校長雑感ブログ

2025年9月の記事一覧

9月3日(水)國分功一郎先生(先輩)について感じたこと【1学年】

〇先日の全校集会で、私から東京大学の國分教授の紹介(小中学校のエピソードや私と國分さんのメールやりとりを含む)をした後、その感想を生徒たちに書いてもらったので、今日から学年ごとに紹介していきます。

〇感想を読むと、1年生も自分事としてよく話を聞いて、今の自分を見つめていることがわかります。やはり偉大な先輩から感化される面が多いのでしょう。

【1年生】

・自分もルールは決まっているけど、そのルールを守っても守らなくても何も変わらないのにルールがあって意味がないと思ったりするところは似ていると思いました。また、本の話で自分は意味が分からなくても面白いと思えば絶対に、とばさないで読みます。分からなくても、その分からないことを分かるところから「こうなんじゃないかな。」と仮説を立てるのが楽しいし、経験にもなると思いました。

・「d」と「b」がわからなかったのに、2年生になって授業ができたのはすごいと思いました。

・冷静に考えるとおかしいことが、当たり前になっているのは違うと思った。

・先生や先輩に対して自分の意見をしっかりと発言できるのはすごいなと思いました。

・國分先生は自分の意見を強く持って、それを立場が上の人に言う勇気があるのですごいと思った。

・本でわからないところは、親に聞いたり、Googleで意味や言葉を調べたりしていたけれど、先生は、わからなかったら好きなところだけ読めばいいって教えてくれました。

・東京大学で教授をしている方が土中学校出身だと知り驚きました。大学で教授などを務められる方は中学受験などをされているのかと思っていたので意外でした。いろいろなことを疑問に思い、それを口に出して上級生に度々呼び出されていたというのは更に意外でした。私はそういう勇気はないけれど、疑問に思ったことは口に出してみようと思いました。

・中1では「dとb」の違いも分かってなかったのに、今では教授になって英語もぺらぺらに話せているのがすごいと思いました。本の話で分からないところや読まなくていいという話が自分の印象に残りました。

・國分さんの話で、順序が大事というのが印象に残った。授業や、集まりなどでも話すことはあるし、スピーチとかだと順序を立てるから身近で感じやすいと思った。人の話を聞いているときに順序がおかしいなとかあまり考えたことはなかったけど、國分さんは先生の授業の話でも順序について考えているのがすごいと思った。

・「自分で授業してください」といわれて、うまくできたというのが印象に残りました。普通は、うまくできなくて、先生すごいなってなるのに、國分さんは、小さい頃からそういうのが得意だったんだなと分かりました。

・國分先生のことについて触れて見て、國分先生も自分と同じで中学の夏休みから塾を始めたんだと共通する分野を知ることができた。

・the speech was great.

・國分先生がおかしいと思ったことを自分の中で流さないで、先生に問いたりする行動力にすごいと思いました。哲学についてもっと興味を持ちました。

・校長先生がわかりやすい説明と共に画像も入れてくれていたので國分先生のこともよく分かりました。

・國分先生が自分の興味を持ったことにしかやる気がでないという事に少し納得できた。

・本を読まないではなく、読めないところをとばして好きなところを読むということ初めてしれたから、小説とかあまり読まないけど気になった本はいくつかあるからこれからやっていこうと思った。

・國分先生のことについてしれたし、この人が何をした人かなど詳しくしれたし、まさか土中学校を卒業したとは思ってなかったから衝撃でした。

・校長先生が國分先生とメールで話していて、来年土中に来てくれるかもしれないということにすごいなと思いました。ぜひ会ってみたいです。

・國分先生の小学、中学生時代のことを知れて昔と今の学校の違いを知ることができました。そして、本でわからないところがあればとばして読めるところを読んでもよいと知ることができました。今度、読みたい本があればなるべく読んでいこうと思います。

・自分がおかしいと思ったことに対して、おかしいと言えることがすごいと思った。

・國分先生の中学1年生時代の自分がおかしいと思ったことにおかしいと言えることがすごいなと思った。また、他にも自分が授業をしたり、塾に行くのが不思議と思ったり、周りに囚われずに自分を信じて進むのがすごいと思った。アルファベットの「dとb」の見分けがつかない所から、成績をドンドン上げていったのが努力家だなと思った。

・自分たちだけでじゃなくて、校長先生は夏休み中に國分先生の本を7冊も読んでいた宿題をやるだけじゃなくて、本を読む大切さがわかった。

・校長先生の話を聞いて國分先生が一年生の英語のアルファベットが覚えられていなかったと聞いて僕にもこれから頑張れば英語の点数を上げられるのかな?と思った。

・國分先生が土中学校を卒業していて、哲学にも興味があることがわかった。本のわからないところは読まずに、自分が好きなところだけを見ればいいということがわかった。

・大人の人がわかりやすい、難しい本でも読んでみることがいいと思いました。

・國分先生の行動力が1番、印象に残りました。

・bとdの区別すらつかなかった先生が外国人と関われるくらいにまで英語が上達するのがすごいと思った。私も外国人と英語で会話できるようになりたいので、上達する方法を教えてもらいたいと思った。

・國分先生の本は少し難しそうだけど、チャレンジしてみようと思いました。

・柏市から哲学者がうまれていることにおどろきました。音楽に興味があって少し親近感がわきました。

・哲学は奥が深いなと思いました。

・國分先生の話を聞いて、自分の意志を持つことは大切だと思った。

・哲学を今度調べてみようとおもいました。

・私は哲学ってよくわかりません。聞いたことはありますが哲学ってなんであるのかが不思議です。

・校長先生が國分先生にメールを送って、返ってくるのが本当にすごいと思った。哲学の本の読み方?も面白いと思った。

・國分先生が土中の生徒だったと知り、驚きました。どのようにして勉強したのだろうか、など気になることが多かったです。

・自分にも國分さんと意外と同じところがあったので驚いた。

・「ダメ元」で連絡を入れたら返事が返ってくるのがすごいと思う。國分先生にも昔はいろいろなことがあったことにすごく驚いた。

・楽器をしていることに驚いた。

・まわりにとらわれないで自分らしく生きるのがすごいなーっと。

・國分先生のことは知らなかったけど、小中学生の時の発言を見てどんな人か会ってみたくなりました。

・あたりまえのことを疑問に思うのがすごいと思う。

・國分先生について知ることができました。吹奏楽部に入っていたところが同じでした。國分先生の本を読んでみたいと思ったので見つけたらよもうと思います。

・土中学校を卒業していて、哲学が好きな人なんだなと思った。

・哲学は難しいとわかりました。

・思ったことはすぐに発言しないと忘れちゃうから自分で感じたことは話そうと思いました。

・國分さんは頭がいいことがわかりました。哲学者はめっちゃすごいことがわかりました。

・校長先生の話を聞いて國分先生の本を読んでみようと思いました。

・哲学って面白いと思った。

・この前は民主主義の話だったけど今日は哲学の話でこれも面白かった。

・國分先生が、最初動画を見た際は、おとなしめな方なのかなと思っていたのですが、学生時代は、結構おしゃばりだったということを聞いて、少し意外だし、「bとdの区別もつかなかった」のに、今では英語がペラペラなのは、すごいと思いました。話の順序が難しくて、時々何を言っているのかわからなくなってしまうので、どうやったら話がわかりやすくなるのか聞いてみたいです。

須藤昌英

 

9月2日(火)全校実力テスト&給食開始&防災学習

〇今日は全学年で実力テストを行っています。夏季休業明けで、学校生活の感覚もまだ完全に戻っていませんが、朝から5教科に取り組んでいる生徒たちの表情は真剣です。

〇明日からは通常授業が再開されます。今日のテストでアウトプットした分、また各教科の授業に積極的に取り組み、大いにインプットしてください。

【1学年】

【2学年】

【3学年】

〇今日から給食も始まりました。今日のメニューは「ごはん、鯖のソース煮、磯香あえ、呉汁、アセロラゼリー、牛乳」でした。しっかり食べて、午後のテストも頑張ってもらいたいです。

〇昨日は「防災の日」で、102年前に十万人以上が犠牲となった「関東大震災」が9月1日正午前に発生したのがその由来です。

〇「柏市小中学校地震発生時の対応」マニュアルでは、昼間に震度5強の地震が発生した場合、児童生徒は下校させずに学校に留め置き、保護者等に児童生徒を引き渡すことになっています。

〇実際の引き渡しの際は、現在活用している「Sigfy(シグフィー)」を有効に使いたいと考えていますが、混乱状態であることが予想されますので、留意が必要です。

〇本来は教室から校庭へ移動して避難訓練を行うのですが、今日は猛暑を考慮し、体育館で防災を考える全校集会を行いました。

 

【防災についての校長の話】

今の猛暑は一つの災害であり、地球温暖化を飛び越えて、「地球沸騰化の時代」が来ていると専門家が話しています。そしてもう一つ、日本が避けることのできない災害が地震です。熱中症から命を守ることはある程度計画的にできますが、ただ地震から命を守るためには、もっと突破的な判断をする必要があります。そして昨日は関東大震災から102年目の日でした。

1 関東大震災について

日時:1923年9月1日午前11時58分

規模: マグニチュード7.9(震度6強)

範囲: 千葉県の房総半島から神奈川県の相模湾

被害: 昼食時で強風(東京は46時間燃え続ける)、火災を含んだ竜巻状の渦(火災旋風)があちこちで発生、建物の崩壊や火災で約29万棟、津波も発生

死者: 約10万5千人(9万人が火災で亡くなった)

●この100年間で、東京の人口は400万人から1400万人に増えました。単純に計算したとしても、3倍以上の死者が出る可能性があります。

●地震による火災で警戒すべきは、「同時多発に発生する可能性が高い」ことです。同時多発的な火災の場合、逃げ道を塞がれるリスクもあります。

●人々の混乱が一番の問題になると思います。慌てることにより逃げようにも逃げられなくなる可能性は、東日本大震災の時の映像を見れば解ります。あちこちで連鎖して混乱が広がり、人が逃げるよりもそこにうずくまってしまう状況が起きます。

2 地震発生のメカニズムについて

・日本の国土の広さは、世界全体の陸地のたった0.3%にも満たないですが、世界で発生する地震のおよそ10%が日本とその周辺で発生しているといわれています。

・地震は大きく分けると、活断層型地震とプレート境界型地震の2つがあります。

・関東周辺は「北アメリカプレート」「フィリピン海プレート」それに「太平洋プレート」と呼ばれる3枚の岩盤が複雑に重なり合っていて、過去にも繰り返し大きな地震が発生してきました。

・3枚のプレートが互いに押し合っているため、地下では地震の原因となる「ひずみ」がたまり続けています。

・地球の表面は、海や陸など十数枚に分かれた、厚さ数10〜200kmのプレート(岩盤)で覆われています。海の下にあるプレートは、年間数cmの速さで陸のプレートの下に入り込みます。この圧力によってプレートにひずみがたまり、それが限界に達すると、亀裂が入ったり大きく動いたりします。これが地震なのです。

・地震が起こるとひずみはいったん解放されますが、プレートの動きは一定なので、定期的にひずみがたまって地震は繰り返されます。

・この繰り返しの周期が、過去をさかのぼると、おおよそ100年周期となっていて、まさにその100年目が今年なのです。関東地方南部は、マグニチュード7以上の地震が周期的に発生しています。

3 いのちを守ることについて

●「いつ発生するかわからない」のは、人間の時間で考えるからで、地球の時間でいうと、100年なんてほんの一瞬であり、今発生してもまったくおかしくはありません。

●今後 20~30年以内に70パーセントの割合で、首都直下型地震が起きると言われています。しかしその数字を聞いて安心はできません。確率とは、今起きてもおかしくないと受け取るのが正しいからです。

●私は、「その時」に、先生方に自分の命を犠牲にして君たちの命を守ってくれとは言えません。なぜなら、君たちの命も先生の命も同じく大切だからです。

●とにかく最初の揺れで、「自分の命は自分で守って」ください。先生方もそうしてください。関東大震災百年を契機に、それぞれの立場で防災について考え、災害に備える機会としてもらいたいと思います。

須藤昌英

9月1日(月)9月に入りました

〇先週までの42日間の夏季休業が終わり、今日から2学期77日(授業日数)がスタートします。今年の夏は記録的な暑さが続き、この9月もまだ熱中症対策が最優先になります。

〇登校してくる生徒の様子を見ていますと、残暑とは言えない強い日差しの中、その表情からは様々な気持ちを抱いていることがにじみ出ていました。

〇助かるのは体育館に空調があるので、ゆっくりと全体を見渡しながら集会ができることです。昨年までは生徒の体調を考え、始業式などを校長室と教室のオンラインで実施することも多かったです。

〇しかし全校生徒が集合した上で、夏季休業中の個人や団体の活躍を表彰する式もでき、みんなで祝福することができました。やはりお互いの顔が見える空間は、一体感が生まれます。これからも大切にしていきたいです。

〇校長の話では、本校の卒業生で現在、東京大学大学院総合文化研究科教授である國分功一郎氏の紹介をしました。國分氏には来年の創立80周年に向けて、後輩である生徒と交流していただき、今後ますます国際化・複雑化する世の中で、生徒一人ひとりが「自分らしく生きるとはどういうことか?」などのヒントをつかんでもらいたいと願っています。

〇生徒たちから「國分先輩に尋ねてみたいこと」を募り、現在集約中です。後日、國分先生からそれらの回答をいただき、生徒たちとの交流を継続してもらう予定です。

須藤昌英