校長雑感ブログ

2月9日(木)鳩の巣作り

〇今週の月曜日、校長室脇の生徒玄関の入口のひさしに、小型の鳩のつがいが一生懸命巣をつくっているのを発見しました。きっかけはやたらに下に小枝が落ちているので、見上げてよく観察すると、2羽の鳩が入れ替わりたちかわりに枝を運んでは、一か所に集めている姿をみたことからでした。これまで燕の巣などは見たことがありましたが、鳩は初めてです。

〇私の中では、鳩は古くから平和の象徴とされてきたという知識が先立ちます。例えば広島や長崎の平和記念式典では、平和を祈っての鳩の放鳩(ほうきゅう)が行われる場面をよくみます。また手品師がハンカチから鳩を出すマジックを昔はよく見ましたが、私も結構好きで見入ったものです。手品も平和の象徴の一つともいえます。ただ一説によると今は動物虐待になるので行わないようです。

〇調べてみると、鳩は雨風のあたらない高所で、かつ狭いところに巣を作る傾向にあるそうです。このような場所は天敵が来づらく身も隠せるため、よく巣を作るのでしょう。ただし鳩はいきなり巣を作るわけではなく、最初は安全そうな場所を慎重に見つけ、しばらくして慣れてくるとエサや仲間を待つ待機場所として使うようになり、最終的にはねぐらとして利用するようになります。なお本来の鳩は、木や岩陰などに巣を作っていましたが、街中にすむ鳩は建物を代わりにして巣を作っているということです。

〇ただ良いことばかりはないようで、鳩が巣作りをした後の対策は厄介なことがあると書かれていることも多いです。鳩には「強い帰巣本能があること」と「鳩が鳥獣保護法によって保護されていること」の2点が原因のようです。最近はあまり見ませんが、個人で自分の庭に「鳩小屋」を作っている人もいます。そして伝書鳩のレースに出場することを目指している人もいました。それはこの強い帰巣本能を人間が利用しているからです。ですから一旦、巣を作ると鳩を追い出そうが、巣を撤去しようが、伝書鳩と同じように戻ってくるそうです。

〇また鳩は鳥獣保護法によって保護されているので、許可なく捕まえたり、傷つけたりするのは違法となります。鳩は春先に巣を作ることが多く、基本的に鳩は年中繁殖できる高い繁殖力を持っていますが、暖かくエサも豊富な、子育てしやすいこの時期に巣を作りひなを育てようとしているのでしょうか?

〇平和というと、いまだにウクライナ紛争も終わりが見えませんが、自然災害の大地震でトルコやシリアですでに1万人以上の死者が出ているようです。人が歩いているすぐそばのビルが目のまえで崩壊していく映像をみると、もし数メートル先のそのビルの中にいたら・・と思うと、人の命があるか失われるかなどは、ほんの少しの違いなのだと感じます。富勢中に巣をつくっている鳩が、「平和の使者」であるように・・と思います。

須藤昌英