取り残さない」教育の実現を目指し、もう一つのポイントである「協働的な学び」の一体的な充実が重要とされています。

〇具体的にはオンラインドリルなどのICTを活用したり、つまずいている生徒には補習をしたり、理解が早い生徒には発展的な課題を提供するなど、個別に対応することで、全生徒の能力向上を図っていきます。

〇特に授業で疑問を持つことは、単なる暗記から脱却し、理解を深め、知識を応用する「使える力」を養う上で非常に重要です。疑問を持つことで学習へのモチベーションが向上し、問題解決能力やコミュニケーション能力も高まり、主体的な学びへとつながります。教師や教科書、資料に「なぜ?」と問いかけることで、受動的な学習から能動的な探求へと転換し、本質的な思考力が身につきます。

〇一方で学校行事の意義は、「集団への所属感を深め、人間関係を構築し、社会性や自主性、協働性、計画性といった生きる力を育む」点にあり、日常の学習では得にくい体験を通して学校生活を豊かにし、心身の成長を促す重要な教育活動です。入学式や体育的・文化的行事祭、修学旅行・林間学校・校外学習など、儀式的・体験的な活動を通じて、伝統の継承や社会とのつながりを意識させ、公共の精神を養う役割も果たします。

須藤昌英

1月23日(金)チャットGPTが入試で満点

〇昨日までで、千葉県及び近隣都道府県の私立高等学校の入学試験も一段落しました。3年生は全力を出し切ったので、結果が気になるところでしょうが、少しは脱力して再度体調を整えてもらいたいです。そして残るは来月の公立高等学校の学力検査になります。

〇先日のニュースで、17、18日実施の大学入学共通テストを、対話型生成人工知能(AI)「チャットGPT」の最新モデルに解かせると、9科目で満点を取ったことが、AIのベンチャー会社の分析で分かったと報道していました。

〇解答した15科目の得点率は97%で、満点科目が出たのは史上初のようです。「チャッピー」の愛称で知られるチャットGPTの秀才ぶりが際立つ結果となったと総括されていました。

〇そのニュースを見て、大きな違和感がありました。果たして世の中にはこの事実をどのように解釈する人が多いのだろうか?AIの能力を称賛するのか、それともこれから色々と大変になると危惧しているのか・・。私はそのどちらでもありませんでした。

〇ChatGPT(チャットGPT)とは、OpenAI社が開発した対話型AIサービスで、人間と会話するように自然な文章で質問に答えたり、文章作成、要約、翻訳、プログラミング補助など、多様な仕事を実行できたりする「生成AI」の代表格です。膨大なデータを学習した「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」という大規模言語モデルを基盤としており、チャット形式で手軽に高度なAIの能力を利用できる点が特徴です。

〇私が思ったのは、AIは膨大なデータベースから学んでおり、そのことで瞬時に必要な情報を検索・処理できるため、既存の知識を問う入試問題(マークシート)には、非常に強いのは当たり前だということです。

〇かつて将棋の対局で、AIがプロ棋士に勝利したニュースが流れた時も「いよいよそういう時代になったか・・」と驚きましたが、それも過去の人間の棋士が指した手のデータをすべて収集したことが、将棋AIが人間を完全に凌駕したとされたのでした。

〇ただ先ほどの入試問題については、AIの弱点もあるそうです。たとえば国語の正答率は90%にとどまっていて、長文の文脈理解や情報の整理にはまだ課題があるそうです。また極めて複雑な記述問題や最新情報をリアルタイムで考慮する必要がある問題でも、間違える可能性が残されているようです。

〇繰り返しになりますが、AIの能力はあくまで「学習データ」に基づいており、人間のような「理解」や「創造的な思考」を行っているわけではありません。AIが大学入試の選択式問題で満点を取る時代は到来しましたが、それはAIの計算・記憶処理能力が人間を圧倒した結果であり、人間が真の思考力を養う必要性がなくなったわけではないと感じます。

〇これは受験生が頑張っている最中であり、悪く解釈されると困りますが、「ペーパーテストの無意味さを露呈してくれた」と私は受け取っています。学校の定期テストや高校入試では、確かにペーパーテストの結果が評価の中心となります。しかしこれは「公平性を担保する」という目的に一番合致しているからです。

〇具体的には、テストはその結果が受けた人全員に対し、公平であることが大前提です。一部の人に有利・不利があっては意味がありません。そこで知識や理解を問うペーパーテストが、採用されています。もし他にその公平性を約束できる方法があれば、それも認められるはずです。

〇しかし実際には、ペーパーテストの代わりに各授業での生徒のパフォーマンス(意見表明や課題作成)をノートや提出物の状況等だけで、公平な評価をすることは至難の業です。

〇入試でも学力検査の代わりに面接やその他(自己アピールなど)だけで、合否を出すとなると、後からその結果の開示を要求された場合に、淡々と説明をできることが難しいのだと思います。

〇AIの話でAIに意見をもらうのは少し気が引けますが、AIに「入試の公平性とは」と尋ねてみました。すると

「受験者が属性や背景に関わらず、実力や能力を公正に評価されるべきという考え方で、【平等(同じ条件)公正(適切な対応)】の両面を含みますが、経済格差や地域差、性別などによる不利な条件をどう扱うかが議論のポイントです。一般入試の試験会場での公平性は高い一方で、塾の有無や家庭環境といった「試験前の条件」の不公平性、また多角的な評価を取り入れる際の【評価基準の不公平性】も課題とされています」との回答でした。

〇生徒は自主的な家庭学習として「土の音(つちのーと)」に取り組んでいます。このねらいは、「目標設定」「習慣化」「興味を探求する」ことがあり、無理のない計画から始め、毎日決まった時間に机に向かう習慣を作り、好きな教科や興味のある分野から取り組むことで意欲を高めます。

〇私も小中学生の頃、自主学習に取り組んでいていました。そのノート達は廃棄して手元にありませんが、成人するくらいまでは自宅で保管していました。今思うと、1冊くらいは残しておけばよかった・・と思います。

〇知識を活用(応用)するためには、その基盤となる「基本知識」を学び、定着させることが不可欠です。基本知識は、強固な土台となり、新しい情報や複雑な課題に対応するための柔軟性と多様性を育みます。この自主的な家庭学習はその面からも重要です。

〇「テストの完璧な公平性などあるのか?」や「これからの時代に必要な本当の思考力とは何か?」などの疑問が私にもまだありますが、3年生には来週末に1・2年生よりもはやく最後の定期テストに頑張ってもらいたい気持ちはかわりません。

須藤昌英

1月22日(木)千葉県小・中・高等学校書初め展覧会

〇今朝の校庭は、雪というよりも霰(あられ)に近いものが一面を白くしていました。風はないものの底冷えです。その中でも、生徒たちは走ったり身体トレーニングに取り組んだりしています。自然と心身が鍛えられます。

〇第78回千葉県小・中・高校書き初め展覧会がありました。この実施要項にこの趣旨は、「近年の急速な国際化、情報化の進展により社会状況や人々の生活環境が大きく変化する中で、書を通じ明日を担う本県の児童生徒の書写、書道の能力を育成し、日本の文字文化に対する関心を高め、心豊かな情操を養うことを目指す」とあります。

〇募集作品は、中1は「輝く大地」、中2は「初春の喜び」で、各地区ごとに地区審査員によって、特別賞候補、 星会 、特選、金賞、銀賞、銅賞、を決定します。本校の受賞者です。

書星会賞 杉山凛音さん(2年) 池田優吾さん(2年)

特選   新垣奏真さん(2年) 平川涼雪さん(1年)

金賞   木立茉李さん(1年) 黒川桜生さん(1年) 土屋潤佳さん(1年) 齋藤小春さん(1年)

     戸田心結さん(1年) 永瀬ほのさん(1年) 西條小百合さん(1年)

銀賞   丸山さくらさん(2年) 染谷宣喜さん(1年)

髙橋希菜さん(1年) 中村瑠菜さん(1年)

〇書初めの教育的意義は、「一年の目標や抱負を定め、精神を整える」ことと「書写の技能向上と伝統文化の継承」の二つで、集中力や美意識を養い、自己肯定感を高める効果もあります。目標を文字にすることで、具体的な行動への意識が高まり、姿勢や筆遣いの練習を通じて書写の知識と技術を応用・定着させる機会となるのです。

〇私も母が書道を教える資格をもっていたので、幼いころから字の書き方では指導をされました。ただその頃は反発心もあるので、教えられた通りにするのが何となく嫌で、わざと崩して書いたり、「自分の字体はこうだ!」と主張したりしていました。今振り返ると、「もったいないことをしたな」とい思います。その頃に謙虚に学んでいたらもっと今は字がきれいに書けたかもしれない・・と少し後悔しています。子どもの頃の大人への反骨心は否定しませんが、やはり「素直さが一番」だと思います。

〇昔と異なり今は、「一般社団法人書星会」のYouTubeチャンネルで、課題の字のお手本動画が見られます。我々からすると画期的なことです。まずはお手本をしっかりと見て書くことが重要であり、実際に書く前に頭の中で書き順などをイメージすると上手に書けます。動画では、集中して文字を書くことは心を落ち着かせる効果があることや、姿勢や筆の持ち方、漢字・仮名などの技能をわかりやすく解説しています。

〇書道の技法の基本として、永字八法(えいじはっぽう)があります。私も母に教わった記憶があります。書道には「とめ」「はね」「はらい」といった技法がありますが、その基本的な技法が『永』という一文字に含まれています。詳しくは、

1『側(そく)』 側(そく)とは、『点』です。

2『勒(ろく)』 勒(ろく)とは、『横画』です。

3『努(ど)』努(ど)とは、『縦画』です。

4『趯(てき)』 趯(てき)とは、『はね』です。

5『策(さく)』 策(さく)とは、『右上がりの横画』です。

6『掠(りゃく)』 掠(りゃく)とは、『左はらい』です。

7『啄(たく)』 啄(たく)とは『短い左はらい』です。

8『磔(たく)』 磔(たく)とは、『右はらい』です。

〇私も全てではありませんが、文字を書く時にはそのうちのいくつかをいつも意識しています。「永」という文字を練習で時々書いたりもします。

〇書道における「字は体を表す」という言葉が示す通り、よく書初めに書いた人の個性が現れるといわれます。私も生徒たちの作品を見て感じていることです。毛筆で書くという過程において、その時の精神状態や性格、筆の運びの癖が色濃く反映されるのでしょう。準備や片付けも含め、文字を「書く」という行為全体に関わることで、何よりも文字への興味を深めることができます。

須藤昌英

1月21日(水)関税や税金の本来の目的は?(トランプ氏アメリカ大統領就任1年と衆議院解散&選挙)

〇第二次トランプ政権がスタートして一年が経過しました。これまで独自の関税政策を打ち出し、世界中を巻き込んで「ディール(取引)」というこれまで政治の世界ではあまり行われなかった手法を掲げています。この1年間、世界はトランプ氏のディール外交に翻弄(ほんろう)され続けており、政治の素人である私でさえその急激な変化に驚いていますので、直接政治に携わっている方々は「さぞ大変だろう」と推測します。

〇最近ではトランプ氏が「アメリカがグリーンランドを所有する」ことを主張し、その理由がロシアや中国からグリーンランドを守るためとしていることも違和感があります。さらに彼は記者に対し、それを「簡単な方法」でやるか、さもなければ「難しい方法」でやるとも発言したといいます。同じく先日ホワイトハウスは、グリーンランドの購入を検討していると述べたようですが、武力による併合の選択肢も否定していないと報道があります。

〇私も昔、地理の学習で、グリーンランドは氷におおわれた大きな島と学んだ記憶があります。ただ「氷におおわれているのになぜグリーン?ホワイトでは?」と疑問に思っていました。後から知ったことは、「982年頃に赤毛のエイリークという探検家が発見した際、入植を促すために「緑の島 (Greenland)」と名付けたことに由来する」そうです。

〇しかし実際にグリーンランドは北大西洋条約機構(NATO)加盟国デンマークが保有する準自治領で、デンマークとグリーンランドは、グリーンランドは売り物ではないと反発しています。デンマークの首相は、「アメリカが軍事力でグリーンランドを奪うようなことがあれば、それはNATOの終わりを意味する」と述べています。

〇グリーンランドは人口密度が低いですが、北米と北極の間に位置するため、ミサイル攻撃の早期警戒システムや、船舶監視の拠点に適していることが、多くの国が興味を示している理由です。

〇調べると、アメリカはすでに第2次世界大戦以来、グリーンランド北西端の基地に兵100人以上を恒久的に駐留させています。トランプ氏は1期目の2019年にも、「グリーンランドを買う」と提案し、売却対象ではないと当時も反発を受けました。

〇グリーンランドの将来への懸念は、トランプ政権が先日、軍事力によって南米のヴェネズエラの大統領を拘束した事態を受けて、再燃しています。このような状況やトランプ氏を中学生にはどのように映っているのでしょか?そもそも「アメリカの大統領や世界の情勢なんか興味がない」という生徒もいるでしょうが、少なくとも卒業時くらいまでには、いろいろな社会情勢にも自分の意見をもってもらいたいです。

〇これらは日本を含む国レベルの影響も大きく、そこから人レベルへの影響もあります。日本人の相手への気遣い(別の見方では忖度)はこの国の文化や風土の根底をつくっていますが、その対極にある個人及び自国第一主義のリーダーの発言は、大人の私でも「そんなことまで真顔で言うのか」「どこまでが本音だか見当がつかない」と啞然にとられることも多いです。

〇日本はアメリカの同盟国ですが、このトランプ氏の動きを今後どのように受け止めるのか?日本政府の対応に注目していたところ、先日急に国会の解散の噂が流れ、これもびっくりしました。

〇高市首相が一昨日の記者会見で、衆議院を解散する決断を正式に発表しました。それをテレビで視聴していて特に気になったのは、「高市早苗が内閣総理大臣でよいのか国民の皆様に決めていただく」という言葉でした。ただ日本は議院内閣制を採用しているため、国民が総理大臣を直接選ぶことはできず、国会議員の中から国会の議決によって選ばれる仕組みです。

〇国民は衆議院選挙で代表者(議員)を選び、その議員が多数を占める政党が組閣し、国会で首相を指名することで間接的に総理大臣の選出に関与することしかできません。高市首相は今回の解散と選挙で、与党で過半数を目指すということでしょう。「解散は重い重い決断だ。首相としての進退を懸ける。連立政権の枠組みも変わった。だからこそ国民の意思に正面から問いかける道を選んだ。」と言っていました。

〇一部の有識者からは、「今の支持率の高さをバックにした人気投票のつもりか?」や「来年度予算の決定を後回しにしてまで行う大義があるのか?」などの批判もあります。また「トランプ大統領と高市首相が右寄り」と日米の見えない連携?を指摘する人も多いですが、私は右や左という政治的な意見は立場上言うつもりはありません。ただその二人の気になる視点として、「関税や消費税」の税があります。

〇高市首相が今回の説明で、「2年間限定で食料品の消費税率をゼロにする減税策の検討を加速する」と表明しました。おそらく消費税の減税や廃止をそろって主張する野党を意識し、衆院選での争点化を避ける狙いがあるとみられています。もしそうであれば、「消費税減税が与野党で一致ならば、少なくともその理由での解散は不要ではないか?」と感じます。

〇税金の役割は、公共サービス(道路、教育、医療、警察、消防など)の財源確保、所得や資産の再分配、経済の安定化等で、国民全員で費用を担い、より良い社会を支えるためのお金で、納税は憲法で定められた国民の義務です。そして消費税は、1989年から3、5、8、10%と徐々にその比率をあげ、全て社会保障に充てられています。

〇個人的には、この消費税減税を選挙の公約としているのが、アメリカ大統領が関税(外国から商品を輸入する際に、輸入国の税関が課す税金で、主に自国産業の保護と国の税収確保を目的とし、輸入品の価格を上げて国内製品との競争力を高めたり、財源を増やしたりする)を政策の手段としていることとつながっている気がします。関税は輸入者が納めますが、最終的には商品の価格に上乗せされるため、消費者が負担する間接税でもあります。

〇2年生と行っているキャリアパスポートに関する面接では、数人が社会の授業が好きな理由として、「友だちと地理や歴史について、お互いに考えていることを話し合ったり、そこから新しい見方・考え方を知ったりするのが楽しい」と答えています。授業ですから教科書を使っていますが、このアメリカや日本の政治的な出来事も、生きた教材となる気がします。

〇生徒たちには昨年の全校集会で、「言動の一致(言っていることとやっていることに矛盾がない)ができている人は、社会の中で信頼されます」と話しました。生徒には、今回のような日米の首脳による様々な発言が、「本気なのか?脅しなのか?」を見極めることは難しいかもしれませんが、一度ご家庭でもお子様と話題にしてみてください。

須藤昌英

1月20日(火)大寒に思うこと

〇今日はその二十四節気の一つである「大寒」で、一年でいちばん寒さが厳しくなるころとされます。実際に今週は今季最強の寒波が日本列島をおおうと予想されています。各クラスのインフルエンザ感染の報告が増えつつあり、今後の動向を見極めようと考えています。            

〇日本の「二十四節気」は、立春、立夏、立秋、立冬など4つの季節を表す言葉の他、春分、夏至、秋分、冬至などが良く知られています。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたので、4×6の「節気(せっき)」があります。

〇私も一昨年に「還暦」を迎えるにあたり、日本にあるそのような数学的な規則性を色々と調べました。そもそも地球自体が自らの自転と太陽の周りを規則的に公転しているので、その性質を数字で表現すれば、算数・数学に関わることが多くなるは当然です。

〇私は普段は飲酒の習慣はありませんが、さすがにお正月はお客様などと一緒にお酒をいただくことが多かったです。特に日本酒に詳しい方から、日本酒は「寒仕込み」のものが美味しいということをよく聞きます。「寒造り」とも呼び、冬場の寒い時期に仕込むのが、日本酒伝統の製法らしいのです。

〇「なぜ、冬場に仕込むのか?」を少し調べてみると、まずは原料である新米が秋に収穫されることや寒い時期だと雑菌が繁殖しにくいことがあげられるそうです。また日本酒の仕込みは、温度管理がとても重要で、低温だと余計な雑菌の繁殖を抑え、お酒をつくる微生物が、よい働きをしてくれる(もろみをゆっくりと時間をかけて発酵させる)ことを初めて知りました。そういう知識があると、今度飲むときには、違った味わいになるかもしれません。

〇また「大寒」前後には、武道では「寒稽古」、神事では「寒中水泳」などをして自分の心身を鍛えることなど、昔からの風習があります。あえて厳しい条件で自分を磨くことは、自分の可能性を伸ばすことになるということでしょう。

〇AIに「なぜ寒い時の方が暑い時よりも、心身が鍛えられるのか?」と質問してみました。主な回答は次のようなものでした。

「暑い環境よりも寒い環境の方が心身を鍛えられるとされる理由は、主に【体温を維持しようとする身体の防衛機能(身体的な負荷)】と【寒さからくる不快感に耐える精神力(精神的な負荷)】の双方が強化されるためです。具体的には、以下のメカニズムが働いています。

1. 身体的な強化:エネルギー消費と代謝の向上

熱産生によるカロリー消費増: 人間は寒いと体温を維持しようとして、筋肉を震わせたり、基礎代謝を上げたりして熱を作る。その為、同じ運動量でも暑い時よりエネルギー消費量が多く、脂肪燃焼効率が高まる。

心肺機能・免疫力の強化: 寒さの中で心臓や血管が収縮・拡張を繰り返すことで、血管運動神経が鍛えられ、自律神経の調整機能や免疫力が向上する。

2. 精神的な強化:ストレス耐性と集中力

逆境への耐性(メンタルタフネス): 寒いという不快な環境にあえて身を置くことは、心理的なストレス管理能力(レジリエンス)を高める。寒冷刺激は、ノルアドレナリンやドーパミンを放出させ、集中力、警笛性、気分を向上させる効果があるとされている。

意思力(ウィルパワー)の強化: 暖かい室内から寒い屋外へ出るなど、寒さに向き合う行為は「快適性」を犠牲にして「規律」を優先させる行為であり、強い精神力を鍛える訓練になる。

3. トレーニングとしてのメリット

効率的な鍛錬: 暑い時期は心拍数が上がりやすく、脱水や熱中症のリスクが高い一方、冬は心臓への負担が比較的少なく、かつ酸素消費量が多くなる為、効率的な体力向上・脂肪燃焼が期待できる。

4  注意点として、寒い環境で運動する場合は、急激な寒冷刺激による血管の収縮(血圧上昇)や、怪我を防ぐため、十分なウォームアップをして体を温めてから取り組む必要がある。暑い時期は心身を「リラックス」や「体温低下」に振り向ける傾向があるが、寒い時期は「活動」と「熱産生」に振り向けるため、能動的に動くことで、心身のタフネスを向上させやすいと言える。

〇「さすが・・」と感心しました。今まで何となく考えていたことも、ここまで説明されると腑に落ちます。一見すると寒いのにあえて自分を鍛える・・など、とても不合理だとも言えます。「大寒」の反対は「大暑(一年中で一番熱い時:七月下旬)」です。毎年の夏の猛暑を思い出すと、暑い中では熱中症などから命にかかわる危険もあります。しかしいくら寒いからと言って凍死することはあまりないので、寒い方が自分を鍛えるには合理的かもしれません。

〇「鍛える」と言えば、有名な徳川家康の遺訓の一部があります。

「人の一生は重荷を負ふて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。不自由を常とおもへば不足なし。心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。(略)」です。読めばほぼ意味がわかりますが、おおよそ「人の一生というものは、重い荷を背負って遠い道を行くようなものだ。急いではいけない。不自由が当たり前と考えれば、不満は生じない。心に欲が起きたときには、苦しかった時を思い出すことだ。」と言っています。不自由なことや苦しかったことが逆境になると味方してくれるという教訓だと思います。

〇コロナ禍前までは、多くの中学校で放課後に、「冬季合同トレーニング」を実施していました。日没が早い冬季は、各部活動の放課後の活動時間が短く、練習量の確保が難しいのですが、部活動の枠を超えて、希望者が部活動終了時間からグラウンドに集まり、夕闇のなかを走ったり筋力トレーニングをしたりして、基礎体力を養っていました。体力もそうですが苦しいことに自ら向き合うことで個人が精神的にも成長します。

〇本校でも12月から希望者を募り、毎週火~金の朝の45分間で、ペース走、インターバルトレーニングなどを行っています。あくまでも個人の能力に合わせたメニューが中心です。ある意味走ったり筋トレしたりすることは単純作業なので、一人ではなかなか継続しにくいものです。そこで仲間同士で励ましあい、目標達成する連帯感が生まれ、それが各種目のパフォーマンスや体力の向上に役立ちます。何よりも先ほどのお酒をこの時期に仕込むと同様に、人間もこの時期に「自分磨き」をするとよい・・かなと感じています。

〇一番心配なのは受験生です。この時期、体調管理に細心の注意をはらいつつ、目前の入試に全力で取り組んでいます。自分の経験からも以前から「この寒い時期に受験があるのはかわいそうだ」と感じています。もっと気候的に条件がよく、感染症対策も容易な夏から秋にかけて実施した方が良いと思っています。しかしすぐには変わらないので、無事に実力を発揮することを願っています。

須藤昌英

【体育の時間のインターバル走に取り組む生徒たち】

1月19日(月)市内新人駅伝・ロードレース大会&防寒着あれこれ

〇一昨日は阪神淡路大震災から31年でした。夜明け前の地震でもあり多くの方がお亡くなりになりました。ただ段々とその記憶が風化されていることが課題です。私もその教訓を生かすことを常に考えていますが、まずは「今もしここで地震が発生したら・・」と当事者意識を継続することだと思います。

〇3人の子どもが生まれた日の朝刊を保管していますが、そのうち長男は震災の次の日に生まれましたので、朝刊一面には震災直後の写真が大きく掲載されていました。多くの方が命を落とされた後に生まれたので、当時は誕生を喜ぶ気持ちと混じり合い、複雑な気持ちでした。亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

〇今年に入り、元日の社会人駅伝、2,3日の大学の箱根駅伝、週末ごとに女子や男子の都道府県対抗駅伝と、駅伝の放送が続きました。日本人が駅伝を好むのは、「和」や「団結力」を重んじる文化に根ざし、「チームのため」「仲間との絆」で走る姿への共感、「たすき」という象徴、そして「挫折と成長のドラマ」に心を打たれるためです。

〇金曜日、県立柏の葉公園と総合競技場において、令和7年度柏市中学校新人駅伝大会が行われました。公園内の巡回コースを、一人が約2000m、女子は5人、男子は6人でタスキをつなぎました。結果は女子Aチームが12位、男子Aチームが19位、男子Bチームは12位でした。普段の練習の成果を出しきりました。

【女子チーム】

1区酒井塔子さん(2年) 2区舟山 凛さん(2年)

3区仲山瑠色さん(2年) 4区丸山さくらさん(2年)

5区中村瑠菜さん(1年)

【男子A】

1区富山 航さん(2年) 2区染谷琉惺さん(2年)

3区岩佐 瞬さん(2年) 4区石井堂雅さん(2年)

5区東嶋笑輝さん(2年) 6区志村羚弥さん(2年)

【男子B】

1区宇佐美元就さん(1年) 2区染谷宣喜(1年)

3区和田來幸さん(1年) 4区志村彪弥さん(1年)

5区熱田 樹さん(1年) 6区吉村碧透さん(1年)

〇また駅伝ではなく、女子個人のロードレースには、土屋潤佳さん(1年)、西條小百合さん(1年)、村田莉娃さん(1年)が参加しました。男子個人ロードレースには、荻谷水都さん(2年)が参加しました。全員が駅伝と同じコースを走り、良い経験となりました。

〇長い距離を走ることのためには、強靭な体力(健康的な体)さえあればいいものではありません。走っている間は、他の人を競うというよりも、自分自身と向き合い続けるメンタルが必要です。「こんなにつらいのになんのために走っているのか」「もうやめてしまおうか」などの自分自身の中にある『甘い』誘惑に打ち勝つことは、学習面やその他の面で必ず役にたちます。

〇午(馬)年でいうと、馬は自分の身体で、乗る騎手は心や精神にあたります。馬(身体)を上手く乗りこなすには、馬(身体)の特徴をつかみ、馬(身体)と一体となって心をコントロールすることが必要です。「心と身体のバランスが大切」だと良く聴きますが、まさしく一つのことに集中して取り組むことが、その状態だと思います。

〇先日の駅伝応援は、日差しがあり暖かく感じましたが、さすがにこの時期ですので日陰に入ると底冷えし、選手以外の人はダウンコートにマフラーや手袋などをしていないと耐えられない感じでした。

〇朝、生徒玄関前に立っていると、いろいろな防寒着を着た生徒が登校してきます。マフラー、手袋、ネックウォーマーももちろんですが、この時期はマスクも一つの防寒着になっているようです。外着は部活用のウィンドブレーカー、市販のダウンウエアーなど様々です。ただ個人ロッカーが小さいので、そこで保管できるものに限られます。。

〇手に持つ携帯用の使い捨てカイロも有効です。手がかじかんでいると、身体全体まで寒い気がしますので、もっと使ってもいい・・と思います。ただ生徒には、使用が終わって不要になったら、自宅へ持ち帰って捨てるように指導していますので、もしかしたらそれが面倒?なのかもしれません。以前に勤めた学校では、その使い捨てカイロが教室のゴミ箱に大量に捨てられ、処分に困った経験もありますので、致し方ないこともご理解ください。

〇防寒対策には重ね着が必須であると言われており、調べてみると今は、重ね着をレイヤリングとも言い、「ベース、ミドル、アウター」と分かれ、それぞれ「〇〇レイヤー」と呼ぶそうです。そのうちベースとは、肌に密着する1番下に着る防寒インナー(アンダーウェア)のことで、最近は汗や水蒸気を熱に変えて発熱するものが主流になっています。

〇また寒さ対策には、暖かい空気をうまく体の近くでためることも重要で、その状態を羽毛を使った衣類(ダウンのコートやジャケット)が有効です。私も以前はジャケットや背広の下にベストを着用していましたが、近年は「インナーダウン」として、薄手のダウンを着始めましたら、暖かいので脱げなくなりました。そのようにアウターの中に着る防寒服のことをミドルと呼び、防寒効果を持続できます。

〇生徒は制服やジャージの下に、カーディガンやセーターを着用しています。ただし色は、白、黒、グレー、ネイビーなどを基調としたものとしています。休日に私用で外へ出かけるのであれば、特別に規制はなくてもいいと思いますが、生徒にとって学校は、一応「公用的な場所」ですので、使い分けをすることも学びだと思います。

〇最後のアウターレイヤーは、保温性もそうですが、防水や防風に優れたものが理想です。ぴったりフィットするサイズ感よりも、少し余裕があり、空気をたくさん含めるサイズを選ぶことで、より保温力がアップします。

〇またマナー面では、「防寒着等は玄関で脱いで手にもって建物に入る」のが社会人の常識ですので、現在はそれを生徒に強いてはいませんが、知識として覚えておいても損はないと思います。「大人になって初めて聞いた」ではなく、今から知っておいて、必要な場面(将来の会社訪問や就職面接など)になったら実行してほしいです。

〇よく「フォーマル」と「インフォーマル」と区別しますが、それぞれの場面で服装を適切に切り替えることが、自分の気持ちを切り替える一助にもなります。生徒たちには、「決まりごとやマナーだから守る」だけではなく、「どうして場面に応じて服装を使い分けるのか?」「今はどんな服装が適しているか?」などを、自分事として考えてもらいたいです。

〇先日実施した「学校教育に関するアンケート(学校評価)」にも、保護者から意見をいただきました。「娘は冷えによる体調不良をたびたび訴えている」「レッグウォーマー、アームウォーマー、ひざ掛けなどの暖をとる手立てを」等は、全体の「生活の決まり」を改定する前に、個別の申し出を許可する方向ですので、ご相談ください。

須藤昌英

1月16日(金)自律神経を整える(2つの神経のバランス)とハラスメント

〇まだ1月ですが、学校南東の坂道脇には白梅、学校玄関まえの花壇には赤梅がほころんでおり、春の兆しが実感できます。日当たりが良いのでしょうが、まもなく満開に咲くような勢いがあります。

〇私は普段から移動する際には、徒歩の他に自転車、バイク、自動車などを利用しています。最近、歩いていたり運転していたりする時に、よく見かけたり自分が出会ったりすることがあります。信号機のない横断歩道で待っている人に、「一時停止」をして、道を譲るドライバーが増えたと思います。

〇そもそも法律で、「横断歩道は歩行者優先であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務がある」と規定されています。ただ一昔前までは多くの人はこのことを知ってはいても、わざわざ停車して、横断歩道を歩行者が渡るまで待っている車はほとんどありませんでした。これからもこのような人が増えるといいなと感じます。

〇このことで思い出したことがあります。人間の自律神経に関して多くの研究を発表している順天堂大学医学部の小林博幸教授が何かの雑誌に「運転中に相手の車に道を譲るだけで、自律神経が整う」と書いていました。最初読んだ時は「まさか・・それだけで・・」と思いましたが、よく考えてみると確かに道を譲る時は自分の心や気持ちに余裕があり、さらに道を譲った相手がこちらに頭を下げてお礼をされると、もっと気分が良くなります。こんな小さなことでも人間の身体は微妙に反応していることが面白く感じます。

〇自律神経系とは、身体の血圧や呼吸数など、体内の特定のプロセスを調節している神経系です。そして自律神経は身体の働きをコントロールするにあたり「交感神経」と「副交感神経」の二種類に分かれます。車に例えると、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキにたとえるとわかりやすいです。

〇交感神経の働きが上がると気持ちは高揚し、仕事の能率はあがります。逆に副交感神経の働きが上がるとリラックスし、疲れがとれていきます。ただ大事なのはこの2つのバランスで、交感神経が優位に立つとイライラし、身体の免疫力が低下します。逆、副交感神経が優位に立つと注意力が散漫になり、作業などのミスが増えます。

〇子どもを含めた現代人は、自律神経が乱れがちで特に「交感神経と副交感神経のバランス」がとれていないとは以前から指摘されています。先ほどの小林教授の言葉を引用させてもらうと、「自律神経とは、自分の意思で動かせない臓器をコントロールしている神経です。例えば末梢神経でいうと、自律神経はその周りにある筋肉を動かし、血流をコントロールしています。健康でないと、いいパフォーマンスはできませんよね。」と言われています。

〇生徒たちは学校では主に交感神経を優位に働かせて、学習や活動をしています。なぜならば、ボーとしていると授業の内容が頭に入ってきませんし、体育や部活動などでも転んだりつまずいたりと危険なこともあります。朝自宅を出てから、登下校も含めて夕方帰宅するまでは、ほとんど交感神経を働かせていると言えます。

〇ですので自宅等では、副交感神経の出番になります。副交感神経は好きな音楽や動画を聴いたり観たり、家族とおしゃべりしたりするだけで活発になるそうです。また身近な自然を感じたりする、例えば登下校で朝陽や夕陽を「キレイだな~」と感動してながめたり、道端の草花や昆虫を見つけたりすることも有効だそうです。

〇気分転嫁としてスマホやテレビゲームも否定するつもりはまったくありませんが、それを適度に利用し、少なくともそれを追いかけるまたは追いかけられる時間(これは副交感神経ではなく交感神経が優位になっている)を少なくするようにしたいものです。

〇近年、大人の社会でも「ハラスメント」に関するニュースが多くなりました。県の知事や大きな市の市長など、組織のトップにいる人の部下等への発言が話題になっています。「ハラスメント」とは、相手に不快感を与えたり、不利益を与えたりして、その人の尊厳を傷つける言動全般を指します。身体的なものだけでなく、暴言や無視などの精神的な攻撃も含まれ、意図的でなくても相手が不快に感じれば成立します。

〇具体的には、パワハラ(パワーハラスメント)、セクハラ(セクシュアルハラスメント)、マタハラ(マタニティハラスメント)などが代表的で、多くの種類があります。多くは職場など特定の環境で「優位性」を背景に行われる場合に「パワハラ」などと具体化され、法的対策が義務化されるなどより明確な定義と対策が求められます。似ていますが、子どもどうしのいじめはより広範で、長期的な継続性や加害者の意図が強い場合が多いです。

〇ハラスメントは「行為者が意図しなくても、相手が不快と感じれば成立する」点が特徴で、相手の受け止め方が重要になります。たとえ言った方が「それはそういう意味で言ったわけではない」と弁明しても、言われた側が「その言葉で傷ついている」となれば、ハラスメントと認定される可能性が高くなります。つまり相手の尊厳を傷つけ、不快感や不利益を与える行為は、人権侵害になるということです。

〇ハラスメントなどによる強いストレスは、自律神経のバランスを崩し(自律神経失調症)、それから動悸・めまい・不眠・頭痛・胃腸の不調などの身体症状が出たり、不安・抑うつ気分・イライラなどの精神症状を引き起こしたりします。これは、心理的ストレスが交感神経を優位にするためで、心身が発するSOSサインですので、早期の相談(医療機関、外部機関など)と適切な対処が重要です。

〇ハラスメント防止の心がけは、相手の人格と個性を尊重し、多様性を理解する姿勢が基本です。具体的には、相手の立場に立って言動を想像し、嫌がっているサインを見逃さないこと、明るくさらっとしたコミュニケーションを心がけること、そして「ハラスメントかも?」と感じたら記録して相談窓口を活用することが重要です。

〇冒頭の方法以外に自律神経を整えるには、「規則正しい生活リズム」(朝日光、決まった時間に起床・就寝)、「適度な運動とリラックス」(昼の運動で交感神経を刺激、夜のぬるめのお風呂で副交感神経を優位に)、「バランスの取れた食事とストレス管理」(香味野菜、発酵食品、深呼吸、寝る前のスマホ制限など)、「深呼吸」(ゆっくり吐く呼吸法など)が重要で、これらを組み合わせ、日中は活動的に、夜はリラックスするメリハリをつけることが大切です。

〇生徒も学校で学習や運動に取り組み時と、自宅で休養する時の「ON」と「OFF」の上手な切り替えができる子とそうでない子がいると思います。自宅ではゆっくりと過ごすことも大切ですが、冒頭の車の運転のように、家庭でのお手伝いで家族に自分の時間を使う場合なども、自律神経を整えることにつながります。少なくともその生徒はその日を穏やかな気持ちで過ごせることでしょう。

須藤昌英

1月15日(木)生命活動の不可思議と人間の能力のピーク

〇1月15日を中心とする正月行事を小正月(こしょうがつ)と言います。1月1日(大正月)に対する言い方ですが、1年の始まりを祝う行事の締めくくりとされています。よく言う「お正月」はこの大小の「正月」を合わせたことを指すのでしょう。

〇昨年のお正月に観た映画「はたらく細胞」が今でも印象に残っています。最初は気乗りしませんでしたが、館内には親子連れも多く、随所に戦闘シーンもあるので、子どもはどういう感想をもつのか?と想像しながら観ました。観終わって色々と考えさせられました。

〇その映画の公式ホームページから紹介文を引用させてもらいます。

「人間の体内の細胞たちを擬人化した斬新な設定で話題を集め、テレビアニメ化もされた同名漫画『はたらく細胞』を実写映画化。ある人間親子の体内世界ではたらく細胞たちの活躍と、その親子を中心とする人間世界のドラマを並行して描く。人間の体内には37兆個もの細胞が存在し、酸素を運ぶ赤血球や細菌と戦う白血球など無数の細胞たちが、人間の健康を守るため日夜はたらいている。高校生の主人公は、父と2人暮らし。健康的な生活習慣を送る主人公の体内の細胞たちはいつも楽しくはたらいているが、不規則・不摂生な父の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちが不満を訴えている。そんな中、彼らの体内への侵入を狙う病原体が動き始め、細胞たちの戦いが幕を開ける。」

〇人間の主人公の体内にある細胞の方の主人公は、赤血球(肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運ぶ役割)と白血球(細菌、ウイルス、カビといった外敵やがんから身体を守る働き)です。それぞれが自分の役目を果たそうとする中で、無意識でお互いに連携してはたらいていますが、そのことを人間はまったく知らないで生きています。

〇先日、初日の出を見て、太陽と我々生物の関係を思ったことを書きましたが、あれはマクロ(大きい・巨大)的な関係ですが、細胞はミクロ(小さい・細かい)的な世界で対照的です。ただ「目に見えない・意識できない」という点で共通点も感じました。

〇私は学生の頃から、「遺伝子や細胞」に興味があり、一時期は科学者としてその研究もしてみたいと思っていました。ただ自然とそれを断念し、数学の教員となりましたが、生物分野でも数学が活用されているので、教員になった後も生物系の本を見るのが好きです。

〇例えば、細胞は1つの細胞から順々と細胞分裂していきますが、1回目の分裂で1個が2つに分裂して2個、2回目の分裂で2個がそれぞれ2つに分裂して4個、3回目の分裂で4個がそれぞれ2つに分裂して8個・・となり、30回目の分裂でおよそ10億個になります。つまり2のカイ乗(n乗)計算は、予想をはるかに超えるスケールで増えていきます。

〇また3年生が理科で学んでいますが、生命の誕生に関しては、メンデルの法則(遺伝子に関する古典的研究)があります。ここではその詳細は避けますが、エンドウ豆の丸形としわ型を交配させ、交配によって一つが他よりも優れて現れるのを「優性遺伝」と呼びます。その結果分析にはマトリクス(縦軸・横軸の二次元で構成された表)を使い、統計的な数学の処理をしています。

〇また身体的な成長面では、人生で頭脳が一番純真・鋭敏に働くのは、十歳前後から十三、十四歳くらいまで。想像力、創造力、連想力、記憶力は、十一、十二歳が最も旺盛ですので、中学生は身体的には立派な成人です。

〇私が特に注目するのは視力や聴力です。これも同じく人生で一番能力が高いのは、九歳から十歳頃で、よく子どもが「穴のあくほど何かをよく見ている」と表現するのはそのためとも言えます。夏に孫娘が公園で、足元のアリの行列をじっと眺めたまましばらく動かないことがたびたびあり、こちらからすると「一体何が楽しいのか?」と一瞬思ってしまいます。

〇しかしよく考えてみると、私も幼い頃によく空の雲や池の鳥などを飽きずに見ていたことを思い出しました。大人から見れば不思議なことに夢中になる子どもたちですが、“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみ氏は次のように指摘しています。

「子どもが読む絵本の中には、様々な生き物が出てきますが、案外、実際にそれらに会える機会は少ないものです。キツネやタヌキ、そしてウサギやクマ、どれも絵本には頻出する人気キャラクターですが、子どもが外にお散歩に行って、会えるようなものではありません。その点、【アリさん】は家の庭や公園でも会える身近な存在です。メディアで「会いに行けるアイドル」が人気のように、絵本の中の存在に実際に会えるというのは、やはり子どもたちにとって大きな魅力なのだと思います。」

〇面白い説明だと思います。真摯に生きる姿を、分かりやすく見せてくれるのが、アリの行列なのかもしれません。単純にアリが働いている様子自体を楽しんで見ている子どもは、大きく成長するにつれて、社会に出ていく際に、目の前に起こる出来事に対し、自分なりのストーリーを見出すようになっていくのでしょう。好きなことを探求する時間を大切にしてあげたいものです。

〇もう一つの聴力ですが、若者にしか聞こえない「モスキート音」もよく話題になります。人間の聴力は年齢とともに高い音から聞こえにくくなるため、17,000Hz〜20,000Hz近い高周波音は、子どもや若者には聞こえるものの、30代以上になると聞こえにくくなるのが一般的のようです。これは加齢による「加齢性難聴」の初期段階とも言え、モスキート音は耳年齢の簡易チェックにも使われています。

〇この能力も視力と同様に、子ども時代にピークを迎えるには何か意味があるような気がします。大人になると子どもの頃に聞こえていた音(たとえば森の中で聞こえる風や虫のささやかな音など)が聞こえにくくなり、今起こっている現象が正確に把握できなくなります。しかし大人はその分、それまで経験してきたことから、これから起こることを予測し、自分なりの判断や解釈を重要視します。

〇でも本当は子どもの頃のように、「どうしてだろう?」「これからどうなるのだろう?」と疑問符で生きていく方が、物事を正しく見極めることができるのではないでしょうか?少なくとも子どもに大人の勝手な判断を押し付けてしまうことは避けたいと感じます。

〇数年後には生徒たちは、社会に出てそれぞれの職業を通して収入を得ると同時に、その仕事や役割を通して社会に貢献していきます。その貢献という目には見えないはたらきを自覚することが、その仕事を継続していく要因となります。「自分も何かの役に立っている」が自己有用感となりますので、冒頭の細胞たちのはたらきと共通している面があります。

〇昨年、就任直後の首相が、「働いて、働いて、働いて、働いてまいります」と「働く」を連呼して話題になりましたが、本来「働く」は、「自分の行為によって傍(はた)を楽(らく)にする」ことです。

須藤昌英