創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
4月12日(水)3学年がそろいました
〇1年生は、朝の会から新しいクラスで、最初は少し緊張した様子でしたが、教科書に記名したり、学年集会を行ったりしました。段々と明るい表情も出てきました。
〇2・3年生は、教室や体育館で発育測定(視力検査・聴力検査・身長・体重)を行いました。
〇1年生は、初めての中学校の給食でした。まずは給食当番が白衣を着るところから勝手の違いに苦労していました。さらに配膳や「いただきます」の挨拶もクラスごとに少しずつ違っています。当番以外は読書をして待ちます。
〇メニューは「牛乳、ポークカレーライス、わかめサラダ、手作りグレープゼリー、大豆小魚」でした。ご飯をどのくらいよそうかなども手探り状態で、食べ始めるまでにけっこうな時間がかかりました。明日からは少しずつペースアップしていくことでしょう。生徒が帰りましら、ご家庭で感想を尋ねてみてください。
須藤昌英
4月11日(火)第77回入学式で新入生のご入学を寿ぐ
〇本校の入学式に際しては、朝の正門で、学区内の小学校3校の先生方(中谷光男校長、宮本健寿校長、斎藤真紀子教頭)が、新入生を出迎え、言葉をかけていただきました。ありがとうございました。本校も含めた富勢中学区の4校は、学区共通の目標として、「自ら学び、心豊かに、たくましく生きる、富勢の子の育成」を掲げ、教育課程の違いを超えて、連携していきます。
〇本日10時より、第77回入学式を無事に挙行できました。新入生は新しい制服が少し窮屈そうでしたが、緊張した様子で参加していました。担任から自分の名前を呼名され、その場に立って、「はい」とはっきりとした返事をしている姿をみて、中学生としての自覚が芽生えつつあると感じました。明日から全学年がそろっての生活になります。
【校長式辞:要約】
・百六十ニ名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そしてようこそ富勢中学校へ。皆さんの入学を在校生及び教職員一同、心より歓迎します。
・今の初心を忘れないでください。明日からは、先輩である2年生や3年生との一緒の生活が始まります。でも彼らもそれぞれ1年前や2年前は、皆さんとまったく同じ気持ちでこの場にいたのです。
・人間にとって「経験する」ことが最も大切です。今の不安は、優しい先輩や親身になって指導してくれる先生方によって、すぐに安心感に変わります。しかしそれは、先輩や先生方も皆さんと同じような経験を過去にしてきたからこそ、皆さんの不安が、手に取るようにわかるからです。
・本校の最大の特徴を一言で言うならば、この後に斉唱します校歌の2番の歌詞に「瞳かがやき集う われら若人」とあるとおりです。富勢中の生徒はみんな明るく、主体的に学校生活を送っています。新入生の皆さんもまず、「一番自分の目を輝かすことができること」を探してみましょう。
・入学にあたり、中学生としての心構えを3つお話しします。中学校生活は、皆さんのこれからの人生にとって、重要な意義を持った三年間です。したがって、その時その時に、どうやって過ごしていくかを真剣に考えることが大切です。
・まず学習では、算数が数学、図工が美術、体育が保健体育、家庭科が技術・家庭科になります。また英語も本格的に始まります。世の中はあらゆる分野で飛躍的に進歩しており、それに対応するには、「何を知っているか」だけではなく、「何ができるのか」が問われてきます。つまり、単に知っているだけでなく、その知識はどんな背景をもち、どこで使われるのかまでをイメージできてこそ、はじめて「生きて働く知識」となります。
・一例を挙げます。皆さんは、小学校5年生で、三角形の面積を求める式を学習しましたね。そう、【底辺】×【高さ】÷2 です。
では、その公式はどうやって導き出されたのでしょうか?
・まったく同じ三角形をもう一つ、逆さにしてくっつけると、2つ合わせて平行四辺形になります。平行四辺形の面積は、【底辺】×【高さ】ですから、そのちょうど半分が、三角形1つ分の面積になるのでしたね。公式はあくまでも結果であり、それが導き出される過程(プロセス)が重要です。
・中学校の学習では、その公式を覚えていることより、どうしてその公式が成り立つのかを、自分の言葉で説明できることの方が重要で、そういう力こそ、皆さんに身に付けてほしいと考えています。
・さらに授業では、先生の話や友達の考えを聞いた上で、自分ではどう考えるかを発表したり、書いたりすることを大切にしています。それを3年間積み上げていくと、学力の中で一番大切な「学び続ける力」が身についてきます。授業に積極的に参加することを期待しています。
・よく世間では、先ほどのように学んだ結果を「学力」といったりしますが、本来「学力」とは「学」と「力」のあいだに「び続ける」という字が入って、「学び続ける力」のことなのです。
次に、中学校には様々な活動が用意されています。総合的な学習、体育祭・合唱コンクール・校外学習・部活動などです。このような活動を通して、自分の力を大いに伸ばしてください。一心不乱に取り組んでいる姿は輝いて見え、やりきることで自分に自信が持てます。
・最後に、このような学習やその他の活動を充実させるには、お互いに相手を認め合い、支え合う関係を築くことが必要です。「気持ちのよい挨拶をされた」「不安な時に励ましてもらった」「自分の悩みを聞いてもらえた」など、友達や仲間に勇気づけられ、次の一歩を踏み出せるのが人間です。
・保護者の皆様、本日は、お子様のご入学誠におめでとうございます。今日より大切なお子様をお預かりいたします。今後三年間、皆様のご期待に応えるべく私ども教職員一同、誠心誠意全力を尽くす所存です。特に、気になる点や相談等がございましたら、遠慮なく申し出てください。
・終わりにあたり、学校運営協議会(富学協)の皆様、公私とも、ご多用の中ご臨席を賜りありがとうございます。今後も「地域の中の富勢中」として、本校をあたたかく見守っていただき、ご支援・ご協力を賜りますようお願いし、式辞といたします。
令和五年四月十一日 柏市立富勢中学校長 須 藤 昌 英
(1学年所属教職員)
4月10日(月)教科担当と授業の持ち物、給食開始、入学式準備
〇各クラスの教科担当教員の一覧表です。中学校の授業時数は、一年間で1015時間です。その一つひとつの授業を通し、各教科の内容を通して、生徒に身に付けてもらいたい見方・考え方を一緒に追求していきます。
〇今週から各学年順次、学年内日課の中で最初の授業がありますが、その際に準備する学用品をまとめました。教科書はすでに配付していますが、ノートなどは教科によって異なりますので、確認してください。
〇今日から給食が始まりました。特に今年度から本校でもストローレスに取り組みます。私も牛乳パックの畳み方を復習してやってみました。毎日やれば覚えられることでしょう。
〇明日の入学式に向けて、午後は在校生を中心に、メイン会場の体育館と各教室の飾りつけを行いました。さすが在校生ともなると、準備をスムーズにしかも嫌々ではなく楽しそうに、力をあわせて行っていました。後輩を迎えるのがうれいしい生徒が大勢いるようです。
〇明日は、在校生は出席しませんが、教職員一同、心を込めて新入生をお迎えしたいと思います。
〇数ある美しい日本語の一つに、「寿ぐ」があります。読み方は「ことほぐ」で、別に「言祝ぐ」と書くこともあります。意味は字のごとき「言葉で祝う」「お祝いを述べる」「喜びを言う」などです。特に、「ほぐ」は、よい結果が得られるように、祝福のことばを唱えるという意味です。たとえば「新年を寿ぐ」といった場合に使われています。
〇私は初めてこの言葉を知った時、字から受けるイメージもそうですが、その読み方から「春の陽気によって人の心が和らぐ」と似た感覚があるなと思いました。少し調べますと、この「ことほぐ」は、古くから使われていた語で、『古事記』などにも用例が見られるそうです。日本の言霊(ことだま:ことばにあるとされていた霊力)思想を反映した語であろうといわれており、ことばには発せられたことばの内容どおりの状態を実現する力があるというものだそうです。
〇今、明日の入学式に向けて、入学を寿ぐ「校長式辞」を作成しています。先月の卒業式の式辞は、卒業生への思い入れが強くなってしまい、15分間と長めでした。入学式では、新入生も緊張しているでしょうから、あまり時間をかけず、私の登壇・降壇も含めて、10分以内で終わるように考えています。
須藤昌英
4月7日(金)学年内臨時日課が始まりました(~18日)
〇今日から別紙のように、学年ごとの臨時日課で生活・学習します。主に、学級活動(自己紹介、教科書・ワーク配付、学級目標決め、班・係決め、学級掲示物作成など)、学年集会(学年所属職員紹介、生活の約束など)、学年レク(学級写真撮影を含む)、入学式準備、発育測定、避難訓練、新入生歓迎会、全国学習状況調査(3年)、林間学校(2年)・修学旅行(3年)準備などなど・・、年度初めは生徒も教職員も大忙しです。
〇ご家庭でも毎朝、「今日は何があるの?」と予定の確認をしてあげてください。
須藤昌英
(2学年・3学年学年内日課)
4月6日(木)令和5年度着任式・第1学期始業式
〇昨年度末に多くの職員を見送ってからさびしい気持ちでしたが、今年度から着任された教職員に着任式で、自己紹介をしてもらい、「いよいよスタートしたな」という実感がわいてきました。
〇生徒会長の原心渚さんから、着任された教職員に向けて、あたたかい歓迎の言葉を述べてもらいました。
【着任式で生徒に紹介した職員】
〇始業式では、創立77周年目の伝統「挨拶・清掃・歌声」について話をしました。私から「伝統とは何だと思いますか?」「伝統を引き継ぐことは必要だと思いますか?」などの問いかけをしてみましたが、果たして伝わったかどうか。
〇私の願いとしては、新年度にあたり、「挨拶・清掃・歌声」のどれか一つを自分で選んで、「自分は~していきたい」とイメージしてから、新生活を始めてもらいたかったのです。
【始業式での校長の話】
〇3つの伝統のうち、早速校歌を歌いました。「人間の身体は、楽器でもある」と話したのですが、自分の身体の内部の空間に、歌を響かせるように歌ってくれたように感じました。
〇生徒指導主任の中居教諭からは、「新3年生、新2年生とも先輩になるという自覚をもつようにしましょう」との投げかけがありました。新しく着任した教職員からは、「みんな真剣に話を聞いて、素直なせいとばかりですね」との感想がありました。
〇新3年生はすぐに新しい教室へ移動し、新2年生は新クラス発表後に、荷物などを運びました。学級開きの自己紹介などは、明日の学級活動で行います。
須藤昌英
4月5日(水)第1学期始業式の前日
〇校舎裏のソメイヨシノはまだ頑張って咲いていますが、そろそろ終わりに近づいています。その一方で、少し遅咲きの八重桜の花が急に勢いを増し、ソメイヨシノに代わって主役になりつつあります。
〇調べますと、「八重桜」という呼称は、一つのサクラの品種ではなく、八重咲きに花を付けるサクラの総称だそうです。ソメイヨシノに代表される一般的な桜の花弁は5枚で、この咲き方を「一重咲」と呼称するのに対し、桜の場合は6枚以上の花弁を付けるものを「八重咲の八重桜」として区分しています。
〇サクラも複数の品種が交配してできた変種や観賞用に開発された改良品種を合わせると600種類を超えるといわれています。日本に分布している桜のうち80%以上がソメイヨシノだそうですが、実は他にも個性溢れる品種が多く存在しています。花弁の数も影響してか、本校の八重桜はピンクも濃く、花全体がモコモコしています。
〇サクラと同じく生徒もすべての面で、多様性に富んでいます。人にはサクラと同じくそれぞれの良さがあり、比べることは無意味です。ソメイヨシノにはソメイヨシノの良さ、八重桜には八重桜の良さがあり、そうだからこそそれぞれの特性が際立って、観る我々は楽しいのでしょう。比べるとは、ある基準をつくって、その物差しである基準を超えるか下回るかを判断するもので、工業製品を製造する過程にしかその有用性はありません。
〇明日より生徒を迎えるにあたり、教員は下駄箱やロッカー、机・椅子のシールを貼ったり、教室や廊下などの環境を整えたりしています。生徒のいない教室は、ガラ~ンとしていて、窓から差し込む光が床を照らしています。「はやく生徒が登校してこないかな」と待ち遠しく思っている教員も多いです。
(ソメイヨシノから八重桜へ主役交代) (静まり返った生徒下駄箱と作成中の机上表示)
〇昨日も家庭教育の役割について書きましたが、家庭教育には3つのポイントがあります。
① 見渡す
子どもの居場所として、家庭が本人にとってどこよりも安心できる環境となるように配慮することが、「見渡す」ことにあたります。要するにそれは、子どもの観察を通して子どもにとって必要な基本的な生活習慣や物事に対する価値観を学ぶための機会を適宜提供してあげることです。
② 見守る
子どもは、当然のこと親に「見守られている」と安心します。親から大切にされているという感覚は、子どもの自己肯定感や自己有用感を育む大きな要素であり、それらが高ければ、子どもは自ら挑戦し、たとえ失敗してもそこから学んだことを次にいかし、苦難を乗り越えられる人間へと成長できます。
③ 見届ける
子どもは常に「これで大丈夫だろうか?」などの不安を抱えています。日頃より子どもから相談されやすい距離感を保ち、もし相談されたら、「あなたはどうしたいの?」「私(親)にサポートしてもらいたいことは何?」などの投げかけをすると、子どもは自立(自律)へ歩み出します。
〇明日からの新学期ですが、具体的には、毎朝同じ時間に起き、1日3回バランスのとれた食事、体をしっかり動かし、夜は決まった時間に寝るなどの正しい生活リズムは体の調子を整えるだけでなく、抵抗力を高める効果もあります。集中力も高まるといわれているため、子どもがさまざまな知識を身につけやすくなります。
須藤昌英
4月4日(火)新年度に向けての会議や準備
〇正門前の通りは、桜の花が散り始め、新緑の若い葉が勢いを増しています。校内に入ると、グラウンドやテニスコート、武道場や体育館では、各部活動が来週からの大会に備えた練習に余念がありません。自分の好きなことを精一杯やっている若者の姿に、頼もしさを感じます。学年初め休業も明日までですので、そろそろ規則正しい生活に戻す意識をもっていることでしょう。
〇今年度からは、教育委員会事務局が「柏市小中学校管理規則」という柏市の条例を改正し、昨年度は4月5日だった1学期始業式を1日ずらして4月6日にしてくれましたので、準備の日程に少し余裕があります。ただ実質は3日間しかありませんので、職員は会議や新年度の準備に取り組んでいますが、昼休み以外はゆっくりとしいる職員はいません。
〇教員には、授業担当や学級担任などの役割に加え、学校全体を運営する係り分担(校務分掌と呼んでいます)を割り当てています。このことは「学校全体を支えている」という意識を醸成し、一つの組織として仕事をしていくことにつながります。下記が一例です。
・教務部(年間計画、月計画、週計画、学校行事、教科経営、日課表など)
・研究部(校内授業研修計画、各年代に必要な研修の推進など)
・生徒指導部(生徒の生活のきまり、一日の生活の流れ、生徒へ寄り添った支援など)
・管理部(施設管理、環境美化、備品管理など)
・庶務部(教科書管理、学籍管理、各種会計、各種証明など)
(会議やパソコンを使った準備の様子)
〇脳神経解剖学の世界的権威であり、第16代京都大学総長を務められた平澤興教授(明治33年新潟県生まれ、平成元年京都市で没)は、いろいろな名言を残しています。例えば、「人間には無限の可能性がある」や「人間には140億個の神経細胞があるが、それを全部使い切ったものは一人もいない」などは、医学者としての見地からの言葉でしょう。また「人生はニコニコ顔の命がけ」や「生きるとは燃ゆる事なり いざやいざ 進まん この道 我が燃ゆる道」などは「生きる」ことに関しても、深い洞察を与えてくれます。
〇この平澤氏が、教育(家庭教育を含む)についても次のような見解を示しています。
【家庭教育の基本】
どんなに立派なことを言っても、その生活の中に、何の夢もなく、だらしのない生活の中では、とても子どもには勉強しようなどという気持ちは起こらないでしょう。
【教育とは火をつけることだ】
教育とは、火をつけて燃やすことだ。教えを受けるとは、燃やされることであり、火をつけられることです。
〇私自身も家庭では3人の子育てをしてきましたが、次の5か条の最初の2つは、「果たして自分はどこまで出来ていただろうか?」と今でも時々振り返っています。
【人生信条】
1 親は、まず、暮らしを誠実に
2 子どもには、楽しい勉強を
3 勉強は、習慣づくり
4 習慣づくりは、人づくり
5 人づくりは、人生づくり
須藤昌英
4月3日(月)本年度21名の職員が着任しました
〇先月の24日に、21名の職員を送り出してから10日余り、本日から以下の職員を迎え、令和5年度の「チーム富勢」をスタートします。まず校長室で一人ひとりに千葉県教委委員会からの「辞令」交付しました。校長にとって、職員は「人材」ではなく、「人財」です。職員の力を最大限に引き出すことが、生徒の学びを支援することにつながります。
〇次に職員室で職員への紹介をした後、早速最初の職員会議を行い、今年度の目指す方向性を確認しました。会議の方法は授業と同じく、提案者からの提案後、質問や意見交換をして理解を広げたり深めたりしています。「学び続ける富勢中」は、まず職員の学ぶ力の育成からだと確信しています。
(着任職員・辞令交付・自己紹介・職員会議)
〇昨年度に続き本日から、校長からみた富勢中の様子を、発信していきます。「雑感」の名の通り、雑多な感想もあり、まとまりのない文章となりますが、ご容赦ください。
〇「ブログ」という用語は、「Web log」(ホームページの履歴の意味)から派生した言葉ですが、「毎日の様子を書くという意識」をもって学校内にいますと、「これは保護者や地域の方々にお知らせした方がよいだろう」などの気づきがよくあります。
〇外からみたのではわからない学校内のいわゆる「裏事情」なども、伝えられる範囲で書いていきます。「こんなことをホームページに書いてあるけど、実際にはどうなの?」等、お子様との会話のきっかけにしてください。
〇アフリカのケニアにあるサバンナで、水を求めて大移動するシマウマの集団をテレビ番組などで観るときがあります。そのシマウマの子どもは、大移動する前に、必ず母親と一緒に走る練習をします。人間の「鬼ごっこ」のように、母親と追いかけっこしながら、周囲を遊びながら走ります。
〇「遊び」として「訓練」をしておかないで、集団移動で川を渡るときに自分勝手に行動したのでは、ワニに襲われて命を落としてしまう可能性があります。大切なのは、脳の深い部分に危険からの逃避や仲間との集団行動に関する重要性が刷り込まれることだそうです。
〇学校での学習や生活で考えると、理性とか意識などの表層の部分で理解するだけですと、刷り込みの度合いが弱いままです。シマウマの子どものように、「遊びとしての走る練習」をしていない生徒は、学校での生活(特に人間関係)を窮屈に感じた際、そこで踏ん張ろうとする意欲が出てきません。
〇シマウマの子どもの「遊びとしての走る練習」に該当するのが、家庭での生活です。家族との連帯感やつながりを感じたり、疲れたら十分に癒されたり、特に中学生として大切なのが家庭内での自分の役割を果たしているかどうかです。6日の始業式まであと3日、お子様のエネルギーが蓄積されているか、ご家庭で様子を見て適宜お声掛けをお願いします。
須藤昌英
3月24日(金)1年間ありがとうございました
〇本日は令和4年度修了式を行います。校長の話のスライドです。
〇その後令和4年度末で転退職する教職員を送る会を行います。
〇昨年の4月1日から続けてきた「校長雑感ブログ」も、今年度は本日で終了します。あらかじめ「雑感(雑多な感想)」とことわって始めましたが、その日の思いや気づいたこと、自分のこれまでの経験を一方的に連ねるようなまとまりのない文章になってしまいました。お詫びいたします。それでもお読みいただきましたことを感謝いたします。ありがとうございました。新年度もよろしくお願いいたします。
須藤昌英
3月23日(木)むちゃなことができる時期
〇「むちゃ(無茶)」の意味を調べてみると、まず「無茶」があて字だということを初めて知りました。ワープロに打ち込むとすぐに「無茶」と変換するので、これまで疑いもなくきました。やはりこれに限らず語源などもしっかりと調べなおす必要があると思いました。同様に「むちゃくちゃ(無茶苦茶)」や「めちゃくちゃ(滅茶苦茶)」も日常で使っていますが、本来はひらがな標記のようです。「むちゃ」の意味は、
1 筋道が立たず、道理に合わないこと。また、そのさま。
2 程度がはなはだしいこと。度を越していること。また、そのさま。
3 知識がないこと。また、そのさま。
いずれにせよマイナスのイメージがありますが、人生の一時期は、「よくあんなにむちゃができたな」と思うことがだれでもあるのではないでしょうか?
〇日本で一番ノーベル文学賞に近いと言われている村上春樹さんの作品は、本校の図書室にも多く蔵書しています。彼の作品を読んでいると、なんとも言えない不思議な空気感に包まれます。ただ長編作品も多いので、中学生には短編小説から入って、その世界観を楽しんでもらいたいと思っています。
〇その村上さんが、自伝エッセイで次のようなことを書かれていました。後半に中学生の頃の思い出が出てきます。
「小説を一つ書き上げ、原稿を編集者に渡すと校正係がそれをチェックする。そこで指摘されるのはだいたい言葉遣いの間違いと事実的な間違いだが、その校正が入ったゲラ刷りを見ていると、自分がいかに世界の事象について無知であったか、いかにいい加減で不正確な知識をもって生きてきたかをつくづくと思い知らされる。 (略) でもまあしょうがないよね、世の中の知識や情報をいちいち律儀に頭に詰め込んでいたら、それだけで忙しくて、大事なことは何もできなくなってしまう。そう思って開き直っている。とはいえ、僕だって昔はそうじゃなかった。中学生の頃、少しでもたくさんの世界の知識を身に付けたくて、百科事典を最初から最後まで読破したことがある。よくまあそんな無謀なことをしたよなと思うけど、当時は知識欲にあふれた素直な少年だったのだろう。で、百科事典を読破してそれが何かの役に立ったかというと、とくに立ってないみたいだ。そのときに頭に入れたことは、みんなどこか遠い場所に吸い込まれて消えてしまったから。きっと人にとって一番大事なのは、知識そのものではなく、知識を得ようとする気持ちと意欲なのでしょうね。そういうものがある限り、僕らはなんとか自分で自分の背中を押すように、前に進んでいくことができる」
〇これは村上さんのことであり、別に中学生に「百科事典を読破しなさい」と言いたいのではありません(今は百科事典レベルの一般的な知識は、手元のディバイスですぐに調べられますので)。そうではなくて、むしろそんな無謀(むちゃ)なことをあえてやってみるということは中学生時代しかできないのではないかと思います。
〇人によって内容は様々ですが、もっと色んなことに挑戦したい、どこまで出来るか自分の限界を試してみたいなどのように、向上心をもってものごとに取り組むことで、自分の可能性が広がることを生徒達にも感じてほしいと思います。
〇明日の修了式には、日本が野球のWBCで優勝した話(MVPの大谷翔平選手が主役)は、昨日からテレビのどのチャンネルでもそればかり放送されていますので、あえて村上さんの話をしてみようと思います。
須藤昌英