校長雑感ブログ

2025年4月の記事一覧

4月21日(月)正規日課開始&ミラーニューロン(共感)

〇週末の土曜・日曜日は、各部活動の春大会が行われ、いくつかの試合を応援してきました。生徒が自分が好きなことを日ごろから鍛錬し続けてきた種目に、精一杯取り組む姿は観ていていつも感動させてもらいます。

〇今日から正式な時間割での学校生活が始まります。一週間の授業時数は29コマで、その中に9教科+総合的な学習の時間+道徳+学級活動が組まれています。年間は35週間が標準ですので、1年間に1015時間、3年間で3045時間の授業があります。

〇教科を担任する先生によって、授業の進め方は特徴があるので、まずはその説明や評価の方法も具体的な例をあげて行います。教科書はもちろん副教材(ノート、ワーク、ドリル等)もその使い方に徐々に慣れていくことでしょう。「初心忘るべからず」のことわざにあるように、一年間の積み上げを大切にしてほしいです。

〇数年くらい前、「ミラーニューロン(鏡のような神経細胞)」という言葉(概念)を知りました。人間など高等な霊長類の脳には、「ミラーニューロン」という細胞があり、これによって、お互いに相手の行動をわが身のことのように置き換えることができるのだそうです。

〇たとえば、相手が笑っているのを見ていると、ミラーニューロンを通してなんとなく自分も楽しい気分になるというのです。逆に、相手が怒っているのを見ると自分も怒りたくなるというはたらきをするそうです。

〇人間の「共感」は、この「ミラーニューロン」が関わっており、子どもはどこか親に似たように育っていくのは、ミラーニューロンの働きです。私も息子2人と娘1人を育ててきました。3人とも成人して、もう親の影響など及ばないと思いますが、幼いころから一緒に住んでいた事実は今でも変わりません。少しおそろしい気もします。

〇昔から「子どもは親の鏡」ということわざがありますが、「生徒は教員の鏡」という面もあると思います。あらためて我々教職員が、「襟を正していかねば・・・」と思います。

須藤昌英

4月18日(金)探究心は学習のきっかけ&避難訓練

〇昨日くらいから外では暑さを感じますが、まだ湿度が低いので室内では快適に過ごせています。ただ週末は夏日に近くなる予報もあり、「まだ4月なのに・・。先が思いやられる・・。」などの声が聞こえてきそうです。最近の日本の四季はそのバランスを崩し始めているとも言えます。

〇「四季がどうして生まれるか」については、50年前に私が中学生の理科の授業で学んだことを今でも鮮明に覚えています。当時「なるほど何にでも根拠はあるのだな!」と強く印象に残ったのです。

〇その要点は、「地球は地軸を傾けて太陽を一年かけて回る。その傾きがあることで、一年間の間に地球が太陽に向かう部分が異なっていく。地表にあたる太陽の角度が変わり、そのため地球には日本のような美しい四季が生まれた。」ということなのです。なるほどある程度傾いているから、四季が生まれたのです。確かに地球儀も傾いて作られており、そのことにも意味があったのです。

〇更に、「しかも地球は、コマのようにきれいな軸を保ちながら回っており、もし軸が安定せずにドッタンバッタンしながら回っていたら、ある時は北極のような寒さ、またある時は赤道直下の灼熱の地になるなど、美しい四季どころか大変な気候の変化にさらされていたはず。」らしいのです。

〇実際に火星という星は、地軸が安定していないので、生物が生きていくには厳しい環境にあるということを大人になってから知りました。そして「なぜ地軸が安定しない」というと、火星を回っている衛星がとても小さくて、地軸を安定させるほどの力が無いそうです。

〇その点、地球を回っている衛星の月ですが、大きさは地球のおよそ四分の一だそうで、かなり大きいことが地球にとって良い影響があります。空に浮かぶ月を見ていると、地球の四分の一もあるとは想像できませんが、地球と月の関係が深いことは、大人になっても自分の視野を広げてくれました。

〇その他月の引力によって、海の潮の満ち引きがあることはよく知られています。月の引力で地球の海水が引っ張られ、それが人間の出生や息を引き取ることにも大きく関わってきていることは、驚きです。何はともあれともあれ、月のおかげで、地球は地軸を安定させることができ、穏やかな四季の移ろいがあります。

〇このように、中学生の学習が一つの起点となり、大人になっても物事を考えていく視点や学び続ける姿勢を身に付けていけるのではないでしょうか。来週から正式日課が始まります。いろいろな授業の中で、生徒たちが身近な問題や疑問に感じることに、興味関心をもってもらいたいものです。

 〇6校時は全校生徒で避難訓練を行いました。こちらは同じく地球の内部がマントルなどの流動物で埋め尽くされており、その影響で定期的に大きな地震がくることへの対処を確認するものです。

〇全員真剣に取り組んでいました。日頃から「万が一はないだろう」ではなく、「万が一はあり得る」との危機意識をいつも持つことが大切だと思います。若い教員の話に耳を傾けていました。

〇ご家庭でも、自宅に使い避難場所の確認や災害備蓄品等について話し合ってみてください。

須藤昌英

 

 

 

4月17日(木)「遺伝子オン」で生きる&年度始保護者会

〇4年前にお亡くなりになった、筑波大学名誉教授の村上和夫先生はバイオテクノロジーの権威でしたが、何冊かの本で、わかりやすく「私たちに人間の無限の可能性」を遺伝子の視点で教えてくれています。私も若いころに一度だけご本人の講演を拝聴したことがあり、感動したことを今でも覚えています。要点だけ少し紹介します。

〇一個の細胞内の遺伝子がもつキャパシティー(潜在能力)は、とても大きく、かりに遺伝子のもつ全能力を100とすれば、その3%から5%くらいしか私たちは用いていないと言われています。

〇この「遺伝子のスイッチをオン」にして生きていけば、これまでとは違う新たな自分をつくっていけるのです。たとえば新年度の進級や進学で、環境が変わったり違う先生や友達に出会ったりすることによって、遺伝子は比較的簡単に「スイッチオン」になります。

〇特に人との出会いが「スイッチオン」の欠かせない要因であり、どんな出会いであっても「この出会いが自分にすごい結果を呼ぶかもしれない」と期待していいのです。

〇また環境というと「いい環境」と「悪い環境」という考え方がすぐに出てきますが、「スイッチオン」のためには、環境の善し悪しよりも、まず「変える」ということをだけが必要です。自分が行き詰っていると感じるとき、あるいは自分をもっと成長させたいようなときは、環境を変えてみる価値は大いにあります。

〇強い意志や使命感をもつことも遺伝子を「スイッチオン」にしますし、他を利する生き方も遺伝子をオンにします。特に他を利する生き方をしていると、ネガティブ・ストレス(欲・競争・出世・憎む・恨む・陥れる等)から無縁でいられるので、健康にもよいしいつも元気いっぱいでいられます。

〇人間は不思議なもので、同じ苦労でも自分の欲得でやるときは、こだわりが強いので結構疲れますが、純粋に人のためと思ってやるときは、なぜか生き生きわくわくできる経験がきっと誰にでもあります。

〇このように科学者が言うことには説得力がありますし、私も経験上から「素直な人は伸びる」という言葉の「素直」とは、「今の自分を大切にし、将来の自分に期待する」心情をもてることではないかと思ってきました。そして素直な人は、常に「感謝の心」も備えもっています。

〇生徒達には素直な心で自分の遺伝子をオンにしてもらいたいです。前任校では全校生徒にそのような話したことがありましたが、今度土中でも機会をみて話してみようと思います。

〇午後は今年度初の保護者会を開催します。全体会では教育課程の説明や教職員の紹介を行います。

須藤昌英

 

4月16日(水)虹のかけはし&正しい生活習慣の大切さ

〇昨夕の退勤時、西の空は異様に赤い夕焼けだったのに対し、東の空には大きくてしかも完全な半円型の虹がかかっていました。思わず写真を撮りましたが、同じように道路に多くの人たちが珍しそうにスマホを虹に向けていました。

〇調べると、

「虹は、空気中の水滴が太陽光を反射して見える現象で、光が空気中の水滴に屈折して入り、水滴の中で一回反射して、さらに屈折して水滴から出ていった時に現れる」

「光は波長によって屈折率が異なるので、「赤、橙(だいだい)、黄、緑、青、藍(あい)、紫」の7色に分かれる」

「虹は必ず太陽の反対側の決まった位置に出現する。太陽を背にして立った時、太陽光の進む方向(対日点)から常に42度の角度を保って現れるため、太陽が高い位置にある時は虹は出づらく、太陽が低い位置にある方が虹が出現しやすくなる」とありました。

〇幼いころはよく見た記憶がありますが、最近はほとんど見ていなかったので、少し得した気分になりました。昔から「虹を見ると幸せになる」と言われるように、虹が幸運の象徴とされており、7色そのものが幸福感を呼び起こす作用があるようです。

〇ただ虹はそんなに長い時間は存在せず、昨日もせいぜい20分程度でスッと消えてしまいました。帰宅すると近所に住んでいる4歳の孫娘が来ていたので、「虹見た?」と聞いたところ残念ながら見ていなかったようで、写真を見せてあげました。それから「本物が見たい!」と言っていましたが、さて次はいつ見られることか・・・?

〇五木寛之氏の『大河の一滴』という本の中に、数年前にお亡くなりになったC・W・ニコル氏のから五木氏が聞いた話があります。この時期に参考になると思います。

〇ニコル氏が南極へ探検に行ったときの話で、五木氏が「南極などの極地では、長いあいだテントを張って、くる日もくる日も風と雪と氷のなかで、じっと我慢して待たなければいけないときがある。そういうときに、どういうタイプの連中がいちばん辛抱づよく、最後まで自分を失わずに耐え抜けたか。」と尋ねると、ニコル氏は、「それは必ずしも頑健な体をもった、いわゆる男らしい男といわれるタイプの人ではない」と言ったとの内容です。

〇「ではどんなタイプの人か」と再び尋ねると、ニコル氏は、「南極でテント生活をしていると、どうしても人間は無精になるし、そういうところでは体裁(ていさい)をかまう必要がないから、『身だしなみなどということはほとんど考えなくてもいい』ようになってしまう。ところが、そんな中であっても、なかにはきちんと朝起きると顔を洗ってひげを剃り、一応、服装をととのえて髪もなでつけ、顔をあわせると『おはよう』とあいさつし、物を食べるときには『いただきます』と言う人もいる。そしてこういう社会的なマナーを身につけた人が、厳しい生活環境のなかで最後まで弱音を吐かなかった」という話でした。

〇過酷な南極のテント生活ほどではないにしても、この時期は大人も子どもも環境が変わり、気せわしく生きています。そういうときであっても、朝起きる時に起きて、きちんと身だしなみをととのえて、お互いに挨拶をするということは大事だとあらためて思います。

〇私達が何気なく毎日を過ごしていることの約四十%が「習慣」によって成り立っているといわれます。もし、習慣をまったく身に付けていないとどうなってしまうのか。朝起きて夜眠るまでの行動一つ一つに、「さて今日はどちらにしようか」とすべてその時に判断をしなければなりません。

 〇例えば朝の洗顔で「今日は右側と左側の歯のどちらから磨こうか?」などと一回一回考えていません。毎日の繰り返しであれば、いちいち考えなくても昨日までと同じことをすると思います。

〇そのように特に考えなくても自動的に行動を起こすことが「習慣」です。人間は「習慣」によって生かされている、まさに「習慣の動物」と言えます。

〇学校は学ぶ場でありますが、それ以外にも、良い生活習慣を身に付けることができ、よき生活習慣を身につけていることが、どんな時にも自分自身を守ることになるのではないでしょうか。

須藤昌英

【スポーツテストに取り組み3年生】

 

4月15日(火)新緑の季節&新入生歓迎会

〇ホームページの冒頭にあるように、本校の裏側(西側と北側の二面)は斜面林となっており、新緑が目にやさしく映っています。「緑」は、自然と直結した色で、そのみずみずしさで私たちは心身ともにリラックスすることができます。

〇「森林浴」といわれるように、木立にあるマイナスイオンによって、疲労やストレスの軽減及びリフレッシュ効果があります。木々の間からは、いろいろな鳥のさえずりも聞こえ、とても恵まれた環境に本校はあります。

〇ALT(外国語アシスタントティーチャー)のショーンさんも、その美しさに共感していました。新緑は英語で「Fresh green」ですので、まさに「いきいきとした生命力」を感じ取ることができます。人間も中学校時代が一番生命力に富んでいる時期です。

〇午後は生徒会主催の新入生歓迎会が体育館で開かれました。吹奏楽部の演奏で1年生が入場し、主なプログラムは、部活動紹介、全校合唱(校歌)、1年生お礼の言葉、部活担当からの連絡でした。

〇1年生は入学式とは違って少しリラックスしながらも先輩たちの姿を前のめりになって見ていました。放課後からは「体験入部・仮入部」が始まります。

須藤昌英