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校長雑感ブログ

2月3日(火)節分&立春と鬼退治

〇今日は「節分」で、明日は「立春」です。北風が吹くと寒く感じますが、それでもこの冬は例年よりも少し暖かい気がします。今週も寒さは落ち着くものの週末は寒の戻りが予報されています。ただ「立春」と聞くとますます春が近づいている気がします。

〇節分の日は、全国各地の大きな神社仏閣で、著名人などが参加して盛大な豆まきを行っているところがテレビなどで映し出されます。節分はもともと、平安時代の宮中で行われた「追儺(ついな)」という厄除け儀礼が、季節の変わり目である立春の前日に行われるようになったものです。それが時代を経て民間にも広がったものです。

〇豆をまいて鬼を追うというのは、鎌倉時代以降、疫病や災厄を払うことからきているようです。それだけでなく、人の心にある穢れや乱れを祓い、新しい春を迎えようとする祈りが込められていると言えます。

〇もともと鬼には姿はありませんでした。少し調べると、古来死者の霊を一般には「鬼(き)」といい、人の認識を超えて、人に働きかけてくる超人間的作用のうちの忌避すべき観念に連なるものを「鬼(おに)」と呼ぶようになりました。それが江戸時代で、今の「赤鬼・青鬼」の姿が完成され、それぞれ角があり虎の皮の腰巻をつけて、金棒を持っている姿を、現代の我々はイメージするようになりました。

〇今日の給食メニューは、節分にちなんで、「豚丼、鰯(いわし)のつみれ汁、鬼まんじゅう、入り大豆、牛乳」です。昔は家庭でも鰯の頭を焼いて柊の枝で刺した「柊鰯(ひいらぎいわし)」を家の玄関などに飾る風習があった記憶があります。

〇鬼が家に入ろうとした時に、鰯を焼いた強烈な臭いで驚かせ、柊の棘で鬼を刺し追い払うための魔除けの儀式だと親から教わりました。今は恵方巻と呼ばれる巻物などがスーパーで大量に陳列され、良い方角を向いて食べることが浸透しているようです。

〇また年齢の数だけ豆を食べることも風習としてあります。大豆は良質なたんぱく質ですから身体に良いとわかっていても、さすがに私も数え歳の64個は食べられません。

〇「節分」はその名の通り季節を分ける意味で、立春の他にも立夏、立秋、立冬の前の日はすべて「節分」の日です。つまり「節分」は年4回あります。その中でも特に春は新年の始まりでもあることや希望をもつという意味合いから、特に春の節分が重視されるようになり、一般的に「節分」というと立春の前日を指すようになったそうです。

〇節分の日は太陽暦のカレンダーにおける大晦日にあたるそうです。この時期には中国などで、「春節」としてお祝いを盛大にするのをニュースでよく見かけます。私の自宅の近くにも中国の方がお住まいで、この時期は中国に帰っていることも多く、会うと楽しそうにその様子を話してくれます。

〇節分の日は新年を迎えるにあたり、鬼を退治するために豆が使用されます。昔はどの家庭でも豆まきを行っていました。一説によると、「魔(ま)を滅(めっ)する」という語呂合わせから「まめ」をまくようになったようです。

〇また日常でも「まめによく動く」などで使われるように、「まめ」という言葉には「体が丈夫で気が利く」という意味もあり、節分に使われる豆は「福豆」と呼ばれ縁起が良いものとされています。千葉県などは特産の殻付きの落花生を使うところもあると聞いたことがあります。

〇ではその鬼とは何を象徴しているのでしょうか?よく言われるのが、自分の心の汚い部分や弱い部分です。自分だけが得や楽をしようとしたり、相手を貶めたり意地悪をしたりする人は、少し反省することも必要でしょう。

〇誰しも「心の弱さ」はありますので、それから目をそらさずに、気づいたことはためらわずに、自分に取り入れていくことが「学び続ける」ことだと思います。自分の行動面で、普段からだらだら過ごしたり、なまけ心に勝てなかったりすることなども一つの鬼と捉えられるかもしれません。いずれにせよ自分を制御(コントロール)できるか否か、誰にとっても一生涯の課題とも言えます。

〇豆まきの時には一般的に「鬼は外、福は内」と言いながら豆を投げますが、これはご存じの通り、鬼(厄や邪気)は家の外へ、福(幸運や福の神)は家の中へどうぞ、という意味が込められています。鬼も「赤鬼は貪欲、欲望、渇望」の象徴で、「青鬼は瞋恚、悪意、憎しみ、怒り」を表しているそうです。自分自身の悪い心に豆をぶつけることで、福徳に恵まれることを信じて行われてきたのでしょう。

〇詩人の坂村真民(さかむら しんみん1909~2006)氏は、教員を終えた後に詩人になられた方です。多くの胸に刺さる詩を残していますが、その中に「節分」という短い詩があります。

追っ払われた  鬼の子たちが  お母ちゃんと  呼んでいる

それがつらくて  節分は  さびしい  何度も  目が覚める   

〇人間が鬼を追い払うのは、正義のつもりなのでしょうが、追い払われた鬼の子たちはかわいそうだというのです。私はこの詩から、「多様性はあらゆる方向から見ないとその感覚を保つことは難しく、決して小さな世界で語ってはいけない」と感じます。「人間も鬼も多様性の中では平等な存在」だということを納得するのは容易ではありません。

〇なおさら坂村真民氏の優しく大らかで繊細な心が伝わってきます。坂村氏の代表作「念ずれば花ひらく」は有名で、昔高校野球の名物監督がチームのスローガンとして掲げていましたので、私も知っていました。一心に願い努力を続ければ、必ず良い結果が出るという信念を詠い、多くの人の心をとらえました。

〇今日から千葉県公立高等学校入学者選抜にかかる出願が始まります。中学校では豆まきはしませんが、受検生が無事に自分の力を出し切れるように、今晩自宅で豆まきをしようと思います。

須藤昌英