校長雑感ブログ

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7月14日(月)自分と向き合う時間

〇2週間前から行われている柏市総合体育大会は、この週末の涼しさもあり、屋外競技も熱中症の心配が少ないので、ほぼスケジュール通りにすすめられています。ただしまだ来週末の海の日も含む3連休まで、各競技の対戦が予定されています。

〇一昨日のバスケットボール女子の2回戦は、土中対富勢中の試合がありました。土中は午前中に1試合を行い勝利していたので、その余韻もあって身体がよく動いていました。

〇ただ私としては3月まで校長をしていた対戦相手の富勢中の生徒も2,3年生はみんな知っています。とても複雑な気持ちで観戦していました。どちらに点数が入ってもあまり大げさに喜ぶこともできず、静かに見守っていました。

〇大会はトーナメント方式ですので、お互いに勝敗をつけ、勝者のみが次の試合に臨むことができます。結果は土中の勝利でしたが、敗れた富勢中の生徒たちの頑張りも目に焼き付けることができました。

〇先月の壮行会でも生徒たちには話しましたが、部活動の目標は「総体優勝」でも「県大会出場」でもいいと思います。しかし部活動の目的は、「人間力の育成」です。目標に向かって努力し、自分と周囲の人が共に成長する良さを経験し、その良さを次にいかす資質を身につけることが究極の目的です。

〇そしてその際は必ず、「自分と向き合う」ことが大切になってきます。特に苦しい時や辞めてしまおうかと思った時、「なぜ自分はこの部活動を自分で選び、ここまで続けてきたのか?」「今は逃げたい気持ちがあるけど、本当にそれでいいのか?」などと、自分の中で葛藤します。

〇そして「家族や友だちの支えがあったからやってこられた」「自分なりにもう一工夫してもう少し頑張ってみよう」などと周囲への感謝やこれから自分がやるべきことを見つけるのだと思います。

〇総体で敗退すると、3年生はいよいよ進路選択に向かって本格的に歩み始めます。その場合も「私は部活動で精一杯やれたから、受験の不安もあるけど何とか乗り越えられるかもしれない」のような自分の中にある密かな自信がもてるようになってほしいです。

【本校体育館を会場として行われたバスケットボールの総体の試合】

〇9月の柏市中学校駅伝競走大会及び10月の東葛飾地方中学校駅伝競走大会に向けて、朝の7時から参加選手として名乗りをあげてくれた生徒たちが練習に取り組んでいます。

〇先週の後半は、連日の猛暑が少しとまりましたが、それでもグラウンドを走ると汗がふきだしてきます。水分補給を確実に行い、少しずつ心肺機能を高めていくため、インターバルでランニングを繰り返しています。

〇ランニングは、身体を鍛えることに加え、先ほどと同じく、自分自身と向き合うため「精神的成長」にも有効な手段です。また中学生にとって日々のストレスなどから離れ、心身ともにリフレッシュできるだけでなく、自己成長や目標達成にも繋がります。

〇自分と向き合う時間は別に言うと、「内省の時間」です。ランニング中は、走ることに集中し、自分の内面と向き合う時間を持つ中で、日々の悩みや考え事を整理したり、目標を再確認したりするのに役立ちます。

〇またランニングを継続し、目標を達成することで、それに喜びつつ自己肯定感を高めることができます。走れる距離を伸ばす、タイムを縮めるなど、小さな目標を設定し、達成していくことで、自信につながります。

〇さらにランニングなどの運動によって分泌される脳内物質が、気分を高揚させ、精神面ではポジティブな気持ちをもたらします。そしてランニング中の体の変化や心の動きを観察することで、自己理解を深めることができます。

〇自分の体力やペース配分、モチベーションの維持方法などを理解し、より効果的なランニングに繋げることができます。この経験がいつも生活にいかされるので、一般的にスポーツをしている生徒には、困難を乗り越える力や自己管理能力が身につきます。

須藤昌英

【特設駅伝部の朝練習】

7月11日(金)新着本展示会&味見読書

〇昼休みに、新年度になって注文した新着本を図書室に並べ、「新着本展示会」を行っています。本校の年間予算中、生徒用の図書購入費は約63万円で、今回はその予算を使って175冊の本を購入しました。

〇4月に生徒や教員に向けて、「読みたい本は何ですか?」のアンケートを行い、それをまとめて予算内で出来るだけ多くの本が買えるように、学校図書館指導員さんが工夫しています。

〇読書には多くの効果があります。次はそのほんの一部です。

〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。

1 語彙や知識が増える

これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれから様々な表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒達には、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。更に深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。

2 想像・創造力や共感力がアップ

著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでで自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。

3 哲学的に「生きる意味」を考える

中学生時期になるとより抽象的な思考ができるようになり、そのことで自分が普段過ごしている環境(家庭や環境など)を見つめたり、毎日自分のしていることの意義などを考えたりするようになります。悪く言えば「理屈っぽくなる」ですが、これは順調な成長過程でもあります。「答えのない課題」と向き合うことが哲学の本質ですが、まさにその入り口に立っていると思います。本を読んで自分とはまったく異なる生き方をする主人公に自分を重ねてみることで、自分では経験できない他人の人生を「疑似体験」することができます。

〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと自分自身の経験から感じます。

 〇そんな素晴らしい読書のきっかけとして、国語の時間を使って、学習図書委員会の司会進行により、新着本を並べての「味見読書(いろいろな新着本を手に取る)」を行っています。

〇最初に図書委員から説明があり、1テーブル5分ずつ6テーブルを班ごとにローテーションします。一つの本をじっくりと読むのではなく、料理を味見するように、気になる本をチェックしていく活動です。

〇今後もスマホやタブレット等で得る情報はますます増えていくでしょうが、そうなるとなおさら、紙の本や雑誌の価値も見直されています。生徒たちは真剣に味見読書に取り組んでいました。

〇私も日頃から本を手にとった質感やパラパラとページをめくる感覚は、手から脳に伝わり、読んだり見たりしている文字や写真などが、より現実味を帯びて目から入ってくるように感じています。

〇生徒達には、本とデジタル機材をハイブリットに使いこなしていける能力が十分にあると思っています。それぞれの長所を意識して、時と場合に応じて使い分けしていけば良いと思います。

〇例えば、興味のあることをデジタル機器でみかけたならば、それに関する専門書を図書館で調べる・・などは、効率的でしかも深い学びに向かっていくことでしょう。

〇本好きの人を見ると、どこか表情や佇まいに「知性」を感じるのは私だけではないと思います。生徒と本との出会いのきっかけも学校は担っています。

【味見読書の生徒感想の一部】

・味見読書はすごく楽しみにしていて、今日も読めてうれししいです。自分からは手にとらない本でも、味見読書だと読むことができるので、より本が好きになりました。

・まだ読んだことのない本などもとても読みやすくて、ワクワクして面白かったです。特に歴史に関する本に興味がわきました。

・久しぶりに自分が本当に読んでみたいという本を見つけられたのが良かったです。味見読書なので、短い時間でしたが、新しい発見がありました。

・新着本はどれもみんな「魅力があるな!」と感じました。こんど本屋で本を選ぶとき、いつも見ないジャンルの棚もみてみようと思いました。

・朝読書以外に本を読めませんでしたが、この機会を通し自分は物語よりもエッセイの方が好きなことを気が付くことができた。

・有名な本はだいたい知っていますが、あまり聞いたことのない本もとても面白そうで、読んでみようかなと思いました。

・恒例の味見読書ですが、また新しい本を読むことができ、良い時間でした。普段は説明文を読まないので、読んでみようと思いました。

・新着本の中で、何冊も読みたい本があった。自由研究にも使えそうな本が多かった。

・自分で今まで読んできた本とは違うジャンルも読みたくなりました。同じジャンルに限らず、もっと色々読もうと思いました。

・本それぞれに良い点があったり面白さがあったり、読んでいて苦ではなかったです。

・気になるような表紙とか挿絵を選ぶことが多いですが、本の出版社にとっても大事な視点かなと思いました。

・自分はあまり図書室に来たことがなく、本を読みたい気持ちはあったので、夏休み前に本を借りたいです。

・普段から読むような本とそうでない本まで、色々な本を手に取る機会になりました。すごく楽しかったです。

須藤昌英

7月10日(木)キャシュレス時代の通貨(紙幣と貨幣)の必要性

〇先週、千葉県警察本部のスクールサポーターの2名が来校され、最近の少年犯罪の現状について説明を受けました。昔からある「万引き」や「喫煙・飲酒」などの他、最近よく報道される「闇バイト」にスマホで応募してしまい、トラブルに巻き込まれることもあるそうです。

〇その他で特に気になったのが、自分でカラーコピーした紙幣をコンビニなどで使用しようとして逮捕される若者が未だにいるということでした。昔はよくそのような話を聞いた気がしますが、最近はないと思っていました。

〇そもそも偽札はつくることも使うことも両方犯罪になりますし、通常のコピー機やプリンターには、コピーガードがあって、お札をコピーできないようになっています。はたしてどのようにつくったのでしょうか?

〇ところで新紙幣が発行されてから7月3日で丸1年となりました。約20年ぶりの新しい紙幣の発行で、最新の3D印刷などの偽造防止技術を採用したなどの話題があり、1年前は私も新紙幣が手元にくると少しワクワクしていました。

〇一方で新紙幣の発行は、経済や社会に新しい風をもたらすという目的もあったはずでしたが、こちらはそれにより経済活動が活性化または日本の紙幣の国際的信用度が向上したという報道等は、今のところ聞いていません。

〇発行元の日本銀行によると、今年5月末の時点で紙幣全体に占める新紙幣の割合は、3割に届かないそうです。前回の2004年に新紙幣が発行されたときと比べ、切り替わりのペースが遅くなっていて、まだまだ旧紙幣が出回っているようです。

〇やはり世の中全体にキャシュレスが広がっており、現金を扱う機会が極端に減少していることも影響していると思います。私なども買い物では現金を使うことがほとんどありません。こういう時代に生きていく生徒たちには、電子マネーと現金とのそれぞれの長所・短所などにも興味をもってもらい、自分の考えをもってほしいです。

〇日本では、紙幣のデザインが数十年にわたりほとんど変わらず、生徒たちも前回の新紙幣に変わった後に生まれていますので、今回のお札の変化は初めての経験でした。ただすでに1年間が経過しているので、生徒たちも5月の修学旅行でお土産を購入する際など、新旧入り混じったお札を使うなどまったく違和感がないようでした。

〇昔は百円札や五百円札もありましたので、私も小・中・高校生の頃にはそれなりに使い分けていたのを覚えています。特に貨幣として五百円玉が初めて発行されときには、他の硬貨に比べてその大きさにびっくりした思い出があります。

〇また2000年に発行された二千円札はなぜかあまり人気がありません。ただ当時私は、発行された二千円札に少し思い入れがありました。それは幼いころによく遊んだ「人生ゲーム」というボードゲームの中では、二千ドル札があり、「何で日本には二千円札がないのだろう?」と不思議に思っていたからでした。

〇ただ現在これもあまり市民に利用されていないのか、昨年は二千円札の新札がありませんでした。半分残念でしたが残りの半分はホッとした気持ちでした。理由として、二千円札の裏側の図柄は「源氏物語絵巻:紫式部日記絵巻」となっており、他のお札と少し違った趣が感じられるからです。新札となるとその図柄も変更されますので、むしろ対象外で良かったです。

〇算数・数学的には、千円札と二千円札の両方で、色々な金額の組合せを考えるのは学習効果があります。例えば5千円の品物を支払うのに、千円札5枚か二千円札1枚と千円札3枚か、または二千円札2枚と千円札1枚にするかなどは、多面的な考え方に寄与します。

〇昨年は前任校で、新札に登場する人物(渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎)について、生徒が興味をもって調べていました。その中で日本の歴史や文化・美術などにも関心が広がります。

〇このように新札発行などの世の中の出来事を介して、学校での学びと社会生活とがつながりをもったとき、初めて「いつでも使える知識・技能」になるのだと思います。

須藤昌英

【使用頻度が低い:日本銀行券(二千円札)】

 

7月9日(水)最優先の熱中症対策は「攻めの休養」

〇気象庁のホームページを見ると、関東地方は先月の10日頃に梅雨入りしましたが、未だに梅雨明けしたことになっていません。「なぜだろう?」と思いますが、過去のデータでは、7月19日頃が関東地方の平均的な梅雨明けのようです。

〇連日の猛暑が続き、6月の東京都心の真夏日数は13日となり、1875年の統計開始以来、過去最多を更新しました。また今日以降も猛暑日(35℃を超えた日)が続く予報があります。

〇気温が高いのもそうですが、特に蒸し暑く不快な日が多いと、普通に生活しているだけでも大変です。めまい、立ちくらみ、吐き気、頭痛、倦怠感、大量の発汗、筋肉痛、手足のしびれなどの体調不良がでやすく、大人でも体調管理が難しい時期です。

〇先週も部活動の朝練習を終えた生徒数人が、そのまま保健室で静養をとることがありました。経口補水液(脱水状態の際に失われた水分と電解質のナトリウムやカリウムなどを効率的に補給し、体内の水分バランスを整える効果がある)は、通常は飲むと決して美味しくありませんが、これを美味しく感じる場合は、熱中症が疑われます。

〇数人の大抵が「美味しい」と答えていたので、それ以後の授業を受けることが難しいと答えた生徒には、保護者に連絡をとりお迎えをお願いし、早退をさせました。

〇私から保護者へ事情を説明すると、「この子は最近の暑さで夜もよく眠れていません」や「今朝は登校する前に朝食を食べなかったです」などの返事が返ってきました。

〇今月になり生徒たちの学校生活全般を通し、これまで以上に「熱中症」には注意を払っています。熱中症は、即いのちの危険にかかわります。今朝も登校する様子を見ていると、帽子や日傘を使わずに歩く生徒もいて、その度に教員から声掛けをしています。

〇本格的な暑さを迎える前に、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」をすることが大切です。「暑熱順化」ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。

〇暑熱順化には個人差もありますが、数日から二週間程度かかるそうです。また一度暑熱順化ができていても、数日暑さから離れると暑熱順化の効果は薄れてしまうので、常に意識の継続が必要です。

〇また熱中症が起こるのは、炎天下での運動中だけではなく、室内で発生する事例も近年増加しています。今年は6月の暑さにうまく暑熱順化できた生徒は良いのですが、まだ全員ができているとは思いません。

〇医師で一般社団法人日本リカバリー協会の代表理事でもある片野秀樹氏はその著書「休養学(あなたを疲れから救う)」の中で、健康づくりの三大要素は「栄養、運動、休養」だと指摘しています。

〇また片野氏は、「攻めの休養」を提唱しており、そのために「生理的休養」「心理的休養」「社会的休養」の3種類とさらにその細かい分類である7つのタイプを挙げています。そしてこの中から自分に合った複数のスキルを組み合わせていくことが重要だと説いています。

〇この本は大人向けであり、ここでその詳細は紙面の都合で紹介しませんが、少なくとも中学生も毎日、自分の身体と向き合い、好調や不調のリズムを把握することは大切だと思います。

〇具合が悪い際に、「自分で何か原因となることが思い浮かびますか?」と問われたら、黙って何も答えられないのではなく、「もしかしたら・・・かもしれません」と言えるようになってもらいたいです。

〇ともかくこの時期は、無理をせず疲労を感じたら早めに休養を心がけることです。中学生期は、一生の中で身体の「新陳代謝」が最高に活発ですので、適度な休養によりすばやく回復に向かうことができます。

〇再度のお願いになりますが、登校時の適切な服装(長袖などはさける)、帽子の着用(日傘の有効性も)、水筒持参(冷水、スポーツドリンクや麦茶などでミネラル分)、睡眠時間の確保(夜更かしをさける)などをご家庭で指導してください。

須藤昌英

【環境省:熱中症予防情報サイトより】

 

7月8日(火)自分の常識を疑うことで世界が広がる

〇昨日から三者面談が始まりました。保護者の皆様には午後の暑い中で恐縮ですが、4月からのお子様の成長や夏季休業中の過ごし方をお互いに確認できれば・・と思います。

〇日本のおもちゃ(玩具)は、世界的にも好評なものが多いことはよく知られています。ポケモンやワンピースなどのアニメ関連をはじめ、ミニカーや超合金シリーズなどのグッズ、さらには伝統的な「けん玉」「お手玉」なども根強い人気があるそうです。

〇その中でも、1975年(昭和50年)7月1日に発売された「黒ひげ危機一発」は、私も小学生の頃よく遊んだ記憶があります。その名前もユニークですが、単純明快なルールで今でも人気があります。

〇今年で発売開始50年になり、海外でも「Pop(ポップ) up(アップ) Pirate(パイレーツ)」の名称で親しまれ、累計出荷数2,000万個を超えるロングセラー商品だそうです。

〇手元の剣を黒ひげが入っている樽の穴に差し込む際に、ハラハラドキドキします。そして「当たり」の穴に差し込んだ瞬間に、樽から黒ひげが飛び出します。テレビゲームなどが無かった昔は、友人たちと大騒ぎしながら楽しみました。

〇問題はそのルールです。私はずっと黒ひげが飛び出した穴に剣を差し込んだ人が「負け」だと思っていました。友人が飛び出した黒ひげを見て悔しがっているのを、横から面白がっていました。

〇ところがメーカーの説明によると、発売当初は、「捕らわれた黒ひげの縄を切って助ける=勝ち」というルールだったそうです。先日そのことを初めて知った時、「そんなバカな。今までとまったく逆じゃないか。」と少しショックを受けました。

〇しかししばらくすると「なるほど、そういうルールでも楽しいだろう。」と思い直しました。ただ同じ飛び出しでも「勝つ」と「負ける」では正反対の結果です。一体いつから飛び出したら「負け」になったのでしょうか?

〇おそらくそれまで樽の中で大人しくおさまっていた人形が、突如として飛び出す場面は、驚きとともに「寝た子を起こしてしまった!」のような罪悪感に近いものがあったからではないでしょうか?

〇そこでだんだん、飛び出さないようにする意識の方が優位になり、それが「勝ち」という結果と結びついたような気がします(勝手な憶測ですが・・)。

〇このルール決めには続きがあるそうで、ある時からメーカーの説明書には「飛び出したら勝ちか負けは、遊ぶ前に決める」ことが書いてあるそうです。

〇これはまず今まで常識だと思い込んでいたことも「果たしてそうだろうか?」と疑いをもつことの大切さを教えてくれます。長年思い込んできたことに違う解釈を当てはめるのは、とても難しいですが、変化の激しい現代では、柔軟な思考をすることが不可欠です。

〇また昨日も書きましたが、民主的にルールなどを決定していく場合に、このことはとても公正・公平なやり方だろうと思います。物ごとには必ず「上か下か」や「右か左か」などの正反対の見方・考え方がありますので、最初にみんなできちんとルールを確認してから話し合ったり協力しあったりすることが重要だと思います。

〇今4歳の孫娘もこのおもちゃを持っています。ただ形は同じですが、樽には髭のある片目の海賊(黒ひげ)ではなく、ディズニーキャラクターのスティッチが入っています。50年前に私が遊んだと同じおもちゃで、孫がキャーキャー言いながら楽しんでいるのを見ると、とても不思議な感覚です。

須藤昌英