創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
2月28日(水)卒業式の練習(3学年)
〇先週から3学年は特別日課を組んでいます。その中で8日の卒業式練習を行っています。
〇私はこれまでも義務教育の最終年にあたる中学3年生には、保護者や先生などから言われたからその通りにするのではなく、いろいろな人の視点に立って(想像力)、自分はどうすべきかを考えること(創造力)を育んでもらいたいと願ってきました。練習を後ろからそっと見ていると、そういう力が一人ひとりに備わってきているなと感じました。
〇卒業式は学校行事で最も重要で、フォーマルな場面ですので、最初は礼法や作法の確認を行います。これもあくまでも基本を教えますが、あとは自分なりのその基本動作を応用し、堂々と参加してもらいたいです。ちなみに生徒に指導した主な点として、
1 座る姿勢(頭をむやみに動かさない)
男子:足を自然に開き、拳は軽く握って膝と股関節の間に置く。
女子:足を閉じ、手は重ねて膝と股関節の間に置く。
2 座る→立つの動作 (「卒業生、起立」の号令)
背筋を伸ばす(立つ準備)をして、スッと立つ。
3 立つ姿勢(手は体側に)
踵をつけて、つま先は拳1つ分程度開き、視線はまっすぐ遠く。
4 座礼と立礼(若者らしく)
腰を基準にして、1・2・3で45°程度曲げる。
5 歩き方(手は自然に振る)
「パタパタ」と音をたてるのはNG、まっすぐ遠くを見る。
〇「ずいぶんと細かい所まで教えるなあ」と感じるかもしれませんが、卒業式の当日はもちろん緊張するので、ある程度の動作は身体で覚えておいた方が、慌てないですみます。各所作の意味や社会人の常識みたいなものまで含めて説明し、だから「~しなさい」ではなく、教わったことを生徒自身が自分でかみ砕いて考えてもらいたいと思います。
〇一番の緊張は、卒業証書授与の場面です。初めてステージにあがると、ぎこちない動きでしたが、みんな一生懸命取り組んでいて、みていて清々しい気持ちになりました。来週の予行練習では、保護者席に在校生を座わらせて、本番の緊張感で最後の確認をしていきます。
須藤昌英
2月27日(火)3年生を送る会の準備とネタバレ?
〇1・2年生は、金曜日に予定している「3年生を送る会(3送会)」の学年発表のリハーサルを体育館や武道場で懸命に行っています。きっと心のこもったあたたかい会になることでしょう。
〇昔は「3年生を送る会」のことを「予餞会(よせんかい)」と言っていました。「予餞」とは「あらかじめ送る会」という意味で、何に対してあらかじめかというと、「卒業証書授与式」のことです。
〇細かいことを言えば、卒業式は学校主催行事であり、すべて校長の責任のもとに執り行います。しかし3年生を送る会は生徒会主催行事であり、企画から準備、本番まで生徒会が主体となって実施します。
〇卒業生にとっては、3年生を送る会で後輩の1・2年生とお別れをし、卒業式では保護者の方々にここまで育ててくれたことに感謝の心をもって参加する意義があります。
(1学年の練習風景)
(2学年の練習風景)
〇ところで最近は若者にとって、「ネタバレ」は当たり前になっているようです。例えば観ていない映画のストーリーをあらかじめ知ってから観に行ったり、友人同士のプレゼントのやりとりもあらかじめ何を贈るかを相手に知らせてから渡したりするそうです。
〇これはスマホなどの情報機器が発達し、ネット上の品物やお店の評価をみてから購入したり食べにいったりする延長で、要するに「失敗したくない」「時間の効率化(タイムパフォーマンス)」という心境がそうさせていると専門家は指摘しています。
〇確かになんでもあらかじめある程度の情報があった方が良いと思いますが、プレゼントの中味まで教えるのはどうか?相手の喜んでくれる顔を想像しながら品物を選ぶことにも楽しさがあると思うのですが・・・。
〇ということで、3年生を送る会で各学年が行う発表内容を紹介したいところですが、私は古い昭和の人間なので、送る会の当日に卒業生が喜んでくれることを期待して、「ネタバレ」はしないでおきます。
須藤昌英
2月26日(月)子どもの可能性を最大限に引き出す方法
〇グロースマインドセット(成長志向)という概念が、最近注目されています。もともとは企業などで人材を育成していくことを目的としていますが、中学生もまったく同じで、人間の成長を促進する思考パターンのことを指しており、自分の成長可能性を信じていれば、難しい問題や課題に積極的に取り組んでいけるという考え方です。
〇グロースマインドセットを提唱したキャロル・ドゥエック氏は、社会心理学、発達心理学を専門とするスタンフォード大学の心理学教授です。マインドセットとは、経験・教育・先入観から形成される、心理状態や思考パターンのことを言います。例えば、思い込みや価値観・信念がこれに該当します。思い込みのことを「パラダイム」とも言い、新たな情報や経験によって自身の思い込みに気づき、思い込みが変化することを「パラダイムシフト」と言います。
〇中味はそんなに新しいことではありませんが、成長を促す側の大人(保護者や教職員など)がわかっていても常に継続してできないのが現実でしょう。
1.褒め言葉を使って自尊心を高める。
2.失敗をポジティブに捉えるよう促す。
3.継続的な努力が必要であることを理解させる。
4. 努力が成功につながることを示すため、適切なフィードバックを提供する。
〇教員となって37年間(小学校3年、中学校34年)、実に多くのそして多彩な児童生徒との出会いがありました。「教えることは教わること」と気づき始めたのは、教員生活をスタートして数年が経過したころでした。「今の教え方で本当にいいのだろうか?」と壁にぶつかった時、目の前の児童生徒が「学ぼうとする姿」をつぶさに観察しました。すると自分の一方的な思いでは何も伝わらないことや、その生徒の姿が新たな手法を私に教えてくれていることを実感しました。
〇コロナ禍前、教え子(私のクラスの学級委員でしかも担当していた野球部の副キャプテンだった生徒)の結婚式に、招待されました。式の始まる前の控え室で彼が、突然私に、「先生、自分で『これで大丈夫、これでいいんだ』と思えるようになったのはつい最近なんです。中学校の時は自分を否定ばかりして、今思うと『苦しかったな』くらいしか覚えていません」と話しました。さらに「今の中学生は僕らのころよりももっと繊細だから、先生も大変ですね」と励ましてくれました。
〇それを聞いて私は意外な気持ちがしばらくぬけませんでした。彼はクラスや部活動においてリーダー的な発言や行動が多く、それしか私の記憶に残っていませんでしたので、本当は心の中では思春期で大変だったのだと初めて知りました。私はおそらく当時、彼の力を最大限にのばしてやりたいという気持ちから彼を叱咤激励だけしていて、彼の「ありのままの姿を認めてあげる」ことがなかったのかもしれないと反省しました。
〇人間は日々、後悔と不安に苛まれています。後悔は「あのときこうすればよかった」と過去に、不安は「このさきどうなるのだろう」と未来に自分の意識があります。英語の Present には「現在」と「贈り物」という二つの意味があるそうです。今生きていることが最高のプレゼントでもあり、そのときに自然と「(ぼくは、わたしは)これで大丈夫、これでいいんだ」という自己を認める気持ちが出てくるのでしょう。そんなことを今でも生徒たちから教わっています。
須藤昌英
2月22日(木)国民の祝日について
〇先週は建国記念の日と日曜日が重なり月曜日が振替休日、今週は金曜日が天皇誕生日で、2週続けて祝日があり授業日が週4日ずつとなります。
〇現在の国民の祝日は、78年前の憲法施行に伴い、国民の中からその生活に光明をもたらし、潤いを与えるような真の意味での国民的祝日を望む声が高まり、2年後の昭和23年、国会で制定されました。したがって憲法の精神に則り、平和日本、文化日本の建設の意義にあうものであることが重要です。
〇現在は以下の16日と定められています。
【1月】元日(1日) 成人の日(第2日曜)
【2月】建国記念の日(11日) 天皇誕生日(23日)
【3月】春分の日(21日前後)
【4月】昭和の日(29日)
【5月】憲法記念日(3日) みどりの日(4日) こどもの日(5日)
【7月】海の日(第3月曜)
【8月】山の日(11日)
【9月】敬老の日(第3月曜) 秋分の日(21日前後)
【10月】スポーツの日(第2月曜)
【11月】文化の日(3日) 勤労感謝の日(23日)
〇個人的には海と山があるならば、「空の日」や「川の日」などもほしいところです。また国ではありませんが、今年の6月15日の千葉県民の日は残念ながら土曜日と重なっていますが、振替休日はありません。
〇祝日には、祝日にちなんだ各地の行事・イベント等に足を運ぶ方々や、旅行などを計画する方々も多いことでしょう。令和6年(2024年)は、三つの祝日が続く5月3日から5月5日は、振替休日と合わせれば4連休。そのほか土日を合わせて3連休となる祝日が11回あります。
〇世界では戦争や紛争が終結せず、国内でも大きな災害の爪痕があり未だ癒えません。祝日はもちろん各自の楽しみ方で過ごしてよいと思いますが、心のどこかでそれらのことも忘れずにいたいものです。
須藤昌英
2月21日(水)自転車の事故と乗り方について
〇先週の休日、本校生徒が通塾で自転車に乗っていた際、車線を逆走してきた大人と衝突しました。相手の大人は「大丈夫?」の一言はあったものの、その後中学生の身体や自転車の様子をきちんと確認せずにその場を立ち去ったという事故がありました。
〇自転車も「車両」ですので、事故の場合は必ず警察に通報し、双方で事故処理をしなければなりません。つまり車と同様に、交通ルールを破れば処罰の対象になります。事故や違反を犯したとき、知らなかったでは済まされません。
〇今回は保護者の判断で、相手は不在のまま現場で事故状況の調書を作成してもらいました。現場には警察が目撃者に情報を提供する旨を掲示した看板が立てられました。
〇この事故で幸いにも中学生に大きなケガはなかったものの、通院して身体の状況を確認しました。また自転車の前輪はもう乗れないくらい変形していたそうです。相手の大人の判断はどう考えても非常識ですし、自転車どうしの事故であれば、過失割合はどこをどうやって走っていたかで決まります。今回は相手の大人が逆走ですので、過失割合は相手が大きくなるはずです。
〇今回の事故とは別ですが、自転車で歩道を走行する場合に、歩道はあくまでも歩行者優先ですので、徐行しスピードに気をつけて走らなければなりません。もし歩道上の歩行者と自転車の事故であれば、歩行者の過失は0になります。相手が怪我等をすれば、その補償をしなければなりません。最近の自転車保険は、相手への賠償だけでなく、自分のケガの補償もしてくれるものがあります。
〇特に中学生には、私用で自転車を使用する際に、イヤホン・ヘッドホンをつけて音楽を聴いたり、夕方以降に無灯火で走行したりすることは、とても危険なので注意してもらわなければなりません。また努力義務となっているヘルメットの着用も、街中では少しずつ増えてきていますが、まだまだ全体の数パーセントしかありません。
〇よく思い出せば私も若い頃は広い道路で全力で自転車を走らせていた記憶があります。若いですから、今振り返るとある意味それでストレスを解消していた面もあったのかもしれません。ですがたまたま事故に遭わなかっただけで、もし自動車などと衝突していたら命を落としていた可能性もあります。
〇18歳になれば自動車免許も所得できますので、3年生は3年後には運転している可能性もあります。もう一度ご家庭でも、交通ルールや標識の意味の確認をしてください。
須藤昌英