校長雑感ブログ

2025年10月の記事一覧

10月30日(木)「リフレーミング」の訓練

〇朝の気温が10℃を下回り、登校する生徒たちの服装も冬服を選択する割合が一気に高まりました。市内の小学校でもインフルエンザが流行しているようです。体調管理がより一層重要な季節になりました。

〇「リフレーミング」という言葉は、「認識の枠(フレーム:frame)を改める(re)」ことを意味します。つまりリフレーミングとは、物事を別の角度から解釈し直すことで、簡単に言えば、一つの視点ではなく、いろいろな角度からの見方をすることにより、嫌なことや苦手なことをポジティブ変換する「思考テクニック」です。

〇よく使われる例えとして、目の前に水の半分入ったコップがあったとします。ある人はこれを「な~んだ半分しかない ⤵」と思う、また別の人は「よ~しまだ半分もある ⤴」と思う、この2つの差は大したことないかもしれませんが、すべてのことに対してそのような見方をしながら生きていれば、その差は計り知れない差になります。

〇「コップ内の水の量が半分」という事実を変えることはできなくても、その事実をどう解釈するかで、その感じ方や行動は大きく変わります。ただこれはだれもが日常生活で経験すみだと思います。

〇リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。モチベーションアップや自分に自信がつく、ものごとへの苦手意識が弱まったり人間関係が良くなったりすることが心理学の面から報告されています。

〇3年生の校長面接では何人かの生徒に、「確かに苦手なことに取り組むのは気がひけますが、『何でも初めから完璧にできる人はいない!』『自分の可能性をのばす絶好のチャンスかも!』ととらえると、『まずはやってみよう!』となりますね。」とアドバイスしました。

〇リフレーミングは主に2種類あり、一つは「今の自分の状況・事実」をリフレーミングしてみること。例えば、病気でしばらく休んでいなければならない時、最初は「あれもやらないと、これも遅れてしまう」ばかり思っていまいがちですが、「休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられる」と気持ちが変わると、「休んでいる間にできることをやろう」と思いなおせます。

〇また「自分の性格や行動の傾向」をリフレーミングすることも多いです。例えば、いつもいろいろなことに「心配性な人」も、「想像力があり慎重にものごとをすすめることができる」と切り換えると、また違ってきます。ただこれは、なかなか自分では気が付きにくく、他人からのアドバイスが大きなポイントをしめると思います。

〇ネット等で調べると、「リフレーミング辞典」というものがあり、私も時々参考になるので見ています。冒頭に書きましたが、これは思考テクニックですので、ある意味訓練する必要があります。最初は「こんな言い換えは不自然で違和感がある」と思いがちですが、そういう感情を抑えて、無理やりでも受け入れてしまうことが大切です。

〇先日の3年生は、「自分の短所は『面倒くさがり』のところです」と言っていたので、私からは「それはおおらかなことまたは細かいことにこだわらないという良い面とも言えますね」と返しました。私も「少し強引すぎたかな?」と思いましたし、本人もキョトンとしていました。ただこちらも訓練して何とか相手に前向きになってほしいとの気持ちがありますし、本人も後で少しでもその言葉が頭に残って、「そういう見方もあるかな?」のように受けて止めくれるといいのですが・・・と願っています。

須藤昌英

10月29日(水)創立80周年記念イベント週間に向けてのワークショップ

〇来年(令和8年)の2学期学校公開は、「(仮称)創立80周年記念イベント週間」として、1年後の10月26日(月)から30日(金)の日程で現在調整しています。29日までは保護者や地域の方々等に授業参観を中心に公開し、最終日の30日の午前は全校合唱フェスティバル、午後は東京大学大学院の國分教授をお招きしての対話集会を予定しています。

〇それに向けて昨日から、生徒会総務の生徒たちと定期的なワークショップを開始しました。ワークショップとは、本来の「作業場・工房」という意味が転じて、参加者が主体的に対話を通じて、知識やスキルを習得したり、課題解決や創造を行ったりする、体験型の学習の場を指します。その中で互いに本音を出し合い、協働しながらアイデアを出し合い、自分たちの総意を模索し続けることが特徴です。

〇「自分たちにとって本校の80年という歴史はどんな意味があるのか?」「来年の記念イベント週間には何をしたら自分たちらしさを表現できるか?」などを考える前に、まずは今の学校の状況をお互いに確認しあうことが昨日のワークの目的でした。校長室で次の2つの課題を90分間話し合いました。

【テーマ1】

今の土中で保護者や地域の方々に対し、自慢できる素晴らしい点やあまり目立たないがこれからも継続していきたい事は何か?

【テーマ2】

来る創立80周年に向けて、今後さらに理想とする土中になるために必要なことや取り組みたいは何か?

〇ワークショップではよく色付き付箋(ふせん)を使用します。まずそれぞれの課題に対し、1人ずつ1枚の付箋に1つのアイデアを具体的に書き出します。それを共有スペースに並べかえ、類似した内容の付箋をグループ化します。その際、書いた本人が一言ずつその意見について補足説明を加えます。これを繰り返して最後に、各意見の関係性を視覚化し、全体として俯瞰しながら整理します。

〇昨日も多様な意見が生徒間でとびかいました。課題1に対しては、授業で活発に話し合いをすること、学校行事に積極的に参加していること、生徒間の人間関係が基本的には優しさがベースにあること、地域の方々とのふれあいが多いことなどが挙がりました。まずは自分たちの良い面を確認しあい、それには自分たちだけの力ではなく、保護者や地域の方々のおかげでもあることがわかりました。

〇一方で課題2に対しては、日ごろから生徒同士、先生方への挨拶をする意識が低調気味であること、言葉遣いで相手を知らぬ間に傷つけていること、図書室の利用を含めた読書への関心がまだ低いこと、制服や校内服の着方の身だしなみに個人差が大きいこと、清掃活動や給食の時間にもまだ工夫する余地があることなどが浮き彫りになりました。

〇特に後半については、既存の委員会(学年委員会、生活委員会、美化委員会、学習図書委員会、給食委員会、保健委員会、歌声委員会、放送委員会)がありますので、今後生徒会総務と各新委員長たちが話し合って、委員会活動で改善策を考えてもらうようにしました

〇次回のワークでは、今回の話し合いを踏まえて、【テーマ3】「80周年記念イベントで何を企画していくか?(例)対話集会、アピール動画、キャリアポスターセッション、・・・など」に取り組もうと考えています。次回も斬新なアイデアが出てくることを願っています。

〇学校経営の背景として、校長が生徒たちの生の声を聴く機会はとても貴重であり、あっという間の90分間でした。

須藤昌英

 

10月28日(火)「ゲーム」との付き合い方

〇校長面接などで、3年生に「受験勉強をしている時の気分転換の方法は何ですか?」と尋ねると、8~9割の生徒が「好きなゲームをしています」と答えます。そこでさらに「気分転換のつもりが、そのままハマってしまうことはありますか?」と質問を続けると、多くの生徒が苦笑いし、「それが一番の悩みです・・」のように打ち明けてくれます。毎回「正直だな」と思っています。

〇過去に担任をしていた生徒から、同じようなゲームに関する質問を投げかけられたことがあります。「どうしたらゲームを止められますか?」と。私は答えました。「方法はただ一つしかないよ。それはそのゲームをやる前にその攻略法を全部友達から教わってからやってごらん。わかると思うけど、そんなのはつまらなくてすぐに止めてしまうでしょ」。

〇少し逆説的な言い方ですが、人間はそのように何もかも事前に教えられてしまっては、まったく面白みを感じないのです。試行錯誤をする中で、「どうしたらいい?」と迷うことも楽しいのです。あらかじめ攻略法を伝授されると、ゲームの中で「自分で選択する機会」が前もって奪われ、冒険心や挑戦心などのやる気のもとがなくなってしまうのです。

〇「ゲーム」と聞けば私が思い出すのは、今から40年前以上に流行した「インベーダーゲーム」です。当時はまだ自宅で行うゲーム(ファミコンなど)は販売されていませんでしたので、高校生だった私はゲームセンターで夢中?になりかけていました。ただ段々とゲーム以外のことが忙しくなり、ゲームセンターに行くことも減ったので、お小遣いを使い果たすようなところまではいきませんでした。

〇しかし今は自宅でゲームが当たり前ですので、生徒たちが自らの制御力でゲームをする時間をコントロールしなければならない状況です。確かに自宅でできる便利さはありますが、逆にゲームとの程よい距離を保つことが難しくなっています。

〇先ほども書きましたが、私は生徒がゲームの中で自分が主役となり、「主体性」をもって課題に挑戦していくことは、人間の本質にあったゲームのプラス面であり、否定されるべきではないと思います。

〇数年前のYouTubeの対談で、東大名誉教授の姜尚中(カン・サンジュン)氏が指摘していたことも気になります。姜氏は「人生(実社会)はゲームではない」とし、「現代は政治、経済、人間関係などのすべてが、ゲーム理論に基づいて処理されている。ありとあらゆる領域から集めた情報をアナリストが分析したりそこからシュミレーションしたりして、現場の様子はモニターでみるだけ。そこに強烈な違和感をもつ。しかし実際に目の間で起きていることはもっと複雑で、ゲーム理論だけでは到底説明しきれない」と鋭く述べています。

〇これを見ながら深く考えさせられました。ゲームの良さは認めつつ、そこから実際の生活にいかに戻ってくるか。冒頭の受験生の悩みは、決して子どもの問題ではなく、我々大人も直面している問題だと思います。

〇人工知能AIに「ゲームと子どもの脳の関係」を質問してみると、次のように回答がありました。

「ゲームが子どもの脳に与える影響は、やりすぎると【ドーパミン】分泌への依存による前頭葉の機能低下や、学習意欲・集中力の低下などの悪影響が懸念される。一方で、戦略ゲームやパズルゲームには、問題解決能力や空間認識能力、論理的思考力などを高める可能性もある。重要なのは、ゲームの種類やプレイ時間を把握し、適切なルールを設けてバランスを取ること」。

〇とても模範的解答ですが、AIの欠点は身体性がないということです。ゲームに夢中になる人間の心理をAIは実感できませんので、少し上滑りの感じはぬぐいきれません。

須藤昌英

10月27日(月)所信表明演説とアメリカ大統領来日に思う

〇霧の朝でした。ここ数日は雨模様でしたので、久しぶりに青空が見られそうです。朝に霧が出ると晴れるのは、放射冷却という現象が原因です。よく晴れた夜明けには地表の熱が空に逃げ、地面近くの空気が冷やされて水蒸気が水滴となり、霧が発生します。太陽が昇って気温が上がると、この霧は消えて日中は晴れるようです。

〇先日の高市新首相の所信表明演説(30分)をその日の帰宅後、YouTubeですべて聴きました。一番多くの時間を割いたのが経済対策(物価高対策)でした。教育に関してはほとんど無かったことに、半分がガッカリでしたが、残りの半分は逆にホッとしたのが実感でした。

〇3年前に亡くなられた安倍元首相は、2006年の所信表明演説で「美しい国づくり」を掲げ、その実現には、「日本が本来持つ美徳を保ちつつ、経済成長や子どもたちの育成が不可欠である」と主張したのを今でもはっきりと覚えています。

〇今から19年前のことで、私もまだ40歳代前半でしたので、「これからの日本の教育はどの方向に進むのか?」に強い関心がありました。そしてその時に示唆された「道徳の教科化」は、第一次阿部政権では果たせなかったものの、第2次政権発足直後の2013年1月に、安倍首相の私的諮問機関「教育再生実行会議」が発足しました。

〇その会議に多くの教育専門家も参加した結果、道徳の教科化、教育委員会改革などを次々と提言したのでした。当時の安倍首相は「強い日本を取り戻していくため、教育再生は不可欠」と力を込め、当時の下村博文文部科学相らとともに、ある意味トップダウンで教育政策を決定しました。

〇この記憶があり、「今回の新首相がどこまで教育を重要視していくのか?」との意識で所信表明演説を終始聴いていたので、先ほどのように落胆と安堵が半々ずつだったのです。

〇今日からアメリカのトランプ米大統領が29日まで来日し、天皇陛下との会見や日米首脳会談を行う予定が発表されました。高市首相にとって就任後初めての外国首脳を迎えての会談であり、それがトランプ氏であることに注目が集まっています。

〇今年の1月からトランプ氏が2回目の大統領に就任して以来、強引ともいえる各国との関税政策には驚くことばかりでした。日米関税交渉を担当した前経済再生大臣の赤澤氏によって、この夏に一定の合意を得ましたが、その後も約束を守るかは未知数な部分が続いています。

〇私は経済には弱く、詳しいことはわかりませんが、ディール(ビジネスにおける契約締結や商取引全般)と呼ばれる手法を何よりも優先し、まずは自分の国に有利になるように交渉し、相手の出方を見ながら巧みに貿易の条件を引き出していくことに正直違和感があります。

〇実際に日本も今後アメリカに数千億ドルものの投資を約束しており、今後はその約束をどこまで果たしていくのか?が今回の会談の大きな議題になっているようです。

〇また今回の首脳会談で、日本側が「防衛費の増額方針」をアメリカ側に伝えるとも報道されています。新防衛大臣も就任の会見で、「防衛費GDP比2%の前倒し実現」を明言しています。

〇今日本で現在進められている防衛力整備計画は、2023年度~2027年度の5年間で防衛費を関連経費と合わせて総額43兆円増加させ、そのGDP比率を2%まで引き上げることを目指すものです。

〇しかしトランプ政権は、日本に対して水面下で防衛費のGDP比率を3.5%まで引き上げることを求めているともされています。日米首脳会談では、トランプ大統領は高市首相に対して、防衛費の更なる拡大を求めてくる可能性もささやかれています。

〇もしトランプ大統領から防衛費をGDP比3.5%まで引き上げるように求められたら、高市首相はどのように反応するでしょうか。その実現には何兆円もの追加予算が必要になる計算であり、その財源確保はより困難を極めます。国を防衛する重要性はわかりますが、教育予算が後回しにされていることに、教育関係者の一人としては複雑な思いがあります。

〇またもっと気になることは、日本が防衛力を強化する方針であることについて、隣国の中国が「強い疑問を抱かざるを得ない」と懸念を示していることです。さらに「日本が専守防衛を守り、平和的発展を堅持しているのか、強い疑問を抱かせざるを得ない」と非難しその上で、「日本が安全保障分野において国際社会からの信頼をさらに失うことのないよう強く促す」としています。

〇今年は戦後80年で、日本でもこの夏には先の太平洋戦争を振り返る様々なイベントが行われたり、テレビ番組も多く放送されたりしました。前述の道徳の教科化の際に一番議論されたのは、「子どもたちにどのような愛国心をどのように持たせるか?」でした。過去に中国を含む東アジアの国々に多大な損害を与えた日本が今、急激に防衛力を高めることへそれらの国々の心配があることについて、じっくりと生徒たちと話し合う機会も必要ではないか?と感じます。

〇ちなみに道徳教育の徳目の一つである「国や郷土を愛する心」は、教師からの一方的な教育ではなく、「他者との関係性の中で自ら考え、豊かな体験を通して育むこと」となっています。具体的には、学校、家庭、地域が連携し、人間尊重や伝統文化を大切にすることを通じて、自律的に社会や国家に貢献できるような資質・能力を育むことが目指されています。

〇国の教育の方針を考えるのは大人の仕事ですが、今後はその決定過程の中に当事者である子どもたちの意見も傾聴していくことがとても大切であると思います。

須藤昌英

10月24日(金)読書週間「こころとあたまの深呼吸」

〇27日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。

〇昔から「秋の夜長に読書」と言われています。近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪いとは思いませんが、読みたい本を手に取ってじっくりと読むことも楽しいものです。

〇昨年9月に柏駅近くのそれまでよく利用していた大きな書店が閉店になってしまいました。ネットでも本は購入できて便利ですが、専門書も多かったので、書架に並んでいる本を眺めるのはやはり楽しいものです。

〇11月3日(月)は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くのさらに巨大な書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。

〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和7年の標語は、「こころとあたまの深呼吸」で、下のポスターは秋空で本を楽しみが和んでいる様子が表現されています。

〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。

1 語彙や知識が増える

これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれから様々な表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒達には、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。更に深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。

2 想像・創造力や共感力がアップ

次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでの自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。

〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。

〇要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?

〇3年生の校長面接の際も、「最近読んだ本とそのあらすじや感想を教えてください」と質問しています。多くの生徒は堂々と自分の考えを述べた上で、「読書の時間は別世界に入り込んでいる感じがする」のような感想も多いです。「本は一生の友」と言えるような生徒が一人でも多くなるように願っています。

須藤昌英

10月23日(木)個性は可能性

〇3年生との校長面接では入試本番を想定し、生徒は制服を着て校長室に入室してきます。彼らは入学してからはフォーマルな服装として、制服を着ることに慣れていますので、よく似合っています。生徒たちとは着ている制服の話をする時間はほとんどありませんが、ふと思い出したことがありました。

〇今から25年くらい前に学級担任をしていたころ、生徒たちと当時の学校の制服について、何度か話し合いしたことがありました。生徒たちは、「決められた制服や頭髪の基準、またそれらの身だしなみなどの約束があるのは窮屈な気がする」と言っていました。

〇もちろん私自身が中学生の頃も同じでしたが、その時の柏中学校は全校生徒が二千人いて、「中学校の時だけの決まりだし、みんな同じだから・・」と感じるくらいで、担任をしていたクラスの生徒たちのように「自由がない、窮屈」とまでは思いませんでした。

〇そこで当時、あるインタビュー記事で映画監督の大林宣彦氏が、「制服」について学生に語っている文を見つけ、学級通信に掲載しました。紹介します。「確かに制服はみんな同じで変わらないかもしれないけれど、その人が読んだ本、聴いた音楽などによって、まずその人の目の輝きや語る言葉が変わってきます。そうするとその同じ制服を着ていても、『個性』が出てくるんです。制服はファッションではなく、【心のあらわれ】です。同じものを着て窮屈で嫌と感じるとすれば、君の言葉を磨きなさい。君の目の輝きを磨きなさい。そうすると君の着ている制服は、君だけに似合う『個性』になるよ、と言いたいですね」

〇映画監督は一つのテーマをいかに表現するかをいつも考えてそれを仕事としており、その「表現のプロ」が言っているので、言葉に重みがありました。私は学級通信に自分の解釈として「つまり表面ばかりに目を奪われて本質を磨くことを忘れてはいけないということを教えてくれていると思います」と添えました。もちろん生徒たちはすぐに納得していたわけではありませんでしたが、生徒たちの疑問に寄り添いつつ、教員として一緒に学んでいたことは忘れることはありません。

〇また大林氏はこうも言っていました。「制服というのは対話の手段なんです。人間どうしは対話をすることでお互いを理解しようとします。対話とはお互いの違いを知る作業で、君と僕はこれだけ考え方が違うんだね。だからお互いに価値がある。これが共存共栄の意味だと知るわけです。違いを知るためには、一つの同じ土壌にいなければダメなんです。そのルールが制服だと思えば、制服を着せられたからみんな同じだと思うのではなく、同じ制服を着ているけれど、僕はこういう言葉を語るし、君はこういう言葉を語る、そうするとその制服が違って見えるということからも、個性を鍛えることができると思いますね」

【大林宣彦氏:1938年~2020年】

 

〇後半の言葉は、当時大人であった私も深くうなずくものでした。今、校長面接をする生徒がたとえ同じ制服を着ていても、それぞれの生徒の個性はよくわかります。大林氏の言うように、個性は制服の下から湧き出てくるようなもので、「個性=可能性」ですので、逆に制服だけで個性(可能性)が無くなるなどは、空論に過ぎないと感じています。

〇今年度からは柏市標準制服(ブレザータイプ)も本格的に導入されました。生徒や保護者にとっては、従来の制服か新しい制服かの選択肢が増えます。本校の生徒が、制服についてどう思っているのか。今度何かの機会で、尋ねてみたい気がしました。

須藤昌英

【柏市標準服(ブレザータイプ)】

10月22日(水)デジタル機器の使用と子どもの近視

〇タブレット端末やスマートフォンのようなICT(Information and Communication Technologyの略)、いわゆる情報通信技術に関わるデジタル機器の使用が増え、子どもの近視がそれに比例して増加していることが課題としてあります。文部科学省の学校保健統計によると、裸眼視力1.0未満の児童・生徒の割合は、小学校で3割を超え、中学校では6割程度です。

〇私の感覚でも、眼鏡やコンタクトレンズを着用している子どもは、2~3割くらいはいると感じています。学校生活への影響としては、まず「授業中の黒板の字が読み取りづらい」があげられます。これは授業の基本的な流れとして、教員の説明を聴覚で認識し、同時に視覚でその説明を補うので、とても心配な面です。

〇また今の授業では、黒板の半分をプロジェクターの画面を写すスクリーンとして使用する場合が多いので、どうしても板書のスペースがせまくなり、以前よりも教員の書く字が小さめになっていることもその影響の背景にあります。

〇眼科医の多くは、デジタル機器の使用増加が、子どもの近視になる年齢の低下や近視の進行が早まる一因だと指摘しています。特に画面の小さいスマートフォンは近くで見がちなので、一定の距離をとる方が良いようです。

〇一般的に目の健康を守るためには、読書や学習などで近くを見る時には30分程度ごとに休息したり、室内を明るくする、定期的に外の景色をぼんやりとながめたりすることなどが有効だと言われています。

〇学校検診の視力検査で異常が分かったら眼科を受診し、眼鏡などの矯正が必要な場合には、精密な検査の上で眼鏡などを作ることが大切です。特に視力にあった度数で、しかも正しい位置で眼鏡をかけるのも重要です。

〇この問題は日本だけではなく、近視人口が爆発的に増えているアジアの国々でも、様々な近視予防が国をあげてとられています。その一つが子どものスマホ使用規制です。

〇例えば台湾の「法律によるスクリーン時間規制と屋外活動奨励」は有名です。台湾は1980年代から近視予防の取り組みを行ってきている近視対策の先進国です。2010年、屋外活動と近視予防の関係性を示す研究結果に基づいて、1日2時間以上の屋外での活動の導入を開始しました。この屋外活動の導入を進めてから近視の発症率が大きく減少し、進行も大幅に遅くなるとの結果を受けて、2013年には、体育の授業に関する法律が改正され、週に2時間半(150分)以上の屋外運動の実施を法制化しています。加えて家庭においては、親に対して子どもに電子機器を長時間使わせないことが、法律で義務付けられており、罰則もあります。

〇また大国の中国でも近視増大への国家的対策が講じられています。2018年に包括的な「児童青少年近視予防・抑制プラン」を策定し、2030年までに全国の児童青少年の近視率を6歳の児童で3%程度に、小学生で38%以下に、中学生で60%以下に、高校生で70%以下に、それぞれ引き下げるという数値目標が掲げられています。人口が日本の14倍ですので日本以上に相当深刻な問題となっているようです。

【日本眼科学会ホームページ:近視眼】

〇ブルーライト(青色光)と近視の関係もいろいろなことがわかってきています。近年はデジタル機器の液晶画面から発せられるブルーライトに対し、ブルーライトカット専用の眼鏡が近視等に有効であるとされ、私などもここ数年はパソコン使用時には必ず使用しています。

〇しかし最新の研究では、ブルーライトカット眼鏡を使用しても、通常のクリアレンズと比較して有意な差は見られなかったという結果もあるそうです。実際に太陽光にもブルーライトが豊富に含まれており、先ほどの研究では、液晶画面からのブルーライトは曇天時の自然光よりもはるかに少なく、眼に有害である可能性はないと報告されています。

〇むしろ太陽光は、近視の進行の抑制に特に重要であることが知られるようになり、台湾のように子どもが屋外での過ごす十分な時間を確保し近視の減少に成功している国も増えてきています。本校でも昼休み等にグラウンドで身体を動かす生徒たちは、ストレス発散の他に近視の予防という良い面もあるようです。

〇ただ太陽光は適度に浴びることが心身を健康に保つため極めて有用ですが、ブルーライトは体内時計に関与し網膜を介して覚醒を促すホルモンの分泌を促します。夕方以降に大量のブルーライトを浴びることは「睡眠障害」を誘発する可能性があるので、そのためにブルーライトカット眼鏡を装用することは無意味ではないと考える専門家もいるようです。

〇いずれにせよ一生涯にわたり、健康な目を維持することは重要であり、デジテル機器の有効性をいかしつつ、バランスのとれた使用方法を考えていく必要があります。

須藤昌英

 

10月21日(火)キンモクセイの香りと合唱活動

〇今月に入った頃から道路を歩いていると、所々で金木犀(キンモクセイ)の甘い香りが漂っていました。思いがけずふいにその香りに出会うと、思わず深呼吸したくなるのがキンモクセイの香りです。この香りは毎年私にとって、夏の終わりそして秋の始まりを知らせてくれる風物詩です。

〇キンモクセイは芳香剤としてもおなじみの強い香りを放つ花が特長です。調べてみると、その香りは、遠くまで届くことから古くは「千里香」とも呼ばれていたようです。秋に濃いオレンジ色の小花をいっぱいにつけた姿は、日差しを受けると名前の通り金色に輝いて見えます。

〇キンモクセイの花が咲くのは9月から10月にかけての時期ですが、花が咲いている期間は短く、数日から1週間程度で散ってしまいます。花の香りを強く感じやすい天気は、晴れよりも曇りの日です。曇りの日は湿度が高い、つまり空気中の水蒸気が多いため、香りの分子が空気中に留まりやすくなるようです。また、風が穏やかであると、さらに長い間香りを感じられます。

〇4月から本校にキンモクセイの木があるかと探しましたが、残念ながら見当たりませんでした。昨年の今頃、前に勤務していた学校の学区にあるお宅で、背の高い花満開のキンモクセイの木を高所作業車で伐採しているのを通り掛けに見かけました。何かしらの事情があるのでしょうが、「もったいない」と思いました。もし移植できるならば、学校で譲り受けたかっと一瞬思いましたが、時遅しでした。

〇本校の東側斜面にでも今度、キンモクセイの苗木を植えてみようか?と思います。

〇11月7日(金)の学校公開日の最終日に行う合唱フェスティバルに向けて毎日、各クラスとも練習に余念がありません。校長室にも各教室からの歌声がよく聞こえてきます。

〇今日からは特に帰りの会を延長し、パート練習や部分的に合わせての合唱に取り組んでいます。練習場所も体育館、第一音楽室、第二音楽室など、グランドピアノがある部屋を割り振り、本番当日を意識した練習を行います。

〇1・2年生は混成3部ですが、3年生だけは混成4部(バス・テノール・アルト・ソプラノ)なので、学年が進むにつれてレベルが少し上がっており、大変ですがよく頑張っています。

〇合唱については私も昔、生徒だった時代にいろいろな思い出があります。特に私が在籍していた柏中学校は、各学年とも15クラスずつあったマンモス校(全校生徒二千人)でしたので、全生徒そろってのコンクールを行う広さの体育館等は当時ありませんでした。

〇仕方なく学年ごとに行っていましたので、自分たちの学年以外の合唱は聴いたことがなく、先輩や後輩との交流もありませんでした。1年生のときに、2年生や3年生の歌声を聴くと、その大人っぽい合唱に驚愕したり憧れをもたったりするものです。

〇その学年の中での最優秀賞を2・3学年の時に獲った思い出は、今でも旧友と会って話をした際にはその話題になります。私も多くの友人も正確に楽譜が読めないレベルで参加しましたが、ともかく歌いこんで身体で覚えるしかないと練習し、当日も緊張しながらも楽しむことができたところがよい思い出になっています。

〇今の生徒たちは練習の際に、手持ちの楽譜に注意点などをいろいろと書き込みをしたりしており、私たちの時に比べて「とても真面目だな」と感心してみています。私などは「何となく音が取れていれば大丈夫」などとタカをくくっていました。ともかくみんなで声を合わせるなどの気持ちの高揚感に触れることが一番だと思っています。

〇そもそも音楽(合唱)の力の一つとして、「聴いている人の感情に訴えかける」があります。音楽を聴いていると、楽しいや悲しいなどの喜怒哀楽が出てきたり、普段あまり考えないことも考えさせられることがあったりします。

〇また同じクラスのメンバーとして歌うことで、その練習段階でいろいろな問題が発生します。しかしそれを自分たちで話し合いながら解決していくことも、その後のクラスにとって良い経験になることは、私もクラス担任をしていたときに毎回実感していました。

〇運動でいえば例えば先日の駅伝は、何も道具を使わずに自分の身体能力だけで挑む競技ですが、同じく音楽の中でも合唱は、自分の声だけを一つの楽器として響かせ、クラスの仲間とハーモニーを奏でることでは、共通点があると思います。

〇人間は普段から、大半は目でみるなどの視覚による情報で生活しています。しかし時には、前述のキンモクセイの香り(嗅覚)や合唱の和音(聴覚)を働かせて、それを楽しむことも必要であり、それが豊かな毎日になるのでは・・と思います。

須藤昌英

10月20日(月)第77回東葛飾地方中学校駅伝大会

〇選手は早朝6時に学校に集合し、各中継所にタクシーやマイクロバスで出発しました。9時に松戸市民劇場前をスタートし、11時前に野田市総合公園陸上競技場にゴールしました。全長32㎞を10名の選手が襷をつなぎました。

1区 富山 航さん(2年)

2区 中野健歩さん(3年)

3区 石井陽路さん(3年)

4区 原 葵已さん(3年)

5区 山田結心さん(3年)

6区 軍司漱磨さん(3年)

7区 若佐 瞬さん(2年)

8区 篠原歩夢さん(3年)

9区 鈴木大遥さん(3年)

10区 石川遥馬さん(3年)

〇各中継所には、選手以外に付き添いの生徒がいて、選手をサポートしています。有名な正月の箱根駅伝のように、沿道には多くの方々の声援があり、選手はその中を自分のベストの走りを目指して激走しました。

【東葛飾地方中学校駅伝競走大会のちょっと裏話】

〇朝は曇り空で肌寒く心配しまたが、9時前から青空が見え始めました。選手は各中継所でアップをし、前の選手がつなぐ襷を待ちます。

〇スタート地点の松戸市民劇場前の道路周囲には、多くの選手と付き添い、応援の方々が集まっていました。土中の黒のユニホーム(ゼッケン番号203)は、75人いても見分けやすかったです。

〇全10区間で75校が参加していますので、走る選手だけでも750名、それに付き添い生徒や職員がいますので、2000名くらいの関係者がこの日のために協力して成り立っている大会です。

〇午前9時一斉にスタート、コースの沿道は、広報車、審判車、白バイが先導し、最後は救急車も走っている本格的な駅伝です。32㎞の沿道には東葛6市から交通整理員として応援に駆け付けた教職員、各市の警察署および交通安全協会の方々が等間隔でズラッと並び、特に選手が通過する時間帯のみ、大きな交差点の信号は常に青になるように警察官が信号機を操作しています。

〇ただすべての市民が心から応援してくれているわけではなく、しばらく信号が赤のままの車線にいる車は、次第にイライラし始めて、例年警察官などに文句を言っている姿も見られます。

〇私はスタートをしてしばらくの場所でレースを見届けた後、近道をバイクで走り、一足先に野田市総合運動公園上競技場でゴールを待っていました。途中の順位は、付き添いの各職員からLineで報告があったり、J―COMのYou tube放送が流れていたりしましたので、スマホやイヤホンで状況を確認できました。

〇陸上競技場に10区の生徒が滑り込んできた時は、ここまで「赤色の襷」を30㎞以上にわたってつないできたことに、毎回のことですが感動しました。結果は、75校中58位(1時間53分09秒)と立派な成績でした。走り切った選手たちの顔にも安どの笑顔がありました。

〇私は以前、9つある中継所の一つの責任者をしたことがありました。各中継所では75校の選手と付き添い生徒、引率の教職員が狭い場所にごったがえしています。まず各校でシートを敷いて、荷物置き場と選手の待機スペースを確保することから競いあいます。

〇そして特に「コール(スタートまえの出場選手本人確認)」が2回あり、もし遅れるとその学校は失格になりますので、各校ともその時間はピリピリした緊張感があります。またコールの際には、大会専用のゼッケンが身体の前と後ろの規定の位置にきちんと装着されているかも厳密にチェックされます。

〇並行して前区の選手が通過する予定時間を常に頭に入れながら、中継所の近くでアップをしたり、体温が下がらないように毛布で身体をくるんだりと、選手はもちろん付き添いの生徒や引率の先生方も大変で、「一つのチーム」にならないと、選手をサポートできません。

〇そして襷の受け渡しの際は、大きなスピーカーで前区の速い学校のゼッケン番号が呼ばれ、そこでやっと中継地点に立てます。もし前区の選手がダンゴ状態で走ってくると、次の選手は大きな声と手を挙げて、自分の学校の選手を呼びます。

〇そして前の選手が倒れ掛かって渡したり、時には次の走者がひったくるようにして襷をもらいダッシュしたりていきます。この風景は、箱根駅伝などでもよく見ると思いますが、そのように実際に観戦の皆さんは、選手の走っている姿の裏に、様々なドラマを目の当たりにしています。

〇同日に東京では、正月の「箱根駅伝」の予選会が行われていましたが、こちらも大勢の人が声援していたようです。このことを通しても、日本人は駅伝が好きことがよくわかります。

〇この駅伝大会を経験し、将来は箱根駅伝に挑戦しようとする選手がいることでしょう。選手の皆さん、お疲れさまでした。これからも走ることを楽しみ、自分の特技として人生の支えにしてください。

須藤昌英

 

10月18日(土)生徒会引継ぎ式&前後期切り替え式

〇昨日の5校時、今月より先輩から後輩へとバトンタッチされた生徒会役員・委員長の引継ぎ式と前後期切り替え式を行いました。

〇まずこれまで活躍してきた旧委員長と生徒会役員からのあいさつがあり、続いて新たに3年生から生徒会組織を受け継いだ各リーダーから決意表明をしました。

【旧生徒会役員】

会長  米山涼さん(3年)

副会長 軍司漱磨さん(3年)

副会長 三浦唯人さん(2年)

執行部 鈴木大遥さん(3年)

【新生徒会役員】

会長  三浦唯人さん(2年)

副会長 酒井塔子さん(2年)

副会長 齋藤小春さん(1年)

執行部 嶋根真菜さん(2年)

執行部 堀川瑚夏さん(1年)

【旧委員長】

学年委員長 池田皇羽さん(3年)

生活委員長 小谷野桜子さん(3年)

美化委員長 江藤大雅さん(3年)

学習図書委員長 増田咲幸さん(3年)

給食委員長 三田村咲和さん(3年)

保健委員長 久保詩音さん(3年)

歌声委員長 山田結心さん(3年)

放送委員長 小林祥子さん(3年)

【新委員長】

学年委員長 篠崎琉華さん(2年)

生活委員長 染谷琉惺さん(2年)

美化委員長 志村羚弥さん(2年)

学習図書委員長 渕上佳栄さん(2年)

給食委員長 間野結心さん(2年)

保健委員長 荒井優大さん(2年)

歌声委員長 上田翔太さん(2年)

放送委員長 矢萩日菜さん(2年)

〇今年度の後期は、このリーダーたちによって、生徒会活動の目的である「自立・自律」に向けて活動を行っていきます。土中生徒会は全生徒228名を会員とした大きな組織です。組織には「リーダー」とその人たちを助ける「フォロワー」が欠かせません。フォロワーがリーダーに正しい情報を教えたり、リーダーの意思を具体的に行動に起こしたりすることにより、組織は成り立ちます。

〇そして特にリーダーは、「一番上のことと一番下のことを行う」ことが必要です。「一番上のこと」とは、組織全体が成長していけるように今後の方針や予定を示していくことです。それに対して「一番下のこと」とは、日頃から挨拶や清掃など基本的な生活習慣を身に付けてそれを自然に行えることです。

〇今月に行われる内閣総理大臣を指名する臨時国会を皮肉るわけではありませんが、リーダーが偉そうなことだけ言って、やるべきことをやらなければ、フォロワーはそのリーダーを信頼することはなく、結果としてその組織は成長できません。

〇本校のリーダーたちには、そういう人はいませんが、将来いろいろな組織で活躍していく彼らには、学校生活で「リーダー」「と「フォロワー」の両方の経験をしてもらいたいと願っています。

〇その後の前後期切り替え式では、ホームページのトップ画面にある「國分先輩への質問の回答」を紹介しました。10人の教員に國分教授の回答を読んでもらい、それぞれ一言ずつそれを読んだ感想を述べてもらいました。

〇國分教授は中学生でもわかるように、かみ砕いた説明をしてくれましたので、生徒たちにも何かしら参考になるところがあると思います。来年の創立80周年記念イベントには、國分教授に来校していただき、生徒との対話集会をこれから生徒会と一緒に企画していく予定です。

須藤昌英