創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
2月8日(水)千葉県公立高等学校入学者選抜にかかる出願
〇今日から3日間(10日は午前中のみ)、千葉県立及び柏市立高等学校の出願手続きがあります。基本的に公立高等学校へ出願できる条件は、「県の内外を問わず、他の公立高等学校を出願していないこと」ですので、入学願書にはそのことを校長が証明する欄があり、私がすべて捺印しています。出願方法は一部のWeb出願を除いては、郵送か直接持参になりますが、本校では生徒本人が受検する高等学校に出向くことにしています。出願をしない3年生については、2時間授業の後、下校となります。
〇出願する高等学校の所在地は、柏市9校、我孫子市2校、鎌ヶ谷市1校、流山市4校、野田市2校、松戸市6校、千葉市2校と広域になります。朝いったん登校し、担任などから出願書類を受け取って、志願先の高等学校へ徒歩や公共交通機関等を使って行きます。学力検査等の当日の下見を兼ねるねらいもありますので、身なりを整えて礼儀ある態度で行くように、学年職員で指導しています。
〇出願期間が終わる10日の金曜日に、志願倍率が発表されます。その倍率を参考にし、1回に限り、志願の変更の手続きをすることができます(2月15日、16日)。ただしこれは無暗に行うと返って生徒本人に心の動揺(変えることにはチャンスとリスクの両方がある)が残ることもありますので、慎重に行わなければなりません。
〇この2つの手続きが終わったら、あとは21日と22日の学力検査等の当日になります。生徒のみなさんには、「最後は自分のやってきたことを信じて」と言ってあげたい気持ちです。不安を感じない人など一人もいませんので、自分だけが不安だと思わないでほしいのと、私の経験からは、他の学校から出願した人はみな「自分よりも出来そう」などに見えるので、たまたま同じ学校を受検した人は、ライバルというよりは「同志」だと思って、「お互い頑張ろう」くらいの気持ちでいる方が、気が楽になると思います。
〇本番直前にあえてこれまでの生活スタイルを変えるのは好ましいことではありません。気持ちはわかりますが、最後の追い込みとして深夜まで勉強をしようとする生徒が時々いますが、そのことが自分にあっているのか否かと思いあぐんだり、寝不足になったりと精神的・身体的負担がかかります。新しいことを取り入れようとする気持ちをあえて抑えて、今までの生活リズムを貫いていった方が良いと思います。
〇伝統的に中学校の教員には、『十五(歳)の春は泣かせない』いう言葉が伝わってきています。義務教育9年間を終え、新たな進路先を自分で選ぼうとしている3年生。合否の結果は我々にはどうすることもできませんが、本人が努力してきた力を精一杯出し切れるように祈るしかありません。
須藤昌英
2月7日(火)SNSの悪用の背景
〇インターネットは多方面で私たちの生活を豊かにしてくれていますが、世の中はますますその便利さを追求し、何時でも欲しいものがあれば注文して自宅まで届けてくれたり、わからないことは手元のスマホで検索すれば、それなりの情報(情報元の信用性は別にして)が得られるようになったりしています。
〇連日報道されている「広域強盗殺人事件」の指示役が、外国からSNSで遠隔操作をして、日本全国で白昼堂々の強盗が金品だけでなく、人の命も奪う悲惨な事件に心が痛みます。自分の手は汚さずに、インターネットで「裏バイト」などと称して若者を募集する手口は、ひと昔前では考えられなかった事件です。犯罪に優劣はありませんが、やむにやまれぬ事情から犯してしまったものと、このようにギャンブル的に社会への影響を深く考えもせずに行ったものでは、同じ犯罪でも質の違いを感じます。
〇また若者による飲食店での悪質ないたずら(いたずらの領域を超えた威力営業妨害)をアップしている動画も10年以上前くらいから途絶えません。学校でも過去の同様の事件がいかに社会全体にわたって迷惑をかけ、何より自分自身が後の人生を台無しにすることを繰り返し「情報モラル授業」の中で教えています。しかし彼らもそれらが違法と「知識」としてはわかっていても、その場の雰囲気や安易な楽しさを求める気質によってのみ行動をしてしまい、少し時間が経過してから反省をするのでしょう。しかし今回は被害を受けた大手回転すしチェーンは、本人たちの謝罪を一切受け付けず、刑事告訴をするようです。「ダメなものはダメ」ですから彼らを可哀そうと思う気はありませんが、どうしたら事前に自分にブレーキをかけられるような教育ができるのだろう?と考えてしまいます。
〇最後はもっと身近な市内中学校でも実際に様々なトラブルが多い現状です。一例として、女子生徒へ「裸の画像を送ってほしい」とLINEを送った男子生徒は、もともと友人にそそのかされてやったことでしたが、送られた女子生徒がその内容を周囲の生徒たちに暴露したところ、送った男子生徒はそのことがきかっけで、今学校に行けなくなっている事案があります。またこちらは警察が入った案件ですが、友達のTwitterを乗っ取り、持ち主になりすましてクラスの女子生徒にわいせつ画像を送り付けた事案が報告されています。これはいたずらを超えた犯罪行為です。どちらの案件も、要求されたり送られたりした相手の気持ちなど微塵も考えずに、面白がって「相手の反応をみたい」という短絡な動機が共通点です。
〇冒頭に書いた便利さでいうと、我々がもはや「当たり前」と感じているスマホなどの便利なツールは、知らないうちに「何かにすぐにパッと飛びつく習性を嫌でも身に付けてしまうこと」に直結しています。そして便利さの裏返しとして、自分はその場から動かずにスマホやパソコンで「何でもできてしまう」という錯覚に陥りやすいのでしょう。そうなるとその先を想像してから行うことがなく、気づいたら取り返しのつかないことになってしまうのだと思います。生徒たちに、「便利さ」の影の部分をどう伝えていくか・・。日々考えています。
須藤昌英
2月6日(月)物価高騰の影響
〇学校は教育活動を円滑にするために、常に様々な出入りする業者と綿密に連絡を取り合い、教材や備品の購入や施設管理に関する依頼などを行っています。先日、旅行業者の担当の方と今年の6月に実施する予定の林間学校(2学年:長野県方面)と修学旅行(3学年:奈良・京都方面)についての見通しを話し合いました。
〇コロナの感染については、5月以降に季節性インフルエンザと同等の扱いになる予定なので、少し明るい兆しですが、一方で一番懸念されるのが、物価高騰の様々な影響です。先日は電気料金の値上げの影響について書きましたが、もっと幅広い影響があります。
〇まず交通費では修学旅行で使用する東海道新幹線は、団体料金で決まっていますので、しばらくはそのままだろうと思います。一方で大型バスの使用料金ですが、これは国の規定で使用する日数や行先の距離によって決まっています。林間学校は2泊3日、修学旅行は3日目に京都市内を半日、その後東京駅に着いてから学校までの間(約1時間)に使う予定です。担当者から聞くところによると、バス業界も燃料費や人件費があがっている現状から、今後国に値上げの申請をしていく可能性もあるということです。しかし申請してもすぐには認められないので、今年中には直接の影響はないという見通しですが、その先は不透明だそうです。
〇宿舎(ホテル・旅館)については、すでに昨年度中に一定の条件のもとで契約を交わし予約済ですので、料金は変わらないと思いますが、もしかしてそのサービスの内容に影響があるかもしれません。私から業者を通じて、宿舎側には食事やその他に質の低下がないように、申し入れていきますが、そのような心配をしなければならない状況です。
〇その他では林間学校では利用しませんが、修学旅行では事前に学校から宿舎へ、また宿舎から自宅に各自の荷物を送ったりするので、宅配業者に依頼します。これも先日大手の宅配業者が値上げを発表していましたので、その影響を注視し、必要に応じて対処していきます。
〇いずにせよ5クラス160名前後の生徒を学校外で、2泊3日の体験をさせるには、それなりの費用と配慮が欠かせません。旅行業者の担当者も、「コロナになってもう学校の教育旅行(旅行業界ではこう呼んでいます)はなくなってしまうかもしれないと思っていました」と正直に話していましたが、昨年から元にもどりつつあります。旅行業者は旅行のプロですので、任せるところは任せつつ、今後もよく連絡をとりあって、生徒たちの思い出づくりの準備をしていきます。
須藤昌英
2月3日(金)節分と心に住む鬼
〇明日の立春の前日である今日は「節分」です。他にも立夏、立秋 立冬の前の日はすべて「節分」の日ですので本来「節分」は年4回あります。その中でも春は新年の始まりでもあることや希望をもつという意味合いから、一説によると室町時代以降、特に春の節分が重視されるようになり、一般的に「節分」というと立春の前日を指すようになったそうです。
〇「節分」とは「季節を分ける」という意味ですので、明日からは「新年(初春)」となりますので、今日は通常のカレンダーにおける大晦日と同じと言えます。中国では「春節」としてお祝いを盛大にするのをニュースで見かけます。
〇新年を迎えるにあたり、鬼を退治するために豆が使用されますが、一説によると、「魔(ま)を滅(めっ)する」という語呂合わせから「まめ」をまくようになったようです。また日常でも「まめによく動く」などで使われるように、「まめ」という言葉には「体が丈夫で気が利く」という意味もあり、節分に使われる豆は「福豆」と呼ばれ縁起が良いものとされています。千葉県などは特産の殻付きの落花生を使うところもあると聞いたことがあります。あすなろ学級では、昨日豆まきの練習をしていました。
〇ではその鬼とは何を象徴しているのでしょうか?よく言われるのが、自分の心の汚い部分や弱い部分です。自分だけが得をしようとしたり、相手を貶めたり意地悪をしたりする人は、あらためることも必要でしょう。ただそれに気が付いていない場合も多いので、少なくとも人に指摘されたら、「素直」に自分を振り返ってみることだと思います。これは子どもたちへの戒めとしてではなく、私たち大人の心に棲みつく鬼とどう向き合うかだと思います。
〇また先日も「心の弱さ」については、それと誠実に勇気をもって向き合い、気づいたことをためらわずに、これからの生き方に活かす「素直さ」について書きましたが、自分の行動面で、普段からだらだら過ごしたり、なまけ心に勝てなかったりすることなどが鬼と捉えられるかもしれません。いずれにせよ自分を制御(コントロール)できるか否か、生涯の課題とも言えます。
〇豆まきの時には一般的に、「鬼は外、福は内」と言いながら豆を投げますが、これは鬼(厄や邪気)は家の外へ、福(幸運や福の神)は家の中へどうぞ、という意味が込められています。私も子どもの頃は単純な構図でわかりやすかったですが、中学生くらいになると、「そんなに都合よく悪いものは遠ざけ、良いものだけ近くにもってくるなんて、横着でしかない」などの考えも出てきたり、さらに大人になると、ありのままの自分を受けとめて「ぼちぼち生きていこう」と思えるようになり年齢によって変化があるものです。今は自分の内面を観察した結果、ありのままの気持ちから「福は内!鬼も内!」の方がしっくりくるようになりました。
〇今日の給食には節分にちなんで、イワシと豆がメニューにあります。昔は家庭でも鰯の頭を焼いて柊の枝で刺した「柊鰯(ひいらぎいわし)」を家の玄関などに飾る風習があった記憶があります。鬼が家に入ろうとした時に、鰯を焼いた強烈な臭いで驚かせ、柊の棘で鬼を刺し追い払うための魔除けの儀式だと親から教わりました。また年齢の数だけ豆を食べることも、大豆は良質なたんぱく質ですから身体に良いとわかっていても、さすがに私は60個は食べられないです。
〇近年?は恵方巻(節分の日にその年の神様がいるとされている方角「恵方」を向いて食べる太巻き寿司)が主流になりました。我が家でも子どもたちが小さいときは、豆まきよりも恵方巻を食べて喜んでいました。時代は変わりますが、ともかく明るく立春を迎えたいものです。
須藤昌英
2月2日(木)給食と音楽
〇今週に入り、インフルエンザの流行の兆しが見えます。先週までは隣の学区で流行しているとの情報がありましたが、いよいよ来たかという感じです。日曜日まで感染拡大防止のため、部活動を原則中止とします。ただし週末に大会が予定されている部活動は、個別に連絡しますが、対外試合ですので、十分に配慮して行います。
〇本校の給食の時間は、12:40~13:10です。その時には放送員会による昼の放送があります。最初に今日の献立を読み上げ、「残さず食べましょう!」と呼び掛けています。また時には、「○○委員会からお知らせ」などがあり、配膳が終わりちょうど食べ始めたころに、生徒からのリクエスト曲を流しています。
〇ジャンルとしては、映画音楽、J-POP、K-POP、洋楽、アニメソング、TV.CM、季節の音楽、卒業特集などですが、曲の年代は昭和から令和まで幅広いです。当然のこと最近の曲はあまり聞いたことのないものも多いですが、この10ケ月間でびっくりしたのは、天地真理やピンクレディー、島倉千代子など、私が子どもの頃に流行った歌謡曲や演歌などもあり、我々の年代は懐かしい思いがしますが、「果たして中学生はどんな気持ちで聞いているのだろう?」と思います。
〇ただ最近は、若い人たちの中で「昭和」を見直す機運がたかまっているようです。実際に大学3年生の娘(平成14年生まれ)も先日、自分のスマホで彼女が生まれるはるか前の歌を聞いていたので、「そんな古い歌をよく知っているね」と尋ねましたら、「友達とカラオケに行くと昭和の歌を歌う人が多いよ」「私も昭和の時代を生きてみたかった」とつぶやいていました。「昭和もそれなりに大変なこともいっぱいあったんだよ・・」とこちらは思いますが、面白い現象です。
〇気になるのは「食事にふさわしい音楽とはどういうものか?」ですが、私なども聞いている音楽のリズムとテンポによって、食べるはやさ(勢い)が変わってくる気がします。アップテンポなロックミュージックだと無意識にはやく食べたり、レストランなどの飲食店では、クラシックやジャズなどのBGMが流れていることも多く、ゆったりとした気持ちで食べられます。少し調べてみると、食事を味わう時、私たちは五感のうちの「味覚」だけを使っているわけではないらしいです。例えば、盛り付けが美しい料理を見て美味しそうと思ったり、シャキシャキという噛む音が心地よく食欲が増したり、視覚や聴覚あるいは気温や食べ物の温度といったさまざまな要素が関係しているそうです。
〇過去に日本家政学会が発表した『食事環境におけるBGMが食欲に与える影響について』という研究結果を見ると、「騒がしい洋楽」「穏やかな洋楽」「クラシック」「学生食堂の録音」「BGMを使用しない」という5つの音環境中、特に食欲が減退したのは「騒がしい洋楽」だったようです。やはり給食中もあまり好ましくないのでしょう。
〇一方で、食欲増加につながる「脳安静度」が高かったのは、「学生食堂の録音」と「クラシック」だったそうです。ただ前者に関しては、今黙食のため会話はほぼなく室内には食器の音しかしませんので、残念ながら当てはまりません。となると後者しかありませんので、たまには「クラシック」を私からリクエストしようかと思います。
〇音楽は人の気持ちに大きく影響を与え、明るい音楽なら明るい気持ちに、暗い音楽なら暗い気持ちになりやすいことを考えると、給食の美味しさを感じて心が和むことなどに、何かしらの影響を及ぼすと言えるのではないでしょうか。
須藤昌英