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校長雑感ブログ
11月5日(水)チームエフォート(TEAM EFFORT)
〇先週は野球のメジャーリーグの頂点を決める「ワールドシリーズ(World Series)」のテレビ中継が連日放送され、ロサンゼルス・ドジャースが、2連覇を果たしました。私自身は幼いころから高校まで野球をしていたので興味がありましたが、今まであまり関心の薄かった人もたくさん観戦していたようです。
〇一般的にアメリカのスポーツ観戦は、野球に限らずエンターテイメント(娯楽)性が重視されており、野球のルール等を深く知らなくても楽しめることもその要因でしょう。そして何よりも世界が注目するその大舞台で、複数の日本人選手が活躍する姿を観ることができるのが最大の理由だと思います。
〇今回のワールドシリーズでは山本選手が最優秀選手(MVP)に選ばれましたが、そのワールドシリーズの一歩手前で、リーグの頂点を決める優勝決定シリーズでは、大谷選手がMVPになりました。彼がもらったトロフィーには、個人の栄光をたたえるプレートがありましたが、選手の控室に展示された際のそのトロフィーには、その文字を隠す形で「TEAM EFFORT(チームの成果)」とボードが添えられていたことが「大谷選手らしい」と話題になったそうです。
〇大谷選手はMVPを受賞後のインタビューで「みんなを代表してもらっていると思っています。僕が(MVPを)もらいましたけど、本当にここに来るまでのすべての試合がやっぱり一番大きかったなと思います」と、チームメートへの感謝を口にしていました。
〇私もこの「チームエフォート」という英語は今回初めて知りましたが、調べるとその意味は「チームの努力」や「チームワーク」です。一人ではなく、複数の人が協力して一つのことを成し遂げたこと、またはその成果を指します。
〇私は初任から丸20年間、3つの中学校で野球部の顧問をしていました。今思うと、自分がプレーしてきたスポーツをもたせてもらえたことは、とても幸運だったと思います。同期の教員や後輩でも、まったく経験も知識もない部活動を担当することになった人がいました。さぞ大変だったろうと思います。
〇それでも自分自身が選手ではなく、指導者としてチームをまとめていくことは、最初からうまくできたわけではありません。野球は「投げる、打つ、捕る、走る」など複数の動作を組み合わせてプレーしますので、個人によってどの動作が得意(好き)かまたは苦手かはまったく異なります。
〇人間の心理としては当然、誰もがせっかくプレーをするなら自分の得意な面でアピールし、時にはヒーロー的な存在になりたいものです。自己実現(自分自身の可能性や才能を最大限に引き出し自分らしく生きること)のために好きなことに集中して取り組んでいるのです。私も選手の時には、打つことや投げることにこだわり、それを強化するために練習に打ち込んでいました。
〇ただ指導者(監督)になるとまず、各選手の強みと弱みをつかみ、9つの守備位置や打順などを決めていきます。やみくもに選手を起用したりしては、そのチームの特徴をいかした試合をすることはできません。チーム事情によっては、選手本人が望まない場所を守ったり打ったりさせなければなりません。
〇監督としては、日頃から選手一人ひとりと会話し、もし本人の希望でないところで起用する時には、「君がこの役割でチームに貢献してほしい」と説得しました。大抵は素直に「わかりました」と受けてくれましたが、稀にそうでない場合もありました。
〇ただそういう選手は新しいことに挑戦することに不安があるだけで、実際にやってみると自分の新たな力が発掘され、その後は生き生きとプレーしていました。昔の部活はそうであったように、さらに私も若かったので、勝負にこだわった采配を優先していました。
〇でも今の部活動の目的は「心身の健全な成長を促し、自主性や協調性、社会性を育むこと」です。つまりスポーツなどの活動を通じて達成感や自己肯定感を高め、仲間と協力して目標を達成する過程で、社会生活を営む上で必要な能力を身につけることが期待されています。さらに同学年だけでなく、学年を超えた交流を通じて、多様な人間関係を築こうとすることも重要です。
〇金曜日の合唱フェスティバルでも、各クラスがこれまでの練習の成果を精一杯発揮してくれることでしょう。指揮者、伴奏者、パートリーダーの指導のもと、みんなで楽しんで歌い、「チームエフォート」を実感してもらいたいです。
須藤昌英
【大谷選手のトロフィー】
11月4日(火)インフルエンザ流行と2学期学校公開
〇昨日は木枯らし1号が吹き、午後から一気に寒くなりました。振り返ると1学期の学校公開は、6月2日(月)~6日(金)で行いました。そして最終日の6日は体育祭でした。暑さ対策を最優先していたその時期が、今では懐かしく感じます。
〇今日から金曜日までは、2学期の学校公開日です。最終日の7日は合唱フェスティバルになります。Sigfyでご案内を送付していますが、どうぞご来校ください。
〇2025年10月現在、例年より早くインフルエンザの感染が拡大しているようです。特に児童生徒の場合は、学校の集団生活で感染してしまうというケースが多いようです。
〇厚生労働省によると、今季流行の中心は「香港A型(A/H3)」で、全国の約半数を占めているそうです。この型は重症化リスクが高く、ワクチンの効果が得にくい傾向にあるとも言われています。
〇ただ気を付けなければいけないのが、比較的症状が軽く、インフルエンザだと気づかないまま感染を拡大させてしまう“かくれインフルエンザ”があります。
〇我が家のかかりつけの同じ町内にある内科医院の院長先生は、学区の校医にもなっています。先週、私が受診した際に、学区内の小学校長から院長先生に相談があり、「インフルエンザにかかっている6年生が相当数いるが、来週予定している修学旅行をやってよいか中止すべきか?」と尋ねられ、答えに窮したことを教えてくれました。
〇最後には「発熱したがインフルではないとされている児童も実はインフルエンザである可能性は高いですね」とアドバイスしたそうです。果たしてその学校の修学旅行はどうなるのでしょうか?他の学校のことですが、「もし自分の学校だったら・・」と考えると他人事のように思えません。
〇調べると、高熱や激しい咽頭痛があってもただの風邪というケースもある反面、ほぼ熱も出ず、なんとなく倦怠感があるだけでも実はインフルエンザに罹患している“かくれインフルエンザ”により、気づかぬうちに感染を広げる事例も多いようです。軽い症状でも油断せず、早めに検査し、正しい治療を受けることが大切でしょう。
〇今年の夏は非常に気温も高い上に残暑も長かったことや、最近の寒暖を繰り返す状況から、基本的に体力を消耗しています。私もそれを実感しています。また猛暑のために外出を控えて運動不足になってしまったことや、夜、寝づらくて睡眠の質が低下していたこと、生活リズムが狂ってしまったことも、バテの要因になっています。
〇体調不良を完全に快復するには、2~3か月と長期間を要することも多く、夏・秋バテを起こした体の自律神経やホルモンバランスの乱れが未だに続き、免疫調整力が万全でない人も多いことでしょう。
〇インフルエンザが10週連続で増えているということと、これからがインフルエンザシーズン本番ですが、自分は大丈夫と思っていても、急に高熱が出たりするから油断はできません。基本的な感染対策はもちろん、睡眠や食事などで免疫を高めることも大事だと思います。またワクチン接種後は効果が出るまで2週間ほどかかるため、気温が低下する冬を待たずに早めの接種が無難でしょう。
〇7日の金曜日は合唱フェスティバルが行われます。インフルエンザなどでせっかくここまで練習をしてきたことを発表できなくなることはできるだけ避けたいものです。
〇保護者の皆様も授業参観等はできる範囲でマスクをしたり、日ごろから手洗い・うがい・アルコール消毒をこまめにしたりするようにお願いします。
須藤昌英
【除菌関係グッズ】
10月31日(金)「やればできる」と「できるからやる」
〇教員として39年間、目の前の生徒の可能性を引き出し伸ばすことを最大の目標として取り組んできましたが、いつも迷うのは、「【やればできる】と【できるからやる】の2つのどちらが正しいか?」です。「ニワトリが先か、卵が先か」みたいな話ですが、自分としては今でも最大の課題です。
〇「やればできる」は、昔から言われている「人間は努力を美徳とし、楽な方を選ぶことを嫌うべき」が根底にあります。コスパ(効率性)の面から考えると、苦労せず楽に成果が得られるのであれば、最適最良です。
〇しかしその一方で、教育的側面からは、「努力を通じてスキルや知識を習得することで定着が強固になる」という従来の考えにも、妥当性はあると思います。昭和から平成へと日本の教育の主流はこの「努力の継続」が中心でした。
〇以前にオレンジの服が印象的である芸人さんがテレビなどで、そのポジティブな性格を前面に出し「やればできる!」というフレーズを大きな声で連呼していたことを覚えています。確かに明るい笑顔で言われると、だれでもその気になってきます。
〇その芸人さんは、「僕の『やればできる』っていうのは『やれば成功する』ではなくて『やれば成長できる』よねっていう思いを込めています」と説明していました。それを聞いて私もそれにはまったく同感しました。まずはやってみることが大切だと思います。
〇若い頃に学級担任をしている時も、「やろうと思わないから出来ないんだよ」みたいなことをよくクラスの生徒たちに言っていた記憶があります。当時は自分も若く、生徒たちへの叱咤激励のつもりでしたが、今振り返ると半分は自分自身に言いきかせていたような気がします。果たしてその時に言われた生徒たちはどう思っていたのだろう?と今さらに思います。
〇しかし最近は少し違ってきました。むしろ人は「できるからやる」という見方も、正しいのではないか?と思っています。努力し挑戦すること(やればできる)によって生徒たちは日々成長していますが、その前提として可能性という「成長の種子」を生まれつき自分の中にすでにもっていて、その種子を開花させている(できるからやる)に過ぎないのではないでしょうか?
〇「やればできる」の陥りやすい点は、今出来ていることはあまり重視せずに、次はコレを達成したらその次はコレをする・・と果てしない無限ループになりやすいことだと思います。精神的に疲労します。
〇一方で「できるからやる」については、失敗を極端に恐れるという傾向がある今の若者の特徴がその意識を薄めていると感じます。人は誰でも失敗し、その失敗を次にいかして前へ進んでいくのであり、一つの失敗で「すべてがダメ」と自分を否定してしまうことがとてももったいないと今の生徒たちを見て思います。
〇その原因の一つは、大人(保護者や教員など)が生徒たちに今取り組んでいることの結果を性急に求めすぎることがあると思います。「子どもや生徒の可能性を引き出してやりたい」との願いは良いのですが、その前に今彼らが何を思い、何に取り組もうとしているのか?を聴いてあげることが大前提だと思います。そして私も含めて「生徒が自ら動き出すことを信じて待つ」という大人の姿勢が正直足りないと思います。
〇「失敗を成功で上書きする」という言葉があります。「失敗を失敗のまま終わりにせず、それを小さな成功つなげる」ということを、生徒たちには折に触れて伝えていきたいと思います。
〇最後に、昔ナイキというスポーツメーカーのCMに、マイケルジョーダンというアメリカのバスケットボールのスーパースターが出演していました。彼は私と同じ年齢ですので、バスケットボールに興味がなかった私もその存在感には注目していました。
〇その彼のCMの中でのセリフが今でも頭に残っています。紹介します。「キャリアで失敗したシュートは9000本。300試合に負けた。26回ウィニングショットを外してきた。今までミスしてきた。何度も何度も・・・。だから私は成功する」
〇今の生徒たちは彼のことは知らないかもしれませんが、みんなからスーパースターと言われている人でも、数知れない失敗を経験してきていることは伝えたいなと思います。
須藤昌英
10月30日(木)「リフレーミング」の訓練
〇朝の気温が10℃を下回り、登校する生徒たちの服装も冬服を選択する割合が一気に高まりました。市内の小学校でもインフルエンザが流行しているようです。体調管理がより一層重要な季節になりました。
〇「リフレーミング」という言葉は、「認識の枠(フレーム:frame)を改める(re)」ことを意味します。つまりリフレーミングとは、物事を別の角度から解釈し直すことで、簡単に言えば、一つの視点ではなく、いろいろな角度からの見方をすることにより、嫌なことや苦手なことをポジティブ変換する「思考テクニック」です。
〇よく使われる例えとして、目の前に水の半分入ったコップがあったとします。ある人はこれを「な~んだ半分しかない ⤵」と思う、また別の人は「よ~しまだ半分もある ⤴」と思う、この2つの差は大したことないかもしれませんが、すべてのことに対してそのような見方をしながら生きていれば、その差は計り知れない差になります。
〇「コップ内の水の量が半分」という事実を変えることはできなくても、その事実をどう解釈するかで、その感じ方や行動は大きく変わります。ただこれはだれもが日常生活で経験すみだと思います。
〇リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。モチベーションアップや自分に自信がつく、ものごとへの苦手意識が弱まったり人間関係が良くなったりすることが心理学の面から報告されています。
〇3年生の校長面接では何人かの生徒に、「確かに苦手なことに取り組むのは気がひけますが、『何でも初めから完璧にできる人はいない!』『自分の可能性をのばす絶好のチャンスかも!』ととらえると、『まずはやってみよう!』となりますね。」とアドバイスしました。
〇リフレーミングは主に2種類あり、一つは「今の自分の状況・事実」をリフレーミングしてみること。例えば、病気でしばらく休んでいなければならない時、最初は「あれもやらないと、これも遅れてしまう」ばかり思っていまいがちですが、「休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられる」と気持ちが変わると、「休んでいる間にできることをやろう」と思いなおせます。
〇また「自分の性格や行動の傾向」をリフレーミングすることも多いです。例えば、いつもいろいろなことに「心配性な人」も、「想像力があり慎重にものごとをすすめることができる」と切り換えると、また違ってきます。ただこれは、なかなか自分では気が付きにくく、他人からのアドバイスが大きなポイントをしめると思います。
〇ネット等で調べると、「リフレーミング辞典」というものがあり、私も時々参考になるので見ています。冒頭に書きましたが、これは思考テクニックですので、ある意味訓練する必要があります。最初は「こんな言い換えは不自然で違和感がある」と思いがちですが、そういう感情を抑えて、無理やりでも受け入れてしまうことが大切です。
〇先日の3年生は、「自分の短所は『面倒くさがり』のところです」と言っていたので、私からは「それはおおらかなことまたは細かいことにこだわらないという良い面とも言えますね」と返しました。私も「少し強引すぎたかな?」と思いましたし、本人もキョトンとしていました。ただこちらも訓練して何とか相手に前向きになってほしいとの気持ちがありますし、本人も後で少しでもその言葉が頭に残って、「そういう見方もあるかな?」のように受けて止めくれるといいのですが・・・と願っています。
須藤昌英
10月29日(水)創立80周年記念イベント週間に向けてのワークショップ
〇来年(令和8年)の2学期学校公開は、「(仮称)創立80周年記念イベント週間」として、1年後の10月26日(月)から30日(金)の日程で現在調整しています。29日までは保護者や地域の方々等に授業参観を中心に公開し、最終日の30日の午前は全校合唱フェスティバル、午後は東京大学大学院の國分教授をお招きしての対話集会を予定しています。
〇それに向けて昨日から、生徒会総務の生徒たちと定期的なワークショップを開始しました。ワークショップとは、本来の「作業場・工房」という意味が転じて、参加者が主体的に対話を通じて、知識やスキルを習得したり、課題解決や創造を行ったりする、体験型の学習の場を指します。その中で互いに本音を出し合い、協働しながらアイデアを出し合い、自分たちの総意を模索し続けることが特徴です。
〇「自分たちにとって本校の80年という歴史はどんな意味があるのか?」「来年の記念イベント週間には何をしたら自分たちらしさを表現できるか?」などを考える前に、まずは今の学校の状況をお互いに確認しあうことが昨日のワークの目的でした。校長室で次の2つの課題を90分間話し合いました。
【テーマ1】
今の土中で保護者や地域の方々に対し、自慢できる素晴らしい点やあまり目立たないがこれからも継続していきたい事は何か?
【テーマ2】
来る創立80周年に向けて、今後さらに理想とする土中になるために必要なことや取り組みたいは何か?
〇ワークショップではよく色付き付箋(ふせん)を使用します。まずそれぞれの課題に対し、1人ずつ1枚の付箋に1つのアイデアを具体的に書き出します。それを共有スペースに並べかえ、類似した内容の付箋をグループ化します。その際、書いた本人が一言ずつその意見について補足説明を加えます。これを繰り返して最後に、各意見の関係性を視覚化し、全体として俯瞰しながら整理します。
〇昨日も多様な意見が生徒間でとびかいました。課題1に対しては、授業で活発に話し合いをすること、学校行事に積極的に参加していること、生徒間の人間関係が基本的には優しさがベースにあること、地域の方々とのふれあいが多いことなどが挙がりました。まずは自分たちの良い面を確認しあい、それには自分たちだけの力ではなく、保護者や地域の方々のおかげでもあることがわかりました。
〇一方で課題2に対しては、日ごろから生徒同士、先生方への挨拶をする意識が低調気味であること、言葉遣いで相手を知らぬ間に傷つけていること、図書室の利用を含めた読書への関心がまだ低いこと、制服や校内服の着方の身だしなみに個人差が大きいこと、清掃活動や給食の時間にもまだ工夫する余地があることなどが浮き彫りになりました。
〇特に後半については、既存の委員会(学年委員会、生活委員会、美化委員会、学習図書委員会、給食委員会、保健委員会、歌声委員会、放送委員会)がありますので、今後生徒会総務と各新委員長たちが話し合って、委員会活動で改善策を考えてもらうようにしました
〇次回のワークでは、今回の話し合いを踏まえて、【テーマ3】「80周年記念イベントで何を企画していくか?(例)対話集会、アピール動画、キャリアポスターセッション、・・・など」に取り組もうと考えています。次回も斬新なアイデアが出てくることを願っています。
〇学校経営の背景として、校長が生徒たちの生の声を聴く機会はとても貴重であり、あっという間の90分間でした。
須藤昌英
10月28日(火)「ゲーム」との付き合い方
〇校長面接などで、3年生に「受験勉強をしている時の気分転換の方法は何ですか?」と尋ねると、8~9割の生徒が「好きなゲームをしています」と答えます。そこでさらに「気分転換のつもりが、そのままハマってしまうことはありますか?」と質問を続けると、多くの生徒が苦笑いし、「それが一番の悩みです・・」のように打ち明けてくれます。毎回「正直だな」と思っています。
〇過去に担任をしていた生徒から、同じようなゲームに関する質問を投げかけられたことがあります。「どうしたらゲームを止められますか?」と。私は答えました。「方法はただ一つしかないよ。それはそのゲームをやる前にその攻略法を全部友達から教わってからやってごらん。わかると思うけど、そんなのはつまらなくてすぐに止めてしまうでしょ」。
〇少し逆説的な言い方ですが、人間はそのように何もかも事前に教えられてしまっては、まったく面白みを感じないのです。試行錯誤をする中で、「どうしたらいい?」と迷うことも楽しいのです。あらかじめ攻略法を伝授されると、ゲームの中で「自分で選択する機会」が前もって奪われ、冒険心や挑戦心などのやる気のもとがなくなってしまうのです。
〇「ゲーム」と聞けば私が思い出すのは、今から40年前以上に流行した「インベーダーゲーム」です。当時はまだ自宅で行うゲーム(ファミコンなど)は販売されていませんでしたので、高校生だった私はゲームセンターで夢中?になりかけていました。ただ段々とゲーム以外のことが忙しくなり、ゲームセンターに行くことも減ったので、お小遣いを使い果たすようなところまではいきませんでした。
〇しかし今は自宅でゲームが当たり前ですので、生徒たちが自らの制御力でゲームをする時間をコントロールしなければならない状況です。確かに自宅でできる便利さはありますが、逆にゲームとの程よい距離を保つことが難しくなっています。
〇先ほども書きましたが、私は生徒がゲームの中で自分が主役となり、「主体性」をもって課題に挑戦していくことは、人間の本質にあったゲームのプラス面であり、否定されるべきではないと思います。
〇数年前のYouTubeの対談で、東大名誉教授の姜尚中(カン・サンジュン)氏が指摘していたことも気になります。姜氏は「人生(実社会)はゲームではない」とし、「現代は政治、経済、人間関係などのすべてが、ゲーム理論に基づいて処理されている。ありとあらゆる領域から集めた情報をアナリストが分析したりそこからシュミレーションしたりして、現場の様子はモニターでみるだけ。そこに強烈な違和感をもつ。しかし実際に目の間で起きていることはもっと複雑で、ゲーム理論だけでは到底説明しきれない」と鋭く述べています。
〇これを見ながら深く考えさせられました。ゲームの良さは認めつつ、そこから実際の生活にいかに戻ってくるか。冒頭の受験生の悩みは、決して子どもの問題ではなく、我々大人も直面している問題だと思います。
〇人工知能AIに「ゲームと子どもの脳の関係」を質問してみると、次のように回答がありました。
「ゲームが子どもの脳に与える影響は、やりすぎると【ドーパミン】分泌への依存による前頭葉の機能低下や、学習意欲・集中力の低下などの悪影響が懸念される。一方で、戦略ゲームやパズルゲームには、問題解決能力や空間認識能力、論理的思考力などを高める可能性もある。重要なのは、ゲームの種類やプレイ時間を把握し、適切なルールを設けてバランスを取ること」。
〇とても模範的解答ですが、AIの欠点は身体性がないということです。ゲームに夢中になる人間の心理をAIは実感できませんので、少し上滑りの感じはぬぐいきれません。
須藤昌英
10月27日(月)所信表明演説とアメリカ大統領来日に思う
〇霧の朝でした。ここ数日は雨模様でしたので、久しぶりに青空が見られそうです。朝に霧が出ると晴れるのは、放射冷却という現象が原因です。よく晴れた夜明けには地表の熱が空に逃げ、地面近くの空気が冷やされて水蒸気が水滴となり、霧が発生します。太陽が昇って気温が上がると、この霧は消えて日中は晴れるようです。
〇先日の高市新首相の所信表明演説(30分)をその日の帰宅後、YouTubeですべて聴きました。一番多くの時間を割いたのが経済対策(物価高対策)でした。教育に関してはほとんど無かったことに、半分がガッカリでしたが、残りの半分は逆にホッとしたのが実感でした。
〇3年前に亡くなられた安倍元首相は、2006年の所信表明演説で「美しい国づくり」を掲げ、その実現には、「日本が本来持つ美徳を保ちつつ、経済成長や子どもたちの育成が不可欠である」と主張したのを今でもはっきりと覚えています。
〇今から19年前のことで、私もまだ40歳代前半でしたので、「これからの日本の教育はどの方向に進むのか?」に強い関心がありました。そしてその時に示唆された「道徳の教科化」は、第一次阿部政権では果たせなかったものの、第2次政権発足直後の2013年1月に、安倍首相の私的諮問機関「教育再生実行会議」が発足しました。
〇その会議に多くの教育専門家も参加した結果、道徳の教科化、教育委員会改革などを次々と提言したのでした。当時の安倍首相は「強い日本を取り戻していくため、教育再生は不可欠」と力を込め、当時の下村博文文部科学相らとともに、ある意味トップダウンで教育政策を決定しました。
〇この記憶があり、「今回の新首相がどこまで教育を重要視していくのか?」との意識で所信表明演説を終始聴いていたので、先ほどのように落胆と安堵が半々ずつだったのです。
〇今日からアメリカのトランプ米大統領が29日まで来日し、天皇陛下との会見や日米首脳会談を行う予定が発表されました。高市首相にとって就任後初めての外国首脳を迎えての会談であり、それがトランプ氏であることに注目が集まっています。
〇今年の1月からトランプ氏が2回目の大統領に就任して以来、強引ともいえる各国との関税政策には驚くことばかりでした。日米関税交渉を担当した前経済再生大臣の赤澤氏によって、この夏に一定の合意を得ましたが、その後も約束を守るかは未知数な部分が続いています。
〇私は経済には弱く、詳しいことはわかりませんが、ディール(ビジネスにおける契約締結や商取引全般)と呼ばれる手法を何よりも優先し、まずは自分の国に有利になるように交渉し、相手の出方を見ながら巧みに貿易の条件を引き出していくことに正直違和感があります。
〇実際に日本も今後アメリカに数千億ドルものの投資を約束しており、今後はその約束をどこまで果たしていくのか?が今回の会談の大きな議題になっているようです。
〇また今回の首脳会談で、日本側が「防衛費の増額方針」をアメリカ側に伝えるとも報道されています。新防衛大臣も就任の会見で、「防衛費GDP比2%の前倒し実現」を明言しています。
〇今日本で現在進められている防衛力整備計画は、2023年度~2027年度の5年間で防衛費を関連経費と合わせて総額43兆円増加させ、そのGDP比率を2%まで引き上げることを目指すものです。
〇しかしトランプ政権は、日本に対して水面下で防衛費のGDP比率を3.5%まで引き上げることを求めているともされています。日米首脳会談では、トランプ大統領は高市首相に対して、防衛費の更なる拡大を求めてくる可能性もささやかれています。
〇もしトランプ大統領から防衛費をGDP比3.5%まで引き上げるように求められたら、高市首相はどのように反応するでしょうか。その実現には何兆円もの追加予算が必要になる計算であり、その財源確保はより困難を極めます。国を防衛する重要性はわかりますが、教育予算が後回しにされていることに、教育関係者の一人としては複雑な思いがあります。
〇またもっと気になることは、日本が防衛力を強化する方針であることについて、隣国の中国が「強い疑問を抱かざるを得ない」と懸念を示していることです。さらに「日本が専守防衛を守り、平和的発展を堅持しているのか、強い疑問を抱かせざるを得ない」と非難しその上で、「日本が安全保障分野において国際社会からの信頼をさらに失うことのないよう強く促す」としています。
〇今年は戦後80年で、日本でもこの夏には先の太平洋戦争を振り返る様々なイベントが行われたり、テレビ番組も多く放送されたりしました。前述の道徳の教科化の際に一番議論されたのは、「子どもたちにどのような愛国心をどのように持たせるか?」でした。過去に中国を含む東アジアの国々に多大な損害を与えた日本が今、急激に防衛力を高めることへそれらの国々の心配があることについて、じっくりと生徒たちと話し合う機会も必要ではないか?と感じます。
〇ちなみに道徳教育の徳目の一つである「国や郷土を愛する心」は、教師からの一方的な教育ではなく、「他者との関係性の中で自ら考え、豊かな体験を通して育むこと」となっています。具体的には、学校、家庭、地域が連携し、人間尊重や伝統文化を大切にすることを通じて、自律的に社会や国家に貢献できるような資質・能力を育むことが目指されています。
〇国の教育の方針を考えるのは大人の仕事ですが、今後はその決定過程の中に当事者である子どもたちの意見も傾聴していくことがとても大切であると思います。
須藤昌英
10月24日(金)読書週間「こころとあたまの深呼吸」
〇27日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。
〇昔から「秋の夜長に読書」と言われています。近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪いとは思いませんが、読みたい本を手に取ってじっくりと読むことも楽しいものです。
〇昨年9月に柏駅近くのそれまでよく利用していた大きな書店が閉店になってしまいました。ネットでも本は購入できて便利ですが、専門書も多かったので、書架に並んでいる本を眺めるのはやはり楽しいものです。
〇11月3日(月)は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くのさらに巨大な書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。
〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和7年の標語は、「こころとあたまの深呼吸」で、下のポスターは秋空で本を楽しみが和んでいる様子が表現されています。
〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。
1 語彙や知識が増える
これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれから様々な表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒達には、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。更に深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。
2 想像・創造力や共感力がアップ
次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでの自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。
〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。
〇要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?
〇3年生の校長面接の際も、「最近読んだ本とそのあらすじや感想を教えてください」と質問しています。多くの生徒は堂々と自分の考えを述べた上で、「読書の時間は別世界に入り込んでいる感じがする」のような感想も多いです。「本は一生の友」と言えるような生徒が一人でも多くなるように願っています。
須藤昌英
10月23日(木)個性は可能性
〇3年生との校長面接では入試本番を想定し、生徒は制服を着て校長室に入室してきます。彼らは入学してからはフォーマルな服装として、制服を着ることに慣れていますので、よく似合っています。生徒たちとは着ている制服の話をする時間はほとんどありませんが、ふと思い出したことがありました。
〇今から25年くらい前に学級担任をしていたころ、生徒たちと当時の学校の制服について、何度か話し合いしたことがありました。生徒たちは、「決められた制服や頭髪の基準、またそれらの身だしなみなどの約束があるのは窮屈な気がする」と言っていました。
〇もちろん私自身が中学生の頃も同じでしたが、その時の柏中学校は全校生徒が二千人いて、「中学校の時だけの決まりだし、みんな同じだから・・」と感じるくらいで、担任をしていたクラスの生徒たちのように「自由がない、窮屈」とまでは思いませんでした。
〇そこで当時、あるインタビュー記事で映画監督の大林宣彦氏が、「制服」について学生に語っている文を見つけ、学級通信に掲載しました。紹介します。「確かに制服はみんな同じで変わらないかもしれないけれど、その人が読んだ本、聴いた音楽などによって、まずその人の目の輝きや語る言葉が変わってきます。そうするとその同じ制服を着ていても、『個性』が出てくるんです。制服はファッションではなく、【心のあらわれ】です。同じものを着て窮屈で嫌と感じるとすれば、君の言葉を磨きなさい。君の目の輝きを磨きなさい。そうすると君の着ている制服は、君だけに似合う『個性』になるよ、と言いたいですね」
〇映画監督は一つのテーマをいかに表現するかをいつも考えてそれを仕事としており、その「表現のプロ」が言っているので、言葉に重みがありました。私は学級通信に自分の解釈として「つまり表面ばかりに目を奪われて本質を磨くことを忘れてはいけないということを教えてくれていると思います」と添えました。もちろん生徒たちはすぐに納得していたわけではありませんでしたが、生徒たちの疑問に寄り添いつつ、教員として一緒に学んでいたことは忘れることはありません。
〇また大林氏はこうも言っていました。「制服というのは対話の手段なんです。人間どうしは対話をすることでお互いを理解しようとします。対話とはお互いの違いを知る作業で、君と僕はこれだけ考え方が違うんだね。だからお互いに価値がある。これが共存共栄の意味だと知るわけです。違いを知るためには、一つの同じ土壌にいなければダメなんです。そのルールが制服だと思えば、制服を着せられたからみんな同じだと思うのではなく、同じ制服を着ているけれど、僕はこういう言葉を語るし、君はこういう言葉を語る、そうするとその制服が違って見えるということからも、個性を鍛えることができると思いますね」
【大林宣彦氏:1938年~2020年】
〇後半の言葉は、当時大人であった私も深くうなずくものでした。今、校長面接をする生徒がたとえ同じ制服を着ていても、それぞれの生徒の個性はよくわかります。大林氏の言うように、個性は制服の下から湧き出てくるようなもので、「個性=可能性」ですので、逆に制服だけで個性(可能性)が無くなるなどは、空論に過ぎないと感じています。
〇今年度からは柏市標準制服(ブレザータイプ)も本格的に導入されました。生徒や保護者にとっては、従来の制服か新しい制服かの選択肢が増えます。本校の生徒が、制服についてどう思っているのか。今度何かの機会で、尋ねてみたい気がしました。
須藤昌英
【柏市標準服(ブレザータイプ)】
10月22日(水)デジタル機器の使用と子どもの近視
〇タブレット端末やスマートフォンのようなICT(Information and Communication Technologyの略)、いわゆる情報通信技術に関わるデジタル機器の使用が増え、子どもの近視がそれに比例して増加していることが課題としてあります。文部科学省の学校保健統計によると、裸眼視力1.0未満の児童・生徒の割合は、小学校で3割を超え、中学校では6割程度です。
〇私の感覚でも、眼鏡やコンタクトレンズを着用している子どもは、2~3割くらいはいると感じています。学校生活への影響としては、まず「授業中の黒板の字が読み取りづらい」があげられます。これは授業の基本的な流れとして、教員の説明を聴覚で認識し、同時に視覚でその説明を補うので、とても心配な面です。
〇また今の授業では、黒板の半分をプロジェクターの画面を写すスクリーンとして使用する場合が多いので、どうしても板書のスペースがせまくなり、以前よりも教員の書く字が小さめになっていることもその影響の背景にあります。
〇眼科医の多くは、デジタル機器の使用増加が、子どもの近視になる年齢の低下や近視の進行が早まる一因だと指摘しています。特に画面の小さいスマートフォンは近くで見がちなので、一定の距離をとる方が良いようです。
〇一般的に目の健康を守るためには、読書や学習などで近くを見る時には30分程度ごとに休息したり、室内を明るくする、定期的に外の景色をぼんやりとながめたりすることなどが有効だと言われています。
〇学校検診の視力検査で異常が分かったら眼科を受診し、眼鏡などの矯正が必要な場合には、精密な検査の上で眼鏡などを作ることが大切です。特に視力にあった度数で、しかも正しい位置で眼鏡をかけるのも重要です。
〇この問題は日本だけではなく、近視人口が爆発的に増えているアジアの国々でも、様々な近視予防が国をあげてとられています。その一つが子どものスマホ使用規制です。
〇例えば台湾の「法律によるスクリーン時間規制と屋外活動奨励」は有名です。台湾は1980年代から近視予防の取り組みを行ってきている近視対策の先進国です。2010年、屋外活動と近視予防の関係性を示す研究結果に基づいて、1日2時間以上の屋外での活動の導入を開始しました。この屋外活動の導入を進めてから近視の発症率が大きく減少し、進行も大幅に遅くなるとの結果を受けて、2013年には、体育の授業に関する法律が改正され、週に2時間半(150分)以上の屋外運動の実施を法制化しています。加えて家庭においては、親に対して子どもに電子機器を長時間使わせないことが、法律で義務付けられており、罰則もあります。
〇また大国の中国でも近視増大への国家的対策が講じられています。2018年に包括的な「児童青少年近視予防・抑制プラン」を策定し、2030年までに全国の児童青少年の近視率を6歳の児童で3%程度に、小学生で38%以下に、中学生で60%以下に、高校生で70%以下に、それぞれ引き下げるという数値目標が掲げられています。人口が日本の14倍ですので日本以上に相当深刻な問題となっているようです。
【日本眼科学会ホームページ:近視眼】
〇ブルーライト(青色光)と近視の関係もいろいろなことがわかってきています。近年はデジタル機器の液晶画面から発せられるブルーライトに対し、ブルーライトカット専用の眼鏡が近視等に有効であるとされ、私などもここ数年はパソコン使用時には必ず使用しています。
〇しかし最新の研究では、ブルーライトカット眼鏡を使用しても、通常のクリアレンズと比較して有意な差は見られなかったという結果もあるそうです。実際に太陽光にもブルーライトが豊富に含まれており、先ほどの研究では、液晶画面からのブルーライトは曇天時の自然光よりもはるかに少なく、眼に有害である可能性はないと報告されています。
〇むしろ太陽光は、近視の進行の抑制に特に重要であることが知られるようになり、台湾のように子どもが屋外での過ごす十分な時間を確保し近視の減少に成功している国も増えてきています。本校でも昼休み等にグラウンドで身体を動かす生徒たちは、ストレス発散の他に近視の予防という良い面もあるようです。
〇ただ太陽光は適度に浴びることが心身を健康に保つため極めて有用ですが、ブルーライトは体内時計に関与し網膜を介して覚醒を促すホルモンの分泌を促します。夕方以降に大量のブルーライトを浴びることは「睡眠障害」を誘発する可能性があるので、そのためにブルーライトカット眼鏡を装用することは無意味ではないと考える専門家もいるようです。
〇いずれにせよ一生涯にわたり、健康な目を維持することは重要であり、デジテル機器の有効性をいかしつつ、バランスのとれた使用方法を考えていく必要があります。
須藤昌英
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