校長雑感ブログ

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3月19日(火)生活習慣と給食最終日

〇昨年度の全国体力・運動能力、運動習慣調査の結果が発表になりました。対象は小学校5年生と中学校2年生(現3年生)で、一週間の総運動時間(体育の授業を除く)が「0分」の児童生徒が、記録の残る2016年度以降で最も多くなったそうです。

〇県の教育委員会によると、同時間が0分の割合は、中2女子が7年前の16%から22%、中2男子が5%から10%に増加しており、その要因について、ゲームなど室内で過ごす時間が増えていることに加え、新型コロナで生活習慣が変わったなどと分析しています。

〇本来子ども(中学生も含む)は遊びや運動の中で体を動かし、体の使い方、運動習慣を身につけます。そもそも「運動が嫌い」なのではなく、できないから嫌いになるのです。そして嫌いになると、やらなくなり、さらに筋力や体力が低下するといった悪循環に陥ります。

〇また運動不足による体力低下が招く身近な悩みとして、今、肩こりや慢性腰痛に悩む小中学生は少なくありません。これも基礎筋力、体力の低下が大きな原因です。さらに体力がなくては、長時間、座っていることもできません。それにより集中力が低下し、学習意欲、態度、そして、学力の伸び悩みにまで影を落とします。

〇運動時間の減少により体力全体の低下が懸念されることから、ますます体育の時間や部活動で運動の楽しさを伝えていかなければなりません。

〇今日は本年度最後の給食です。メニューは「スパゲティートマトソース、もやしと春雨のサラダ、手作りカレーパン、ブラッドオレンジ、牛乳」です。昨日も急遽イチゴがメニューに加わりましたが、美味しかったです。新年度は4月8日(月)が給食のスタートになりますので、約3週間は給食はありません。

〇先日の卒業式では、「良い習慣づくり」をメインに卒業生に話をしましたが、成長期の生徒を支えるのは、「朝起き、運動、食事、睡眠」です。この4つの好ましい習慣が身につくと、将来思い存分自分の好きな分野で活躍できる身体が備わります。

〇来週からの春休みもご家庭で話し合ってみてください。

須藤昌英

 

3月18日(月)寒暖差と花粉の飛散

〇週末は5月並みの気温で、外を歩いていても半袖で十分なくらいでしたが、今朝からまた北風が吹き、寒さが逆戻りしています。この寒暖差で体調が崩れやすくなっています。気をつけてください。

〇またこの時期は、浮かない表情の生徒をよく見かけます。その大きな原因は、花粉症だと感じます。コロナ禍のマスク常用で最近はあまり目立たなくなったこともありますが、飛散時期には花粉対象のマスクをしたりメガネでガードしていたりする生徒を以前はもっといた気がします。外に出て体を動かすのがおっくうになったり、室内にいても学習や諸活動に集中できなかったりすることが、本人が一番つらいだろうと思います。

〇スギ花粉飛散のピークは、東京では3月上旬から下旬で、特に今年は平年並みか高めに推移する見込みのところが多いそうです。スギ花粉のピークが終わる頃になると、次のヒノキ花粉のピークが始まるところが多くなります。東京では4月上旬から下旬にかけてヒノキ花粉の飛散のピークを迎えるでしょう。私の住む我孫子もまだ杉林が点在しており、車のボンネットに花粉が積もって黄色く見えるほどです。家族などはそれを見るだけで「ゾッとする」と言っています。

〇せっかくの春の陽気も楽しむどころか、暖かい日ほど花粉症の人にとっては、むずむず、くしゅくしゅ、じゅるじゅる、涙ぽろぽろという状況であった方も多いようです。少し調べましたら、簡単な花粉症対策として、外出から戻ったら顔を洗う方法があるそうです。目の周りや鼻の周りには花粉がついていて、それを洗い流すと吸入する花粉の量が減るのでけっこう楽になるそうです。

〇私は幸いまだ花粉症ではありませんが、顔を洗うとすっきりと頭がさえるので、一日に何度か水で洗うことがありますが、先日、つらそうな顔をしている男子生徒に教えてあげました。ただ女子生徒はなかなかそういうわけにはいかないと思いますが・・・。

須藤昌英

3月15日(金)反省はするが後悔はしない

〇今日は小学校の卒業式です。朝の正門前を富勢小の6年生と保護者が通りかかりましたので、「おめでとうございます。4月からお待ちしています」と声をかけさせてもらいました。良い天気に恵まれて良かったです。

〇昨日の「失敗から学ぶ」でも書きましたが、大人も子どもも成功や失敗という経験から、それを次にいかにいかそうとすることが大切です。その意味でも「反省はするが後悔はしない」も生徒たちには語り続けていきたいと思います。

〇反省を通り越して、必要以上に後悔してしまうことがあります。反省は理性的に成功や失敗の原因や過程を振り返りますが、後悔には、「もっと~しておけばよかった」とか「何であんなことになったのだろう」など、そのほとんどが感情の部分であり、多少は仕方ありませんが、そこに留まっても先に進めないという欠点があります。

〇未来に向けて考えたり行動したりしようとする意欲が後悔によって削がれてしまう経験が私にも多くあります。大いに反省する一方で、自分を責めすぎて元気を失うような後悔はやはり避けた方が良いと感じます。

〇今できることに全力を尽くしていれば、もし失敗しても「あの時はあれで精一杯で仕方なかったのだ」と考えられます。むしろ失敗しながらもそこから多くを学んでいる自分を大いに誉めるくらいで丁度良いのではないでしょうか。昔から日本人の自己肯定感の低さが指摘されていますが、そのあたりに原因があるような気がします。

〇失敗すると「次もまた同じ失敗したらどうしよう」という不安が出てきます。しかし、この失敗から自分がまた成長できると思えば、その不安を上回るくらいにワクワクできるようになります。誰にも自分の人生では確実な将来というものはわかりませんが、だからこそ将来に理想な姿になっている自分を想像し、心配や不安よりも希望に焦点をあてれば、ワクワク・ドキドキしながら、今を楽しみことができることを生徒たちには伝えていきます。

須藤昌英

3月14日(木)失敗から学ぶ

〇昨日、民間企業初の実用衛星を搭載した商用ロケットの打ち上げは失敗したというニュースが流れました。映像を見ると、煙とともに飛び散る破片とその後落下した部品が燃え上がっており、人命が失われなかったのが幸いだと思いました。

〇記者会見した社長は、「原因については調査中。この結果を前向きに捉えて次の挑戦に臨みたい」「我々としては失敗という言葉は使いません。新しい挑戦だととらえている」などと述べていました。

〇ギリシャ神話に登場する時間の神から命名した「カイロス」は、内閣衛星情報センターの「短期打上型小型衛星」を搭載し、成功すれば国内初の民間企業による衛星打ち上げになる予定だったそうですが、専門家によると「世界的にも初号機から成功する例はほとんどない」そうです。

〇私は確かに民間企業ですので、この失敗が株価の急落や利益のマイナスなどの影響は避けられないと思いますが、社長の言葉やそれを評価している人の意見に賛成です。一年前の卒業式の私の式辞で話した内容を引用します。

「皆さんは、自分で失敗した時にどんな心境になることが多いでしょうか?人生は思い通りにいくときといかないときの両方があります。よく目にするのは、失敗の原因を考える中で、「やっぱり自分はダメなんだ」と自分を責める人がいます。もし失敗した友達から相談された場合には、「大丈夫だよ」と冷静に受け止めアドバイスができる人でも、それが自分のことになると難しいようです。北海道にある植松電機の社長さんは、本業の他にロケット開発を手掛けている人で、全国を回って、若い人に「夢の大切さ」を説いています。植松社長は、「失敗はただのデータに過ぎません。失敗は今の状況を変えることが必要だと教えてくれるサインだ」「失敗は未来への階段に導いてくれる」「失敗しないと成長できない」「本当の責任は失敗を再発しないこと」と明言しています。そしてもし失敗したときには、周囲の人に「私は『只今、成長中』と開けっぴろげに宣言した方がよい」と言っています。 ゲームの例と同じように逆説的に言えば、失敗したくなかったら、何もしない、今できる範囲で言われたことだけやればいいですが、それではあまりにももったいない。人間は経験を避けようとすると、問題を解決する能力が落ちることも知られています。」

〇私はまず大人(保護者や教員)が、生徒一人ひとりの成功や失敗を外から評価するのではなく、「その時何を感じた?」「次はどうしたらいいと思う?」「そのために何か手伝ってほしいことがある?」などと本人の内面にアプローチしていくべきだと思います。

〇次のロケットの打ち上げがいつになるのかはわかりませんが、見守っていきたいと思います。

 須藤昌英

 

3月13日(水)マルハラ

〇今では「ハラスメント(Harassment)」という言葉は、すっかり定着しています。意味は嫌がらせのように、「相手を不快にさせたり不利益を与えたりするなど、肉体的・精神的な苦痛を与え、人間としての尊厳を侵害する行為の総称」(ウィキペディアより)のことです。
〇具体的には「パワハラ(地位や人間関係などの優位性をもとに、精神的・身体的苦痛を与える)」「セクハラ(相手の意に反する性的言動で、働く上で不利益を被ったり、就業環境が妨げられること)」「モラハラ(モラルを根拠とする嫌がらせ)」など、他に何種類もあるそうです。
〇最近新しく「マルハラ」という言葉を知りました。主にLINEやチャットなどのSNSの文面において、句点(。)を使用することで、相手に威圧感を与えさせてしまうことを表す造語のようです。
〇私は最初は正直、何を指しているのか理解できませんでした。例えば「わかりました。」や「連絡ください。」という一見、何の変哲もない表現が若者たちにとっては淡々としすぎていて、怒っているように感じられるというのです。
〇若者たちにとっては「。」が怖く、新しいハラスメントになっていると聞いても、自分の感覚ではまだ実感できません。22歳の娘に聞いてみましたが、「人にもよるけど、友達の中には怒っているというか冷たいや冷めてるとマイナスイメージをもっている人も多い。マル(。)の代わりにビックリマーク(!)はよく使っている」と教えてくれました。
〇確かに若者の感覚は時代の最先端であり、決して否定するつもりはありませんが、ことさらにとりあげて『ハラスメント』というネガティブなニュアンスを持つラベルを貼るのは・・・?とも感じます。
〇逆に我々の年代になると、絵文字を使って送られてくる文に違和感を感じるほどですから、年代のギャップも否めません。時代は変化しつつも、美しく正しい日本語も残って欲しいと思います。

須藤昌英