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2025年9月の記事一覧
9月29日(月)市内駅伝・ロードレース大会
〇9月26日(金)県立柏の葉公園と競技場において、令和7年度柏市内駅伝大会が行われました。晴天で残暑厳しい中、公園内の巡回コースを、一人が約3㎞を女子は5名、男子は6人でタスキをつなぎました。
〇結果は女子チームが52分36秒で16位(18校中)、男子Aチームが63分45秒で12位(21校中)、男子Bチームが67分41秒で8位(17校中)でした。
【女子チーム】
1区酒井塔子さん(2年) 2区生澤陽夏さん(3年) 3区石塚心春さん(3年) 4区土屋潤佳さん(1年)
5区仲山瑠色さん(2年)
【男子Aチーム】
1区荻谷水都さん(2年) 2区中野健歩さん(3年) 3区山田結心さん(3年) 4区原 葵已さん(3年)
5区軍司漱磨さん(3年) 6区石川遥馬さん(3年)
【男子Bチーム】
1区若佐 瞬さん(2年) 2区富山 航さん(2年) 3区篠原歩夢さん(3年) 4区石井陽路さん(2年)
5区鈴木大遥さん(2年) 6区髙橋大志さん(3年)
〇また駅伝ではなく、女子個人のロードレースには、舟山凛さん(2年)、西條小百合さん(1年)、村田莉娃さん(1年)が参加しました。男子個人ロードレースには、工藤渉さん(3年)、志村羚弥さん(2年)、染谷宣喜さん(1年)、宇佐美元就さん(1年)、熱田樹さん(1年)、吉村碧透さん(1年)、東嶋笑輝さん(1年)が参加し、特に志村羚弥さんが5位に入賞しました。素晴らしい結果でした。
〇選手の皆さんは、夏休みの朝から走り込みを繰り返し、心肺機能を高めてきました。長距離走の魅力は、目標達成による自己肯定感の向上、ストレス解消、そして走る仲間との連帯感です。自身の限界に挑戦して走るのはつらいですが、結果として心身のバランスが保たれることで、生活習慣の改善にも役立ちます。
〇公園内には、各校の多くの保護者も応援に来ており、生徒はその声援を受けながら、これまでの練習をいかし精一杯力を発揮しました。次は10月18日(土)の東葛飾地方中学校駅伝大会です。こちらは約30kmにわたる公道を警察の白バイを先頭に、10人でタスキをつなぎます。また応援をお願いいたします。
須藤昌英
9月26日(金)選挙管理委員会と生徒会本部役員選挙
〇昨日、新生徒会役員(会長1名、副会長2名、執行部員2名)を決めるための立会演説会と投票選挙がありました。まず体育館で立候補者5名推薦責任者5名の真剣な話に耳を傾け、続いて各教室で「信任投票」を実施しました。生徒たちは各候補者の話を聞いて、「信任」または「不信任」のどちらかを選択しました。
〇1,2学年は、自分の端末(タブレット)から入り、グーグルフォームで投票しました。今後いつかは国政選挙等も同様に、ネット投票になると言われていますので、その予行練習という意味もあります。
〇ただ3学年だけは、現在の選挙にならい、紙の用紙による投票を行いました。柏市選挙管理委員会から選挙で使用するジュラルミンの「投票箱」を借用して設置し、受付、記票、投票を行いました。3年生は18歳になると選挙権が与えられますので、今回の経験をいかして、3年後に有権者になるという自覚をもってもらいたいです。
〇選挙というと候補者にスポットが当たりますが、その裏で選挙管理委員会の存在を忘れてはいけません。一般に学校の選挙管理委員会とは、選挙が公正に行われるよう教職員や生徒会組織などからも独立した機関として設置されます。今回は3年生の米山涼さんが委員長として、事前の計画や準備などをしてくれました。
〇選挙は本来、有権者の自由な意志で行われるものであり、選挙が公平に行われるようにしなければなりません。特定の候補者だけ有利になったり逆にある候補者を貶めたりすることがないよう、選挙管理委員会の役割は重要です。もちろん選挙管理委員は生徒の中から選ばれており、自治活動の典型と言えます。
〇今回は5名の役職に5名の候補者が名乗りでましたので、競争選挙とはならず、信任投票となります。ここで無投票当選ではなく、信任投票を経ての当選であることに重要な意味があります。「自分たちのリーダーを自分たちの投票で信任した」という事実が、信任された役員の生徒たちに、今後責任感をもって仕事に取り組んでいこうとする意欲を引き出します。
〇立会演説会で私からは、先輩の國分功一郎教授の著作である「来るべき民主主義」の中から、幾つかの言葉を紹介しました。
・同僚の教員にスウェーデンで子育てをしていた方がいた。その方があるときこんなことを言っていた。「スウェーデンで子育てをしていたとき、子どもたちは、保育園でも学校でも、どこでも自分たちの身の周りのことを自分たちで決めるように求められていた。自分たちで自分たちのまわりのことを決める。だからこそ、それに対して責任をもつ。自分たちの身のまわりのことすら決められなくて、どうして「社会を変える」などと想像できるだろうか」その通りだと思う。(途中略)日本の社会も少しずつ変わってきている。そして社会は少しずつしか変わらない。不安があるのは当たり前で、住民(生徒)参加を希望していこう。
・アレント(アメリカの女性哲学者)が「人間の条件」という著作の中で言っているのは実に当たり前のことである。人間は必ず複数人存在している。人間は一人ではなく多数である。したがって、人間は必ず多数でともに生きなければならない。人間は互いに混じり合い、交流しながら生きることを運命付けられている。
・民主主義はしばしば「多数決の別名」とも思われている。これは人民主権ではなく、多数派主権である。それを乗り越えようと、現在では「熟議」なるものが注目を集めている。意見はあらかじめあるものではない。それは話し合いの中で変化し、またできあがっていくものなのだから、じっくりと議論することで、参加者の意見を方向付けていき、結論を導き出すことが可能ではないかというわけである。
〇先輩の指摘する内容を生徒たちは真剣な表情で聞いていました。戦後80年が過ぎ、これからも世界とのつながりを大切にしつつ、平和な日本を築いていくためには、彼ら中学生に「国のあり方を最終的に決定する権利や力を持つのは国民であり、国の権力や権威は国民に由来する」という「国民主権」の考え方をしっかりと身に付けてもらいたいです。
須藤昌英
9月25日(木)ストレスと上手く付き合うには?
〇昨日のノエル氏による「3ゾーンモデル」は、人の成長領域を表す段階の一つでした。そのうち「コンフォートゾーン」と「ラーニングゾーン」は、生徒が学校で学ぶ際のモデルとしてイメージがしやすく、生徒が適宜コンフォートゾーンから抜け出し、ラーニングゾーンに身を置くことで、コンフォートゾーンが広がり、学びが深まっていくと指摘されています。
〇残りの「パニックゾーン」については、様々なプレッシャーや困難に直面し、自分では思うように対処できず、意欲が低下したり抱えきれないストレスで苦しむ状況であり、他の2つと比べるとマイナスのイメージがあります。
〇3年前の「プレジデント」という雑誌に、世界的ベストセラー『スマホ脳』の著者である精神科医のアンデシュ・ハンセン(スウェーデン)氏が、「なぜ脳はストレスを求めるか」「「ストレスがなければ人類は絶滅する」という題の文を投稿しています。少し長いですが引用させてもらいます。
「私たち人類は『幸せ』になるためではなく『生き延びる』ために進化してきました。人類としての長い歴史の大半を、食料が限られ、身の危険も多い過酷な環境の中で暮らしてきましたが、そのような環境下を耐え勝ち抜いてきた者の末裔(まつえ)が、今の私たちなのです。目の前に食べ物があればついつい食べてしまうし、運動したほうがいいとわかっていてもついソファーでだらだらしてしまうのは、私たちの祖先が常に飢餓の脅威にさらされ、カロリーを節約する必要に迫られていたからです。あれやこれやと気が散りやすいのは、いつも周囲を警戒して自衛しなければならなかったから。生存の可能性を高める特性といえます。実はストレスや不安が生じる理由も、生き延びるため。脳が危険だと感じる状況からあなたを遠ざけるために起きる現象です。目の前にいる上司が怒ってあなたを怒鳴りつければ、ストレスを感じることでしょうし、『明日も上司に怒鳴られるかもしれない。嫌だな』と不安に思うことでしょう。これは怒鳴りつけてくる上司のことを、あなたの生存を脅かす存在と認識しているから。不安とは、あなたを守るための感情なのです。」
〇後半は大人の会社などでの例が示されていますが、生徒たちも同様だと思います。非常に合理的に納得のできる解説で、読んでいると自分にもあてはまるところが多くあります。
〇ハンセン氏は、自著の『スマホ脳』という本でも、「自分の脳をよく理解することで、ストレスと上手く付き合うことができるようになるはず」と説かれています。
〇ハンセン氏によると、ストレスがないことが良いのではなく、ストレスは自己防衛としてあって当たり前であり、自分なりのストレス解消の方法をもっていることが大切だそうです。
〇今、生徒たちも来週の期末テストを目の前に、相当なプレッシャーやストレスを抱え込んでいると思います。「授業の復習が予定通りにできない」「覚えることが多くそれらのつながりがもてない」「得意な教科はいいけど苦手な教科が大変」など、心情的には追い立てられていることもあるでしょう。
〇「コンフォートゾーン」と「ラーニングゾーン」の話にも通じますが、日常の授業は「コンフォートゾーン」の中でじっくりと楽しく学んでも、テストとなると多少の不安や緊張感は避けられません。ただ自分なりの方法で復習を継続することにより、過度なプレッシャーではなく「やりがい」を感じられる状態「ラーニングゾーン」になります。
〇ハンセン氏はストレスを和らげる一つの方法として、運動(散歩なども含む)をして、心拍数をあげることを提唱しています。運動によってエンドルフィンやセロトニンといった神経伝達物質が分泌され、幸福感やリラックス効果が得られ、ストレスが軽減されます。心拍数を意識し、無理なく続けられる運動を行うと、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
〇先日までの猛暑中はなかなか運動ができないことも多かったですが、涼しくなって積極的に身体を動かずことも可能になりました。グラウンドでの体育の授業でも、張り切って取り組んでいる生徒も多くいます。ストレスをコントロールするには、運動は有効な手段の一つです。
須藤昌英
9月24日(水)「コンフォートゾーン」を広げる
〇秋分の日の前日あたりから、空が青く高くなり、一面のうろこ雲が秋を感じさせます。「うろこ雲(鱗雲)」は、正式には「巻積雲(けんせきうん)」という雲で、魚のうろこや水面のさざ波のように見える雲です。空の高い場所(5000〜13000m)に、小さな雲の塊が規則的に並んで見えます。似たような雲で、ひつじ雲があります。どちらも身近なものに関連させて命名しているので、親しみがあります。
〇先日4歳の孫娘に、「あの雲はうろこ雲と言うんだよ」と教えたら、「うろこ雲・・・」とつぶやいて、しばらく夕方の空を見上げていました。その顔は不思議なものをみるようで、真剣そのものでした。おそらく初めて聞く言葉と見えている雲を並べ、その模様の特徴を頭に焼き付けているのでしょう。子どもはそうやって日々、いろいろな言葉や概念を記憶し、知識やイメージを増やしているのだと思います。
〇ストレスや不安を感じることなく過ごせる心地よい領域のことを「コンフォートゾーン」と呼びます。具体的なコンフォートゾーンの例としては、次の状況や環境が挙げられます。
・自宅の居間や自室
・通学で日常通う道や近所の公園
・入学してしばらく通っている学校や自分の教室
・よく利用したりする行きつけの店
・やり慣れている仕事や学習
〇進学や進級したばかりのころ、学校や学級はまだコンフォートゾーンになりません。長く通って気心が知れた仲間ができると、コンフォートゾーンとして定着します。
〇この考え方はミシガン大学のビジネススクール教授、ノエル・M・ティシー氏らが広めた3ゾーンモデルとして知られています。人の成長領域を表す際の段階の一つです。ノエル氏は人の成長は「ラーニングゾーン」「コンフォートゾーン」「パニックゾーン」の3つによって変化すると説いています。
〇図の核心には「コンフォートゾーン」があり、その1つ外側にあるのが「ラーニングゾーン」です。まだ十分には慣れていない事をしたり新しい学習の場で学んだりするなど、多少の不安や緊張感はあるものの、過度なプレッシャーではなく「やりがい」を感じられる状態を指します。ここで新しいスキルや知見を得て成長できると「コンフォートゾーン」を抜け出していくことにつながります。
〇「ラーニングゾーンのさらに1つ外側にあるのが「パニックゾーン」です。ここは「コンフォートゾーン」からあまりにもかけ離れた領域のため、大きすぎるプレッシャーや困難に直面して適切に対処できず、意欲(モチベーション)の低下や抱えきれないストレス過多を招く恐れがあります。
〇そもそも人は意識しなければ、変化を止めようとする性質があります。心の中で変化を拒んで一定の状態を維持しようとする「心理的ホメオスタシス(恒常性)」というメカニズムが働くようです。このメカニズムにより、外部からの働きかけや自身の強い意志が無ければ、人は「平常運転(つまりコンフォートゾーン)」を保とうとします。
〇「コンフォートゾーン」はとても大切であり、それがあるからこそ安心して過ごしていけます。ただそこに留まり続けることで、未知の領域に踏み出すことに不安や恐れを持つようになったり、同じことを繰り返したりするようになります。つまり新たなチャレンジをしなくなり、成長が停滞する可能性があります。
〇一歩外に踏み出すことで、適応力や創造性、自己肯定感の向上が期待できます。そのためには、まず自分や自分の置かれている環境を現状把握し、毎日小さなことでもよいので挑戦し、自分なりの成功体験を積み重ねることが突破の鍵となります。
〇特に強調したいのは、たとえ失敗したとしても「新しいことに挑戦した」という経験は残ります。するとその後は、挑戦へのハードルが下がるため、目標達成への意欲を維持しやすくなり、いずれ達成を実現できるようになることでしょう。このチャレンジと達成のサイクルを繰り返すほど、自己肯定感は向上していきます。
〇「コンフォートゾーンを広げる」ということは、「成長」を軸にした考え方です。人として成長していくためには、適宜コンフォートゾーンから抜け出し、ラーニングゾーンに身を置くことが重要です。自分のスキル・経験を活かしながら、課題を解決するための新たなスキルや経験を習得していくのです。この「ラーニングゾーンがコンフォートゾーンになった」瞬間を繰り返すことで、徐々に安心の環境が広がっていきます。
〇生徒たちにとって、今の土中が「コンフォートゾーン」かつ「ラーニングゾーン」であるかどうか。一人ひとりの状況は異なりますが、担任や学年職員は、そういう視点で生徒たちを観察し、必要に応じて言葉がけや支援をしています。
〇今朝も肌寒いくらいでしたが、空は真っ青です。たまには空の雲を見つめて、「コンフォートゾーン」にどっぷり浸ってみるのもよいかもしれません。
須藤昌英
9月22日(月)生徒会役員選挙運動
〇先週から25日(木)に予定されている新しい生徒会本部役員を決めるための選挙に向けて、候補者とその推薦者が朝は各学年の生徒昇降口で立って投票の呼びかけを行ったり、昼休みの放送で演説活動を行ったりしています。
〇生徒会活動は生徒による自治活動です。生徒自らが考え、協議し、目標を定め、目の前の問題に取り組んでいく経験は、人として大きな成長をもたらしてくれています。その中心にあるのが、生徒会や委員会活動です。
〇普段は学級や学年レベルで様々な活動をしていますが、学校全体として生徒会やその中に置かれる委員会などは、学年が違う「異年齢により構成される組織」です。そしてその活動のために必要なことを理解しながら、行動の仕方を身に付けられるようになります。
〇特に生徒たちにとって、自分たちの学校の代表を自分たちで決めることをとおして、身近な社会である学校と自分との関わりを自覚し、学校生活づくりに参画する意識を高めることにつながります。
〇生徒会活動の具体的な内容は、当事者として自分たちの学校生活を点検し改善していくことです。このような民主的な活動によって、将来社会に出ても、自分たちの代表を決める選挙などに「無関心」にならないようにするのが目的の一つです。
〇立候補している生徒はもちろん、その生徒を推薦している生徒も、真剣に取り組んでいます。そういう姿を見て、他の生徒も自立することの大切さを学んでいます。また選挙管理委員会の生徒たちも、自分たちのリーダーを決める大切なプロセスを管理しています。
〇今日は、国の与党党首を選ぶ選挙の告示日です。生徒たちの参考になる選挙運動と投票行動になることを願います。
須藤昌英
★選挙運動について(選挙運動の際に立候補者は、たすきをつける)
9月16日(月)~24日(水)
9月25日(木)生徒会役員選挙&立会演説会
① ポスター掲示(昇降口)※掲示は『選管』が行う。
② 朝 10分間(昇降口前)※『立候補者』と『推薦責任者』
③ 給食時の放送演説※『立候補者』のみ
④ 立会演説会での演説※『立候補者』と『推薦責任者』合わせて3分以内
【 会長 】 2年生から1名
【副会長】 1・2年生から各1名
【執行部】 1・2年生から各1名
9月19日(金)無気力な寝太郎が使命感を抱いて世界へ挑戦し続ける
〇今朝からすっかり秋らしくなり、昨晩の雨もあり、しっとりとした朝でした。朝7時に登校してきた1年男子生徒数人に、「今朝は涼しくていいね」と声をかけると、「はい!」とまるで水を得た魚のように、元気のよい返事が返ってきました。
〇秋になると着るものも変わってきます。Tシャツ1枚で過ごせた陽気から、肌寒さを感じて長袖を着用し始めます。これからどんな服を着るのか・・はもちろん個人の自由ですが、服選びの観点を大きくわけると「デザイン性重視」と「着やすさ(機能性)重視」のどちらかになるでしょう。
〇後者であれば、店舗が増尾にもありますが、何といってもユニクロがあげられます。週末には子どもから大人までが明るい店内にあふれています。またテレビでそのコマーシャルをよく見かけます。*別にユニクロを宣伝したいのではありません。
〇昨年読んだ本の中で、今でも一番印象に残っている1冊として、「ユニクロ(杉本貴司著:日本経済新聞出版社:令和6年4月発行)があります。世界的に有名な日本の衣料メイカーのユニクロは、柳井正氏(現在76歳)が昭和59年に仲間と創立し、現在は我々の身近な生活にも慣れ親しんでいる企業です。本から知ったことを少し紹介します。
〇ユニクロの目指す理念は、「ライフウェア(老若男女も国も人種も問わずに、誰もが着ることができて、環境や社会にも配慮した服)」をつくることだそうです。これは現代的な課題にも挑戦している感じがします。私もこれまでその気軽さからユニクロのいくつかの服を購入しており、上記の理念を目指していることもこの本を読んで少し理解できました。
〇私が注目したのは、創業者の柳井氏の若い頃のエピソードです。柳井氏は山口県宇部市で生まれ、父親が経営していた洋品店の跡継ぎ息子でした。父親は昔ながらの親分気質で気性が荒く、柳井氏は「何でもいいから一番になれ」と常に言われ続けていました。柳井氏は父親からの期待とも抑圧ともいえる重圧の中で、高校時代には好きなサッカー部も父親の意向で退部させられ、逃げ道を求めるように受験勉強に打ち込みました。
〇4人のきょうだい(柳井氏以外は姉1人と妹2人)で、3人の姉妹に対して父親は優しく、厳しく接したのは柳井氏だけでした。妹さんの一人は当時を振り返って、「私は男に生まれなくてよかったなと思いました」と述べています。当然、柳井氏と父親の間には溝ができ、ほとんど会話もなかったようです。
〇そこで進学した東京の大学では、当時は日米安保闘争などの学生運動が盛んで、ほとんど講義も行われなかったそうで、学生運動にも興味のなかった柳井氏は、下宿の部屋に閉じこもって過ごしました。下宿の大家さんからつけられたあだ名が「寝太郎」でした。好きなジャズを聴きながら、ただ思いつくままに本を読み、4年の日々を浪費しました。
〇その後の柳井氏の人生の転機や目覚ましい躍進のことについては、できれば本を読んでみてください。一言でいえば、何度も転びながら這い上がってきた日々であることがわかります。若き日の青年柳井氏の葛藤を本人への取材を含めながら、著者の杉本氏は、新聞社の編集委員としての鋭い視点で、この本を書いています。
〇3年前に母校の早稲田大学で後輩の学生に向かって講演した柳井氏の言葉の一部を引用させてもらいます。
「私は人が生きていくうえで最も大切なことは、使命感を持つことだと思います。そのためにはまず、自分は何者なのか、そのことを深く考える必要があると思います。自分にとって何が最も大切なことなのか。絶対に譲ることができないものはなんなのか、そこを突き詰めて自らの強みを発見し、生かす。自分にしかできない、自分の人生を思いっきり生きてほしい。明確な意識があるのとないとでは、同じ人生を送っても成果は百倍、千倍あるいは一万倍も違うのではないかと思います。」
〇今、3年生と校長面接を行っていますが、思春期は不安と葛藤で心の中はいっぱいであることが伝わってきます。でもこの柳井氏のように、学生時代に何も成し遂げられずに苦しみながら過ごしたとしても、誰もがその将来に関してはそれぞれの無限の可能性をもっているのですから、彼らを応援し続けていきます。
〇今日の表題の「無気力な寝太郎が使命感を抱いて世界へ挑戦し続ける」は、著者の杉本氏が、柳井氏を一言で表現したもので、私も端的に言いえていると思います。今、自分を「無気力な寝太郎」と思っている生徒も、何かのきっかけで大きく成長していくのです。それを見守りアドバイスしていくのが、教育の本質といえます。
【追記】
〇柳井氏は若い頃、「教師になりたい」と希望している時期があったと本に書いてありました。しかしその夢を断念した理由が、何と生まれ持っての「どもり症」であったそうです。まずこんな特別な個人情報まで本の中で、隠さずにあからさまにしていることに驚きます。実際に会話している時にはまったく問題がないのに、原稿などを読み上げようとすると不思議にすぐに言葉に詰まってしまうようです。その為今でも、講演の依頼は極力断っているそうです。柳井氏がどんな教師になったかを見て見たかった気もしますが、それよりもそのハンディキャップを乗り越えて、代表取締役会長として活躍していることに勇気を覚えます。
須藤昌英
9月17日(水)秋の足音と生徒の成長
〇記録的に続いてきた日中の猛暑は今日までとの予報があります。明日からはやっと秋の空気に入れ替わり、空の色も青さが増していくことを期待します。夏の終わりは一種の寂しさを感じる人も多いようですが、ここまで切実に「はやく秋になってほしい・・」と願ってきたのは、私だけではないと思います。
〇ただ心配なのは涼しくなると、これまでの夏の疲れが出やすくなります。何となく身体が重かったり意欲が低下したりするのは、子どもも大人も同じです。生徒たちには無理をせずに体調を気にしながら過ごしてもらいたいです。
〇2学期に入り2週間余り、生徒たちの様子を観察していましたが、一人ひとりの生徒の成長にはびっくりしています。1学期末から比べるとたった1ヶ月半しか経っていませんが、身体が大きくなったり顔つきが大人になったりと私のような老年期の人間には信じられない成長ぶりです。
〇よく言われますが、成長ホルモンは各部位の細胞分裂を促し、その分泌は人間の一生では10歳代が一番活発であり、一日の中では深夜の1時から4時くらいがピークだそうです。つまり中学生の身体内では日々、驚くほどの細胞分裂が繰り返され、それが目に見えやすい部分として身長や容姿の変化としてわかりますが、目に見えにくい声がわりや脳の発達などは、時として我々が驚くほどの成長として感じ取れるものなのでしょう。
〇前期期末テストがあと2週間後に迫っています。中間テストが6月でしたので、それ以後の授業から出題範囲を設定しています。7月と9月の授業内容が出題のメインになります。
〇1年生は2回目の定期テストになりますが、特に1学期の内容を復習しておきましょう。前にも書きましたが、人間の記憶は大きくは「短期記憶」と「長期記憶」の2つにわかれますが、短期記憶を強化したものだけが長期記憶となります。つまり授業の復習をコツコツとやっておかないと、2カ月や3カ月経っても忘れない記憶にはなりにくいのが人間の脳のしくみです。
〇私を含めた大人も自分の過去の経験から、定期テストに対して気が重くなることが多かったことと思います。私も好きな教科だけならまだしも、苦手な教科のテスト準備は後回しにしていた記憶があります。とりあえず好きな(得意)な教科の復習を、例えば自分なりのノートを工夫してつくるなどして、楽しくやれば良いと思います。
〇その分嫌いな(苦手)な教科は、最低限授業に集中し、テスト前に十分な準備ができなくても、テスト中に頭の中で「授業中の様子を真剣に再現」し、思い出したことを解答用紙に記録しましょう。私も自分の苦手な教科のテストで、授業中にクラスメイトが言った発言内容をふと思い出して、助かったことがあります。同じ授業を受けている友達の力を借りるのも必要かつ効率的だと思います。
〇とにかくテスト受けるにも、心身が健康でなければなりません。「病気に負けない身体作りは規則正しい生活から」と言われますが、「食べて、動いて、寝る」という生体リズムを整え、生徒の皆さんは毎日元気に過ごしてください。
須藤昌英
【まもなく見ごろを迎えるあけぼの山農業公園のコスモス】
9月17日(水)校長面接を開始しました(3学年)
〇昨日から来年の入試対策として、校長室を面接会場と見立てて、昼休みや放課後に3年生一人ひとりと面接練習を行っています。一人あたり15分程度ですが、こちらからいくつか質問をし、その受け答えに対して最後にアドバイスをしています。生徒たちは毎年、緊張した真剣な表情で取り組んでいますので、こちらも襟を正して行っています。
〇生徒には事前に質問用紙に回答を記入してもらっていますので、まずそれを中心に受け答えの練習をしていきます。例えば「将来の夢は何ですか?」「自分の長所・短所は何だと思いますか?」「普段の生活で気を付けていることは何ですか?」等の質問をします。
〇それに対して生徒が答えた内容を受けて、「それはどうしてですか?」「そのことについてもう少し詳しく教えてください」と質問を続けます。
〇実はこの第2問こそ面接官が一番知りたいところであり、その答えにその生徒の個性や普段の考え方などがにじみ出てきます。もしその第2問に対して、「わかりません」や「考えたことはありません」などと答えてしまっては、せっかく自分のアピールできる場面を自ら放棄してしまうばかりでなく、「この生徒は普段からあまり深く物事を考えないのか・・」という印象を相手に与えてしまいます。
〇9月でもまだ暑いですが、面接練習なので、制服を着用します。面接官は話をする前には、生徒の表情や制服の着方に目を向け、「この生徒はどんな生徒だろうか?」とまずイメージを持とうとします。面接官は過去に何千人の面接をしていますので、最初の印象だけで大方のことは把握できます。
〇私も校長として千人くらいの面接をしてきましたので、同じようなこともできますが、高校の面接官との一番の違いは、普段から同じ学校で過ごしていますので、学校で見たり聞いたりする情報量がはるかに多いことです。3年生はこの4月からのつきあいですので、本人を理解することを優先させるので、質問も一般的なことよりももっと具体的な内容になるかもしれません。楽しみです。
〇来年の3月の卒業式まで、あと半年ですので、教職員とともに生徒の進路決定にかかわっていきます。
須藤昌英
9月16日(火)増尾地域ふるさと協議会「敬老のつどい」
〇14日(日)に本校の体育館において、地域にお住いの高齢者方の長寿をお祝いする会が開催されました。合計で三百人以上の方々がお越しになりました。今年は体育館のエアコンがあるので、快適に過ごしてもらえました。
〇「敬老の日」は、多年にわたり社会に貢献してきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う日本の国民の祝日です。毎年9月の第3月曜日に設定されており、家族が集まってお祝いしたり、感謝の気持ちを伝えたりする日とされています。
【趣旨と目的】
・社会に貢献してきた高齢者を敬い、長寿を祝うこと。
・国民が老人の福祉への関心と理解を深めること。
・老人が自らの生活の向上に努める意欲を高めること。
〇来賓として太田和美市長や坂巻市議会議長もお見えになりました。ここまで盛大な会を実施している市内のふるさと協議会はあまりなく、企画から準備までを担当した増尾地域の力を感じました。
〇本校吹奏楽クラブも出演し、5曲を演奏しました。皆さんから温かい手拍子や声援をただきました。アンコール曲は準備していませんでしたが、「学園天国」をアンコール演奏しました。良い発表の機会となりました。
〇最後に、元増尾西小学校校長で本校の学校運営協議会会長の田嶋勉先生と同じく元大津ヶ丘二小校長の富澤秀樹先生のユニットも演奏され、昭和歌謡や童謡を見事に披露されました。
〇学校は地域の中にあり、そこで学ぶ生徒たちが、「自分たちの住む地域は素晴らしい!」「自分も将来はこの地域に貢献していきたい・・」と思ってくれることが何よりもうれしいことだと思います。
須藤昌英
林間学校第三日目を振り返って
二泊三日の林間学校が終わりました。標高1,400mの亀屋ホテルを中心に生徒たちと過ごしてきましたが、朝晩は高原のさわやかな空気で、ホテルから見える緑の山々が輝いていました。4月に土中に着任し、校長として本校の特徴を客観的に把握しながら、生徒たち何を語りかけていこうかとワクワクした気持ちで、この5ケ月を過ごしてきました。そしてこの三日間で、二年生は予想以上の成長を見せてくれました。来週からの学校生活にもきっと良い影響があると確信しています。私もこれまで60回?を超える宿泊行事の生徒引率をしてきましたが、正直ここまで病気や怪我の少ない経験したのは初めてでした。柏市の方も雷雨がきていると聞いていたので心配していましたが、何より目の前の生徒たちの安全を守ることを職員たちと優先しました。最後の到着式では私から生徒たちに、「2泊3日でこの学年のポテンシャルの高さを実感しました。この林間学校に君たちを喜んで参加させてくれた家族の皆さんに、3日間の報告をするのが、帰ってからの君たちの責任です」と話しました。ホームページに掲載した写真をもとに、本人の話をじっくりと聞いてあげてください。ありがとうございました。須藤昌英
出席停止の感染症にかかったら、こちらをご確認ください。
【通知】治癒証明書等の取扱いの変更について.pdf
柏市立土中学校
〒277-0033
千葉県柏市増尾1-23-1
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FAX:04-7174-5846