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校長雑感ブログ

7月7日(火)パティシエの講話(3学年)とセミの初鳴き

〇昨年の今頃は、空梅雨で毎日真夏日が続いていました。連日のように暑さに対する警戒をしていたのを覚えています。今年はまだ、蒸し暑さはありますが、熱中症にかかるほどではありません。しかし今週の後半から本格的な暑さがやってきます。エアコンを適切に使用し、こまめな水分補給を心がけ、体がまだ暑さに慣れておらず、熱を逃がす機能や汗をかくことが十分ではないので、特に注意が必要です

〇先週の金曜日の5校時に、3学年のキャリア教育として、パティシエ熊谷治久氏に講話をしていただきました。熊谷さんは、流山市やその他の場所で6店舗(従業員80名)のフランス菓子店(レタンプリュス)を経営している方で、テレビで紹介されるほどの腕前の方です。私も初めてお会いしました。

〇レタンプリュスのホームページには、美味しそうな菓子がズラッと並び、特に「モンブラン」やバウムクーヘンの原型である伝統菓子の「ガトー・ピレネー」、色鮮やかな「プティフール・フレ」などの生菓子・焼き菓子が人気を集めていることがわかります。

〇熊谷さんは柏市出身で、3年学年主任のかつての教え子であり、本校の教頭が当時の部活動(サッカー)の顧問だったという縁があります。学年主任のたっての希望で土中に来てくれました。また流山市に住んでいる本校の職員の一人は、その店があまりにも有名店なので、まさかそのオーナーが来校するとは、当日まで信じられなかったようです。

〇講話のメインは、熊谷さんがフランスに修行へ行った際の苦労話でした。知り合いもなく誰一人とも知らないパリの街で、手当たり次第に店に入っては、「ここで働かせてほしい」と頼み込んだそうです。それでもなかなか見つからず、やっとある菓子店へ見習いで働かせてもらうことになりました。

〇その店には同じく日本から来ている日本人がいましたが、彼らは言われたことしかやらなかったのに対し、熊谷さんはシェフの仕事ぶりを遠くから観察し、そのシェフが忙しい時には、積極的に手伝うために近づき、叱られてもめげずにそれを続けたそうです。すると、そのうちシェフの方から熊谷さんに声がかかるようになり、いろいろな仕事を任せられるようになったそうです。「待つのではなく、自分から失敗をおそれずにやってみる」のが大切だというメッセージでした。

〇熊谷さんは目の前のシェフが何を欲しているのかを想像し、シェフが次に使う道具や材料を、使いやすい位置や向きでスタンバイしたそうです。修行段階でシェフから「技を盗む」には、ただ漠然と動作を眺めるのではなく、シェフの行動の理由を予想し、観察することが最も重要であることが、講話を聞いていてわかりました。

〇ある生徒は感想として、「高校までやっていたサッカーを通して身に付けた粘り強さをいかして、まったく無縁だったお菓子作りの世界に挑戦したところがすごいと思いました」と言っていました。生徒たちも何かを成し遂げている方の話を、自分事としてとらえて聞く能力が育っています。

 〇先週末、自宅近くの公園で今年初めてのセミの鳴き声を聞きました。「チー、ジー」と低く引きずるように鳴くので、おそらくニイニイゼミだと思います。梅雨明け前後の、まさに「夏の始まり」を告げるトップバッターのセミだそうです。それを聞くと毎年「本格的に夏が始まったな」と感じます。ちなみにその年に初めて聞くセミの声は「初蝉(はつぜみ)」と呼ばれ、夏の季語にもなっています。

〇その他にも、「ジリジリジリジリ…」と油あぶらで揚あげ物ものをする時の音に似にているのでその名のついたアブラゼミや、ミーン・ミンミンミンミー」と日本の真夏の風情をかき立てるように響き渡るミンミンゼミが有名です。また夏の後半からは、ツクツクボウシの「オーシツクツク」、ヒグラシの「カナカナカナ」なども聞こえてくるでしょう。

〇よく「セミの一生は短い」と言われていますが、少し調べると、地上に出てきたセミ(成虫)の寿命は1週間程度ですが、その以前は親の成虫が木の幹などに卵を産み、その卵から生まれた幼虫はまず土の中に移動します。そして幼虫は土の中で長い期間を過ごし、やがて成虫になると地上に出てくるそうです。

〇時間的には幼虫の期間が、数年~7年くらい(長い場合は10年以上も幼虫のまま土の中で過ごすこともある)です。しかし成虫になって地上で過ごす期間は、わずか1週間から数週間(環境が良くて長生きした場合でも1か月ほど)です。

〇つまり、セミの一生は幼虫の期間が7年ほど、成虫はわずか7日間で、合計7年7日ほどということになります。ということは今その鳴き声を聞いているセミは、コロナ禍前くらいに卵から幼虫となって、そのご成虫になるために着々と準備してきたことになります。

〇それを考えると、少し感慨深い気もします。間もなく朝から一日中暑い日が始まり、それが9月終わりころまで2か月以上も続くと思うとゾッとしますが、成虫として短い一生を終わるセミの鳴き声を聞いて、「暑さに負けないように・・」と自分に言い聞かせるとともに、「生徒たちもこの夏の暑さを乗り越えられますように・・」と願っています。

須藤昌英