校長雑感ブログ

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9月1日(日)9月に入りました

〇昨日までの夏季休業が終わり、明日の始業式から2学期77日(授業日数)がスタートします。台風が去るとまた暑さが戻ってくるようですので、今月も熱中症対策が最優先になります。

〇文部科学省は先日、公立小中学校の授業数について、年間を通じて実施日数を増やすことで、週当たりの授業数の削減を促す方針を示しました。 放課後の時間を確保して教員や児童生徒の負担軽減につなげるのが狙いで、夏休みの期間短縮といった例を各教育委員会に周知し、取り組みの普及を目指すようです。

〇となると柏市も来年の夏季休業は1週間程度短くなり、8月下旬から2学期がスタートする可能性もあります。すでに県内でも千葉市をはじめいくつかの市町村では、8月26日から2学期をスタートしており、今後も増えるようです。

【明日からの生徒の登校を待つ廊下】

〇今日は「防災の日」で、1923年の関東大震災から101年目にあたります。昨年は富勢中学校区4校で、初めての合同引き渡し訓練を行いました。暑い中でしたが、保護者の方々には目的のご理解をいただき、スムーズに行うことができました。

〇今年は明日の午前中、実際の引き渡しは行わず、大地震が発生したことを想定して、「いつ頃お子様を学校に引き取りに来られますか?」を回答してもらう連絡を主とした訓練を行います。ご協力をお願いいたします。

〇「柏市小中学校地震発生時の対応」マニュアルでは、もし学校が課業している時間内に、震度5強以上の地震が発生した場合、生徒を学校に留め置き、保護者等に児童生徒を引き渡すことになっています。となると昨年のような実際の引き渡しの前に、今年のように「〇〇さんの保護者は何時ごろ学校に来られる」レベルの情報を学校が把握していないと、大パニックになる可能性があります。

〇今年も富勢中単独で行うのではなく、小学校4校とも連携して行う訓練です。初めての試みですので、実施してからわかる課題も出てくるだろうと予想しています。台風はある程度予測はできますが、地震はそうではないことをしっかりと職員と認識していきたいと思います。

須藤昌英

 

8月31日(土)生徒たちへのPTAからのプレゼント

〇8月31日というと、夏季休業最後の日で、誰もが少し憂鬱な気分になることは自然です。ただ明日が日曜日ということで、「まだあと1日ある」と自分に言い聞かせている人も多いことでしょう。

〇台風は相変わらず迷走しており、今晩あたりにまた降水量が増えるようですが、その後は熱帯低気圧になるようで、その力は弱まっています。ただ突風や局地的な豪雨には注意が必要です。明後日の始業式は予定通り行います。なお給食はありませんので、11時下校の予定です。

〇10月4日の体育祭は、コロナ禍前以来、久しぶりに応援合戦を復活します。それをお祝いして、当日は空中のドローンからその様子を撮影し、午後に全校生徒で鑑賞したいと計画しています。本日、そのための打ち合わせとドローンの試飛行を行いました。

〇ドローン操作と映像編集をお願いしているのは、私の大学の先輩で昨年に市内の小学校校長を退職された方とその娘婿さんです。先輩の先生は、退職後自分でドローンの免許を所得されたそうです。やってみたいことに挑戦していく姿は、大人になっても必要だとあらためて教えてもらった気がします。

〇台風の影響で多少風が吹いていましたが、グラウンドの上空を2台のドローンが安定した飛行をし、グラウンド全体の映像を撮影していました。最近はテレビなどでも、ドローンによる迫力ある映像がよく使われるので、「こうやって操作・撮影するのか」と近くから見学していました。

〇山本PTA会長さんも来てくださり、打ち合わせにも加わっていただきました。体育祭のドローン映像を生徒にみてもらうのは、当日まで秘密にしておこうと一時は思いましたが、謝礼金をPTAにお願いしていることもあり、時間のある保護者には是非一緒にご覧いただきたいと思っています。

〇途中で先輩の先生が、「操縦してみる?」と言ってくださったのですが、「もし間違って壊したら大変だ!」と最初は断りました。しかし思い直しせっかくの機会なので、私も生まれて初めてドローンを操作させてもらいました。コントローラーの左右のレバーを使って、前進・後進や上昇・下降させたり、搭載しているカメラの向きを変えたりズームしたりできるので、とてもワクワクしました。私も将来は挑戦してみたくなりました。

〇体育祭当日は、閉会式後に給食を食べ、体育祭の片づけとあけぼの祭(映像)の準備を並行して行い、午後3時頃から生徒有志団体や生徒会による映像作品の鑑賞後にドローン映像をみる予定です。お楽しみに!

須藤昌英

 

 

 

8月30日(金)夏の終わりとミニトマト

〇台風10号の動きが不確定であり、今日には始業式の方向性を決めなければなりませんが、ともかく2学期が月曜日から始まります。昨晩もすごい勢いで雨が降り、道路の冠水や川の氾濫が心配です。生徒は残り少ない夏季休業をどのように過ごしているのでしょうか?

〇台風は大きな被害をもたらすので、我々にはマイナスな面がある一方で、台風による強い風は、海面下の冷たい海水と海面の温かい海水をかき混ぜることで、海面水温を低下させます。さらに台風による反時計回りの風によって海面下の冷たい海水が引っ張り上げられる湧昇と呼ばれる現象によって、台風の中心付近の海面水温が低下することもあります。

〇つまり台風は、季節を夏から少しずつ秋に変化させているのです。台風が来なければ、暑い日が延々と続くことも考えられます。2学期からは、35℃を超えるような猛暑日がないことを期待しています。

〇校長室前で6月頃から育てていたミニトマトも、そろそろ終わりに近づいています。毎日欠かさずに水やりをしましたので、毎日のように実をつけてくれました。夏季休業中は給食がないので、自宅から持参したおにぎりと朝、校長室前で収穫して冷蔵庫で冷やしておいたミニトマトを一緒に食べていました。今日あたりはもう葉や茎も緑色から茶色へと変化し、実も赤くなる前に破裂してしまいます。でもこれまで精一杯自分のいのちを活かした姿を見せてくれ、小さな感動を覚えます。

〇トマトと言えば、相田みつを氏の次のような詩を思い出しました。「いのちのことば『育てたように子は育つ』」から引用させてもらいます。

みんなほんもの

トマトがねえ トマトのままでいれば ほんものなんだよ

トマトを メロンに みせようとするから にせものになるんだよ

みんなそれぞれに ほんものなのに 

骨を折って にせものに なりたがる

〇相田みつを氏の作品は、独特な字と言葉で、ものごとの本質を言い当てたものが多く、あちこちで目にすることがあります。以前に私が若い頃に学級経営の指針としていた「みんな一番」について、このブログに書きましたが、この詩も、まさに同じことを言っていると思います。

〇トマトにはトマトしかない特徴、メロンにはメロンにしかない良さがあります。相手から学ぶことも生きていく上では大切ですが、それ以上に自分を捨てて、他人になろうとする必要ないと教えてもらえます。

〇夏の終わりに・・・、教育の本質も、生徒たち一人ひとりに、成長するための必要な水分や栄養(知識や経験)を提供し、自分らしく生きていける力を育成してことだと思っています。

須藤昌英

 

8月29日(木)日本で最初の都市公園(上野恩賜公園)

〇昨日の午後、東京国立博物館で行われている「神護寺展(空海と真言密教のはじまり)」に行ってきました。神護寺は1200年以上の歴史がありますが、場所が京都の西の山奥なので、一般の修学旅行生はあまり見学に行くことはありません。その神護寺の御本尊である国宝の「薬師如来立像」が初めて、寺外に持ち出され展示されることから多くの人が入場していました。私も本やネットで調べて写真をあらかじめ見ていましたが、本物はやはりその存在感が圧倒的でした。今回は特別にその後ろ姿も見えるように展示されていたので、後ろからもじっくりと見学しました。今後薬師如来が神護寺に戻っても、もう二度と後ろ姿を見ることはできませんので、貴重な体験でした。

〇東京国立博物館のある上野恩賜公園は、明治6年に開園した日本初の都市公園です。公園内には博物館、美術館、動物園、図書館、文化会館などの9つの文化施設や、ボートに乗れる池、巨大な噴水、西郷隆盛やその他の像など、多くの見どころがあります。1学年は12月に、この公園内で校外学習(グループによるフィールドワーク)を行います。昨日はその為の予察も兼ねていました。

〇主な施設は、国立科学博物館、3つの美術館(国立西洋美術館、上野の森美術館、東京都美術館)、国際子ども図書館、恩賜上野動物園、東京文化会館などです。広大な敷地は明治以前は寛永寺の境内で、元来は徳川幕府の安泰と万民の平安を祈願するため、江戸城の鬼門(東北)にあたる上野の台地に寛永寺が建立された歴史があります。

〇子どもが幼い頃には何度か、動物園や科学博物館に連れて行ったことがありますが、昨日も大勢の子どもづれが夕涼みをしていました。ゆっくりと一日過ごせる場所です。これから12月に向けて、1年生はあらかじめ上野の歴史や文化、各施設の展示概要などを調べ、どの順番でどこを見学するかを計画していきます。多くの学びがあることでしょう。今から楽しみです。

 須藤昌英

【JR上野駅:公園口】

【東京国立博物館:本館】

【東京国立博物館:東洋館】

【東京国立博物館:表慶館】

【東京国立博物館:平成館】

【国立科学博物館】

【国立西洋美術館】

【上野動物園】

【東叡山寛永寺】

【不忍池:蓮】

【西郷隆盛:像】

 

8月27日(火)夏季休業中の2個目の台風に備えて

〇台風10号の進路予想が変化し、明後日29日頃に九州の西から上陸の可能性が高まっています。その後中国・四国・近畿・東日本へ “自転車並み”の速度で列島を縦断する予報があります。こうなると 影響が長引くおそれもあり、大雨・暴風・高波・高潮に警戒を要するようです。

〇前回の台風7号は、予想よりも右寄りにコースがずれましたので、大きな被害は受けませんでした。しかし今回は、台風の進路方向右側になる可能性もあり、以前のようにはいかないことも考えられます。接近したら部活動を中止し、事前に校舎周辺の飛びやすい物は中へ入れ、大きな木々もあるので、枝などが飛散しないように予防策を考えています。

〇台風の発生は春に赤道付近から始まりますが、夏になると発生する緯度が高くなり、日本上空に張り出す太平洋高気圧のまわりを回って、北上する台風が多くなります。気象庁によると、8月は発生数では年間で一番多い月ですが、台風を流す上空の風がまだ弱いために台風は不安定な経路をとることが多く、9月以降になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。このとき秋雨前線の活動を活発にして大雨を降らせることがあるそうです。

〇注意する必要があるのは、台風本体だけはなく、台風の影響で台風が接近する前に、次々と発生する発達した積乱雲が列をなし、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞し、線状に伸びる強い降水域(線状降水帯)が発生することです。この線状降水帯による顕著な大雨によって、近年になり毎年のように数多くの甚大な災害が生じています。

〇先日も利根川の橋を渡る際、茨城方面の空の西から東上面に、ピッタリと雲の下の部分がきれいに横に並んだ小さな積乱雲の列を見ました。これは理科で習いますが、上昇気流で持ち上げられた水蒸気がその同じ高さで一斉に雲粒になるからで、斧でスパッと横に切ったように雲の底辺が平らで、とても神秘的な雲の風景でした。夏にしか見られないものを見て、その時は嬉しかったです。

〇ただこのような雲が巨大化すると、短時間に大量の雨量をもたらすので、こわいです。そして線状降水帯はその発生の予想が難しいことがあり、その理由としては、いまだその発生メカニズムに未解明な点があるからだそうです。備えを万全にしておくしかありません。

〇夏季休業の最終週ですが、ご家庭でもお子様の安全に配慮していただき、来週からの新学期に備えてください。

須藤昌英

【気象庁のホームページより】

 

8月26日(月)第40回青少年の集い「オーバーナイトハイク」

〇24日(土)20:00~25日(日)4:30にかけて、柏市青少年相談員連絡協議会主催(柏市教育委員会後援)の「オーバーナイトハイク」が行われ、本校からも希望者18名(1年生9名、2年生4名、3年生5名)が参加しました。

〇この「オーバーナイトハイク」は、市内の中学生が、柏駅を出発し、市内30㎞の道のりを、歩行時間6時間、平均歩行速度5㎞のペースで、夜通し歩きとおすもので、柏市では恒例行事です。ただ体力的に自信がないと完歩できません。

〇今回は引率者の一人として、PTA会長の山本さんも参加して下さいました。夜の8時に柏駅ダブルデッキで出発式を行いました。田牧教育委長も激励の言葉をかけて下さり、学校ごとに元気に出発しました。

〇富勢中の前の道がコースでしたので、私は出発式が終わると富勢中の正門に先回りし、声をかけました。その後生徒たちは利根川の土手を北に向かい、市立柏高校や県立柏の葉公園を経由して、ゴールの柏中に早朝4時過ぎに到着しました。お疲れ様でした。

〇この「オーバーナイトハイク」は、現在は教員が引率者として参加することはありませんが、その昔は各校とも若手教員数人ずつが中学生と一緒に歩いていました。私も20~30歳代のとき、数回参加しています。

〇6時間歩くことは滅多にありませんので、元気な最初の2時間は良いのですが、段々と足のあちこちが痛み出し、時には足の裏に豆ができて出血したこともありました。最後の1時間はそれこそ必死で、ただ黙々と歩いていたことを覚えています。

〇そしてゴールしたときの感動はありますが、自宅へ戻る際の柏中から柏駅の1㎞弱の距離が果てしなく遠く感じたものでした。体力的には今ではとても完歩できる自信はありませんが、当時はよくやったなと自分でも思い返しています。

〇「オーバーナイトハイク」の目的は、「新しいことにチャレンジして、苦しいことにも立ち向かう経験をする経験を通して、学校生活などにそれをいかす」ことにあります。ただ参加した生徒たちは、「もう歩きたくない」「来年は絶対に参加しない」とゴールのときは言っていますが、1年経つとまたチャレンジしたくなるから不思議です。

〇夏季休業中の一つの思い出になってくれたら・・と思っています。

須藤昌英

 

8月23日(金)柏市内一斉教員研修(学び続ける必要性)

〇昨日の午前中は、市内の小中学校の教員(約二千名)が、自分の勤務校という縛りを超えて、自分が学びたい教科や領域について、自主的に研修する貴重な機会がありました。参考までに、次のような12部会に分かれています。

・国語・書写・社会・算数&数学・理科・生活・総合的な学習・音楽・造形・英語・技術&家庭・体育・保健

〇私は算数・数学部会に属しているので、柏中学校で参加しました。この部会の責任者は、本校の宗形教諭で、本人の普段の授業の様子を参加者の皆さんに発表していました。その他3名の教諭の実践が発表され、その後グループに分かれて、4つの発表内容についての感想や1学期に行った自分の授業などの振り返りを話し合っていました。

〇この研修の流れは、普段から中学生の受けている授業と同じです。授業では、今日の課題について考える材料となる知識を先生から教わり、それをもとに自分で思考し、友達の考えも参考にしながら、結論を出していきます。昨日も参考になる他の教員の事例をもとに、自分ならどう考えてどう行動していくかを自己決定していきました。

〇教育基本法には、「教員の研修」について次のように定められています。「第九条 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」。つまり我々教員には、児童生徒の前に立つ前に、自己の研修(学び続ける)に励むことが求められています。しかし普段はなかなか忙しくてゆっくりと研修することが少ないため、この夏季休業中が絶好の機会です。

〇集まっての研修も大切ですが、個人の研修も学びになります。私もこの夏季休業中は、住んでいる我孫子の図書館に行ったり、気になっていた映画も鑑賞しました。来週は上野の東京国立博物館で特別展が開催中ですので、足を運ぶ予定です。

〇残り一週間の夏季休業ですが、生徒達にも多くの学びがあることを願っています。

須藤昌英

 

 

 

 

8月22日(木)富勢中学校区4校合同教育ミニ集会

〇昨日の午前中は、富勢中学校区学校運営協議会(富学協)の吉田会長をはじめ、運営協議会委員、地域住民、PTA役員、4校教職員(富勢中、富勢小、富勢東小、富勢西小)と児童生徒(富勢中生8名を含む)が富勢小に集まって、グループワークを基本とした「塾議形式」の教育ミニ集会を行いました。

〇この研修会は、地域と学校がお互いのもっている情報を共有しあい、この学区の子ども達が将来、この富勢地区に誇りをもち、愛してくれるようになるために、これから何ができるか、何をすべきかについて、顔と顔を突き合わせて考えていこうという目的があります。

〇例年グループに分かれて、一つのテーマについてディスカッションしていますが、今年は、「義務教育9年間の最後『富勢中の卒業時』に身につけたい力、ありたい姿をイメージしてもらい、それを文章化する」をメインテーマとしました。この3年間の中では、一番難しい課題でした。

〇参加者130名が、富勢小の5つの教室に分かれて、円陣を組みながら3色の付箋紙を使って、活発な話し合いが行われました。3つのワークの内容を紹介します。

ワーク1 「中学までで成長を感じた授業の思い出 or もう一度中学生をするならこんな授業を企画したい、体験してみたい授業」

①個人作業2分 

②グループ内共有 3分×4 

ワーク2 「その授業には、どんな力の育成が含まれていたか?また、中学校時代までには、どんな力を身に着けておきたいか? (表参照しながら)」

①個人作業2分

②グループ内共有 3分×4 

ワーク3 目指す力、子どもの姿の作成(ワーク1、2を身に着けたい力、目指す子どもの姿を作文する)

①各グループの話し合い 20分

②最終文章記入 2分

③アプリで全体共有 13分

〇日頃はあまり顔を合わせて話のすることのない地域の方々や小学校の先生方とも気軽に話ができ、この富勢地区の良さや小学校の様子がよくわかりました。生徒たちが中学校卒業時に、どんな力をつけて卒業していってもらいたいか?という大きなテーマでしたので、富勢中の教員が一番その実現に近い位置にいることもあり、誰もが真剣な表情でした。

〇参加してくれた児童生徒の感想の一部です。

・大人の中で話をすることは最初少し緊張したが、何も否定せずむしろ熱心に話を聞いてくれた

・自分たちのみえないところで、地域の方々が様々に支えてもらっているのがよくわかった

・先生方も私たちのために、少しでもよい教育をしようと考えてくれていることがうれしかった

・世代の違いによって、さまざまな考え方や意見があることがわかり、おもしろかった

〇今後は各グループが作成した目指す子ども像をもとに、2学期以降、富勢地区の各学校が連携し、子どもたちのためにできることは何かを絞っていくことになります。お忙しい中、ご参加いただいた地域住民の方々、ありがとうございました。

須藤昌英

 

 

8月20日(火)子どもの耳の健康と聴力について

〇昨日は、子どもの目の健康について書きましたが、「聴覚」は五感の中でも「視覚」とともに会話、言語発達、コミュニケーション学習に不可欠なものです。「見て聞いて(インプット)」、自分の頭で考えて、それを「話す書く(アウトプット)」ことの繰り返しが、学びの循環です。

 

〇特に子どもにとって、常に過大な音を聴かないということが重要だと言われます。もちろん普通のテレビの音や音楽などは問題ありませんが気を付けないといけないのは、ヘッドホンなどで過大な音を聴き続けますと、その時は問題なくても、残りの長い人生の中で問題が出てくることもあるため、大きな音はできるだけ避けられたほうが望ましいと思います。

〇よく指摘されますが、近年の子どもは、物心ついた時からタブレットやスマホ等に接しており、それらのメディアが身近にあることが当たり前の世代に入っています。そういった中で、どのようにメディアと接するべきか、接したほうが良いかと、いろいろと意見はあります。少なくとも今更それらのメディアを取り上げて「使っちゃいけないよ」ということは現実的には不可能だと思います。やはり1時間やったら少なくとも10分程度は休むなどと、上手く活用することが重要なのではないかと感じます。

〇目の視力も左右が異なる場合も多いですので、耳も聴力の差が左右であることは十分に考えられます。また子どもの年齢によっても違うらしいですが、右から聴いた場合と、左から喋りかけた場合で反応が違うということもどこかで読んだことがあります。

〇私も現在三歳の孫娘には、まだ一歳くらいの頃、右耳か左耳のどちらを前に出して話を聞いているかを少し観察したことがあります。この子は左利きなので、素人の観察ですが、何となく左耳を前に出していることが多いかもしれないと思いました。

〇私自身も幼少の頃、中耳炎(ちゅうじえん)で長い間通院していた経験があり、片耳が少し聴こえにくいことがありました。それはたまたまラジオを片耳イヤホンで聴いていたときに、「あれ?片方の耳が聴こえない」と自分で気が付いたのがきっかけで、受診した時に医師に付き添いの母と相談したことがありました。おかげさまで小学校入学後は、徐々に完治に向かい、今は何の支障もありません。

〇我々教員もその道のプロではありませんが、同じ年齢の児童生徒を多数、同じような状況下で、同じように話しかけることを何回も行うため、「この子は少し音に対する反応が悪いんじゃないか」という異常に気付くことがあります。私も担任時代に、そのことを保護者の方に相談し、受診してもらったことがありました。

〇「自分の身体を大切にする」と言うのは簡単ですが、目であれ耳であれ、普段はあまり気にかけていない身体の部分にも、たまには「有難い」と感謝していくことがあっても良いと思います。

須藤昌英

8月19日(月)子どもの目の健康を守るための啓発資料について

〇ちょうど1カ月前に1学期の終業式を行い、はやいもので夏季休業も残り2週間余りとなりました。少しずつ規則正しい生活のリズムを取り戻そうと考えている生徒も多いことでしょう。暑い中ですが、睡眠と栄養をしっかりと整え、少し汗ばむような適度な運動も心掛けましょう。

〇休み中は、いつもよりも多く本(漫画を含む)読んだり、タブレット端末(スマホを含む)の画面を見つめたりすることがあると思います。しかし私たち(大人も子どもも)は一日中、目を酷使して、普段からそのケアにはあまり関心を向けることがありません。

〇文部科学省の学校保健統計調査結果によると、児童生徒の裸眼視力 1.0 未満の者の割合は調査開始の昭和 54 年から一貫して増加傾向にあり、令和元年度には小学校・中学校・高等学校で過去最高を更新しました。

〇また、社会のデジタル化の進展に伴い、児童生徒が ICT 機器に接する機会は増加しており、GIGA スクールやデジタル教科書の使用などの取組も進む中で、ICT 機器の利用による視力への影響に対する関心が高まっているところです。

〇一方で世界に目を向けると、東アジアを中心に近視人口は爆発的に増加しており、オーストラリアの研究者らは 2050 年には世界の人口の半数が近視となると警鐘を鳴らしています。

〇このような中、お隣の台湾では、2001 年から児童生徒を対象とした大規模な視力の調査研究が開始されており、2010 年から近視の進行抑制を目的に学校教育活動における児童生徒の屋外活動を2時間確保した結果、視力0.8 以上の児童生徒の割合は増加に転じています。

〇ただ日本では、児童生徒等の健康診断によって毎学年児童生徒等の裸眼視力を把握しているものの、その詳細(近視か、遠視か等)が判明していないため、有効な対策を講じることができていない状況にあります。

〇特に近視は、メガネなどで矯正すれば視力がでるものとして、これまであまり問題視されてきませんでしたが、さまざまな疫学データの蓄積から、近視が将来の目の病気のリスクを高める可能性があることが分かってきています。近視について理解し、子供たちを近視のリスクから守っていく必要があります。

〇近視は、遺伝要因と環境要因の両方が関係すると言われていますが、近年の近視の増加は、環境による影響が大きいと考えられています。近視実態調査では、どちらか一方の親が近視である場合、両親とも近視ではない場合と比べ、近視の新規発症との関連が大きいことが示唆されました。一方、環境要因として屋外で過ごす時間の減少や近業(近い所を見る作業)の増加等が指摘されています。

〇次の文部科学省の啓発資料を参考に、自分の目の健康を守り、2学期からの学習に備えるようにしてください。

須藤昌英