校長雑感ブログ

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3月5日(火)努力努力(ゆめゆめ)

〇昨日は、千葉県公立高等学校選抜試験の合格発表がありました。入試にはどうしても募集定員がありますので、嬉しい結果と残念な結果の生徒が出るのは仕方ありません。ただそれぞれ努力したという経験は、必ず本人にとってプラスにはたらきます。

〇この時期になると思い出す言葉があります。「努力努力」と書いて「ゆめゆめ」と読みます。何となくきれいな読み仮名です。古い言い回しとして、「ゆめゆめ怠ることなかれ(決して怠ってはいけない)」などと、後ろに禁止の言葉をつなげて、「決して~するな」の意味で使われていることもあります。ただ私も近年になってから、読みの「ゆめゆめ」を「努力努力」と書くことを初めて知った時から、強く印象に残っている漢字です。

〇「努力」とは、目の前のことを心を込めて行うことですが、この言葉から私の受ける印象は、どちらかというと親や先生から「努力しなさい」と言われてきたこともあり、とても窮屈で強制されるイメージです。教育論でよくテーマとなる「厳しくするか甘やかすか」の中では、外的コントロール(ほかから押し付けられた)に近いような気がします。

〇同様の意味で私などは「精進」という言葉の方が「自ら(内的コントロール)」のイメージがもてるので好んで使います。「精」の字は、「こころ。たましい。気力」の意味がありますので、「1つの事柄に精神を集中する」という「努力」と似た意味と捉えています。

〇「努力」と聞くと、まずアメリカの発明家(蓄音機や白熱電球など)の「トーマス・エジソン」の言葉が有名です。幼い頃に伝記を読みましたが、彼は大変な努力家で、新聞を売りながら自分でコツコツと貯金し、自分の実験室を作ったそうです。そのエジソンが「努力」について、「天才は1パーセントのひらめきと99パーセントの努力である」という言葉を残しています。

〇また相対性理論でノーベル賞を受賞した理論物理学者の「アルベルト・アインシュタイン」にも多くの格言がありますが、その中に「天才とは努力する凡才のことである」というものがあります。天才のように思われがちなアインシュタインですが、実際は努力によって多くのアイデアや真理を見出した人でした。

〇平安時代初期の僧だった空海(真言宗の開祖:別名弘法大師)は、当時の日本におけるケタはずれの天才であり、書の達人、土木技術のエキスパートなどの複数の実績があります。空海が若い頃に遣唐使として中国に渡り密教について学び、帰国する際に中国人の師匠から、「早く日本に帰って密教を伝えなさい・・・努力努力(ゆめ ゆめ)つとめよ」と言われたそうです。その後日本中で活躍されたことは有名であり、学区にある布施弁天東海寺にもその伝説があります。

〇今の生徒には「努力しなさい」というよりも「自分の好きなことを究めなさい」と言った方がよいと感じるようになりました。好きなことはやっていれば楽しいし、楽しいから「夢中」になれるし、好きだからそれに熱中できて「努力」が継続できるからです。それが本来の「ゆめゆめ」の真意だと感じました。

須藤昌英

3月4日(月)3年生を送る会

〇先週の金曜日の午後、3年生を送る会がありました。卒業をお祝いする在校生とそれに感謝する卒業生の姿。生徒たちの素直さ、優しさを職員一同が感動していました。学校はやっぱり素晴らしい場所であり、そういう生徒たちにかかわれる我々職員は、幸せだと感じました。

〇今日は9時から、千葉県公立高等学校入試の合格発表があります。どうか全員の希望が叶うように、朝から職員全員で祈っています。

須藤昌英

 

3月1日(金)英語の交流授業と3年生を送る会のリハーサルと学年レク

〇昨日、富勢小6年生と本校1年生とをオンラインで結び、交流授業(英語)を行いました。小学生と中学生がグループになり、お互いの自己紹介や小学生が「小学校の思い出」を英語で話し、それを聞いて中学生が質問をしました。それぞれ立派な説明態度で、何よりも楽しそうでした。

〇小学生の主な感想としては、

「中学生と話すのは最初緊張しましたが、中学生は優しく話を聞いたり、質問に面白く答えたりしてくれたので、うれしかったです」

「ほとんど中学生と話をすることはありませんが、今日の授業を終えて、自分もはやく中学生になりたいと思いました。部活動は●●を希望しています」

〇中学生の感想の振り返りでは、

「小学生が英語で説明することにびっくりしました。私たちももっと英語を話せるようにならないといけないと思いました」

「小学生の言葉遣いも丁寧で、自分たちの日常生活でも気をつけていきたいと思いました」

〇1年前は同じような小学生だった彼らが、中学校生活を経験し、後輩のみなさんに話ができるところまで成長したのだと感じました。4月からは同じ学校で学ぶことになります。この交流を通して、「先輩になるという自覚」をもつことを期待します。

〇1・2年生は、今日の「3年生を送る会(3送会)」の学年発表のリハーサルを体育館や武道場で懸命に行っていました。私からみても出来栄えは上々で、歌声も感動しました。きっと心のこもったあたたかい会になることでしょう。

 

〇3年生は学年レクで、笑顔や歓声がいっぱいの時間を過ごしました。

須藤昌英

2月29日(木)うるう年(閏年)の今日をどう過ごすか

〇うるう年とは、1年が366日となる年のことだとは知っていると思います。またこの追加された今日は、2月29日(うるう日)と言います。4年に1度しかありません。4年前は、まさに新型コロナが蔓延するという影響で、亡くなった安倍元首相が緊急会見で、全国的に学校を臨時休業にすると宣言し、3月からどうするかをあたふたしながら考えている時期でした。

〇うるう年がある目的は、太陽暦(太陽の位置に基づく暦)と、日常生活で使用する暦(グレゴリオ暦)とのずれを修正することです。地球は、太陽の周りを約365.2422日で1周します。しかし通常のカレンダーは、1年を365日としています。このため、約0.2422日のずれが毎年発生します。このずれが積み重なると、4年後には約0.2422日×4 = 0.9688日のずれが発生し、太陽暦とグレゴリオ暦の日付がずれます。

〇もしうるう年がない場合、時刻のズレはもちろん、それにより食物を生産する農業や様々な経済活動、さらには文化や伝統などに問題が生じて、私達の暮らしに大きな影響が出てしまうことは容易に想像できます。あらためて太陽や地球の規則的な動きのおかげで、私達は安心して生きていられるのだと感じます。

 〇昔からよく言われますが、2月29日が誕生日の人の法的な年齢の計算です。日本では「年齢計算ニ関スル法律」という法律が施行されており、この法律に基づくと、2月29日生まれの人は毎年「2月28日24時」に1つ歳をとることになります。つまり、うるう年に生まれた人も、他の人々と同じように毎年年齢を重ねていくのですが、そのタイミングは2月28日の夜だそうです。

〇本校には、2月29日が誕生日である生徒はいませんが、今日という日をいつもより大切にするかいつも通りに過ごすかは、その人次第です。明日から3月になります。4年に一度の日に良いことがありますように・・・。

須藤昌英

 

2月28日(水)卒業式の練習(3学年)

〇先週から3学年は特別日課を組んでいます。その中で8日の卒業式練習を行っています。

〇私はこれまでも義務教育の最終年にあたる中学3年生には、保護者や先生などから言われたからその通りにするのではなく、いろいろな人の視点に立って(想像力)、自分はどうすべきかを考えること(創造力)を育んでもらいたいと願ってきました。練習を後ろからそっと見ていると、そういう力が一人ひとりに備わってきているなと感じました。

〇卒業式は学校行事で最も重要で、フォーマルな場面ですので、最初は礼法や作法の確認を行います。これもあくまでも基本を教えますが、あとは自分なりのその基本動作を応用し、堂々と参加してもらいたいです。ちなみに生徒に指導した主な点として、

1 座る姿勢(頭をむやみに動かさない)

男子:足を自然に開き、拳は軽く握って膝と股関節の間に置く。

女子:足を閉じ、手は重ねて膝と股関節の間に置く。

2 座る→立つの動作 (「卒業生、起立」の号令)

背筋を伸ばす(立つ準備)をして、スッと立つ。

3 立つ姿勢(手は体側に)

踵をつけて、つま先は拳1つ分程度開き、視線はまっすぐ遠く。

4 座礼と立礼(若者らしく)

腰を基準にして、1・2・3で45°程度曲げる。

5 歩き方(手は自然に振る)

「パタパタ」と音をたてるのはNG、まっすぐ遠くを見る。

〇「ずいぶんと細かい所まで教えるなあ」と感じるかもしれませんが、卒業式の当日はもちろん緊張するので、ある程度の動作は身体で覚えておいた方が、慌てないですみます。各所作の意味や社会人の常識みたいなものまで含めて説明し、だから「~しなさい」ではなく、教わったことを生徒自身が自分でかみ砕いて考えてもらいたいと思います。

〇一番の緊張は、卒業証書授与の場面です。初めてステージにあがると、ぎこちない動きでしたが、みんな一生懸命取り組んでいて、みていて清々しい気持ちになりました。来週の予行練習では、保護者席に在校生を座わらせて、本番の緊張感で最後の確認をしていきます。

須藤昌英