校長雑感ブログ

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2月1日(水)防寒着あれこれと社会的マナー

〇2月に入りました。先日も書きましたが、我々学校関係者の間では、3学期を「行く一月、逃げる二月、去る三月」とよく言います。3学期は気持ち的に多忙で、「あっという間に」4月の新年度を迎えるという気がします。そして2月という声を聴くと、まさに来月の卒業式や年度を終える修了式が目の前に迫っているのだと落ち着かない気がしてきます。

〇今日は暖かくなるようですが、いつも朝の正門に立っていると、いろいろな防寒着を着た生徒が登校してきます。マフラー、手袋、ネックウォーマーももちろんですが、この時期はマスクも一つの防寒着になっているようです。外着としては、部活用のウィンドブレーカー、市販のダウンウエアー、足もとまでのグランドコードなど、様々です。ただ個人のロッカーが大きくないので、教室内での保管ができるものに限られています。

〇手にもった携帯用の使い捨てカイロも有効です。手がかじかんでいると、身体全体まで寒い気がしますので、もっと使ってもいいと思います。ただ生徒には、使用が終わって不要になったら、自宅へ持ち帰って捨てるように指導していますので、もしかしたらそれが面倒?なのかもしれません。以前に勤めた学校では、その使い捨てカイロが教室のゴミ箱に大量に捨てられ、処分に困った経験もありますので、致し方ないこともご理解ください。

〇またマナー面では、自宅に帰る以外は、「防寒着等は玄関で脱いで手にもって建物に入る」のが社会人の常識ですので、現在はそれを生徒に強いてはいませんが、知識として覚えておいても損はないと思います。「大人になって初めて聞いた」ではなく、知っておいて必要な場面(将来の会社訪問や就職面接など)になったら実行すればいいと思います。

〇防寒対策には重ね着が必須であると言われており、調べてみると今は、重ね着をレイヤリングとも言うそうで、「ベース、ミドル、アウター」と分かれており、それぞれ「〇〇レイヤー」ということを初めて知りました。ベースとは要するに、肌に密着する1番下に着る防寒インナー(アンダーウェア)のことで、最近は汗や水蒸気を熱に変えて発熱するものが主流になっていますね。

〇また寒さ対策には、暖かい空気をうまく体の近くでためることも重要で、その状態を羽毛を使った衣類(ダウンのコートやジャケット)が有効のようです。私も以前はジャケットや背広の下にベストを着用していましたが、近年は「インナーダウン」として、薄手のダウンを着始めましたら、暖かいので脱げなくなりました。そのようにアウターの中に着る防寒服のことを、ミドルと呼び、これにより防寒効果はぐーんと上昇し、暖かさを持続することができます。

〇生徒は制服やジャージの下に、カーディガンやセーターを着用しています。ただし色は、白、黒、グレー、ネイビーなどを基調としたものとしています。休日に私用で外へ出かけるのであれば、特別に規制はなくてもいいと思いますが、生徒にとって学校は、一応「公用的な場所」ですので、使い分けをすることも学びだと思います。

〇最後のアウターレイヤーは、保温性もそうですが、防水や防風に優れたものが理想ですね。ぴったりフィットするサイズ感よりも、少し余裕があり、空気をたくさん含めるサイズを選ぶことで、より保温力がアップします。

〇よく「フォーマル」と「インフォーマル」と区別しますが、それぞれの場面で服装を適切に切り替えることが、気持ちを切り替える一助にもなります。生徒には昨日の「素直」ではありませんが、「決まりだから守る」ではなく、「どうして使い分けるのか?」を、自分事として考えてもらいたいです。

須藤昌英

1月31日(火)素直と成長(自主性があると未来が開ける)

〇昔から「素直な子はのびる」と言われますが、「素直」とは誰からみたものかによっても変わってきます。広辞苑で「素直」を調べてみると、「①飾り気なくありのままなこと。曲がったり癖があったりしないさま。質朴。淳朴。②心の正しいこと。正直。③おだやかで人にさからわないこと。従順。柔和。「忠告を―に聞く」④物事がすんなりゆくこと。とどこおりないさま。⑤技芸などで、癖がなく、すっきりしていること。「―な字」」とあります。

〇まず親や教員からの視点で素直とは、「きちんと言われたことをやり、たとえ間違いを指摘されても反意を示さずになおそうとする」が一番強いイメージだと思います。乳幼児期は初めて挑戦することばかりで成功と失敗を繰り返しながら、コミュニケーションやその他のスキルを身につけていきます。その際は「~したらいいよ」と大人の意見をまずはそのまま受け入れる子がほとんどだと思います。しかし中学生になって、乳幼児と同じ質の「素直」であったならば、それはそれで心配になります。

〇逆に「素直さが欠けている」となると、「自分の非を認められない、人の話を聞こうとしない、わからないことをそのままにしておく、自分のやり方に固執する、人に感謝ができない」など、大人からみると「厄介な子」となるのでしょう。私なども小学校高学年から中学生の頃は、「これではいけない」と思っていても、指摘された内容よりも、「~しなさい」に対して理由もなく反感を抱いていました。しかしだれもが成長過程で一時期にそうであったのではないでしょうか。素直になれない原因は、他人と自分の違いを意識したり、自分は自分で考えてやってみたいと思ったりすることが多くなったわけですので、ある意味「順調な成長」とも受け止められます。

〇では中学生以上の青年期の「素直」とはどんなことでしょうか?私は何より、だれもがもっている自分の「弱さ」と向きあえるかどうかだと思います。私たちは不完全な存在ですから、至らないことも間違うことも、すぐにはできないこともたくさんあります。それでも生きていく中で、小さな気づきとか発見をすることがあります。そこでそれがたとえささやかな気づきであっても、「あーなるほどそうだったのか」「これまで自分は間違っていたなぁ」と気づくことができます。

〇そしてその弱さや不完全さに誠実に向き合い、気づいたことをためらわずに、これからの生き方に反映できる、それが「素直」であり、そういう自分も大人でありながら「そうありたい」と常々思っています。ただしそのためには、自分の中に自己を認め肯定する気持ちが絶対に必要です。私もクラス担任として生徒に注意をするときに、やっていることは間違っているけれど、それをやっている生徒本人を否定すること(こちらがそう思っていなくても相手がそう思うことも含めて)が極力ないようにしてきました。

〇北海道にある植松電機という会社は、解体やリサイクルを主事業としつつ宇宙開発(ロケット制作)にも実績があります。その植松社長さんは、幼いころから宇宙への憧れをもっていましたが、親や先生に「どうせ無理だよ」という言葉を浴びせられながら、最後は自分の信念を貫いた人です。そこから会社に児童生徒を招待してロケットを見せたり、「思うは招く」というメッセージを送ったりしています。一度Youtubeですが講演会を視聴したら、「若い時に苦しくなったときは、自分で自分自身に『ただいま成長中!』と言えばいいんです。』との言葉が印象に残っています。

〇今の日本には様々な課題はありますが、少なくともだれもが「自分の人生に対して、自分で決めていける」環境は用意されています。自分で決めることで、何かうまくいかないことにぶつかっても、人のせいや条件のせいにして逃げることを踏みとどまることができます。

「素直」・・今の自分を大切にし(自己肯定感)、将来の自分に期待する(自己有用感)生徒 を育てていくことが、学校の使命だと思います。

須藤昌英

1月30日(月)柏っ子造形展

〇柏市教育委員会の主催で、市内の小中学校の児童生徒の作品を展示する3つの展示会があります。9月に理科の作品(科学展)、11月に技術・家庭科の作品(技術・家庭科作品展)、そして先週末は美術科の作品(柏っ子造形展)がさわやかちば県民プラザの回廊ギャラリーでありました。

〇学年ごとに出品した作品が異なっています。どの作品も個性が豊かで、創作した生徒の気持ちがよく表現されていると思いました。

【3学年】描画アプリで作るエコバック

     和にふれて(水墨画・篆刻・印箱)

【2学年】季節の平面構成

     軽量粘土 風鈴

     プラバン 木の葉のストラップ

【1学年】陶芸 家族で使う器

     水彩画 アジサイ

【美術部】風景画

須藤昌英

1月27日(金)校内授業研究会と授業参観

〇本日は今年度最後の授業参観を行います。寒い中ですがご来校いただきたいと思います。廊下は寒いので、教室内に入って参観ください。できるだけ廊下での会話はお控えください。

金1   9:05~9:50 

金2 10:00~10:45 

金3 10:55~11:40

金4 11:50~12:35 

金5 13:35~14:20

〇一昨日は5つの教科・領域で、7つの研究授業を行いました。教員としての研修内容は多方面にわたりますが、その中で「一丁目一番地」は、授業の進め方&生徒の学びの支援です。著名な教育者の斉藤喜博氏の「授業は真剣勝負である」や「教員は授業で勝負する」というフレーズは、教員であれば一度は聞いたことがあり、それを毎日実感している教員も多いと思います。

〇伝統的に日本の教員は、より良い授業を目指し、各学校やグループ、地域などでの自主的な授業研究の取組を続けてきています。私も日々の教材研究(授業内容をどの視点でどのアプローチで生徒に学ばせるか)する時間は、若い頃から楽しい時間でした。何よりも教える教員がその教科の楽しさや有用性をわかっていることが、たとえ思い通りに授業が進まなくても、生徒達には伝わるもの(この先生は本当にこの教科が好きなんだ)が多かった気がします。過去の国の中央教育審議会答申でも、「日本の教員の自己研鑽の意欲は高いものがあり、日本の授業研究の伝統は諸外国からも注目され、こうした自主的な資質能力向上の取組がこれまで日本の教育の発展を支えてきた」と評価されています。

〇特にその授業のねらいである「学習問題(課題)」は、生徒の学びのゴールを言葉であらわしたものであり、先日の授業研究会でもその大切さを学んでいます。本日の授業参観の感想アンケートにもそのあたりの率直な意見をお寄せください。

須藤昌英

1月26日(木)校長の「サラメシ」

〇NHKの「サラメシ」というドキュメンタリー?は、昔から好きな番組です。番組の副題に「ランチをのぞけば 人生が見えてくる 働くオトナの昼ごはん それが『サラメシ』」とあり、私は食事の内容よりも、登場する働いている人の姿やその仕事なりの苦労ややりがいなどを想像しながら毎回観てしまいます。特に興味深いのは、私と同じくらいの年齢の方々が何を好んで食べているのかをチェックしたり、若い新入社員などが仕事の緊張を昼食でほぐすのをみたりできることです。「人間ってみんな同じだな」とホッとする時が多いです。

〇私たち教職員の「サラメシ」は、生徒と一緒に食べる給食です。確か数年前の「サラメシ」で、東京都の小学校の校長を取り上げた時がありました。以前にも書きましたが、校長の仕事の一つに「検食」があります。「検食」は「学校給食法」に明記されていて、生徒が給食を食べる30分前までに、学校の責任者が事前に喫食し、人体に有害となる異物の混入がないか、調理過程において加熱等が適切に行われているか、食品の異味・異臭等の異常がないか、一食分として量が適当か、味付け・香り・色彩等が適切かを検査するものです。そして検食を行った時間、検食者の意見等検食の結果を記録しなければなりません。私も気づいたことなど一言コメントを書いて栄養教諭に戻しています。書く内容は、大抵は「ごはんとこの主菜、副菜の組み合わせがいいです。」といったことで、たまに味付けについての感想も書きますが、調理の素人ですから自分の好みが前面に出ないように気をつけています。ここまで衛生管理の面ではほとんど問題はありませんので、安心しています。直接言う機会がないので、調理員の皆さんへの感謝の気持ちもこめています。

〇私以外の職員の多くも給食を楽しみにしており、先ほどのように食べることで緊張がほぐれ、また午後の授業を頑張ろうと思うようです。もちろん我々も給食費を支払っていますが、先日の「サラメシ」で紹介されたある会社の社食でもワンコイン(番組内ではDJを務める俳優の中井貴一さんもその安さを絶賛していました)でしたので、1食330円は破格と言えます。何よりも暖かい給食を食べられることが有難いと感じます。

〇私が昭和の終わりに初任の教員としてスタートしてから数年間は、柏市の中学校で給食はまだ始まっておらず、職員も弁当持参でした。私が自分の弁当が食べ終わるのを見ると、生徒が寄ってきて「先生、これ食べる?」と自分の弁当を分けてくれることもありました。それをきっかけにその弁当を作ってくれた家族の話を聞いたり、その生徒とお互いの食の好みについてよく話したものでした。まだ20代の若さでしたので、当時はいくらでも食べられる頃でしたが、時には食べ過ぎて午後の授業がきつかったこともありました。今思うと、懐かしい思い出です。

〇今日は木曜日ですので、帰宅してから、ちょうど夕食の時間に観ようと思います。

須藤昌英