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2025年5月の記事一覧
5月19日(月)1学年理科
〇1学年の理科は第2分野の「生物」を学習しています。理科室で本物の教材を使用して学ぶことで、生物全体のイメージを持たせるようにしています。
〇中学校学習指導要領理科編には、次のような詳細が示されています。「身近な生物についての観察,実験などを通して,いろいろな生物の共通点と相違点に着目しながら,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けたり、生物を分類するための観点や基準を見いだして表現したりすることができるように指導する。」
〇植物や動物は身近な題材ですので、自然科学に興味や関心をもつ入口になってもらいたいです。
須藤昌英
5月15日(木)16日(金) 出張中
〇16日は、文部科学省の各課の課長から国教育に関する政策や予算などの説明がありました。特に次期の学習指導要領の方向性を、直接担当の課長から聞けたのが参考になりました。持ち帰り学校運営に活かしたいと思います。
〇本日と明日、全日本中学校校長会総会に参加するため、東京の代々木にある国立オリンピックセンター記念青少年総合センターへ行っております。そのためブログはお休みさせていただきます。
5月14日(水)課題解決型授業と1学年音楽
〇本日より授業の様子を1時間の流れがイメージできるように、ポイントだけを押さえ4コマで伝えていきます。4コマはいわゆる「起・承・転・結」で、別の言葉で表現すると「見出す、広げる、深める、まとめあげる」です。
〇「見出す」の段階ではその授業の課題を把握し、1時間の見通しを持たせることを大切にします。ゴールはどこかをイメージし、主体的に授業に参加させるようにします。
〇「広げる」では、まず与えられた課題に対して自分で考えたり調べたりすることをさせます。つまり課題に対して「当事者意識」をもたせ、試行錯誤を通して自分なりの答えをもつようにします。
〇「深める」では、自分の考えと友達との考えを出し合う交流や対話をさせます。このことによりそれぞれの考えの違いや共通点が明確になり、いろいろな角度から課題を見つめることができます。
〇「まとめ上げる」では、1時間の授業でわかったこと、自分の考えが最初と最後ではどう変わったかの振り返り、さらに次時にはどのようなことを学ぶのかのイメージをもたせます。
〇教科ごとに身につけさせたい資質能力や学習内容は異なりますが、上記の4ステップはすべての授業で共通です。来月の2日~5日までの学校公開における授業参観でも、起承転結の流れを意識して参観して頂くと、担当教師のねらいがわかってくると思います。
〇昨日は1学年の音楽を参観しました。私は生徒になったつもりで、生徒の表情の変化やつぶやきを拾いました。長年の癖でどうしても教員の立場で授業をみることが多いですが、あえて生徒の学びの視点に立つことで、その授業の本当の姿がみえてきます。
須藤昌英
5月13日(火)「主体性をもつ」について
〇これまでの40年近い教員人生を振り返ると、中学生にとって「自ら主体性をもつ」ことは最重要な成長課題であると感じています。大きな可能性を秘めている彼らにとって、挑戦したことにたとえ失敗したとしても、その失敗を通して次への意欲を高めていくことが大切です。
〇そもそも人間は、例えれば「紙切れ一枚でも他人から持たされて持っていると思うと重たく感じる」ものです。ところがこれが「家族や信頼できる人の為に持つ荷物となると、どんなに重たい荷物でも軽々と持っていける」となるのではないでしょうか?要するにある行動をするのに、どんな意識をもって取り組むかによって、まったく別の感情をもつことになります。
〇この雑感ブログも、人に言われたから仕方なく、意識として「やらされてやる」となれば苦痛しかありません。「なぜ学校の様子を毎日伝える必要があるのか?」「果たしてどれくらいの人がこれを読んでいるのか?」などと心の中で毎日逡巡し、だんだんとやる気が失せていくと思います。
〇ただ単純に「学校の様子や生徒の成長面を校長の視線から綴っていこう」とだけ意識していれば、見たことや聞いたことをそのまま伝えるだけですので、そんなに負担には感じません。これもある意味「主体性をもってやっていくこと」であり、それによって少なくとも苦痛にはならないことをのぞみつつ、片意地はらずに続けていけます。
〇これまで東京都の公立中学校校長や横浜創英中学・高等学校の校長を歴任し、現在も執筆活動を続けている工藤勇一氏は、著書の中で、次の指摘をされています。引用させてもらいます。
「学校の最上位の目的が『子どもたちに社会で生きていく力を見につけてもらうこと』であり、3つの資質「自律」「尊重」「創造」を育てていくに当たって、もっとも重要なのが、Agency(当事者意識)である。当事者意識をもった子どもたちが社会で出ていくことで、幸福な社会が実現される。しかし、日本の子どもの当事者意識の低さ(これは大人も同様)は、極端な受け身の思考回路となり、『社会や国の未来も自分の幸せも、周囲の誰かがどうにかしてくれるはずだ』『問題が発生したり自分が不幸になったりしたら、それは周囲の大人のせいだ』となってしまう。教育を含め、日本の社会全体がサービス産業化し、大人は子どもに手をかけすぎている面がある。そのことで、子どもによる自己決定の機会がなく、自分で考えたり新しいことに挑戦したりする姿勢が育たない。サービスを過剰に与えられた子どもは、「より良いサービス」を求め、「サービスの質」に不満をもち、『あの先生の授業は教え方が悪い』『あの担任のせいでうちのクラスはまとまらない』と人に原因をなすりつけていく。最も心配なのは、自律できない→自分のことが嫌い(劣等感が強い)→他人を尊重できないの構図ができあがり、社会性どころか自己肯定感まで下げてしまう。」
〇いかかでしょうか?日本人がよかれと思い子どもへ教育してきた負の一面を厳しく指摘されています。学校の本当の役割や子どもの「自律・自立・自主性」を伸ばすためには、何が必要で何が不要なのか?これまでも考え続けてきましたが、校長として今日一日もう一度再考してみたいと思います。
須藤昌英
5月12日(月)「関心・感心・貫心」
〇土曜日までの修学旅行を終え、今日は3年生は代休です。修学旅行のしおりに私から次の言葉を掲載しました。
●これまで皆さんが懸命に準備を進めてきた令和7年度修学旅行が今、始まろうとしています。この校外学習の舞台は、かつて日本の中心として栄え、多くの寺社仏閣、国宝、重要文化財、伝統文化や美しい風景を今に伝える奈良・京都です。古都の「自然」「風物」「人情」等が醸し出す「雰囲気や情緒」は、他の地方では感じ取ることのできない独特なものです。私たち日本人の心がそこに凝縮されているようにも思えます。ぜひ皆さんの若い感性で伝統的な日本文化を感じとって下さい。きっと新しい発見の連続だと思います。また事前学習で得た知識等を古都でのフィールドワーク(知識と体験をつなぎあわせる)を通して、「生きて働く知識」に変化させて下さい。「古いものの中に新しさを見出していく感覚」を身に付けることは、品のある大人になる条件ともいえます。この2泊3日の行程は、3学年の生徒とそれをサポートする先生方との団体行動が中心です。思いやりを持ち、各自の責任を果たしながら交流を深めましょう。旅の忘れがたい思い出として、友達や先生方とのふれあいも多くあります。寝食を共にし、学校生活では気づけなかったお互いのよい面を見つけあい、そして語り合って下さい。最後にこの修学旅行を実りあるものにするために、尽力してきた実行委員会の皆さん、本当にご苦労さまです。本番もどうぞよろしくお願いします。「土中生としての誇り」を胸に、さあ出発しましょう。
〇今年のスローガンは、「関心・感心・貫心」でした。しおりには、「関心:たくさんのことに興味をもつ。感心:事前学習や体験で理解を深め、心を動かす。貫心:責任をもち、決めたルールを最後まで貫く」と書かれています。彼らの3日間の様子をみて、それぞれほぼ達成できていたように思います。
〇班別行動での思い出はそれぞれですが、学年として参加した体験学習が3つあります。1日目の「舞妓鑑賞」、2日目の「能体験」、そして3日目の「座禅体験」です。内容は異なりますが、それぞれの道に懸命に取り組んでいる講師の姿や言動は、生徒たちの心に響いたことは共通しています。
〇舞妓さんはまだ十代の女性で、中学卒業後新潟から京都に来て、格式のある芸の道に日々精進しています。彼らと年齢が近いので最後の質問コーナーでは、稽古の大変さや衣装の特徴などを熱心に質問していました。舞妓さんから「生徒さんたちは熱心に話を聞いてくれてうれしかったです」と言葉をもらいました。
〇能の家元さんは、能の普及の為これまで大勢の修学旅行生を受けいていますので話も上手で、室町時代から淡々と続いている能の歴史や源義経などを題材にした演目をわかりやすく説明してくれました。近年の増加する外国人の方々に説明するため、この数年ご自身で懸命に英語を習得されているようですが、「私も中学生の頃は英語から逃げていましたが、必要であればこの私でも習得できます。皆さんも必ずできますよ」とメッセージをくれました。
〇圧巻だったのは臨済宗大本山の宗務総長さんの90分間の座禅体験でした。私よりも6歳ほど年齢は上ですが、体格もよくその声が大きなお堂の中で響き渡っていました。座禅をする前に、過去のオリンピックや災害(阪神淡路大震災、東日本大震災)の話を通し、「今君たちがこうして当たり前のように修学旅行に来て、この天龍寺で座禅していることは決して『当たり前ではない』ことを朗々と話されました。最後は「要するに『できるか、できないか』ではなく、『やるか、やらないか』だ。君たちはもう何でもできる力を備えもっている。しっかりと生きていくんですよ」と結んでいました。座禅に入ると自ら警策という長い棒で、背中に「喝」をいれてもらう生徒が続出し、大きなお堂のあちこちから、「バシッ」という乾いた音が聞こえていました。
〇このように本物(オーセンティック)に触れることが、中学生にとって何よりも大切な経験となることを再確認した2泊3日でした。明日からの3年生の成長に期待します。
須藤昌英
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