校長雑感ブログ

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12月7日(水)「2学期いじめの状況調査」より

〇先日、全校生徒を対象とした「いじめ」を把握するためのアンケートを行いました。通常、学校がいじめを認知するのは、「本人からの相談、他の生徒からの情報、職員による観察、保護者や地域の方々からの情報」となっていますが、定期的にアンケートによる状況把握を行っています。そもそも「いじめとは、日常的なトラブルでも、本人が『いじめられた』『不快な思いがした』などと感じるものをすべて」と定義されており、生徒も職員もそれを意識しています。

〇集計した2学期の認知件数は6件で、その内訳は「冷やかしやからかいを受けた」「仲間外れにされた」「傘を隠された」「インターネットで嫌がらせをされた」となっており、最初の「冷やかしやからかい」が一番多く3件で、あとはそれぞれ1件ずつでした。それぞれの案件で、職員が本人及び関係生徒から事情を聴きとり、謝罪や今後についての話し合いを行いました。

〇1学期の認知件数は18件でしたが、例年1学期は進学、進級などで新しいクラスになったり、各学年とも旅行的行事があったりと、まだ人間関係が不安定な面があり、多くなる傾向にあります。ただ1学期と2学期の認知件数を比べると、「冷やかしやからかい」が11件から3件、「仲間外れ」が2件から1件、「軽くぶつかられた」が3件から0件、「物を隠された」が2件から1件、「嫌なことを強要された」が1件から0件とそれぞれ減少しています。

〇柏市では、「いじめが解消した」とする条件の1つが、「発生から3カ月以上当該生徒の関係の中で継続したいじめはない」となっていますので、先ほどの2学期6件の場合も、これから3カ月間は経過観察を行います。謝罪などをもって安易に「解消」としないことは、やはり人の心の中までは見えませんので、仕方ない部分もあります。

〇ひと昔前のように、二人で喧嘩しても「喧嘩両成敗」とはいかず、お互いがそれぞれ嫌な思いを抱くと、それはすべて「いじめ」とカウント(2件)しなければならず、簡単にその場で相手に謝って終わりとできないところが、正直難しいです。ただ大人も含めて生きていく上で一番の悩みは「人間関係」ですので、「こうすればいじめはなくなる」のような究極の方法はなく、丁寧に対応していくしかありません。

須藤昌英

12月6日(火)サッカー日本代表監督のメモ

〇昨晩のサッカーワールドカップは、私はさすがに起きている自信がなかったので、朝のニュースで結果を知りました。ご覧になっていた方々は、さぞ悔しい思いをされたことでしょう。ただ、強豪のドイツ、スペインを破ってリーグ1位で決勝トーナメントに進み、前回準優勝のクロアチアに延長及びPK戦での負けですので、見事だったと思います。また怪我から復帰した本校卒業生の酒井選手も、ドイツ戦以来の途中出場ができたようで、何よりも良かったと感じました。次の4年後の大会のときは、今の生徒たちが全員それぞれ、高校生、大学生、社会人となっているはずですので、先のようですがアッという間にくる気がします。

〇ここまでの試合を観ていて、私が一番気になったのが、森保代表監督が試合中に仕切りにメモを取っている様子が映されたシーンです。私の想像では、その場で気づいたことを忘れないためと、試合を冷静に俯瞰的に分析しようとしてあえて行っているのかと思っていました。

〇インターネットでも、視聴者からの質問として「何をメモしているのか?」というものが多く寄せられたと書いてありました。すると森保監督は「前半が重要」と語り、その内容は選手のプレー内容を記録しているとのこと。例えば「◇◇がシュートを打った、サイドからの攻撃。サイドからやられた〇〇がやられた」という、プレーの流れを書いていると明かしたようです。またその理由について森保監督は「コーチとハーフタイムの時にロッカーに入る前に話をする」とし、「ポイントを言ってもらい、メモと一致していることは、チームに伝えた方が良いので選手に伝える」と語ったといいます。つまり、自身が試合を見ていて気になったポイントをメモし、コーチ陣と気になるポイントが重なったらこれは問題点だと考えて修正するということなのです。

〇それぐらいなら覚えていられると一瞬思う人もいると思いますが、実際の試合では監督といえども興奮度があがり、次に何が起こるか分からず、全て気になったところを覚えていられる保証はないのではないでしょうか?見ていると監督は常に声を出して指示し、すぐに修正しなければいけないポイントは別として、後半に向けての作戦にはメモは欠かせないのだろうと素人ながらに想像しました。

〇森保監督は私よりも5歳年下ですが、その表情や言動、たたずまいなどは、これから新しい時代のリーダーなのだろうと思います。あえて威厳を示さず、選手たちを信頼し、自分の言葉で自分の思いを率直に語るなど、私などもお手本にしたい部分が多いです。

〇メモをとることに関しては、授業中などにも有効なことを、人生の中で一番記憶力が抜群である中学生にもわかってもらいたい気がします。メモをとることの大切さはいくつかありますが、まず情報が整理されるメリットがあげられます。確かに書くことは時間はかかりますが、人間は見ただけや聞いただけの情報を忘れるもので、基本的に生命の危険にかかわる情報以外は忘れるようにできています。そこで文字にすれば、情報の可視化ができ、複数の情報がある場合はそれらの整理も可能となります。

〇私もそうですが、日々の生活の中で感じる「こうしたらいいかも・・」という思いつきは、できるだけメモするようにしています。そのときは「これは今までにない発想かも・・」と喜んでいても、メモを忘れしばらくたつとすぐに思い出せずに後悔することがあります。その他ちょっとした違和感やひっかかる点こそ、新しいアイデアの源になる可能性が高いと思います。

〇サッカーの内容よりも、監督のメモの方が気になるのは、私がサッカー素人であることが要因ですが、そのようにその専門以外の人が抱く疑問などは、尋ねてみると意外なことが多いかもしれません。ですので一応「教育のプロ」として働いていますので、教育の専門以外の方の声を聴くことも大切にしています。それにしても今日は、「寝不足」な生徒や職員も多いことでしょう。

須藤昌英

 

 

12月5日(月)柏市議会(第4回定例会)が開会中

〇中学3年生が社会科(公民)で,「三権分立」を学習していますが、国及び我々にもっと身近な都道府県や市町村などの地方公共団体は、大きく2つの組織から成り立っています。一つは「議決機関(地方議会:条例の制定や予算の決定などを行う)」、もう一つは「執行機関(市長と市役所:予算に基づきそれぞれ担任する事務を行う)」です。簡単に言うと、「前者は後者のやっていることをチェックする機能を果たす」ということです。

〇柏市には36名の市議会議員が市民からの負託を受けており、柏市議会定例会は年4回(3月、6月、9月、12月)開催しています。そして現在第4回定例会が開会中(一般質問:12月1日~8日)です。その様子は直接市役所7階の議場に行かなくても、インターネットでも視聴することができます。市役所の各部へは、事前に質問する議員から質問事項として通告され、それに対して各担当が答弁書を作成します。

〇私も教育委員会事務局に勤務している時は、いろいろな答弁書を作成していました。前述のように、市議会は市役所業務のチェックをするのが役割ですので、答弁書には誠実に、各業務の進捗状況や今後の方向性を盛り込みます。国会での答弁も同様ですが、質問が多い際には、期限日の夜中までかかって作成しています。

〇今回の定例会でも、多くの議員が、教育に関する質問をしています。その一部が、「学校での感染症対策、特別な支援を要する児童生徒、不登校児童生徒支援、タブレット端末活用、部活動地域移行、小中一貫教育、リカレント教育、コミュニティースクール、子どものネット依存、子どもの運動能力、いじめ対策、交通安全対策、アレルギー反応、学校給食、給付制奨学金、教員不足と働き方改革、ヤングケアラー、市立柏高校、公立夜間中学」など多様です。

〇現在行っている本校の体育館改修工事などもすべて、昨年度までの市議会で予算案の承認を受けています。またその建設費は、もともと市民の税金があてられています。生徒たちにもその仕組みを教えていくことは大切であり、終業式に私から話をしようと思います。

須藤昌英

 

12月2日(金)柏市学力・学習状況調査(第1・2学年)

〇柏市学力・学習状況調査は昨年度までは全学年を対象とし、年度初めの4月に行っていましたが、今年度からこの時期に1・2年生のみ行う(3学年はアンケートのみ)ことに変更となりました。この調査の目的は、「義務教育期間を通しての各児童・生徒の経年変化や傾向を見取ることにより、教育指導の充実や学習状況改善を図ること」で、大きく分けると、学力状況調査 4 教 科 ( 国 語 , 数 学 , 英 語 , 理 科 )と生活・学習意識調査(アンケート)になります。

〇柏市は「第2次柏市教育振興画」の中で4つの力(コンセプト、チャレンジ、コミュニケーション、コントロール)を4Cと銘打ち、バランスのとれた児童生徒の育成を目指しています。本校の昨年度の「児童生徒の生活・学習に関する意識況調査」の結果から、4Cについては次の分析がありました。

・コンセプト(見通す力)については、分からないことは、そのままにせず、人に聞いたり、自分で調べたりすることができる生徒が多い。その反面、計画的に取り組むことは、若干弱い。

・チャレンジ(挑戦する力)については、物事に取り組むときに、あきらめずに粘り強く取り組み事ができる生徒が多い反面、失敗を恐れずに挑戦する意欲は、若干弱い。

・コミュニケーション(関わり合う力)については、地域の行事やボランティアに参加する生徒は、少なくなってきている。しかし、他人の話をしっかり聞く姿勢を持っている生徒が多い。自分の考えを説明することが、若干苦手な生徒が多い。今後の課題といえる。

・コントロール(自律する力)については、どの学年も学習に意欲を持って取り組む生徒が多い。学校の決まりやクラスで決めたことを守っている。

〇これを受けて、今年4月からここまで8カ月間、授業改善を図ってきました。14日の保護者会で詳細は説明いたしますが、ただ知識を授ける授業ではなく、問題解決型授業への転換を職員と一緒に目指した結果が、この調査でどのように評価されるかをまた分析し、来年の糧にしたいと思います。

須藤昌英

12月1日(木)給食の時間の「黙食」について

〇今週に入り、文部科学省は給食の時の過ごし方について、「適切な対策を行えば会話は可能」とする通知を都道府県の教育委員会などに出しました。具体的には、「座席配置の工夫や適切な換気の確保などの措置を講じた上で、給食の時間において、児童生徒などの間で会話を行うことも可能」などとして、地域の実情に応じた取り組みを検討するように求めています。

〇ある報道によると、文科省へのインタビューとして、「これまでも文科省の感染対策マニュアルでは、給食時に飛沫を飛ばさないよう『机を向かい合わせにしない』『大声での会話を控える』といった対策を示しているが、全く会話をしない『黙食』という言葉は使っていない」との記事があり、違和感を覚えました。学校現場では常に最悪の事態を避けることを優先してきたからです。また「飛沫を飛ばさないように上手に話しながら食べなさいなど」を子どもたちに指導するのは困難です。目的はわかっても、ではどうするかの手段も一緒に提示してあげなければいけないからです。

〇今も給食の時間になると生徒たちが一斉に前を向き、配膳を終えると黙って給食を食べています。そして20分ほどで食べ終わると再びマスクをつけて食器を片づけています。2年半黙食を徹底してきたので、生徒の中には話しながら食べることに抵抗を感じる子もいると思います。ここにきて感染者も再び増えている状況なので、まずは教育委員会の方針も含めて校内で検討していきます。

〇学校でのコロナ対策をめぐっては、「継続した対策が必要だ」という意見もある一方で、「黙食やマスクなどが生徒たちのストレスやコミュニケーション不足の一因になっている」という声もあります。私としましては、保護者へのアンケートが終わったので、今月中に生徒への学校評価アンケートを行う予定でいますので、その中で、「あなたは今後も給食時の黙食を続けていくべきだと思いますか?」の質問項目を入れ、生徒の意識を把握していきたいと思います。

〇コロナについては、これまでわからないとことが多く、生徒たちを守るために、専門家などの意見を参考にした行政機関の方針に疑いを持たずにとにかく従うことを優先してきました。それはそれで仕方がない面もあったと思います。ところがその中で一番感じたことがあるのは、生徒たち自身であり、彼らに「自分たちが学校生活の主役であるという当事者意識」をもってもらうことが、彼らのこれからの時代を生き抜く力の育成になると感じています。もちろん生徒アンケートの結果のみをもって判断はしません。方針が決まりましたらお知らせします。

須藤昌英

(昨日の黙食の様子)

11月30日(水)リフレーミング

〇2号館2階の心の相談室前の掲示板に、「リフレーミング」に関する啓発ポスターが貼られています。ちょうど階段の踊り場からも正面ですので、私も通りかかるたびに目にとまります。

〇リフレーミングという言葉は、「認識のフレーム(frame)を改める(re)」ことを意味します。リフレーミングとは、物事を別の角度から解釈し直すことで、簡単に言えば、「一つの視点ではなく、いろいろな角度からの見方をすることにより、嫌なことや苦手なことをポジティブ変換する思考テクニック」です。

〇よく使われる例えとして、目の前に水の半分入ったコップがあったとして、これを「なんだ半分しかない」と思うか、それとも「まだ半分もある」と思うか。水の量という事実を変えることはできなくても、その事実をどう解釈するかで、感じ方は大きく変わります。これはだれもが日常生活で経験すみだと思います。

〇リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。モチベーションアップや自分に自信がつく、ものごとへの苦手意識が弱まったり人間関係が良くなったりすることが心理学の面から報告されています。3年生の校長面接では何人かの生徒に、「確かに苦手なことに取り組むのは気がひけますが、『何でも初めから完璧にできる人はいない!』『自分の可能性をのばす絶好のチャンスかも!』ととらえると、『まずはやってみよう!』となりますね。」とアドバイスしました。

〇リフレーミングは主に2種類あり、一つは「今の自分の状況・事実」をリフレーミングしてみること。例えば、私も先日コロナ陽性で7日間の自宅療養をしましたが、最初は「あれもやっていない、これも遅れてしまう」ばかり思っていましたが、「休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられる」と気持ちが変わると「自宅でできることをやろう」と思えました。

〇また「自分の性格や行動の傾向」をリフレーミングすることも多いです。例えば、いつもいろいろなことに心配性な人も、「想像力があり慎重にものごとをすすめることができる」と切り換えると、また違ってきます。ただこれは、なかなか自分では気が付きにくく、他人からのアドバイスが大きなポイントをしめると思います。

〇昨日冒頭のポスターを見つめている生徒がいました。あえて声をかけませんでしたが、今度見かけたら「何か参考になることがありますか?」と尋ねてみようと思います。

須藤昌英

11月29日(火)2学期学校教育診断アンケートについて

〇先日ご依頼した「2学期の学校教育活動に関する保護者アンケート」は、生徒にとってよりよい教育環境作り・わかりやすい授業を目指すための参考資料とするためにお願いしています(アンケートは、QRコードからお答えいただくか、文書裏面にご記入いただき、封筒に入れて担任にお渡しください。)。回答期間を昨日の「11月28日(月)まで」としておりましたが、まだ未回答の方は、本日と明日(今月中)にお願いしたいと思います。

〇アンケート10項目のうち、次の4項目は富勢小、富勢東小、富勢西小と共通項目になっています。同じ学区にある学校として、教育内容は異なりますが、目指す方向性は同じにしたいと日頃から4校の校長では話し合っています。

・生徒は、進んで学習したり、本を読んだり、調べたりしながら自ら学ぼうとしていましたか。

・生徒は、自分や周囲の人を思いやる行動や言葉がけをしていましたか。

・生徒は、進んで体を動かしたり、規則正しい生活をしたりして、心身ともに健康に過ごせましたか。

・学校・家庭・地域は連携して学校運営を行っていたと思いますか。

〇学校はこのアンケート結果を受け、来年の1~3月にかけて、新年度の教育計画を立案していきます。私としましては、今年度の成果と考えられる面はその要因となる部分に新たなアイデアを注入し、課題となった面は地域や保護者、教職員の思いや願いはどこにあるかを分析しながら、「ゼロベース」で再検討していくつもりです。

須藤昌英

11月28日(月)「いじめ防止サミットKashiwa」

〇26日(土)に、柏市沼南庁舎において、柏市内の中学校21校の代表生徒が2名ずつ集まり、「いじめ防止サミットKashiwa」が開かれました。テーマは「いじりといじめの境目は?」で、柏市の田牧教育長の挨拶に続き、株式会社スタンドバイ代表取締役の谷山さんがファシリテーターとなって、参加者がグループで話し合う形式の学習でした。

〇本校からは、生徒会長の原 心渚さん(2年2組)と副会長の新倉 未菜(2年1組)さんが、富勢中を代表して参加しました。二人とも積極的に自分の意見を発表したり、他の中学校の生徒の話を真剣に聞いたりしていました。

〇最初にアニメによる問題提起がありました。そのシナリオは、「仲良し男子3人組の中で、一番気の優しいジュンが他の二人(アキラとカンタ)から『芸能人のモノ真似をやってよ』と言われた。ジュンは、気乗りしないものの二人に気兼ねして、いろいろな場でそのモノ真似をした。するとその他の友人からも『似てる!』とけっこう反応があったので、ジュンは心の半分ではまんざらでもなかったが、そのうち『いつまでこれをやらなければならないのだろう?』と疑問をもつ」という内容です。

〇これを題材に、ジュンにモノ真似をやらせた二人の気持ちやジュンの気持ちの変化について話し合いました。当日の意見の一部には、「アキラとカンタは最初は軽い気持ちでやっていたが、友達ならば途中からジュンが嫌がっているのをわかっていたはず」「ジュンはやりたくはないけど、断ったら仲間たちが楽しんでいるその場の空気をこわすから、今さら嫌だと言えないのだろう」などがありました。

〇大人の私でも考えさせられるテーマでした。普段からお互いに仲が良いからといって、どこまでこちらが相手にしてほしいことを強要できるのか?相手にどのタイミングで「あなたの本当の気持ちはどう?」と尋ねるべきなのか?仲の良かった人間関係が、ちょっとしたことで悪化していくのは、大人の社会でも気をつけていかなければなりません。

〇よい機会をもらったので、この教材を使って、12月23日の終業式に、オンライン形式で生徒会が中心となって、全校生徒に「いじめ」について考える時間を設定しようと計画しています。

須藤昌英

11月25日(金)2学期期末テスト(1・2学年)

〇昨日と今日は、1・2学年は定期テスト、3学年は実力テストを行っています。今日は特に給食もなしで下校となり、午後は家庭で過ごしますので、安全などに気を付けるように、声をかけてください。時より近隣の方から「中学生の自転車の乗り方が悪い」などの電話や情報をいただきますが、ほとんどが放課後に自宅から出かけた場合のことですので、学校でも指導をしますが、ご家庭でもよろしくお願いいたします。

〇先日、「2つの記憶」について書きましたが、私も有効だと感じている「経験記憶」にも弱点があり、それは放っておくとしだいに単なる「知識記憶」に置き換えられてしまうこと(体験がそぎ落とされていつかは知識記憶になってしまう)です。

〇そこでそれを補うためには、ときどきその知識を人に説明し、新たな経験記憶として鍛え直す必要があります。一説によると生物の進化の過程では、視覚よりも聴覚をより発達させてきたという事実があるようですので、一般に耳を使った学習は、目を使った学習よりも効率が良いと言われています。つまり、人に説明するときに「声を出す」というのは、脳にとっても刺激がありそれによって記憶が強化されるのです。

〇中学生も前半は、知識記憶(丸暗記)に頼っても良いと思いますが、後半は経験記憶(理論的)を積みあげるために自分なりの勉強方法を確立していく変える必要があるのではないでしょうか。

須藤昌英

11月24日(木)「子どもの学び応援事業」(柏市)について

〇まずは昨晩の「FIFAワールドカップカタール2022」の日本対ドイツ戦は、幸い深夜ではなかったので、私もすべて観戦しました。後半の見事な逆転勝利で、本校卒業生の酒井宏樹選手もディフェンダーとして活躍していました。ゴールを決めた選手が注目されるのは仕方ありませんが、彼のチームへの貢献度は、サッカー素人の私でもわかりますので、誰もが認めるところでしょう。次回の試合も期待しましょう。

〇本題に移りますが、先日の市内小中学校校長会議において、市内の小・中学生全員に、「本の贈り物」として、自宅学習等で使用できる図書カード(5,000円)が、来年1月中旬以降に配付される予定との情報提供がありました。

〇目的は、「新型コロナウィルスの影響等による物価高騰等で、家計への圧迫がある中で、子どもたちが豊かな教養を育むことが継続できるように支援する」であり、本事業の案内チラシを12月中旬までに学校を通して、各家庭へ配付(事前の申請は不要)するそうです。

〇五千円の使い方を各家庭でも生徒と話し合っていただきたいと思います。普段は手軽に買えない高価な本(大型の図鑑、各専門雑誌、シリーズ本など)を事前に調べ、自分の興味・関心をさらに広げたり深めたりできることが理想だと感じます。

〇もちろん、家庭学習で使用できる学習参考書なども有効だと思いますが、少なくとも無計画に書店で目に付いた本を手に取っていたら、いつのまにか五千円になったなどは避けたいものです。書店でじっくりと本を探すのも、よい学びの経験になります。

須藤昌英