校長雑感ブログ

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10月19日(土)第78回東葛飾地方中学校駅伝大会

〇選手は早朝に学校に集合し、各中継所に出発しました。9時半に松戸市民劇場前をスタートし、11時過ぎに野田市総合公園陸上競技場にゴールします。全長32㎞を10名の選手が襷をつなぎます。

1区 岩瀬 樟さん(2-3)

2区 中村優稀さん(3-5)

3区 丹羽凌仁さん(3-2)

4区 池田晃久さん(3-1)

5区 池田輝利さん(1-3)

6区 山縣透真さん(3-2)

7区 奈須悠樹さん(2-5)

8区 山本翔太朗さん(3-2)

9区 小林海都さん(3-1)

10区 里中秀俊さん(3-3)

 

〇各中継所には、選手以外に付き添いの生徒がいて、選手をサポートしています。正月の箱根駅伝のように、沿道には多くの方々の声援があり、選手はその中を自分のベストの走りを目指して激走します。ゼッケン番号は、「204」です。

〇教員が引率者として付き添っていますので、様子を随時アップしていきます。時系列では、上の写真が新しいものです。

10月18日(金)生徒会任命式&東葛駅伝壮行会

〇昨日の午後、今月から先輩から後輩へとバトンタッチされた役員・委員長の任命式と明日に行われる東葛飾地方中学校駅伝に参加する選手を激励するための壮行会を行いました。

〇まずこれまで活躍してきた生徒からのあいさつがあり、続いて新たに3年生から生徒会組織を受け継いだ各リーダーを紹介する「任命式」を行いました。

〇今年度の後期は、このリーダーたちによって、生徒会活動の目的である「自立・自律」に向けて活動を行っていきます。次のような話を私から投げかけました。

〇富勢中生徒会は全生徒500名を会員とした大きな組織です。組織には「リーダー」とその人たちを助ける「フォロワー」が欠かせません。フォロワーがリーダーに正しい情報を教えたりリーダーの意思を具体的に行動に起こしたりすることにより、組織は成り立ちます。

〇そして特にリーダーは、「一番上のことと一番下のことを行う」ことが必要です。「一番上のこと」とは、組織全体が成長していけるように今後の方針や予定を示していくことです。それに対して「一番下のこと」とは、日頃から挨拶や清掃など基本的な生活習慣を身に付けてそれを自然に行えることです。

〇今月末に行われる衆議院選挙で立候補している国の政治家たちを皮肉っているわけではありませんが、リーダーが偉そうなことだけ言って、やるべきことをやらなければ、フォロワーはそのリーダーを信頼することはなく、結果としてその組織は成長できません。

〇本校のリーダーたちには、そういう人はいませんが、将来いろいろな組織で活躍していく生徒たちには、学校生活で「リーダー」と「フォロワー」の両方の経験をしてもらいたいと願っています。

〇次の「駅伝壮行会」では、選手の自己紹介と駅伝部顧問の山口教諭よりコースなど紹介をしました。次に当日用の「襷(たすき)」を私からキャプテンに授与しました。私から、次のような話をしました。

〇日本では古来から中央と地方の情報伝達の方法として、飛脚が文書などを運んでいました。江戸時代には飛脚の健脚を競うコンテストがあったらしく、優勝すると皆からの憧れの的になったとの記録もあります。

〇襷(たすき)は、武士が真剣勝負するときに両肩にすることからきているといわれており、そこから1本のたすきをつなぎゴールを目指すことが、日本人には性に合っていたのかもしれません。

〇駅伝は日本発祥のスポーツで、その他の相撲、剣道、柔道、空手等と同じく世界に知られており、最近は「EKIDEN」でと書けば世界に通じるようになっています。

〇近代駅伝の歴史は、約100年前に、京都から上野(514km)を昼夜かけて走り、3日間で競い合ったそうです。

〇東葛駅伝は、今年(令和6年)は昭和99年であり、昭和23年(12校参加)から始まっているので、76年の歴史があります。富勢中が昭和22年創立ですから、ほぼ同じ時期にスタートしています。当時の中学生は、現在90歳くらいになっているのを考えると、歴史を感じます。

〇東葛飾6市(柏市 松戸市 流山市 野田市 鎌ヶ谷市 我孫子市)から73校が参加します。箱根駅伝でさえ20校ですから、その3倍以上の出場校数です。

〇東葛駅伝は日本で唯一(中学生が一般公道を白バイが先導で、一人約3kmを10人で約30kmを走る)の大会で、毎年沿道には多くの人が応援に来ています。

〇私が思うに「駅伝の魅力」は、ルールがシンプルだからこそドラマがあり、ごまかしがきかない(選手どうしの駆け引きが難しい)ことです。また「駅伝の魔力」みたいなものもあり、それはその日の選手の体調や心の状態に大きく左右されることが多く、最後まで結果はわからないことです。

〇明日、秋の空の下を各選手が無事に完走できることを祈ります。

須藤昌英

 

10月17日(木)読書週間「この一行に遭いにきた」

〇27日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。

〇昔から「秋の夜長に読書」と言われています。近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪いとは思いませんが、本を手に取ってみることも楽しいものです。

〇9月に柏駅近くのよく利用していた書店「ジュンク堂」が閉店になってしまいました。ネットで本も購入できて便利ですが、やはり書架に並んでいる本を眺めるのは楽しいものです。

〇11月3日は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くの巨大な書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。

〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和6年の標語は、「この一行逢いにきた」で、下のポスターは本と向き合って心が和んでいる様子が表現されています。

〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。

1 語彙や知識が増える

これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれから様々な表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒達には、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。更に深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。

2 想像・創造力や共感力がアップ

次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでで自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。

〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。

〇要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?

〇3年生の校長面接の際も、「最近読んだ本とそのあらすじや感想を教えてください」と質問しています。多くの生徒は堂々と自分の考えを述べた上で、「読書の時間は別世界に入り込んでいる感じがする」のような感想も多いです。「本は一生の友」と言えるような生徒が一人でも多くなるように願っています。

須藤昌英

 

10月16日(水)合唱活動が佳境に入っています

〇11月1日(金)に柏市民文化会館大ホールで行う合唱コンクールに向けて、毎日各クラスとも練習に余念がありません。特に帰りの会を延長し、パート練習や部分的に合わせての合唱に取り組んでいます。

〇1・2年生は混成3部ですが、3年生だけは混成4部(バス・テノール・アルト・ソプラノ)なので、学年が進むにつれてレベルが少し上がっており、大変ですがよく頑張っています。

〇合唱については私も昔、児童・生徒だった時代にいろいろな思い出があります。特に私が在籍していた柏中学校は、各学年とも15クラスずつあったマンモス校(全校生徒二千人)でしたので、全生徒そろってのコンクールを行う広さの体育館等は当時ありませんでしたので、学年ごとに行いました。

〇その学年の中での最優秀賞を2・3学年の時に獲った思い出は、今でも旧友と会って話をした際にはその話題になります。私も多くの友人も正確に楽譜が読めない又はその音がなんの音がわからないレベルで参加しましたが、ともかく緊張しながらも楽しむことができたところがよい思い出になっています。

〇今の生徒たちは練習の際に、手持ちの楽譜に注意点などをいろいろと書き込みをしたりしており、私たちの時に比べて「とても真面目だな」と感心してみています。私などは「何となく音が取れていれば大丈夫」などとタカをくくっていたので、まずはみんなで声を合わせるなどの気持ちの高揚感に触れることが一番だと思っています。

〇そもそも音楽(合唱)の力の一つとして、「聴いている人の感情に訴えかける」があります。音楽を聴いていると、楽しいや悲しいなどの喜怒哀楽が出てきたり、普段あまり考えないことも考えさせられることがあったりします。

〇同じクラスのメンバーとして歌うことで、聴いている人たちへ何かを訴えかけることができますが、それはつまり、あらためて自分と向き合える場面でもあるのではないでしょうか?

〇運動でいえば例えば駅伝は、何も道具を使わずに自分の身体能力だけで挑む競技ですが、同じく音楽の中でも合唱は、自分の声だけを一つの楽器として響かせ、クラスの仲間とハーモニーを奏でることでは、共通点があると思います。

〇当日生徒たちも、柏市民文化会館のステージでスポットライトを浴びて歌いますが、きっと中学校時代の良い経験として残るのではないかと期待しています。保護者の皆様、地域の皆様どうぞご来場下さり、生徒たちの爽やかな歌声をお聴きください。

須藤昌英

 

 

10月15日(火)ノーベル平和賞について思うこと

〇10月になると、ノーベル賞が一週間にわたって発表され、毎年のように日本人の受賞の可能性が報道されています。今年の受賞者の発表は、7日が生理学・医学賞、8日が物理学賞、9日が化学賞、10日が文学賞、11日が平和賞、14日が経済学賞となっていました。過去には科学分野で日本人も多く受賞していますので、やはり私もそこに注目していました。

〇ところが先日、今年のノーベル平和賞が「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」に決まり、私も正直驚きました。NHKの報道によると受賞理由について選考委員長は、「核兵器は道徳的に受け入れられず、二度と使用すべきでないという私たちが『核のタブー』と呼ぶ国際規範を形づくる上で、被爆者の証言が重要な役割を果たすと見ているからだ」「ウクライナに対するロシアの脅威をみると、これは人類に対する脅威の問題となっている。核のタブーが軽んじられると、最終的は核兵器が再び使用されることにつながる可能性がある」と指摘したそうです。

〇また同じく委員長は「来年は広島と長崎で核兵器が使われてから80年になる。この間、核兵器が使用されていないことは、人類を代表する形で被爆者によってなされた偉業だ」と述べ、被爆者たちのこれまでの活動をたたえたそうです。さらに「世界のすべての政治指導者に対し、人類と核兵器は共存できないというメッセージを送りたい。被爆者の痛みや苦しみに耳を傾け、『核兵器によって自分たちが経験したことをほかのだれも経験すべきではない』という彼らのことばを聞いてほしい」と訴えていました。 

〇最後に被爆者や日本被団協に対して「何十年にもわたって継続してきたかけがえのない活動と、それを若い世代が引き継いでいることに感謝している」「世界中の国々の市民社会が核軍縮を政治課題として提起するため行動を起こすことを願っている」として今後、核軍縮の機運が高まることに期待を示しています。

〇日本のノーベル平和賞受賞は、非核三原則を表明した佐藤栄作 元総理大臣が1974年に受賞して以来、50年ぶり二度目です。私は当時小学校5年生でしたので、「日本の首相が受賞した」という事実はよく覚えていますが、そのことの意義まではあまり深く考えませんでした。

〇今振り返り、当時の佐藤首相が個人として受賞した理由が、「日本として非核三原則を提唱」したり「NPT=核拡散防止条約に署名」したりして、平和に貢献したことであったことを考えると、今度は同じ核兵器反対でも、国のトップではなく民間の団体が受賞したことは大きな意味があると感じます。

〇私は家族や親戚に被爆者はいませんが、広島や長崎の平和記念資料館などで当時の資料を目の当たりにして、大きな衝撃を受けたことは、同じ日本人として今後も忘れてはいけないと感じています。日本被団協は今回の受賞をきっかけに「核兵器廃絶に向けた活動」を強めていくでしょう。活動している中には、高校生などの若者もいるようです。若い頃に自国の歴史について考え、自分なら今後はどうしていくべきかと思案することはとても大切だと思います。

〇東欧(ウクライナやロシア)、中東(イスラエルやパレスチナなど)だけでなく、日本を含む東アジア(中国、台湾、韓国、北朝鮮など)でも、隣国どうしの過去の歴史や外交などの問題が山積しています。すべて正解があるわけでなく、国レベルや個人レベルでの対話や協働によって、お互いの存在を認め合うことからしか平和はやってこないと思います。

〇保護者の方々もお子様に対し、「まだ中学生だからどうせあまり関心がないだろう」などと思わず、ご家庭内でこの機会をいかし「戦争や平和」について、世代を超えて意見交換をしてみてください。中学生も必ず自分の意見をもっており、中には大人も目を見張るような卓見を示してくれます。

須藤昌英

【アルフレッド・ノーベルの横顔の肖像】

【佐藤栄作:第39代内閣総理大臣】