創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
10月11日(火)自分の言葉で語ること
〇先月から3年生との「校長面接」を行っていて、ここまで50人くらいの生徒とそれぞれ約10分間くらいのやりとりが終わりました。あらかじめ質問シートを配付してあり、生徒がそれに自分の回答を書いてあるのを事前に回収し、こちらも参考にしながら、質問をその場で考えています。
〇もちろん個性がありますが、気になるのは、あらかじめシートに書いた自分の回答を覚えたままに答える生徒とそれはそれとして、その場で思ったり考えたりしたことを自分の言葉で言える生徒の違いです。もちろん前者の努力は認めますが、時々シートにない質問もしています。その際、後者の生徒は慌てることなく、「少し考えさせてください」と断ってから、しっかりと考えた後で「~だと思います」と答えています。
〇不測の質問にその場で自分の経験を土台にして、自分の言葉で語れるというのは、やはり普段の生活や授業の中で、自分の考えを書き留めたり、それをもとに発言しているからだと思います。それを繰り返す中で、段々と自分の考えの方向性が固まってきたり、逆に他人の考えと自分の考えを比べて、取り入れたいことは柔軟に学んでいるのではないでしょうか?
〇ここまでの中で、個性的なキラリと光る生徒の回答を一部だけ紹介します。
質問1「この高等学校を志望する理由を教えてください」
回答1「はい、この学校へ夏休みに見学に行った際、学校全体が明るい雰囲気で、あちらの説明では「文武両道」を目指していると聞き、この学校で充実した高校生活を送りたいと考えたからです」
質問2「どうしてその学校を志望しているのですか?」
回答2「私は読書が好きなのですが、たまたま私の好きな作家の出身校であることを知り、私も同じ学校で学びたいと思ったからです」
質問3「あなたが将来、看護の仕事をしたいと思ったきっかけはなんですか?」
回答3「小学校2年のとき、怪我で入院した際、優しく接してくれた看護師の方のように、人のために働きたいと思ったからです」
質問4「あなたの特技はなんですか?」
回答4「特技ではないですが、英語が好きなので、11月頃に英検準2級に挑戦するつもりで、今問題集で勉強をすすめています」
質問5「得意(好きな)教科を教えてください」
回答5「社会です。地理や歴史は暗記も必要ですが、その事実のつながりや流れを考えるのがとても楽しいからです」
質問6「あなたの長所と短所を1つずつ教えてください」
回答6「長所は粘り強く何かに取り組むことです。ただ短所は夢中になると周囲が見えなくなり、人の話が聞けなくなるところです」
質問7「中学校生活での一番の思い出はなんですか?」
回答7「修学旅行です。コロナ禍で多くの行事が中止になり、やっとの思いで行くことができ、班員と協力して目的地にたどり着いた時の達成感が忘れられません」
質問8「尊敬する人物は誰ですか?」
回答8「両親です。体調を崩しているときでも、家族のために文句も言わず働いてくれ、自分のことも気遣ってくれるからです」
〇お気づきだと思いますが、回答は最初に「結論(考えたこと)」を言い切り、その後に「理由(思っていること)」を言うと、相手に伝わりやすく好印象になります。これは一朝一夕で身に付くものではありません。でもそれを意識しながら生活していると、いつの間にか相手に伝えるにはこれが一番伝わりやすいことがわかってきます。「入試」と言う目先の関門もありますが、卒業後の「人生」にも、自分の言葉で、相手にわかりやすく語ることは重要になってくると思います。
須藤昌英
10月10日(月)「スポーツの日」に因(ちな)んで
〇先日紹介した精神科医のアンデシュ・ハンセンさんの別の著書【最強脳―『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業―】から、スポーツつまり運動と子どもの成長について、要約をしてみました。
〇まず運動の後は、ドーパミン(幸せを感じる)やエンドルフィン(気分が高揚する)というホルモンが分泌されます。そのことで何とも言えない満足感が得られます。また運動したことで得られるドーパミンの方がスマホを見たときのドーパミンの量よりもずっと量が多いことが知られており、脳は臓器の中で心臓や肺などと比べても、一番運動から良い影響を得ていると指摘されています。具体的には、人間の認知機能やその他(記憶力、集中力、創造力)、つまり「知性」そのものが運動から良い影響を受けています。それが強いては「学力も向上する」ことにつながっています。
〇最近の子ども達は生活の中で、「座りがち」になっている傾向があり、データとして20年前に比べてスウェーデンの若者の歩数は25~30%減少しているそうです。またフィンランドの調査でも、よく歩いている子どもの方が集中して学ぶため学力が高く、ストレスも感じにくいことが発表されています。さらに別の研究では、運動が不安や鬱(うつ)のリスクを軽減しているデータが多い、つまり心理的な問題と戦うことができ、「ストレス耐性」があがることになります。
〇特に本来人間は生き延びるため無駄なエネルギーを使わないように、怠惰に生活することを遺伝子レベルで継承しています。つまり、有酸素運動は人間にとって「一種のストレス」であり、本心ではあまりやりたがらないのが普通なのです。しかしそこをあえて運動するとその最中は、大量のコルチゾール(エネルギーを動かすホルモン)が出ます。そして運動が終わるとコルチゾールの値が一気に下がります。これを身体で経験しておくと、運動以外でストレスを感じても、運動している人は運動していない人に比べてコルチゾールの量が少ない、つまりストレスに強くなっているということです。
〇運動量が減った要因はいくつかありますが、最大の要因はスマホであり、スマホは有効な情報を提供してくれるが、その反面「中毒性が強い」、そしてそれにより我々の時間を奪っていることになります。実際に15分のランニングは60分のウオーキングに相当する(つまり効果が4倍)そうで、ランニングでなくても、特に運動しない子には、学校まで歩いて登校することや休みの日に自転車で出かけることがとても効果があるそうです。学校でも昼休みにグラウンドで身体を動かしている生徒は、5時間目に溌剌としている姿が多い気がします。
〇家庭学習ではスマホを別の部屋におくこともハンセンさんは指摘しています。他国の精神科医ですが、世界でも日本と同じように、子どもの成長に不安を感じていることを強く思いました。
須藤昌英
10月7日(金)ストレスは誰にでもある
〇「プレジデント」という雑誌の先月号に、世界的ベストセラー『スマホ脳』の著者である精神科医のアンデシュ・ハンセン(スウェーデン)さんが、「なぜ脳はストレスを求めるか」「「ストレスがなければ人類は絶滅する」という題の文を投稿しています。少し長いですが引用させてもらいます。
「私たち人類は『幸せ』になるためではなく『生き延びる』ために進化してきました。人類としての長い歴史の大半を、食料が限られ、身の危険も多い過酷な環境の中で暮らしてきましたが、そのような環境下を耐え勝ち抜いてきた者の末裔が、今の私たちなのです。目の前に食べ物があればついつい食べてしまうし、運動したほうがいいとわかっていてもついソファーでだらだらしてしまうのは、私たちの祖先が常に飢餓の脅威にさらされ、カロリーを節約する必要に迫られていたからです。あれやこれやと気が散りやすいのは、いつも周囲を警戒して自衛しなければならなかったから。生存の可能性を高める特性といえます。実はストレスや不安が生じる理由も、生き延びるため。脳が危険だと感じる状況からあなたを遠ざけるために起きる現象です。目の前にいる上司が怒ってあなたを怒鳴りつければ、ストレスを感じることでしょうし、『明日も上司に怒鳴られるかもしれない。嫌だな』と不安に思うことでしょう。これは怒鳴りつけてくる上司のことを、あなたの生存を脅かす存在と認識しているから。不安とは、あなたを守るための感情なのです。」
〇非常に合理的に納得のできる解説で、読んでいると自分にもあてはまるところが多くあります。後半は大人の例が示されていますが、生徒も同様だと思います。ハンセンさんは、自著の『スマホ脳』という本でも、「自分の脳をよく理解することで、ストレスと上手く付き合うことができるようになるはず」と説かれています。
〇生徒達も昨日までの定期テストで、相当なプレッシャーやストレスを抱え込んでいたと思います。上記を読んでいると、ストレスがないことが良いのではなく、ストレスは自己防衛としてあって当たり前であり、自分なりのストレス解消の方法をもっていることが大切なのではないかと感じます。ハンセンさんはその一つとして、運動(散歩なども含む)で、心拍数をあげることを提唱しています。
〇今朝は肌寒いですが、テスト明けでグラウンドでは部活動の生徒たちが走っています。身体を動かしていれば、ストレスも発散でき、また新たなやる気も湧いてくることでしょう。
須藤昌英
10月6日(木)進路保護者説明会
〇昨日の生徒が下校した時間より、来年度の入試に向けた保護者対象の説明会をオンライン形式で行いました。3年生の保護者だけでなく、1,2年生の保護者にも参加いただきありがとうございました。今後も内容に関しての質問は、各担任を窓口としてお答えさせていただきます。
〇配布資料につきましては、「メニュー」⇒「進路指導(保護者会資料)」に掲示してありますので、ご参照ください。
須藤昌英
10月5日(水)第2学期中間テスト
〇「お知らせ」に提示したある通り、本日と明日は中間テストです。出題範囲は、前回の1学期期末テスト(6月)以降から昨日末までの授業内容が中心です。本日は給食有り、明日は給食無しです。テスト期間中は、生徒は制服を着用しています。普段よりもキリっとした姿に見えます。生徒の頑張りを見守ります。
須藤昌英
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