校長雑感ブログ

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10月10日(金)ビブリオバトル(知的書評合戦)

〇今から25年位前までは、10日10日と言えば「体育の日」の祝日でした。1964年の東京オリンピックの開会式が行われたことから、1999年までこの日を固定して「体育の日」と呼び、その後10月の第2月曜日に変更されたり、「スポーツの日」と改称されたりしました。

〇私などはまだ10月10日は体育の日のイメージが強いですが、今朝などはやっと秋が深まってきたと感じます。秋と言えば「食欲の秋」「スポーツの秋」とも言われますが、何といっても「読書の秋」が一番知的さを感じます。

〇読書に関して先日、知的書評合戦(ビブリオバトル)が、柏市教育委員会の主催で行われました。本校からは、渕上佳栄さん(2年)と高橋希菜さん(1年)が代表者として参加しました。

〇ビブリオバトルとは、参加者がそれぞれ「1冊の本」を持ち寄り、3分間でその魅力を紹介し、一番読みたいと思った本を「チャンプ本」として投票で決める書評合戦ゲームです。

〇発案者は京都大学の谷口忠大教授で、書籍を通じて人との出会いやコミュニケーションが生まれることを目的としており、小・中学校、高校、大学、図書館、書店など、様々な場所で活用されています。

【ビブリオバトルの進め方】

1 紹介する本を選ぶ:参加者は自分が面白いと思った本を1冊選び、紹介する本として持ち寄ります。絵本、写真集、漫画、雑誌など、どんな本でも紹介可能です。

2 発表者による紹介:発表者(バトラー)は、それぞれ持ち時間3分間で本を紹介します。

3 質疑応答:紹介後、2分間の質疑応答を行います。

4 投票でチャンプ本を決定:発表者を含む参加者全員が、「一番読みたくなった本(チャンプ本)」を1人1票で投票します。

5 勝者決定:最多票を集めた本がチャンプ本となります。

【ビブリオバトル特徴と魅力】

①人を通して本を知る、本を通して人を知ること

ビブリオバトルは、本を紹介する人を通してその人自身を知り、本を読むことでその紹介者の人柄や考え方を理解する機会を与えてくれます。

②参加者全員で楽しむこと

ゲーム感覚で書評を行うことで、参加者同士が書評を通じてコミュニケーションを深めることができます。

③様々な場所で活用できること

学校教育での読書活動や、図書館、書店でのイベント、企業研修など、幅広い場で開催されており、読書離れ対策やコミュニケーション能力の育成にも貢献しています。

④多様な本に触れられること

様々なジャンルの本が紹介されるため、普段手に取らないような本に出会うきっかけにもなります。

〇本校の2名の生徒は、渕上さんが「つくられた心(佐藤まどか著)」、髙橋さんが「余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話(森田碧著)」を取り上げ、それぞれ物語のあらすじや自分の心に一番残った場面、さらに読者に一番読んでもらたい箇所などを紹介しました。

〇プレゼンテーションの冒頭で、二人はそれぞれ次のように語りかけました。

渕上さん「みなさんは、普段一緒に過ごしている友達が、もしも人間でなはく、精巧に作られたアンドロイドだとしたら、どう思いますか?」

髙橋さん「みなさんは、あと余命が一年と言われたら、何をしたいですか?私だったら、友達とたくさん遊んだり、家族と一緒に出掛けて思い出をつくると思います。」

〇いかかでしょうか?もうこれを聞いただけで、プレゼン者の話に引き込まれそうになりませんか?そして「その本を読んでみたい!」となることでしょう。

〇ここがビブリオバトルの一番良いところです。普段の授業では共通の教科書を使用して進めていますので、発表はどうしても教科書を意識して、「正解探し」のようになります。

〇しかしビブリオバトルは、各自が自分で気に入った本を紹介するので、正解はありませんし、その分堂々と自分の意見を表明できるのです。当然他人を気にすることなく、表情にも自信が満ちています。

〇逆を言ううと、授業の発表場面でも教科書の正解探しではなく、「僕は教科書のこの部分を読んで、〇〇だと思った」とか「私は教科書に●●と書いてあったけど、◇◇ではないかと思う」などの視点で発表すれば、ビブリオバトルの良さを取り入れた発表になると思います。

〇変化の激しい社会を生きていく生徒たちには、この自分で読んだり調べたりしたことについて、自分で考えそれを自分の言葉で語れる力が必須となります。

〇今回は国語科における読書の場面で、二人の生徒たちを紹介しましたが、すべての教科ですべての生徒たちが同じような力を育成していけるように今後も取り組んでいきます。

須藤昌英

 

 

 

10月9日(木)「ノーベル平和賞」受賞から1年に思うこと

〇10月になると、ノーベル賞が一週間にわたって発表され、毎年のように日本人の受賞の可能性が報道されています。今年の受賞者の発表は、6日が生理学・医学賞、7日が物理学賞、8日が化学賞、9日が文学賞、10日が平和賞、13日が経済学賞となっています。

〇過去には日本人も多く受賞していますので、やはり私もそこに注目しています。ここまでに生理学・医学賞に、坂口志文・大阪大栄誉教授を含む3名、化学賞に北川進・京都大学理事(副学長)を含む3名が選出されました。これで日本人が個人として受賞したのは、30人だそうです。

〇坂口氏の研究内容は「自己免疫(細菌やウイルスから体を守る免疫システム)」に関することで、今後は免疫の抑制を解除してがん細胞への攻撃力を高めたり、移植手術で拒絶反応を少なくしたりする治療法につながる可能性があるそうです。

〇北川氏の方は、「多孔性金属錯体」を開発し、それにより今後は狙った物質を内部にとじ込められるようになり、例えば地球環境に関して、脱炭素や有害物の除去など幅広い産業の発展に寄与することが評価されたようです。

〇正直に言って、それぞれの研究の内容は素人の私にはよく理解できませんが、二人とも自分の興味を優先し、多くの困難に立ち向かったからこそ今の名誉があるのです。いずれにせよ同じ日本人が長年の研究を続けたことに世界が評価を与えていることに誇りを感じます。

〇私が一番感じるのは、このような方々が後輩の若者に送るメッセージが、何より若者たちを勇気づけるものになっているということです。

〇坂口氏は「興味を持続して、いろいろな試みをすることが重要。 継続するうちに新しいものが見えてくる」、北川氏は「チャンスは祈るものではなく、自分でつくり上げるもの。 周りの人と共同しながら、自分をつくり上げていってほしい」と若い人たちに語っています。

〇中学生もとても純粋です。こういうメッセージを聞いて、「自分にも何か挑戦できるかも?」「今取り組んでいることをとりあえず続けてみよう!」と感じた生徒も多いと想像しています。

〇ノーベル賞はもちろん特別な人しか受賞できませんが、もっと中学生の近くにいる我々大人の姿や行動も、「彼らにとって何かの規範となっていきたいものだ」といつも思います。

〇大それたことでなくてもいいと思います。例えばいつもニコニコと笑顔でいるとか、何らかの相談を中学生から受けた際にはまずは受け止めてあげられるとか、今できることを多くの大人が意識していけば、中学生ももっと周囲に心を開いて、何事にも失敗を恐れずに挑戦していけるかもしれません。

〇昨年のノーベル賞に関して私が強く印象に残っているのが、ノーベル平和賞が「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」に決まったことです。

〇受賞理由について昨年の選考委員長は、「核兵器は道徳的に受け入れられず、二度と使用すべきでないという私たちが『核のタブー』と呼ぶ国際規範を形づくる上で、被爆者の証言が重要な役割を果たすと見ているからだ」「ウクライナに対するロシアの脅威をみると、これは人類に対する脅威の問題となっている。核のタブーが軽んじられると、最終的は核兵器が再び使用されることにつながる可能性がある」と指摘しました。

〇また同じく委員長は「来年は広島と長崎で核兵器が使われてから80年になる。この間、核兵器が使用されていないことは、人類を代表する形で被爆者によってなされた偉業だ」と述べ、被爆者たちのこれまでの活動をたたえました。

〇さらに「世界のすべての政治指導者に対し、人類と核兵器は共存できないというメッセージを送りたい。被爆者の痛みや苦しみに耳を傾け、『核兵器によって自分たちが経験したことをほかのだれも経験すべきではない』という彼らのことばを聞いてほしい」と訴えていました。

〇そして最後に被爆者や日本被団協に対して「何十年にもわたって継続してきたかけがえのない活動と、それを若い世代が引き継いでいることに感謝している」「世界中の国々の市民社会が核軍縮を政治課題として提起するため行動を起こすことを願っている」として今後、核軍縮の機運が高まることに期待を示していました。

〇今年は「昭和100年」「戦後80年」の節目の年です。日本は少なくともこの80年間は、戦争で人が亡くなることはありませんでした。しかし今でも世界各地には紛争や戦争が続いており、多くの人命が失われています。

〇ノーベル賞は1年に1回ですが、日本被団協がこの平和賞を受賞した意義は、日本人が365日休むことなく平和について考えていくきっかけとなったのではないか?と思います。

〇これから先も日本が戦争に巻き込まれないためにはどうしていったらよいか?大人も若者も一緒に考えていく課題でしょう。

須藤昌英

【昨年のノーベル平和賞の授賞式】

10月8日(水)自動採点システムと絶対評価(目標に準拠した評価)

〇今日から、先週末に実施した期末テスト答案用紙の生徒への返却が始まります。昨年より柏市の中学校は、教育委員会が事業者と提携して導入した自動採点システムを導入しています。教員の働き方改革の一つとして、採点の効率向上や集計ミスの根絶、採点基準ブレの低減が出来ることが導入の目的の一つです。

〇私は過去に数学が担当をしており、だいたい1回の定期テストで150~200枚の生徒の答案用紙を採点してきました。問題の内容にもよりますが、すべてを採点し終わる時間ははやくても数時間、長い時には一クラス90分(5クラスで7時間以上)の時間を要していました。

〇当然の事、勤務時間内では終わりませんので、夜遅くまで職員室で行い、それでも終わらなかったり週またぎの日程になったりする場合には、管理職の許可をもらい答案用紙を自宅に持ち帰り、ウィークディの夜半過ぎや週末の夜に採点していました。当時に自動採点システムがあったら、どれほど良かったことか・・と今は思います。

〇教員としてはテストを採点することで、生徒たちの理解度が把握できますので、正答率の低い内容は再度授業で取り上げたり、次からの授業のやり方を随時変えたりしています。つまり生徒たち向けだけではなく、教える側への「評価(フィードバック)」としての役割もあります。

〇今回の自動採点システムの最大の利点は、設問ごとに全生徒の解答がパソコンの画面に一斉表示されるので、全体としてどのくらいの正答があるかや、どの生徒がどれを誤答しているかなどを一目で確認できるところです。

〇もちろんこのシステムに採点させるだけでなく、最終的には教員が一つ一つを自分の目で確認して、必要に応じて修正してから返却します。

〇またデータはクラウド上で一元管理されている為、設問ごとの採点者分担が一切の負担がありません。さらに今後は、担当教科・学年の垣根を越えた連携で、教科内の意識統一や、他学年の状況把握も可能になります。これはデジタル化・クラウド版ならではのチームワークの強化となります。

〇さらに弱点を補強するものとして、各生徒に応じて誤答した設問の類似問題を作成し、テスト後に行うこともできます。これはこれまで出来なかった個別最適化学習として、生徒個人を対象とした補習学習となります。

〇今週から来週にかけて前期日課を終了し、後期日課に移行します。17日には、前後期切り替え式を行ったあと、前期の通知票を配付します。

〇年度当初の保護者会で説明したとおり、通知票の評定は定期テストの結果のみをもって算出するわけではありません。課題やレポート等の提出状況や授業への参加意欲等も勘案し、総合的に評価しています。

〇また本校でも他校と同様に、生徒の成績を評価する方法として、「絶対評価」で行っています。以前は「相対評価(あらかじめ決められた割合で各評定の人数をはめこむ)」であったことで、生徒へ様々な不利益があったことを改正し、他の生徒の成績を考慮に入れず、あらかじめ設定した到達すべき目標に対して、どこまで到達できたかで評価する方法です。

〇少し詳しく説明すると、まず各教科ごとの3つの評価観点に「A:十分満足できる B:おおむね満足できる C:努力を要する」の3段階で評価します。3つの観点とは、「知識・技能」「思考・表現・判断」「主体的に学習に取り組む態度」で、この3点での評価を「観点別評価」といいます。

〇次にその3段階の観点別評価の割合に応じて、「5:目標を十分に達成した4:目標を達成した 3:目標をほぼ達成した 2:目標の達成にあと一歩 1:目標の達成のために努力を要する」の5段階で評定を算出します。

〇配付された通知票は、誰かと比べて「良かった」とか「悪かった」を見るためのものではありません。学校と家庭が協力して、子どもたちをより良い方向に育てるものです。

〇絶対評価の良いところは、一人ひとりの学習状況がどの程度であるかをはかれることです。努力の成果を認めてあげたり、またどんなことを頑張っていけばよいかを親子で一緒に考えたり、話し合ったりして、今後の生活に役立てていただきたいと思います。

須藤昌英

10月7日(火)初の女性内閣総理大臣の誕生か?(ジェンダーフリー)

〇先週末に自由民主党の総裁選挙があり、初めての女性総裁が誕生したニュースが大きく報道されました。高市早苗氏は今月中旬に召集される臨時国会で、日本史上初の女性内閣総理大臣(首相)になる公算が高いようです。

〇このような大きな変化があるとき、私たちはこれまでの経緯を振り返ったり、これから先の動向を考えたり論じたりすることが多いと思います。また「初めての~」という言葉にやたらとこだわる傾向もあります。

〇確かに今回は、その人物の人柄等よりも「初の女性首相」という性別が注目されることは仕方ないと思います。しかし私はむしろ自民党総裁の多くが親等からの世襲制に従い、政治家の子や孫がなっているのに対し、高市氏は親が政治家ではない自民党総裁として、菅義偉元首相以来となります。人物に視点をあてるならば、こちらの方がもっと大きな意義があると思います。

〇高市氏は大学卒業後、未来のリーダー育成を目的とした「松下政経塾」に入塾し、政治の道を志しました。1993年の衆院選に無所属で出馬し初当選し、それ以後内閣や党の要職を歴任しています。

〇海外ではアメリカの有力紙ワシントン・ポストが、高市氏の総裁選出について、「男性優位の日本の政界で初の女性リーダーとなり、“ガラスの天井”を破った」と紹介したようです。

〇男性優位と言えば以前から国際的に、日本社会は「ジェンダーギャップ(男女の性別の違いにより生じる格差)指数」が国際的に低いことが知られています。「ジェンダーギャップ指数」とは、その値が1に近いほど男女間格差は小さく、0に近いほど大きくなります。

〇2025年現在、日本は148か国中118位で、特に政治・経済分野の格差が大きく、先進国の中で最低レベルに位置しています。昔から政治や経済分野での男女格差が顕著であると広く認識されてきましたが、この指数によってその差が歴然であることがわかります。

〇日本では長い間、男性は「弱い者を守る」「経済力がある」、女性は「気遣いができる」「家庭的」といった役割を求められ、この性別に基づく固定観念が差別や偏見の経験につながっているとも指摘されています。

〇具体的には男性はお金を稼ぐ役割が根強く、その分家事・育児負担は主に女性が担うことが多く、家事や育児における男女間での認識に大きな隔たりがあることも、男性優位性を裏付けています。

〇しかし一方で、若い世代ではそれらの平等意識が高まる傾向が見られるそうで、今後はさらに認識のギャップを埋めるための意識改革が求められています。

〇私が幼少の頃は、街中を走っている車の運転手はほぼ男性で、たまに女性を見かけると、珍しいので振り向いて見ている人が多かったのを記憶しています。しかし今では性別の差はなく、私も通勤時にはむしろ女性ドライバーとすれ違うことの方が多いくらいです。

〇私は決して政治のことに口出しをしたいのではなく、日本もはやく欧米並みに、世の中に女性のリーダーが当たり前のようにあちこちに存在し、性別の差に関係ない平等な社会になることを期待しているだけです。

〇最近は「男らしさ」や「女らしさ」という言葉もあまり使いません。以前は親や教師から、「男は男らしく、女は女らしくしなさい」という言葉がけが多くありましたが、家庭は別にしても少なくとも学校現場で今、その言葉を使っている場面は見たことがありません。

〇「男らしく」や「女らしく」という以前に、生物的に男性には男性の特徴、女性には女性の特徴があることは言うまでもありません。

〇一例では、男女の身体構造の相違として、一般的に男性は女性よりも骨格が太く、筋肉量も多い反面、女性は体脂肪率が高い傾向にあります。また新陳代謝面では、運動時に女性は主に脂肪をエネルギー源とする一方、男性は炭水化物をより多く利用する傾向があります。

〇私はこれらの特徴を正しく認識していれば、あえて「男は男らしく、女は女らしくしなさい」という指導は不必要ではないか?と考えています。重要なのは、男性と女性がお互いに相手の特徴や得意な面を認め合い、協働していくことだと思います

〇3月までの3年間勤務した富勢中では、毎年変わる3人の生徒会長はすべて女子生徒でした。私も最初は少し驚きましたが、リーダーシップがあり、聡明な生徒ばかりでしたので、すぐにその違和感はなくなりました。

〇高市氏が内閣総理大臣に就任すれば、閣僚のメンバーにも今まで以上に女性が多く登用されることでしょう。大きな変化の際は、その違いだけに注目するのではなく、より本質的な変化を見つめていくことが重要だと思います。

 須藤昌英

 

10月6日(月)スケアードストレイト(自転車交通安全教室)

〇先月の21日(日)~30日(火)までの10日間は、秋の交通安全運動があり、交通安全指導のボランティアさんが各交差点等に立ってくださっていました。

〇ある交通安全ボランティアの方から、「朝や夕方は車の運転手も急いでいるから、信号前で減速しながら、手元のスマホをみている人もいて、中学生の自転車と接触しないか、いつもハラハラしています。」「中学生は車を運転したことがないから、運転席からの死角や運転手の心理がわからないのだよね」との声をいただきました。確かにそうだと思いました。

〇そこで金曜日に、プロのスタントマンが交通事故の場面(自転車と自動車が衝突するなど)を校庭で再現してくれる「スケアードストレイト(自転車講習)」を行いました。これは自転車通学者だけではなく、普段から自転車に乗ることの多い中学生を対象とした柏市教育委員会主催(協力:千葉県柏警察署及び柏交通安全協会)の交通安全教室です。

〇当日は中学生には少し衝撃のシーンもあったかもしれませんが、万が一のことを想像でき、それを回避するための行動につながるよう、しっかりと心に刻んでほしいと願っています。

【冒頭の校長の話】

昨日と今日の期末テストはお疲れ様でした。今日の放課後、解放感に浸るのはわかりますが、帰宅してから自転車を飛ばして乗っていると、大きな事故になる可能性があります。そんな君たちに今日は柏市役所防災安全課、柏市教育委員会、柏警察署交通課の皆さまとスタントマンの派遣会社のおかげで、自転車交通安全教室を開きます。皆さんも普段から塾や買い物等で自転車を多く利用していると思います。皆さんも知っていると思いますが、自転車は道路交通法では軽車両として扱われており、交通ルールを守らないと乗ってはいけません。また自分だけで守っても交通事故に巻き込まれることがあります。私も先日車を運転し、交差点を曲がり横断歩道の歩行者が通り過ぎるのを待っていました。歩行者が渡り終わったので車を発進しようとしたとき、そこへ猛スピードの自転車が前に出てきました。慌ててブレーキをかけぶつからなくて良かったですが、そもそも自転車で横断歩道を渡るときは、自転車を降りて渡るのが本来のルールです。皆さんも同じような経験をしたことがありませんか?少なくとも自転車から降りなくても、歩行者並みのスピードで横断歩道を渡りましょう。車は急に止まれません。車の運転手さんと目を合わせ、「私は渡りますと」とアピールするとよいでしょう。過去には「ながらスマホ」の中学生が自転車で老人に衝突し、転倒させ、死亡させるという事件も報道されていました。それに伴う賠償金も何千万円になっているようです。また道路交通法が変わり、自転車もヘルメット着用が努力義務になっています。もし転倒した際、まずは頭を打たないように守らないと致命傷になる可能性が高いです。「君たちが被害者にも加害者にもなってほしくない」というのが、保護者・地域の皆さん・先生方の共通な願いです。今日はしっかりと話を聞き、交通事故の悲惨さをイメージしながら参加してください。

 須藤昌英

 

10月3日(金)自分の言葉で語ることの難しさと大切さ

〇先月から3年生との校長面接(約15分間程度)を行っています。あらかじめ質問シートに生徒が回答を記入済で、それを参考にしながら、質問をその場で考えています。

〇もちろん個性がありますが、気になるのは、あらかじめシートに書いた自分の回答を覚えたままに答える生徒とさらにその場で思ったり考えたりしたことを自分の言葉で言える生徒の違いです。

〇私は時々シートにない質問もしています。その際、後者の生徒は慌てることなく、「少し考えさせてください」と断ってから、しっかりと考えた後で「私は~だと思います」と答えています。

〇不測の質問にその場で自分の経験を土台にして、自分の言葉で語れるというのは、やはり普段の生活や授業の中で、自分の考えを書き留めたり、それをもとに発言したりしているからだと思います。それを繰り返す中で、段々と自分の考えの方向性が固まってきたり、他人の考えと自分の考えを比べたりし、柔軟に学んでいるのでしょう。

〇ここまでの中で、キラリと光る生徒の回答を一部だけ紹介します。

質問1「この高等学校を志望する理由を教えてください」

回答1「はい、この学校へ夏休みに見学に行った際、学校全体が明るい雰囲気で、あちらの説明では『文武両道』を目指していると聞き、この学校で充実した高校生活を送りたいと考えたからです」

質問2「あなたが将来、看護の仕事をしたいと思ったきっかけはなんですか?」

回答2「はい、小学校2年のとき、怪我で入院した際、優しく接してくれた看護師の方のように、人のために働きたいと思ったからです」

質問3「あなたの特技はなんですか?」

回答3「はい、特技ではないのですが英語が好きなので、11月頃に英検準2級に挑戦するつもりで、今問題集で勉強をすすめています」

質問4「得意(好きな)教科を教えてください」

回答4「はい、社会です。地理や歴史は暗記も必要ですが、その事実のつながりや流れを考えるのがとても楽しいからです」

質問5「あなたの長所と短所を1つずつ教えてください」

回答5「はい、長所は粘り強く何かに取り組むことです。ただ短所は夢中になると周囲が見えなくなり、人の話が聞けなくなる所です」

質問6「中学校生活での一番の思い出はなんですか?」

回答6「はい、修学旅行です。知らない京都の街を班員と協力して目的地にたどり着いた時の達成感が忘れられません」

質問7「尊敬する人物は誰ですか?」

回答7「はい、両親です。体調を崩しているときでも、家族のために文句も言わず働いてくれ、自分のことも気遣ってくれるからです」

〇お気づきだと思いますが、回答は最初に「結論(考えたこと)」を言い切り、その後に「理由(思っていること)」を言うと、相手に伝わりやすく好印象になります。

〇これは一朝一夕で身に付くものではありません。でもそれを意識しながら生活していると、いつの間にか相手に伝えるにはこれが一番伝わりやすいことがわかってきます。

〇「入試」と言う目先の関門もありますが、卒業後の「人生」にも、自分の言葉で、相手にわかりやすく語ることは重要になってくると思います。

須藤昌英

10月2日(木)前期期末テスト

〇今日と明日の二日間で、7教科のテストを行っています。ここまで準備してきたことを出し尽くせるように祈っています。

〇東京大学大学院の池谷裕二教授は、著書「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」の中で、学習と脳や記憶について書いています。要約して引用させてもらいます。

【分かる】とはとりもなおさず、【分けられる】ということ。だからわからないと嘆く暇があったら、【分ける】こと。分かるところまでさかのぼって、そこからやり直すこと。【分からない】のは【分けられない】ことだから、とにかく小さく刻み、スモールステップが最善最短。大局をつかんで、大きくいくつかに切ってさらにそれを刻む。勉学とはレンガを積んで家を建てるようなもの。変化する環境の中で動物が生きるためには、過去の記憶を頼りに、その場で臨機応変に判断する必要がある。もし記憶が正確無比であったら、変化の中では生かせない無意味な知識となる。記憶には厳密さよりもむしろ曖昧さや柔軟性が必要。ほどよく曖昧で柔軟性があるからこそ、何度失敗してもそれを活かして成功に導くことができる。手間のかかる『消去法』の理由はここにある。自分が正確にものを覚えられないといって悲観することはない。脳とは本来そういうもの。いつまでたっても記憶には曖昧な部分が残っている。失敗して「後悔」ではなく、「反省」することが大切。何かを学習しようとするときは、まず全体像をしっかりと理解し、細かいことはあとから少しずつ覚えていけばよい。どっちみち記憶は曖昧なので、はじめは似ているものは区別できない。英語をマスターするとフランス語の習得もたやすくなる、つまり応用する力が見につく。これも脳が『消去法』を使っているから可能であり、要らないものを削っていくという方法は、物事の本質(エッセンス)を残すという戦略。脳はものごとを記憶するときには、その対象自体を記憶するだけでなく、同時に対象への「理解の仕方」もいっしょに記憶していることがうかがえる。その理解の仕方を利用して、異なるものごととの間に潜む「法則性」や「共通点」を見つけ出して、ほかの対象をより速くより深く理解することができる。一つのことを習得すると、ほかのことを学習する基礎能力も身につくなんて、なんとも都合のよいことではないか。この現象は「学習の転移」と呼ばれる。転移の効果は、学習レベルが高くなるほど大きくなる。つまり多くのことを記憶して使いこなされた脳ほど、さらに使える脳となる。

〇専門的なことも書かれていますが、要するに「失敗を恐れずにチャレンジし、もし失敗したらそれを次にいかそうとする姿勢」が重要だということです。言われてみれば当然のことですが、あらためて専門家に指摘されると、「やっぱりそうだよね」と腑に落ちます。

須藤昌英

 

10月1日(水)進路保護者会(3学年)

〇昨日は5時間授業後、3学年生徒を下校させ、来年度の入試に向けた進路保護者説明会を行いました。3年生の保護者が主でしたが、1、2年生の保護者の方々も、下記の資料を参考にしてください。

〇まもなく義務教育9年間を終えるこの時期、生徒がまず将来どのような方面に進みたいのかを家庭でよく話し合いを重ねてください。そしてその希望を実現させるための第一ステップとして、高等学校などの上級学校への進学を考えることになります。

〇この時点で明確に将来につきたい職業までを考えている生徒はまだ少数です。でも「職業などはそのうちいつか考えればいい・・」などと、自分の気持ちと正面と向き合わないまま志望校を選択しようとしても、受験準備が長続きしません。

〇私も過去に中3担任を10回経験しましたが、「なぜ自分はこの学校を志望しているのか?」と常に問いかけていないと、なかなか受験当日までのモチベーションを保てないのが中学生です。学校でもアドバイスを継続していきますが、ご家庭でも本人との対話を通し、励ましや助言をお願いします。

須藤昌英

 

9月30日(火)避難所開設体験(学校に泊まろう)

〇先週末の土曜日と日曜日は、土中学校区青少年相談員さんが主催して、本校体育館を災害時の避難所として想定した防災訓練を行いました。昨年までは土小学校の体育館で行っていましたが、現在改修工事のため、今年は空調がある本校体育館を使用しました。

〇土小と増尾西小の4年生80名が元気よく参加しましたが、中学校は定期テスト前のため、生徒1名のみの参加でした。来年は開催時期をズラし、中学生も多く参加できるようにしたいと考えています。

〇柏市消防団のポンプ車が来校しての乗車体験、AED(自動体外式除細動器)を使った救命講習、災害用炊き出し食の試食、夜間地域パトロール、就寝前の映画上映、避難テント(パーテーション)での就寝、少林寺ご住職の指導による座禅体験などのメニューがありました。

〇しかし小学生にとっては一番楽しかったのは、体育館内でのドッチボールだったようです。就寝後はなかなか寝付けなかった子もいたようですが、朝は5時ごろから起きだしており、子どもの体力や回復力の凄さを感じました。

〇地震などが発生した実際の場面では、本校体育館は柏市指定の避難所となり、東武なかはら団地自治会や増尾町会の一部の住民の方々が来校されます。最大の収容人数は287名ですが、自宅で避難される方々への水や災害用品の配布拠点にもなります。

〇増尾・中原地区(小学校3校、中学校2校、高等学校1校)は、増尾近隣センター長が災害本部長となり、柏市職員が複数人ずつ各学校に割り当てられています。そこへ各町会や自治会の防災担当者の方が加わり、受付、駐車場設定、パーテンション設営、臨時トイレ設置、ペット受け入れなどの役割分担が計画されています。

〇生徒は大人になるにつれて徐々に人間関係を広げていきますが、彼らにとって親や教師は「縦の関係」、兄弟姉妹や友人は「横の関係」なのに対し、地域の方々は「斜めの関係」だとよく言われます。「縦でも横でもない斜め」であることで、気軽にしかもあたたかく見守ってくれる存在であることが、彼らの心理状態を安定させます。

〇本校唯一の参加者であった中1の男子生徒は、受け入れの大人にまじって小学生へのお世話をしていました。「有難う!」「頑張ってるね!」と声をかけてもらうことで、「自分も役になっている」「良いことをすると気持ちいいな」などと、自分の存在を見つめなおしたり自己の有用感を高めたりできます。

〇災害発生時の実際の避難場所では、中学生や高校生が活躍していたことがこれまでの各地の災害リポートから報告されています。災害は起きてほしくはありませんが、もしそうなった場合には人生の中で一番活力があふれる彼らに頑張ってもらうしかありません。

〇日本では大昔から大地が揺れるのは、ナマズなどが暴れるということが信じられてきましたが、今は科学的に見ても、日本列島は「地震の巣」であることが判明しています。少しでも避難所が地域の方々の安心できる場所になってほしいと願っています。

須藤昌英

【増尾地域ふるさと協議会のホームページより】

9月29日(月)市内駅伝・ロードレース大会

〇9月26日(金)県立柏の葉公園と競技場において、令和7年度柏市内駅伝大会が行われました。晴天で残暑厳しい中、公園内の巡回コースを、一人が約3㎞を女子は5名、男子は6人でタスキをつなぎました。

〇結果は女子チームが52分36秒で16位(18校中)、男子Aチームが63分45秒で12位(21校中)、男子Bチームが67分41秒で8位(17校中)でした。

【女子チーム】

1区酒井塔子さん(2年) 2区生澤陽夏さん(3年) 3区石塚心春さん(3年) 4区土屋潤佳さん(1年)

5区仲山瑠色さん(2年)

【男子Aチーム】

1区荻谷水都さん(2年) 2区中野健歩さん(3年) 3区山田結心さん(3年) 4区原 葵已さん(3年)

5区軍司漱磨さん(3年) 6区石川遥馬さん(3年)

【男子Bチーム】

1区若佐 瞬さん(2年) 2区富山 航さん(2年) 3区篠原歩夢さん(3年) 4区石井陽路さん(2年)

5区鈴木大遥さん(2年) 6区髙橋大志さん(3年)

〇また駅伝ではなく、女子個人のロードレースには、舟山凛さん(2年)、西條小百合さん(1年)、村田莉娃さん(1年)が参加しました。男子個人ロードレースには、工藤渉さん(3年)、志村羚弥さん(2年)、染谷宣喜さん(1年)、宇佐美元就さん(1年)、熱田樹さん(1年)、吉村碧透さん(1年)、東嶋笑輝さん(1年)が参加し、特に志村羚弥さんが5位に入賞しました。素晴らしい結果でした。

〇選手の皆さんは、夏休みの朝から走り込みを繰り返し、心肺機能を高めてきました。長距離走の魅力は、目標達成による自己肯定感の向上、ストレス解消、そして走る仲間との連帯感です。自身の限界に挑戦して走るのはつらいですが、結果として心身のバランスが保たれることで、生活習慣の改善にも役立ちます。

〇公園内には、各校の多くの保護者も応援に来ており、生徒はその声援を受けながら、これまでの練習をいかし精一杯力を発揮しました。次は10月18日(土)の東葛飾地方中学校駅伝大会です。こちらは約30kmにわたる公道を警察の白バイを先頭に、10人でタスキをつなぎます。また応援をお願いいたします。

須藤昌英

9月26日(金)選挙管理委員会と生徒会本部役員選挙

〇昨日、新生徒会役員(会長1名、副会長2名、執行部員2名)を決めるための立会演説会と投票選挙がありました。まず体育館で立候補者5名推薦責任者5名の真剣な話に耳を傾け、続いて各教室で「信任投票」を実施しました。生徒たちは各候補者の話を聞いて、「信任」または「不信任」のどちらかを選択しました。

〇1,2学年は、自分の端末(タブレット)から入り、グーグルフォームで投票しました。今後いつかは国政選挙等も同様に、ネット投票になると言われていますので、その予行練習という意味もあります。

〇ただ3学年だけは、現在の選挙にならい、紙の用紙による投票を行いました。柏市選挙管理委員会から選挙で使用するジュラルミンの「投票箱」を借用して設置し、受付、記票、投票を行いました。3年生は18歳になると選挙権が与えられますので、今回の経験をいかして、3年後に有権者になるという自覚をもってもらいたいです。

〇選挙というと候補者にスポットが当たりますが、その裏で選挙管理委員会の存在を忘れてはいけません。一般に学校の選挙管理委員会とは、選挙が公正に行われるよう教職員や生徒会組織などからも独立した機関として設置されます。今回は3年生の米山涼さんが委員長として、事前の計画や準備などをしてくれました。

〇選挙は本来、有権者の自由な意志で行われるものであり、選挙が公平に行われるようにしなければなりません。特定の候補者だけ有利になったり逆にある候補者を貶めたりすることがないよう、選挙管理委員会の役割は重要です。もちろん選挙管理委員は生徒の中から選ばれており、自治活動の典型と言えます。

〇今回は5名の役職に5名の候補者が名乗りでましたので、競争選挙とはならず、信任投票となります。ここで無投票当選ではなく、信任投票を経ての当選であることに重要な意味があります。「自分たちのリーダーを自分たちの投票で信任した」という事実が、信任された役員の生徒たちに、今後責任感をもって仕事に取り組んでいこうとする意欲を引き出します。

〇立会演説会で私からは、先輩の國分功一郎教授の著作である「来るべき民主主義」の中から、幾つかの言葉を紹介しました。

・同僚の教員にスウェーデンで子育てをしていた方がいた。その方があるときこんなことを言っていた。「スウェーデンで子育てをしていたとき、子どもたちは、保育園でも学校でも、どこでも自分たちの身の周りのことを自分たちで決めるように求められていた。自分たちで自分たちのまわりのことを決める。だからこそ、それに対して責任をもつ。自分たちの身のまわりのことすら決められなくて、どうして「社会を変える」などと想像できるだろうか」その通りだと思う。(途中略)日本の社会も少しずつ変わってきている。そして社会は少しずつしか変わらない。不安があるのは当たり前で、住民(生徒)参加を希望していこう。

・アレント(アメリカの女性哲学者)が「人間の条件」という著作の中で言っているのは実に当たり前のことである。人間は必ず複数人存在している。人間は一人ではなく多数である。したがって、人間は必ず多数でともに生きなければならない。人間は互いに混じり合い、交流しながら生きることを運命付けられている。

・民主主義はしばしば「多数決の別名」とも思われている。これは人民主権ではなく、多数派主権である。それを乗り越えようと、現在では「熟議」なるものが注目を集めている。意見はあらかじめあるものではない。それは話し合いの中で変化し、またできあがっていくものなのだから、じっくりと議論することで、参加者の意見を方向付けていき、結論を導き出すことが可能ではないかというわけである。

〇先輩の指摘する内容を生徒たちは真剣な表情で聞いていました。戦後80年が過ぎ、これからも世界とのつながりを大切にしつつ、平和な日本を築いていくためには、彼ら中学生に「国のあり方を最終的に決定する権利や力を持つのは国民であり、国の権力や権威は国民に由来する」という「国民主権」の考え方をしっかりと身に付けてもらいたいです。

須藤昌英

 

9月25日(木)ストレスと上手く付き合うには?

〇昨日のノエル氏による「3ゾーンモデル」は、人の成長領域を表す段階の一つでした。そのうち「コンフォートゾーン」と「ラーニングゾーン」は、生徒が学校で学ぶ際のモデルとしてイメージがしやすく、生徒が適宜コンフォートゾーンから抜け出し、ラーニングゾーンに身を置くことで、コンフォートゾーンが広がり、学びが深まっていくと指摘されています。

〇残りの「パニックゾーン」については、様々なプレッシャーや困難に直面し、自分では思うように対処できず、意欲が低下したり抱えきれないストレスで苦しむ状況であり、他の2つと比べるとマイナスのイメージがあります。

〇3年前の「プレジデント」という雑誌に、世界的ベストセラー『スマホ脳』の著者である精神科医のアンデシュ・ハンセン(スウェーデン)氏が、「なぜ脳はストレスを求めるか」「「ストレスがなければ人類は絶滅する」という題の文を投稿しています。少し長いですが引用させてもらいます。

「私たち人類は『幸せ』になるためではなく『生き延びる』ために進化してきました。人類としての長い歴史の大半を、食料が限られ、身の危険も多い過酷な環境の中で暮らしてきましたが、そのような環境下を耐え勝ち抜いてきた者の末裔(まつえ)が、今の私たちなのです。目の前に食べ物があればついつい食べてしまうし、運動したほうがいいとわかっていてもついソファーでだらだらしてしまうのは、私たちの祖先が常に飢餓の脅威にさらされ、カロリーを節約する必要に迫られていたからです。あれやこれやと気が散りやすいのは、いつも周囲を警戒して自衛しなければならなかったから。生存の可能性を高める特性といえます。実はストレスや不安が生じる理由も、生き延びるため。脳が危険だと感じる状況からあなたを遠ざけるために起きる現象です。目の前にいる上司が怒ってあなたを怒鳴りつければ、ストレスを感じることでしょうし、『明日も上司に怒鳴られるかもしれない。嫌だな』と不安に思うことでしょう。これは怒鳴りつけてくる上司のことを、あなたの生存を脅かす存在と認識しているから。不安とは、あなたを守るための感情なのです。」

〇後半は大人の会社などでの例が示されていますが、生徒たちも同様だと思います。非常に合理的に納得のできる解説で、読んでいると自分にもあてはまるところが多くあります。

〇ハンセン氏は、自著の『スマホ脳』という本でも、「自分の脳をよく理解することで、ストレスと上手く付き合うことができるようになるはず」と説かれています。

〇ハンセン氏によると、ストレスがないことが良いのではなく、ストレスは自己防衛としてあって当たり前であり、自分なりのストレス解消の方法をもっていることが大切だそうです。

〇今、生徒たちも来週の期末テストを目の前に、相当なプレッシャーやストレスを抱え込んでいると思います。「授業の復習が予定通りにできない」「覚えることが多くそれらのつながりがもてない」「得意な教科はいいけど苦手な教科が大変」など、心情的には追い立てられていることもあるでしょう。

〇「コンフォートゾーン」と「ラーニングゾーン」の話にも通じますが、日常の授業は「コンフォートゾーン」の中でじっくりと楽しく学んでも、テストとなると多少の不安や緊張感は避けられません。ただ自分なりの方法で復習を継続することにより、過度なプレッシャーではなく「やりがい」を感じられる状態「ラーニングゾーン」になります。

〇ハンセン氏はストレスを和らげる一つの方法として、運動(散歩なども含む)をして、心拍数をあげることを提唱しています。運動によってエンドルフィンやセロトニンといった神経伝達物質が分泌され、幸福感やリラックス効果が得られ、ストレスが軽減されます。心拍数を意識し、無理なく続けられる運動を行うと、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

〇先日までの猛暑中はなかなか運動ができないことも多かったですが、涼しくなって積極的に身体を動かずことも可能になりました。グラウンドでの体育の授業でも、張り切って取り組んでいる生徒も多くいます。ストレスをコントロールするには、運動は有効な手段の一つです。

須藤昌英

9月24日(水)「コンフォートゾーン」を広げる

〇秋分の日の前日あたりから、空が青く高くなり、一面のうろこ雲が秋を感じさせます。「うろこ雲(鱗雲)」は、正式には「巻積雲(けんせきうん)」という雲で、魚のうろこや水面のさざ波のように見える雲です。空の高い場所(5000〜13000m)に、小さな雲の塊が規則的に並んで見えます。似たような雲で、ひつじ雲があります。どちらも身近なものに関連させて命名しているので、親しみがあります。

〇先日4歳の孫娘に、「あの雲はうろこ雲と言うんだよ」と教えたら、「うろこ雲・・・」とつぶやいて、しばらく夕方の空を見上げていました。その顔は不思議なものをみるようで、真剣そのものでした。おそらく初めて聞く言葉と見えている雲を並べ、その模様の特徴を頭に焼き付けているのでしょう。子どもはそうやって日々、いろいろな言葉や概念を記憶し、知識やイメージを増やしているのだと思います。

〇ストレスや不安を感じることなく過ごせる心地よい領域のことを「コンフォートゾーン」と呼びます。具体的なコンフォートゾーンの例としては、次の状況や環境が挙げられます。

・自宅の居間や自室

・通学で日常通う道や近所の公園

・入学してしばらく通っている学校や自分の教室

・よく利用したりする行きつけの店

・やり慣れている仕事や学習

〇進学や進級したばかりのころ、学校や学級はまだコンフォートゾーンになりません。長く通って気心が知れた仲間ができると、コンフォートゾーンとして定着します。

〇この考え方はミシガン大学のビジネススクール教授、ノエル・M・ティシー氏らが広めた3ゾーンモデルとして知られています。人の成長領域を表す際の段階の一つです。ノエル氏は人の成長は「ラーニングゾーン」「コンフォートゾーン」「パニックゾーン」の3つによって変化すると説いています。

 

〇図の核心には「コンフォートゾーン」があり、その1つ外側にあるのが「ラーニングゾーン」です。まだ十分には慣れていない事をしたり新しい学習の場で学んだりするなど、多少の不安や緊張感はあるものの、過度なプレッシャーではなく「やりがい」を感じられる状態を指します。ここで新しいスキルや知見を得て成長できると「コンフォートゾーン」を抜け出していくことにつながります。

〇「ラーニングゾーンのさらに1つ外側にあるのが「パニックゾーン」です。ここは「コンフォートゾーン」からあまりにもかけ離れた領域のため、大きすぎるプレッシャーや困難に直面して適切に対処できず、意欲(モチベーション)の低下や抱えきれないストレス過多を招く恐れがあります。

〇そもそも人は意識しなければ、変化を止めようとする性質があります。心の中で変化を拒んで一定の状態を維持しようとする「心理的ホメオスタシス(恒常性)」というメカニズムが働くようです。このメカニズムにより、外部からの働きかけや自身の強い意志が無ければ、人は「平常運転(つまりコンフォートゾーン)」を保とうとします。

〇「コンフォートゾーン」はとても大切であり、それがあるからこそ安心して過ごしていけます。ただそこに留まり続けることで、未知の領域に踏み出すことに不安や恐れを持つようになったり、同じことを繰り返したりするようになります。つまり新たなチャレンジをしなくなり、成長が停滞する可能性があります。

〇一歩外に踏み出すことで、適応力や創造性、自己肯定感の向上が期待できます。そのためには、まず自分や自分の置かれている環境を現状把握し、毎日小さなことでもよいので挑戦し、自分なりの成功体験を積み重ねることが突破の鍵となります。

〇特に強調したいのは、たとえ失敗したとしても「新しいことに挑戦した」という経験は残ります。するとその後は、挑戦へのハードルが下がるため、目標達成への意欲を維持しやすくなり、いずれ達成を実現できるようになることでしょう。このチャレンジと達成のサイクルを繰り返すほど、自己肯定感は向上していきます。

〇「コンフォートゾーンを広げる」ということは、「成長」を軸にした考え方です。人として成長していくためには、適宜コンフォートゾーンから抜け出し、ラーニングゾーンに身を置くことが重要です。自分のスキル・経験を活かしながら、課題を解決するための新たなスキルや経験を習得していくのです。この「ラーニングゾーンがコンフォートゾーンになった」瞬間を繰り返すことで、徐々に安心の環境が広がっていきます。

〇生徒たちにとって、今の土中が「コンフォートゾーン」かつ「ラーニングゾーン」であるかどうか。一人ひとりの状況は異なりますが、担任や学年職員は、そういう視点で生徒たちを観察し、必要に応じて言葉がけや支援をしています。

〇今朝も肌寒いくらいでしたが、空は真っ青です。たまには空の雲を見つめて、「コンフォートゾーン」にどっぷり浸ってみるのもよいかもしれません。

須藤昌英

 

9月22日(月)生徒会役員選挙運動

〇先週から25日(木)に予定されている新しい生徒会本部役員を決めるための選挙に向けて、候補者とその推薦者が朝は各学年の生徒昇降口で立って投票の呼びかけを行ったり、昼休みの放送で演説活動を行ったりしています。

〇生徒会活動は生徒による自治活動です。生徒自らが考え、協議し、目標を定め、目の前の問題に取り組んでいく経験は、人として大きな成長をもたらしてくれています。その中心にあるのが、生徒会や委員会活動です。

〇普段は学級や学年レベルで様々な活動をしていますが、学校全体として生徒会やその中に置かれる委員会などは、学年が違う「異年齢により構成される組織」です。そしてその活動のために必要なことを理解しながら、行動の仕方を身に付けられるようになります。

〇特に生徒たちにとって、自分たちの学校の代表を自分たちで決めることをとおして、身近な社会である学校と自分との関わりを自覚し、学校生活づくりに参画する意識を高めることにつながります。

〇生徒会活動の具体的な内容は、当事者として自分たちの学校生活を点検し改善していくことです。このような民主的な活動によって、将来社会に出ても、自分たちの代表を決める選挙などに「無関心」にならないようにするのが目的の一つです。

〇立候補している生徒はもちろん、その生徒を推薦している生徒も、真剣に取り組んでいます。そういう姿を見て、他の生徒も自立することの大切さを学んでいます。また選挙管理委員会の生徒たちも、自分たちのリーダーを決める大切なプロセスを管理しています。

〇今日は、国の与党党首を選ぶ選挙の告示日です。生徒たちの参考になる選挙運動と投票行動になることを願います。

須藤昌英

★選挙運動について(選挙運動の際に立候補者は、たすきをつける)

9月16日(月)~24日(水)

9月25日(木)生徒会役員選挙&立会演説会

① ポスター掲示(昇降口)※掲示は『選管』が行う。

② 朝 10分間(昇降口前)※『立候補者』と『推薦責任者』

③ 給食時の放送演説※『立候補者』のみ

④ 立会演説会での演説※『立候補者』と『推薦責任者』合わせて3分以内

【 会長 】 2年生から1名

【副会長】 1・2年生から各1名

【執行部】 1・2年生から各1名

 

9月19日(金)無気力な寝太郎が使命感を抱いて世界へ挑戦し続ける

〇今朝からすっかり秋らしくなり、昨晩の雨もあり、しっとりとした朝でした。朝7時に登校してきた1年男子生徒数人に、「今朝は涼しくていいね」と声をかけると、「はい!」とまるで水を得た魚のように、元気のよい返事が返ってきました。

〇秋になると着るものも変わってきます。Tシャツ1枚で過ごせた陽気から、肌寒さを感じて長袖を着用し始めます。これからどんな服を着るのか・・はもちろん個人の自由ですが、服選びの観点を大きくわけると「デザイン性重視」と「着やすさ(機能性)重視」のどちらかになるでしょう。

〇後者であれば、店舗が増尾にもありますが、何といってもユニクロがあげられます。週末には子どもから大人までが明るい店内にあふれています。またテレビでそのコマーシャルをよく見かけます。*別にユニクロを宣伝したいのではありません。

〇昨年読んだ本の中で、今でも一番印象に残っている1冊として、「ユニクロ(杉本貴司著:日本経済新聞出版社:令和6年4月発行)があります。世界的に有名な日本の衣料メイカーのユニクロは、柳井正氏(現在76歳)が昭和59年に仲間と創立し、現在は我々の身近な生活にも慣れ親しんでいる企業です。本から知ったことを少し紹介します。

〇ユニクロの目指す理念は、「ライフウェア(老若男女も国も人種も問わずに、誰もが着ることができて、環境や社会にも配慮した服)」をつくることだそうです。これは現代的な課題にも挑戦している感じがします。私もこれまでその気軽さからユニクロのいくつかの服を購入しており、上記の理念を目指していることもこの本を読んで少し理解できました。

〇私が注目したのは、創業者の柳井氏の若い頃のエピソードです。柳井氏は山口県宇部市で生まれ、父親が経営していた洋品店の跡継ぎ息子でした。父親は昔ながらの親分気質で気性が荒く、柳井氏は「何でもいいから一番になれ」と常に言われ続けていました。柳井氏は父親からの期待とも抑圧ともいえる重圧の中で、高校時代には好きなサッカー部も父親の意向で退部させられ、逃げ道を求めるように受験勉強に打ち込みました。

〇4人のきょうだい(柳井氏以外は姉1人と妹2人)で、3人の姉妹に対して父親は優しく、厳しく接したのは柳井氏だけでした。妹さんの一人は当時を振り返って、「私は男に生まれなくてよかったなと思いました」と述べています。当然、柳井氏と父親の間には溝ができ、ほとんど会話もなかったようです。

〇そこで進学した東京の大学では、当時は日米安保闘争などの学生運動が盛んで、ほとんど講義も行われなかったそうで、学生運動にも興味のなかった柳井氏は、下宿の部屋に閉じこもって過ごしました。下宿の大家さんからつけられたあだ名が「寝太郎」でした。好きなジャズを聴きながら、ただ思いつくままに本を読み、4年の日々を浪費しました。

〇その後の柳井氏の人生の転機や目覚ましい躍進のことについては、できれば本を読んでみてください。一言でいえば、何度も転びながら這い上がってきた日々であることがわかります。若き日の青年柳井氏の葛藤を本人への取材を含めながら、著者の杉本氏は、新聞社の編集委員としての鋭い視点で、この本を書いています。

〇3年前に母校の早稲田大学で後輩の学生に向かって講演した柳井氏の言葉の一部を引用させてもらいます。

「私は人が生きていくうえで最も大切なことは、使命感を持つことだと思います。そのためにはまず、自分は何者なのか、そのことを深く考える必要があると思います。自分にとって何が最も大切なことなのか。絶対に譲ることができないものはなんなのか、そこを突き詰めて自らの強みを発見し、生かす。自分にしかできない、自分の人生を思いっきり生きてほしい。明確な意識があるのとないとでは、同じ人生を送っても成果は百倍、千倍あるいは一万倍も違うのではないかと思います。」

〇今、3年生と校長面接を行っていますが、思春期は不安と葛藤で心の中はいっぱいであることが伝わってきます。でもこの柳井氏のように、学生時代に何も成し遂げられずに苦しみながら過ごしたとしても、誰もがその将来に関してはそれぞれの無限の可能性をもっているのですから、彼らを応援し続けていきます。

〇今日の表題の「無気力な寝太郎が使命感を抱いて世界へ挑戦し続ける」は、著者の杉本氏が、柳井氏を一言で表現したもので、私も端的に言いえていると思います。今、自分を「無気力な寝太郎」と思っている生徒も、何かのきっかけで大きく成長していくのです。それを見守りアドバイスしていくのが、教育の本質といえます。

【追記】

〇柳井氏は若い頃、「教師になりたい」と希望している時期があったと本に書いてありました。しかしその夢を断念した理由が、何と生まれ持っての「どもり症」であったそうです。まずこんな特別な個人情報まで本の中で、隠さずにあからさまにしていることに驚きます。実際に会話している時にはまったく問題がないのに、原稿などを読み上げようとすると不思議にすぐに言葉に詰まってしまうようです。その為今でも、講演の依頼は極力断っているそうです。柳井氏がどんな教師になったかを見て見たかった気もしますが、それよりもそのハンディキャップを乗り越えて、代表取締役会長として活躍していることに勇気を覚えます。

須藤昌英

9月17日(水)秋の足音と生徒の成長

〇記録的に続いてきた日中の猛暑は今日までとの予報があります。明日からはやっと秋の空気に入れ替わり、空の色も青さが増していくことを期待します。夏の終わりは一種の寂しさを感じる人も多いようですが、ここまで切実に「はやく秋になってほしい・・」と願ってきたのは、私だけではないと思います。

〇ただ心配なのは涼しくなると、これまでの夏の疲れが出やすくなります。何となく身体が重かったり意欲が低下したりするのは、子どもも大人も同じです。生徒たちには無理をせずに体調を気にしながら過ごしてもらいたいです。

〇2学期に入り2週間余り、生徒たちの様子を観察していましたが、一人ひとりの生徒の成長にはびっくりしています。1学期末から比べるとたった1ヶ月半しか経っていませんが、身体が大きくなったり顔つきが大人になったりと私のような老年期の人間には信じられない成長ぶりです。

〇よく言われますが、成長ホルモンは各部位の細胞分裂を促し、その分泌は人間の一生では10歳代が一番活発であり、一日の中では深夜の1時から4時くらいがピークだそうです。つまり中学生の身体内では日々、驚くほどの細胞分裂が繰り返され、それが目に見えやすい部分として身長や容姿の変化としてわかりますが、目に見えにくい声がわりや脳の発達などは、時として我々が驚くほどの成長として感じ取れるものなのでしょう。

〇前期期末テストがあと2週間後に迫っています。中間テストが6月でしたので、それ以後の授業から出題範囲を設定しています。7月と9月の授業内容が出題のメインになります。

〇1年生は2回目の定期テストになりますが、特に1学期の内容を復習しておきましょう。前にも書きましたが、人間の記憶は大きくは「短期記憶」と「長期記憶」の2つにわかれますが、短期記憶を強化したものだけが長期記憶となります。つまり授業の復習をコツコツとやっておかないと、2カ月や3カ月経っても忘れない記憶にはなりにくいのが人間の脳のしくみです。

〇私を含めた大人も自分の過去の経験から、定期テストに対して気が重くなることが多かったことと思います。私も好きな教科だけならまだしも、苦手な教科のテスト準備は後回しにしていた記憶があります。とりあえず好きな(得意)な教科の復習を、例えば自分なりのノートを工夫してつくるなどして、楽しくやれば良いと思います。

〇その分嫌いな(苦手)な教科は、最低限授業に集中し、テスト前に十分な準備ができなくても、テスト中に頭の中で「授業中の様子を真剣に再現」し、思い出したことを解答用紙に記録しましょう。私も自分の苦手な教科のテストで、授業中にクラスメイトが言った発言内容をふと思い出して、助かったことがあります。同じ授業を受けている友達の力を借りるのも必要かつ効率的だと思います。

〇とにかくテスト受けるにも、心身が健康でなければなりません。「病気に負けない身体作りは規則正しい生活から」と言われますが、「食べて、動いて、寝る」という生体リズムを整え、生徒の皆さんは毎日元気に過ごしてください。

須藤昌英

【まもなく見ごろを迎えるあけぼの山農業公園のコスモス】

 

9月17日(水)校長面接を開始しました(3学年)

〇昨日から来年の入試対策として、校長室を面接会場と見立てて、昼休みや放課後に3年生一人ひとりと面接練習を行っています。一人あたり15分程度ですが、こちらからいくつか質問をし、その受け答えに対して最後にアドバイスをしています。生徒たちは毎年、緊張した真剣な表情で取り組んでいますので、こちらも襟を正して行っています。

〇生徒には事前に質問用紙に回答を記入してもらっていますので、まずそれを中心に受け答えの練習をしていきます。例えば「将来の夢は何ですか?」「自分の長所・短所は何だと思いますか?」「普段の生活で気を付けていることは何ですか?」等の質問をします。

〇それに対して生徒が答えた内容を受けて、「それはどうしてですか?」「そのことについてもう少し詳しく教えてください」と質問を続けます。

〇実はこの第2問こそ面接官が一番知りたいところであり、その答えにその生徒の個性や普段の考え方などがにじみ出てきます。もしその第2問に対して、「わかりません」や「考えたことはありません」などと答えてしまっては、せっかく自分のアピールできる場面を自ら放棄してしまうばかりでなく、「この生徒は普段からあまり深く物事を考えないのか・・」という印象を相手に与えてしまいます。

〇9月でもまだ暑いですが、面接練習なので、制服を着用します。面接官は話をする前には、生徒の表情や制服の着方に目を向け、「この生徒はどんな生徒だろうか?」とまずイメージを持とうとします。面接官は過去に何千人の面接をしていますので、最初の印象だけで大方のことは把握できます。

〇私も校長として千人くらいの面接をしてきましたので、同じようなこともできますが、高校の面接官との一番の違いは、普段から同じ学校で過ごしていますので、学校で見たり聞いたりする情報量がはるかに多いことです。3年生はこの4月からのつきあいですので、本人を理解することを優先させるので、質問も一般的なことよりももっと具体的な内容になるかもしれません。楽しみです。

〇来年の3月の卒業式まで、あと半年ですので、教職員とともに生徒の進路決定にかかわっていきます。

須藤昌英

 

9月16日(火)増尾地域ふるさと協議会「敬老のつどい」

〇14日(日)に本校の体育館において、地域にお住いの高齢者方の長寿をお祝いする会が開催されました。合計で三百人以上の方々がお越しになりました。今年は体育館のエアコンがあるので、快適に過ごしてもらえました。

〇「敬老の日」は、多年にわたり社会に貢献してきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う日本の国民の祝日です。毎年9月の第3月曜日に設定されており、家族が集まってお祝いしたり、感謝の気持ちを伝えたりする日とされています。

【趣旨と目的】

・社会に貢献してきた高齢者を敬い、長寿を祝うこと。

・国民が老人の福祉への関心と理解を深めること。

・老人が自らの生活の向上に努める意欲を高めること。

〇来賓として太田和美市長や坂巻市議会議長もお見えになりました。ここまで盛大な会を実施している市内のふるさと協議会はあまりなく、企画から準備までを担当した増尾地域の力を感じました。

〇本校吹奏楽クラブも出演し、5曲を演奏しました。皆さんから温かい手拍子や声援をただきました。アンコール曲は準備していませんでしたが、「学園天国」をアンコール演奏しました。良い発表の機会となりました。

〇最後に、元増尾西小学校校長で本校の学校運営協議会会長の田嶋勉先生と同じく元大津ヶ丘二小校長の富澤秀樹先生のユニットも演奏され、昭和歌謡や童謡を見事に披露されました。

〇学校は地域の中にあり、そこで学ぶ生徒たちが、「自分たちの住む地域は素晴らしい!」「自分も将来はこの地域に貢献していきたい・・」と思ってくれることが何よりもうれしいことだと思います。

須藤昌英

 

林間学校第三日目を振り返って

二泊三日の林間学校が終わりました。標高1,400mの亀屋ホテルを中心に生徒たちと過ごしてきましたが、朝晩は高原のさわやかな空気で、ホテルから見える緑の山々が輝いていました。4月に土中に着任し、校長として本校の特徴を客観的に把握しながら、生徒たち何を語りかけていこうかとワクワクした気持ちで、この5ケ月を過ごしてきました。そしてこの三日間で、二年生は予想以上の成長を見せてくれました。来週からの学校生活にもきっと良い影響があると確信しています。私もこれまで60回?を超える宿泊行事の生徒引率をしてきましたが、正直ここまで病気や怪我の少ない経験したのは初めてでした。柏市の方も雷雨がきていると聞いていたので心配していましたが、何より目の前の生徒たちの安全を守ることを職員たちと優先しました。最後の到着式では私から生徒たちに、「2泊3日でこの学年のポテンシャルの高さを実感しました。この林間学校に君たちを喜んで参加させてくれた家族の皆さんに、3日間の報告をするのが、帰ってからの君たちの責任です」と話しました。ホームページに掲載した写真をもとに、本人の話をじっくりと聞いてあげてください。ありがとうございました。須藤昌英

17:05学校到着・到着式

○無事に学校に戻りました。体育館で到着式をして解散です。帰宅してゆっくり身体を休めてください。お疲れ様でした。さようなら。