創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
9月13日(金)少年の主張全国大会「わたしの主張」より その2
【昨日の続き:最後の主張のまとめと決意】
彼の言葉が無ければ、僕たちは一生不安を抱いて生きていくことになっていたと思います。共に話しづらかった自分の母国と友人の母国との戦争について正面から互いに向き合うことで、もやもやしていた感情が薄れ、また、僕らだけでなく、多くの同じ境遇の人達にも「戦争」についてしっかりと正面から向き合ってほしいなと思いました。真の友情とは、国際問題にも勝り、国境を超えるものであると心から確認しました。
今後も、戦争だけに関わらず、国を越えた関係である限り、母国の責任を背負って生きていくということを大切にし、多くの人々にこのことを伝えていけたらいいなと思います。(終わり)
〇作者の根本さんは、「この主張をどんな人に届けたいですか?」という質問に、「僕は『真の友情』というこの主張を、僕と中国人の親友と同じような国籍の違う友人を持つ多くの同じ境遇の人たちに、真の友情とは、国同士の問題にも打ち勝つものであるということと、その上で、お互いに母国の責任を背負って共に生きていくということを忘れずに大切にしてほしいということを届けたいです。また、政府の方々にも、真の友情は、国際問題に勝るものだということに変わりはありませんが、決して不安を抱かない訳ではないので、友好な外交関係を継続して築きあげてほしいということを届けたいです。」と答えています。
〇本校にも外国籍の生徒が数人います。中学3年生でも身近な生活と国際的な動きの2つの視点をもっていることに、この若者の将来性を感じました。同時に一昨日から始まった校長面接の中でも本校の3年生は、今の自分を見つめて葛藤しつつも、未来の自分がどうなっていたいかを堂々と話すことができる生徒が多いことを実感しています。校長としては何よりもうれしい気持ちです。
〇今年の第46回少年の主張全国大会「わたしの主張」は、11月に行われるようです。場所は国立オリンピック記念青少年総合センターで、入場は無料ですが事前申し込みが必要です。私も初めてその大会に行き、生で中学生の主張を聞いてみようかなと考えています。
須藤昌英
9月12日(木)少年の主張全国大会「わたしの主張」より その1
〇国立青少年教育振興機構が毎年開催している「少年の主張全国大会」をご存じですか?昨年の第45回大会は全国の中学校から約38万人の中学生が応募し、その中から選ばれた12作品の作者が集まって行われました。この大会は皇族の方も出席する格式のあるもので、テレビなどでもその様子が報じられています。
〇先日その報告書に掲載されている作品を読みましたが、どれも中学生の視点で鋭く物事の本質を述べていて、引き込まれました。その中でも特に、奨励賞を受賞した「真の友情」(茨城県潮来市立日の出中学校3年の根本泰誠さん) は、今の中学生の素直な考え方がにじみ出ていて、若者に対する将来への希望を見出すことができる作品でした。少し長いですので、今日と明日と2回に分けて引用・紹介させてもらいます。
【前半】
「君は例え日本と中国が戦争をしたとしても、僕と友達で居続けてくれる?」中国人の僕の親友が転校する前に言った言葉です。僕は「当たり前だろ。」と返しました。その時の彼の微笑みは今でも忘れません。彼は僕と同じ空間で共に成長してきたのに、ただ国籍が違うというだけで、常に不安な気持ちを抱いていたのだと、そのときはじめて気が付きました。
昨年の二月二十四日、ロシアによる武力でのウクライナ侵攻が始まりました。僕は今でもあの日を鮮明に覚えています。誰もがこの悲惨な出来事を忘れはしないでしょう。
戦争が行われる中、僕はウクライナ出身のとあるユーチューバーの動画を見ました。ロシアへの怒りと悲しみであふれかえっていました。しかし、そのユーチューバーはこう言ったのです。「僕のロシア人の友達も戦争を望んでいない。ロシア人の友達が僕に謝る姿をもう見たくない。」僕はそのとき、胸が締めつけられました。なぜ国の問題のせいで友人が不安と申しわけない気持ちにならなくてはいけないのだろうと僕は怒りと疑問を抱きました。そのとき、僕の親友が転校する前に言った言葉の意味が分かった気がしました。彼はこのような状況を心配し、ずっと恐れて生きてきたのだなと。戦争をするということは、国の責任を自分の責任と考える必要があるのだと改めて感じました。
彼の転校からは一年と半年がたち、今ではお互いに受験生となりました。彼との連絡をとる頻度も日に日に減り、彼の言葉を忘れかけていました。そんな中、社会の単元が満州事変と日中戦争に入りました。過去の単元で起こった戦争とは違い、明らかに日本に非があると僕は感じました。だから僕は、親友はどんな気持ちでこの単元を学習しているのだろうと考え、彼の母国の中国が僕らの母国の日本に理不尽に攻められていることに対して僕は申し訳ない気持ちになりました。そのときに、戦争が例え過去の出来事であっても、いつまでも次世代へとその責任を受け継いでいかなくてはならないと感じました。
僕は久々に親友にメールを送ることにしました。内容は、日中戦争を学習していて申し訳ない気持ちになったということを送りました。送ってから二日後位に彼からの返信が届きました。「僕もこの単元を学習して君のことを考えていたよ。責任感の強い君ならきっとそう考えるんじゃないかと思った。だけど君が責任を感じて僕に謝る必要はないよ。僕と君の母国が戦争をしたという事実は変わらず、互いに責任を持って生きていくことは大切だけど、僕と君がケンカした訳じゃないんだから、謝るのはおかしいよ笑。」彼にしては珍しく返信が遅く、長文で返信が返ってきました。僕が傷つかないように時間をかけて考えてくれたことが伝わってきました。僕はそんな親友が大好きです。戦争犯罪という大きな問題を国籍の違う二人だからこそ別視点から考えることができ、意見を交換し合い納得を共に深められる「友」に出会えて本当に良かったです。
*後半に続く
須藤昌英
9月11日(水)校長面接を開始します(3学年)
〇今日から来年の入試対策として、校長室を面接会場と見立てて、昼休みや放課後に3年生一人ひとりと面接練習を行っていきます。一人あたり10分程度ですが、こちらからいくつか質問をし、その受け答えに対して最後にアドバイスをしています。生徒は毎年、緊張した真剣な表情で取り組んでいますので、こちらも襟を正して行っています。
〇生徒には夏季休業中に質問用紙を記入してもらっていますので、それを中心に受け答えの練習をしていきます。例えば「将来の夢は何ですか?」「自分の長所・短所は何だと思いますか?」「普段の生活で気を付けていることは何ですか?」等の質問をします。それに対して生徒が答えた内容を受けて、「それはどうしてですか?」「そのことについてもう少し詳しく教えてください」と質問を続けます。
〇実はこの第2問こそ面接官が一番知りたいところであり、その答えにその生徒の個性や普段の考え方などがにじみ出てきます。もしその第2問に対して、「わかりません」や「考えたことはありません」などと答えてしまっては、せっかく自分のアピールできる場面を自ら放棄してしまうばかりでなく、「この生徒は普段からあまり深く物事を考えないのか・・」という印象を相手に与えてしまいます。
〇9月でもまだまだ暑いですが、面接練習なので、制服を着用します。面接官は話をする前には、生徒の表情や制服の着方に目を向け、「この生徒はどんな生徒だろうか?」とまずイメージを持とうとします。面接官は過去に何千人の面接をしていますので、最初の印象だけで大方のことは把握できます。
〇私も校長として千人くらいの面接をしてきましたので、同じようなこともできますが、高校の面接官との一番の違いは、普段から同じ学校で過ごしていますので、学校で見たり聞いたりする本人の情報量がはるかに多いことです。またこの3年生は入学当初から知っていますので、質問も一般的なことよりももっと具体的な内容になるかもしれません。楽しみです。
〇来年の3月の卒業式まで、あと半年ですので、教職員とともに生徒の進路決定にかかわっていきます。
須藤昌英
【昨年の様子】
9月10日(火)日常生活での自転車の利用について
〇先週末の夕方、1年生徒が自宅付近で自転車に乗っていた際、前に転倒し顔に擦過傷を負う事故がありました。登校中ではなかったので、学校としては月曜日にその情報を得て本人から話を聞きました。そこからその事故を想像すると、背筋が寒くなるくらいの思いがしました。
〇幸いにも頭部を打つことはなかったのですが、もし頭部であれば、精密検査などが必要になり、場合によっては入院措置になります。自転車は便利で、適度な運動にもなるので乗ることはたいへんけっこうですが、もう一度道路交通法上では「軽車両」となり、公道での事故は「交通事故扱い」になることを再認識する必要があります。
〇特に気を付けて欲しいのは、対自動車の事故で、その原因は、交差点などでの「出会い頭での衝突」となっています。ある統計によると自転車事故については,対自動車との事故の割合が約8割にも及びます。事故の背景には、自転車側の「気の緩み」が関係しているケースも少なくありません。
〇例えば次のような行為をした経験のある人もいるのではないでしょうか。「スマホを操作しながら運転した」「音楽を聴きながら運転した」「考え事をしながら運転した」「今なら渡れると急いで走行した」「友人と話しながら並列走行した」「傘をさして片手で運転した」。どれも危険な行為であることは冷静に考えればわかりますが、実際には「安全に気を付けていれば大丈夫」「車がよけてくれるから大丈夫」と思いこみ自転車を利用していることが多いのだと思います。
〇私も今朝は自宅から自転車で通勤しました。健康のためもあるのですが、車ではなくたまに自転車に乗ると、自転車視点での危険性が感じられ、生徒にも具体的に声をかけやすくなるからです。やはり歩道のある場所は歩行者に配慮して走れますが、歩道のない場所は後ろから来る車の気配を敏感に感じながら運転しないと怖いです。
〇自転車通学者にはヘルメット着用を条件に、登下校での使用を認めていますが、普段の生活ではまだヘルメットの着用は「努力義務」となっています。ただホームセンターなどでは前に比べて、ヘルメットを販売するコーナーが増えていますので、ご家庭でも一度ご検討ください。
〇ヘルメットと言えば、私も16歳から免許を取得し、原動付自転車(50ccの原付)に乗り始めましたが、当時はまだバイクでも原付だけはヘルメットを着用しなくても一般道を走行できていました。その後数年経って、原付にもヘルメット着用が義務付けられました。その時私はもう車を運転するようになり、原付に乗っていませんでしたが、心の中では「ヘルメットを着用してまで原付に乗る人はいるのだろうか?」と思っていました。
〇実際に友人の一部では、同じようなことを言っている人もいました。しかし段々と原付のヘルメット着用が浸透し、今では当たり前になっています。ですので今後自転車にヘルメット着用義務が課せられても、同じように少しずつ普及していくのでは・・と予想しています。
〇ともかく自転車の利用については、中学生と言えども歩行者に対しての自己責任が問われます。過去には数千万円の損害賠償を中学生の保護者が支払う旨の判決も出ています。十分に気をつけて運転してください。
須藤昌英
【富勢中の折り畳み自転車】
9月9日(月)第38回柏市小中学校科学展
〇7日と8日の両日、さわやかちば県民プラザの回廊ギャラリーで行われた科学展では、各校から夏休みの自由研究の代表として出品された作品や論文が展示されました。本校からは6つの論文作品を出品しました。
「重さ落下速度の考察」1年 大坪龍正さん
「とにかく汚れを落としたい」1年 菊池椋太さん
「色あせのひみつ パート2」1年 大杉菜穂さん
「音の形から~クラドニ図形による音楽の視覚化」2年 小嶋夕葵さん
「泡沫の生成実験」2年 桒原汐里さん
「生ゴミで堆肥をつくる~堆肥をつくって家庭のゴミを減らす~」3年 渡部遥斗さん
〇どれも科学的思考により、仮説(予想)をもとに、実験観察の結果(事実)と考察(仮説の検証とその判断根拠)をわかりやすくまとめてあります。理科の実験観察だけではなく、いろいろと人を納得させる文章は、すべて上記の要素が含まれています。各教科でもそのような力を身に付けることが目標の一つになっています。
〇身近な事象に疑問をもち、「自分で調べてみたい」という自主的な動機をきっかけに、未来の科学者が育っていくことを楽しみにしています。
〇この科学展に毎年、本校の理科担当の竹上教諭も出品しています。今年も2つの自作教材が最優秀賞を獲得しました。こちらは内容が専門すぎてよくわからないところもありますが、その変わらぬ研究心には感服します。
須藤昌英