創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
2月10日(月)新入生保護者説明会&第55回柏っ子造形展
〇7日に来年度入学予定の保護者の皆様に向けての説明会を行いました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。疑問点などがありましたら、学校にお問い合わせください。
〇4月からのお子様のご入学を職員一同、お待ちしています。
〇柏市教育委員会の主催で、市内の小中学校の児童生徒の作品を展示する3つの展示会があります。9月に科学展、11月に技術・家庭科作品展、そして先週末は美術科の作品(柏っ子造形展)がさわやかちば県民プラザの回廊ギャラリーでありました。
〇学年ごとに出品した作品が異なっています。どの作品も個性が豊かで、創作した生徒の気持ちがよく表現されていると思いました。
【3学年】
石黒音羽さん「私の自伝×ONE PIECE」 染谷倖心郎さん「かっとばせ!!おにぎりくん」 向井晴香さん「もしもの未来」 宮前唯花さん「弟と私」 浦尾心美さん「my teeth」 杉﨑遥衣さん「夢を叶えるまで」 畔田江菜さん「自伝!!私とピアノ」 平塚美笑さん「MY STORY」 千葉月乃さん「道」 當麻日琉さん「自伝」
【2学年】
周 冉さん「2人の私」 成田千咲さん「冬の空」 櫻井唯菜さん「春と秋のコーディネート」 筒井杏子さん「TTシャツ」 大峠舞奈さん「Sunpatience Outfit」 中村 雅さん「超きっと大丈夫になれるTシャツ」 岩屋ケ野響さん「努力は必ず報われる」 宮原萌奈さん「いつも笑顔で」 平林穂乃佳さん「自分自身」 宮下るかさん「叶った夢」
【1学年】
重松聖菜さん「音楽の世界」 清水咲希さん「氷の城壁」 菊地 奏さん「星のカービィ 鏡の大迷宮」 黒川蒼太さん「ワンピース ロロノア・ゾロ」 大須賀香穂さん「Paradox Live 犬飼 憂人」 笹嶋美亜さん「ONE PIECE ルフィ」 木本乃愛さん「初音ミク」 武藤大雅さん「#7 クリスティアーノ・ロナウド」
〇本校だけではなく、さすがにどの小中学校の作品も素晴らしかったです。ちょっとした美術館のようでした。
須藤昌英
2月7日(金)梅の開花と合格祈願
〇昨夕、千葉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校別の志願倍率が発表されました。これにより1回に限り、志願の変更(志望校を変える、同じ高校内の志願学科を変える)の手続きをすることができます。手続き日は、2月12日、13日(ただし午後4時まで)です。
〇今日から本人と家族の意向を受け、担任と3学年職員は志願変更の手続きの準備に入ります。前にも書きましたが、私の経験からもこれは無暗に行わず、慎重に考える必要があります、理由として志願変更は「チャンスとリスクの両面」があり、場合によっては本人に心の動揺が残ることも過去にはありました。
〇手続きは本人とご家庭にしてもらいますが、少し複雑なので注意が必要です。まずすでに出願している高等学校へ行き、書類を引き取ります。次にインターネットによって新たに出願する高等学校へアクセスし手続きします。最後に中学校が作成した書類を新たに出願する高等学校へ出向き、提出して完了です。
〇昨日の朝、保健室前の梅が一輪咲いているのを発見しました。ここ数日間、つぼみが膨らんでいたので観察していましたので、見つけた時の喜びが大きく感じられました。冷たい風の中、日差しをたっぷりと浴びてどこか誇らしく咲いています。
〇梅は桜とよく比べられますが、梅の方が開花時期がはやく、「寒さを耐え忍んで咲く」というイメージがあります。厳しい状況でも美しく咲くので、つつましくても昔から人々の思いが寄せられてきたのだと思います。事実、平安時代には梅に関する多くの和歌が詠まれました。
〇特に有名なのが、学問の神様と言われる菅原道真(845年~903年:平安時代の公卿・漢学者・文人)が詠んだ
「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主(あるじ)なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)」です。この和歌は、菅原道真がいいがかりともいえる罪をきせられ、九州の太宰府へ左遷される際、大事にしていた梅の木を前にして心をよせるように詠んだ作品だと、中学校の国語の時間で習い、当時に暗唱して覚えたので、今でも強く印象に残っています。
〇おおよその意訳としては、「春風が吹いたら、お前の匂いを(京から太宰府まで)送っておくれよ、かわいい梅の花。私(主人の菅原道真)がいないからといって、春を忘れてはならないぞ」くらいでしょうか?「東風(こち)」がなぜ春風のことであるのかは、少し調べましたら中国の自然哲学「五行説」からきているそうです。春という季節は、東の方角と関係が深く、同様に「東南西北」が「春夏秋冬」にあたるそうです。
〇菅原道真は天才的な学問の大家で人柄もやさしく、多くの人々から尊敬されていましたが、当時の政権幹部からその名声を疎まれ、あらぬ罪で左遷されました。本人には政治的な意図はなかったとされますが、京の都で学問を究めるという本懐を果たせず、さぞ悔しい思いをしたことでしょう。
〇その大宰府での生活は大変きびしくみじめで、気候や風土が変わったためもあり、最後は体調をこわし、都に残した妻子にも会えず、一説によると西暦903年2月に59才で亡くなったそうです。今から1120年前の2月です。
〇その後、京都では雷が落ちて火災がしきりに起こったり、伝染病がはやったりとよくないことがつづいたので、人々は菅原道真の霊がこのようなたたりをしているのではないかといっておそれたという話はとても有名です。
〇昨年の修学旅行でも、何クラスかは3日目に、京都の北野天満宮(菅原道真公を御祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社)に受験祈願供養で参拝しています。個人の参拝ですとお守りが多いですが、団体での参拝でしたので、学業成就の札をいただいてきました。
〇学問の神様の菅原道真公と比べることはおこがましいですが、私も校長として生徒の「学び続ける姿」をかげながら応援しています。特に再来週の公立高校受検には、3年生全員が自分の力を出し切れるようにと願っています。
〇合格することをよく「桜咲く」と言いますが、梅は可憐な花が咲いてその香りに特徴がありますので、「梅香る」がぴったりだと思っています。そういうことで、今年の梅の花はいっそう奇麗に咲いてほしいです。
須藤昌英
【北野天満宮勧学守護札】
2月6日(木)自己承認欲求(「いいね!」の功罪)
〇人間が社会の中で生きていく際には、様々なことに葛藤したり悩んだりしながら、理想を求めて日々過ごしています。その背景の一つとして、アメリカの心理学者マズローが提案した「欲求5段階説」があります。これは、人間の欲求を5段階のピラミッドに分けて考える古典的心理学理論です。
〇その中でも上から2番目の欲求である「承認欲求」は、誰もが持つ本能的な欲求であるとされています。「自分を良く見せたい、周りからよく見られたい」という劣等感に近い感情(自己肯定感の低さ)は、自己承認欲求と位置付けらます。
〇この「校長雑感ブログ」にも下欄に「いいね」の機能がついています。私としては「なくてもいいかな?」と思っていますが、何となく設定を削除をせずにホームページのフォーマットをそのままにしています。
〇ただ実際に「いいね」があると、全く気にしないというわけにはいかないのが人情です。上述のように私たちは誰しも「誰かに認められたい、受け入れられたい」と思う気持ちを持っていますので、その心理が無意識に働くのだと思います。
〇その「いいね」という機能について、功罪(または長所と短所)があるとも感じます。生徒たちも様々なSNSを使って情報発信をすることが当たり前になっている中で、一喜一憂しているという例も多く聞いています。
〇功(長所)の面からは、まず「人との共感性の見える化」が挙げられます。自分の意見や価値観に共感してくれた人数がわかれば、確かに悪い気はしません。しかも、その相手が目の前にいなくてもいつでも「いいね」がもらえ、満足感などを得ることができるのが「いいね」だとも言えます。
〇また前述の「承認欲求の充足」が挙げられます。特に中学生など思春期の若者は、自分の意見や価値観に自信がなかったり他人との比較を重要視することが多かったりします。そこで「いいね」は自分の考えを肯定してくれ、社会から認められているという感覚を与えてくれます。
〇さらに「所属感の獲得」が挙げられます。「いいね」は不特定多数の他人からの賞賛の声や同意の証として機能します。この「いいね」をもらえる機会が増えると、それだけ社会集団の一員として帰属意識が芽生えます。要するに、自分にとっての居場所が確保できたと受け止めやすい状況が作れるのです 。
〇一方で、今度はSNSの「いいね」が現代の人間心理に与えた罪(短所)については、段々と「もっと認めてほしい」などの依存性が出てくることがあります。これは心理学では「強化」と呼ばれています。依存性からさらに中毒性にまですすんでしまうと、治療が必要にもなるそうです。
〇厄介なのは、もっと「いいね」がもらえるように発信の回数が極度に増えたり、内容も「受け」を狙うようになり真実や自分の本当の気持ちからも乖離したことを発信するようになったりします。つまり、心の中が「いいね」に支配されてしまい、「いいね」がないと不安になったり焦ったりします。
〇さらにSNSを確認する回数や時間が増えると、画面を注視して視力の低下や頭を少し前へ傾き続ける姿勢が続くなど身体への影響が免れません。時には心身の不調を覚え、日常生活を送ることにも支障が出る場合もあります。
〇また「喪失感や空虚感を抱きやすい」面が出てきても、自分では実感が湧きにくく気が付かないという特徴があります。最初が「いいね」がもらえて単純に喜んでいたのに、次第にその嬉しさや楽しさが減り、虚しさや悲しさを感じやすくなります。これは「いいね」を追い求めた反動・リスクとしてのネガティブな感情の生起で、注意が必要です。
〇これを書きながら「大人も同じようなところは少なからずあるなあ・・・」と感じました。昨日の「デフォルト・モード・ネットワーク(ぼんやりとした脳の状態)」とも関連しますが、自分の欲求を把握してある程度コントロールできるようになればいいな・・と感じます。
須藤昌英
2月5日(水)無駄な時間はない!?「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」
〇人は時として時間をもてあまし、何もしないで一日ボーッと過ごすということがあります。いわゆるコスパ・タイパ・スぺパなどの効率を優先する傾向の現代では、これを「時間の無駄」と切り捨てる風潮が強い気がします。
〇しかしその一方で、人が生涯にわたって学び続ける上には、この「無駄」と思われることが、脳科学の分野での研究がすすんだことにより、案外意味があるということがわかってきています。
〇それが「デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)」という脳の状態で、端的にいうと、ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動のことです。
〇ある一つのことに集中したり注意が払われたりするのではなく、ただぼんやりとしてあれやこれやと雑念している時や睡眠中の脳が示す神経活動のパターンのようです。
〇これは車で例えられるとわかりやすいです。デフォルト・モード・ネットワークは、車のエンジンのスイッチはONになっていても実際には走行していない時の「アイドリング状態」です。車を運転しない方でも信号待ちの車のエンジンをイメージするとわかると思います。
〇日常生活の中で、人が何も考えずにボーッと散歩しているとき、一息つくために好きな飲み物を飲んでいるとき、身体がリラックスした状態で入浴をしているときなどに、デフォルト・モード・ネットワークは活発化しています。
〇脳神経外科医の奥村歩氏によると、脳は以下のプロセスで情報を処理しているのだそうです。
1 入力(インプット):五感を通して情報を収集する
2 整理:(DMN)入力した情報を取捨選択する
3 出力(アウトプット):言葉や行動として表す
〇デフォルト・モード・ネットワークが重要になるのは、2番目の「整理」段階で、この状態で自分の過去の経験や記憶を整理・統合したり、これから起きる出来事にどう対応したりするかを想定しています。
〇逆にデフォルト・モード・ネットワークの働きが弱いと、脳内で情報が整理されず、物が散乱した机上のような「脳過労」状態になり、インプットした情報が脳に定着しづらくなったり、脳の活動自体が低下してスムーズなアウトプットにつながらなかったりするといった恐れがあるそうです。
〇散らかった部屋を掃除すると自然と気分が爽快になります。同じく脳内にやたらにたまった情報をスッキリと片づけ、脳疲労を防ぐためにも、デフォルト・モード・ネットワークをオンにすることは重要です。
〇一番注目したいのは、デフォルト・モード・ネットワークの働きは「創造性」と関係しているらしいことです。これが活発になるとあらかじめ蓄えられた情報がそれぞれ結びつきやすくなり、新しいアイデアや発想が生まれやすくなります。
〇私も先ほどのように散歩や自転車に乗っているとリラックスして過ごす時間に、フッと「そうだ!あれをやってみよう!!」などの思い付きがあります。ただすぐにメモなどをしておかないと、後で容易に思い出せないこともあります。
〇早速このアイデアを実行に移してみるとどこか楽しく、たとえ予想通りの結果が得られなくても、「次はこうやってみようか」などのチャレンジする意欲につながっていることが多いです。
〇ただデフォルト・モード・ネットワークが活発化していると、脳内では通常時よりも数倍以上のエネルギーを必要としているそうです。つまり「ボーッ」としている方が、何かを考えているときよりもエネルギーを使っていることになり、意外な感じがします。
〇少し時間があると、大人も子どもスマホとにらめっこして、ボーッとする時間が少ないようです。残念ながら暇をしていてもスマホを操作している時には、脳内が整理されるのではなく、逆に情報が入ってきて散らかしていることになってしまいます。
〇もしご家庭でお子様が何もせずボーッとしていても、もしかしたら脳はその子に新しいアイデアを用意してくれているかもしれません。今度はぜひ「どう何か思いついた?」のような声掛けをしてみてください。
須藤昌英
2月4日(火)千葉県公立高等学校入学者選抜にかかる出願
〇本日から3日間(ただし6日は午前中のみ)、千葉県立及び柏市立柏高等学校の出願に係る手続き期間となります。今年から生徒本人が事前にWEB上の出願登録サイトでの受付を完了させ、それを中学校が確認した後、志望先の高等学校へ調査書等の必要書類を郵送するかたちに変わりました。
〇基本的に公立高等学校へ出願できる条件は、「県の内外を問わず、他の公立高等学校を出願していないこと」です。以前は入学願書にそのことを校長が証明する欄がありましたが、改定後は調査書の下欄に、「本書の記載に誤りのないこと及び貴校に応募する資格のあることを証明する」とあり、それに私がすべて校長印を捺印しています。
〇出願する高等学校の所在地は、柏市9校、我孫子市2校、鎌ヶ谷市1校、流山市4校、野田市2校、松戸市6校と広域になります。以前ですと本人が朝、学校で出願書類を受け取り、志願先の高等学校へ徒歩や公共交通機関等を使って行き、直接出願していました。それは学力検査等の当日の下見を兼ねるねらいもありましたが、今回は郵送ですので、本番までに再度経路を確認するように、学年職員が指導しています。
〇出願期間が終わる6日の夕方または7日金曜日に、ネットや新聞等で志願倍率が発表されます。その倍率を参考にし、1回に限り、志願の変更の手続きをすることができます(2月12日、13日)。ただしこれは無暗に行うと返って本人に心の動揺(変更することにはチャンスとリスクの両面がある)が残ることも過去にはありましたので、慎重に行わなければなりません。
〇この2つの手続きが終わったら、あとは18日と19日の学力検査等の当日になります。生徒のみなさんには、「最後は自分のやってきたことを信じて」と言ってあげたい気持ちです。不安を感じない人など一人もいませんので、自分だけが不安だと思わないでほしいと昨年の校長面接でも何人かには伝えました。
〇私も昔に受験した経験から思い出すことは、他の学校から出願した人見知らぬ人は皆、「自分よりも出来そうだ」とか「自信がありそうだ」などと思えます。しかしその人たちもすべて同じような気持ちでいます。できればたまたま同じ学校を受検した人は、「ライバル」というよりは「同志」だと思って、「お互い頑張ろう」くらいの気持ちでいる方が、気が楽になると今は思います。
〇本番直前にあえてこれまでの生活スタイルを変えるのはあまり好ましいことではありません。直前まで踏ん張って準備したい気持ちはわかりますが、最後の追い込みとして深夜まで勉強をしようとするのはやめた方が無難です。これも自分の経験ですが、そのことが果たして自分にあっているのか否かと思いあぐんだり、寝不足になったりと精神的・身体的負担がかかります。新しいことをする気持ちをあえて抑えて、今までの生活リズムを貫いていった方が良いと思います。
〇中学校の教員には、『十五(歳)の春は泣かせない』いう言葉が先輩の先生方から伝わってきています。義務教育9年間を終え、新たな進路先を自分で選ぼうとしている3年生。合否の結果は我々にはどうすることもできませんが、本人が努力してきた力を精一杯出し切れるように祈るしかありません。
〇学校(すべての在校生・教職員)をあげて3年生の健闘を祈っています。
須藤昌英